CHATEAU DE GAURE

シ
ャ
ト
ー
ド
ゴ ー ル
CHATEAU DE GAURE
~南仏のグランヴァンへ~
南仏リムーに又、新しいワイナリーが誕生しました。
基本理念は、自然でかつ質の高いワインを作り、飲み手を尊重すること!
南仏 Nime 生まれの Pierre Fabre 氏はもともとエンジニアとして優秀な技術
者。彼の御実家はもともと 5 世代続いた南仏の葡萄栽培家です。お父様も南仏
で葡萄作ってはおりましたが、ワインは造らず全て協同組合に売っており、彼
はそんな環境で育ってきたのです。
ベルギーの大きなプラスティック工場長として 20 年以上勤務しましたが、リ
タイヤ先の家を 2004 年に南仏に購入、Chateau de Gaure を立ち上げ、初年度か
ら化学肥料を全く使わない葡萄作りを始めました。何と 200ha もある大きな敷
地に 13 世紀の古いお城があり、そこではホテルをも経営しております。その中
には 25ha もの畑が付いてきており、それならばワインを造ろうと決心したので
した。
そこで選ばれたのが若き醸造家、1977 年生まれの Marc Bertrand 氏。
彼は元々ブルゴーニュ/ディジョンの醸造学校で学び、それからアルザスやオー
ストリア等々の産地でワイン造りを勉強しており、2005 年に Ch de Gaure に迎
えられました。高級白ワイン製造の為の多大な投資をし、2 人で Ch de Gaure を
ラングドックのグランヴァンにしようと彼らの奮闘劇が始まったのです。マー
クも辿り着いたのは無農薬のブドウ造り、こんなチャンスは2度とないとこの
25ha の大きな畑をビオ畑に大改革の計画に手を挙げたのです。しかし口で言う
ほど簡単ではありません。もともと化学肥料を使用していた畑です。でも前の
所有者は最後の 2 年間(2002/2003 年)はもう畑に手をつけなかったので、幸か不
幸か一切化学的なものは畑に入れてませんでした。それでも畑はかなり荒れて
おりましたが、それをたった3人のスタッフで作り上げるのですから大変な事
ったら・・・。
マークがこのシャトーに醸造責任者として任命されてからの最初の 1 年は畑
作り、初年度は残念ながらほとんど協同組合に葡萄を売りました。
2 年目の 2005 年ヴィンテージより、白ワインの販売を開始し、AOC リムーの
中では 1 番良いワインのひとつに数えられるようになりました。既に 2005 年の
アシェットガイドで三つ星を獲得しています。毎年毎年、高級品へと進化。Revue
du Vin de France と言う本では、2006 年ヴィンテージの新発見された 5 つのワ
インの内の 1 つとして紹介されてもいます。2006 年に高級赤ワイン醸造のため、
2 つ目の畑(Latour de France)の購入を決定。この Latour de France は南仏で
も特に素晴らしい区画として現地では知られております。
次世代に良い状態の自然を残すためにも、畑には一切の除草剤や化学肥料等
は使用しません。
ワインの質は、マークの醸造テクニックもさることながら、ブドウそのものの
質(化学肥料を一切使用せずに育て、その為に虫や動物が生息し土地を豊かにす
る)に深く関わっております。
広い広い畑は高さ 300m の標高で、なだらかな傾斜になっており、森の中に独
立して存在しておりますので、鳥の声しか聞こえません。その高さがこのワイ
ンの酸味を形成してくれております。敷地内を車で走らせても、とんでもなく
広いのです。今もまだ手直ししなくてはならない畑が残っており(そっちの方が
多いです)、毎日毎日仕事であふれかえっております。それでもやりがいのある
仕事だと言っていたマークは、水を得た魚のように生き生きしております。も
ともと北の産地で修行をしていたせいでしょうか、個人的には白ワインの方が
赤ワインより好きだそうです。一番好きな品種は Chenin Blanc、南仏にいても
ロワールの憧れの白品種を好むなんて親近感が湧いてきました。
オーナーの Fabre さんは絵を描くのが大好きで、醸造所の入り口に彼の大作が
飾られております。そしてワインのラベルは何と彼の絵です。とっても素敵な
ラベルで、Pierre Fabre さんの多才ぶりがわかります。南仏に又、楽しみなワ
イナリーが誕生しました。
(2009 年 3 月 30 日訪問)
カ ン パ ー ニ ュ
ブ ラ ン
Campagne Blanc 2010
★VdF Blanc
★セパージュ:樹齢 40 年のシャルドネ 100%
★畑:標高 200~450mの高さにあり、大西洋からの風が地中海の影響を緩和し
ている。土壌は粘土石灰質。
★醸造:収穫は 15 ㎏の箱に入れ、手摘み。畑とカーヴについたところで選別を
行う。そのまま圧搾。低温でデブルバージュを行い、大樽(バリック)で土着
の酵母のみを用い 17 度でゆっくりとアルコール発酵。その後バリックでマロラ
クティック発酵。フィルターはかけるが、清澄は行わない。
★熟成:澱の上で 1 種または数種のワインの樽で 12 カ月熟成
★試飲:サンザシの入ったリンゴの香りで、軽くバニラも感じられる。口に含
むと繊細だがきれいな酸味がある。繊細な苦みが清々しさと長いフィニッシュ
をもたらす。
カ ン パ ー ニ ュ
ル ー ジ ュ
Campagne Rouge 2009
コ ー ト
デュ
ル ー シ ョ ン
ヴィラージュ
ラトゥール
ド
フ ラ ン ス
ル ー ジ ュ
★Cote du Russillon Villages Latour de France Rouge
★セパージュ:カリニャン 60%、グルナッシュ 20%、シラー20% 全て樹齢
100 年ほど。
★畑:年間日照時間 2600 時間ほどの標高 100~200mの丘。
土壌は花崗岩、結晶片岩、石灰岩から構成され、コルビエールの近くまで続く
名高い Vallee de L’Agly(ヴァレー・ドゥ・ラグリ)の中でも素晴らしく豊かなテ
ロワールである。
★醸造:収穫は透かし細工の小箱に入れ手摘み。畑で最初の選別を行う。2 度目
の選別の後エグラッぺを行い、ブドウをコンクリートのタンクに入れる。ブド
ウの種類や樹齢によって、3~4 週間タンクでマセラシオン。アルコール発酵は
土着の酵母のみでコンクリートのタンクで行い、酸性化や補糖はしない。必要
な時のみごく少量の SO2 を添加。カリニャンの一部のみマセラシオン・カルボ
ニックを行う。樽で 12 カ月熟成。
★試飲:色は濃い赤で輝きがある。最初に赤い果実、木イチゴ、プルーンなど
の香りが来、ほんの少々木の感じがあるがごく繊細なものである。口に含むと、
かなり率直なアタックが感じられ、酸味のある収斂性も多少ある。口の中で果
実のかりかりしたところが多く感じられるワインである。
キ ュ ヴ ェ
オ ピ デ ュ ム
Cuvée Oppidum 2010
★Limoux Blanc (リムー ブラン)
★セパージュ:シャルドネ 80%、シュナン 15%、モーザック 5%
★畑:標高 200~450mの高さにあり、大西洋からの風が地中海の影響を緩和し
ている。土壌は粘土石灰質。
★醸造:収穫は 15 ㎏の箱に入れ、手摘み。畑とカーヴについたところで選別を
行う。そのまま圧搾。低温でデブルバージュを行い、大樽(バリック)で土着
の酵母のみを用い 16 度でゆっくりとアルコール発酵。その後バリックでマロラ
クティック発酵。フィルターはかけるが、清澄は行わない。
★熟成:バリックでバトナージュをしながら澱の上で 12 カ月熟成。
★試飲:白い果実のアロマと柑橘類や花のノートが感じられる。3 種類のセパー
ジュのマリアージュがこのワインの香りの複雑さを演出している。モーザック
が鮮やかさを与え、シャルドネとシュナンが全体の構成とまろやかさをもたら
している。複雑味が口の中で良く持続する。厚みの中にフレッシュさもある、
良くバランスのとれたワインである。
キ ュ ヴ ェ
プ ー ル
モ
ン
ペ ー ル
ラトゥール
ド
フ ラ ン ス
Cuvee Pour Mon Pere 2009
コ ー ト
デュ
ル ー シ ョ ン
ヴィラージュ
★Cote du Russillon Villages Latour de France
★セパージュ:カリニャン 40%、グルナッシュ 20%、シラー20%、ムールヴェ
ードル 20% 全て樹齢 100 年ほど
★畑:年間日照時間 2600 時間ほどの標高 100~200mの丘。
土壌は花崗岩、結晶片岩、石灰岩から構成され、コルビエールの近くまで続く
名高い Vallee de L’Agly(ヴァレー・ドゥ・ラグリ)の中でも素晴らしく豊かなテ
ロワールである。
★醸造:収穫は透かし細工の小箱に入れ手摘み。畑で最初の選別を行う。2 度目
の選別の後エグラッペを行い、ブドウをコンクリートのタンクに入れる。ブド
ウの種類や樹齢によって、3~4 週間タンクでマセラシオン。アルコール発酵は
土着の酵母のみでコンクリートのタンクで行い、酸性化や補糖はしない。必要
な時のみごく少量の SO2 を添加。カリニャンの一部のみマセラシオン・カルボ
ニックを行う。樽で 12 カ月熟成。
★試飲:カリニャンが繊細さと若々しさを表現し、グルナッシュは黒スグリや
木イチゴなどの黒い果物の香りを与える。シラーとムールヴェードルは香りの
複雑さや繊細なタンニンを補強する。
★余談ですが。。。
-この場所には既に紀元前 3 世紀からイベリア人によって当時最大級の要塞が建
てられており、その後ローマ人に統治された。ローマ帝国の終わりには、現在
の建物がある場所に、ヴィラやその付属の建物が建てられていた。
-購入後、母屋やカーヴは全て修理され、新たに醸造所も建設、付属の建物も改
築された。
-Chateau de Gaure の敷地内の畑は 25ha。ここは白品種のみだったので、2006
年に Latour de France に赤のVVの畑を 15ha 購入。
-ラベルは毎年新しいピエール(オーナー)の絵が使われる。ラベルでこのドメー
ヌを認識できるほどになっている。
-毎年、ヴィンテージを最も良く表現するラベルを作るために、100 以上のデッ
サンを描く。2009 年は最愛の父の死に直面し、またワイン自体も難しかったた
めに黒が基調、2010 年は光が一杯の素晴らしいヴィンテージで多くのオレンジ
が使われている。