Microflex Advanceに関するFAQ 1. 1部屋で複数のMXA910シーリングアレイを使用できますか？はい。一般的なマイクロホンと同様に、1部屋に複数台設置して収音することができます。 2. 複数のMXA910シーリングアレイをチェイン／リンク／ミックスしてまとめることはできますか？複数のシーリングアレイ（またはテーブルアレイ）からの音声出力は、一般的なマイクロホンと同様にミキサーまたは外部デジタルプロセッサー（SCM820、QSC Qsys、Biampなど）でミックスできます。ただし複数のアレイ同士でお互いのDSPリソースを直接共有することはできません。 3. MXA310テーブルアレイまたはMXA910シーリングアレイはデイジーチェインできますか？いいえ。ただし、テーブルの下または天井に置いたPoE対応の小型ネットワークスイッチに、複数のアレイマイクロホンを設置場所近くで接続すれば、このスイッチからコントロール場所までを1本のケーブルとすることが可能です。 4. MXA910やMXA310はDante™デジタル・オーディオ・ネットワーキングに対応し、USBやアナログ出力は装備していませんが、USB経由でPCに接続するにはどうすればよいですか？ Dante-USBインターフェースが必要です。あるいは、DanteバーチャルサウンドカードまたはDante Viaソフトウェア（www.audiniate.com）を使用すれば、MXAマイクロホンを会議用にネットワーク接続されたPCに直接接続することも可能です。 5. MXA310テーブルアレイの収音可能な距離はどの程度ですか？ MXA310は、1本のマイクロホンとして、または最大4本のマイクロホンをそれぞれに異なる指向特性を持たせマイクロホンを中心に360度あらゆる方向に独立して収音コントロールする独自の機能を備えています。指向特性は、無指向性、双指向性、カーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイド、そして独自のトロイドパターンから選択可能です。トロイドパターンはマイクロホンの全周囲をカバーしながら、マイクロホン上方に深いヌル領域を持ち、頭上からの不要なノイズを排除します。しかしながら、MXA310が「距離」または「収音範囲」に関して特に有利ということではありません。すなわち、カーディオイドモードのMXA310が、他のカーディオイドパターンのコンデンサー型マイクロホン（MX393/Cなど）よりも離れた距離から収音できるということではありません。ただし、MXA310は等価雑音が低いため（MX393/Cの23 dB SPLに対して19 dB SPL（Aウェイト））、マイクロホンのゲインを上げることにより、ヒスノイズをそれほど増さずに、より遠くにいる発言者の声を収音することが可能です。基本的に収音距離に関して言えば、MXA310は選択した指向特性に基づく通常のマイクロホンと同じと考えてかまいません。なお、トロイドパターンは上方の深いヌル領域により、従来の指向特性に比べてノイズの多い環境でも高い了解度が得られます。 6. MXA910シーリングアレイの収音可能な距離はどの程度ですか？どの程度の高さに設置できますか？「他のマイクロホンよりも高く遠くに！」です。シーリングアレイに固有の限界はなく、発言者がいずれの距離にあっても収音は可能です。ただし、部屋の音響特性がやはり問題になります。ノイズや残響が多い環境では、マイクロホンからの距離が遠いほど音声了解度に影響します。MXA910は、3次元ステアリング機能と極端に狭い指向特性のため、他のマイクロホンよりも遠い距離から発言者の声を収音できます。マイクロホンをどの程度離して設置できるかを把握するのに役に立つ概念として、距離係数があります。距離係数とは、音源に対して無指向性マイクロホンを許容可能なS/N比が得られる距離に置いたとき、指向性マイクロホンで同じ結果が得られる距離を示しています。MXA910の距離係数は4.3となります。例えば発言者から60 cmの距離で無指向性マイクロホンが問題なく使用できる部屋の場合、MXA910は2.6 mの距離で同様の結果が得られることになります。比較として、ショットガンマイクロホンのように指向性が鋭いマイクロホンでさえも、距離係数は3しかありません。これが「他のマイクロホンよりも高く遠くに！」の意味です。 MXA910の設置場所を決める際には、以下のガイドラインに配慮してください。・すべてのマイクロホンと同様で、ローブは各発言者の正面に向けることで最良の結果が得られます。マイクロホンのローブを後頭部に向けると高域のレスポンスが低下します。ビデオ会議中に発言者がスクリーンの方を向くことがある部屋の場合、慎重に配置を検討してください。・換気口やプロジェクターといった不要なノイズ源のすぐそばにマイクロホンを設置しない。・残響が非常に多い部屋の場合、音声了解度を高めるための音響処理を施すことを検討します。 7. MXA910シーリングアレイは縦／壁面取付方向で使用できますか？はい。ただし、現在のところ、ウェブ・ベース・ソフトウェアは天井取付として設計されています。MXA910を縦向きで正しく運用するには、自身で計算または検聴するか、搭載されているオートポジション機能を使用する必要があります。 8. 「オフライン」またはハードウェアなしで、Microflex Advanceのユーザーインターフェースを試す方法はありますか？ Shureウェブサイト（www.shure.co.jp）のMicroflex Advanceのページに、ソフトウェアインターフェースのデモバージョンを用意しています。これは「オフライン」ではありませんが、ハードウェアは不要です。ユーザーインターフェース画面をキャプチャーしたり、設計図面に設置高さと発言者の高さに基づいたマイクロホンのカバー範囲を表示したりすることができます。 9. 1つのソフトウェアインターフェースで複数のマイクロホンを設定できますか？現時点ではできません。各マイクロホンの設定は個別に行う必要があります。 10. アレイマイクロホンにAEC（アコースティック・エコー・キャンセレーション）またはNR（ノイズリダクション）は内蔵されていますか？いいえ。しかしながら、MXA製品は、それらの機能を備えたマルチチャンネルまたはシングルチャンネルのオーディオDSP製品と共に使用できます。また、MXA910はIntelliMix® DSPスイートの一部としてエコーリダクションを備えており、VTCまたはPCベースの会議システムに直接接続し、通常AECを備えていない低予算のシステムを改善することが可能です。エコーリダクションは、ファーエンドの出席者がローカル・マイクロホン・チャンネルをアクティブにすることを防ぐことでアコースティックエコーを低減するというシンプルな方法を採用しています。 11. MXA910シーリングアレイは「オートトラッキング」を行いますか？ MXA910は、最大8つの鋭い指向特性のローブを室内全体に配置できます。内蔵のオートミックス（IntelliMix DSPスイートの一部）を使用することにより、マイクロホンは自身を管理し、発言者が発言すると適切な収音エリアのみをアクティブにし、発言者が移動するとローブを切り替えて「追跡」します。すなわち、ローブ自体は移動せず、マイクロホンは発言者の位置に基づいて適切なローブをアクティブにします。外付けのオートミキサーでも同様にできますが、各ローブを個別に処理できる柔軟性があります。 12. MXA910を天井に直接設置する認証は取得していますか？ MAX910の背面に付属のFyrewrap®防火ラップシステムを取り付けることで、UL 2043プレナム定格（空調空間設置に適合）となります。また、IEC 60529 IP5X防塵性も備えています。 13. MXA910に塗装を施すことはできますか？はい。ただし分解してから行ってください（ユーザーガイドを参照ください）。 14. 天井のケーブルをすべて導管内に設置することが義務付けられている場合はどうすればよいですか？アクセサリー（A910-JB）を使用してください。 15. 複数の部屋があり、すべての機器を同じ設定に構成したい場合、1つの構成を複数のユニットに割り当てる方法はありますか？はい。いずれか1つのマイクロホンを構成したらプリセットとして保存し、そのプリセットをPCにエクスポートした後、他のすべてのユニットにインポートしてください。 16. 吊り天井への埋め込み以外にMXAマイクロホンを設置する方法はありますか？ MXA910の場合、吊り下げ型設置用の孔のほかに、標準VESA-D規格準拠の吊り下げパイプ（プロジェクターの設置に使用されます）を取り付けるための100 mmのねじ穴が背面にあります。MXA310には、MX396と同様のテーブルに孔を開けて設置するための金具が付属しています。 17. 2x4天井グリッドに取り付けるにはどうすればよいですか？ 2x2タイルとTバーを使用して空いている空間を埋めます。 18. どんな機器が追加で必要ですか？ギガビット・パワーオーバーイーサネット・ソース（PoE対応ネットワークスイッチまたはPoEインジェクター）に接続するためのイーサネットケーブル（シールド付Cat-5e以上）が1本あれば十分です。これでDanteデジタルオーディオの伝送と、マイクロホンに搭載されたブラウザベースのコントロールソフトウェアへのネットワークアクセスが可能です。ただし、信号経路上の機器がDanteデジタルオーディオに対応していない場合は、Shure ANI4OUTなどのDante-アナログコンバーターやDante-USBインターフェース（PC接続用）が必要です。 19. ANI4インターフェースとMXA310テーブルアレイはUL 2043プレナム定格ですか？いいえ。 20. オートポジションは発言者を一人だけで設定する必要がありますか？同時に数人へ合わせることは可能ですか？オートポジションを使用する際は、発言者は一人のみとし、選択されたローブが正確に配置されるようにします。ローブを追加するごとにこの作業を繰り返します。なお、オートポジションはローブの幅の選択はせず、X／Y座標と発言者の高さのみを設定します。また、オートポジションを使用する前にアレイの高さの値が正しく入力されていることを必ず確認してください。 21. オートミックスの優先機能はどのように動作しますか？優先機能はSCM820の司会者オーバーライド機能と同様、NOM（アクティブなマイクロホンの本数）にかかわらず優先チャンネルがアクティブになります。 22. オートミックスのClassicモードとSmoothモードの違いは何ですか？ Smooth モードは、使用中のチャンネル数に基づいてオフアッテネーションレベルを変化させます。使用中のチャンネル数が多いほどオフアッテネーションが大きくなり、その結果ローブのオン状態とオフ状態の移行がより「スムーズに」なります。Classic モードは、SCM820 の「Classic」モードおよび SCM810 オートマチックミキサーと同じオートゲーティングスタイルで、オフアッテネーションレベルは使用中のチャンネル数に関係なく固定です。