濃度の問題を解いてその先に見えるもの(Master plan)

1-3-1-①
濃度の問題と天秤算
授業コンセプト
1 学習の題材
濃度の異なる食塩水をどれだけ混ぜれば
求めたい濃度になるか、という問題。
2 学習のねらい
濃度に関する問題を解いて,問題場面に
出てくる数量の関係を発見するとともに,
問題解決の考え方を別の問題に活用する
ことができる。
中学生は濃度に関する問題に苦手意識を持っている。
問題を解くだけで終わるのではなく,問題を解いて振り
返り,不思議な数量の関係があることに気づかせたい。
また,
「数学の濃度の問題」と「理科の天秤の学習」
,
全く関係のなさそうな事柄でも良く似た関係がある。こ
のように全く違うと思われる事柄をつなげることで,学
習に広がりと厚みができるということを,生徒に感じ取
らせたい。
濃度について次の関係があることを確認する。
3 学習活動の計画と意図
(1)次の問題を解きなさい。
食塩水の量×濃度=食塩の量
Aの食塩の量+Bの食塩の量=Cの食塩の量
【問題1】16%の食塩素 300gに 22%の食塩
水を混ぜて 20%の食塩水をつくるには,22%
食塩の量に着目すると手際よく解決できること
の食塩水を何g混ぜればよいか。
を伝える。
整理すると
A16%
300g
+
B22%
xg
=
C20%
300+ x g
立式すると 300×0.16+ x ×0.22=(300+ x )×0.2 方程式を解いて
x =600
【問題2】16%の食塩素 300gに 26%の食塩
【問題3】16%の食塩素 300gに 32%の食塩
水を混ぜて 20%の食塩水をつくるには,26%
水を混ぜて 20%の食塩水をつくるには,32%
の食塩水を何g混ぜればよいか。答え 200g
の食塩水を何g混ぜればよいか。答え 100g
(2)問題1~3の数量で何か気がつくことはないか。
問題1 16%・300g→ 20% ← 22%・600g ⇒
問題2 16%・300g→ 20% ← 26%・200g ⇒
問題3 16%・300g→ 20% ← 32%・100g ⇒
天秤の関係に似ている。
「支点からの距離×重さ」が一定
(3)次の問題を「濃度の差×食塩水の量」が一定の
アイデアで解いてみよう。また,本当に正しいかを
確かめてみよう。
天秤の解き方で正しい解が求められる。
(4)次の問題を解いてみよう。
4%差×300g=2%差×600g
4%差×300g=6%差×200g
4%差×300g=12%差×100g
⇒「濃度の差×食塩水の量」が一定
【問題4】16%の食塩素 300gに 23%の食塩
水を混ぜて 20%の食塩水をつくるには,23%
の食塩水を何g混ぜればよいか。答え 400g
水=0%の食塩水とみなすと,「食塩水+食塩水」
【問題5】16%の食塩素 300gに水を混ぜて
は「食塩水+水」と同じ問題ととらえることがで
10%の食塩水をつくるには,水を何g混ぜれば
きる。違う場面を1つのものとみなす考え方を生
よいか。答え 180g
徒に伝える。
立式すると 300×0.16+ x ×0=(300+ x )×0.1
方程式を解いて
x =180