t - 三井製糖

三井製糖
環境報告書 2011
Mi tsu i S u g ar
Environme n ta l A c t i v i t y R e p o rt
会社概要
本社所在地
東京都中央区日本橋本町
主要な事業内容 精製糖・砂糖関連商品、機能性甘味料、
代表者
代表取締役社長 飯田雅明
製造、販売
設立日
1947年(昭和22 年)9月4日
資本金
70 億8,300 万円
発行済株式総数 141,667,400 株
S u g a r
色素・香味料などの食品素材の
M i t s u i
二丁目8番2号(稲畑ビル)
売上高・経常利益推移(連結)
年間売上高
(連結)80,720百万円(2011年3月期)
(単体)75,293百万円(2011年3月期)
上場証券取引所 東京、大阪証券取引所各第1部
従業員数
388名(2011 年3 月31 日現在)
主要株主
三井物産株式会社
三井住友海上火災保険株式会社
売上高
(百万円)
双日株式会社
(百万円)
85,000
E n v i r o n m e n t a l
80,000
豊田通商株式会社
経常利益
8,000
78,535
株式会社三井住友銀行
80,720
77,119
78,519
販売代理店
75,000
7,008
6,963
6,861
70,000
双日食料株式会社
7,500
双日株式会社
7,000
豊田通商株式会社
6,521
60,000
株式会社カーギルジャパン
6,500
主な取引銀行
0
6,000
A c t i v i t y
2007 年度
2008 年度
三井物産株式会社
2009 年度
主要商品のご紹介
2010 年度
株式会社三井住友銀行
中央三井信託銀行株式会社
株式会社三菱東京UFJ銀行
おいしさのそばにいつも、信頼のブランド「スプーン印」
R e p o r t
2 0 1 1
1
上白糖 White soft sugar
グラニュ糖 Granulated sugar
中ザラ糖
一般的に白砂糖といわれています。何にで
も合う万能タイプで、家庭で最も使われて
いるお砂糖は上白糖です。
クセのない淡白な甘さで、コーヒーや紅茶
に最適です。料理、菓子にも広く使われて
います。
外国では最も一般的なお砂糖です。
まろやかな風味があり、煮物やめん類の汁
の味付けなどに使われます。
三温糖 Brown soft sugar
黒砂糖 Brown sugar
パラチノース® Palatinose®
特有の風味を持っています。煮物や佃煮の
ほか、
フルーツケーキなどにも使われます。
沖縄のサトウキビの搾り汁を伝統的な製法
で煮詰めて作った風味豊かな黒砂糖です。
サトウキビや蜂蜜に含まれる天然の糖。血
糖値やインスリンに及ぼす影響が穏やかで
す。虫歯の原因にもなりません。
Light brown crystal sugar
編集方針
P R OF IL E
三井製糖は、2008 年 10 月に、社長をトップとする
来は、幅広い分野での CSR(企業の社会的責任)活動
環境マネジメントシステムの取り組みを開始し、2009
を報告すべく、
「CSR 報告書」としての発行をめざして
年 8 月に全社で ISO14001:2004 年度版の認証を取得
います。
しました。また、2010 年には、従業員の環境意識向上
三井製糖は、時代の要請に応じた社会・環境活動に積
2 0 1 1
極的に取り組み、皆様にご報告出来るよう心掛けてまい
を目的に「社内版」環境報告書を発行しました。
ります。
本報告書は、ステークホルダーの皆様に、当社の環境
のリーディングカンパニーの責任として業界で初めて発
対象期間
行したものです。
2010 年度(2010 年 4 月〜 2011 年 3 月)
本報告書の作成においては、出来るだけ読者の皆様に
R e p o r t
活動をわかりやすくお伝えすることを目的に、精糖業界
読みやすく、かつ当社の環境活動を理解しやすいように
環境マネジメントシステムの取り組みについては、
作成することを心掛けました。
ISO14001 の審査登録範囲である当社全組織を対象とし
内容に関しては、ISO14001 に基づく環境活動を取り
A c t i v i t y
対象組織
ています。
E n v i r o n m e n t a l
上げ、さらに当社の社会性報告も盛り込んでいます。将
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
環境活動報告
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●
トップメッセージ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コーポレート・ガバナンス/
企業理念/行動基準
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
特集:精糖業界の
リーディングカンパニーとして
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
環境マネジメント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●
環境方針とマネジメントシステム
●
エコバランス
●
環境目標と実績
3
5
●
ISO14001 に基づく環境活動
CO2 排出量削減への取り組み
●
廃棄物ゼロエミッション化への取り組み
●
地球温暖化防止をめざす研究開発
●
各拠点での取り組み
社会性報告
7
9
13
M i t s u i
会社概要/編集方針/目次
S u g a r
目次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●
お客様とともに
●
関係会社とともに
●
社員とともに
●
地域・社会とともに
第三者意見/第三者意見を受けて
・・・・・・・・・・・・・・
21
26
2
M i t s u i
S u g a r
E n v i r o n m e n t a l
A c t i v i t y
トップメッセージ
R e p o r t
精糖業界のリーディングカンパニーとして
環境、CSR活動でも先駆的取り組みに努力
代表取締役社長
飯田雅明
2 0 1 1
責任と使命、挑戦の気概を肝に銘じて
が、砂糖がどんなに日本の食生活に深く根付いたもので
三井製糖は 2006 年5月に「行動基準」を、さらに
する会社として国内トップの企業であり、当社の砂糖供
2008 年 10 月には「環境方針」を策定し、その実現に
給に問題が生じれば、
その影響は計り知れません。また、
全力で取り組んでいます。
世界的な食糧の価格高騰のなかで、日本の食卓に確実に
企業理念「三井製糖は、安心・信頼・天然の食品素材
3
あるかを示しています。三井製糖は、砂糖を製造・販売
砂糖をお届けするのは当社の使命です。
を誠実に提供し、豊かなくらしに貢献します」でも謳っ
振り返れば、三井製糖の前身である台湾製糖は、ちょ
ているように、
「食の安心・安全」は、現代社会におい
うど 1900 年に日本の近代糖業のパイオニアとして創業
て最も重要な課題です。言うまでもなくそれは、食にか
されました。また前身のひとつである芝浦精糖は、タイ
かわる企業として事業継続の当然の前提でもあります。
東北地方を切り拓き、タイが世界有数の砂糖輸出国へと
日本人は、お米を年間約 800 万トン、砂糖を約 200
発展する礎となりました。また第2次世界大戦後の日本
万トン消費しています。実にお米の4分の1という数字
の経済発展のなかでは、子どもの虫歯予防のためにアジ
アの砂糖メーカーとしては唯一「虫歯にならない糖」の
キビのバガス(搾りかす)を用いたバイオマス発電につ
開発に成功しました。
いて
「グリーン電力証書」
が発行されています。
そのグリー
最近は残念なことに、健康や美容の観点から砂糖を控
ン電力を当社が購入して、定時株主総会の会場使用電力
えようとする人も増えています。お米と砂糖はともに1
と配布物の印刷電力、そしてこの環境報告書の印刷電力
グラム当たりのカロリーが同じである事実は、あまり知
などとして利用しています。
られていません。三井製糖は、糖の生理学的研究に基づ
さらに精糖業界では初めての取り組みとして、来年度
く新しい砂糖の開発、また砂糖の原料でありますサトウ
からは環境活動だけではなく CSR 活動全般について報
キビを有効活用した新素材の開発など、誰にも安心して
告できるように準備を始めております。
味わっていただける砂糖の提供にも力を注いでいます。
員一人ひとりが、責任と使命と気概を自覚し、肝に銘じ
ていく決意を示したのが行動基準と環境方針です。
東日本大震災の被災者の皆さまに
2 0 1 1
こうした挑戦の気概はまさに三井製糖の真髄です。社
最後に、このたびの東日本大震災により、多くの尊い
災地の1日も早い復興をお祈り申し上げます。
食品です。一方で、精製工程では大量の電力と水を使い
災しました。しかし事業の継続性(BCP)が第一と考え、
ます。千葉・神戸・長田・岡山・福岡の5つの工場はそ
精糖業界で当社の強みである西日本の生産拠点からの製
の供給責任から長期間の停止ができないため、生産設備
品の回送により、
お客様への安定供給に尽力しております。
の大規模な更新を行いにくい面があります。
A c t i v i t y
当社でも千葉工場において倉庫や生産設備の一部が被
また、当社では「ボランティア休暇制度」を導入して
そうしたなかで、2010 年度より神戸工場の大規模リ
おります。今回の震災でも当社社員が、何かできること
ニューアルに着手し、品質や生産性向上だけでなく環境
があればと休暇制度を利用して現地に赴きました。一人
負荷の低減に取り組んでいます。リニューアルは、将来
の社会人としての真摯な行動を立派だと思い、その人が
の拠点工場としての活用を見据えたものです。一方、こ
三井製糖の社員であることに誇りを感じております。
ういった大規模リニューアル工事だけではなく他の工場
三井製糖は、皆様にとっても誇れるような会社、三井
でも、まさに日々の改善努力が環境活動そのものとなり
製糖で働く全ての人が三井製糖で働くことに誇りを持て
ます。
る会社に私はしていきたいと思っております。
E n v i r o n m e n t a l
砂糖は、自然の恵みを受けた天然素材から製造される
に、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被
S u g a r
2010 年度の環境改善への取り組み
R e p o r t
命が失われましたことに深く哀悼の意を表しますととも
このため社内の研修・教育活動の強化を進めており、
例えば「ISO14001 内部監査員」などの社内資格の設定や
M i t s u i
eco 検定の受験奨励、さらに「環境会議」の開催などに
より改善活動を強化しています。こうした活動から、工
場間の包材規格の標準化による省資源の推進、三温糖包
材の素材変更による焼却時二酸化炭素排出量の削減など
の成果を得ています。
三井製糖は、日本の精糖業界のリーディングカンパ
ニーとして環境に対する責任、また環境経営の遂行にも
努力しています。本報告書に、一般の読者を対象とした
砂糖についての解説を設けたのも、その一環です。環境
関連では、精糖工業会における「カーボンフットプリン
ト制度 PCR 原案の策定」で、カーボンフットプリント
の値を算出するルールづくりに積極的に参画しました。
またグループ会社の南西糖業および宮古製糖でのサトウ
4
コーポレート・ガバナンス
内部統制については、内部統制委員会による一元管理
コーポレート・ガバナンスの基本的考え方
体制の下、業務の有効性、効率性、社会的適正性、財務
報告の信頼性の確保、
資産の保全のための体制を構築し、
当社は、ステークホルダーに対して公正で透明な経営
事業、資産のリスク管理に努めております。
を行い、コンプライアンス重視と迅速かつ正確な情報開
M i t s u i
示をコーポレート・ガバナンスの基本としております。
更に監査役は取締役会等の重要会議への出席や代表取
継続的な企業価値向上のため、企業の社会的責任と食
締役との定期的な会合などを実施し、経営全般に対して
品会社としての「食」の安全・安心に対する責任を常に
監査を行っており、また内部監査室を設置し内部統制シ
意識し、経営の意思決定の迅速化を図りながら機能的な
ステムの評価及び業務に関する監査を行っております。
経営組織の整備を進めるとともに、責任の明確化や効率
的な経営の推進をめざしております。
コンプライアンス
S u g a r
当社役職員は、法令、定款の遵守はもとより、企業理
コーポレート・ガバナンス及び内部統制システム
念と行動基準(右ページ参照)を実践し社会の一員とし
て節度、良識をもって行動しております。具体的には、
E n v i r o n m e n t a l
当社は、取締役の職務執行の適正性を確保し、社会的
責任及び企業倫理を果たすために、三井製糖コーポレー
内部統制委員会の下部組織として本部長、部門長数名か
ト・ガバナンス及び内部統制原則を定め、コーポレー
らなるコンプライアンス部会を組織し、社内及び関係会
ト・ガバナンス機能の一層の充実と内部統制体制の確立
社におけるコンプライアンス研修を初めとして当社グ
を図っております。
ループ全体の遵法意識を高めるべく各種取り組みを行っ
コーポレート・ガバナンスについては、取締役に独立
ております。
役員を含む社外取締役を複数選任し経営の透明化を図る
A c t i v i t y
とともに、経営の意思決定機関として経営会議を置き、
また社内における企業倫理違反を未然に防ぐために、
「企業倫理ヘルプライン(相談窓口)
」を設置し、通報や
相談を受け付けています。
迅速な事業運営と役割責任の明確化のため執行役員制度
を導入しております。
R e p o r t
当社のコーポレート・ガバナンス及び内部統制に関する体制について
株主総会
2 0 1 1
報告
選任
連携
監査役会
連携
会計監査人
報告
報告
内部監査室
指示
執行役員会
報告
選任
選任
業務執行
報告
顧問弁護士
監査
取締役会
監査
監査
報告
助言
選任
代表取締役社長
諮問
答申
経営会議
指示
指示
報告
申請
CSR 委員会
人事政策委員会
重要案件審議委員会
内部統制委員会
コンプライアンス部会
報告
監視
各部門・子会社等
2011 年 3 月現在
5
企業理念
三井製糖は、安心・信頼・天然の食品素材を誠実に提供し、豊かなくらしに貢献します。
三井製糖の企業理念「三井製糖は、安心・信頼・天然
献する付加価値創出という使命と、持続的成長を実現す
の食品素材を誠実に提供し、
豊かなくらしに貢献します」
る経済活動を高い倫理観をもち活き活きと実践していき
の追求は社員一人ひとりの課題であると意識すべきも
ます。三井製糖社員は、次の6つの項目で表した行動基
のです。三井製糖社員は、想像(Imagination)と創造
準に則り活動し、積極的に社会的責任を果たしていきま
2.社会との関係
(1)社会貢献
本業の活動を通じて価値と雇用を創出し、経
済社会の発展に持続的に努めていくことを当
社の第一義的な社会貢献とします。また「良
き企業市民」として、積極的に社会貢献活動
にも努めていきます。
(2)人権の尊重
各国の文化、習慣、歴史をよく理解するとと
もに、人権を尊重し、人種、信条、性別、社
会的身分、国籍などを理由に不当な対応をい
たしません。
(3)環境保護と資源の有効活用
環境問題への取り組みは当社が持続的に成長
するための必須条件と認識し、当社の行動が環
境に与える影響を十分に配慮し、
環境負荷低減
と資源リサイクルに積極的に取り組みます。
(4)政治・行政との健全な関係維持
政治・行政とは健全で正常な関係を維持しま
す。
(5)反社会的勢力との決別
市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会
的勢力からの不当な要求には断固として応じ
ず、毅然とした態度で対応し、関係遮断を徹
底します。
(2)
「食育」の推進
国民の健全な身体、精神、文化的育成に大き
な影響力を持つ食品メーカーであることを一
人ひとりが十分自覚し、自己啓発に努めると
ともに、顧客や消費者はもちろん広く社会に
対し、食と健康、特に砂糖に関する情報発信
を積極的に行います。
(3)創意工夫とチャレンジ精神
顧客や消費者の視点に立って課題を考え、創
意工夫を商品やサービスに活かし、新たな価
値を創造するとともに、高い志と情熱をもっ
て課題に挑戦し、行動と結果をもってユーザー
の要請に応え、信頼のブランドを育みます。
R e p o r t
5.会社との関係
(1)個の尊重と人間力の結集
A c t i v i t y
(1)「食の安全・安心」 の確保
食に携わる企業として、食の安全・安心を第
一に品質の維持・向上を図り、商品・サービ
スに関する情報を適切に表示・開示し、お客
様の健康で豊かな生活に貢献します。また日
頃より品質事故・トラブルの未然防止に万全
を期すとともに、商品の安全性に問題が発生
した場合には適切且つ迅速に対応し、原因究
明、再発防止に努めます。
と使命を認識し、企業価値の向上を図ります。
お互いの人権、個性を大切にし、相手を尊重
して自由闊達に意見を交わすことのできる明
るい職場環境を作り、個々が切磋琢磨・結集
し組織として最大限の力を発揮します。
E n v i r o n m e n t a l
法令遵守
社会の一員としての自覚を持ち、国内外を問
わず全ての法令およびその精神を遵守しま
す。また、当社に求められる企業倫理を十分
認識し、社会人としての節度、良識および責
任をもって行動します。
3.顧客・消費者との関係
(2)会社財産および情報の保護
(1)会社資産、情報システム、知的財産権な
どの会社資産・企業情報を適切に管理し、不
適正な開示、漏洩、不当利用の防止および保
護に努めます。
(2)個人情報、顧客情報をはじめとする各種
情報の保護・管理を徹底します。
6.行動基準の取扱い
S u g a r
1.コンプライアンス総論
す。
(1)行動基準の遵守と企業理念の実現
経営者は、この行動基準を率先垂範するとと
もに、社員一人ひとりに浸透して遵守させる
ことが自らの使命であると認識し、社内はも
とより、グループ企業へも広く周知徹底を図
ります。
また従業員においても常にこの行動基準に
則って行動し、全社一丸となって企業理念の
実現を追求し続けます。
M i t s u i
(Creation)の精神を大切にし、豊かな社会と生活に貢
2 0 1 1
行動基準
(4)公正な取引
お客様やお取引先と健全な関係を保ち、透明
で自由な競争を通じて公正な取引を行います。 (2)解決および再発防止
経営者は、この行動基準に反する事態が発生
した場合には、自らの責任でその解決に取り
4.株主・投資家との関係
組み、原因究明・再発防止に努めるとともに、
自らを含めて社内規定に従い厳正な処分を行
(1)適時開示と内部者取引防止
事業活動に関する情報を適時適切に開示する
います。
とともに、
株式等の内部者取引は行いません。 また、違反行為に関する報告や事情調査に協
力した者が、不平等な扱いや不利益を被らな
いよう最善の注意を払います。
(2)ステークホルダーとの
コミュニケーション
ステークホルダーとの対話を通じて当社の役割
6
三井製糖の社会的責任
-
-
精糖業界のリーディングカンパニーとして
M i t s u i
三井製糖は、
安心・信頼・天然の食品素材を
誠実に提供し、
豊かなくらしに貢献します。
S u g a r
太陽の光を浴び、自然の恵みに育まれたサトウキビや
てん菜。それらを原料として作られる砂糖は、古き時代
から人々の甘さへの憧憬を満たしてまいりました。
E n v i r o n m e n t a l
上白糖、三温糖、グラニュ糖、白ザラ糖、黒砂糖など、
わが国にはさまざまな種類の砂糖があります。わが国の
食文化はこれらの砂糖を巧みに使い分け、和菓子のみな
らず、四季折々の料理にも、味の深みや照り、香りなど
三井製糖は、安全で安心な砂糖や食品素材を誠実に提
を加えてまいりました。
A c t i v i t y
「スプーン印」の三井製糖は、砂糖の国内トップメー
供してまいりますとともに、長年培った精糖技術やバイ
カーとして、この素晴らしい日本の食文化を支え伝えて
オ技術を活かした開発も積極的に推し進めてまいります。
いくためにお役に立ちたいと願っております。
R e p o r t
三井製糖は、天然で安全な食品である砂糖をさらに安
余にわたるご愛顧を賜ってまいりました。環境負荷の低
心してお使いいただくために、製造・物流・販売が一体
減や CSR 活動といった企業の社会的責任も果たしなが
となった供給体制を敷き、厳格な衛生管理のもと、常に
ら、グループ一丸となって、今後も弛むことなく末永く
品質の維持向上を図り、より良い商品づくりに誠心誠意
皆さまの品質・サービスへの信頼にお応えし続けてまい
取り組んでおります。
りたいと存じます。
2 0 1 1
お砂糖ができるまで
7
おかげさまにて三井製糖の「スプーン印」は、半世紀
〜事業を通じた社会・環境への配慮〜
1 |サトウキビ栽培
2 |サトウキビ収穫
3 |製糖工場
サトウキビは、CO2 を吸収して光合成
により成長します。海外ではブラジル、
オーストラリア、タイなど、国内では沖
縄、
鹿児島南西諸島で栽培されています。
ハーベスター(機械刈り)
、もしくは人
手により収穫します。ハーベスターの普
及が進んでいる国・地域と、まだまだ人
手に頼っている国・地域があります。
サトウキビを搾って不純物を除去し、結
晶化して原料糖を製造します。サトウキ
ビの搾りかす
(バガス)
は工場のボイラー
発電に使われています。
【P17 参照】
砂糖事業
トップブランドへの信頼に応える
R e p o r t
2 0 1 1
お料理や食品加工に欠かせないお砂糖。
「スプーン印」の商品は
発売から 50 年の長きにわたり、
家庭用から業務用商品まで
精製糖のトップブランドとして
幅広くご愛顧をいただいて
まいりました。
事業概要
新たな素材の可能性を広げる
地域社会への貢献をめざす
「食の可能性」をキーワードに食品素材事業では、
糖質の新機能開発をはじめ、機能性甘味料、
サトウキビに含まれる有用物質、
食品を彩る天然色素、
様々な食感を表現するゲル化剤
などの用途開発と販売に
取り組んでいます。
暮らしに密着した精製糖メーカーとして、
地域社会への貢献をめざす三井製糖。
その一環として不動産業を中心とした
事業の多角化に取り組んでいます。
具体的には社有地の有効活用として
土地・建物の賃貸事業を
展開しています。
S u g a r
不動産事業
M i t s u i
食品素材事業
E n v i r o n m e n t a l
A c t i v i t y
新甘味料から
バイオテクノロジー
まで
4 |精製糖工場
原料糖は不純物をまだ含んでおり、消費
地近くでもう一度精製されて、上白糖や
グラニュ糖を製造します。
5 |小売店、加工業者
6 |一般消費者
商社(代理店)→元卸(特約店)→二次
卸を経て、加工業者や小売店(スーパー
マーケット等)へ。
近年の砂糖の消費量は、年間で総量約
200 万トンです。これを 1 人当たりに
換算すると年間約 18kg の砂糖を消費し
ていることになります。
(製菓会社、飲料会社など)
8
CHAPTER 01
環境
マネジメント
環境方針とマネジメントシステム
三井製糖では環境方針を定め、ISO14001 推進体制を組織化しております。この環境方針に基づ
いて各拠点で環境活動計画
(アクションプラン)を策定し、CO2 の排出削減や廃棄物の削減など、全
社で環境負荷低減に取り組んでおります。
M i t s u i
環境方針
基本理念
三井製糖は、
豊かな環境のもとで届けられる自然の恵みをベースに事業展開しております。この豊かな恵みが、
将来にわたっ
S u g a r
て享受できるよう環境との調和を図り、健全な自然を次世代に引き継ぎ、持続的発展が可能な社会の実現に貢献します。
行動指針
E n v i r o n m e n t a l
1. 当社は、その全ての企業活動で地球環境に影響を与えていることを認識し、環境マネジメントシステムや環境保全施策
を継続的に改善し環境負荷の低減を図ります。
2. 地球温暖化ガスの削減と廃棄物のゼロエミッションを推進します。
3. 環境関連法規・協定等を順守すると共に、必要に応じて自主管理基準を設定し、管理レベルの向上を図ります。
4. 原料の調達から消費・廃棄までのすべての段階で、環境に配慮した商品開発を進めます。
5. 環境教育を通じ、役職員の環境意識の向上を図り、環境と調和の取れたライフスタイルを志向するとともに、地域環境
A c t i v i t y
に貢献していきます。
6. 関係会社および資材の調達先等の取引先において、環境問題への取り組みを促し、支援活動を図ります。
7. 情報開示を促進し、企業市民として地域や社会との関わりを積極的に図ります。
(2008 年 10 月 1 日制定)
R e p o r t
ISO14001 推進組織図(2011 年 4 月 1 日現在)
代表取締役社長
2 0 1 1
環境管理責任者
環境会議
拠点環境
責任者
拠点環境
責任者
経営企画部(ISO14001 事務局)
拠点環境
責任者
拠点環境
責任者
拠点環境
責任者
拠点環境
責任者
拠点環境
責任者
拠点環境
責任者
拠点 7
拠点 8
各拠点環境推進委員(ワーキングメンバー)
拠点 1
本社
東北営業所
9
拠点 2
千葉工場
拠点 3
神戸工場
拠点 4
岡山工場
拠点 5
福岡工場
九州営業部
拠点 6
長田工場
倉庫神戸営業所
商品開発課
関西営業部
名古屋営業所
岡山営業所
CHAPTER 01
環境
マネジメント
エコバランス(2010年度)
エネルギーなどの投入量と、廃棄物・CO2 などの排出量を定量的に把握することで、事業活動が
環境に与える影響を認識し、環境経営に役立てています。三井製糖の全ての活動を通じて限りある
資源、エネルギーを大切に使い、環境負荷低減に取り組んでおります。
三井製糖のエコバランス(2010 年度)
コピー
用紙
発電
都市ガス
重油
蒸気
灯油
用水
ガソリン
軽油
商品開発
千
生
千個
32 k L
3,440 k L
94
9
CO2
廃棄物量
2 0 1 1
R e p o r t
t
t
t
t
t
リサイクル量
13,611
t
リサイクル率
排水
94.3 %
1,831 m
COD
68
CO 131,255
NO
81 kg
SO
78 kg
千
排水量
3
t
t
2
大気排出
t
食品素材
(長田)
廃棄物量
14,437
3
t
179
44
CO2
廃棄物量
3
食品素材
(岡山)
営業車
大気排出
廃棄物
t
千
廃棄物
産
千
千
大気排出
廃棄物
千枚
57,992 kWh
9,203 kWh
20,833 m
10,894 k L
255,584
1,269 k L
2,569 m
2,566
34
228
精糖
包装資材
千kWh
本社
関西営業部
各営業所
E n v i r o n m e n t a l
223
61
電力
千枚
オフィス活動
S u g a r
コピー
用紙
千kWh
M i t s u i
319
2,948
電力
買電
OUTPUT
A c t i v i t y
INPUT
x
x
営業活動
大気への
排出
CO2
74
t
物
大気への
排出
CO2
9,262
t
流
(特定荷主)
10
CHAPTER 01
環境
マネジメント
環境目標と実績
三井製糖では、2009 年度より 3 年間の「三井製糖
環境活動中期ビジョン」を策定し、CO2 の排
出削減や廃棄物の削減など各環境目標の達成をめざして、全社で環境活動に取り組んでおります。
環境目標と実績(2010年度)
M i t s u i
環境目的
S u g a r
環境マネジメントシステムの
効果的運用
E n v i r o n m e n t a l
CO 2 排出量の削減
A c t i v i t y
R e p o r t
廃棄物排出量の削減
2 0 1 1
原料糖工場の環境配慮
環境目標
環境配慮製品の追求
11
◯は達成
×は未達成
全拠点の環境データの収集
○
ISO14001 内部監査員研修の開催
○
環境社会検定試験 ®(eco 検定)の受験
○
ゴミ分別体験の実施
○
環境推進便りの発行
○
精糖工場の CO2 排出原単位削減
×
輸送の CO2 排出量削減
○
長田工場の CO2 排出量削減
○
オフィス部門の CO2 排出量削減
○
精糖工場の廃棄物排出量削減
×
長田工場の廃棄物排出量削減
○
オフィス部門の廃棄物排出量削減
○
自然エネルギーへの転換
○
オフィス部門のグリーン購入推進
○
生産資材のグリーン購入推進
×
カーボンフットプリントへの取り組み
○
環境報告書の作成・公表
○
ステークホルダーとの関わり
○
サトウキビ抽出物の有効活用
○
グリーン購入の推進
環境コミュニケーションの確立
達成状況
2 0 1 1
具体的な活動
全 8 拠点のエネルギー使用量、廃棄物排出量、化学物質排出量(大気・水質)を測定し、事務局で収集・社内で公開している。
R e p o r t
本社で 11 月 19 日に実施、全拠点から 30 名が受講し、社内合計 80 名の内部監査員資格保有者となった。
7 月に 26 名合格、12 月に 16 名合格、社内累計 120 名の合格者となった。
A c t i v i t y
2010 年度は 5 月、9 月、3 月に実施。
第 37 号〜第 53 号を社員にメールにて配信、もしくは掲示にて環境情報を提供した。
E n v i r o n m e n t a l
神戸工場の大規模工事の影響による変則的な生産により CO2 排出原単位が増加した。
配送ロットの大型化、倉庫間の倉移しの削減、モーダルシフト、工場間の回送量の削減により
エネルギー使用量(kL)/ 輸送トンキロは削減されている。
蒸気使用量の削減、空調温度管理などにより順調に削減している。
全拠点でノー残業デーの導入、空調温度管理、不使用時の消灯の徹底により順調に削減している。
S u g a r
千葉工場、岡山工場、福岡工場では廃棄物量の削減、リサイクル率の向上を達成しているが、神戸工場にて不良品の処理や
リサイクル出来ない廃棄物が増加したため、2009 年度の 96.3% から 2010 年度は 94.3% に悪化している。
カカオ色素原料から出るハスク(皮)廃棄物について、中間原料が一部輸入されたため廃棄物量が減少した。
M i t s u i
オフィス部門はリサイクル化が進んでおり、コピー用紙の使用量も減少している。
原料糖蜜の有効利用とその排水からの創エネ、精製糖排水の省エネ化技術開発について、大学等と共同研究を実施した。
文房具を中心にグリーン購入に努めているが、グリーン購入率向上の余地がある。
副資材の調達先が国内で限定されるため、グリーン購入が難しい。
精糖工業会の取り組みで「精製糖」について、算定のための「商品種別算定基準(PCR)
」を策定した。
2010 年度に社員への環境教育を目的として社内版を発行、2011 年度は精糖業界で初めて社外版を発行した。
物流関係会社のグリーン経営認証の取得を推進した。またグリーン電力証書の認証について、関係会社のバイオマス発電を検討、
一部取得した。またそれを活用してイベントや印刷電力に充てるためにグリーン電力証書を購入した。
糖蜜色素成分、糖蜜抽出物の有効活用について、大学等と共同研究を実施した。
12
CHAPTER 02
環境活動
報告
ISO14001 に基づく環境活動
eco 検定受験の推進
三井製糖では、2008 年より全社的に eco 検定(環境
環境推進便りの発行
月に一度程度、ISO14001 の事務局が「環境推進便り」
M i t s u i
社会検定試験 ®)の受験の推進を行っています。eco 検
を発行しています。内容としては ISO14001 に基づく
定は、
その名の通り環境に関する知識を問う試験ですが、
環境活動の報告や、社員によるコラム、環境に関する特
一口に環境と言っても廃棄物やリサイクルといった身近
集などを掲載し、環境問題に対して興味を持ちやすい切
な問題から、生物多様性や温暖化といった地球規模の社
り口や内容を心がけて制作しています。
会問題まで多岐に渡り、幅広い知識と環境への興味が必
S u g a r
要となります。
推進し始めた当時は「全社員の 10%の取得」を目標
としていましたが、昨今の “ エコブーム ” の影響か、募
E n v i r o n m e n t a l
集をかけるたびに受験者は増えていき、現在までに社員
環境推進便り
全体の 3 分の 1 ほどにあたる 120 名が合格しています。
環境カードの配布
ゴミ分別体験
A c t i v i t y
三井製糖に在籍する全職員と関係会社の一部の職員を
総務課が主催する環境教育活動の一環で、ビルメンテ
対象に、
「環境カード」を配布しています。いつでも携
ナンスの方と一緒にビル全体のゴミの分別体験を行いま
帯できるよう作られた小さなカードの中には三井製糖の
す。普段何気なく捨てているゴミですが、少し捨てる場
環境方針やエコバランス(10 ページ参照)が掲載され
所を間違えただけでも、分別する側は非常に苦労するの
ているほか、部門や個人の
だということを身を持って体感できる、
貴重な “ 気付き ”
環境目標を書き込めるペー
体験です。
R e p o r t
ジもあり、一人ひとりの環
境活動を啓発する重要な
ツールとなっています。
2011 年度環境カード
2 0 1 1
ISO14001 内部監査員研修
本社のゴミ分別体験の様子
ISO14001 で定められている内部監査員を社内で養成
すべく、三井製糖では年に 1 〜 2 回、外部の講師を招い
ての「ISO14001 内部監査員研修」を行っています。こ
の研修は新たな監査員を養成するだけでなく、既に監査
13
グリーン購入の推進
各拠点の総務が中心となり、グリーン購入品(リサイ
員として活躍している社員への
クルができる等、環境に配慮された商品のこと)の購入
フォローアップの役割も果たし、
を推進しています。
各拠点で購入する備品のうち、
グリー
ロールプレイング形式などを用い
ン購入品の割合がどのくらいかを “ 見える化 ” するため、
ながら誰もがわかりやすく
毎月全体の購入額とグリーン購入品の購入額を、社員が
ISO14001 を学ぶことができます。 内部監査員研修
誰でも閲覧できるようにしています。
(本社)
オフィスの照明スイッチを細分化
事務所内で社内外向けに EMS 活動を掲示
事務所や会議室の照明スイッチと空調スイッチ付近に
め本社事務所の照明スイッチを細分化する工事を行いま
は、社員の環境に対する意識を啓発するため、
「不使用時
した。この工事を行ったことにより、必要な箇所のみを
の消灯」
、
「空調機使用時間の短縮」を掲示し、社外向け
点灯し、
不要な箇所は消灯することができるようになり、
には、
「クールビズ実施中」の掲示を行うなど、社内外に
視覚的にも節電への取り組みがわかるので、社員の意識
向けて活動内容を明示しています。また時期やシーズン
向上に繋がりました。また、昼休みや不在時には必要箇
によって掲示内容を一部変更してみたり、変化をつける
所以外の電気は消灯することを徹底して行っています。
ことによって環境意識が継続する工夫をしています。
左
上
細分化したスイッチ盤と配電図
お昼休み消灯の様子
E n v i r o n m e n t a l
A c t i v i t y
電力使用の無駄をなくし、より効率的に節電を行うた
2 0 1 1
環境活動
報告
CO 2 排出量削減への取り組み
R e p o r t
CHAPTER 02
クールビズ掲示と節電掲示
空調機の利用抑制と効率的使用
S u g a r
年間を通し、空調機の使用を極力控え、使用する場合
は効率的に使用するようにしています。夏季の場合、ま
ずは扇風機を使用するよう心がけ、冷房を使用する場合
冷風が部屋全体に行き渡るようにしています。サーキュ
レーターは、冬季になると暖かい空気を循環させる役目
を果たす大活躍なアイテムとなっています。なお、冷房
は 28℃以上、暖房は 23℃以下で運転しています。
従業員の声
M i t s u i
は、サーキュレーターも併用稼働し、冷気を循環させ、
「継続は力なり」
社員の意識は向上しています
総務人事部総務課
松田加奈 杉井美貴子
藤岡ななこ
昼休みの消灯は、今では習慣となっており消し忘れはなく、
「昼
休みは消灯する」という意識が社員全員に浸透しつつあります。
空調も「少し暑いけど、まだ我慢しよう」という意識に変わり、
使用頻度は減ってきています。これらの活動を始める前までは、
電気も空調も何の意識も持たず、当たり前のように使用をしてい
ましたが、現在では、不要・必要を考え、無駄遣いをしないとい
う「節電」の意識を持って使用することが当たり前になりました。
これらの取り組みによって、日々社員の ECO への意識は向上し
ており、
志も高くなってきているので、
今後も継続して活動を行っ
空調機使用時はサーキュレー
ターも併用稼働しています。
ていくことが大切であると実感しています。
14
CHAPTER 02
環境活動
報告
CO 2 排出量削減への取り組み
(神戸工場)
神戸工場の CO2 排出量削減
三井製糖では ISO14001 認証取得後、環境に配慮し
た活動を掲げ日々邁進しています。国内精糖工場から排
効果も相まって削減比率は 2.5%を達成しました。
引き続き神戸工場として取り組むべき課題をしっかり
と見据え、環境への負荷を軽減できるよう従業員一同一
丸となり、活動していきます。
出する温室効果ガスは事業全体の大半を占める値となっ
M i t s u i
ています。神戸工場としても他工場に負けない活動とな
るよう環境推進の取り組みを行い、工場間で切磋琢磨し
人材育成教育
三井製糖では 2010 年度に「省エネ中核人材育成教育」
て活動を推進しています。
S u g a r
神戸工場の温室効果ガスの削減目標は 2007 年度を基
として、若手の工場従業員を対象に省エネ知識・技術の
準年度として、3 ヶ年計画で 8 %(工場全体では 7 %)
向上をめざした教育を本社に全工場のエネルギー管理担
となっており、厳しい数値ではあるものの目標達成に向
当者を招いて実施しました。
精糖工程におけるエネルギーロス熱量の算出方法や各
E n v i r o n m e n t a l
けて精力的に活動しています。
活動内容としては、品質マネジメント活動により製品
工場の省エネ活動の進め方などを、社内の先輩や専門家
ロスを低減させることで温室効果ガス削減をめざしてい
を講師として、講義だけでなくロールプレイングも取り
ます。
入れ実施しました。
神戸工場では省エネルギー推進委員会を組織し、小さ
なことから工場の CO2 排出原単位を下げるための活動
今後も各工場のエネルギーロスの削減について、人材
育成の観点からも取り組んでいきます。
計画などを立案しています。設備保全担当部署ではス
A c t i v i t y
チームトラップの点検頻度を上げるなど、部署単位での
活動を積極的に行っていますが、圧縮空気配管のエアー
漏れがないか工場一斉調査を行うなど、省エネルギー推
進委員会主導で活動も行っています。
R e p o r t
2010 年度は、前述の省エネ活動とユーティリティ会
社員を講師として
研修を実施
社が使用する木屑燃料の使用比率向上による CO2 削減
2 0 1 1
スチームトラップ
蒸気漏れ点検
従業員の声
日々の設備保全で
省エネに取り組んでいます
神戸工場管理課
大塚和実
安定操業による負荷変動の減少・スチームトラップの定期点
検による蒸気ロスの防止、圧縮空気配管エアー漏れによるコ
ンプレッサー電力ロスの防止、廃棄物のリサイクル率向上な
圧縮空気配管
エアー漏れ点検
15
どを推進し、環境負荷低減に向け努めています。
三井製糖の生産拠点 5 工場では、製造工程から出る
廃棄物と一般廃棄物を区別して、それぞれ廃棄物量の削
減と廃棄物のリサイクルに取り組んでいます。
工場の製造工程から出る廃棄物の多くは、精製工程や
濾過、排水で発生する汚泥で占められていますが、生産
の目標を掲げています。
2010 年度は前述の活動を行うことにより、廃棄物量
が前年度比 93.0%となり、リサイクル率も前年度から
0.7%向上させることができました。
リサイクル率向上のため、工場から排出する木くずを
燃料チップにリサイクルできる業者と取り組みを行うな
ど活動を進めました。
工程での濾過率の向上や発生する汚泥の脱水率を適正に
また、産業廃棄物管理表(マニフェスト)の通りにリ
維持することなどにより廃棄物の発生量の削減とリサイ
サイクルされているか、廃棄物処理業者を訪問して適正
クル率の向上を図っています。
な処理がなされているか確認するなどコンプライアンス
また、使用した資材の包装容器、プラスチックや金属
製の廃材などの廃棄物が発生しますが、細分化して分別
を行いリサイクル率の向上に努めています。
2 0 1 1
生産拠点での取り組み
R e p o r t
環境活動
報告
廃棄物ゼロエミッション化への
取り組み(岡山工場)
に努めました。
今後も目標達成に向けて拠点全員で活動を推進してい
A c t i v i t y
CHAPTER 02
きます。
E n v i r o n m e n t a l
生産拠点以外での取り組み
三井製糖のオフィス部門では、ゴミの分別化の徹底、
コピーやファックス、印刷物を減らすために OA 機器を
活用、両面・集約印刷を推進、マイカップの使用などの
屋外の廃棄物置場
啓蒙をすすめ、廃棄物の発生量を削減するように努めて
M i t s u i
S u g a r
います。
廃クラフト紙置場
精製糖工場から出た廃ケーキ
(清浄工程で使用する副資材か
ら発生する廃棄物)のホッパー
(四角い箱状の構造で、下側
に取り付けた蓋を開閉させて
内容物を排出させる装置)
岡山工場での取り組み
従業員の声
「適正に廃棄物が
再資源化されるか確認しました」
岡山工場管理課
茅切利也
3 月に岡山工場の排水処理場から発生する有機汚泥を再資源
化物として、引き取っている肥料会社を訪問しました。この
有機汚泥は、他の汚泥とともにおがくずと混ぜて発酵させて
岡山工場では、
「廃棄物量の削減目標を前年度比
肥料にしています。汚泥が肥料となり緑地整備や家庭菜園な
100%以下にする。リサイクル率を 2007 年度を基準年
どに活用されてリサイクルしている話を聴いて、環境意識が
度として、3%向上する」という 2008 年度から 3 ヶ年
一層高まりました。
16
CHAPTER 02
環境活動
報告
地球温暖化防止をめざす
研究開発
自然エネルギーへの転換
造・利活用を検討し、大規模実証設備内に有価物回収設
備が導入されました。本年度は実生産に向けた装置の運
地球温暖化防止をめざす研究開発として、自然エネル
転と試作品の品質・機能性の評価を行いました。また、
ギー・再生可能エネルギーの利用検討に取り組んでいます。
機能性については大学との共同研究を行い、糖蜜抽出物
①原料糖蜜の有効利用とその排水からの創エネ
はてん菜を糖源とした時の酵母の増殖やパン生地発酵
M i t s u i
S u g a r
原料糖工場から出る糖蜜の有効利用を検討するととも
力、アルコール発酵能を増
に、生じた排水をメタン発酵処理し、発生したメタンガ
加・促進することがわかり
スを回収、エネルギーとして利用することを検討してい
ました。今後もパン酵母の
ます。
発酵促進剤、化粧品原料等
②精製糖排水の省エネ化技術開発
への用途を継続して検討し
精製糖工場から出る排水を
ていきます。
E n v i r o n m e n t a l
より省エネルギーかつ廃棄物
サトウキビからの有価物
(注 2)免疫賦活効果
動物や人間が持っている自然治癒力(免疫力)を活発にする効果
を削減できる方法で処理する
ことをめざしています。
これら排水処理に関しては
サトウキビは環境問題にも大きく貢献
大学との共同研究やパイロッ
り組んでいます。
A c t i v i t y
栽培
R e p o r t
地域への
電力提供
原料の有効活用
①糖蜜色素成分の有効利用
2 0 1 1
免疫賦活効果(注 2)のある飼料用サトウキビ抽出物は、
原料糖工場
サトウキビが
CO2 を吸収
パイロットスケール試験設備
(注1)パイロットスケール
工業における実用的なプラント設計に先立ち、必要な設計データ収集のため
に試験的に組み立てる、ほぼ実用プラントと同様の機能を持った試験的段階
と実用段階との中間の位置づけとなるプラントのこと
化石燃料をほとんど使わない
収穫
圧搾
バガス
製糖
工程
蒸気・発電の
燃料として使用
工場のエネルギー
原料糖
サトウキビを搾り、
糖液とバガスに分ける
精製糖
サトウキビの搾り汁
から砂糖の結晶を作る
精製糖
サトウキビは、
石油に替わるエネルギ−「バイオエタノ−ル」
製糖副産物の糖蜜の色素成分を利活用し、廃棄物処理の
の原料としても注目されていますが、サトウキビの環境への貢
負担を低減した環境配慮型の商品です。大学との共同研
献はそれだけではありません。
究にて免疫調整機能のメカニズム解明、機能成分解明に
向け研究を進めています。今後はより効率的に機能成分
サトウキビは、多くの植物に比べ効率よく CO2 を固定しま
す。また、植物が育ちにくいといわれる半乾燥地域でも丈夫に
育ち、砂糖の製造過程でサトウキビの枝葉や糖分の少ない部分
を製造するための検討を進めるとともに、この抽出物を
は畑に還元されるので、サトウキビ栽培がやせた土地を豊かな
食品素材(食物繊維、着色料等)
、肥料等への用途を検
土地にかえる一助ともなっています。
討していきます。
②糖蜜抽出物の利用法
昨年度までに、環境省事業「エコ燃料実用化地域シス
テム実証事業(宮古島)
」にて糖蜜からのバイオエタノー
ルを製造する際に、新たな有価物として糖蜜抽出物の製
17
CO2 の排出量が非常に少ない
CO2 吸収
トスケール(注 1)での試験に取
砂糖の製造過程で糖汁を搾った茎の残りの繊維質は
「バガス」
とよばれ、工場を動かすための燃料として使用されます。原料
糖工場では石油のような化石燃料はほとんど使用しませんし、
余ったバガスで発電し地域に電力を供給しています。
このようにサトウキビは、皆さんの食生活を豊かにするだけ
でなく、
地球環境問題の解決に大きく貢献していると言えます。
CHAPTER 02
環境活動
報告
各拠点での取り組み
(関西営業部)
オフィスの CO2 排出削減
『不使用時、不要箇所(トイレ、給湯室、サンプル室、
般ゴミ混入については、分別用ゴミ箱を透明にしたこと
で、混入が無くなりました。
廃棄物の総排出量は 2008 年度比で、2.4% 減ですが、
不用なコピー用紙の分別徹底とシュレッダーゴミが循環
してもらうよう各箇所への注意書きの張り紙をしていま
資源ゴミになったことにより、リサイクル率は 2008 年
す。スイッチ毎にシールを貼ることでどこのスイッチか
度比 65% 増の 77% となりました。
2 0 1 1
喫煙室)の消灯の徹底』を目的として、常に消灯を意識
を明確にし、消し忘れ防止にも取り組んでいます。併せ
を行いました。それにより、2008 年度比で電気使用量
が 6.9% 減、ガス使用量が 15.2% 減となりました。
グリーン購入の実施
R e p o r t
て窓ガラスへの遮熱塗装加工を行い、空調機の温度管理
オフィス用品のグリーン購入についてはガイドライン
に従った購入を実施していますが、購入比率は 68% と
印刷」という機能を活用しています。
関西営業部全員が保留印刷を設定し、複合機を操作し
A c t i v i t y
コピー用紙の使用量削減については、複合機の「保留
まだまだ改善の余地があります。
従業員の声
2009 〜 2010 年の
取り組みについて
て直接印刷を行うため、印刷ミスや取り忘れが無くなり
関西営業部販売管理課
ました。以前は印刷ミスした紙を裏紙使用するためにス
取り組みを始めた頃は、個人ゴミ箱が撤廃されたのを忘れ、
トックしていたのですが、保
つい机の横へ捨てそうになったり、人のいない場所に電気が
河手祐之介
点いていたりする事がありましたが、今では営業部全体の環境
留印刷徹底後は裏紙用のス
意識が高まり、
昼休みの事務所の消灯なども定着してきました。
トックが無くなるほどの効果
コピー用紙購入量は約 50,000 枚削減となり、皆の取り組み
S u g a r
の結果が見えて嬉しいです。複合機への用紙補充作業は A4
を上げました。コピー用紙購
だと 1 回大体 500 枚ずつ行うので、その作業が 100 回程無
入量は 2008 年度比、20% 減、
くなったのかと感心します。
およそ 50,000 枚の削減とな
空調は温度設定を意識して使用していますが、関西営業部は
コピー管理システム
窓が大きく日当たりが良いため、夏になると事務所内はかな
M i t s u i
りました。
E n v i r o n m e n t a l
コピー用紙の使用量削減
り暑くなっていました。窓に遮熱塗装加工をし、ブラインド
も遮熱品に変わりましたので、2011 年夏はダブル効果でど
廃棄物削減
関西営業部ではそれまで当番が毎日それぞれのゴミ箱
からゴミを回収していましたが、排出物削減の実施手段
れくらい体感温度が変わるかと期待しています。
毎年の実績を楽しみにしながら、引続き関西営業部全員で取
り組みたいと思います。
関西営業部の取り組みの推移
として、それぞれが使用していた個人用のゴミ箱を廃止
2008 年 2009 年 2010 年
しました。25 名以上の事務所に一般用ゴミ箱が1つだ
(86 期)
(87 期)
電気使用量(千 kwh)
72.9
68.9
67.9
けとなり、ゴミは各自でゴミ箱の設置場所まで捨てに行
ガス使用量(千㎥)
11.8
11.4
10
くこととなったのですが、これは関西営業部全員への廃
廃棄物排出量(t)
棄物排出削減に対する意識付けと廃棄物排出の抑制とな
りました。
温室効果ガス排出量
リサイクル率
コピー用紙購入枚数
グリーン購入率
(85 期)
−
49t-CO2 46t-CO2
3.68
3.47
3.59
12%
44%
77%
249,000 207,500 199,750
54%
63%
68%
分別ゴミ(缶、ビン、ペットボトル)用ゴミ箱への一
18
CHAPTER 02
環境活動
報告
各拠点での取り組み
(長田工場)
楽しみながら産業廃棄物をリサイクル
環境に影響する緊急事態への対応
M i t s u i
長田工場(神戸市)から排出される廃棄物のひとつで
三井製糖では予期せぬ災害発生時等に、環境に悪影響
あるファイバードラム(原料容器)は、紙と鉄でできて
を与える事態をシミュレーションして、緊急事態対応訓
います。紙も鉄も貴重な資源ですが、解体に手間がかか
練を定期的に実施しています。2010 年度の長田工場で
るためこれまではリサイクルできず産業廃棄物処分して
は、ボイラーの緊急停止訓練を実施しました。
S u g a r
い ま し た。 そ の よ う な 状 況 の 中、 三 井 製 糖 で は
近年、技術の進歩によりボイラーの自動化が進み、長
ISO14001 に基づく環境活動の一環として、ファイバー
田工場も含め、無資格で無人運転できる自動ボイラーが
ドラムを何とか解体してリサイクルしようという取り組
急速に普及しています。しかしこのようなボイラーは想
みをスタートさせました。
定の範囲を超えた緊急事態が発生したとき、手動で非常
E n v i r o n m e n t a l
長田工場では、時間がかかる解体作業を楽しんで行お
停止できる人が近くにいない
うという趣旨で「ファイバードラム輪投げ大会」を開催。
という状況が想定されます。
このイベントは金属部分の輪
そこで今回の訓練では、全従
を解体するスピードを競い、
業員にボイラーの燃焼異常を
できた輪で輪投げをするとい
見極める指標を説明し、緊急
うゲームであり、リサイクル
停止方法の実地訓練を実施す
を進めるだけでなく従業員の
ることにより、環境リスクの
環境意識向上にも繋がってい
最小化に努めました。
A c t i v i t y
ます。
ボイラーの緊急事態対応
訓練の様子
ファイバードラム解体の様子
自発的取り組みの増加
R e p o r t
輪投げ大会をきっかけに、より安全且つスピーディー
に解体するためのアイデアが、多数寄せられ、それらの
アイデアを基に解体機を製作。
この解体機、
使わなくなっ
2 0 1 1
た工具や棚などの廃材を解体し、リサイクルして作った
エコ解体機で、倉庫に 100 個以上たまっていた空ドラ
ムは瞬く間にリサイクル完了。ファイバードラムの完全
リサイクル化に成功しました。
ユニークな活動で
楽しく環境に貢献
長田工場管理課
佐々木洋平
松本和恵
産業廃棄物のファイバードラムの解体・リサイクル活動では、
現在、この解体機は、ファィ
製作された解体機「bmw」のお披露目があり、新しいおも
ちゃを見つけてしまった時のように、目はキラキラ・気持ち
バードラムを豚の丸焼のよう
はワクワク。ほほ〜っと感心したり、
フムフムと頷きながら、
に回転させて解体することか
使用方法や、遊び方の説明を聴いたあとは、触っていい?・
ら、「bmw」(buta の maruyaki
遊んでいい?と、ときめきながら解体の順番を待ちました。
式 wagiri 機)の愛称で呼ば
解体したドラムの紙底は、
「bmw」に乗ってルーレットと
れ、親しまれています。
なり、吹き矢の的として活動後の懇親会でのお楽しみとして
ファイバードラム解体機
(bmw)
19
従業員の声
活躍しました。他の模倣からでは得られない、ユニークな活
動で楽しく環境に貢献することができました。
CHAPTER 02
環境活動
報告
各拠点での取り組み
(物流関連会社 スプーンシュガー)
グループ会社の環境への取り組み
〜グリーン経営認証取得〜
当社のグループ会社であるスプーンシュガー(株)は、
運送事業者にとっての環境保全への取り組みの指針であ
2 0 1 1
る「グリーン経営」の認証を 2010 年度に取得しました。
同社は、環境関連の法規制の順守等を織り込んだ環境
方針を掲げ、その方針の下、環境行動計画の策定や推進
R e p o r t
体制の整備、
従業員への環境教育等に取り組んでいます。
具体的には、エコドライブの実施、低公害車の導入、自
動車の点検・整備といった
A c t i v i t y
運送に関する課題はもとよ
り、廃棄物の適正処理及び
リサイクルの推進や事務所
内に環境ポスターを掲示し
E n v i r o n m e n t a l
意識の向上を図る等、全社
を挙げて環境保全に努めて
います。
スプーンシュガーが保有する車両
上:液糖を運ぶローリー車
下:グラニュ糖をバラ積みで運ぶバルク車他
安全運転や燃費改善に役立つ運行管理システム「デジタルタコグラフ」を
全車搭載しました
S u g a r
グリーン経営認証登録証
〈基本理念〉
我々は、事業活動を行うにあたり、全役職員が環境問題を
理解した上で、地球環境並びに地域環境に配慮した優しい
行動をとり、社会との共生を図ります。
環境保全管理責任者の声
信頼いただける企業をめざして
常務取締役西部事業所長
〈基本方針〉
吉岡 健二
私たちスプーンシュガーは、グループの一員として、包装、
1. 環境関連法規制を順守し、環境負荷の低減、環境汚
染の防止に努めます。
スティックシュガーの生産、資材供給、物流など幅広い分野
2. 環境教育、啓蒙活動を通じて全役職員の環境意識の
向上を図り、環境保護活動を積極的に行います。
ン印の製品を安全にお届けするのが最大の役割です。さらに
3. 低公害車の導入、エコドライブの実践を推進し、自
動車からの排出ガスによる地球温暖化を防止します。
4. 本方針を広く社外に公表します。
スプーンシュガー株式会社
常務取締役 西部事業所長 吉岡 健二
M i t s u i
環境方針
に携わり、
コンプライアンスを重視し、
お客様のもとにスプー
特種車輌による輸送関連分野についても物流における環境活
動の指標である「グリーン経営」の認証を取得し、アイドリ
ングストップをはじめエコドライブを推進するとともに、廃
棄物の削減や従業員への環境教育など環境保全への取り組み
を推進し、社会の一員として信頼いただける企業をめざして
います。
20
CHAPTER 03
社会性
報告
お客様とともに
スプーン印 × コウケンテツ
砂糖はどの家庭でも常備されている甘味調味料です。
「甘さ」は人が生きる上で欠
M i t s u i
S u g a r
しかし砂糖は料理の「甘味付け」だけにあるのではあり
かせないエネルギーのシグナ
ません。素材を活かし料理をもっと美味しくする効能が
ルですが、最近は健康上の問
たくさんありますが意外と知られていないものです。ま
題や何となく「太りそう」と
た最近の甘味離れ、ダイエット志向から砂糖を控える人
の誤解から糖分を控える人が大勢います。
三井製糖は
「だ
も多く、砂糖の良さを多くの人に伝えることが難しいの
れもが、美味しいスイーツをいつまでも」を実現するた
も事実です。砂糖をもっと上手に利用すれば料理はもっ
め、スローカロリープロジェクトを立ち上げました。
E n v i r o n m e n t a l
と美味しくなり、食生活はもっと豊かになるはず。この
" スローカロリー " とはゆっくりと消化吸収し、糖代
ような思いを同じくする料理家コウケンテツ氏とタイ
謝機能に様々な良い影響を与える糖やカロリーのこと。
アップし、
だれでも簡単にできる砂糖の「美味しいコツ」
数年前から三井製糖が提唱しはじめた糖質カロリーに関
をお客様に広くお伝えする活動を進めています。
する新しい考え方です。今日、最新の研究データから糖
質のエネルギー量が同じでも、消化吸収速度がゆっくり
❶当社ホームページにレシピ集を掲載
であれば健康や肥満リスクを低減し、生活習慣病の予防
❷いつでもレシピをチェック 上白糖にあ
る QR コードから携帯サイトにアクセス
にも貢献することが徐々に明らかにされてきています。
❸全国 7 ヵ所で「クッキングトークショー」
を実施
三井製糖はこれらの科学的データを礎に、臨床試験や
様々な食品への応用技術研究を重ね " スローカロリー "
A c t i v i t y
❹当社 TVCM に
「お砂糖の働き」
を紹介
(関
東:TBS、関西:読売テレビ)
❺当社提供番組「魅惑のトルコ 世界遺
産と美食の旅」を放送
❻砂糖の日(3/10)日本経済新聞にコウ
ケンテツ氏による食と砂糖関連の記事広
告を掲載
のコンセプトを確立しました。
コウケンテツマーク付き
上白糖
R e p o r t
ブルボン様との対談
2 0 1 1
株式会社ブルボン様より、
スローカロリーの考え方を
取り入れたお菓子が発売されました
今では流動食やスポーツサプリメントに取り入れられ
ており、更には大手菓子メーカー様、和菓子や洋菓子店
様にも採用頂けるようになってきています。
ブルボン:
「スローバー」は糖質を穏やかに吸収できることが特
徴で、それが健康にもつながるということを消費者に理解してい
ただきたい。三井製糖様との共同研究では「スローバー」が満腹
感を実感できることが明らかとなり、結果的に1日の総摂取カロ
リーを減らし、肥満予防や生活習慣病予防につなげることができ
ブルボン:ブルボンは焼き菓子やチョコレートなどのお菓子を製
ると考えています。食べたときにおいしさを感じ、それが適切に
造、販売しています。お菓子は嗜好品であると同時に栄養補給と
消化吸収され、必要な栄養素やエネルギーになる。楽しく食べる
いう面で生活に活力を与えるものですが、しばしば生活習慣病の
ことが健康に寄与する。これこそがお菓子や食品の本質。スロー
原因に挙げられてしまい、砂糖など糖質にネガティブなイメージ
カロリーはこの本質を追求した考え方ということができます。ス
を持つ人が多いようです。
ローカロリーの提唱者として、三井製糖様には、より多くのスロー
三井製糖:ブルボン様も三井製糖も糖質抜きでは事業が成り立た
カロリーコンセプトの商品が
ないので、ネガティブなイメージを払拭し、糖質の良き可能性を
世の中に出るよう継続した
広げていかなくてはいけません。しかし現状では、糖質の生理学
活動をお願いしたいです。
的研究、特にその研究成果の実用化が進んでいないようです。例
えば、
糖質のカロリー値を問題視する人は多いですが、
糖質の「質」
や摂取方法が重要であることはあまり知られていませんし、実用
化もされていない。
21
スローカロリープロジェクト
対談: 株式会社ブルボン
健康科学研究所
研究推進室 室長 峰尾 茂様
三井製糖株式会社
東部営業本部
食品素材営業部 堀 信之
スローバー
CHAPTER 03
関係会社とともに
包材規格統一について
●
●
〜サプライチェーン省資源化連携促進事業〜
●
三井製糖では包装資材製造会社であるグループ会社、
スプーンシュガー(株)から納入先の岡山工場までの包
材の省資源化について検討しました。
砂糖は業務向けに 30kg や 20kg 等のクラフト紙袋詰
めとして、また家庭用として 1kg ポリエチレン袋に個
2011 年度 定時株主総会会場使用電力(300kWh)
株主様向け配布物の印刷使用電力(招集通知、決議通知、年次
報告書)
(465kWh)
第 16 回 国際食品素材/添加物展・会議(ifia JAPAN)ブー
ス使用電力(147kWh)
●
商品案内(食品素材ゲル・寒天)の印刷電力(96kWh)
●
社内報(2011 年度 7 月、10 月、1 月発行)の印刷電力(87kWh)
「三井製糖 環境報告書 2011」の印刷電力(332kWh)
●
2 0 1 1
社会性
報告
グリーン電力についての詳細は日本自然エネルギー株式会社ホー
ムページ http://www.natural-e.co.jp/ を参照してください。
の手法で把握しました。
昨年より、伝統あるスプーン印の三温糖のパッケージ
に大きく「ECO」のマークが付くようになりました。
ロスは多くはなかったものの削減余地はあるため工程
これは従来の三温糖のポリ袋の素材に環境配慮型の新素
ごとにロス削減を検討し、ロス発生の根底にある改善す
材「ナノハイブリッドカプセル2」を添加したことによ
べき課題として、
「三井製糖精糖 4 工場間の包材規格の
るもので、この導入により焼却時の二酸化炭素の排出量
標準化」を挙げました。
は 1 年間で 10% 以上、実に 18t 以上もの量が削減でき
2010 年度から精糖 4 工場の 30kg クラフト紙袋につ
いて包材規格統一に取り組んでおります。
るようになりました。
新パッケージ検討開始から二年にわたり、ナノハイブ
各工場で他工場の規格の包材を使用してテストを実施し
リッドカプセル2の研究開発・製造を行っているイー・
て荷姿や包装状態を確認して統一化をめざしております。
ベーシック
(株)
と、
当社グループ会社のスプーンシュガー
(注1)製造プロセスにおけるエネルギー・投入原材料などのムダを物量・
金額で測定し、廃棄物の原価を算定する手法で、省資源化やコスト削減のポ
イントを見出すことが出来る。
A c t i v i t y
し、そのロスについてマテリアルフローコスト会計(注1)
エコパッケージの導入
E n v i r o n m e n t a l
入原料から最終の包装・出荷段階までの投入資材を把握
(株)にて、試作品の製造や試験、CO2 排出量の測定等
S u g a r
12kg にまとめて製品化されます。包材製造段階での投
R e p o r t
包装されたものをクラフト紙(バックス袋)で 20kg や
を重ね、ついに 2010 年 3 月 8 日に本製造が開始され
ました。今回の採用にあたっては、ポリ袋の強度に問題
グリーン電力証書
M i t s u i
がないか、包装の作業性は従来通りで可能かなど、品質
保証の観点からも様々な困難がありましたが、本製造が
開始されてからは大きな問題もなく、この春に無事に一
発電の際に環境に負荷を与えない風力、火力、太陽光、
年を迎えることができました。
バイオマスなどによる自然エネルギーから発電した電力
限られた色数とスペースで「スプーン印が取り組むエ
をグリーン電力とよびます。
このグリーン電力を
「グリー
コ」を伝えたい、という開発担当者の願いが込められた
ン電力証書」という形で購入し、普段使用している電気
エコパッケージは、当社の環境活動のシンボルとして、
と組み合わせることによって環境にやさしい価値を持つ
今後他糖種への展開も検討中です。
グリーン電力を使用しているとみなす
ことができます。三井製糖では、サト
ウキビのバガスによるバイオマス発電
のグリーン電力を以下のイベント・印
刷物で利用しております。
22
CHAPTER 03
社会性
報告
社員とともに
メンタルヘルスの取り組み
従業員が活き活きと働くには体が健康なだけではなく
での決定事項を職場に浸透させたり、職場の声を集めた
り、活き活きと働くための諸提案を CSR 委員会に上げ
るなどの活動を行っています。現在は女性社員を中心に
M i t s u i
心も健康でなくてはなりません。しかし心の問題はなか
総勢 11 名。社内 LAN を使った情報交換や提案のほか、
なか気付かないもの。メンタル不全の早期発見や予防に
不定期ですがメンバー全員が本社に集まり議論などを
は、自分自身のセルフケアとともに、職場でのラインケ
行っており、今後もより積極的な活動を行うことをめざ
アが大切と考えています。そこで、一昨年よりメンタル
しています。
相談員と契約し、
メンタルヘルス講習会をはじめました。
S u g a r
徐々に回数も増やしながら定期的に開催しています。ま
た何でも相談のセーフティネットサービスと契約するな
ど、従業員が十分に能力を発揮できる環境整備をスター
E n v i r o n m e n t a l
トさせています。
働きやすい職場作り
子育てしながら働くママさん社員が抱える問題は、個
別の問題として捉えられがちで、会社全体の問題として
捉えられない、職場によっては理解を得るのが難しいな
ノー残業デーの実施
各事業拠点毎にノー残業デーを設けておりますが、
どの課題がありました。全ての職員が働き甲斐をもって
活き活きと働くにはどうするか。5 月 26 日、CSR 推進
委員のママさん社員を中心に、
「働き甲斐のある職場」
、
A c t i v i t y
2010 年度には従業員が家族と過ごす時間を少しでも多
その前提となる「働きやすい
くとれるように、子どもたちの夏休みにあたる 7 月 20
職場」作りには何が必要かに
日から 8 月末までの毎週金曜日をリフレッシュサマー
ついて座談会を行いました。
デーと称し一斉にノー残業デーとしました。
「子育てに追われながらも働
くということとは?」など活
R e p o r t
ボランティア休暇
三井製糖では、社会貢献の一環として社員がボラン
ティア活動に参加することは、CSR、人材育成の観点
発な意見が飛び交いました。
CSR 活動だよりの発行
2 0 1 1
からも有意義と考え、会社としてもこれを積極的に支援
昨年度から不定期に「CSR 活動だより」という、社
し、参加しやすい環境作りを行うために「ボランティア
内の CSR 活動を紹介する社内通信を発行しています。
休暇」制度を導入しました。
各拠点で独自に行っている取り組みやその活動状況が掲
すでに東日本大震災の被災地への復旧・復興支援に活
載され、これまであまり見えてこなかった “ 三井製糖が
用されており、今後の地域貢献活動、社会福祉活動、自
できる CSR” を皆で考え、共有するきっかけを提供して
然・環境保護活動にも活用が期待されます。
います。
CSR 推進部会
当社は CSR 委員会の下部組織として CSR 推進部会
を設置しています。各事業所を代表する CSR 推進委員
は、当社の CSR に対する基本的考え方や CSR 委員会
23
働くママさんの座談会
CSR 活動だより
CHAPTER 03
地域・社会とともに
小学生パティシエ選手権への協賛
三井製糖は今年で第7回を迎える「小学生パティシエ
とつである大阪製糖
(当時はスプーン印ではなくハト印)
選手権」に第1回から協賛しています。子どもたちに食
時代であり、それから 48 年間、途切れることなく「協
の大切さと作る楽しさを知って欲しいという願いととも
賛会社」として日本の学校教育の充実化に陰ながら寄与
に、砂糖の正しい情報提供や砂糖のある豊かな食生活の
してきました。商品についているベルマークをはさみで
普及に努めています。
切り取り集めて送るという、非常に古典的で、昨今の
毎年5月には東京と神戸でプレイベントも行っており
CSR の流れから見ると「古い」イメージのある活動で
ますが、今年は東日本大震災のチャリティイベントとし
はありますが、子どもたちのために、援助を必要として
て実施しました。会場である「ル・コルドン・ブルー」
いる方々のために長きにわたって貢献してきたという事
のシェフと生徒が製作したお菓子や料理、
パンを販売し、
実は、一企業として誇れることでは
売上金を寄附する「チャリティマルシェ」に砂糖の提供
ないかと思います。当社はこれから
を実施しました。
も伝統あるベルマークを通じて、未
見本
来を築く子どもたちを支えていき
2 0 1 1
三井製糖がベルマーク運動に参加したのは、前身のひ
R e p o r t
ベルマーク運動
A c t i v i t y
社会性
報告
見本
E n v i r o n m e n t a l
ます。
小学生パティシエ選手権
M i t s u i
S u g a r
全国の小学生が、自分の「夢」をイメージした
お菓子作りに挑戦する「小学生パティシエ選手権」
。
応募作品の中から専門家による厳選なる書類審査を経て、
上位 10 名の子どもたちには、毎年夏休みに東京で開かれる
決勝大会にてお菓子を製作します。
テーマ、アイデア、デザイン、完成度、味などを総合的に
判断しその年の「小学生パティシエ選手権チャンピオン」を
決定します。
どれも
力作ぞろい!
みんな
頑張りました!
真剣な
表情です
小学生パティシエ選手権イメージキャラクター
シュガーバニーズ © 04 11 SANRIO
24
CHAPTER 03
社会性
報告
地域・社会とともに
トライやるウィーク
(中学生の職場体験学習)
当社の神戸工場、長田工場が所在する兵庫県では、
工場見学
地域の方々との関わりを大切に、当社の各製造拠点で
は工場見学を定期的に受け入れており、
「お砂糖はどう
M i t s u i
1995 年の阪神・淡路大震災、1997 年の神戸連続児童
やって白くなるの?」という疑問を直接工場で見て知っ
殺傷事件を機に、教育の基調を「教える」教育から「育
てもらっています。2010 年度は全工場で 16 件、総勢
む」教育へと大きく転換させ、
「心の教育」の充実化並
314 名の方々に実際に砂糖ができる現場を見学していた
びに体験学習を通し生徒一人ひとりが自分の生き方を見
だきました。
S u g a r
つけるための支援事業「トライやるウィーク」を推進し
ています。
当社はこの主旨に賛同し、昨年より長田工場で生徒の
E n v i r o n m e n t a l
受入れを開始しました。長田工場ではゲル化剤、色素と
いった食品素材を製造していますが、生徒には主に品質
管理業務を中心に、分析などを体験してもらいました。
今後も職場への生
徒受入れを継続的
に 実 施 し、 ま た
様々なかたちでの
A c t i v i t y
教育支援を企画し
てまいります。
トライやるウィーク(職場体験学習)の様子
R e p o r t
工場周辺美化活動の取り組み
2 0 1 1
神戸工場では毎月第 3 水曜日に工場周辺地域の美化
活動を実施しています。協力会社社員の協力を得て、歩
道の除草やゴミや落ち葉を拾って美化に努めています。
岡山工場では工場周辺や岡山港の清掃活動を実施して
おります。広範囲に渡って岡山港に漂着したゴミや不法に
投棄された家庭ゴミなど社員を中心に分別収集しました。
岡山工場の美化活動
25
福岡工場
工場見学の様子
第三者意見
倉阪 秀史氏 千葉大学 大学院人文社会科学研究科 教授
1964 年生まれ。1987 年東京大学経済学部卒業後、環境庁入庁。1998
年千葉大学助教授、2008 年より同教授、2011 年より現職。環境政策論、
環境経済論専攻。著書に『環境政策論』、『環境を守るほど経済は発展
する』など。2004 年より千葉大学環境管理責任者。
三井製糖における精糖業界初となる社外向けの環境報告
書の発行に際し、環境マネジメントシステム(EMS)に携
ように、社内では当たり前のことでも、社外からはわかりに
くいということがありますので注意が必要です。
わる立場として第三者意見を述べさせていただきます。
第二に、環境マネジメントシステムの運用に関して、継
のリーダーシップのもと、環境マネジメントシステムが社員
いました。環境目標と実績(p.11)において達成状況が「×」
に浸透し、機能していることが確認できることです。環境
の項目を掲げている点は、高く評価できます。このようなマ
の取り組みに関するさまざまなアイディアが社員から出さ
イナス情報を開示することは、報告書の信頼性をかえって
れて、取り組みが進められています。社員の 1/3 が eco 検
高めることにつながります。ISO14001 の内部監査において、
定に合格しており、環境推進便りの発行(p.13)
、オフィス
どのような指摘が行われ、どのように改善されたのかを記
の照明スイッチの細分化(p.14)など、省エネ・廃棄物削減
述したり、法令の順守状況を具体的に示したりすると、さ
のための具体的な活動が行われています。とくに、長田工
らに良い報告書になると思います。
2 0 1 1
続的な改善の状況をもう少し具体的に示す必要があると思
R e p o r t
三井製糖の取り組みの中で特に評価できる点は、トップ
場でのファイバードラムのリサイクルの取り組み(p.19)の
第三に、第二点とも関係しますが、データによって定量
A c t i v i t y
ように、楽しく環境活動を進めている点には非常に好感を
的な経年変化を追えるようにする必要があると感じました。
抱きました。
また、製糖会社の特徴を生かした取り組みも進められて
前年度や業界標準との比較を行うと数字の意味がわかるよ
います。製糖過程で排出されるサトウキビの繊維質
(バガス)
うになります。
「関西営業部での取り組み(p.18)
」には、
を再利用して熱や電力供給を行うというグループ企業の取
2008 年度から 3 年間の光熱水量に関するデータが記載され
り組みを、グリーン電力証書の購入などによって支援して
ていますが、このような形式で、他の事業所単位や全社単
います(p.22)
。また、排水のエネルギー転換や糖蜜抽出物
位でのデータを記載するとわかりやすいと思いました。経
の有効利用に関する共同研究も行われており(p.17)
、今後
年比較を行い、結果を分析して報告することで今後の課題
の実用化が期待できます。
が明らかになるとともに、環境活動のさらなる発展につな
E n v i r o n m e n t a l
エコバランスを掲載している(p.10)点は評価できますが、
がると思います。
本報告書の改善点として、三点指摘させていただきます。
糖が、
「お砂糖ができるまで」
(p.7-8)のどの部分を担って
このように地に足のついた環境への取り組みが行われてい
いるのかがわからない点です。三井製糖は、千葉工場、神戸
る点は、広く社会に知られるべきだと思います。この報告
工場、岡山工場、福岡工場の 4 つの精製糖工場と、食品添加
書がその役割を果たすことを期待します。また、
今後の
「CSR
物・食品素材を製造する長田工場を運営しており、サトウキ
報告書」の発行にあたっても、本報告書のようにトップの
ビ栽培・収穫・製糖や、包装資材製造などはグループ企業が
意思と社員の自発性が感じられる報告書になることを祈念
担っているという関係について、最初の方でわかりやすく書
致します。
S u g a r
精糖業界のリーディングカンパニーである三井製糖で、
M i t s u i
第一に、精糖業界について予備知識がない読者には、三井製
かれていると読みやすいと思います。製糖と精製糖の違いの
第三者意見を
受けて
パニーとして、環境問題に「先駆的に」取り組む社会的責任
があります。それ故に精糖業界で初めて社外向けの環境報告
三井製糖株式会社
上席執行役員
業務本部長
環境管理責任者
林 博夫
書を発行することになりました。今後も「従業員の環境意識
の向上」に重点を置き、全従業員の環境活動の推進、さらに
は社員の「自発的な」社会貢献活動につなげていきたいと思
います。今後の報告書は、ご指摘いただいた「社外の方々に
「食の安心・安全」をモットーに、日本の食卓に砂糖をお届
もよりわかりやすく」を意識するとともに「さらに具体的な活
けするのが当社の使命です。精糖業界は大量の電力と水を使
動・数値分析の公表」を心掛けて作成、発行し、社会から信
う産業であるからこそ、当社は精糖業界のリーディングカン
頼され、いつまでも愛される企業をめざしてまいります。
26
発行元
本報告書に関するお問い合わせ先
三井製糖株式会社 業務本部経営企画部経営企画課
〒 103-8423 東京都中央区日本橋本町 2-8-2
TEL:03-3639-9327
URL http://www.mitsui-sugar.co.jp/
本報告書の情報は
ホームページでもご覧いただけます。
この報告書の
印刷で 使 用する
電力 332kWh は
さとうきびの
バガスによる
バイオマス発電の
グリーン電力を
利用しています。