公立はこだて未来大学 平成20年度プロジェクト学習報告書 ダイジェスト版

公立はこだて未来大学
平成20年度プロジェクト学習報告書
ダイジェスト版
プロジェクト報告書(最終)Personal Final Report
提出日 (Date) 2009/1/14
セキュリティパラダイムの革命-ペアリング暗号-
The Revolution of Security-Paradigm -Pairing Based Cryptosystemsb1006048 加藤陽介 Yosuke Kato
1 背景
みを専門的に理解する形となっおり,知っている知識が
限定されていた.そこで,各班の間で積極的に知識交換
現在,ネットワーク技術の発展と共に,個人情報など
を行う機会を設けることにより,必要な知識の習得問題
の秘匿情報を扱う機会が増え,悪意のある他者による秘
を解決した.そして,各々の演算プログラムを用いて,
匿情報の漏洩や盗難,改竄などが増加した.そこで,暗
ηf
T ペアリングと最終冪を求めるプログラムを作成した.
号技術を用いることにより悪意ある他者から秘匿情報
後期では,前期に開発を行ったプログラムを元に,不
を守ることができる.故に、情報社会においてセキュリ
正利用者追跡暗号,鍵隔離型署名,プロキシ再暗号化の
ティ技術は IT を支える最も重要な技術の一部として必
技術を用いて,各班,実用的な暗号化が行うことのでき
要不可欠である.
る事を想定したアイディアを出し,それらのアイディア
2 課題の設定と到達目標
を元に暗号アプリケーション開発を行った.しかし,本
プロジェクトでは開発期間が限られており,短い期間で
本プロジェクトでは,公開鍵暗号の 1 つであるペア
リング暗号を学び,従来の RSA 暗号や楕円曲線暗号の
ような公開鍵暗号では実現できなかった暗号アプリケー
ションの作成を目指す.また,その課程における,数学
理論の学習やアプリケーション開発における進捗管理,
仕様書の作成,作業分担,メンバー間における共同開発
などのソフトウェア設計に関わる問題の解決,プレゼン
テーションやポスターの作成を通して,自らの行いを外
部に伝える技術の向上,TEX による論文,報告書作成技
術の習得を行うことにより,プロジェクトの一連の流れ
を学習する.
実際に,アプリケーション開発を行うペアリングを用
いた暗号プロトコルとして,不正利用者追跡暗号,鍵隔
離型署名,プロキシ再暗号化の技術を選定し,各々プロ
グラミング言語の Java,C++ を用いてアプリケーショ
のアプリケーション開発を行うこととなった.そこで重
要になったのは,コミュニケーションの取り方である.
実際に,各メンバーごとにさまざまなプログラム開発を
行ったため,結合作業が困難になると予想されていた.
そのため,スムーズに開発を行うために各班ごとに細か
い仕様書の作成を行い,各メンバー間における意識の違
いなどを調整を行った,また,進捗管理や情報交換の大
切さなども学んだ.
これらのプロジェクト活動を通してセキュリティ技術
の必要性や暗号技術に対する知識を深めることができ,
さらに,アプリケーション開発における様々なノウハウ
を習得することができた.また,己がプロジェクトの主
体となり積極的に物事に対して自らの意見を持ち活動に
取り組み,他者の意見を聞き,交流を大切にすることも
学習した.
ンの作成を目指した.
3 課題解決のプロセスとその結果
4 今後の課題
プロジェクトの成果として,3 つの暗号アプリケー
前期では,学生自らが主体となりペアリング暗号に必
要な演算をプログラム化する作業計画をたて,有限体上
の演算プログラム作成を行う有限体班,楕円曲線上の演
算プログラム作成を行う楕円曲線班,3 次拡大体と 6 次
拡大体の演算プログラム作成を行う拡大体班に分かれ作
業を行った.しかし,これでは自ら所属した班の知識の
ションを作成したが,それぞれ,論文の理論を応用し実
装したアプリケーションであり,社会で実際に使われる
アプリケーションとするためには,実環境で起こりうる
様々な状況に対する,性能や機能面でやや不十分な点が
ある.そのため,そういった点をなくしていくことが今
後の課題である.
プロジェクト報告書(最終)
Personal Final Report
提出日(Date) 2009/1/14
2 知覚デザインプロジェクト
Perception Design
b1006103 大畠常寛
1.
Nobuhiro Ohhata
背景
そこにある存在、もしくは壁の向こう側にある存在
この知覚デザインプロジェクトにおける知覚デザイ
を知覚することのできる「Dot-wall」、Bグループは
装着者の脈拍を測定しその情報から装着者の感情や
ンとは、本プロジェクトの担当教員である岡本教授が
体の内部の変化を知覚することのできる「ゆれごこ
作り出した言葉である。その意味は外界からの情報を
ろ」、Cグループはトンボなどの昆虫に備わってい
人間がどのように知覚しているのかというプロセスを
る360
学び、その知覚情報を拡張し、環境とのインタラクシ
ョン装置を製作することにある。環境から人が得るこ
に「Dragonfly-eye」を提案した。
3.
問題 解決 のプ ロ セス とそ の 結果
ここでは各グループの問題解決法では無く、プロ
とができる知覚情報には限りがあり、一部の動物など、
ジェクト全体を見たときに発生した問題解決のプロセ
例えばサケなどは自分が生まれ育った川の匂いを記憶
スとその結果を記述する。
しておき、散乱の時期になるとその匂いの情報をもと
今年度の我々のプロジェクト「知覚デザイン」プロ
に遡上を始め、ムシなどの小さな動物はその小さな体
ジェクトの最初から最後まで発生した問題というのが
だからこそ見ることができる世界がある。。さらに、
プロジェクト内で度々開かれる会議の進行、また、そ
身体障害者が外界から知覚できないような情報をなん
こででてくる意見の少なさにある。初歩的な問題であ
らかの装置を用いて知覚できるようにできればさらに
るが、そうであるが故に最初の段階でいつも作業進行
が滞ってしまうために、その後のスケジュールが遅れ
生活が豊かになるであろう。上述したような元々ある
てしまうことが前期では度々発生した。
知覚情報をさらに高めることすなわち0を+にするこ
2.
を見渡せることの可能な目、複眼をもと
これを解決するために、後期では1週間ごとにその
とや、損なわれた知覚情報を元に戻す、-を0にする
週の頭に立てるスケジューリングと作業前にグループ
ことを実現する装置を設計、製作し、提案することが
の人員でその日の到達目標を設定する簡単な会議をお
本プロジェクトの表題でもある「知覚デザイン」の本
こなってから作業に移るようにした。最初のうちはや
質であると言える。
はりなれないことなのでうまくはいかなかったが、や
はりプロジェクトが進んでいくにつれスケジュール管
課題 の設 定と 到 達目 標
本プロジェクトの最終的な到達目標は、1.背景
でも書いたとおり、人間の知覚を拡張するユーザー
インタラクションシステムの提案である。
我々はプロジェクト内で3グループに分かれて、
それぞれが今までに無い新しい装置の提案、実装を
行うことになった。
中間発表ではAグループが足跡からそこにいた痕
跡を知覚することのできる床「Perception-Floor」を
提案、Bグループでは風を見るディスプレイ「WindWatch」、Cグループはリズムで他者とのコミュニ
ケーションをとろうというコンセプトのもと、
「Body-Vibration」をそれぞれ提案した。
最終発表では、Aグループが壁が動くことによって
理の大切さが身にしみた。
4.
今後 の課 題
今後の課題としては、今回の最終発表会で出品した
作品がどのように使うことができるのか、新しい活用方
法は何かなどを見出し、それを学外発表で発揮できれば
すばらしいことと思う。
今回の発表では成果物の作成に囚われすぎて実験と言
う実験を行っていなかったため、そこをさらに煮詰めて
今あるものから新たなものを探していきたい。
参考 文献 :特になし
プロジェクト報告書 Project Report 提出日(Date)
2009 / 1 / 14
音声合成システムの構築
Construction of a speech synthesis system
b1006035 滝川憲行 Noriyuki Takikawa
1 背景
近年では、音声認識に関する技術は実用できるほどの高度
なレベルにまで達しており、様々なところで様々な商品化がさ
れている。しかし、高度なレベルには達しているものの、音声
の変換には多くの課題がある。
例えば、録音などをする際には必ずと言っていいほど雑音
が入ってしまう。それをどう解決するかといった課題や、個人
による話し方が違うため、パターン化したデータが取りにくい。
音声の特徴を正確に得るためのアルゴリズムを開発することも
困難である。
本プロジェクトでは、音声合成のプロセスを学ぶ。そのため
に、音声の特性について学習し、その特性を変化させるため
のアルゴリズムの学習をする。最終的には、音声に音程を付
けることで新しい音声に合成することを目標にし、プロジェクト
を進めていく。
2 課題の設定と到達目標
プロジェクト全体の到達目標は「ラ」 などの音声を録音し、こ
の音声を変換することで、曲のメロディに沿って歌うシステムを
製作することである。
これらを実現させるために、前期ではZ変換、伝達関数、周
波数応答、窓関数などの音声変換に必要となる基礎知識の
習得を目標とした。
後期では最終成果物作成に向け4つのグループに分かれた。
また、最終成果物作成にはC++というプログラミング言語を用
いる予定だったので、メンバー全員がその習得を目標とした。
「線形離散時間システム入門」を用いて、その理解を深めていっ
た。後期では、作業効率を高めるために、GUI製作班、フィル
タ製作班、ピッチ操作班、再生・録音プログラム製作班の4つ
のグループに別れ作業を行ったGUI製作班は、最初に変換
する曲の音符のデータを数値化し、それを表にまとめることで
音源情報を作成し、そしてQt というGUI ツールを用いることで、
より操作しやすいインターフェイスを製作することを目標とした。
フィルタ班は音声からフォルマントを取り除く逆フィルタと、音
声にメロディを付ける合成フィルタの作成した。ピッチ操作班
は、逆フィルタから出力された信号のピッチを変化させて音階
を作り、さらにこれを曲の音源情報と対応させることでメロディ
をつけるように、プログラムを作成した。再生・録音プログラム
製作班は、三木先生が用意されたC++のサンプルプログラム
を元に、変換するための音声を録音するプログラム、そして変
換した音声を再生するプログラムを作成した。
4 今後の展望
当初は、DSPボードを使ってより高速なシステムを製作する
予定だったが、十分な時間がなかったため実現できなかった
ので、DSPボードを利用した、準リアルタイムでの処理を行うこ
とができなかった。従って、DSPボードを使った高速な処理を
行い、よりきれいな音声を出力するシステムを実現させること
が課題となる。さらに、変換後の音声にまだノイズが混ざって
しまったために、きれいな音声を出力することができなかった。
このノイズをとることで出力する音声をきれいにすることも課題
となる。
さらに、よりよいインターフェースとして、QtによるGUIの作成も
目標とした。
参考文献
・大野修一. 線形離散時間システム入門. 森北出版, 2008
3 課題解決のプロセス
前期の基礎理論の学習では、教科書として森北出版社の
・斉藤収三,中田和男. 音声情報処理の基礎. オーム社,
1981
プロジェクト報告書(最終)Project Final Report
提出日 (Date) 2009/01/14
拡張現実インタフェースプロジェクト
Mixed Reality Interface Project
b1006006 大島 孝子 Takako Ohshima
1 背景
は,開発期間が短かったため最終報告会に間に合わな
かった.
本プロジェクトのコンセプトは「新しい世界を作る」
である.この新しい世界とは,”身体性を帯び,物理空
3 課題解決のプロセスとその結果
間と仮想空間が相互干渉しあう”世界であると私達は考
本プロジェクトの良いところは,学生提案なのである
えてた.このシステムを製作するために様々な方法を模
程度メンバが確定しており,スタートラインが早かった
索し,技術を身につけ,最終的な成果物は後述の 4 つと
ことだと言える。また,テーマについてもメンバ自身が
なった。
提案するにほど意欲的であったので,一時期は毎日のよ
2 課題の設定と到達目標
うに開発を行うこともあった.また,先生方はほぼ自由
に開発を行わせてくれた.メンバの提案する内容にアド
GAO とは,物理空間と仮想空間が相互干渉しあう身
バイスをくれ,物品を注文するにもとても迅速な対応し
体性を帯びたモデルである.物理空間ではステッピング
て頂けたので,とても小回りの利く素晴らしいプロジェ
モーターがスポンジのついた棒を回転させ,仮想空間に
クト学習環境が用意されていた.
はそのスポンジ上に付随するように魚の映像が描画され
逆に,本プロジェクトの悪かった点は,文章を書く力
ている.回転している魚の映像に,手で触れようとする
が全体的に未熟なことであった.この問題については,
と,スポンジが逆回転し魚も逃げていく.
後期の週報を書く際に「個人週報 100 文字」というルー
ARshooting は,段ボールで作られたカードにそれと
ルを掲げ各個人の文章スキルの向上を図った.他には,
対応した戦闘機の絵・防衛壁・弾が描画され,実際の
個人週報を期限を守って提出しない,プロジェクト中に
カードを動かしてシューティング対戦を行うコンピュー
関係のない雑談で盛り上がって他を不快にさせる,関
タゲームである.
係のないウェブサイトを閲覧するなどの個人の問題が
空中お絵かきとは,2m*2m*2m(縦*横*高) の空間に
起きた.これらの問題については,先生に注意していた
おいて,ペンを用いて空間内に絵を描くシステムであ
だいたり,各個人間で呼び掛けを行うことで改善して
る.実際には,2m*2m*1.6m の Wii リモコンが設置さ
いった.
れた空間内で赤外線ペンを持ち,その赤外線の座標がコ
ンピュータ上で処理された上で描画され,ヘッドマウ
4 今後の課題
ントディスプレイ (以下,HMD) に表示されるシステム
今回のプロジェクトで,成果物を開発するために様々
となった。さらに予定では,Wii リモコンだけではなく
な技術を習得することが出来た.また開発の見通しを立
Web カメラと 3 軸地磁気センサも利用して,人間の顔
てること,先人の意見を聞くことはとても大切なことで
の位置や傾きから視点を求め,それに応じた描画処理を
あると実感した.更に,技術だけではなくドキュメント
行うことも計画に入れて開発していたが,最終報告会ま
作成の大切さ,難しさを痛感し,日頃から文章を書くこ
でに間に合わなかった.また,上手く絵を描いてる感が
とに慣れることの大切さを学んだ.最も重要であること
出せなかったという問題がある.
に気づき成長できた部分は,一つのことを倦まず弛まず
マウスストーカーとは,赤外線ペンを追いかけるよう
にアイコンが描写されるものであった.このシステム
継続して続けていく精神と,技術以前のもっと大切な”
人間としての能力”であったと感じている.
プロジェクト報告書 Project Report
提出日(Date) 2009/01/14
各携帯電話などのモバイル端末を有効利用する携帯電話キャリア間を
シームレスに繋ぐモバイルマルチメディアサービスの提案と開発
Proposal and development of multimedia service for seamless connection of each careers
b1006158 森 勇海
1.背景
Yuumi Mori
方の協力もあり、各キャリア間で共通に使用できるアプリ
携帯電話などの携帯端末の普及率は現在も世界的に増加
ケーションのアイディアを1つに決定することができた。
している傾向にある。しかし、日本国内ではすでに飽和状
未来大学が行なった開発については、まず要求定義・設計
態に近づいてきている。
のためにサービス仕様書・詳細仕様書を作成した。その後、
また、携帯端末の機能も一昔よりも発展速度が遅くなっ
プロトタイプによる実装を行い、サーバ処理を含めたアプ
ているのも事実である。加えて、携帯端末のアプリケーシ
リケーション実装を行なった。実装後は動作テストを行な
ョンは各キャリア間で共通に使用できるものが少ない。そ
い、完成度を高めた。専修大学は、学生に対してアンケー
こで、本プロジェクトでは未来大学、専修大学、協力企業
ト調査を行い、利用者のニーズを分析した。また、アプリ
の合同プロジェクトとして活動を行い、携帯端末本体の機
ケーションの特徴を活かせる業界の研究を行った。その後、
能と各キャリアの特性を活かし、各キャリア間をシームレ
アンケート分析と企業研究から得られた情報をもとに、ビ
スに繋ぐアプリケーションを開発する。また、開発したア
ジネスモデルの作成を行い、「地域活性化モデル」、「 鉄
プリケーションを利用したサービス提案を行う。
道モデル」の2つを考案した。それらのビジネスモデルも
2. 課題の設定と到達目標
って専修大学経営学部の先生方のもとを訪問し評価・指導
本プロジェクトの到達目標は、未来大学と専修大学が互
いの長所を活かした共同開発を行い、各キャリア間でも共
通に使用できるアプリケーションの提案と開発、さらに開
発したアプリケーションを利用したサービスの提案を行な
う事である。また、未来大学は、発案から納品までの実践
的なソフトウェアの開発手法を学び、専修大学は発案から
ビジネスモデルまで一連の企画運営を学ぶという到達目標
も設定した。
そして、どのようなアプリケーションを作成するかを合
同で企画するアイディア提案の課題を設定した。その後、
をいただいた。
このように、合同での作業、未来大学と専修大学の長所
を活かした分担作業を行う事で、ただアプリケーションを
開発するのではなく、開発後の展開までを視野に入れた活
動を行うことができた。また、合同での活動を行うことで
成果物の質の向上はもちろん、コミュニケーション能力や
プレゼンテーション技術の向上、メンバの精神的な部分の
成長も見られるなど、様々な面で相乗効果を発揮すること
ができた。
4.今後の課題
未来大学は、実際の開発手法となるウォーターフォールモ
今後の課題として、2月に予定している札幌や東京のプ
デルを用いて、「要求定義・設計」、「実装」、「テス
ロジェクト成果発表会、協力企業の報告会に向けた発表会
ト」、「納品」の流れで開発を行なうこととした。専修大
準備、そして3月にある情報処理学会全国大会に向けた論
学は、アンケート分析などの市場調査、業界を研究する企
文作成・発表準備を入念に行ない、このプロジェクトの活
業研究、開発アプリケーションをビジネス提案するビジネ
動が一人でも多くの人に周知され高評価をいただけるよう
スモデル作成を行なうこととした。
に頑張ることである。
3. 課題解決のプロセスとその結果
アイディア提案については、グループ毎にブレインスト
ーミング法やKJ法を用いてアイディア出しを行ない、5月
下旬に行なわれた第1回合同合宿で協力企業の方々や先生
参考文献
[1] @IT
「初めてのプロジェクトリーダー」
<http://www.atmarkit.co.jp/farc/rensai/pl01/pl01.htm
l>
プロジェクト報告書(期末) Projekt Final Report
提出日(Date)
2009/01/14
6- 木星からの電波信号を捉える
Catching radio signal from Jupiter
b1006097 服部 航也 Koya Hattori
1. 背景
後期では、新しいレシーバの導入のために使い方などの
木星からの電波信号は数多くの学者が研究してきたが、
学習を第一に行った。次に、レシーバ班には観測時に周期
我々はその中でも比較的な NASA が提供している電波信号
的なノイズが入るなどの様々な問題が浮上したためそれら
を受信できるアンテナセットと、選択度広いレシーバを使
の対処を行ってもらった。最後は最終発表に向けて難しい
い受信し、その中から木星からの電波信号の特徴の一つ
かつ専門的な知識を他の人に理解してもらいやすい発表を
S-burst と 呼 ば れる 信 号 を 解析 に よ り 導き 出 し 、そ の
行うことを目標とした。また、アンテナ班には、気温が下
S-burst の特徴のより詳細な解析を行った。まず我々は前期
がった中観測を行う際に冷えて固まったケーブルの性で銅
に去年までに行われてきたことの学習と、観測を自分たち
線部分が断線することがありその対処を行ってもらった。
で行い一通りの手順を学習した。前期で使用したレシーバ
解析班には受信したデータを図の中での解析だけではなく
は選択度の狭いものを使用したため、2 台使用し観測を行
実際に取れたデータから音声データを作成し S-burst の特
いました。理由は選択度が狭いため S-burst の特徴である
徴であるパチパチとはじけるような音に変換してもらうこ
短時間に周波数が急激に減少する現象を捉えるためである。
とを行ってもらった。
前期解析時には 2 点間がつながっていると仮定して進めて
言ったため前期の結果ではらしきものを捉えることはでき
3.
課題解決のプロセスとその結果
たが信頼の得られるデータとはならなかった。その点を踏
課題を解決するために前期ではメンバーに資料の読んで
まえ後期では選択度の広いレシーバを使用しました。この
くる期間を指定し知識定着を第1目標とし、早くに電波観
レシーバにより S-burst の外形を捉えることができ、前期
測可能状態に持ってこられるようにした。
より詳細かつ信頼の得られるデータの受信に成功した。
次に、資料が英語で書かれているために、その英単語一
また、受信する過程においては前期後期共に様々な問題
つ一つの定着を目標とし、私が作ったウィキのサイトに一
点があり、木星からの電波信号を受信可能な日が極端に少
人20個ずつの英単語と日本語訳とその単語の説明を課題
ない、解析時にノイズが入るなどしてその中から欲しいデ
として英語の意味の定着に取り組んだ。前期後期であった
ータを抽出するのは難しいなどがあった。前期だけでは受
ノイズなどの解析時の問題については先生方に自分たちで
信したデータは音声データによって出力されるが、ノイズ
調べた問題点を挙げ解決し。それでも分からない部分につ
のせいで聞きやすい音にはならず、その調整も難しかった。
いては同じ研究を行っている方にアポを取りメールでやり
後期のみでは、季節の関係があり雪の降る前に行わなけれ
取りし解決することも行った。発表会の対策としては他の
ばならなく、寒さでケーブルが硬くなり銅線など断線する
プロジェクトの方に聞いて分かりづらいところの指摘をし
ことがよくあった。
てもらう事を行った。
2.
4. 今後の課題
課題の設定と到達目標
前期のプロジェクトの課題として挙げられたのは、全員
次年度においては、今期作成した報告書を元に改善点を
が木星について大まかな知識しか持っておらず、これから
見つけ出しより正確かつ詳細なデータの取得を行って欲し
木星からの電波信号を受信し解析するまでには無理があっ
いです。
た。なので、まず知識を得るために木星からの電波信号を
受信するための知識の勉強、およびその知識をメンバーで
参考文献
共有するために一人1回のプレゼン発表を目標とした。
・JOVE PROJECT CD-R and Visual Primer, JOVE CD
プロジェクト報告書(最終) Project Final Report
提出日(Date)
2009/01/14
インタラクティブ広告システムの改良試作と評価
Prototyping and Evaluation of Improved Interactive Advertising System
B1006191 高野 大 Takano Masaru
1. 背景
今、世の中にある広告の多くはテレビや街頭のポスター
この装置を用いてインタラクティブ広告システムを制作
し、前期に行った街頭調査の結果から、ユーザーの 40%は
のような紙媒体のもの、ここ数年で台頭してきたインター
何らかの形で広告を見ているという事実を得たため、その
ネット上のものなどがその多くを占めている。
結果を上回ることが制作するインタラクティブ広告システ
これらの媒体の多くは、ユーザーが情報を受け取るばか
ムの目標となる。
りで、ユーザーがより情報を得たいと考えられる場面が多
くなかった。インターネット上にある広告ではこれらの問
3. 課題解決のプロセス
課題解決のプロセスとその
のプロセスとその結果
とその結果
題を解決するために、インタラクティブ性をもった広告も
インタラクティブ広告システムを制作するにあたって、
考えられ、実際に掲載されている。
メンバーが考えた動作を再現するには、Adobe Flash がそ
本プロジェクトは今までの広告が持っていた、ユーザー
れまで考えられていた動作を最も再現できる可能性がある
とのコンタクトポイントだけでなく、新しい場面で広告と
と判断し、このソフトを採用することとした。
ユーザーとの出会いを想像し、今まで広告からユーザーへ
Adobe Flash を使用するにあたり、その動作を制御する
と一方的であった情報の流れを変え、ユーザーから発せら
ため Action Script を使用した。Adobe Flash では各種の
れた情報を受け取り、広告がそれに答えることが出来るよ
演算が行えるため、それを用いて自然界にある動作を再現
うな関係を創造することを考えている。
し、自然な動作をプログラムで再現した。
人の行動に対して反応が行え、動作が続いていく構造を
インタラクティブ広告システムに対してユーザーが操作
もったものをインタラクティブ性とし、それを備えたシス
したことを確認するため、なんらかのセンサーが必要であ
テムをインタラクティブシステムと私たちは呼び、この二
った。圧力センサーや赤外線センサーなど、幾つかの候補
つを広告に組み合わせたインタラクティブ広告システムと
について考え、最終的に Web カメラを用いて画像認識を行
いうものを私たちは制作し、その広告効果を検証するため
いユーザーの操作を認識することとした。
街頭調査を行い、評価を行うのが本プロジェクトの概要で
ある。
2. 課題の
課題の設定と
設定と到達目標
システム全体の動作はほとんど Adobe Flash 、Action
Script を用いることで再現することが出来た、表示される
画面は Adobe Photoshop , Shade を用いて制作を行った
が今後も十分により品質の高いものを制作できる前向きな
インタラクティブ広告システムを制作するにあたって、
展望が持てるものだった。
ユーザとの何かしらのインターフェイスを用意する必要が
ある。どのようなインターフェイスを採用するかはその後
4. 今後の
今後の課題
のインタラクティブ広告システムの制作にあたっても、重
センサー精度の向上、システムの安定性の向上などが考
要な点となるため、初期の段階では各自のアイディア自体
えられている。また、コンテンツの品質の向上など全体の
に制限を設けなかったが、中間発表、最終成果発表にあた
プラッシュアップを考えている。
り現実性ということも考え、インターフェイス部分には昨
これらの事を行った後、再度目標の 40%以上のユーザー
年度使用したタッチパネル機能を搭載した大型プラズマデ
に見てもらえるか評価を行う必要がある。
ィスプレイを使用することとした。
プロジェクト報告書 Project Final Report
提出日(Date)
2009/01/14
8,ソラリスプロジェクトⅡ
Project Solaris ⅱ
b1006014 田辺孔明
1. 背景
今回私達のグループでは、タルコフスキによって描かれ
た映画「惑星ソラリス」に登場する自然現象を表現する。
今回は表現手段として、コンピュータグラフィックス(C
G)を用いた自然現象をプログラミングし、物理モデルを
実装する事を目標にした。
Komei Tanabe
項目を解読した資料を、担当教員に発表することで
DirectX の知識と文献の探索方法を学んだ。
その後、解読した資料を元に、夏グループではゲルスト
ナー波を用いた「波紋」、冬グループでは雪粒子を用いた
「降雪」、実装することを前期目標に設定し、プロトタイ
プ製作に取り組んだ。
後期では各グループのプロトタイプに、コンセプトを取
2. 課題の設定と到達目標
り入れたプログラムを実装することを目標にした。夏グルー
プでは「リアルな水面」「戦艦」「戦艦からの砲弾」「陸
具体的な到達目標を設定するため、まず、CG(コン
ピュータグラフィックス)の知識、C++や DirectX の技術
を習得することにした。
前期では全員が技術を習得した後、自然現象で身近なテー
マである「四季」を表現することにした。メンバーの希望
を取り、主に「波」を表現する夏グループと主に「雪」を
表現する冬グループに分かれた。そして、それぞれの班で
中間発表に向けて、プロトタイプのプログラミング作業を
地」を目標にし、冬グループでは「局所的な風」「ダイヤ
モンドダスト」「積雪」を目標に活動してきた。
その結果、夏グループでは中心差分法と呼ばれる計算方
法を用い、リアルな水面の実装に成功した。また、メタセ
コイアというモデリングソフトを使用して、砲弾と戦艦か
らの砲弾を実装できた。冬グループでは空間を格子法によ
り、局所的な風の実装に成功した。雪粒子の描画を調整す
ることでダイヤモンドダストを実装できた。
行った。
後期では前期のプロトタイプをふまえ、各班それぞれ
4.
今後の課題
「波」と「雪」をテーマに物理モデルを用いた現実感のあ
るリアルタイムCG製作を行った。
計画の点からは、前期はプログラムの実装まで行うやり
方がわからず、作業が停止することもあったが、後期では
3.
課題解決のプロセスとその結果
比較的作業がスムーズに進むことができた。また、「探索」
「解読」「実装」の合計作業期間の見積もりが甘く、参考
表現したい課題解決を、課題に関する文献をインターネッ
トや書籍で探す「探索」、探索した文献を翻訳や解読を行っ
て簡潔に資料にまとめる「解読」、解読した資料を元に実
際にC++や DirectX を使ってプログラミングする「実装」
文献を探索できたが、文献解読を完了するまでに時間がか
かり、プログラム実装をするに至らないケースもあった。
そのため、作業量と作業期間のバランスを考え、今後はしっ
かりした計画を立てて、作業を行う必要がある。
、の3つに分けた。それら3つの作業に期限を定め、各メ
ンバーごとに作業を割り当てることにより、課題解決を行っ
ていった。
前期では各グループともに、まず資料の探索が主な作業
となった。各メンバー全員に自然現象、CG用語、
DirectX のプログラミング方法などの資料を探索し、共有
して使用した。また、知識の習得に努めるため、DirectX
の書籍をメンバー全員で購入し、メンバーに割り当てた各
参考文献
[1] Mark Deloura, GAME PROGRAMMING Genus, (株式会社
ボーンデジタル, 2005,8)
[2] N2Factory, DirectX ゲームグラフィックスプログラ
ミング Ver.2.1 Vista, (SoftBank Creative, 2007,7)
[3] Randima Fernando, GPU Gems, (nvidia, 2006,6)
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プロジェクト報告書 Project Report
提出日 (Date) 2009/01/14
表現豊かな歌唱・発話の支援
-認知科学とコンピュータ・サイエンスの融合Developing a software to facilitate expression in singing and speech voice:
Integrating cognitive science and computer science
b1006025 大関加奈 Kana Ohzeki
1 背景
コンを使用しての MIDI 音源の音量、テンポ変動をさせ
ることに成功した。
本プロジェクトで我々は、表現豊かな歌唱の支援を
後期の開発班では、Flash を用いて最終成果物の画面
するツールを作製することをプロジェクトのテーマと
全体を作成し、Max/MSP を用いて、Wii リモコンの操
した。
作に関するプログラミング、またマイク入力に関するプ
歌唱ツールと言えば代表的なものでカラオケがある。
ログラミングを行った。さらに C++ を用いて本ツール
しかし、カラオケの決まったテンポ、音量の伴奏だと歌
の歌の採点機能の部分の自分の歌の判定を行うプログラ
いにくい時がある。また、現在視覚フィードバック歌唱
ミングを行った。これらを合わせ、最終成果物を作製し
支援ツールとして Sing & See というツールが存在する
た。実験班では、開発班が作製したツールの評価実験を
が、このツールは音楽を専門としている人に向けて作ら
数回にわたり行った。また、実験結果の分析を行い、さ
れているため、一般の人には大変使いづらいものとなっ
らに改善案をプロジェクト全体に提案を行った。
ている。
2 課題の設定と到達目標
中間、成果両発表会の準備では、プロジェクトメン
バーがそれぞれ協力してポスター、スライド、シナリオ
の作成を行った。
本プロジェクトでは前期は MIDI 班、視覚班の2班、
後期は開発班、実験班、の2班計4つの班に分かれて作
業を行った。
前期で視覚班では、最終成果物の視覚フィードバック
のプロトタイプの作成を目標とし、MIDI 班では MIDI
4 今後の課題
1年間のプロジェクトを通し、プロジェクトメンバー
全員が様々な技術、能力を身につけられたと思う。
成果物も実験班による数回にわたる実験を繰り返し、
の再生を自分で伸び伸びと歌える伴奏に変化させること
開発班が技術を駆使し、ユーザーのことを考えたツール
を実現させることを目標とした。後期で実験班では実験
を作ることができた。
を行い、実験結果を元にツールの改善案を提示すること
本プロジェクト名に「発話の支援」とあるが、歌の支
を目標とし、開発班は前期での成果物を元に最終成果物
援ツールを作製するだけに終わってしまった。しかし、
を作成することを目標とした。
歌の支援ツールを作製することができたので、作成まで
班ごとの作業の他にプロジェクト全体として、音声分
に培った技術と能力で、歌唱支援ツールを発展させた形
析についての学習、中間、成果両発表会の準備を行った。
で、発話の支援ツールを作製することができるのではな
3 課題解決のプロセスとその結果
いかと思う。
前期の視覚班では、Flash、DirectX、Max/MSP を使
い、最終成果物の視覚フィードバックのプロトタイプの
作製や MIDI 音源の視覚化、自分の声の視覚化に成功し
た。MIDI 班では Max/MSP と C++ を使い、Wii リモ
参考文献
[1] Sing & See,
http://www.singandsee.com/index.html, CantOvation, 2008 年 7 月 12 日
プロジェクト報告書 Project Report 提出日(Date) 2009/1/14
使い物になる Web サイト構築: デザイン × プログラミング
Development of "Usable" Web Site: Design × Programming
b1006034 沢田石尋紀 Hironori Sawadaishi
1.背景
ジェクトの成果を効果的に発信する「プロジェクト学習成
使い物になる Web サイトを開発する上で,開発者は依
果発信サイト」,問題作成や予習を支援する「プログラミン
頼者の要求とは異なるサイトを開発したり,作ったサイトが
グ教育支援サイト」,リフレクションの内容を簡単に閲覧で
ユーザにとって役に立たないというケースがある.本プロ
きる「リフレクション可視化サイト」であった.
ジェクトでは,依頼者から Web サイト構築の依頼を受けて
3.課題解決のプロセス
システム開発の流れに沿って実際に開発を行っていく.
模擬開発を通じて,目標となるスキルを身に付けていっ
開発を通じて,依頼者とユーザが満足する「使い物にな
た.開発プロセスを体験することで,スケジュール管理や
る」Web サイトの開発ができるスキルを身に付けていく.
進捗管理,リスク分析をし,重要性を理解した.また,依
2.課題の設定と到着目標
頼者との打ち合わせでは依頼者の要求の優先度を把握
本プロジェクトでは,「使い物になる」 Web サイトを開発
し,依頼者と情報共有するように心掛け,コミュニケーショ
する上でコミュニケーション,デザイン,プログラミングの 3
ン能力の向上を図った.依頼者の要求に対して実際に要
つの要素が重要であると考えた.コミュニケーションにお
求定義書などの書類化をしていき,仕様の適切な書類化
いては,相手の立場に立って依頼者やユーザを理解す
のスキルを身に付けていった.書類化をする際には,グ
るのに必要なコミュニケーションができる必要がある.デ
ループであらかじめフォーマットを決めておくなど効率良
ザインにおいては,ユーザが迷うことなく直感的に使える
く作業できるように工夫した.グループ開発を円滑に進め
デザインが考えられることが必要である.プログラミングに
るために情報を掲示板などで共有したり,リスクを分散し
おいては,従来のシステムよりも効率良く作業できユーザ
たりなど作業を効率化するように心掛けた.ユーザインタ
にとって役立つシステムを作ることができる必要がある.こ
フェース設計においては,ユーザが直感的に使うことが
れらのことができることが「使い物になる」Web サイトを開
できるようにユーザの視点に立ってサイトを作るよう心掛
発できることであると考えた.「使い物になる」Web サイトを
け,システム開発を通じてプログラミング技術も向上して
開発するために,ユーザインタフェース設計やプログラミ
いった.前期では,サイトを納期した後に全員でリフレク
ング技術とともに,依頼者とのコミュニケーション能力,グ
ションを行い,反省を行った.
ループ開発を円滑に進めるための知識やスキル,仕様の
後期では,前期で学んだことを活かして「使い物になる」
適切な書類化のスキルなどを身に付けていく必要がある
Web サイトを構築することを目指し,実開発を行った.前
と考え,それらのスキルを身に付けることを目標とした.
期では実施しなかったユーザビリティテストを行うことで実
前期では,模擬開発を行うことで,開発プロセスを体験
際にユーザが使いづらい箇所を改善していった.このよう
し,目標となるスキルを身に付けていった.模擬開発では,
に,「使い物になる」システムの開発を行うための知識や
3 グループでそれぞれ違う依頼を取り組んだ.依頼内容
技術の向上を図ることができたといえる.また,実際に開
は,「システム情報科学実習サポートページ」,「書籍管
発したサイトは運用される予定である.
理システム」,「プロジェクト進捗管理システム」であった.
4.今後の課題
後期では,前期で学んだことを活かして「使い物になる」
本プロジェクトを通じて, 実際にシステム開発を経験し,
Web サイトを構築することを目指し,実開発を行った.ま
様々なスキルを得ることができた.私たちは,プロジェクト
た,目標を達成するために前期で不十分であった点を後
での学びや反省を活かして使い物になるモノを開発する
期のシステム開発で補っていった.前期と同様に,3 グルー
ためのスキルをさらに向上していき,今後に活かしていき
プでそれぞれ違う依頼を取り組んだ.依頼内容は,プロ
たい.
プロジェクト報告書 Project Report
提出日(Date)
2009/01/14
12 食のリテラシー「
リテラシー「生産者と
生産者と消費者をつなぐ
消費者をつなぐ食
をつなぐ食の情報システム
情報システムの
システムの開発」
開発」
Food Literacy “Development of food information system that connects
primary industry and consumer”
”
プロジェクト 12
Project12
b1006115 東川 弘樹 Hiroki Higashikawa
1. 背景
ことができる。またモジュールの開発では、PHP と HTML
食品の賞味期限や消費期限の詐欺や、産地が違うものでか
によるシステム開発と HTML と CSS によるデザイン開発
さましをするといった詐欺によって、生産地のブランドの
で個々に開発できる。これにより作業をできるだけ効率さ
価値も下げられてしまう。このようなことを防ぐために、
せた。
一次産業の生産者と消費者を直接つなぐために、web サイ
システム開発では 9 つのモジュールを 1 人 1 つずつ担当
トにより実現を目指す。このサイトでは生産者が生産物の
した。デザインではテーマ開発と各モジュールのデザイン
安全性と生産者の身近な情報を発信していけるようなサイ
面で開発をした。中間発表と成果発表でのポスター作りを
トが必要であると考えた。そこで生産者自身が扱えるよう
した。
な web サイト構築のシステムを開発することが重要である。
2. 課題の
課題の設定と
設定と到達目標
到達目標は生産者が自身で扱えるようなサイト構築シ
ステムを開発することである。そこで大きな課題として「生
北るもい漁協天塩支所と遠別漁協のサイトを試験運用ま
で到達した。サイトトップは右図の図 1 のようになった。
またこのサイトの URL は参考資料のようになっている。現
在、公開中である。
産者が扱いやすい」システムを開発することである。プロ
ジェクトで用いるシステムは web ブラウザで運営・管理が
出来るコンテンツマネジメントシステム(CMS)の1つの
Xoops である。また、漁業、農業や畜産業など複数の1次
産業で利用ができるようなシステムを目指した。 昨年度も
同じシステムを利用し開発を行っている。
3. 課題解決の
課題解決のプロセスとその
プロセスとその結果
とその結果
初めにモジュール、つまりサイトのコンテンツにはどの
ようなものが必要なものがというのを全体で検討した。ま
図 1.北るもい漁協天塩支所と遠別漁協のサイトトップ画像
た、サイト全体の統一感をもたせることで、見やすいもの
4. 今後の
今後の課題
をつくろうと考え、配色や文字のフォントなどについて学
実際にこのサイトの運営、編集、保持といったものが、
んだ。これにより、どういったサイトのデザイン面や、各
一次産業者にとってどれだけ使いやすいものであるかをユ
モジュールのデザイン面での留意点について検討した。
ーザビリティテストなどで検証する必要がある。またその
モジュール開発の演習として、サンプルとして名前と本
検証からサイトをより使いやすいものへ改善する必要があ
文だけを入れる簡易的な掲示板モジュールをインストール
る。
した。さらにこれを投稿時間の取得と表示し、画像の添付
参考資料
と表示の機能を追加するとことでモジュール開発の基礎を
「天北の産地から安全でおいしいシジミの情報をお届けし
学んだ。
ます
Xoops というシステムではモジュール開発とテーマ開発
により大まかにシステム開発とデザインでの開発をわける
‐てんぽく活性化協議会・トレーサビリティ検討部
会‐」
URL:http://www.trace-info.jp/teshio/
Project Report
プロジェクト報告書 提出日(Date) 2009/01/14
数学の世界を探検する
Explore into the mathmatical world
b1006051 坂本謹康 Noriyasu Sakamoto
1.背景
ある。前期の目標は、動画の基盤となるスライドを作成
本学の『解析学』の授業で使用されている教科書で
することである。どのようにして ε 論法を可視化し、理解
は曖昧な表現を含んだ部分と、それを正す補足がある。
してもらうかについて本プロジェクトメンバー、及び担当
授業では補足を扱っていない。しかし、定理の運用を
教員で議論した。その結果、ε 論法の証明をする時の
正確にすれば、教科書にある例などを理解するのには
補足を使わずとも十分である。ただし、その定理を証明
しようとすると、数学的表現である補足が必要になる。こ
の数学的表現は、大部分の学生がきちんと理解するの
は大変困難である。過去の一般的な微積学の教科書
では、補足ではなく本文に書かれていた。しかし、その
理解の困難さゆえ、最近の教科書では本文ではなく補
足になっていることが多い。
番号 n0 を見つけるためのスライドを作成することにした。
数列の収束は、減衰曲線などの例を取り上げ、数列の
発散は、調和級数を例に取り上げた。
後期では、前期で作成したスライドの枚数を増やし、
動画を作成した。主に、動画を作成するグループと、シ
ナリオとナレーションを考えるグループに分かれた。
動画の試作段階で、解析学Ⅱ、及びベクトル解析を
受講している本学生に視聴してもらった。その後、視聴
してもらった動画のアンケート調査を行った。アンケート
2.課題の設定と到達目標
結果では、「可視化が有効であった」との意見が多数
そこで、数学的表現の理解を手助けするために可視
得られた。アンケートで得られた結果をもとに、動画を
化を行う。今回、曖昧な表現と数学的表現とのギャップ
改善した。より完成度の高い動画を作成した。
が一番よくあらわれているものとして、数列の極限をあ
げた。数列の極限は教科書の本文に書かれている定
義では、数学的には曖昧な表現となっている。例えば、
4.今後の展望
今後の展望として、動画の内容を拡張していくことや、
「限りなく大きくなる」や「限りなく 0 に近づく」などが数
課外発表に向けてのポスター作成があげられる。動画
学的には曖昧な表現としてあげられる。しかし、教科書
の内容は、学生からリクエストしても良いかもしれない。
の補足にある、ε 論法による定義では曖昧さを排除して
また、それに応じて画像を増やしていく必要がある。ナ
あり、論理記号と大小関係で数列の収束と発散を表現
レーションも変わるので、ナレーションの改善もする必
してある。しかし、この定義に従って、具体的な数列の
要がある。そして、ナレーションの改善とともに、音声も
収束と発散を証明するには、定義にある番号 n0 を見
再度入れ直す必要がある。課外発表では、プレゼンテー
つけなければならない。この番号 n0 を見つけることが、
ションの対象が本学生から企業の方々へとなる。よって
ε 論法による定義を使った数列の収束と発散の証明の
ポスターの内容を大幅に修正する必要がある。
中で一番難しい。
参考文献
3.課題解決のプロセスとその結果
『微分』 第一章 数列と関数
前期では、問題解決をするに当たり、当初取り組んだ
著者:上見練太郎 勝股脩 加藤重雄 久保田幸次
のが、ε 論法による収束と発散の定義を学習することで
神保秀一 山口佳三
プロジェクト報告書(最終) Project Final Report
提出日(Date)
2009/01/14
14 医療のための 環境再構築プ ロジェクト
Project for a re-arranging our medical environment
b1006199 横窪 安奈
1. 背景
現在,日本における高齢者の増加に伴い,患者の高齢化
Anna Yokokubo
セスが必要であると考えた.そこで,以下の図で表すシス
テムを構築した.
が進んでいる.そのため患者一人当たりに掛かる医療費は
増加傾向にある.さらに 2008 年 4 月から後期高齢者医療
制度が施行され,在宅医療を推進する方針が強まり,病状
が比較的軽度の患者を在宅医療に切り替えている.そのた
め,高齢な在宅患者の増加などが問題となっており,特に
函館市では独居老人の割合が高く,前述の制度の影響を著
しく受けている.
また全国的に医師の偏在が深刻化しており,加えて患者
図.本プロジェクトで制作した医療システムの体系図
は総合病院などへ集中する傾向にあるため,勤務医の負担
制作したシステムは以下の通りである.
が増加している.その対策として厚生労働省は医療機能分
・Clippy
担推進事業と称し,地域医療や医療の細分化を進めている.
患者名,受付時間,病名,薬名を電子カルテから取得し,
患者に注意事項を伝えるためのシステムである.
患者に合わせた注意事項を簡単に作成出来る.
2. 課題 の設 定 と到 達目 標
患者の視点で医療環境における問題点を抽出し,様々な
・TOUCH BARN
言葉にできない症状を伝えやすくする
システムである.タッチパネルを用いて,自らの症状を直
情報技術を活用して問題の解決を目指す.このため,医療
感的に選択出来る.
の空間を病院のみならず,患者の家や患者の家族の家まで
・BusChe
拡張する空間を構築することを目標とする.
患者がバスに乗車した時点で,病院の受付を開始出来る.
本プロジェクトでは,医療空間を再構築するために「在
患者がバスで通院する際の支援システムである.
・在宅医療支援システム
在宅医療を受ける患者の自宅で,
宅医療空間の再構築」と「患者の治療に対する積極性を促
患者の身体情報の記録を行い,患者・家族・医師に適切な
す」という 2 つの提案目標を柱として設定した.これらに
形で情報を提供するシステムである.この記録を提示する
ついて,医療現場をフィールドとして調査し, 医療サービ
画面として,医師が PC を介して使用する「在宅医療用診
スを受ける側にとって,さらに使いやすく,心地よい環境
療サポートシステム HoMeCa」と,在宅患者と患者の家族
を提供できるような提案を行うためのプロトタイプシステ
がテレビを介して使用する「地デジを利用した遠隔地見守
ムを提示することを課題とした.
り画面 Fa-ME」がある.
3. 課題 解決 の プロ セス とそ の 結果
4. 今後 の課 題
前期は医療知識を習得するために,情報収集やフィール
本プロジェクトが提案した医療空間の拡張を行うために
ドサーベイを行った.この知識を基盤とし,現在の医療環
は,患者と医師間での意思疎通を向上させることが可能に
境をより良くするために必要な要素を抽出した.これによ
なる.また,患者の家族との関係を密接にすることで,地
り,「医療に関する情報をユーザに合わせた方法で提示す
域医療に繋げる.そのためには,システムの必要性を論理
る」,
「患者中心の医療環境を構築する」という 2 つのプロ
的に証明するために評価実験を行う.
プロジェクト報告書
提出日(Date)
Project Report
2009/01/14
15 モノを動かすソフトウェア
-組み込みシステム開発技術の習得と応用
Applied Embedded System Development
b1006010 佐々木啓太
1. 背景
Keita Sasaki
SH4/7730 というマイコンで構成された画像処理ボードの
組み込み機器は生活を支える家電製品から工場で稼動し
2 枚の開発が主な到達目標である.これらはスタック構造
ているオートメーションの溶接機や研究で使用される精密
である.接続の一例を図 2 に示す.その他、ライントレー
計測機器まで多種多様なものが社会にあふれており社会で
ス用センサや距離センサ、それらと制御基板をつなぐセン
の需要が高まっている.上記現状を踏まえ、プロジェクト
サボードも製作する.
No,15 では組み込み開発技術の習得を行う事を目的とし、
3. 課題解決のプロセスとその結果
目標は組み込み開発プロセスに対して実践的な素養を身に
課題解決方法は、15 人いるメンバを 3 チームに分け、そ
着ける事である.
れぞれのチームが個別に課題に対してアプローチする方法
2. 課題の設定と到達目標
をとった.3 チームのうち 2 チームは画像処理を用いた車
プロジェクト No,15 では二つの大きなテーマに分けて活
型模型の開発である.進捗の確認方法については、週の始
動を行った.一つはドライバーの補助を目的とした画像認
まりに全体で進捗を確認しながらプロジェクトを進行させ
識による車型模型の制御である.もう一つはロボット開発
た.特に後期に入ってからは、各工程を記したスケジュー
を容易にすることを目的としたロボットプラットフォーム
ル表を作成し、それに進捗を書き込みながら進捗を確認し
の開発である.
た.画像処理を用いた車型模型のチームに関しては両チー
画像認識による車型模型の制御の到達目標であるシステ
ムとも画像処理を用いて車型模型を走行させる事に成功し
ムの概略図を図 1 に示す.PC と FPGA 間では画像処理結
た.また片方のチームは公道で使われている一時停止のマ
果を通信のためにシリアル通信が行われる.FPGA がモー
ークを認識し一時停止する機能を実装した.もう一方のチ
タドライバを制御する際には I/O ポートを用いて行う.
ームでは直線だけでなく、片側が点線の場合でもトレース
USBカメラ
PC
FPGA
できるよう実装した.これらは成果発表会でデモを行った.
ロボットプラットフォームの開発では作成した基板で画像
モータドライバ
処理を行いロボットにライントレースをさせることに成功
図 1 画像認識による車型模型のシステムの概略
させた.この成果は成果発表会でデモすることはできなか
ロボットプラットフォームの開発の目標はロボット開発
ったが、成果発表会の後日、実装に成功し、東京と札幌で
を容易 にす る ための 基板 の 作成で ある . ルネサ ス製の
の発表で披露することが可能な状態である.
H8s/2505 というマイコンを中心にした CPU ボードと
4. 今後の課題
Xilinx 製の XC3S500E という FPGA とルネサス製の
画像処理によって制御する車型模型は、室内で外乱光の
調整された環境下で走行が可能なものであった.そのため、
今後は公道でも走行可能なようにする事が課題として挙げ
Image board
Sensor board
られる.また、ロボットプラットフォームの課題はユーザ
Sensor
インターフェースを考慮した設計や、画像処理機能のライ
ブラリー化などが今後の課題としてあげられる.また、全
CPU board
体として来年度以降のプロジェクト学習のために今回開発
した際に必要となった知識やノウハウを情報として明示化
図 2 スタック構造の接続例
及び固定化することも課題である.
プロジェクト報告書 Project Report
提出日(Date)
2009/01/14
16-A 小学生を
小学生を対象とした
対象とした
エデュテインメントシステムの
エデュテインメントシステムの製作プロジェクト
製作プロジェクト
Development of Edu-tainment System for Elementary School students
プロジェクト 16 Project 16
b1006076 能登 大貴 Daiki Noto
1. 背景
現在世の中では、未成年者による殺人や自殺が耐えない。
これらの課題を解決するために、後期では具体的なカリ
キュラムの考案およびソフトウェア設計を行った。
これは今までの学校教育で『命』について触れることを避
けてきたためであり、個人の『命の大切さ』についての理
解が不足しているのではないかと我々は考えた。
3. 課題解決
課題解決の
解決のプロセスとその
プロセスとその結果
とその結果
『食育プロジェクト』では、授業の効果があったのかを
そこで今回このプロジェクトに協力してもらった赤川小
確認するために、授業の前後で同様の内容のアンケートを
学校の児童 5 年生に対して『人は死んでも生き返ることが
行った。『飽食』の授業では、
『いただきますは何に対して
できるか?』というアンケートを実施したところ、2 割の
いっているのか』という内容のアンケートを実施し、
『偏食』
児童が『はい』と回答した。この結果より『命の大切さ』
の授業では、
『5 大栄養素の不足がもたらす健康への悪影響
を児童にうったえる授業を行うこととし、世の中にあるた
について』のクイズをおこなった。結果、
『飽食』では食べ
くさんの『命』のうち、児童にとってわかりやすい身近な
ることにおいて生き物の命を感じている生徒が増え、『偏
『命』とは何かと考え、その中の『支えてくれる命』
『引き
食』ではクイズの正答率が上昇し、
『自分の命を大切にする』
継ぐ命』を取り上げ『食育プロジェクト』とし、
『育む命』
意識作りのきっかけをもたらせた。
『預かる命』『大切な命』を取り上げ、『ペットの命』とし
た 2 つの企画を立ち上げた。
『ペットの命』では、ペットを飼おうとする理由が授業
の前後で主観的なものからペットの命の視点に立ったもの
『食育プロジェクト』では『飽食と偏食』の 2 つの食に
へと意見が変化している児童が多数みられた。また、それ
関する問題について取り上げ、
『食』と『命の大切さ』の結
までペットを飼った経験のない児童でも、ペットのお世話
びつきを感じてもらう授業を行い、
『ペットの命』では、ペ
が容易なことではないという理解を示す意見も見られた。
ットを飼うという観点から『命を預かる責任』というもの
これらのことから、児童が授業を通して『ペットの約束』
を学んでもらう授業を行った。
の到達目標であった 2 つの責任を学び、ペットの命につい
ての理解を深めることが出来たと考えられた。
2. 課題の
課題の設定と
設定と到達目標
『飽食』と『偏食』の 2 つの問題から「他の生き物の命
をいただき、自分の命を大切にする」といったような『食』
4. 今後の
今後の課題
授業最終日に、今まで行ってきた授業内容を振り返るた
と『命の大切さ』を感じてもらうことを『食育プロジェク
めのクイズ問題を児童に出題したところ、ほとんどの児童
ト』での課題とした。
『ペットの命』では『ペットを絶対に
が我々のヒントを必要とせず回答することができていた。
捨てたりせず最期まで飼い続ける責任』と『ペットの世話
しかし中には、授業に参加していなかったため、まったく
をきちんと自分の手で行う責任』について児童には学んで
クイズに回答できていない児童もいた。これは我々が児童
もらうことを課題とした。
を『授業』という枠にはめていたために、授業への興味の
この二つの企画を通して、『支えてくれる命』
『引き継ぐ
差が生まれたのではないかと考えられた。次年度ではこの
命』
『育む命』
『預かる命』
『大切な命』を学んでもらい、児
点を踏まえて、児童と共に作り上げていく授業を行ってほ
童が『命の大切さ』を理解することを我々の到達目標とし
しい。
た。
プロジェクト報告書(最終)Project Final Report
提出日(Date)
2009/01/14
17 函館ルミナート-R
Hakodate Luminart-R
b1006016 西裕子
1. 背景
技術の進歩にともない、LED を使った光のイルミネーシ
ョンを街角で見る機会が全国で増えてきた。函館でも「ク
Hiroko Nishi
の作品づくりに結びつけていった。また、イベントの運営
を通して、最終成果物のオープニングイベントを行う際の
予備知識を身につけた。
リスマスファンタジー」や「五稜郭星のゆめ」などが行わ
後期は班構成を変更した。前期からあった広報班・シス
れており、重要な観光資源となっている。しかし、温室効
テム班に加えて新たにアートディレクション班をつくり、
果ガスによる地球温暖化が問題視される今、イルミネーシ
作品のアートプランを集中的に考案した。そして風力発電
ョンにともなうエネルギー消費について考えていくことも
を用いたものを採用した。作品名はFukoとした。10月から
重用である。過去 2 回に渡ってイルミネーションを制作し
はプロトタイプの製作に取り掛かった。まず、発電部分の
てきた函館ルミナートだが、3 度目の今回はテーマをエコ
検討をした。前期に展覧会で手動発電機を用いたLEDライト
ロジーとした。そして、自立発電型で環境に配慮したイル
を制作したが、その際に発電部分を制作することが困難だ
ミネーションを制作するべく結成した。函館ルミナートは
ったため、後期はキットを選定することから初めた。また、
この活動を通じて市民芸術イベント を目指し地域社会に
当初設置場所を函館市の大町にあるみどりの島で検討して
貢献することを目標とする。
いたのだが、交渉の結果、設置場所を未来大学前庭に変更
した。それに合わせて前庭の地形を生かした配置にするこ
2. 課題の設定と到達目標
ととなり、土台の取り付け方法も変わっていった。11月に
エコロジーをテーマとすることから、まずはエネルギー
はメディア向けに作品の概要を説明する場として内覧展を
事情に関する調査を行った。そしてその調査から、環境に
行い、プロトタイプの紹介をした。プロトタイプの段階で
配慮した作品作りをするために必要な知識を習得すること
は、外装の部分や防水加工が不十分な点があったため、そ
を課題として設定した。同時に、外部のメディアアーティ
れ以降は12月1日のオープニングイベントまでにプロトタ
ストによるIRISと名づけられたイルミネーションの設営や、
イプの改良を行い、最終的に50個の量産を行った。
環境問題に関するパネルディスカッションを行うこと、そ
して前期末には展覧会を行うことも当初から計画していた。
そのことで、より作品作りにおける意義を深めることを目
4. 今後の課題
Fuko は風の強弱を光の強弱で表すことには成功したが、
標とした。後期は前期のプロセスを踏まえ、実際に自分た
12 月 1 日から 19 日までの期間中は強い風があまり吹かず、
ちの手で作品作りをすることを目標とした。風力発電を用
なかなか点灯するところが見られなかった。よって、少し
いて、風の強弱を光の強弱に変える作品を制作することを
の風でもより発電しやすいような工夫を施すことが課題で
課題とした。
ある。また、広報活動は継続的に行ってきたが、作品のオ
ープニングイベントの日がちょうどクリスマスイルミネー
3. 課題解決のプロセスとその結果
前期は班構成を広報班・システム班・企画班で活動を
行った。当初から、IRIS・パネルディスカッション・展覧
会という3つのイベントを企画しており、それらを通して
エネルギー事情に関する学習をした。そしてそれらを後期
ションの日と重なっていたため、当日訪れたメディア数が
少なかった。よって効果的なイベント日の考慮を行い、よ
り取材数を増やすことが課題である。
プロジェクト報告書 Project Report
提出日 (Date) 2009/1/14
函館観光用ロボット製作運営プロジェクト
Project for Production and Management of Robots Hakodate
sightseeing
b1006214 西川謙祐 Kensuke Nishikawa
1 背景
ト」の存在をアピールした(図1)。 後期はチームを
更に分け、新たにWeb制作班、試作3号機の本体・機
現在、函館における観光産業、雇用統計、人口は
能のデザイン班、それに搭載するインタフェース開発
年々低下の傾向にある [1]。これらの問題の原因にはそ
班を編成した。 Web制作班はイカロボットのHP
れぞれ、集客力の見込める観光コンテンツの不足や地元
(http://ikarobo.com/)の充実を図り、認知度向上を目
産業の衰退、またそれによる雇用力の低下が根底にある
指した。 試作3号機デザイン班は複数台のネットワー
と考えられる。特に、使い古された観光資源、水産業以
クカメラを用い、各観光スポットのライブ動画のリアル
外の産業には限界が見え始めていると思われる。
タイム配信を目標に、学内での動作検証で精度を高め
2 課題の設定と到達目標
た。また、3 号機本体の仕様書も作成し実際に製作でき
る段階まで進めた。 インタフェース開発班では、手書
本プロジェクトは古くから函館のイメージとして定
きの原案から「flash8」を用いて flash で作成した。 着している街の魚「イカ」と夜景から連想される「光」を
イカロボットによって表現し、このロボットを函館の新
4 今後の課題
たな観光コンテンツとして観光産業・ロボット産業の各
今後は 3 号機を実際に製作し、当初の予定通りにライ
業界、また地元市民と観光客にアピールし、新規観光客
ブ動画のリアルタイム配信を実行できるがどうか、また
の増加、ロボット産業等の誘致や定着、それに伴う雇用
その際に各観光スポットでのカメラの保護・電源・ネッ
力の強化を図ることを目的とする。 なお、本プロジェ
ト環境は協力してもらえるかがある。仮に実現できたと
クトは前々年度に製作された試作 1 号機を資産として持
したら函館市内の観光スポットの動画配信、3 号機に搭
つ。以下に本年度の主な方針を挙げる。
載している掲示板やレビューなどの機能により観光客
• 港祭りなどの函館市内でのイベントへの参加
も地元市民にも有用なネットワークができると思われ
• 試作 3 号機の製作
ます。これにより実際に観光客が増減や使用した評価・
• イカロボットグッズ製作(無料配布予定)
感想を元に改良していくことが今後の課題である。また
グッズに関しては試作はしているが果たして量産しても
3 課題解決のプロセスとその結果
前期は運営と開発の2班に分かれて作業を行った。
運営班はイカロボットの認知度向上のための広報活
動、地元イベントへの参加し、イカロボット操作体験や
売れるのかが不透明のため現在も考慮中である。
参考文献
[1] 函館市ホームページ. 市政情報・統計データ. 函館
市役所, 2008.
ショー形式での公演を行った。開発班は各イベントから
[2] みのぷう. 日本一かんたん! 1 日でマスターする
のフィードバックを経て問題点の修正・機能向上・新し
FLASH FLASH 8 対応 Windows 版. ASC
い機能実装または改良を行った。 参加できたイベント
2006.
では一番大きなイベントである港祭りには前年度から
引き続き参加し、函館高専の試作2号機の運営チームと
共にオリジナルのTシャツと法被を着用し「イカロボッ
,
プロジェクト報告書(最終) Project Final term Report
提出日(Date)2009/1/14
19.浮遊感や没入感を誘発する情報メディア
∼インタラクティブフロアディスプレイ∼
Information Media for Promoting Floating and Immersive Sensation
Interactive Floor Display
b1006107 笹 雄介 Yusuke Sasa
1.背景
本プロジェクトの目的は、非日常的な視覚的体験を提示す
ることのできる大型床面ディスプレイシステムを設計製作し、そ
の特性を活かしたインタラクティブなソフトウェアを考案すること
である。
結果として、動画像ソフトウェアの製作については、函館市
の五稜郭周辺の上空を DirectX を用いた3D技術でリアルに
表現した映像コンテンツを作成することに成功した。
大型床面ディスプレイの設計については、木製であったデ
ィスプレイを業者との連携を図り、ビジネス EXPO 時からアルミ
また、従来のフロアディスプレイは、様々なエンターテイメント
フレーム製にした。それにより、軽量化と耐久性の保持、さらに
の場で活躍し、最近では 2005 年に日本の愛知県で行われた
は柳教授の提言からデザイン性を向上させ、運搬可能な組み
愛・地球博で広く知られるようになり、一般の商業の中におい
立て式アルミフレーム製フロアディスプレイを見事完成させ
ても盛んに利用されるようになってきている。しかし、フロアディ
た。
スプレイは本来非常に莫大なコストがかかり、小規模な企業で
は製作することが困難なものとして扱われてきた。
よって本プロジェクトでは、フロアディスプレイをコスト的、そし
ネットワークシステムの構築については、それについての資
料も少なく、完成に至るまで多大な時間を要したが、従来の目
標であった同期システムを介してのフロアディスプレイ 4 台同
て時間的制約のある中で実現し、浮遊感や没入感などを誘発
時投影を達成することができ、それにより大型ディスプレイの
させるコンテンツを開発することも目的の一つとしている。
実現を可能にした。
センサの制御については、Wii Remote による加速度センサ
2.課題の設定と到達目標
本プロジェクトの目的を達成するために必要な課題は大きく
以下の4つに分けられる。
・床面ディスプレイに投影する動画像ソフトウェアの製作
・体験者が搭乗する大型床面ディスプレイの設計
と IrGlasses による赤外線センサを利用することで、体験者が
行う直感的な動作を通じてのインタラクションを実現した。
しかし、完成した時期が最終発表間際という非常に遅い段階
であったので、その挙動の安定性を向上させる時間がなかっ
た事は否めない。
・PC 間でデータの送受信を行うネットワークシステムの構築
・インタラクションを実現するためのセンサの制御
この 4 つの課題を達成するために、プロジェクトメンバの技術
4.今後の課題
最終発表は終了したが、2009 年 2 月には東京・札幌で行わ
的な能力を考慮したうえでメンバを均等に振り分け、他の班と
れる学外発表と、4 月に行われる未来大学入学式に成果物の
の連携を図りながら各々の作業を行った。
出展を予定している。
しかしながら学外発表については、発表形式により出展が
3.課題解決のプロセスとその結果
本プロジェクトは中間発表、札幌・旭川で行われたオープン
キャンパス、一般企業の方々も集われたビジネス EXPO、そし
て最終発表と、成果物を展示できる機会が 4 回あったため、そ
不可能ということであるが、本プロジェクトでの活動をわかりや
すく伝達するために、プレゼンテーションとそれに伴うパワース
ライド製作における検討が必要となる。
また入学式の際には、これからプロジェクト学習を経験する
の都度体験者からのフィードバックを得て、指摘された部分を
であろう新入生に本プロジェクトの成果物を体験してもらうこと
随時修正し、上に挙げた課題を達成しようと試みた。
で、プロジェクト学習という未来大学ならではの特色あふれた
学生育成システムに興味を持ってほしいと思っている。
プロジェクト報告書(最終) Personal Final Report
提出日(Date) 2009/01/14
21 道南経済の活性化の基礎調査
Fundamental research for activation of south
B1006075 成田 和弥
1. 背景
Kazuya Narita
3. 課題解決のプロセスとその結果
当プロジェクトでは毎年続けられている「道南経済の活
津軽海峡班では、前年度の津軽海峡プロジェクトを引き
性化の基礎調査」の 2008 年度における活動として、長期
継ぎ、道南地域の動画や画像を撮影・編集し、それをホー
滞在者や移住者に焦点を当て、調査と実際の活動を通して、
ムページにアップロードした。従来通り、ホームページだ
道南経済の活性化を実現していくことを目的としている。
けではなく、iPod などにも活用していく。そして、今回の
その背景としては、函館地域は長期的に人口減少傾向に
動画は、前年度までの道南地域の紹介だけではなく、撮影
あり、そうした中で地域活性化をはかるには、観光客や長
している我々の姿も映像化した。また、道南での地域活動
期滞在者、移住者を含めた交流人口の増加が強く求められ
などにも積極的に参加し、函館-青森の地図も製作した。ま
る。そこで我々は、外部からの長期滞在者や移住者の受け
た、東日本フェリー株式会社を協賛に、青森-函館間で 8 月
入れ態勢が現在どうなっているかの研究からはじめ、長期
30・31 日に行われた学生主体の津軽海峡祭「風の世界」に
滞在者や移住者にヒアリングを実施することによって体制
も携わり、大好評を博した。この他にも毎月一回の「津軽
面での問題点を明らかにする。そして、長期滞在者や移住
海峡研究会」を主催し、青函に精通した有識者を招いて、
者が、函館の生活をどのようにエンジョイしているかを映
青函の地理・歴史・人物などを積極的に学んだ。
像化し、これから長期滞在や移住を考えている人のプロモ
ートとして役立ててもらう。
函館スタイル班では、実際に函館に移住してきた人にイ
ンタビューを実施し、長期滞在者や移住者にとっての良い
それらの活動を通して、函館地域での長期滞在者や移住
点・悪い点をヒアリングした。その結果をフリーペーパー
者の増加をはかるための提案、活動を行うことを最終目的
に記事として掲載した。フリーペーパーでは、函館で活躍
とする。
している人たちや歴史、食など「これぞ函館スタイル」と
2. 課題の設定と到達目標
考えられるものを紹介した。また、北海道コンシェルジュ
プロジェクト全体としての課題および最終目標としては、
の移住者交流会などにも参加し、移住者の方々と交流し、
道南地域の人口減少を引きとめ、増加させることを最終目
その様子を動画に撮影・編集を行った。その様子をホーム
標とし、そのために道南地域の魅力を紹介、函館ひいては
ページに掲載し、情報発信を積極的に行った。その他、函
道南の興味深い活動や人物をインタビューし、道南地域の
館駅弁みかどとエコをコンセプトに共同企画した「エコ弁
素晴らしさをデータとして蓄積し、それをどのように発信
当」も発売し、津軽海峡祭で発売した。
していけば効果的にすることができるかを考え、実際に活
4. 今後の課題
動することを目標とした。
今後の課題としては、来年度が函館開港 150 周年という
この目標を実現するために、津軽海峡班と函館スタイル
こともあり、今までのプロジェクトの活動に加えて、フリ
班の二つの班に分け、それぞれの役割を明確にした。津軽
ーペーパーという新しい手法も提示した。来年度は長期滞
海峡班は前年度の津軽海峡プロジェクトを引き継ぐ形で、
在者や移住者に対して、絶好のアピールをする機会となる
いまだ映像化されていない道南地域の映像化などを担当し、
ことは間違いない。来年度の本プロジェクトは、今までの
それを発信することによって、道南への移住希望を促進す
プロジェクトの活動の成果を存分に活用し、また 150 周年
る。函館スタイル班は、短期滞在者や観光客に道南での楽
という節目にふさわしい企画を立て、活動していくことが
しみ方を提供するためにフリーペーパーを発刊することに
課題となる。また、今年度のプロジェクトでは 2 月に道南
よって、短期移住者の定住化を促進させることを目的とし
に関するフォーラムを開催することも予定している。
た。
プロジェクト報告書(最終)Project Final Report
提出日 (Date) 2009/01/14
FUTURE-ZINE
A Future-Oriented Virtual ’Magazine’
c1105048 横井昌史 Masafumi Yokoi
1 背景
未来の北海道のファッションを考えた Flash ゲーム、北
海道の宇宙研究の未来について訪ねたインタビュー映
北海道は現在、人口流出や財政問題など、多くの問題
像、もし北海道から若者がいなくなったらを想定した
を抱えている。しかし、実際にこれから北海道の未来が
ショートムービー、20 世紀末に発表された未来志向な
どうなっていくのかを考える機会は多くない。この問題
音楽「In The Year 2525」のリミックスとプロモーショ
を受け、これからやってくる未来をよりよいものへと導
ンビデオを制作した。各記事で、未来学で用いられる基
くために、北海道の未来について考えるきっかけを与え
本的な分析ツールである未来三角分析 (FTA) を適用し
る雑誌の創刊を計画した。そして、北海道が世界一未来
て未来について考察した。またアメリカ合衆国の政治学
志向な都市にすることを目標とした。
者である Lasswell 氏が考案したコミュニケーションモ
2 課題の設定と到達目標
デルを適用して各作品を制作した。
未来について考えるきっかけを与える雑誌だが、従
4 今後の課題
来の雑誌の形では情報を受け身でしか得ることができ
今回制作したヴァーチャル空間はプロトタイプであ
ない。それでは活発な未来創造はできないと考え、イ
り、小さなバグや使いづらさが目立つ。そのため、デ
ンターネット上で相互に情報交換をすることが出来
バッグ作業およびユーザインタフェースの改善が課題
るヴァーチャル・マガジンを想定した。これはユーザ
である。またインターネット上で運用する予定なので、
が創造した未来に関する作品を掲載し、情報を与える
サーバの確保とアップロード、インターネット上でのテ
Information、作品を通して体験する Simulation、作品
スト運用を考えている。また各記事のクオリティの向
を体験して変わった考え方や価値観を情報として発信
上を予定している。また商品化についての検討もして
する Co–creation の 3 段階のサイクルを経て、ユーザ
いる。
を未来志向へと導く。そのためのプラットフォームと
して 3D 空間環境の制作を最終目標とした。また、こ
のサイクルを始動するための足がかりとして、私たち
が Co–creation にあたる第一の作品の制作を課題に設
定した。
3 課題解決のプロセスとその結果
参考文献
[1] 桑原真人, 川上淳.『北海道の歴史がわかる本』亜璃
西社, 368pp, 2008.
[2] 浜田和幸.『知的未来学入門』新潮社, 221pp, 1994.
[3] 24365 北海道研究会+北山創造研究所.『24365 北海
道 北の夢』産経新聞出版, 320pp, 2007.
北海道の未来を考える上で必要な知識として未来学
を学んだ。ヴァーチャル・マガジンの制作環境として
Vizard という 3D 空間環境ツールを使用した。開発
[4] 北海道雇用経済研究機構.『北海道再生のシナリオ』
北海道雇用経済研究機構/須田製版, 283pp, 2002.
[5] [編] 日本経済新聞社.『北海道 2030 年の未来像―「人
はメンバーと担当教員の卒業研究生で共同で行った。
口減少 100 万人」を超えて』日本経済新聞社, 237pp,
フィールドの具体的なイメージや、掲載する記事のイ
2006.
メージが決まってから実際の制作に移った。掲載する
[6] Richard A Slaughter with Marcus Bussey. Futures
記事として 5 つ考え、担当する記事毎にチームを分け
Thinking for Social foresight, Tamkang University
た。記事は北海道における家族の未来を考えたコラム、
Press, 195pp, 2001.