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「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」プログラム第 3 年度報告の発行にあたり
近畿大学大学院生物理工学研究科生物工学専攻を核として、平成 19 年度に採択された文部科学
省・組織的な大学院教育改革推進プログラム「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」の
第 3 年度の報告書を作成しました。
初年度は暗中模索、2 年度は試行錯誤そして今年度は過去 2 年間の経験と実績をもとに当初の
計画をほぼ順調に遂行することができました。しかし、本プログラムの目玉のひとつである海外
インターンシップと国際学会への学生派遣については、新型インフルエンザの流行の影響を受け、
一部中止せざるを得ない状況がありました。貴重な経験を提供できなかったことが心残りです。
今年度博士後期課程を修了し、若い研究者として巣立つ学生は、本プロジェクトの発足と同時
に後期課程に入学し、プロジェクトの恩恵を受けながら 3 年間を過ごしました。まさに本プロジ
ェクトの申し子であり、この教育理念を糧に発展して欲しいものです。近畿大学大学院生物理工
学研究科として、またプロジェクトに関与する教職員一同の喜びでもあります。
博士前期課程の学生にもプロジェクトによる高度な教育を提供することができました。そのひ
とつは、Native Speaker の補助員の参加による英語能力の向上です。基礎的な英語能力の向上だ
けではなく、英語によるプレゼンテーションの訓練、論文作成上のマナー、Native Speaker なら
ではの適切で微妙な表現法も教育することができました。また、このプロジェクトがあったから
こそできるような海外および国内の顕著な研究者によるセミナー、講演会も数多く行なわれまし
た。学生たちは、多様な研究分野と広範な思考方法に大きな感銘と刺激を受け、プロジェクトの
目的である生物工学分野研究の社会的役割について理解を深めることができました。教育効果は
研究活動にも反映され、論文の公表,学会での発表も飛躍的にその数を増やし、本研究科の研究
活動を学外にも示しています。ワークショップ、研究発表会、インターンシップ報告会などの行
事は、学生主導で企画から実行まで行いました。教職員との連携により信頼関係も深めることが
できました。
動物生命工学専門家の育成を目指すために発足した本プロジェクトの 3 年間の期限は、終了す
ることになります。期限の終了により 3 年間の活動が終焉し、教育研究内容が先細りになること
は避けなければなりません。ここで芽生えた新しい方向への教育研究活動が、近畿大学としての
恒常的なプログラムとなり、ますます発展するよう関係者一同検討を行っているところです。生
物工学専攻を主体として行われてきた本プロジェクトのカリキュラムを、電子システム情報工学
専攻および機械制御工学専攻にまで拡大し、より多くの学生がプロジェクトによって培われた恩
恵を受けられるようカリキュラムの変更を行いました。3 年間のプロジェクトの実行が生物理工
学研究科の発展に大きく寄与することになります。
この 3 年間に多くの関係者からご協力、ご意見、ご指導を賜りました。この場を借りて厚くお
礼申しあげます。今後も近畿大学大学院生物理工学研究科の発展にご高配を賜りますようお願い
申しあげます。
平成 22 年 3 月
近畿大学大学院生物理工学研究科長
1
仁藤伸昌
2
目 次
「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」プログラム第 3 年度報告の発行にあたり
近畿大学大学院生物理工学研究科長 仁藤伸昌 ・・・・・・・・・・・・・・・1
1 「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」プログラムの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
1.1 プログラムの目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
1.2 プログラムの実施体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
2 平成 20 年度「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」プログラムの評価と対処・・・・・・・・・・11
平成 20 年度(2008 年度)近畿大学大学院生物理工学研究科・大学院教育改革支援
プログラム評価委員会の評価に対する対処方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
第 2 章資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
3 カリキュラムの実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
3.1 カリキュラムの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
3.2 実施概要・履修状況および総評・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
3.2.1 動物生命工学基礎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
3.2.2 専門領域実践英語Ⅰ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
3.2.3 インターフェース分野別専門家特別講義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
3.2.4 専門領域実践英語Ⅱ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
3.2.5 知的財産及び生命倫理学特論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
3.2.6 国内企業インターンシップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
3.2.7 動物生命科学特論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
3.2.8 研究管理能力開発基礎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
3.1.9 海外研究インターンシップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
第 3 章資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
4 研修・研究への支援の実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・131
4.1 研究旅費支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・133
4.2 その他の経済的支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・133
4.3 研修・研究の支援の成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・133
第 4 章資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・135
5 イントラネットの整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・163
5.1 講義レポート評価システム(LSS)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・165
5.2 大学院 GP 特別講義等アーカイブ(ストリーミング)システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・166
第 5 章資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・169
6 公開シンポジウム・セミナーの実施・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・173
6.1 公開シンポジウムの実施概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・175
6.1.1 第4回学術シンポジウム「未来の発生工学を切り開く研究者たち:再生医療と
生殖医療に向けて」報告書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・176
6.1.2 平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 4 日)報告書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・178
3
6.1.2 平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 11 日)報告書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・180
6.2 国内外教育研究者招聘によるセミナー(大学院教育改革セミナー)・・・・・・・・・・183
6.2. 1. 第 30 回 大学院教育改革セミナー Jari P.T. Valkonen 博士・・・・・・・・・・・・・・・183
6.2. 2. 第 31 回 大学院教育改革セミナー 塚本 智史 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 183
6.2. 3. 第 32 回 大学院教育改革セミナー 宮本 圭 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 183
6.2. 4. 第 33 回 大学院教育改革セミナー 福田 正己 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 184
6.2. 5. 第 34 回 大学院教育改革セミナー 村田 茂穂 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・184
6.2. 6. 第 35 回 大学院教育改革セミナー 永井 卓 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・184
6.2. 7. 第 36 回 大学院教育改革セミナー 永井 卓 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・185
6.2. 8. 第 37 回 大学院教育改革セミナー Petr A. Lazarev 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・185
6.2. 9. 第 38 回 大学院教育改革セミナー Petr A. Lazarev 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・185
6.2.10. 第 39 回 大学院教育改革セミナー 浅野 眞一郎 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・185
6.2.11. 第 40 回 大学院教育改革セミナー 浅野 眞一郎 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・186
6.2.12. 第 41 回 大学院教育改革セミナー 古澤 軌 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・186
6.2.13. 第 42 回 大学院教育改革セミナー 大越 勝広 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・186
6.2.14. 第 43 回 大学院教育改革セミナー Naida M. Loskutoff 博士・・・・・・・・・・・・・・・186
6.2.15. 第 44 回 大学院教育改革セミナー Naida M. Loskutoff 博士・・・・・・・・・・・・・・・187
6.2.16. 第 45 回 大学院教育改革セミナー Naida M. Loskutoff 博士・・・・・・・・・・・・・・・187
6.2.17. 第 46 回 大学院教育改革セミナー 田矢 洋一 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・187
6.2.18. 第 47 回 大学院教育改革セミナー 田矢 洋一 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・188
6.2.19. 第 48 回 大学院教育改革セミナー 塩田 正之 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・188
6.2.20. 第 49 回 大学院教育改革セミナー 宮崎 均 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・188
6.2.21. 第 50 回 大学院教育改革セミナー 宮本 圭 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・189
6.2.22. 第 51 回 大学院教育改革セミナー Jerome P. Jullien 博士・・・・・・・・・・・・・・・・189
6.2.23. 第 52 回 大学院教育改革セミナー 宮本 圭 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・189
6.2.24. 第 53 回 大学院教育改革セミナー Jerome P. Jullien 博士・・・・・・・・・・・・・・・・190
6.2.25. 第 54 回 大学院教育改革セミナー 宮本 圭 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・190
6.2.26. 第 55 回 大学院教育改革セミナー Jerome P. Jullien 博士・・・・・・・・・・・・・・・・191
6.2.27. 第 56 回 大学院教育改革セミナー Gerald P. Schatten 博士・・・・・・・・・・・・・・・191
6.2.28. 第 57 回 大学院教育改革セミナー Gerald P. Schatten 博士・・・・・・・・・・・・・・・192
6.2.29. 第 58 回 大学院教育改革セミナー Gerald P. Schatten 博士・・・・・・・・・・・・・・・193
6.2.30. 第 59 回 大学院教育改革セミナー 賀屋 秀隆 博士・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・194
第 6 章資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・195
あとがき
取組実施責任者 細井美彦・・・・・・・・・・・・・・341
4
第1章
「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」
プログラムの概要
5
6
1
「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」プログラムの概要
「大学院教育改革支援プログラム※」は、社会の様々な分野で幅広く活躍する高度な人材を育成する大
学院修士課程、博士課程を対象として、優れた組織的・体系的な教育取組に対して重点的な支援を行う
ことにより、大学院教育の実質化を推進することを目的として平成 19 年度から開始された文部科学省の
新規事業である。近畿大学大学院生物理工学研究科生物工学専攻は、平成 19 年度から 3 年間の計画
でこの事業の支援を受け「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」を行うものである(平成 19 年
度報告書より)。(※21 年度より改称:「組織的な大学院教育改革推進プログラム」)
1.1 プログラムの目的
近年、体外受精、人工授精、胚移植やクローン動物などの生命科学の進歩に対し、社会的に大きな関
心が寄せられている。そこで本プログラムは、社会のニーズに対応し、生命科学の成果を我々の生活に
還元できる高度な動物生命工学の専門職業人を養成することをめざす。
本専攻では、開設当初から家畜や実験動物に関する専門知識・技術の教育を行い、これらの分野へ有
為な人材を輩出し、高い評価を受け続けてきた。しかし、生命科学の急速な進展に伴い、動物生命工学
分野での社会的な人材ニーズが多岐にわたる状況にあって、新たな人材養成への取組みが強く求めら
れていると認識する。その求められる人材とは、動物生命工学分野の高度専門職業人、技術革新を担う
実践的能力を有する研究者、自立的研究能力を有する管理技術者であると考える。具体的な例は、生殖
医療分野における生殖補助医療胚培養士、実験動物や畜産分野における発生工学・生殖工学分野の
研究者・技術者などである。生物工学専攻では実践的な現場体験を踏まえた社会的視点を有する人材
を養成するために、高度な専門知識・技術を教育すると共に、現場の第一線で働く技術者に対し最新技
術を網羅したリカレント教育をも行ってゆくことを計画している。
1.2 プログラムの実施体制
本プログラムは、生物理工学研究科生物工学専攻の博士前期・後期課程において実施される。プログ
ラムの中心的な役割を担うメンバーを「取組実施担当者」とした。研究所所属教員の開講するものなど新
規に開講した科目と従来からの科目を合わせると、教員合計 30 名が主体的に本プログラムに参加してい
る。一部の科目等(インターフェース分野別専門家特別講義、国内・海外へのインターンシップ、海外教
育研究者招聘によるセミナーなど。後述)は、外部との強い連携にもとづき実施された。次ページ表には、
取組実施担当者および科目担当者をまとめた。
また、本プログラムの学内外への発信として、公開シンポジウムやワークショップを積極的に開催した
(本報告書第6章参照)。平成 20 年度大学院GP教育成果報告会に続き本年度も成果報告会を開催し、
近畿大学附属高校や近隣の高校に広報し多数の高校生の参加をみた(本報告書第 6 章参照)。本プロ
グラムのホームページ(http://www.waka.kindai.ac.jp/daigakuin-gp/index.html)や、生物理工学部ホー
ムページ(http://www.waka.kindai.ac.jp/)等を通した広報も引き続き行った。
7
プログラム担当者一覧
氏
名
役 割 分 担
取組実施担当者
細井 美彦
代表者、取組実施責任者
佐伯 和弘
取組実施副責任者、支援審査担当
松本 和也
取組実施副責任者、支援審査担当
仁藤 伸昌
支援審査担当、研究科長
矢野 史子
プログラム必須科目担当
宮下 知幸
プログラム必須科目担当
科目担当者 (あいうえお順)
赤坂 一之
秋田
求
安齋 政幸
泉井
泉
桂
秀実
伊東 卓爾
入谷
明
岡南 政宏
梶山 慎一郎
加藤 博己
加藤 恒雄
岸上 哲士
斎藤 卓也
鈴木 淳夫
武部
聡
田口 善智
阿野 貴司
橘
秀樹
田中 顕生
松川 哲也
三谷
匡
三谷 隆彦
宮本 裕史
8
森本 康一
補助業務担当
Naomi Backes Kamimura
専門領域実践英語Ⅰ
Julia Taru Walhelm
専門領域実践英語Ⅱ
9
10
第2章
平成 20 年度
「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」
プログラムの評価と対処
11
12
2
平成 20 年度(2008 年度)近畿大学大学院生物理工学研究科・大学院教育改革支
援プログラム評価委員会の評価に対する対処方針
取組実施責任者 教授 細井美彦
1.総合評価に対して
本プログラムの目指す大学院改革は、これまでの大学院にありがちな狭い研究分野に埋没することなく、
大学院生の視野を広げ、社会に要求される研究者と技術者を養成することを目指している。評価委員会
より、二年連続で、非常に優れたプログラム運営をしていると評価されたことは、このプログラムの目指す
方向性は間違っていないことと確信が得られた。ことに海外研究インタ-ンシップによる提携機関との積
極的な研究教育の交流による学生たちの経験値の向上に加えて、シンポジウムなどで英語を表現言語と
して位置付けた大学院における英語教育の充実は、学生たちが社会に求められる技術者や世界に通用
する研究者に飛翔する力となる。国際的に通用できる学生の養成とともに、その特色ある教育を着実に実
施してきていると言えよう。
さらに、教育に社会の要請を反映させるために大学院における国内企業インターンシップを行い企業
の要求に対し、柔軟に対応できる能力を大学院生につけさせた。さらに研究管理者能力の開発を試みた
講義、加えてインターフェース分野別専門家特別講義による文系理系を問わない広い範囲から選ばれた
専門家による講義は、さらに厚みを増して、これまで研究のみ没頭すればよしとした閉ざされた大学院教
育を打破する一石であることも継続して高く評価された。また、これらの成果を生物理工学研究科全体へ
敷衍する必要があると考えている。
現在、高い効果をあげていると評価された大学院英語教育の担当者の重要性について認識はしている
が、急な任用システムの変更などは出来ないので、プログラムを担当するすぐれた人材の活性化に資す
る方策を整えていきたいと考えている。また、これから、海外からの大学院生の受け入れによる一層の国
際化が目指す教育成果にとって重要であるという指摘から、意識して取り組むべき課題として取り上げて
いるが、効果はまだ著しいものとはいえない。また、動物科学の教育で一部偏る傾向も指摘されていたが、
今後は講義と教育プログラムを増やし、バランスある生命科学教育に配慮する予定である。また、コースワ
ークとしての講義をさらに充実すること、さらに参加すべきプログラムが多すぎるなどの指摘もあった。本プ
ログラムを息長く継続するために、教員の負担が高すぎるとの指摘を顧慮にいれて、各施策で目指す目
的に沿った活動を詳細に検討しながら進めていきたいと考えている。
2.項目別評価について
(A)大学の将来構想と組織的な支援体制について
昨年同様、大学の将来構想においてこのプログラムの運営は十分戦略的なものとして位置付けられ、大
学からの補助予算や連携もあり、翻って、組織としては重点的、自主的に行われているという評価を得た
ことは、喜ばしい限りである。しかし、さらなる改善点も浮上しており、今後とも真摯に取り組んでいくことが
確認された。
(B)プログラムについて
プログラムの実現性、将来性、管理体制については、柔軟で、かつ積極的になされていることが評価され
た。また、昨年同様に、3つのコースが、社会的要請によく対応していることも高い評価を得た。これに、甘
んじることなく、多くの課題を抱える大学院教育の推進に資するため、大学院当局との連携の下で、より優
れた教育プログラムとしての機能できるよう一層の充実に積極的に取り組んで行きたい。
(C)人材育成について
今後とも海外研究機関とのコラボレーションや、国際会議、セミナー等の公開での大学院生の研究発表
の場を増やしていくなど積極的な活動を進めていく事が重要であると考えている。また、海外からの大学
院生を増やす努力をしているが、十分な効果を挙げていないので、これからは海外からの招聘研究者に
13
よる授業を増やし、大学院生にとって国際化した環境を作り出し、さらなる教育成果を得られるよう努力し
たい。しかし、この方法では限界があるので、今後、更なる工夫をしたいと考えている。
(D)研究活動について
研究内容を活性化させるために、内外の最新の研究成果を踏まえた質の高い研究を進めるため、これま
で交流のなかった海外の研究者との交流を積極的に進めていくことが不可欠である。研究所においては、
各研究プロジェクトにおける研究活動や外部の研究者のセミナーの開催、外国人研究者の招聘による特
別講演会の開催などの取組が進められているが、更に、こうした共同研究・交流の機会から若手研究者
の積極的参加を得て研究の活性化に努めていきたい。
以上
資料 2.1 平成 20 年度(2008 年度)近畿大学大学院生物理工学研究科・大学院教育改革支援プログラ
ム評価委員会報告
14
第2章資料
15
16
資料 2.1 平成 20 年度(2008 年度)近畿大学大学院生物理工学研究科・大学院教育改革支援プロ
グラム評価委員会報告
1)評価委員会委員
入谷
明
先生
(日本学士院会員、専門:家畜繁殖学)
竹市
雅俊
先生
(日本学士院会員、専門:発生生物学・細胞生物学)
山田
康之
先生
(日本学士院会員、専門:植物分子細胞生物学)
Dr. Geroge E. Seidel, Jr. (アメリカ合衆国アカデミー会員、専門:生殖生理学)
Dr. Jari P.T. Valkonen(フィンランド共和国アカデミー会員、専門:植物病理学)
2)評価の方法
平成 21 年 3 月 13 日に開催した評価委員会(出席者:国内評価委員会委員)にて、平成 20 年度
報告書、口頭総括報告、そして評価委員との質疑応答に基づき書面審査表にて評価を受けた。そ
の後、口頭報告及び質疑応答を行った、一方、海外評価委員会委員には平成 20 年度報告書(英語
版)に基づき、書面審査表にて評価を受けた。
3)評価内容
(1)総合評価
・ 非常に優れたプログラムの運営である:5
・ 優れたプログラムの運営である:0
・ プログラムの運営にやや不十分な点がある:0
・ プログラムの運営に問題がある:0
(2)総合評価の所見
[優れた点等]
・ 学生には新しい刺激となり、英語教育の推進が認められる。
・ 学生の英語教育の新しい実践となるであろう。
・ 院生に対する英語教育は非常に充実している。
・ 専門以外の分野の講義を行うなど、視野を広くするための教育を良く考えられている。
・ 学会出席に対するサポートも良い。
・ The activities of the program have been impressive during the period under evaluation.
Apparently, there is an active and enthusiastic drive in developing the School of
Biology-Oriented Science and Technology, modernize teaching approaches and
strengthen the international leaning environment. Many of the actives carried out
are innovative and directly contribute to the program goals.
・ The program has taken benefit of the recommendations made during the previous
evaluation and been developed towards a better balance and representation among
different areas of life sciences. Active interaction has been sought with private
17
sector to make students familiar with the expectations and skill required in the work
life, and also to motive students to study in a goal-minded manner. Scientific
workshops and conferences organized by the students are an excellent, participatory
activity, which contributes to many goals of the program. Support to students in the
efforts to improve English skills has been strengthened. Lectures given by foreign
professors and experts have been utilized efficiently for leaning and training
proposes, not only in terms of scientific and technological knowledge but also using
them as materials for leaning English skills. New financial forms of support have
been established for students to visit domestic and foreign laboratories and
participate in conferences. In conclusion, the inspiration and interest of the
academic staff to work towards the goals of “revitalization” of the graduate school
program can be strongly felt. It is also apparent that students are interested in
the new courses, lecture etc. learning opportunities introduced by the program,
participate activity and appreciated the efforts of the program.
・ The graduate student programs described are exceptional. Numerous opportunities are
provided for students to develop skills important for their future careers, skills
not only for developing scientific knowledge, but also how to interface with society
and develop proficiency in English speaking and listening. Especially impressive are
several of the courses developed, but opportunities to study abroad, attend
conferences both domestically and internationally, and set up symposia are excellent.
Very few universities in other countries have such excellent programs.
[改善を要する点等]
・ 海外からの大学院生がまだ少ないとのことなので、近畿大学の研究内容を国際的(特にア
ジア)にアピールして、優れた学生を集めることが望ましい。
・ 教員の負担が大きく長年月まで継続維持できるか少し問題が感じられる。
・ 長年月になった時には絶えずマンネリにならず新鮮さを保つことが重要である。
・ The program has established a significant number of efficient and innovative
activities to advance the goals, as discussed above, and these activates should be
further supported and strengthened. It is pivotal that sufficient financial support
is provided and there seem to be areas where it should be further strengthened
(technical assistance for developing language skills; international exchange). It
terms of the breadth of biology-oriented life sciences and the current global trends
such as food crisis, climate change and bioenergy, it might be appropriated to increase
the
representation
of
plant-oriented
and
microbe-oriented
biotechnology.
International exchange of students and teachers requires continuing efforts to make
18
more people involved、Increasing international exchange and communication require
further support for learning English skills, in which the role of teaching assistants
and the personal assistance of students and teachers is pivotal. Many innovative
activities have been developed and are already on-going to strengthen language skills,
and as soon as interactions with foreign students or experts occur or visits abroad
have been made, these personal experiences will motivate people to concentrate and
invest more time on language skills. These skills are vital for success in
biology-oriented science and technology, which are increasingly international fields
of activities, as stated in the Annual Report.
・ The infrastructure is in place for excellent graduate programs, so then next important
aspect is how well implementation is progressing. Presumably, the courses set up are
being taught, students are attending, and students are graduating from the program.
It probably is too early to have meaningful data on the success of these programs,
It would, however, be easier to assess the programs with a bit more data such as numbers
of students enrolled in the various courses, how often courses are taught, e.g.
annually, biennially, what typical program of courses would look like for Master’s
and Ph.D. students, a list of thesis titles, etc.
・ A suggestion is to put in place a system of “outcomes assessment” if it is not already
being done. For example a survey of the students, perception of the programs at
graduation, and perhaps 1, 3, 5, and 10 years after graduation will provide useful
information in the future. Such surveys also obviously would collect employment
information and other measures of success.
・ I have only two specific suggestions to modifying what currently is being done. One
is to include grant proposal writing in one of the courses if not already incorporated,
A second is to set up a program to get more native English speaking students
into
the student environment. I do not think that it is likely that many such students
would matriculate through a Master’s or Ph.D program at the current time. However,
it likely would be possible to have native English speaking students participate for
programs of 4 to 6 weeks in length. Having several such students going to select classes
with the Japanese students, living in the same accommodations, helping with
experiments, and socializing would be invaluable for both the Japanese students and
the visiting students. It also would promote international good will and understanding
and would not be too expensive. The specific structure of such a program would have
to be thought out carefully, and possibly would require some “experimentation” to
see what does and does not work, A 4- or 6-week program would not unduly interrupt
the visitor’s own graduate program, which would be most attractive.
19
(3-1)項目別評価:国内評価委員
A:大学の将来構想と組織的な支援体制について
① 大学全体の将来構想において、このプログラム運営は十分戦略的なものとして位置づけられ
ているか。
・ 非常に優れている:3
・ 優れている:0
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
② 教育研究プログラムの組織的、重点的取り組みが適正に行われているものであるか。
・ 非常に優れている:2
・ 優れている:1
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
③ プログラムが終了した後も、教育研究拠点としての継続的な教育研究活動が自主的・恒常的に
行われていることが期待されるものであるか。
・ 非常に優れている:1
・ 優れている:2
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
④ 上記評点の判断の根拠・理由について
・ 息の続くことが頑張りすぎで少し難しいのではないか。
[A の総合評価]
・ 非常に優れている:2
・ 優れている:1
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
B:プログラムの内容について
① プログラムは教育研究拠点を形成し、将来の発展性が見込まれるものとなっているか。
・ 非常に優れている:3
・ 優れている:0
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
② プログラム全体が着実かつ現実的であり、教育研究活動の活性化が図られ、実現性の高いも
のとなっているか?
20
・ 非常に優れている:2
・ 優れている:1
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
③ プログラムが機能するための運営マネジメントが期待できる体制になっているのか。
・ 非常に優れている:1
・ 優れている:2
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
④ 上記評点の判断と根拠・理由について
・ 特記事項なし。
[B の総合評価]
・ 非常に優れている:2
・ 優れている:1
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
C:人財育成について
① 学生が将来、有為な人材として活躍できるよう、必要な指導体制、教育プログラム等が評価
されているか。
・ 非常に優れている:3
・ 優れている:0
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
② 博士前期・後期課程学生に対する経済的支援や、若手研究者に自立して活躍できる機関を与え
るなど、若手研究者がその能力を十分に発揮できるような計画になっているか。
・ 非常に優れている:2
・ 優れている:1
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
③ 国内外から優秀な学生を集めるための方策や優れた教員の雇用・招請や留学生を含む若手研
究者の派遣・受入れ、海外の大学等と協力した人財育成プログラムの実施など、国際的な人
材を育成するための工夫がされているか。
・ 非常に優れている:1
・ 優れている:1
・ やや劣っている:1
21
・ 劣っている:0
④ 博士前期・後期課程学生を含めた若手研究者の育成・支援の実績を挙げているか。
・ 非常に優れている:3
・ 優れている:0
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
⑤ 上記評点の判断と根拠・理由について
・ 海外からの優秀な学生の来学が少ない。
[C の総合評価]
・ 非常に優れている:3
・ 優れている:0
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
D:研究活動について
① プログラムを行う拠点形成計画の内容が世界水準を目指すものであり、国際的なネットワー
クの構築、国内外の優れた優秀な研究者の招聘や若手研究者の派遣、海外の研究機関等と連
携など、国際的な研究活動が実施されるものとなっているか。
・ 非常に優れている:2
・ 優れている:1
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
② プログラムに参画する研究者が、実質的に強力・連携し、教育の改革に向けて十分貢献できる
体制になっているか。
・ 非常に優れている:2
・ 優れている:1
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
③ 上記評点の判断と根拠・理由について
・ 特記事項なし
[D の総合評価]
・ 非常に優れている:2
・ 優れている:1
・ やや劣っている:0
・ 劣っている:0
22
(3-2)項目別評価:海外評価委員
Educational System:
1. Are the program objectives well defined and shared as common knowledge among
participating members?
・ Excellent: 2
・ Good: 0
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
2. Are the knowledge and skills to be trained clearly defined?
・ Excellent: 1
・ Good: 1
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
3. Is the educational program suited for systematic learning of knowledge and skills?
・ Excellent: 2
・ Good: 0
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
4. Do classes combine varieties of teaching and learning format such as lectures, practical
training, experiments as well as utilizing information technologies and research and other
guidance system?
・ Excellent: 2
・ Good: 0
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
5. Are sufficient numbers of teaching staff placed appropriately?
・ Excellent: 1
・ Good: 1
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
6. Is the system set up for improving content and methodology of education according to
the goals as well as specific implementation relating to faculty development?
・ Excellent: 1
・ Good: 1
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
23
7. Is the system set up for improving content and methodology of education according to
the goals as well as specific implementation relating to faculty development?
・ Excellent: 2
・ Good: 0
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
8. Is there a system established for executing academic assessment under clear standards?
・ Excellent: 1
・ Good: 1
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
9. Is the financial assistance to students appropriately executed?
・ Excellent: 1
・ Good: 1
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
10. Is career guidance, including building a career path, given appropriately?
・ Excellent: 2
・ Good: 0
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
11. Does the environment combine varieties of student interaction including students from
other universities, returning students, and foreign students?
・ Excellent: 1
・ Good: 1
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
Educational Program:
12. Does the educational program content match the training goals and course descriptions?
・ Excellent: 2
・ Good: 0
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
13. Does the program provide not only the knowledge and skills for the specific field, but
also the fundamental education in related fields?
24
・ Excellent: 2
・ Good: 0
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
14. Does the program provide the opportunities for practical training to promote independent
research skills?
・ Excellent: 1
・ Good: 1
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
・
15. Was the practicality and effectiveness of the program achieved during this period?
・ Excellent: 2
・ Good: 0
・ Sufficient: 0
・ Insufficient: 0
以上
25
26
第3章
カリキュラムの実施
27
28
3
カリキュラムの実施
動物生命工学の分野にこれまで優れた人材を社会に多く輩出して来た実績を活かし,社会が求める専
門家を養成するための機能をいっそう向上させることを目的に、当初から、3つの縦断的なコースを編成
し教育にあたってきた。それぞれのコースには実践教育を重視したカリキュラムを整え、試験・研究機関
や様々な企業で行われる最先端研究を担える人材を養成すること力をおいた。前期課程では、関連する
科学領域の基礎的な知識を充実させるとともに、産業界における社会的状況を的確に判断し、それに対
応する実務的能力の開発を主眼とした(6講義開講)。後期課程では、本専攻科の特色を活かして自立
的研究能力の強化と理論の習得,さらに、研究思考の国際性の向上を目指すものとした(2講義開講)。
本教育プログラムの充実したカリキュラム内容は、近畿大学 21 世紀 COE プログラムから継続する先端
的動物生命工学研究に対する実績とノウハウが 100%活かされており、次世代の産業界・国際社会で通
用する優れた人材を育成する教育水準を実現するものである。
3.1 カリキュラムの概要
平成 21 年度 近畿大学大学院 生物理工学研究科 博士前期課程 生物工学専攻
選択
授 業 科 目
必修
選択
担 当 教 員
必修
動物生命工学基礎
専門領域実践英語Ⅰ
インターフェース分野別専門家特別講義
2
2
教授
細井 美彦
准教授
三谷 匡
講師
安齋 政幸
准教授
田中顕生
准教授
加藤博己
准教授
岸上哲士
教授
松本 和也
講師
田口 善智
教授
仁藤 伸昌
講師
岡南 政宏
講師
松川 哲也
教授
三谷 隆彦
准教授
宮本 裕史
教授
武部 聡
教授
加藤 恒雄
2
専門領域実践英語Ⅱ
2
知的財産及び生命倫理学特論
2
国内企業インターンシップ
1
29
平成 21 年度 近畿大学大学院 生物理工学研究科 博士後期課程 生物工学専攻
選択
授 業 科 目
必修
選択
担 当 教 員
必修
動物生命科学特論
教授
矢野 史子
教授
細井 美彦
教授
松本 和也
教授
佐伯 和弘
教授
佐伯 和弘
准教授
秋田 求
准教授
森本 康一
教授
宮下 知幸
教授
細井 美彦
教授
泉 秀実
2
研究管理能力開発基礎
2
海外研究インターンシップ
1
なお、本プログラムは、研究科の提供する関連する講義科目とともに実施される。関連する講義科
目を資料 3.1 に記載した。
資料 3.1 関連する講義科目および概要
30
3.2 実施概要・履修状況および総評
3.2.1 動物生命工学基礎 (Basic Life and Science of Animals and Human beings)
[担当教員] 教授・細井美彦、准教授・三谷 匡、講師・安齋政幸
[対象・種別] 博士前期課程・必修
近年の生命科学は、実験動物のデータをヒトに外挿して演繹することで著しい進歩を遂げている。マ
ウスでは様々な遺伝因子や環境因子を厳密に統御して解析できるうえに、ヒトに次いでゲノム解析が進
んでいる。また、カニクイザルは他のモデル動物と比較して最もヒトに近縁であるゆえ、ヒトの複雑な高次
生命現象の解明に寄与している。本講義では、マウスからカニクイザルに至るまでの実験用動物を対象
として、遺伝学、繁殖生理学、比較生物学などを含む広範かつ学際的色彩の強い複合生命科学領域
ならびにそれらの領域を基盤とする発生工学・生殖工学の技術体系について統合的理解を促すことを
目的とした。特に、先端医療技術の進展は、遺伝子工学技術、生殖医療、移植医療の融合を力に展開
していることを実感させる現場実践教育を重視した。
本年度は、博士前期課程 1 年生 12 名、博士前期課程 2 年生 1 名の計 13 名を対象に実施した。5 日
間にわたる集中講義と実習の中で、発生工学・生殖工学の基礎となる配偶子を対象に、配偶子形成、
受精、発生の生理学について、マウスやサルを中心に、時にヒトにまで拡張して基礎知識の習得を図っ
た。さらに、動物の遺伝資源の保護と利用の基礎となる生殖工学技術の体系的理解、RNAi など最先端
の技術を導入した発生工学技術を駆使した遺伝子組換えマウスの作製と基礎医学での成果など、動物
生命工学の基礎から最新の知識まで網羅した講義の構成を図った。その過程で、自然の生理現象を
最先端の技術でどこまで再現可能か、またそこから派生してどのような活用の道が開かれるかなど、基
礎知識から応用利用への展開に至る発想のプロセスに触れることにより、応用能力を高める効果を図っ
た。一方で、当該分野は、生命科学の中でも極めて生命倫理との係わりが強い領域であり、社会からの
注目度も極めて高い。特に近年は、iPS 細胞による再生医療、臓器移植法の改正、生殖補助医療の可
能性など、生命倫理と深く関わる領域の社会的な位置づけが高まっている。そこで、学生が自身で取り
組んでいる研究と倫理的な課題や問題について自ら考える機会を与えたところ、研究者、技術者として
の品格や社会的責任について、学生はみな実に思慮深く考察していた。学生の多くは、大学という多
様性の高い環境に身を置きながらも実際には自分に係わる限られた領域についての視点しか持たない
傾向が強い。しかし、本講義を通して広く基礎知識を持つこと、そこから柔軟に発想を広げることが応用
利用を生み出す原動力になっていることを学ぶとともに、生み出される技術の利用について、社会に応
える研究者、技術者の責任を理解したようであった。また、発生工学・生殖工学のバイオベンチャー企
業から講師を招き、この分野におけるベンチャー企業の戦略とその経過について、欧米の世界的バイ
オベンチャーの事例を中心に解説された。第 1 次バイオブーム、第 2 次バイオブームの背景やそこから
起業したベンチャーの戦略と具体的な取り組みなど、刺激的でありかつ現実的な世界を垣間見ることに
より、学生は将来身をおく世界に対する希望や期待、そして厳しさをも含めて自らに問うていたようであ
った。
本講義ではさらに、現場実践教育として、発生工学・生殖工学の第一線の企業現場に入って、実際の
現場を肌で感じ、体験する機会を提供した。まず、基礎研究で最も汎用されるマウスを用いて、最先端
31
の精子や受精卵の低温保存技術について実技指導を受け、遺伝資源の保護と利用についての理解を
深めた。続いて、現在動物の遺伝子改変ツールや再生医学研究の材料として不可欠な ES 細胞につい
て、マウス ES 細胞を用いて実際に培養し遺伝子導入を行い、導入株を選別するなど、一連のステップ
について各自が指導を受けた。また、ES 細胞からの個体の作出や外来遺伝子を受精卵に注入してトラ
ンスジェニックマウスを作製するための中核技術である顕微操作(マイクロマニピュレーション)という極
めて高度な発生工学技術についても、各自指導を受けた。これらの実習は、試験管を振って遺伝子を
組換えているだけでは実感できない「生命」を体感できる機会として、学生からはきわめて好評であった。
また、本学は霊長類の ES 細胞を所有している数少ない大学機関である。カニクイザルの卵子より作製さ
れた ES 細胞やそこから分化誘導によって派生した神経細胞の様子について観察したところ、再生医療
の基本となるモデルを目にした学生は、非常に興味をもって活発な議論を展開していた。このように先
端科学の成果物を実感する機会を提供したことは学生にとってたいへん貴重な体験であり、学生主導
で意見交換の場を引き出す効果があった。その他にも、先端動物生命工学を実践するための基礎とし
て、ラットやウサギを用いた実験動物取り扱いの基本技術の実習を体系的に実施した。
本講義では、実習の充実を特徴とする先端技術教育を目指したが、発生工学・生殖工学技術は高度
なスキルが要求されることから、参加者各人にとっては体験的な範囲に留まるものになってしまったかも
しれない。実際、学生からももっとしっかりやってみたかったという声も多く聞かれた。ただ、裏を返せば、
それだけ学生の研究心を刺激する効果があったということもできるであろう。そのような点から、本講義に
より分野横断的な考察力を身につけるには十分な効果が期待されるものの、技術習得や学生の満足度
という点ではまだ十分な成果を得るには至らなかったと感じられた。今後、実習を初級編、中級編と 2 段
階に分けるなど、実質的な技術習得を伴う形態に改善し、学生の向上心に応えられるように取り組んで
いくことも考えなければならない。
本講義を通じて、普段の実験や研究では滅多に触れることのない実験動物や最先端の機器、最先端
の技術、最先端の産業現場に対し、学生は新鮮な気持ちをもって望み、体験することができたようであ
る。そしてその中で、動物生命工学で可能になること、生殖医療、移植医療、再生医療の現場の期待と
社会的課題、倫理的課題等について、学生自らが多くのことを考える機会を得たようである。本講義を
履修した学生が、将来的には動物生命工学のあらゆる現場で活躍するための素養を身につけ、大きく
成長してくれることが期待される。
32
3.2.2 専門領域実践英語Ⅰ(Basic Technical Course of Life Science English)
[職名・担当教員]
[補助業務担当]
准教授・田中顕生、准教授・加藤博己、講師・岸上哲士
Ms. Naomi B. Kamimura
[対象・種別] 博士前期課程・必修
生命科学の専門分野では、他の専門分野と同様に国際学会等において最新の情報交換が英語で
行われる。そのような専門的な場においては、学部まで学習してきた日常的な一般の英会話に加えて、
各研究成果を専門英語で発表するプレゼンテーションのスキルや、またそれに続く質疑応答を専門
英語を用いて行うことが要求される。
本授業は、そのような国際学会における発表を前提とし、英語で各自の研究発表をプレゼンテーシ
ョンする能力を養うことを目的としている。今年度の授業は、昨年に続き3回目である。昨年と同様、以
下の点に関して、講義およびトレーニングを行った。
講義内容:
(1)発音および発声法に関する注意点と発音のトレーニング
(各学生に対して、個別指導)
(2)専門用語を中心とした間違いやすい発音および様々なお国なまりの英語の理解
(3)パワーポイントなどを用いてプレゼンテーションを行う場合の、図表の書き方および図表の説明に
関する英語表現の学習
(4)英語プレゼンテーションにおけるストーリー展開に関する英語表現の学習
(5)各学生の研究内容を題材にした国際学会に向けた発表準備と練習
上記の講義・トレーニングの終了後、各学生は、各自の研究発表内容についてパワーポイントを用
いてスライドを英語で作成し、その発表内容の原稿と一緒に提出させた。それらについて、英語ネイ
ティブ講師が、訂正や指導を行った後に読み上げて CD に録音し、発音の見本として各学生に返却し
た。学生は、英文の修正と模範的な発音を参考にして、各自の英文および発音修正を行い、プレゼ
ンテーションの準備を行った。(スクリプト作成や発音の指導)
(6)各学生による学会形式のプレゼンテーションと教員らによる評価
英語プレゼンテーションは学会形式でクラス全員(12名)が順次発表ならびに質疑応答を行い、担
当教員(3人)と英語補助講師(1人)らによる評価を行った。
・各学生の持ち時間:発表に 8 分、質疑応答に 7 分。合計約 15 分間であった。
・全発表を通じて、少なくとも 3 回は、英語で質問することを各学生に義務づけた。
[プレゼンテーションの評価]:
発音・声の大きさ・アイコンタクト・流暢さ・パワーポイントの効果的使用・聴衆へのアピール等の項目
別に採点し、上記4人の教員の評価点の総和を当該学生の評価点とした。
総 評:
総じて、昨年同様、学生は意欲的であり、最後の英語プレゼンテーションでは多くの学生が学会で
通用するレベルになっていた。 しかし昨年同様、自発的なトレーニングの回数に学生間で差が生じ、
発表の結果としてあらわれていた。また当然ながら、英語のプレゼンテーションといえども、その基礎
33
は日本語のプレゼンテーション同様、各自の研究内容の理解度や知識に依るところが大きいことから
も、この講義をベースにしてさらに国際学会に通用するようになるためには、引き続き各学生が自主的
に英語のスキルを磨くと同時に研究に対する理解をさらに深め、各研究室の指導教員らによる積極的
な学会発表への指導が重要であると考える。
[補助業務担当] Ms. Naomi B. Kamimura による総評
2009 annual report on the Basic Technical Course of Life Science English
Naomi Backes Kamimura
What this English course aims for is to raise students’ awareness that the process of preparing an
academic presentation involves not only having a good grasp of the research topic but also how the
research content can be effectively communicated to the target audience. An effective presentation
follows a format typically exercised in the field. Most students might already be aware of the
presentation order, but their exposure to actual English presentations is not sufficient in terms of
effective language usage or cohesion to visual aspects. Specific instructions on frequently used
expressions guides the students in constructing presentation scripts while basic pronunciation training
targets problematic pronunciation errors some times hindering to make the presentations intelligible.
This year, students were shown sample presentations to observe how previous years’ students
improved their fluency as well as how transitional phrases were used. They were also asked to listen to
podcasting and other online materials to increase English exposure. Basic pronunciation training
included vowels, word-level stresses, stresses on focus words, and effective usage of pauses.
After the presentation scripts were submitted, corrections were made in terms of word or phrase usage
and grammatical accuracy. The corrected scripts were reviewed, and then recorded by a native
English speaker instructor. Students were to listen to the recording and mark the stresses and pauses
on their own scripts as a guide when they practiced.
Three rehearsals were held before the final presentations. Individual corrections were given on the
spot during the first round of rehearsal. In the second rehearsal, question and answer sessions were
included. These rehearsals were held not only to improve fluency, but to become more familiar with
different research topics of other classmates’ presentations.
Overall fluency greatly improved at the final presentations. Question and answer sessions went
smoothly for most of the presentations. However, voice levels and eye contacts need to be worked on.
We hope this course serves as the starting point for the students to continue studying English as the
communication tool and make use of the materials introduced in class to assist them in the future.
34
3.2.3 イ ン タ ー フ ェ ー ス 分 野 別 専 門 家 特 別 講 義 ( Advanced Lecture of Non-Academic
Specialists and Professionals in Interfacial Area of Animal Life Science)
[職名・担当教員] 教授・松本和也、講師・田口善智
[対象・種別] 博士前期課程・必修
インターフェース分野別専門家特別講義は、産業現場や会社経営など様々な分野の第一線で活躍
されている実務者を講師として招聘し、大学院生が講義の中で社会の実践的な接点(インターフェー
ス)を享受することで、多様な視点と複合的思考を涵養することを目的としている。
本年度も、昨年度および一昨年度に引き続き、プロの写真家、国立研究所、民間シンクタンク及び企
業の研究員、科学ジャーナリスト、NHK の自然科学番組のプロデューサーをはじめ、多様な分野のエキ
スパートをお招きし、ご講演いただいた。以下に実施記録、および講師により提供された講演要旨を列
挙する。
第 1 回 2009 年 6 月 27 日(土曜日) 13 時~14 時 30 分
水野 克比古 先生(社団法人日本写真家協会会員、日本写真芸術学会会員)
「職業写真家としてのテキスト性とアート性 〜京都写真の確立〜」
大学で新聞学を学び、新聞写真記者を経て5年間は報道写真家としての道を歩む。1969 年以降 40
年間は京都の風景を題材にフリーランスの写真芸術家を目指して活動する。その間、京都をテーマに
したエディトリアル部門、観光ガイド出版物に作品を発表。また自身の著書・写真集を 140 冊以上出版。
京都観光のテキスト性とアート性との両者の狭間で葛藤しながら、京都の風景の魅力と自己の創作活
動を両立させることが可能であることを実証してきた道程を語ります。
第 2 回 2009 年 6 月 27 日(土曜日)14 時 40 分~16 時 10 分
津田 直哉 先生(雪印種苗株式会社 畑作園芸本部 営業課)
「日本の安全・安心な食料を確保するために・・・・種苗業界ができること」
私の所属する雪印種苗株式会社の企業理念であります「健土健民」と、「食の安全・安心」を重点にお
いた事業内容を紹介させて頂きます。
また、私の所属部署の仕事内容や商品の一部を説明させていただきます。
近年問題になっている食料の自給率の低下を私どもの種苗業界がどのように考えているかも皆様に
お話しするとともに、皆様への種苗業界の営業への興味を持っていただければ考えております。
第 3 回 2009 年 7 月 4 日(土曜日) 9 時~10 時 30 分
水谷 哲也 先生(国立感染症研究所 ウイルス第1部・主任研究官)
「未知のウイルスを発見する喜び」
地球上では毎年新しいウイルスが発見されています。その中には SARS ウイルスのように生物の種を
35
越えて感染し人類を苦しめるウイルスもあります。また、野生動物に潜伏しているウイルスが発見される
こともあります。では、何の情報もないところから新しいウイルスをどのように見つけてくるのでしょうか?
講演では私たちが開発した「ウイルスを網羅的に検出する方法(RDV 法)」を使って、実際に発見された
新しいウイルスの数々をご紹介します。
第 4 回 2009 年 7 月 4 日(土曜日) 10 時 40 分~12 時 10 分
渡部 良朋 先生((財)電力中央研究所 環境科学研究所スタッフ(R&D戦略担当)・上席研究員)
「バイオエコマネジメント学の目指すもの-地球温暖化と制度設計・技術設計-」
地球温暖化による気候変動は、人類共通の大きな課題です。地球温暖化は、大気中における温室効
果気体(Green House Gases:GHGs)の濃度上昇が原因とされますが、その大気中濃度低減のためには、
強力な制度設計と有効な技術設計との融合が不可欠です。GHGs の地球上における循環制御、そして
地球温暖化の緩和に有効な技術群について、バイオテクノロジーやバイオマスを中心に研究開発を進
め 、 そ の 適 用 方 策 に つ い て 鳥 瞰 し 提 言 す る こ と が 、 「 バ イ オ エ コ マ ネ ジ メ ン ト 学 ; Biotechnical
Eco-Management」が目指すものです。
第 5 回 2009 年 7 月 4 日(土曜日) 13 時~14 時 30 分
清水 かおり 先生(大阪コミュニケーションアート専門学校 エコ系教務部 専任講師・獣医師)
「トータルケアをめざして―町の動物病院の使命と仕事―」
HAB ヒューマン・アニマル・ボンド(人と動物の絆)」の意識の高まりとともに、動物病院の使命も、単に
「動物を治療する事」から、「HAB を常に大切に考えながら、動物と飼い主が心身ともに健康で幸せな毎
日を送るための様々なサポートを提供する事」へと変わりつつあります。日々の病院業務と病院へやっ
てくる可愛い動物たちを紹介しながら、様々なサポート即ちトータルケアとは何かをお伝えしたいと思い
ます。
第 6 回 2009 年 7 月 18 日(土曜日) 14 時 40 分~16 時 10 分
岡橋 典子 先生(大日本住友製薬株式会社 開発本部 臨床薬理グループ マネージャー職)
「製薬企業における研究開発」
企業における研究開発は、科学的真理の探求目的だけでなく、社会的責任・貢献および企業利益の
確保という側面を有しています。新薬創出のための新しい研究開発の動きについて概説するとともに、
各種規制の変化について紹介する予定です。また、私が最近関わりました、「日米欧医薬品規制調和
会議(ICH)」でのガイドライン改定のお話や、企業研究員の活動や役割について、日頃私が感じている
こと、考えていることをご紹介させていただく予定です。
第 7 回 2009 年 10 月 3 日(土曜日) 10 時 40 分~12 時 10 分
吉田 誠 先生(三菱商事株式会社 生活産業グループ 次世代事業開発ユニット 農業・地域対応
36
チーム シニアアドバイザー)
「農業ビジネス・モデルの構築に向けて」
壊滅的状況と言って良い日本農業の構造的疲弊。未だに確立されていない日本の食糧安全保障戦
略。それらの本質的な問題点を明らかにする。また、それらの問題の解決による自立した農業ビジネス・
モデルの構築と産業化に向けての取り組みを紹介する。さらに、農業ビジネス・モデルの実現のために、
生産・流通現場から求められている科学技術・研究に対するニーズを紹介する。
第 8 回 2009 年 10 月 3 日(土曜日) 16 時 20 分~17 時 50 分
花井 淳一 先生(独立行政法人国際協力機構(JICA)農村開発部乾燥畑作地帯第二課 課長)
「アフリカのコメ生産倍増に向けて~アフリカ稲作振興イニシアティブの取り組み~」
近年アフリカでは都市部を中心にコメの需要が急速に伸びる一方で、生産性は依然として低く、大量
のコメがアジアから輸入されている。昨今の穀物価格の高騰はアフリカ諸国の食糧安全保障を脅かし、
貴重な外貨を流出させることとなった。日本は昨年 5 月に開催された第 4 回東京アフリカ開発会議
(TICADⅣ)において、今後 10 年間でアフリカのコメ生産を倍増させることを目標とした「アフリカ稲作振
興イニシアティブ」を発表し、現在 JICA が中心となって積極的な取り組みを行っている。なぜアフリカで
コメなのか、アフリカで緑の革命は可能か、国際協力の最前線からのレポート。
第 9 回 2009 年 10 月 9 日(金曜日) 13 時~14 時 30 分
David Cyranoski 先生(Nature Asia Pacific 特派員)
「科学とジャーナリズム」
What is the role of the journalist in covering science? This discussion will be based in examples from
my career, including discussion of role in uncovering the Woo Suk Hwang cloning scandal. I will give
advice for those scientists that might be considering journalism as a career. I will also discuss how the
media sometimes abuses science. Finally, I would like to give advice for how scientists should deal with
journalists when they are interviewed.
第 10 回 2009 年 10 月 10 日(土曜日) 13 時~14 時 30 分
大月 純子 先生(医療法人泰誠会永井クリニック 体外受精室長)
「体外受精ラボにおける研究」
生殖医療の発展は著しいながらも、未だ発展途上である。よって体外受精を行う培養士は、日々の勉
強と努力を強いられる一方、非常に遣り甲斐のある分野でもある。また、体外受精ラボでの研究は、一
般的な大学院研究室のように教授から与えられたテーマを行うのではなく、自分自身でアイデアと論点
を考え実験計画を組み立てる必要がある。本講演では、体外受精に纏わる研究を紹介し、それぞれの
着眼点と問題点について述べる。
37
第 11 回 2009 年 11 月 14 日(土曜日) 13 時~14 時 30 分
三輪 哲也 先生(味の素株式会社健康基盤研究所 素材探索基盤研究グループ長)
「カプシエイト-トウガラシ新品種に由来する新しい機能性素材」
カプシエイトは、天然に存在するカプサイシンのアナログです。カプシエイトは通常のトウガラシにも微
量含まれていますが、トウガラシの品種には、主成分として、カプシエイトを含むものがあり、その結果、
カプシエイトの産業的な利用が可能になりました。講演では、カプシエイトの生理機能や生成メカニズム
のご紹介とあわせて、企業が農業生産にコミットしたときのエピソードをお話できれば、と思います。
第 12 回 2009 年 11 月 28 日(土曜日) 10 時 40 分~12 時 10 分
中村 栄 先生(旭化成株式会社 知的財産部 技術情報グループ長)
「企業における戦略的情報調査活動について~旭化成グループにおける情報調査セクションのミッ
ションを通して~」
企業における情報調査セクションとしての当グループが、研究者の情報調査モラルやスキルをアップ
させていくために、発足時から行ってきた様々な取り組みをご紹介し、組織ミッションである
①高品質な調査サービスの提供
②レベルに応じた情報調査教育の実施
③調査結果の有効活用のサポート
を通して、研究活動(研究者)にとっていかに情報調査が重要かということを実例を紹介しながら理解し
て頂きます。
第 13 回 2009 年 11 月 28 日(土曜日) 14 時 40 分~16 時 10 分
大屋 建 先生(Ken Oya Acoustic Guitars)
「モノと向き合う、人と向き合う」
35 歳でエンジニアから飛び込んでいったのは、たたき上げの職人が多いギター製作というまったく別
の世界。音楽の道具としてギターを見つめ、いかにしていいものを作り出すかということ、そして弾き手が
求めるものをどのように把握してそれに応えていくか、この両立が出来て初めて作り手と弾き手の両方が
納得にいくものが完成する。周りの人とは違う経験をつんでいるがゆえに可能なモノづくりのアプローチ
などを交えて話をしたい。
第 14 回 2009 年 12 月 12 日(土曜日) 14 時 40 分~16 時 10 分
水沼 真澄 先生(株式会社NHKエンタープライズ 制作本部 自然科学番組部 チーフ・プロデューサー)
「見せます。自然科学番組制作の裏側」
38
自然科学番組のディレクターとは一体どのような仕事なのか?1人で取材して企画を立ち上げ、カメラ
マンとたった2人で世界中を巡り、編集、台本書き、ナレーションの収録、ときには本の執筆まで全てを
まかなう。その実際を紹介する。と同時に、番組制作の周りには様々な仕事がある。取材クルーと現地
の間を取り持つコーディネーターやリサーチャー、CG制作や携帯コンテンツの開発など。自然科学を
学ぶあなたに、こんな仕事もあるということをご紹介します。
第 15 回
2010 年 2 月 5 日(金) 10 時 40 分〜12 時 10 分
松本 和也 (近畿大学大学院生物理工学研究科生物工学専攻 教授)
「2009 年度インターフェース分野別専門家特別講義の総括」
資料 3.2 インターフェース分野別特別授業受講後の課題レポート(一部)
3.2.4 専門領域実践英語Ⅱ(Advanced Technical Course of Life Science English)
[職名・担当教員] 教授・仁藤伸昌、講師・岡南政宏、講師・松川哲也
[補助業務担当]
Ms. Walhelm T. Julia
[対象・種別] 博士前期課程・選択
・本講義の目的と位置付け
本講義は 2 年次前期開講の選択科目であるが、1 年次後学期開講の必修科目である専門領域実
践英語Ⅰの延長線上のものである。
専門領域実践英語Ⅰでは主としてプレゼンテーション能力の向上と手法について講義が行われた
のに対し、本講義では科学論文作成のための基礎的英語力とライティングの向上を大きな目的とした。
平成 21 年度の単位取得者は 4 名であった。
・講義の方法
1.Reading Speed の向上:講義の初頭,毎回 600 語程度の比較的平易な英文を読ませ reading
speed の向上と内容把握の訓練を行った。reading speed を回を追ってグラフ上にプロットし,成果
を実感させた。
2.専門用語の収集:研究分野における特異的な専門用語(Academic Word List)をそれぞれの専
門性をもつ学生に作成させた。専門領域実践英語Ⅰの継続の課題である。
3.Pod Cast を聞き,学生が興味をもった課題に関し要旨を作成し,英語で数分の口頭発表を行っ
た。
4.Academic field と口頭発表または新聞・雑誌で用いる英語の単語と表現方法の違いを解説し,科
学論文作成のための語彙の選択と厳密な英語表現を指導した。
5.日本人または自然科学分野の研究者に共通する文法的な誤解、不適切な表現などを拾い上げ、
適切な英文となるよう指導を行った。
6.それぞれの学生に既に発表した論文やポスターの Abstract または現在進行中の研究内容に関
39
する Abstract を提出させ、添削した。
7.Native speaker である Walhelm 講師が、個々の学生と面談し、研究内容の説明を受けながら英文
の添削を行った。必要に応じ日本人教員も立ち会い、研究内容を掌握し内容の充実につとめた。
8.学生の研究分野に関係する論文を読ませ,その内容について Summary を作り口頭発表を行っ
た。
9.正規のクラスの時間外に付加的に受講者に対しメールを通して語彙力、英語表現の向上を目指
すための文例をクイズ形式で提示し、基本的英語力の強化につとめた。Walhelm 講師の熱意に学
生も適切に対応した。
・今後の展開
受講した学生は、生物系研究分野においては英語による発表・報告が必須であることを十分理解し
ており、論文作成の必要性に迫られている。このような背景をもった講義であったので学生が積極的
かつ自主的に参加したことは高く評価できる。
・問題点
1.主たる受講生は博士前期課程 2 年次生と後期課程の学生であり、既に論文の作成、国際学会で
のポスター発表の経験を持っているので Abstract 提出に迅速に対応でき講義の滞りは少なかっ
た。しかし、各人の研究内容が特異的で狭くなっているので、他の研究分野に対する興味や理解
力が低いようである。
2.本大学院生の英語能力は高いとは言いがたい。この講義に参加することにより英語の基礎力の
向上を図ることができた。さらなる基礎的な英語力向上のための共通した教材の選択と利用の検
討が必要である。
[補助業務担当]
Ms. Walhelm T. Julia による総評
2009 Annual Report
Advanced Technical Course of Life Science English II
J. Walhelm
Outline:
Under the supervision of a faculty member, this class was conducted once a week
over the spring semester in English by a native speaking teaching assistant. In order to
learn the different logical structures in English which are necessary for writing in the
sciences, we examined some papers and identified the textual features and functions of
each section of a paper. We also looked at some of the differences between writing in the
popular press and writing for the scientific community. In addition, students were also
made aware of the differences between written and spoken English. Students started off
40
the semester by introducing an academic paper to the class. This exercise provided
students with the opportunity to both explain a little about their studies in
easy-to-understand terms, and to learn about what others in the class are studying.
In the remainder of the semester, students tried their hands at writing up their own
research while paying attention to appropriate tense, aspect, and vocabulary used in
written English. Students met with the teaching assistant individually once a week over a
period of three weeks to get corrective feedback on their work.
In class, students also practised reading skills and were introduced to common
academic vocabulary drawn from the Academic Word List, while independently building
technical vocabulary relating to their individual areas of research. Outside class, the
teaching assistant sent out via e-mail a question about grammar, vocabulary, or other
features about the English language three times a week. Students answered the question
and received individualised replies. Also outside the class, she met with students to
provide tutoring and conversation practise on an ad hoc basis.
Points for Future Consideration:
Bearing the immediate needs of graduate students in mind, in the next academic
year, speaking and listening skills will need to be emphasised since students at the masters
level will be more likely to make poster presentations than they will have to submit papers
for publication. Furthermore, since graduates entering the workforce need to improve their
speaking and listening skills more than reading or writing, the focus of the course will
move to continuing building on listening and speaking skills acquired the previous
semester: specifically, dealing with Q&A and participating in discussions.
3.2.5
知的財産及び生命倫理学特論
(Advanced Course of Intellectual Property Rights
and Bioethics)
[職名・担当教員] 教授・三谷隆彦、准教授・宮本裕史
[対象・種別] 博士前期課程・選択
本プロジェクトでは、「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」に掲げられているように、研
究室における日々の研究の進め方だけではなく、社会の中で直面する様々なジレンマに対応できる
ような教育を提供することを目的としており、昨年と同様に、知的財産及び生命倫理学の両観点から
講義を進めた。
知的財産に関しては、第 1 番目は、これまでの出願を奨励する施策一本やりから、実際に産業化、
企業化につながることが重視されてきている。従って、出願に関する大学等の基準は従来通りであっ
ても、審査請求を行うか否かの判定は、当然ながら年々厳しくなってきている。国立大学では、恐らく
41
出願の数%のみが審査請求を認められ、残りは事実上放棄されることが一般化されている。安易な特
許出願、審査請求が大きく見直されてきている段階に来ていることを伝えた。第 2 番目は、実施の問
題である。大学発の特許が認められて、いざ実施に移す場合、大学は概ね実施機関でないことから、
実施権を企業に与えることとなる。この際生じる様々な案件、例えば機密保持契約、実施権に関する
契約など、に関する様々な事項に関する取り決めを学んでおく必要がある。本講義では外部の先生
に依頼して、「特許流通からみた大学と企業間の契約のポイント」について講義をしていただいた。大
学院生としては実感のない領域であることは否めないが、複雑な契約関係の上に立って、特許の実
施が行われていることを学習してもらった。昨年講義した技術移転のあらましとして、大学等における
TLO や特許流通市場の仕組みの発展型であり、実践型である。また、企業化の目途が立たない、あ
るいは企業化の機が熟していない特許の審査先送り制度や、仮実施権制度などにつても言及した。
第3番目は昨年と同様、生命工学の著しい進展に伴う、知的財産の範囲が広がりである。 従来の概
念では収まらないような発明が、知的財産として取り扱われ、それが尚論争となっている事例を取り上
げた。例えば、遺伝子や細胞が特許として認められるのかと言う根源的な問題などである。
生命倫理学特論では、昨年度に引き続き動物生命工学を現場で実践的に展開する研究者が、知
識として身につけておくべき基本的な生命倫理の概念の習得を目的とした。一口に生命倫理と言っ
ても、対象とされる範囲は広く、また思考のレベルも生命倫理のある行為の善し悪しを論ずる場面から、
そのような判断そのものを議論する規範倫理学、さらには「善い」とか「正しい」という言葉の意味を問う
メタ倫理学まで、様々である。本講義では、動物材料を扱う際に直面する倫理的な問題を主要な題材
として、実際的問題、規範倫理、メタ倫理の間で思考レベルを柔軟に移行させながら、単純な型どお
りの解答ではいかに不十分であるかを、議論した。全ての学生には、動物実験の是非について自分
なりの意見をレポートとして提出させ、それぞれの意見を材料として、自由な討論を行った。学生は討
論の中で、自分たちの意見の論理的に未熟なところを自覚し、思考力を限界にまで高めた集中力の
持続を通して、功利主義と義務論という規範倫理の代表的な立場の主張と両者の対立を理解した。
3.2.6 国内企業インターンシップ (Internship in domestic companies)
[職名・担当教員] 教授・加藤恒雄、教授・武部聡
[対象・種別] 博士前期課程・選択
本科目は、国内にある農・医療・食品関連企業などで短期研修(就業体験)を行い、企業や研究所
における仕事内容を具体的に把握することにより、志望業種・職種のスムーズな決定と就職後の適応
性の向上を図ること、同時に、授業等で得られた理論の実践現場を体験することでその理解を深め、
研究に対する視野を広げ学習意欲の抑揚につなげることを目的に開講している。インターンシップ実
習にあたって、学部は実習受け入れ先の企業または研究所と協定を結び、実習を行う学生は受け入
れ先に誓約書を提出し、保険に加入することを決めている。このような手続きは実習生の身分および
業務を明らかにするとともに不慮の事故等によるお互いの損失に備えるばかりでなく、実習に参加す
る学生に社会人としての自覚および分別のある行動を促す意味も持っている。実習前にはインターン
42
シップ先の企業や研究所の下調べを行わせ、実習後は報告書の提出と、場合によっては口頭による
実習内容の試問を行うことにしている。
本年度は、下記2カ所の実習先で、計2名の学生が実習を行った。
・独立行政法人 理化学研究所 筑波研究所(所在地:茨城県つくば市)
・独立行政法人 農業生物資源研究所(所在地:茨城県つくば市)
実習生たちは、大学院の授業で得た知識、実験・実習で習得した技術が企業などの現場でどのよう
に使われているかを目の当たりにし、実際の体験により自分たちの研究室内での研究とのつながりを、
具体性を持って理解することができたようである。また、将来の職業選択に備えて自らの適性、能力を
考えるための実践的な機会として本インターンシップ制度は有意義であったという感想が多かった。
本授業は3年目となり、実習生を引き受けていただいた企業はいずれも2回以上の実績がある。その
ため、本授業の意図をよく理解し、実習内容もより充実したプログラムを用意していただいた。このよう
な良好な関係を企業と持ち続け、定着させていく予定である。
資料 3.3 国内企業インターンシップ報告
3.2.7 動物生命科学特論 (Advanced Course of Animal Bioengineering)
[職名・担当教員] 教授・矢野史子、教授・細井美彦、教授・松本和也、教授・佐伯和弘
[対象・種別] 博士後期課程・選択
本大学院で、社会人として働いた後に、専門職業人としてのスキルを付ける事を目指して入学してき
た学生に対し、学び直しとも言うべき性格を持った講義を提供している。特に、最新の動物生命科学の
研究情報を必要とするカリキュラムを配しているため、彼らの持つ豊富な知識をアップデイトする事を目
的とした科目が必要となるが、本講座はこれに対応したものである。
本講義では、まず当人が大学卒業までに受けた教育レベルから現在にいたるまでのギャップを埋める
ことを最大の目標としている。その後、実際の研究デバイスの見学や最新研究論文の動向について、
複数の教員から直接指導をうけながら、今後の研究に対する姿勢や進路について戦略的に考える姿勢
を学ぶ。
本年度は、本学大学院博士前期課程を修了後、実験動物の生産会社に勤めた経歴を持つ学生が受
講している。各教員は、ある意味では、動物生命科学の職業的なスペシャリストであった学生に、新しい
動物生命科学の研究の流れを見せる工夫として、実験室の研究機器を利用して講義したり、自らの最
新論文を題材に戦略的な研究の進め方を示したり、大学と企業の共同研究における大学サイドからの
見方を学ぶ事により、産学の持つ研究に対する姿勢の違いや、学際領域における新たな研究領域に
ついて教え、学生もより効果的な大学院での学び方を考えている。
43
3.2.8 研究管理能力開発基礎
[担当教員] 教授・佐伯和弘、准教授・秋田 求、准教授・森本康一
[対象・種別] 博士後期課程・選択
本講義は、研究開発プロジェクトの参画や研究室の運営などの実体験を通じて、新規技術の実用的
意味を捉え活用する方法など実践的なトレーニングを積むとともに、リーダーシップを醸成することを目
的とする。教育補助(TA)やシンポジウム・ワークショップなどの開催を通じ問題発掘能力ならびに課題
解決能力の高度化を図り、研究管理能力の基礎を身に付けさせることに主眼を置いている。2.2 講義
実施概要に示すとおり、本プログラムでは、下記の大学院教育の実質化に向けた講義や実習を実施し
ている。
1.
インターフェース分野別専門家特別講義
2.
専門領域実践英語
3.
動物生命工学基礎講義
4.
国内企業インターンシップ
5.
海外研究インターンシップ
これら大学院教育の実質化の意義を理解し体得し、かつ課題解決能力を醸成させることを目的に、
第3回学生主催ワークショップ「動物生命工学の新たな展望」を企画・運営させた。会の運営における
講演者の選定・依頼の方法・運営にかかる時間調整・ポスターやチラシの作製と送付等詳細に至るま
ですべて学生が運営できるように指導した。ワークショップでは、大学院生に自らの研究内容などを一
部英語で発表させた。英語による発表については、専門領域実践英語Ⅰ・Ⅱの補助業務担当教員に
よる事前指導が行われるなど、内容の一層の充実化が図られた。また、今後もシンポジウム・ワークシ
ョップなどの開催を実施できるよう、開催記録等を充実させるよう指導した。
学生主催ワークショップ自体は、本年度も近畿大学附属農場生石農場にて開催した。その準備過
程を含む学生による報告書を資料 3.5 に、講演要旨を資料 3.6 に示した。
資料 3.4 第3回学生主催ワークショップ 「動物生命工学の新たな展望」 報告書
資料 3.3 第3回学生主催ワークショップ 「動物生命工学の新たな展望」 講演資料
3.2.9 海外研究インターンシップ (International Research Internship)
[職名・担当教員] 教授・宮下知幸、教授・細井美彦、教授・泉 秀実
[対象・種別] 博士後期課程・選択
本大学院で、学術交流推進のための大学間協定を結び、大学院生の研究能力の開発を進める機会を
提供することを目指す講座である。大学院生は単位取得に必要な海外研究インターンシップを受講し,2
週間から 2 ヶ月間のインターンシップの期間中、旅費・滞在費支援を受けるものとしている。
海外連携研究機関として、スラナリー工科大学(タイ)、コロラド州立大(アメリカ)、フランス国立農学研究
所(INRA,フランス)、ドイツ連邦農業試験場(ドイツ)、クィーンズ医科学研究所(イギリス)、フランス国立衛
生医学研究所(INSERM、フランス)、建国大学(韓国)、広西大学(中国)、ヘルシンキ大学(フィンランド)な
44
ど、これまで研究協力が行われてきた大学や研究機関が候補であったが、今年はさらに、英国ケンブリッ
ジ大学、フランス国立農学研究所畜産研究所、さらに新しい試みとして、サウジアラビアのキングサウド大
学との交流が図られた。
特に新しい試みとして、産油国でイスラム教国家という日本とは全く異なる背景をもつサウジアラビアで
アカデミアをリードするキングサウド大学との交流が特筆される。博士後期課程3年生の岩本太作は、同
大学アーメド教授の研究室で、クローンヒツジの生産システムの確立と野生ヒツジの復活を目指した研究
を行った。今年度末には、岩本の指導担当である教授・佐伯がキングサウド大学からの招聘を受け、大学
間交流の推進を目指して、サウジアラビアを訪問する予定である。また年度末ではあるが、博士後期課程
3年生野老美紀子が、ケンブリッジ大学ガードン研究所で 3 週間、また博士後期課程2年生の西川慧が、
フランス国立農学研究所畜産研究所(INAR-CNRS-ENVA、フランス)で 3 週間にわたる共同研究を行っ
た。
今後、上述の大学・研究機関とのあいだで順次,平等互恵の精神をもって,下記の事項についての実
施と発展に努力し、博士後期課程の学生に国際的な研究環境を体験させることにより、研究能力の新た
な展開を図る予定である。
提携項目
(1)
教員,研究者および大学院生の交流
(2)
学術資料および刊行物の交換
(3)
研究プロジェクトと学術的活動(研究会およびシンポジウムなど)の共同遂行
(4)
関連教育施設の相互利用
海外インターンシップの概要
研修先
国名
指導担当員(敬称略)
キングサウド大学
サウジアラビア
Ahmed Al-Himaidi
ケンブリッジ大学
イギリス
John Gurdon
国立農業研究所
フランス
Helene Jammes
資料 3.6 海外インターンシップ報告
45
研修期間
H21.12.5~
H22.1.14
H22.2.28~
H22.3.21
H22.2.27~
H22.3.20
人数
1
1
1
46
第3章資料
47
48
資料 3.1
関連する講義科目および概要
(1)関連する授業科目:平成 21年度近畿大学大学院 生物理工学研究科 博士前期課程 生物工学専攻
授 業 科 目
選択
必修
必修
選択
担 当 教 員
細胞工学特論
(講義・演習)
4
教授
泉井 桂
分子生物工学特論
(講義・演習)
4
教授
橘 秀樹
准教授
梶山 慎一郎
生物機能物質特論
2
生物改良学特論
(講義・演習)
4
教授
加藤 恒雄
生物生産工学特論
(講義・演習)
4
教授
仁藤 伸昌
発生工学特論
(講義・演習)
4
教授
入谷 明
遺伝子生化学特論
(講義・演習)
4
教授
武部 聡
応用遺伝子工学特論
(講義・演習)
4
遺伝子発現学特論
(講義・演習)
4
教授
宮下 知幸
環境微生物学特論
(講義・演習)
4
教授
阿野 貴司
本年度不開講
生物資源学特論
2
生産物管理学特論
2
動物機能工学特論
(講義・演習)
4
遺伝子情報解析学特論
動物遺伝子工学特論
2
(講義・演習)
4
応用微生物遺伝学特論
受精生理学特論
2
(講義・演習)
4
49
本年度不開講
准教授
伊東 卓爾
教授
矢野 史子
准教授
加藤 博己
教授
松本 和也
教授
武部 聡
教授
佐伯 和弘
体外受精特論
(講義・演習)
4
教授
細井 美彦
生体防御工特論
(講義・演習)
4
教授
斎藤 卓也
食品保全工学特論
(講義・演習)
4
教授
泉 秀実
細胞培養工学特論
(講義・演習)
2
准教授
秋田 求
神経シグナル伝達学特論
2
准教授
田中 顕生
食品科学特論
2
教授
三谷 隆彦
機能ゲノム科学特論
2
教授
鈴木 淳夫
酵素化学特論
2
准教授
森本 康一
進化発生学特論
2
准教授
宮本 裕史
幹細胞工学特論
2
准教授
三谷 匡
実験動物技術特論
2
講師
安齋 政幸
エピジェネティクス特論
2
准教授
岸上 哲士
生体膜機能学特論
2
講師
田口 善智
環境分子生物学特論
2
講師
岡南 政宏
植物化学生態学特論
2
講師
松川 哲也
高圧力蛋白質科学特論
2
教授
赤坂 一之
50
(2)上記講義科目(1)の概要
授 業 科 目
細胞工学特論
主 要 講 義 項 目
英 語 名
今年度は動物系院生の受講も考慮して構成した。
Advanced
前半では,二酸化炭素(CO2 )の環境および生物と
Plant Cell
の関わりについて,包括的かつ分子レベルまで掘り
Biotechnology
下げた理解を得ることを目的として講述する。地球レ
ベルでの CO2 の循環と大気中濃度の変動,動物・
植物・微生物のそれぞれにおける CO2 の固定と排
出,および光合成生物における炭酸同化などをとり
あげる。後半では,植物を代謝工学の手法で改変
するための基本原理,とくに植物細胞の分化全能
性,サイレンシング,形質転換などを動物細胞と対
比して講述したのち,形質転換植物による有用物質
生産,光合成能の増強,環境浄化能の増強などのト
ピックスをとりあげる。
分子生物工学特論
大学院向け advanced course 用のテキストを用い
Advanced
て,生体分子の立体機造やその形成機構,ならび
Biomolecular
に構造の転移や機能発現の機構について深く(専
Science and
門誌論文の内容の理解に直結するレベル)学ぶ。ま
Technology
た,そのような研究に用いられている物理化学ある
いは分子生物・遺伝子工学などに基礎を置く様々な
解析手法や分子改変手法の理論と実際を理解・習
得する。必要に応じ,専門誌の総説や原著論文も教
材とする。
生物機能物質特論
多くの生物は,エネルギーの生産や,個体の維持お
Advanced
よび増殖に直接関与しない,いわゆる二次代謝産
Biofunction
物を生産する。一見無駄に見えるこの二次代謝産
Chemistry
物は,実は様々な機能を持つと共に,生物の多様
性を示す一つの根拠となっている。本講義では,
様々な二次代謝産物の生理活性,生合成,構造解
析法について最近のトピックスを交えながら講述す
る。
51
生物改良学特論
本講義では,生物の遺伝的改良の対象を植物に限
Advanced
定し,実際に取り組まれている重要な育種目標ごと
Plant Genetics and
にこれまでの育種の経過と現状および将来の可能
Breeding
性,展望について論述する。このような実例検討を
通じて生物改良の原理を考究する。取り上げる具体
的項目は,①作物の収量成立要因と多収性に向け
た遺伝的改良,②遺伝子型と環境の交互作用およ
び収量の広域適応性,③各種の病害・虫害発生の
分子生物学的機構と耐病性・耐虫性育種,等であ
る。
生物資源学特論
本年度不開講
生物生産工学特論
栽培植物は,その起源から現在まで長年にわたっ
Advanced
て,地理的,環境的および人為的な影響をうけて,
Plant Resource
生理生態的に特徴ある多様な形質を獲得してきたも
Production
のである。本講義では,その起源と発達,品種と分
化について資源学的な観点から考察を加えるととも
に,その栽培学的性質を利用学的特性 (品質,流
通,貯蔵,加工など) との関連において明らかに
し,新しい有用植物の開発と展望について論述す
る。
発生工学特論
動物 (魚類,鳥類,哺乳類) における受精,初期
Advanced
発生過程の基礎ならびに応用技術全般について講
Animal
述する。
Biotechnology
1. 受精に影響を及ぼす配偶子と培地の条件
2. 受精後の胚発生と培養条件
3. 初期胚の人為操作
a. クローニングによる一卵性多子生産
b. 胚の超低温保存
c. 胚の性判別
d. 前核期胚,ES 細胞(胚性幹細胞),PGC(始原
生殖細胞) 及びクローン技術を使った遺伝子
操作
e. 顕微受精による体外受精
52
遺伝子生化学特論
遺伝子の塩基配列情報からタンパク質の高次構造
Advanced
や活性部位等を予測し,遺伝情報を書き換えてタン
Genetic
パク質の機能の改善・付加を試みる rational design
Biochemistry
は,タンパク質の活性化および作用機序(Mode of
Action)を確かめるためにも有効な手法となってい
る。ポストゲノム時代にあって,重要性を増してきたタ
ンパク質解析の新手法を考察する。
応用遺伝子工学特論
本年度不開講
遺伝子発現学特論
多くの遺伝子の発現(転写)は時空間特異的で,時
Advanced
期および組織特異的に調節されている。この調節機
Gene Expression
構は二つの階層に分けることができる。一つはクロ
マチンが高度に凝集した不活性状態と弛緩した活
性状態の動的関係であり,CpG アイランドのメチル
化とヒストンの脱アセチル化およびアセチル化等が
関与する。もう一つは弛緩したヌクレオソーム状態に
おけるプロモーター,エンハンサー等のシスエレメン
トと転写調節因子との相互作用で,これには,転写
調節因子の活性化と核内への移行等も含まれる。
転写レベルでの遺伝子発現調節機構の先端を解説
する。
環境微生物学特論
環境保全をはかるには二つの方法がある。一つは
Advanced
環境を常時モニタリングすることにより環境の変化を
Environmental
監視して環境汚染の早期発見に努めることである。
Microbiology
今一つは何らかの手段で汚染物質を分解もしくは除
去して環境の浄化をはかることである。特論ではま
ず微生物を利用した環境モニタリング法の理論と実
際を述べ,今後の可能性を考察する。環境浄化に
ついても bioremediation を中心にその理論と実際
をのべ,その問題点今後の展望について考察する。
生産物管理学特論
園芸生産物は,収穫後も一個の独立した生命体で
Advanced
あることから環境要因の変化に対して敏感に反応す
Postharvest Biology
る。その結果園芸生産物の品質は,生育環境・収穫
and Technology of
時の取り扱い状況・貯蔵環境などによって大きく影
Horticultural Crops
響を受けることになる。本特論では,①種々の収穫
前の処理と貯蔵特性,②選果工程・非破壊検査,③
動的環境における園芸生産物の反応と品質につい
て講述する。
53
動物機能工学特論
高等動物の生体機能発現に関わる諸要因につい
Advanced
て,生理学,生化学,分子生物学の立場から講述す
Animal
る。
Technology
1.動物の発育と成長に関連する栄養因子
2.実験動物の栄養要求量
3.生体機能発現の機構と生理活性物質
遺伝子情報解析学特論
ヒトゲノムをコアにした各種生物のゲノム塩基配列の
Advanced
決定が進み,タンパク質をコードする遺伝子の総数
Genetic Information
やその構成などが明らかになってきた。その研究の
Analysis
潮流の中で,これまではその大部分がジャンクとさ
れてきた非コード領域の情報も RNA に転写されて
機能性 RNA として種々の作用を持つことが示され,
生物を構成するために必須な情報はゲノム全体から
発せられていることが判ってきている。本特論では,
コード領域・非コード領域を問わず飛躍的な発展を
遂げつつあるゲノム全体から発せられている各種遺
伝子情報の解析例や,その研究に伴う実験手法の
詳細について講述する。
動物遺伝子工学特論
現在,生命の設計図であるゲノム情報の研究は,ゲ
Advanced
ノムの構造解析から遺伝子の体系的機能解析へと
Animal Genetic
移行しつつある。この生命現象の全体像を理解する
Engineering
糸口となるゲノム中に存在する遺伝子とその産物で
あるタンパク質の機能解析では,実験動物を使った
遺伝子工学は必須の技術として有用性が高まって
いる。本講義では,実験動物であるマウスを中心に
そのゲノムの解析と遺伝子工学を利用した最近の研
究例を挙げて討論するとともに,ポストゲノムに向け
た機能ゲノム学への展開について講述する。
応用微生物遺伝学特論
微生物の遺伝子発現および遺伝子間情報ネットワ
Advanced
ークを,適応応答(環境変化に対して抵抗性を獲得
Applied
する現象)を例に解説する。適応応答には多くの遺
Microbiological
伝子が関与し,これらはレギュロンを構成して環境変
Genetics
化(刺激)に対し統制的に発現量を変化させてい
る。個々の遺伝子の発現制御や遺伝子間情報伝達
には,調節因子と呼ばれるタンパク質の活性化,そ
れに伴う DNA やタンパク質との親和性の変化が重
要な鍵を握っている。
54
受精生理学特論
受精の基本的現象である精子と卵子の融合は,レ
Advanced
セプターの融合によって,接着因子のカドヘリンとア
Physiology of
クチンの融合体ができて開始される。このメカニズム
Fertilization
は,動物種によってその特性が大きく異なっている。
本特論では,種特異的な受精における膜レセプタ
ーの関与を遺伝子工学的手法で解明する課程を詳
述し,ほ乳動物における受精機構の持つ意味を述
べる。
体外受精特論
哺乳動物の体外受精には,成熟した卵子と受精能
Advanced
を獲得した精子の準備が必要である。しかし,生殖
In Vitro
補助技術は,不完全な配偶子でも受精に供試する
Fertilization
ことを可能にした。本講義では,生殖科学へ応用さ
れた発生工学的方法の適用と問題点を講述する。
1)卵胞ならびに卵子の成熟機構の概説
2)誘起された卵胞発育と卵子成熟における諸問題
の検討
3)精祖細胞ならびに精子細胞の成熟機構の概説
4)精子細胞の体外成熟と受精能力の検討
5)異種移植による配偶子の成熟誘導の方法論と問
題点
6)生殖補助技術と減数分裂異常の検討
7)体外受精と生殖医療について
生体防御工学特論
生体(ヒト)の恒常性維持に関わる内部環境の反応
Advanced
系として,免疫系,ホルモン系と神経系がある。特に
Biological Defence
免疫系は,ホルモン系や神経系に影響され易い。ま
Mechanism
た免疫系は外部環境である,大旗,食物や精神的
ショックなどが原因となり病的症状が起こりやすい。ヒ
トの健康増進と改善および癌やアレルギー患者の
Quality of Life(QOL)の改善には,外部および内部
環境を免疫学的に制御すれば有効な場合がある。
講義では,これらのメカニズムと実際の方法につい
て論述する。
食品保全工学特論
生鮮食品の中でも,特に生命体である青果物およ
Advanced
び一次加工青果物の安全性に及ぼす危害として,
Food Quality and
病原微生物,残留農薬,食品添加物,遺伝子組換
Safety
え体などが問題視されている。これらの微生物,化
学物質,導入遺伝子に対する迅速で正確な分析方
法あるいは防御方法について,分子生物学,生化
55
学,生理学を基にして解説し,コーデックス委員会な
どが関与する国際的な法規についても講述する。
細胞培養工学特論
植物の培養工学を中心とした講義内容とする。植物
Advanced
のもつ機能を強化し,あるいは植物に新しい機能を
Biochemical
持たせ,それらを高度に利用するためには,植物を
Engineering
うまく培養することが不可欠である。それには,植物
がどのような能力を持っているのか,また,培養環境
にどのように応答するのかを知っている必要がある。
この問題に関係する話題をとりあげ,植物を中心とし
た培養工学の展開について講述する。
神経シグナル伝達学特論
脳神経は,様々なレベル <分子生物学,細胞,機
Advanced
能領域,個体レベル> から活発に研究されるよう
Signal Transduction
になってきた。が,記憶,思考,意識,等のセントラ
in Neuroscience
ルなメカニズムに関しては,解明というには,ほど遠
い状態である。ただ,感覚・記憶関連のメカニズムに
関しては,近年,分子生物学的アプローチが可能と
なりつつある。この特論は,脳神経の構造・機能と分
子生物学レベルとの関連づけ,すなわち,遺伝子発
現/細胞内シグナル伝達と細胞間シグナル伝達か
ら見た理解を目的としている。
食品科学特論
健康と食物に関する情報が,容易に入手できる時代
Advanced
となってきたが,これらの情報の真偽を判断し,自分
Food Science
の生活に生かす(ヘルスリテラシー)はまだまだ十分
ではない。そのためには食材や食品の構成成分に
関する知識,摂取後生じる様々なの栄養生化学に
関する知識,長中期的な食習慣が健康に及ぼす影
響を疫学的に解析することなどが必要である。本講
義ではそれらに対する理解を深めるとともに,食材
や食品の機能性のとらえ方を講義する。
機能ゲノム科学特論
ヒトを含む多くの生物のゲノム情報の解析が進展し
Advanced
て,利用できる遺伝子プールはますます拡大・充実
Functional Genome
して多様性を帯びてきている。DNA の情報を活用
Science
することは,まさに人類の未来を左右するほど重要
な課題となってきている。この DNA 情報を機能生体
分子に迅速に変換したり,生体高分子の機能変換と
そのスクリーニングを高速にしたり,これまでにこの
世の中に存在しなかった生体高分子をランダムな
DNA 情報から創成したりするという新しい科学を演
56
習によって学ぶ。
酵素化学特論
酵素は,さまざまな環境で生命にとって欠かすことの
Advanced
できない多種多様な化学反応を触媒する。生体内
Enzyme Chemistry
では必要なときに必要量の酵素が生合成され,巧妙
に制御されている。酵素の機能と構造を研究するこ
とは,生命現象を解き明かす「鍵」でもある。本講義
では,酵素と基質,阻害物質の関係を反応速度論
的に詳述し,さらにそれら構造に関する研究を講述
する。
進化発生学特論
総合説により進化生物学の現代的基盤が築かれ,
Advanced
特にその分子レベルの理論は盤石の様相をみせて
Evolutionary
いるが,そこには,一つ重要な視点が欠けていた。
Developmental
発生学的な視点である。生物の多様性は,形態をし
Biology
て最も如実に現れるのであり,多様な形態の成り立
ちを知らずして,真の進化理論はありえない。まさ
に,発生学は進化総合説の missing chapter であ
り,ここに進化発生学成立の意義がある。「全ての生
物学は進化的な観点をもって初めて意味をなす」と
いうドブジャンスキーの言葉に示されるように,生命
現象の包括的な理解にとって,進化を除外すること
はできない。進化生物学と発生学が融合することに
より,生命理解にどのような展開がなされつつあるの
か概観する。
幹細胞工学特論
幹細胞とは多分化能と自己複製能力を有する未分
Advanced
化な細胞集団であり,臓器や組織に特有の組織幹
Stem Cell
細胞は生体の維持システムの根幹を支えている。本
Engineering
特論では,胚性幹細胞,胚性生殖細胞,精子幹細
胞など生殖系列から派生する多能性幹細胞を中心
に,未分化状態の維持機構や分化調節機構を制御
する分子メカニズムについて詳述する。さらに,幹細
胞ニッチェ(微小環境)の役割,分化体細胞の核情
報のリプログラムによる多能性の獲得,幹細胞の可
塑性について最新の研究例を挙げながら,幹細胞
を利用した個体の遺伝子改変や再生など幹細胞工
学がめざす応用展開について講述する。
実験動物技術特論
現在,疾患モデル動物や遺伝子操作動物を用いた
Advanced
様々な実験系が確立されている。また,そのような実
Experimental
験技術の大系は多岐にのぼる。本講義では実験動
Animal Technology
57
物であるマウスを中心とした,実験技術について概
説するとともに,最近の研究例などを挙げて,動物
実験の持つ意味と問題点を講述する。
エピジェネティクス特論
細胞内のゲノムは,DNA とヒストンなどのクロマチン
Advanced
タンパク質の化学修飾により可変的な情報システム
Epigenetics
を構築し,ゲノムに書かれた遺伝情報を巧みに発現
している。このようなエピジェネティクスは,受精卵か
ら老化にいたるまで細胞で重要な働きをしており,さ
らにはがんなどの病気への関与も示されている。こ
の特論ではメンデルの法則には従わない遺伝現象
などの問題をとりあげ,エピジェネティクスの分子機
構について講述する。
生体膜機能学特論
細胞膜や細胞内小器官を囲む膜などの生体膜に
Advanced
は,さまざまな種類の疎水性の膜タンパク質が存在
Membrane Biology
し,それぞれの生体膜に固有の機能を担っている。
膜タンパク質の多くは,細胞内から外への特定物質
の排出,細胞外から内への必要物質の取り込み,細
胞外からの情報の選択的導入,さらには,生体膜上
での酸化還元反応や,その結果生じる膜の両側に
おけるプロトン濃度勾配を利用したATP生産など,
生命現象の根幹に関わる重要な機能を果たしてい
る。この講義では,様々な膜タンパク質,特に生体
膜において物質輸送を行う膜輸送タンパク質
(membrane transportprotein)の構造や機能につい
ての最新のトピックスを紹介することを通じて,膜タン
パク質や生体膜の機能への理解を深めることを目指
す
環境分子生物学特論
内分泌ホルモンのシグナルは,最終的には遺伝子
Advanced
発現となって伝わるが,転写調節因子としての核内
Molecular Biology
ホルモン受容体の機能は,生体の各部位・各組織
in Hormone
において多彩であり,発生過程の各時期においても
Response
異なる場合が多い。さらに,ホルモンの作用には,ホ
ルモンやホルモン受容体だけでなく,ヒストン修飾酵
素複合体を含むコファクターの存在が重要である。
つまり,作用機構としては,ホルモン刺激による受容
体の構造変化,コファクターの会合,ヌクレオソーム
構造の変化,標的遺伝子の発現変化,それに続く
細胞の機能発現が考えられる。また,これらの作用
58
機構のいずれかの段階を撹乱する物質を,内分泌
撹乱化学物質(環境ホルモン)という。本講義では,
ホルモン応答や環境ホルモンについて,最新の論
文を例として取り上げ,考察する。
植物化学生態学特論
植物は,多種多様な生理活性二次代謝物質を生合
Advanced
成し,植食性動物や植物病原菌に対する防御,環
Chemical Ecology
境応答のシグナル物質などとして利用している。こ
of Plants
れらの物質は情報化学物質として受容者に対して
様々な生物活性を示し,複雑な生物間相互作用ネ
ットワークを構成している。この特論では,これらの植
物由来の情報化学物質が媒介する生物間相互作
用メカニズムに関する理解を深め,植物の生態を化
学的視点から考察するとともに,医農薬の開発や植
物生産の化学調節などの応用的展望も交えて講述
する。
高圧力蛋白質科学特論
蛋白質科学の基礎研究において,高圧力摂動法の
Advanced
占める重要な位置づけについて詳述する。蛋白質
High Pressure
の熱力学原理,圧力摂動の特徴,蛋白質構造とダ
Protein Science
イナミックスについて学ぶ。その研究手段としての高
圧(可変圧力)NMR 法及び関連する実験法につい
て学ぶ。
59
(3)関連する授業科目:平成 21年度 近畿大学大学院 生物理工学研究科 博士後期課程 生物工学専攻
授 業 科 目
必修
選択
必修
選択
担 当 教 員
細胞工学特殊研究
※
教授
泉井 桂
分子生物工学特殊研究
※
教授
橘 秀樹
生物機能物質特殊研究
※
生物改良学特殊研究
※
教授
加藤 恒雄
生物生産資源工学特殊研究
※
教授
仁藤 伸昌
環境微生物学特殊研究
※
教授
阿野 貴司
発生工学特殊研究
※
教授
入谷 明
遺伝子生化学特殊研究
※
教授
武部 聡
本年度不開講
応用遺伝子工学特殊研究
本年度不開講
生産物管理学特講
2
遺伝子情報解析学特講
2
准教授
伊東 卓爾
本年度不開講
動物機能工学特殊研究
※
教授
矢野 史子
遺伝子発現学特殊研究
※
教授
宮下 知幸
受精生理学特殊研究
※
教授
佐伯 和弘
体外受精特殊研究
※
教授
細井 美彦
動物遺伝子工学特殊研究
※
教授
松本 和也
食品保全工学特殊研究
※
教授
泉 秀実
生体防御工学特殊研究
※
教授
斎藤 卓也
60
細胞培養工学特講
2
准教授
秋田 求
高圧力生物工学特講
2
教授
赤坂 一之
(4)上記講義科目(3)の概要
授 業 科 目
細胞工学特殊研究
主 要 講 義 項 目
英 語 名
光合成的炭酸固定能を増強した植物(C3 植物の C4
Advanced Research
化)およびホルムアルデヒドなどの環境汚染物質を光
on Plant Cell
合成経路に導入して除去する能力を付与した植物な
Biotechnology
どの作成を目標とした基礎および応用的研究をおこな
う。人為的に突然変異を導入して性質を改良した酵素
の作成,植物培養細胞やモデル植物および観葉植物
の遺伝子による形質転換など代謝工学的手法を用い
る。
分子生物工学特殊研究
蛋白質中の SS 結合を遺伝子工学の手法によって系
Advanced Research
統的に欠損させることによって作製した,様々な安定
on Biomolecular
性と構造量を持つ一連の変異体を主な材料として,蛋
Science and
白 質 内 立 体 構 造 形 成 ( folding ) の 分 子 解 剖 ,
Technology
misfolding とそれにともなう非規則的凝集体形成の制
御,規則構造を持つアミロイド様線維の形成機構およ
び線維構造・物性の解明を目指した研究を行う。加圧
処理,cosolvent 添加,高圧力下での分光学的測定
などの手法を用いる。
生物機能物質特殊研究
本年度不開講
Advanced Research
on Biofunction
Chemistry
生物改良学特殊研究
生物を遺伝的に改良する上で対象となる形質の多く
Advanced Research
は量的形質であり,遺伝的要因と非遺伝的要因の双
on Plant Genetics
方によって制御されている。本研究ではイネを主要な
and Breeding
材料として,収量性,適応性,ストレス耐性等農業生
産上重要な量的形質に関する遺伝的特性について,
分子生物学的手法や生物測定学的手法を含めた
様々な側面からの解析を行う。これをもってこれら量的
形質の遺伝的改良すなわち育種に役立つ基礎的情
61
報を得る。
生物生産資源工学
本研究の基本テーマは有用資源の開発と利用であ
Advanced Research
特殊研究
る。植物資源を高度利用するため,資源植物生産物
on Plant Resource
の収穫前ならびに収穫後の環境条件を生理・生態学
Production
的に考究する。また,植物生理活性の認められた物質
のうち,実際に利用されているものはごく一部に過ぎ
ない。用途開発を主目標にした活性検索と利用方法
の確立を試みる。
上述の観点から下記を本研究の主たるテーマとす
る。
1)資源植物の生産品質の制御に関する研究
2)植物生理活性物質の資源学ならびに生産工学的
利用に関する研究
環境微生物学特殊研究
環境保全には環境のモニタリングが必須である。しか
Advanced Research
し,一般にモニタリングには高価な機器と熟練したオ
on Environmental
ペレーターを必要とするため現実に必要とされるモニ
Microbiology
タリング活動が必ずしも有効に機能していないのが現
状である。それに対処するための微生物を利用した安
価で簡便,且つ感度の高い環境汚染物質のモニタリ
ング法の開発研究を行う。標的物質は重金属と有機
塩素化合物で,微生物は土壌から分離した栄養要求
性に特殊性のある微生物とこれに遺伝子操作をほどこ
し,機能性を高めた組み換え体を利用する。特に重金
属については場所や時間を選ばない簡易キットの作
成を目標としている。
発生工学特殊研究
初期胚の人為操作のうち,次の諸項目について実習
Advanced Research
を含めて講述する。
on Animal
a. 哺乳動物各種における ES 細胞株の樹立
Biotechnology
b. 前核期胚,ES 細胞,始原生殖細胞及びクローン
技術を使った遺伝子導入
c. 顕微授精による体外受精
d. 鳥類,マウス,ラット,イヌ,霊長類でのクローン技
術の現状
62
遺伝子生化学特殊研究
様々な生物のゲノム解析が進むにつれ,私たちの興
Advanced Research
味は遺伝子の情報解読から産物であるタンパク質の
on Genetic
機能解析へと移ってきている。遺伝情報からタンパク
Biochemistry
質の立体構造や活性化に関与する修飾部位を予測
し,それを元に作成した変異タンパク質の構造変化と
活性との相関を遺伝子工学・タンパク質工学の手法を
駆使して解明していく。
応用遺伝子工学特殊研究
本年度不開講
生産物管理学特講
生育環境,収穫後の各工程における取り扱いの良否
Advanced
および生物改良は園芸生産物の貯蔵性ならびに品質
Quality and Storage
に大きな影響を与える。本講義では,園芸利用学・栽
Characteristic of
培学・植物生理学を主な基盤として, 1.生育環境と
Horticultural Crops
園芸生産物の品質ならびに貯蔵性との関係,2.改良
新種の品質特性について講述する。
遺伝子情報解析学特講
本年度不開講
動物機能工学特殊研究
高等動物の生体機能発現にかかわる内的要因(内分
Advanced Research
泌因子,生体調節因子など)と外的要因(栄養素,環
on Animal
境など)について生理学,生化学,分子生物学の方面
Technology
から講述する。
1. 動物細胞(骨細胞,筋肉細胞,脂肪細胞,神経細
胞など)の成長と分化およびその生体機能
2. 動物組織(骨,筋肉,臓器,脳など)の成長とその
生体機能
遺伝子発現学特殊研究
遺伝子の組織特異的発現調節機構に関する研究を
Advanced Research
行う。炭酸カルシウムを主成分とする軟体動物貝類の
on Gene Expression
精密な硬組織は DNA の遺伝情報に従って生物の
ナノテクノロジーで作られたものであり,少量のタンパ
ク質を含むことで天然の炭酸カルシウムにはない硬度
と屈強性を持っている。その形成は外套膜特異的に
発現・分泌するタンパクにより制御されている。アコヤ
貝真珠層形成を制御する重要な遺伝子である炭酸脱
水酵素ナクレインの遺伝子およびカルシウム結晶形成
に関与するパーリンの遺伝子等,外套膜特異的に発
現する遺伝子について,発現調節領域と関与する転
写調節因子についての解析を行う。さらに,硬組織形
成に関与する新規遺伝子のクローニングと構造解析も
行う。
63
受精生理学特殊研究
哺乳動物は,雌雄の配偶子が受精することで次世代
Advanced Research
を産生している。近年の発生工学の進展は,体外受
on Physiology of
精・顕微受精さらには体細胞クローン技術により,本来
Fertilization
存在しない経路を経て次世代の産生を可能としてい
る。しかしながら,これら技術における発生の機構は未
だ解明されていない部分が多い。ここでは,以下の観
点から,最新の論文をもとに受精や発生および体細胞
クローン胚の発生の機構を考察する。
1.雌雄配偶子特に卵子の発育と成熟
2.受精と卵子の活性化による初期胚発生の機構
3.初期胚における遺伝子発想の機構
4.体細胞クローン胚における核のリプログラミング
体外受精特殊研究
本特殊研究では,生殖腺の分化と発生,配偶子形成
Advanced Research
と遺伝子発現,排卵機構とホルモンの支配,妊娠と免
on In Vitro
疫機構の関わり,着床と細胞相互の働き,生殖と内分
Fertilization
泌攪乱物質をテーマに,哺乳動物の生殖生理学と受
精システムの講義を行い,最近の論文より体外受精・
胚移植に関する研究を概説する。さらに,生殖医療研
究の基礎的知識として,人工受精の歴史,体外授精
法の発展,顕微授精の展開,クローン技術の誕生,胚
性幹細胞の将来展開,着床前診断と遺伝子工学,生
殖補助医療の倫理を題材に講義を行い,ヒト生殖補
助医療の現状を検討する。
動物遺伝子工学特殊研究
ヒト,マウスなどにおけるゲノム解読が 21 世紀におけ
Advanced Research
る遺伝学を大きく変革し,機能解析や比較ゲノム解析
on Animal Genetic
学など「ポストゲノムシーケンシング時代」が到来して
Engineering
いる。この遺伝子の機能解析では,実験動物を使った
遺伝子工学に関する研究領域は重要な役割を果たし
ている。本講義では,最新の論文を基に,マウスなど
の実験動物における遺伝子工学を中心とした分子生
物学・分子発生学的アプローチを踏まえたポストゲノ
ム解析に関する研究の展開について講述する。
64
食品保全工学特殊研究
生鮮食品を対象として,その品質を保持しながら安全
Advanced Research
性を確保するための研究を生理学,生化学および分
on Food Quality
子生物学を基礎として行う。生命体である植物性食品
and Safety
(青果物および一次加工青果物)の生理活性の抑制
と栄養成分や抗酸化活性を高めるための貯蔵技術を
確立すると同時に,化学的殺菌,生物学的殺菌ある
いは物理的殺菌による微生物的安全性の確保を目標
とする。遺伝子組換え食品の導入遺伝子の迅速な識
別および非組換え食品との実質的同等性も評価し,
様々な食品の安全性の意義について考察する。
生体防御工学特殊研究
獲得免疫系は脊椎動物で,高度にかつ複雑な仕組み
Advanced Research
で反応と発現が生じる系である。その一方,反応の各
on Biological
段階ではケモカインや成長因子を含んだサイトカイン
Defence Mechanism
で制御されている。従って,免疫系の反応,例えば微
生物防御反応,アレルギー,癌免疫,自己免疫疾患
などでいかなる因子が発生し,これらが病気にどのよう
に関わっているかを学び,疾病の治癒や症状の 緩和
の糸口を捜す。
細胞培養工学特講
植物の培養工学の応用を中心とした講義内容とする。
Advanced
植物培養細胞を用いて有用物質(異種生物由来のタ
Biochemical
ンパク質など)を生産する試み,あるいは,それに発展
Engineering
する可能性の高い研究が活発に行われている。そこ
では,植物をいかに培養し制御して利用するのかが重
要な課題となる。これに関係する問題をとりあげ論述
する。
高圧力生物工学特講
まず可変圧力 NMR 法等により明らかにされた蛋白質
Advanced
の変性に到るまでのさまざまな構造状態について概
High Pressure
説する。その上に立って,高圧力の生物工学のさまざ
Bioscience
まな分野への応用の実例と可能性について,セミナー
and Technology
をまじえて学ぶ。アミロイド病,プリオン病,製薬,食品
加工,深海生物学,その他の分野を含む。
65
資料 3.2
第1回
水野
インターフェース分野別特別授業受講後の課題レポート(一部)
2009 年 6 月 27 日(土曜日)
13 時~14 時 30 分
克比古 先生(社団法人日本写真家協会会員、日本写真芸術学会会員)
「職業写真家としてのテキスト性とアート性~京都写真の確立~」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
西山有依
「偶然おとずれる美しい瞬間」を写真に収めることが写真家にとってたのしいことらしい。法然
寺の山門を入ると、両側に白砂壇という白い盛り砂がある。水を表わす砂壇の間を通ることは、
心身を清めて浄域に入ることを意味している。雨上がりにその写真を撮っていた時、道の向こう
側に雨霧が立ち込め、神秘的な雰囲気となっていた。また、京都の渡月橋に大雨が降った次の日
の増水した川岸でアオサギが魚を狙っている写真。逆光の中で蓮の花が開こうとする瞬間の写真
など、水野先生がたまたま出会った美しい瞬間の写真をいくつも紹介していただいた。
勧修寺の写真で、杜若の花と睡蓮の花が咲き、その絵の中心に緋鯉が泳いでいる写真があった。
本来は、この 2 つの花が咲く時期には差があるのだけれども、この年はたまたま同じ時期に咲い
たらしい。
「一流になるためには一生続けなさい」と東京綜合写真専門学校の校長先生に教わった
そうだ。この写真にも、その言葉の意味が隠れていると思った。毎年同じ場所で写真を撮り続け
ることによって偶然起きた美しい瞬間に出会えた。長年続けているからこそこのような美しい瞬
間に出会えたのである。
龍安寺の石庭の写真を紹介していただいたとき、別の人が作品として作ったものを撮影するの
は難しいと言っていた。はじめから美しく作られているものなのでどう撮っても美しく写す事が
できる。テキスト性を重視した作品であればそれで十分だろうが、水野先生は、桜と一緒に撮っ
たり、雪がうっすらと積もった景色を撮ったり、四季と調和させて水野先生独自のアート性を表
現していた。これも 1 年を通して四季の移り変わりを感じながら撮り続けていたからこそできる
アートであると思った。
偶然出会うこと。それは偶然と出会うために撮り続けることだと強く感じた。私はこれまで、
写真や芸術はむずかしい。感性や才能がものをいう世界だと思っていた。しかし、科学の世界で
も、ノーベル化学賞を受賞した田中耕一先生や、下村脩先生も突然ひらめいたとか、たまたまだ。
と言う。先日、近畿大学のセミナーで話しをしていただいた永井先生も、そうおっしゃっていた。
日々の努力があり、偶然出会った発見。水野先生の講義を聞いて、芸術の世界も科学の世界と同
じで、やり続けることが大切であることがわかった。
また、先生の作品には雨の日や曇りの日など、あまり太陽が輝いていない日の写真が多かった。
京都の写真を撮るにあたって、影が邪魔になることがあるらしい。それに、雨が降った日はいつ
もとちがう。それもまた魅力の1つだろう。私たちから見て天気の悪い日は、水野先生にとって
は良い天気なのである。もちろん晴れた日の写真もあり、それは影の美しさを表現したものであ
った。晴れた日も雨も日もそれぞれの良さがあり、それを水野先生の視点で表現しており、素晴
らしかった。
やり続けることは考える以上に大変だと思う。毎日小さな発見があり楽しいときもあれば、何
の進歩もなくくじける時もある。今の私の生活においてもやはりその浮き沈みはあるが、雨の日
も晴れの日も、楽しい日も苦しい日も全て意味があると考えよう。普通、雨が降った日や苦しい
日は良い日ではないと考えるが、大変な日こそいつもとちがう何かを手に入れるチャンスだと考
え、日々の生活を充実させたいと思った。
66
第2回
津田
2009 年 6 月 27 日(土曜日)14 時 40 分~16 時 10 分
直哉 先生(雪印種苗株式会社 畑作園芸本部 営業課)
「日本の安全・安心な食料を確保するために…種苗業界ができること」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
田島 弘樹
まず、種苗メーカーがどのような事業を行っているか、という事を自分があまり知らなかった
事に驚いた。種苗メーカーと聞けば、野菜や花の品種開発などを行っている企業といったイメー
ジしか持っていなかった。ところが実際は、家畜用飼料なども販売している酪農畜産事業や都市
緑化などを行う環境緑化事業まで、こんな事まで種苗メーカーがやっているのだと思った。また、
安全・安心な食料を確保するために種苗業界がどのような事業を行っているかを重点において講
演をしていただいたのだが、その中で日本の食料自給率がわずか 40%であるというお話が出た。
食料自給率が上がらない原因には農家の数の減少もあるが日本人の食べるものが変化している事
もその一因である、という事はニュースでもよく耳にする事実である。日本の作物の特徴は見栄
えが良いだとか食味が良いとか何らかの付加価値が付いたものが多い。付加価値をつけることは、
何かを販売する上で当たり前の事であるが、同時に付加価値を付ける事だけに重点を置いた一部
の果物(メロンやマンゴーなど)に代表されるように一見異常とも思えるような高価な作物が販売
されている事に繋がっていると思う。確かに日本ではアメリカやオーストラリアのように広大な
農地で重機を用いて機械的に作物を生産する事は困難で、農家の人の事を考えれば、他と見栄え
しない作物を作っても価格の安い外国産に押されてしまう事は理解できる。そこで、今回の講演
に出てきた緑肥作物の利用法はとても興味深く感じた。緑肥作物を利用して隣接作物への農薬飛
散を防止するだとか害虫駆除に役立てるとか、農家の方の農業への負担を低減させる取り組みを
行っている事だ。農家への高付加価値作物の提供はもちろん、作物の生産コストの低減や遊休地
の省力管理など、今度スーパーなどで野菜などを買うことがあれば、どの様に作られた農作物な
のかと思わず考えたくなってしまう様な面白い話題だった。
67
第3回
水谷
2009 年 7 月 4 日(土曜日)
9 時~10 時 30 分
哲也 先生(国立感染症研究所 ウイルス第1部・主任研究官)
「未知のウイルスを発見する喜び」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
谷垣悠介
今回の講演の中で特に印象深かったのは、ウイルスの特定をその外見から顕微鏡で行うという
ことと、RDV 法でした。それまで、ウイルスは遺伝子から特定すると考えていましたが、太陽の
コロナのように見えるコロナウイルス、8 面体の美しい外形を持つアデノウイルスなどの写真を
見せていただき、その外見が大きく違うことを知りました。現在、外見的特徴と遺伝子解析によ
ってより感度の高い検出を行うそうです。RDV 法については、方法そのものに興味を持ちました。
RDV 法は、ランダムプライマーでダイレクトシークエンスを行う方法です。既存の RDA 法や SISPA
法では、コピー数が 100 万程度と小さい、ウイルス種類により感度が異なる、といった欠点があ
りましたが、この RDV 法ではウイルスによらずほぼ均一に高感度で検出でき、最終増幅用のプラ
イマーも、末端の 4 塩基を変えるだけで幅広く応用できます。RDV 法は、自分の研究にもプラス
になると思い、論文も読ませていただきました。
講演でウイルスを特定するための課題が挙げられていました。従来のクローニングを行う方法
では担当大臣の許可が必要で、それに半年以上もかかるということでした。この制度の改革が必
要です。制度が整うことにより被害の拡大を最小限に留めることができるようになり、新型イン
フルエンザ発生時も行われていた水際対策にも効果を発揮するのではないかと考えます。
今年は新型インフルエンザの発生があり、WHO では警告フェーズを 6 まで引き上げました。ニ
ュースでも盛んに国立感染症研究所が取り上げられ、国立感染症研究所の重要性を感じました。
その一方で過剰な報道による風評被害などの防止も重要な課題であると感じました。一部のみに
注目した情報の発信は、いたずらに被害拡大を招くことがあるので、情報を精査し、伝えるとい
う機関の構築が必要であると思います。
今回の公演は、始めから丁寧な解説、具体的な例、実験手法、面白い内容まで盛り込まれ、聞
きやすいものでした。実験手法は特に、自分の実験で使えないかなど考えながら聞くことができ、
とても充実したものでした。
68
第4回
2009 年 7 月 4 日(土曜日)
10 時 40 分~12 時 10 分
渡部 良朋 先生(
(財)電力中央研究所 環境科学研究所スタッフ(R&D戦略担当)
・上席研究員)
「バイオエコマネジメント学の目指すもの-地球温暖化と制度設計・技術設計-」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
原田大士朗
インターフェース分野別専門家特別講義の第4回において、財団法人電力中央研究所にて、環
境科学について研究されている渡辺良朋先生の講義を聴講した。
研究者によって諸説は有るものの、産業革命以降地球の平均気温は上昇を続けている。これは、
地球の定期的な温度変化として片づけるには、余りにも急激な変化である。温暖化の影響によっ
て海面水位は上昇し、海抜の低い国は水没の危機にさらされている。我が国も、島国であるとい
う事から、海面水位の上昇は結果的に生活範囲や経済活動域の縮小に繋がる。また、最南端の領
土である沖ノ鳥島はすでに満潮時には数十 cm しか存在しておらず、地球温暖化による海面水位の
上昇により完全に水没してしまう可能性がある。沖ノ鳥島を失う事は島を中心とした 200 海里、
約 40 万平方 km の排他的経済水域を失う事であり、我が国の海洋資源を大量に失う事に繋がる。
長期的視点に基づいて考えた場合、この経済的損失は計り知れず、目下の温暖化対策に充填する
費用の数十倍以上となる。
地球温暖化は大気中の Green House Gases(温室効果気体)の濃度上昇が原因であると言われ
ている。温室効果気体については、二酸化炭素やメタンなどがあげられているが、何れにせよ温
室効果気体の大気中濃度の削減のためには強力な制度設計と有効な技術設計の融合が必須となっ
てくる。そのためには産、官、学、民、生が一体となった包括的な対策が求められてくる。ここ
で、今回の講義において渡辺先生は Biotechnical Eco-Management(バイオエコマネジメント学)
のあり方について述べられている。
バイオエコマネジメント学とは地球環境と調和を図りつつ、長期的に持続可能な発展を行う社
会の形成に貢献するため、食糧資源、生物学的多様性など生態と環境の関わりについての理解を
深め、生態学的な観点から温室効果ガスの削減を含めた環境マネジメントについて、バイオテク
ノロジーやバイオマスを中心に研究を行うものである。
様々な、政治的、宗教的、また経済的価値観から独立し、世界規模での環境マネジメントを行
っていく指針として、今後このバイオエコマネジメント学によるメソッドが大きな役割を持つよ
うになるのではないかと私は考えている。
69
第5回
2009 年 7 月 4 日(土曜日)
13 時~14 時 30 分
清水 かおり 先生(大阪コミュニケーションアート専門学校 エコ系教務部 専任講師・獣医師)
「トータルケアをめざして-町の動物病院の使命と仕事-」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
近藤健二
我が家には、数年前まで犬がいました。室内で共に過ごしていたということもあって、本当に
家族同然で様々な思い出を残してくれました。まさに家族の潤滑油としての使命を全うしてくれ
ました。清水先生の講義を聞いて、そんなペットのことを思い出し、改めて感謝の気持ちが溢れ
てきました。
今回の講義でキーワードとなった、HAB(ヒューマン・アニマル・ボンド)という言葉は、訳せば
ヒトと動物の絆、もしくは相互作用という意味を示しており、講義中のすべての話の中心的なワ
ードとなっていました。HAB とは、一見当たり前な言葉のように思えますが、非常に奥が深い言
葉で、ヒトが動物と共存している限り、切っても切り離せないものであると思います。
このキーワードにリンクして、動物病院の使命というお話がありました。私もペットを飼って
いたので動物病院がどういうところなのかは、ペットを飼っていない人よりは知っていました。
お話にもあったように、動物病院はヒトが病気を診てもらう病院とは、根本的に違うものである
と認識しています。一言でいうと、動物病院は、病院に訪れたペットを家族のように大切に扱っ
てくれるのです。ヒトが訪れる病院ではそうはいきません。よほど通いつめている常連の患者さ
ん以外は、家族同然というほど親身には対応してはもらえません。私のペットを診て下さってい
た動物病院は、新年には年賀状を、誕生日にはハガキを送って下さり、そんなさりげないサービ
スが嬉しかったことを覚えています。ペットが亡くなった後も、花を贈って下さり、ペットの位
牌に飾りました。先生がおっしゃっていた、動物病院とは病気を治すところというだけでなく、
HAB を大切にし、ヒト(飼い主)と動物双方を幸せにし、面倒を看る、というお話を、少なくとも
私が知っている動物病院は実行していたと思います。動物病院の先生とスタッフの方々には、今
も感謝のいっぱいです。
先生のお話の中に、自分が幸せになるためにペットを飼う、確かにこれも素晴らしいことです
が、相手、つまりペットのことも幸せにしてあげるという気持ちを持ってほしいというお話があ
りました。私が初めにペットを飼いたいと両親にお願いした時の心境を思い返してみると、やは
り前者の考え方と同様で、自分が幸せになるという事ばかり考えていました。しかし、家族に迎
えて共に生活する中で、先生がおっしゃっていたペットを幸せにしてあげたいという気持ちが芽
生えてきたことも確かです。初めからこのような気持ちを持つことは、なかなか難しいことだと
思うので、ペットと共に生活する中で育てていけばいいのではないかと思いました。そうやって、
弱いものに愛情を持ち大切に世話をすることができれば、将来自分の子供に手をあげ、虐待する
ような親は育たないのではないかと思います。そう考えると、子供が小さい時にペットを飼い、
世話をさせることは素晴らしいことなのではないかと思います。弱いものを可愛いと思い、守っ
てあげたいと感じるは大切なことなのです。足早に過ぎていく現代社会の中で、たまには息を抜
いて動物と戯れる余裕を作りたいものです。
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第6回
岡橋
2009 年 7 月 18 日(土曜日)
14 時 40 分~16 時 10 分
典子 先生(大日本住友製薬(株)開発本部 臨床薬理グループ マネージャー職)
「製薬企業における研究開発」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
唐谷ゆふ
製薬企業の中身のお話が聞けてとてもよかった。医薬品開発が日本の各企業で独自に行ってい
るのではなく、日米欧の 3 者間協議などを経て行われていることに驚いた。確かに、特許や臨床
実験などの様々なことを考えると、3 者間協議により効率化をはかるのがベストだと思う。しか
し、私は今まで、医薬品は企業個体で行っているものと思っていた。3 者間協議のことを聞いた
ときに、自分の考えの浅さに改めて気づいた。3 者間協議だけでなく、国内の各製薬企業とのつ
ながりや情報の共有が行われているということも知らなかった。このことも、自分の見ている世
界が小さなものであるということを改めて認識させた。
また、新薬ができあがるまでには様々なハードルと時間、お金がかかるということを具体的な
数値で示されたので、とてもわかりやすかった。製薬会社の様々な努力が、私たち健康につなが
っているのを感じた。薬における「安心、安全」というのは、製薬業界全体で守られていると思
った。薬は、たくさんの安全性試験を経て市場にでてきている。どんなに治療薬として優れてい
ても安全でなければ市場には並ばない。当たり前だが、これらの試験があるからこそ、健康が守
られているのだと感じた。しかし、時代の流れや機器の発達で、これらの安全性試験のウエイト
が高くなってきているらしい。今までの機器では発見できなかった不純物などが、現在の機器で
発見できるようになり、不純物の安全性を試験しなければならなくなった。時代の流れで、これ
までは試験しなかった環境ホルモンや発ガン性などの様々な試験が行われるようになってきて、
安全性試験がさらに重要になってきている。3 者間で協議を行っているので、日米欧の製薬ガイ
ドラインも時代の流れなどによって改訂しなければならない。ガイドラインの改訂の際に、3 者
間の文化の違いや薬の歴史など様々な違いが大きな障壁となる。しかし、どの製薬会社も、この
ガイドラインの改訂によるメリットが大きいので、製薬企業同士や研究者同士が協力しあって、
新ガイドラインをつくりあげる。製薬企業は、よりよいものを早く提供するために、開発分野以
外では、企業の枠のみならず、国境を越えて協力しているということがよくわかった。そして、
それらの努力が、現在の薬となり、私たちをサポートしているのだと感じ、製薬業界のすごさを
感じた。薬が人の役に立つようにするには、1人の人間では絶対にできないことで、何千人とい
う人が1つの薬を作り上げるのに携わっている。製薬業界全体で、薬を作り上げていることに感
動した。
実際、企業に勤めて地位を確立されている女性から、女性の社会参加についてのお話が聞けた
ことは、本当に自分のためになると思った。私は、これから社会に出て行く。社会はまだまだ男
社会だと思う。女性の社会進出が推進されてはいるが、各個人の意識の中に、家事や育児は女性
の仕事ととらえている人がたくさんいる。その意識が女性の働きやすさをブロックしていると思
う。しかし、女性には女性の仕事の楽しみ方や仕方があるのだと、少し希望が持てた。要は、個
人のやる気次第なのかなとも思った。確かに、男性と対等にやりあうのは大変だが、周りのサポ
ートと自分の考え方次第でどうとでもなるのでは、と思った。結婚や出産が、必ずしも仕事の足
かせや人生の回り道にはならないのだということが、改めて感じた。私も頑張って社会にでてし
っかり誇りを持って、仕事をしたいと思った。
71
第7回
吉田
2009 年 10 月 3 日(土曜日)
10 時 40 分~12 時 10 分
誠 先生(三菱商事株式会社 生活産業グループ 次世代事業開発ユニット
農業・地域対応チーム
シニアアドバイザー)
「農業のビジネス・モデルの構築に向けて」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
松原圭吾
今回の吉田先生の話をうかがってただただ納得するだけであった。吉田先生が挙げられていた
農業の本質的な問題として、①自作農業主義の温存、②低い農地保有コストが農地の流動性を阻
害、③転用規制の杜撰な運用によるキャピタル・ゲイン期待、④土地利用者の視点や経済効率の
視点からの改革が必要、があった。
海外の農業と統計的に比較すると日本の農業に対するシステムの杜撰さは明らかである。世界
各国において農業人口は減少する傾向にあり、これは日本にも言えることなのである。しかし他
国と日本が大きく異なる点は、日本では人口の減少に伴い農耕地の面積自体の減少が起きている。
他国を見てみると面積は減少していない。つまりこのことから、他国では一人当たりの農業が大
規模化していることが言える。これは上記の②や③が当てはまり、日本では農地の保有コストが
低いことから、
「将来パチンコ屋になるのではないか」といったキャピタル・ゲインを期待した土
地の流動性が悪くなるといった悪循環になっている。
ここで農業がどのようにビジネスに結び付くかというと、農業は「経営」という観点からみる
と製造業と同じであるとことである。農業ビジネスにおいては生産者が生産コストに基づいて生
産物の価格を決定する。生産者の管理能力が必要であり、農家にはこの管理は困難であることか
ら、商社が引き受けるといった戦略である。実際、農協に生産物を出荷しているだけでは、農家
が値段を決めることができずに農協や卸売業者のなすがままになっている。
商社が構築する農業ビジネスは、商社の物流などの利用や農家の教育によって低コストで農産
物を作り、コストに見合った値段をつけて販売するとのことである。農協からの物流を考えると
仲介業者や中卸業者の介入によってどうしても高くなってしまうコストが削減できることが大き
な利点であり、それを改善することで農産物の値段を安くし、かつ農家がコストに見合った収入
を得ることができるというビジネスである。
今回の吉田先生の話を伺うと、現在取り組まれている農業ビジネスはとても興味がある。興味
がある大きな理由の一つとしては、実家が専業農家であり、農産物を農協に出荷しているからで
ある。値段は先生のおっしゃった通り農協や卸売業者に値段を決められている。さらにキズ物は
タダ同然の値段で引き取られる。このことからも先生の農業ビジネスの話をより詳細に聞きたく
なった。そしてこの新たな農業ビジネスが構築されることを期待している。
72
第8回
花井
2009 年 10 月 3 日(土曜日)
16 時 20 分~17 時 50 分
淳一 先生(独立行政法人国際協力機構(JICA)農村開発部乾燥畑作地帯第二課 課長)
「アフリカのコメ生産倍増に向けて~
アフリカ稲作振興イニシアティブの取り組み~」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
近藤健二
アフリカという我々があまり知らない角度からの講義で、非常に興味深い講義となりました。
アフリカでコメの需要が急速に伸びているというも知らなかった私は、すべての話が新しい情報
でした。
先生のお話の冒頭で、ミレニアム開発目標(MDGs)というキーワードが出てきました。MDGs と
は、アフリカにおける極度の貧困を半減させること、HIV の蔓延を食い止めること、さらには小
学校などの初等教育を普及させることなどが盛り込まれたもので、これらはすべてが、2015 年を
達成期限としています。この期限を達成するためには持続的な行動が必要です。人材の養成から、
公共機関や道路の整備、バランスの良い雇用と所得を与えることのできる企業を育てるのには、
時間がかかります。私は、今世界はこのような目標を掲げ、貧困層の救済・支援を行っていると
いう現状を知りました。
またアフリカが抱える問題点として、アフリカのコメの生産量と自給率に関するものがありま
した。アフリカは先ほどの述べたように、近年コメの需要が急速に伸びており、一人当たりのコ
メの消費量は、最も高いマダガスカルで 126kg、今回の紹介でたびたび名前が取り上げられた、
今までコメの消費がほとんどなかったウガンダでも 6~7kg のコメを消費しているというもので
した。これからさらにこの数値は伸びていくと考えられ、このままの生産量と自給率ではパンク
状態になるのは目に見えています。仮に世界で不作が続き、フィリピンやタイといったコメの生
産量の高い国が輸出を制限してしまえば、たちまちコメを食べることができず、混乱が起きるこ
とは避けられません。これは日本も決して例外ではありません。私は、自国で足りなければ、輸
入すればいいのではないのかと安易に考えていましたが、自国の消費量を上回る生産力の重要性
というものが今回の講義で感じました。
最後に青年海外協力隊のお話がありましたが、大変な仕事ではあると思うのですが、非常にや
りがいのある素晴らしい仕事であると思いました。先生に講義の後に、青年海外協力隊の人数に
ついて質問したところ、毎年 1000 人程度の人が派遣されるという返答でした。私の予想では、も
っと少ないのかと思っていたので驚きました。私も人の役に立ち、その中で自分のやりがいを見
出せる、そんな仕事がしたと思いました。
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第9回
2009 年 10 月 9 日(金曜日)
13 時~14 時 30 分
David Cyranoski 先生(Nature Asia Pacific 特派員)
「科学とジャーナリズム」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
松原圭吾
デービット・シラノスキー先生には日本語と英語を交えたプレゼンテーションをしていただい
た。先生の日本語の流暢さに驚き、また自分の英語を聞きとる力のなさに反省した。
今回の先生のお話では科学者がなぜジャーナリストの取材を受けるのかというところであるが、
これはもちろん名前を広めるためや教育のため、誤情報の訂正、さらには米国では科学者イメー
ジは良くない点から、そのネガティブイメージを取り払うために取材を受けているとのことであ
った。ではジャーナリストの仕事はというと、真実を伝えるためには当然のことながら、記事を
売らなくてはならない。そのためには記事のインパクトを大きくし、透明性を伝える必要がある。
このジャーナリストの働きによって、日本で最先端研究開発支援プログラムにおける税金で賄わ
れている研究費を 2700 億円から 700 億円減額させたこともあった。
またヒトクローン胚から ES 細胞を樹立したと報告した Woo Suk Hwang の捏造を暴いたのはシラ
ノスキー先生であった。この事件にしてもそうであるが、批判的な記事を書くことはとても難し
いと先生は言う。批判的な記事を書く場合、本人や周辺・あるいはその専門家などに何度も聞き
込みに行き、さらには自分自身もその件に関する詳細な専門知識が必要になってくる。結果、ヒ
トクローン胚由来 ES 細胞の樹立の事件では聞き込みをしているうちに、報告のメンバーの大学院
性の女性から卵子の入手経路が明らかになり、ヒト卵子の提供の際の倫理問題などが挙がってき
た。その後、データの信憑性が疑われるようになり、最終的にデータの捏造が明らかとなった。
現在、私たちは様々なジャーナリストが書く情報を様々な媒介を通して得ている。特にインタ
ーネットが普及した現代において、膨大な情報をインターネットで得ることができるようになっ
た。しかし、注意しなければいけないことは、新聞や本から得られる情報と異なり、インターネ
ットの情報は校正されていないものも多く、誤った情報や大げさに取り上げた情報も数多く存在
することを十分認識しなければいけない。
今回の講演から、ジャーナリストという仕事の重要さや、その役目がよくわかった。さらに先
生が何度も裁判を行った経験なども聞き、真実を伝えることの大変さがわかった。しかし先生が
英語で話された部分は少し理解が足りないかと思う。直接英語での講義を受けることで、自分の
ヒアリング能力の低さを身を持って感じた。
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第 10 回
大月
2009 年 10 月 10 日(土曜日)
純子 先生(永井クリニック
13 時~14 時 30 分
体外受精室長)
「体外受精ラボにおける研究」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
西山有依
女性の社会進出とともに日本女性は晩婚化の傾向がある。若い世代では 100 人に 1 人くらい、不
妊の患者さんが存在するが、年齢を重ねた夫婦ほど、不妊の確率は高くなる。現代の社会情勢と
ともに重要さを増している不妊治療における体外受精ラボでの研究を紹介していただいた。
クリニックでは、カウンセリングによる心理的な問題や生活環境の調整などによる改善や、医療
行為による治療を行っている。卵管の癒着やのう腫など、年齢や感染症によって引き起こされる
機能障害が不妊治療の原因となることもあれば、卵子や精子の質によって不妊となることもある。
体外受精ラボにおける研究では卵と精子の性質について研究している。卵子や精子を観察したイ
メージの精度が上がり、これまで観察されてこなかった異常も観察されるようになった。
大月先生の講義で私が一番心に残っていることは、受精の様子をライブイメージングした映像で
ある。生物学の勉強をするにあたり、必ず見る減数分裂のイメージ図。また、普段実験をして観
察はするが、次に見たときには次のステージに発生している卵子。何度も見て勉強はしてきたが、
本物の卵子の減数分裂の様子を見たのは初めてである。卵子を適切な条件に保ったまま撮影し続
けることのできる技術もさることながら、それを一晩中観察し続けたことにも驚いた。最近は分
子生物学的な手法を用いて解析することが多いが、原点にもどり、目に見える異常や新たな過程
を見出すことは、日々の観察をいかに丁寧に行っているかがものをいうだろう。管理胚培養士と
いう資格をもった人は現在日本に 11 人しかいない。生殖補助技術を用いて一人の人間を作り出す
という行為は大変責任の重い仕事であるがゆえ、このような資格を取得するにはそれなりの自覚
と忍耐が必要なことであることに改めて気付かされた。
また、研究者として、
「論文は 1 本目を書くことは苦労するが、その後はわりとすらすら書ける。」
とおっしゃっていた。何か 1 つの相違点が見え、それについて追及し、ストーリーを完成させる
ことで他の事柄に関しても注意深くみる癖がつくので、簡単に気づくことができるようになると
いうことらしい。この言葉を心に据えて、これからの実験・勉強を粘り強く続けていきたい。
75
第 11 回
三輪
2009 年 11 月 14 日(土曜日)
13 時~14 時 30 分
哲也 先生(味の素株式会社健康基盤研究所
素材探索基盤研究グループ長)
「カプシエイト-トウガラシ新品種に由来する新しい機能性素材」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
中野美穂
三輪先生の講演では、カプシエイトの生理機能や生成メカニズムの紹介とあわせて、企業と農業
生産が関連したときのエピソード、また就職活動者への対応についてお話して下さいました。
カプシエイトについてですが、天然に存在するカプサイシンのアナログで、通常のトウガラシに
も微量含まれています。しかし、トウガラシの品種には、主成分として、カプシエイトを含むも
のがあり、その結果、カプシエイトの産業的な利用(基礎代謝の向上効果による生活習慣病の予防)
が可能になりました。
三輪先生のお話を聞いて、味の素(株)という企業についてもよく分かりました。創設者である
池田菊蔵さんのお話(安くておいしい調味料)、企業理念(食、健康、命)、強み(健康素材と化学的
エビデンス)などをよく知ることができました。また、企業での研究という仕事についてもより具
体的に知ることができました。多くの化合物候補から 1 つの有益な化合物を見出す苦労と、その
1 つの化合物については工場生産されるまで責任を持つこと、そのためには海外の工場まで行く
ことなど具体的で理解しやすいものでした。
私は、修士を卒業後、拙い知識ではありますが修士で培った知識と技術が少しでも社会に役立て
られる仕事に就きたいと考えています。第一希望は研究職、業界は医薬品、食品を考えています。
三輪先生のお話は、就職活動を始めたばかりの私にとって考える事が多く大変良い刺激になりま
した。最後に話して頂いた就職活動中のエントリーシートへの対応は、今現在、就職活動を行っ
ているため大変参考になりました。日に何百何千というエントリーシートを少ない人数で読まれ
ることに驚きました。そんな中では、2 行で何が書いてあるのか分からないエントリーシートが
除外されるのも当然であると思います。三輪先生は、新聞の書き方を参考にすれば良いとアドバ
イスして下さりました。見出しで関心を引く、分かりやすい例えです。今後、就職活動をする上
で、自分の研究をどう人に伝えるのかを考える良い機会となりました。日頃から、研究活動とと
もに短い文で分かりやすく自分の研究について人に伝えられるよう努めようと思います。
最後に、三輪先生、貴重なお話を有難うございました。
76
第 12 回
中村
2009 年 11 月 28 日(土曜日)
栄 先生(旭化成株式会社
10 時 40 分~12 時 10 分
知的財産部
技術情報グループ長)
「企業における戦略的情報調査活動について
〜旭化成グループにおける情報調査セクションのミッションを通して〜」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
唐谷ゆふ
今回のお話を聞いて、知的財産分野は各企業の生命線となっているということがよくわかった。
そして、旭化成では、知的財産関連の調査費に年間 20 憶もかけていることに驚いた。調査で得ら
れる情報はそれだけもの価値があるのだろう。それ故に、企業はそこにお金をかけるのだろうと
感じた。情報はお金になる。そのことを実感した時間だった。
特許について具体的な詳しいお話が聞けたことは良い経験だった。知的財産関連の講義で、特
許の申請から取り消しに至る流れや様々な障壁については多少の知識を持っていたが、具体的に
どのように行なわれているかはイメージできなかったので、今回のお話で少しイメージができた。
特許の「つぶし」といわれるものについて具体的な事例が聞けたことが特に良かった。講義を聞
いているだけでは、本当にそんなことが起こるのかが想像できなかったが、事例とどのようにそ
の特許をつぶしたのかという方法が聞けたので、そんなことが実際に起こっていることを実感し、
驚いた。また、特許の現在の問題点や各国の特許事情、国際的な特許の制度などについては知ら
ないことだらけだったので、とても勉強になった。
私自身、情報収集という作業は苦手なので、それを仕事としている中村先生はすごいと思った。
そして、私たちが普段収集する情報はほんのごく一部だということを改めて感じた。知的財産分
野でスーパーサーチャーとして働くには、情報収集能力はもちろん、コミュニケーション能力が
大切だということに、とても納得した。様々なデータベースから必要な情報を収集し、その情報
をわかりやすく提供するという作業は、とても大変な作業だと思う。わかりやすく情報を伝える
というのは、とても難しい。わかりやすく伝えるためには、相手のことをよく知らないといけな
い。相手の持つ情報がどれだけのもので、どんな情報を欲しているのかを知らないといけないか
らだ。そのためには、コミュニケーション能力が重要になってくる。相手の情報を聞き出し、整
理する作業。このことも情報収集能力のひとつだと感じた。
お話を聞いていて、中村先生はとてもお忙しい方だと思った。情報収集業はもちろん、教育活
動にも力を入れられている。教育活動には教育活動の大変さがある。相手が真っ白な状態に情報
やスキルを刷り込んでいく作業は、情報収集とは違った大変さがあるからだ。それらをこなし、
成果をあげていることが、とてもすごいと感じた。
中村先生のお仕事は、コミュニケーション能力とプレゼン能力があってこそできる大変な仕事
だということが良く分かった。
77
第 13 回
大屋
2009 年 11 月 28 日(土曜日)
14 時 40 分~16 時 10 分
建 先生(Ken Oya Acoustic Guitars)
「モノと向き合う、人と向き合う」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
原田大士朗
インターフェース分野別専門家特別講義の第 13 回において、ギター職人の大屋建先生の講義を
聴講した。大屋先生は京都大学理学部をご卒業後、本田技研工業に就職されレシプロエンジンや
ガスタービンエンジンの研究開発をされ、35 歳で本田技研工業を退社しギター職人の道に進まれ
たと言う異色の経歴を持たれている。私も、チェロとヴァイオリンを弾くので大家先生の講義は
とても興味深く聴講する事ができた。
先に、35 歳で始めて職人の門を叩いたと述べたが、大屋先生が師事されたアーヴィン・ソモギ
はギターを弾く者なら知らない者は居ない職人である。特にソモギのフィンガーピッカーは重厚
な低音域と上質なヴァイオリンのような高音域、そして極めて均一なレスポンスを誇る世界最高
峰のギターである。ソモギギターとなれば、安くても 150 万円は下らないだろう。大屋先生のギ
ターは講義で初めて拝見、拝聴したがソモギの逸品に負けない伸びやかさと美しさを持っていた
ように思う。先ず、美しいボディに目を奪われた。遠かったので詳しくは分からなかったが、ト
ップはシトカスプルースでサイドとバックはインディアンローズウッドを使用していたのではな
いだろうか。カッタウェイのみで華美な装飾は無いが丹念に作りこまれている事が伺える。次に、
その音域の安定性が素晴らしかった。レスポンスの安定性で言えば、私は戦前のマーチン社のギ
ターが最も良いと考えている。しかし、それでもハイポジションになると音程は不確かになり、
それが低音弦となると音程のズレはますます顕著となる。もちろんそのブレがギターの持ち味で
もあるのだが、大屋先生のギターは驚くほど正確だった。ギターの低音でここまで、クリアで透
明感のある音を聞いたのは始めてだった。ソモギのギターから低音の重苦しさを削ったような身
軽で、しかし響きを保った低音を奏でていたように思う。是非とも、50 年、60 年と使い込まれた
大屋先生のギターのサウンドを聴いてみたいと思った。
大屋先生の講義の中で述べられていた、ストリングスの違いも極めて興味深かった。私は練習
ではスチール製の弦を使用し、コンサートなどの本番ではガット(羊の腸)のコアにアルミの巻
き線を用いた物を使用している。今までは感覚的に選んで使用していたのだが、今回の講義を通
して改めて音色の違いと言うものについて興味を持つことが出来た。
78
第 14 回
水沼
2009 年 12 月 12 日(土曜日)
14 時 40 分~16 時 10 分
真澄 先生(株式会社NHKエンタープライズ 制作本部 自然科学番組部 チーフ・プ
ロデューサー)
「見せます。自然科学番組制作の裏側」を受講して
近畿大学大学院生物理工学研究科
生物工学専攻博士課程前期 1 年
中野美穂
本講義では、水沼先生が働かれている自然科学番組を製作する現場と手順を紹介して頂きまし
た。自然科学番組のディレクターとは一体どのような仕事なのかを、水沼先生の体験をもとに、
教えて頂きました。取材して企画を立ち上げ、カメラマンとたった 2 人で世界中を巡り、編集、
台本を書き、ナレーションの収録、ときには本の執筆まで全てをまかなうなど、1 人が受け持つ
仕事量の多さに驚きました。また、ディレクターと 2 人で多くの機材を運び現地で 1 ヵ月ほど生
活するハードな仕事の内容のため、女性が少ないのも頷けます。同時に、番組制作の周りにある
仕事、取材クルーと現地の間を取り持つコーディネーターやリサーチャー、CG 制作や携帯コンテ
ンツの開発などについても紹介して下さいました。実際の撮影は、相手が生き物であるため、森
林で身を隠す目隠しテントなるものの中で朝から夕方過ごす、重い機材を背負っての雪山登山な
ど、普段テレビで見る映像を撮影するのにとんでもなく工夫と苦労をされていることが分かりま
した。私は、NHK の自然番組が好きでよく見ています。水沼先生がプロデューサーを務められた
番組「生きもの地球紀行」も放送を楽しみにしてみていました。これから自然番組を見るときは、
その撮影をしていらっしゃるスタッフの方のことをちらりと考えながら番組を楽しむことと思い
ます。そんな大変な撮影現場においても、楽しそうに仕事をされている写真から、自然が好きな
こと、仕事が好きであることが伝わってきました。
水沼先生の講義を受けて、仕事観を改めて考えました。今までは、様々な仕事がある自然科学
番組のスタッフは文系の方が多くいらっしゃると考えていました。しかし、実際には、理系出身
の方も多くいらっしゃる他、専攻も様々でした。一番印象にあるのは、一つの目的を達成するた
めのアプローチの仕方が異なることです。社会に出たら、学生時代に学んだ知識や技術はたいし
て役に立つ訳ではないこと、論理的に考える思考力が仕事に反映されることを水沼先生ご自身の
体験談から勉強することができました。また、水沼先生の講義を受けて、自然科学番組のディレ
クターとはどのような仕事なのかを具体的に知ることができました。この良い機会を今後の就職
活動に生かしていきたいと思います。
79
資料 3.3 国内企業インターンシップ報告
平成 21 年度国内企業インターンシップ報告書
研修者:辻本 賀子
所属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2 年 発生遺伝子工学研究室
インターンシップ先:独立行政法人理化学研究所 筑波研究所
インターンシップ期間:平成 21 年 5 月 18 日~29 日
指導担当教員:小倉 淳郎 博士
国内企業インターンシップとして理化学研究所筑波研究所へ訪問させていただきました。筑波
研究所では、遺伝子の操作技術を駆使した先端的研究開発等を行なってきており、近年、ライフ
サイエンスの発展に伴う実験用生物材料(バイオリソース)の整備を行うため、バイオリソースセ
ンター(BRC)を設置、本分野における中核的なセンターとして培養細胞、動植物資源、遺伝子に加
え各リソースにおける情報の収集・保存・提供ならびに資源獲得のための技術開発に貢献してい
ます。
その中で、今回お世話になった遺伝工学基盤技術室では現在、リソースをより高度なクオリテ
ィにて維持・供給することが求められており、そのために必要な遺伝関連技術開発を行っていま
す。特に、確立が望まれている基盤的技術である核移植法、顕微授精法、各種幹細胞の樹立法な
らびに胚・配偶子等リソース凍結法の開発を推進しています。
そのなかで今回は主に円形精子細胞注入技術(ROSI)と、顕微技術を行う上での基礎技術を学ば
せていただきました。
まず最初に、試薬の作製法を見学しました。大学では、試薬毎に作製するので、その度時間が
かかるのですが、この筑波研究室では無機塩類と有機塩類でそれぞれ別のストックを作製して保
存していました。そしてすぐ同じ試薬の再作製ができ、無駄な手間を省いた簡潔な方法に驚きま
した。実際自分で作製法をなぞって作りはじめてみて大きな違いを感じました。
次に、顕微技術の見学、実際の操作をおこないました。こ
こで使用した機械は、大学の研究室の機械とは構造が異なる
ため、与えられた機械に慣れるために毎日継続してマイクロ
マニピュレーターを操作する必要がありました。毎日何時間
も操作し続けとても苦労しましたが、自身のマイクロマニピ
ュレーター操作における問題点を明白な形で確認することが
できたので、今では間違いを修正するために必要な段階だっ
たのだと考えています。最初は、活性化した卵子や細胞注入
した卵子の核相を染色・確認した後スケッチすることを繰り
返し行っていました。操作上や形態上は問題ないように見え
るものでも、中には核相を見ると細胞の核が露出できていな
いものや、卵子と透明帯の隙間に細胞が押し出されているものなどが見られました。このような
卵子も活性化を起こしてしまうと、単為発生を起こしたものとの
区別はつきませんが、核相をみることでこのようなミスを修正し
ていくことが可能です。これにより実験データの正確性を格段に
あげることができます。ここで、単純な作業と思えることが実験
を進めていく基盤となり、同時に操作のミスをなくすためのとて
も大事な作業であることを学びました。そしてこのように大学で
の自分の研究の中で活かせるような技術は、是非活かしていきた
いと思いました。
日頃大学で行っている操作技術と様々なところが異なり、省略
可能な手順や、注意するべきポイントなどを教えていただきとて
も勉強になりました。
今回の国内企業インターンシップを経て、このような企業の中で
80
実験技術(作業の効率や正確性)を高め、社会に貢献するための研究への姿勢、責任の重みなどを
学ぶ貴重な機会をいただき、理化学研究所筑波研究所遺伝工学基盤技術室の皆様、近畿大学組織
的な大学院教育改革推進プログラム関係者の皆様に深く感謝いたします。
81
平成 21 年国内企業インターンシップ報告書
研修者:畑中 勇輝
所属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2 年 発生遺伝子工学研究室
インターンシップ先:農 業 生 物 資 源 研 究 所 動 物 科 学 研 究 領 域 生 殖 機 構 研 究 ユ ニ ッ ト
インターンシップ期間:平成 22 年 2 月 15 日~2 月 26 日
指導教員:徳永 智之 博士
私 は 、2 月 15 日 か ら 2 月 26 日 ま で の 間 、農 業 生 物
資源研究所の動物科学研究領域の生殖機構研究ユニ
ットでインターンシップ生としてご指導頂きました。
この研究室自体は、畜産草地研究所内の形質転換実
験棟に存在しているのですが、その敷地は広大で、
そこにはウシなどの大型家畜が飼われていました。
私は、今まで近畿大学でしか研究を行っていなかっ
たので、ここで習った全てのことが新鮮でした。ま
ず、私は毎週月曜日に開かれるミーティングに参加
さ せ て 頂 き ま し た 。そ こ で は 研 究 の 進 捗 状 況 を 報 告 し 、
先生を含めた研究員の間でディスカッションが行わ
れ て い ま し た 。こ の ミ ー テ ィ ン グ は 意 見 交 換 が 非 常 に
活 発 に 行 わ れ て お り 、ま た 、最 新 の 知 見 の 紹 介 な ど も
な さ れ 、常 に 最 新 の 動 向 に 目 を 向 け た デ ィ ス カ ッ シ ョ
ン が な さ れ て い ま し た 。私 も こ の ミ ー テ ィ ン グ で 自 分
の 研 究 内 容 を 紹 介 さ せ て 頂 き ま し た 。そ こ で の デ ィ ス
カ ッ シ ョ ン で は 、大 変 参 考 に な る 助 言 を 頂 き 、よ い 刺
激を頂きました。
実 習 内 容 に 関 し て は 、 ウ シ ES 細 胞 に お け る DNA
の メ チ ル 化 解 析 と し て 、 bisulphate sequ encin g の
手 法 を 一 通 り 教 え て 頂 き ま し た 。こ の 研 究 室 で 用 い
ら れ て い る 試 薬 や kit な ど の 多 く は 近 畿 大 学 で は 用
い ら れ て い な い も の ば か り で 、と て も 新 鮮 で し た が 、
そ れ 以 上 に 、様 々 な 手 法 か ら 見 た 分 子 実 験 を 行 う こ
とができ、大変勉強になりました。また、私が行っ
て い る 研 究 で 、今 後 用 い る と 考 え ら れ る 手 法 で も あ
っ た の で 、私 の 研 究 の 観 点 か ら も と て も 有 意 義 な も
のとなりました。
私はこのインターンシップを体験させて頂き、非常に知識的にも多くのことを
学びましたが、研究所ならではのいろはもあることを知ることができ、私が予想
していた以上に有意義なものとなりました。最後に、この機会を与えて下さった
研究所の徳永先生を始め、産官学連携推進室の方々、及び近畿大学組織的な大学
院教育改革推進プログラム関係の皆様に深く感謝いたします。
82
資料 3.4
第3回学生主催ワークショップ
「動物生命工学の新たな展望」
第3回学生主催ワークショップ「動物生命工学の新たな展望」
報告書
報告書
報告者 : 西川 慧 ・ 高見 晶子
所属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程2年
指導教員:教授 佐伯和弘・准教授 秋田求・准教授 森本康一
2009 年 8 月 3 日から 4 日の2日間にわたり、近畿大学農学部附属生石農場にて、文部科学省・
組織的な大学院教育改革推進プログラム 第 3 回 学生主催ワークショップ 『動物生命工学の新
たな展望』を開催した。昨年に引き続き、さまざまな研究室に所属する若手研究者の研究発表お
よび議論の向上や、交流を目的とし、本研究科の大学院生らが研究成果を発表した。また、学外
からは農学分野で先端的な研究をされている東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科
河野友宏先生、生理活性物質や細胞の代謝研究でご活躍されている近畿大学大学院生物理工学研
究科生物工学専攻 梶山慎一郎先生に招請講演をしていただいた。また、発表後には院生らとと
もに招請講演に来て頂いた先生方を含めた研究交流会を開催した。
ワークショップ初日は、仁藤伸昌先生による開催のあいさつに始まった。まず、博士後期課程
の学生らによる研究発表を、発表及び質疑応答ともに英語で行った。それに続き、博士前期課程
の学生は 3 分間スライド用いて研究の要旨を英語でプレゼンテーションし、その後ポスター発表
を行った。初日の発表終了後には、生石農場の牧場施設の見学会を行った。研究交流会では、口
頭発表部門、ポスター発表部門と2部門において最も優秀な研究内容や発表をした学生を賞した。
2日目では招請講演に来て頂いた河野友宏先生に「哺乳類の生殖細胞に刻まれた生殖戦略」と
いうタイトルで、エピジェネティクスの内容から最新の実験データまでご講演して頂いた。また、
梶山慎一郎先生に「極短パルスレーザーを用いた細胞操作と分析」というタイトルで、レーザー
を用いた細胞の解析方法や、細胞の操作方法など、最新の機械を用いた細胞の代謝研究内容をご
講演していただいた。
以上、本ワークショップでは、様々な研究領域に属している若手研究者らと、視野を狭めるこ
となく意見の交換をすることができた。また、博士後期課程の学生らの研究発表は、質疑応答と
もに英語で行ったことから、国際社会に通用するための大学院生・研究者の育成という点で、少
しでも自信をつけることができたと思われる。また、ワークショップを企画し運営するという研
究では培われないリーダシップ、交渉能力を身に付けることは、とても有意義な教育プログラム
であったと思われる。しかし、今回の学生主催ワークショップでは、英語でのコミュニケーショ
ンが研究領域における内容に関して行われたので、次回からは日常生活における英語でのコミュ
ニケーション能力の向上も含めたプログラムが検討課題として挙げられる。この経験は、海外の
研究者と交流ができるようになるために有効になると考えられる。
口頭発表の様子
83
ポスター発表の様子
生石農場の施設の説明
集合写真
84
資料 3.5
第3回学生主催ワークショップ
「動物生命工学の新たな展望」
文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラム
第 3 回学生主催ワークショップ
平成 19 年度採択
『動物生命工学の新たな展望』
講演資料
日程
場所
2009 年 8 月 3-4 日
近畿大学附属 生石農場
(和歌山県有田郡有田川町)
近畿大学
大学院 生物理工学研究科
85
講演資料
86
文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラム
(旧:大学院教育改革支援プログラム)
第 3 回学生主催ワークショップ
『動物生命工学の新たな展望』
日程 2009 年 8 月 3 日(月)~4 日(火)
場所 近畿大学附属 生石農場 (和歌山県有田郡有田川町)
プログラム
8 月 3 日(月)
13:00 開会のあいさつ 仁藤 伸昌 (大学院生物理工学研究科長・教授)
13:10 学生による研究発表
13:10 口頭発表 博士後期課程(6 名×13 分)
14:30
休憩(10 分間)
14:40
ポスター発表 博士前期課程
・ショートプレゼンテーション(12 名×3 分)
・ポスター発表(奇数番号 30 分間)
・ポスター発表(偶数番号 30 分間)
16:30 牧場見学
18:00 優秀賞発表
18:30 若手研究者たちの交流会
8 月 4 日(火)
8:30
モーニングカンファレンス
9:30~10:30 招請講演「哺乳類の生殖細胞ゲノムに刻まれた生殖戦略」
河野 友宏 教授 (東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科)
10:30 休憩(10 分間)
10:40~11:40 研究講演「極短パルスレーザーを用いた細胞操作と分析」
梶山 慎一郎 准教授 (近畿大学大学院生物理工学研究科生物工学専攻)
11:40
12:10
閉会のあいさつ 佐伯 和弘
ランチョンミーティング
教授
87
口頭発表
1. Effects of Recombinant Pinctada fucata BMP-2 on Osteoblastic Differentiation of
Mesenchymal Cell Line C3H10T1/2
Akiko Takami
2. Functional Analysis of Nocturnin in Mouse Early Embryos
Satoshi Nishikawa
3. Proteomic analysis of bovine somatic cell nuclear transfer embryos at 14 days
Takanori Matsui
4. Potential Sources of Microbial Contamination of Japanese Apricot Fruit during
Development and Harvest
Yukari Murakami
5. Beneficial Effects of Electrical Cell Fusion for Rabbit Somatic Cell Nuclear Transfer
Takayuki Yamochi
6. Analysis of Degraded Maternal Proteins by Ubiquitin-Proteasome Pathway in Mouse
Preimplantation Embryo
Lee Hyang-Heun
ポスター発表
1.
Microarray analysis of the genes expressed upon exposure to formaldehyde in Arabidopsis
Shigeru Kubo
2.
Alteration of Substrate Specificity by Mutation at the Met98 and Arg309 Position of Bovine
MRP1(ABCC1)
Masao Yasumi
3.
Expression Analysis of the Gonad Specific Expression Gene, GSE, in Mouse Fetus and
Immature Mouse
Yuki Hatanaka
4.
Effect of ABC transporter Bcrp1 on maintenance of undifferentiation status in mouse
embryonic stem cells
Hiroko Kawamura
88
5.
Reconstitution of Seminiferous Tubules by Xenoectopic Transplantation of Juvenile
Bovine Testicular Cells
Ko-shiro Moriki
6.
The Effects of Treatment with FGF4 on Mouse Somatic Nuclear Transfer Embryos
Masahiro Morita
7.
Expression of Linoleate Isomerase Gene (PAISOM) from Propionibacterium Acnes in
Bovine Transgenic Embryos Cloned from Transfected Somatic Cells
Tatsuya Nakano
8.
Production of Bovine Chimeric Embryos with Somatic Cell Nuclear Transfer Embryos
Chiaki Takahashi
9.
Derivation of Germ Cells from Cynomolgus Monkey ES Cells
Naoto Fukunaga
10. The Addition of Cysteamine in in-vitro Maturation Medium Improves the Developmental
Capacity of Rabbit Oocytes
Yuki Miyamoto
11. The Signaling Pathway Involved in the Rabbit Embryonic Stem Cell Pluripotency
Syunsuke Ito
12. Oocyte Activation in Mice Using Strontium with a Chelator
Yoshiko Tsujimoto
13. マウス体細胞核移植由来卵子におけるクロマチンリモデリング複合体、SWR1 複
合体の構成因子の発現
西山 有依
14. 胚体外組織由来の細胞を用いた胚性幹細胞の分化誘導
松原圭吾
89
90
口頭発表 博士後期課程
要旨集
91
92
Effects of Recombinant Pinctada fucata BMP-2 on Osteoblastic Differentiation of
Mesenchymal Cell Line C3H10T1/2
Akiko Takami
Molecular Genetics Laboratory
Bone morphogenetic proteins (BMPs) belong to the transforming growth factor
type beta (TGF-β) supergene family. The TGF-β supergene family plays some
essential roles in several important processes of living things, such as cell growth,
controlling morphogenesis, and cell differentiation. BMPs generally have the
ability to induce endochondral bone formation at ectopic sites. The BMP family
consists of at least 20 members. Specifically, BMP-2/4 genes play an important
role in the ectodermal dorsoventral axis establishment in vertebrates. BMP-2 is
one of the main representatives of the BMP family. It is well known that BMP-2
plays an important role in morphogenesis during development, not only in
vertebrates but also in invertebrates. A previous study reported that the deduced
BMP-2 sequence consists of 447 amino acids. (Miyashita et al.) The BMP-2 gene
was found to be composed of three exons. The C-terminal portion (149 amino
acids) had 86% and 66% identity to the Crassostrea gigas and the human BMP-2
sequence respectively. Vertebrates mature BMP-2 synthesized using E. coli has
already been shown to have the ability to induce osteoblast differentiation.
In this study, we have examined the effects of recombinant Pinctada fucata
BMP-2 on osteoblastic differentiation of mesenchymal cell line C3H10T1/2.
Osteoblastic differentiation was identified by alkaline phosphatase (ALP) staining
and mineralization by von Kossa staining. The recombinant BMP-2 could increase
alkaline phosphatase activity, an early marker of osteoblast differentiation, and
induced a mineralization of the extracellular matrix. Morphological changes of
C3H10T1/2 cells were also observed. These results showed that invertebrate
BMP-2 could induce osteoblastic differentiation of mesenchymal cell line of
vertebrate.
93
Functional Analysis of Nocturnin in Mouse Early Embryos
Satoshi Nishikawa
Developmental Genetic Engineering Laboratory
Mammalian oocytes accumulate a large pool of maternal mRNA for embryonic
development. After fertilization, the polyA tails of maternal mRNA are removed
by deadenylation, then maternal mRNA that have short polyA tails degrade or are
kept as short polyA tail until the specific translation time. Deadenylation is one of
the translation regulation mechanisms, which strictly control the translation,
mRNA stability, and the amount of mRNA (Wang et al., 2002). However in oocyte
maturation and early embryonic development stage deadenylation system is
unclear. Recently, NOC was reported to have deadenylation activity in NIH3T3
cells, but whether Noc is involved in the translation control of maternal mRNA in
the mouse early embryo is not yet clear. In this study, we clarified the expression
of Noc in the oocytes and the mouse early embryo stage. We predicted NOC may
be involved in translation regulation of maternal mRNA. To clarify the
participation in the translation mechanism of maternal mRNA, we examined the
deadenylation activity of Noc in mouse oocytes.
We
constructed
two
expression
vectors
{pcDNA3.1/Noc/polyA(80),
pcDNA3.1/Luc/polyA(80)}. We made Noc/polyA(80) mRNA and Luc/polyA(80)
mRNA by using an in vitro transcription system. First, we injected Luc/polyA(80)
mRNA to MII oocytes as a control, second we coinjected Noc/polyA(80) mRNA and
Luc/polyA(80) mRNA to MII oocytes. We observed Luciferase activity by signal
photo counting at 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9 hours after injection. Then we checked
polyA tail length of Luc/polyA(80) mRNA by PAT assay. As a result, Luciferase
activity of Oocytes Noc/polyA(80) mRNA coinjected is lower activity than oocytes
Luc/polyA injected. In addition polyA(80) tails of Luc mRNA had shortened. Thus
NOC have deadenylation activity in mouse oocytes, NOC may regulate
translation mechanism of maternal mRNA.
94
Proteomic analysis of bovine somatic cell nuclear transfer embryos at 14 days
Takanori Matsui
Applied Genetic Engineering Laboratory
Somatic cell nuclear transfer (SCNT) holds great promise in the area of
agriculture, but is associated with high rate of embryonic and fetal mortality in
different species. The technology, therefore, remains very inefficient and
technologically demanding. Thus, embryos cloned from bovine early G1 cells
(eG1-NT embryos) achieved full-term development more frequently than embryos
cloned from quiescent cells (G0-NT embryos, Kasinathan et al., 2001; Urakawa et
al., 2004) were reported, although the reason is unclear. To understand why
eG1-NT embryos develop more successfully than G0-NT embryos, we compared
the global protein expression profiles in embryos derived from eG1- and G0-NT
blastocysts. In this study, we analyzed trophectoderms (TEs) of NT embryos
because many placental defects have been reported in the cloning of cattle. TEs
were obtained from NT blastocysts that were transferred to recipient cows and
recovered on day 14. Proteins from the TEs were separated within a pI range of
4.0-7.0, quantified by 2-DE, and identified by peptide-mass fingerprinting.
Parthenogenetic (Pg) and IVF embryos were used as controls. The statistical
comparisons were done with Fisher’s PLSD test following ANOVA.
We identified three proteins that were differently expressed when comparing
eG1-NT and IVF embryos with G0-NT and Pg embryos. Heat shock 70 kDa
protein 5 (Hsp70) and Cytokeratin 8 (CK8) were up-regulated (1.97-fold and
1.36-fold) and Cytokeratin 19 (CK19) was down-regulated (0.7-fold) in eG1-NT
and IVF embryos. Hsp70 was related to the myopathy of diaphragmatic muscles
(Sugimoto et al., 2003) and CK8 (and/or) CK19 were essential for the development
of mouse placentas (Jaquemar et al., 2003). These facts coincide the abnormalities
reported with cloned animals. We speculate that these proteins are associated
with the developmental capacity of bovine NT embryos.
This study was supported by Wakayama Prefecture Collaboration of Regional
Entities for the Advancement of Technological Excellence of JST.
95
Potential Sources of Microbial Contamination of Japanese Apricot Fruit during
Development and Harvest
Yukari Murakami
Produce Quality and Safety Laboratory
Potential sources of microbial contamination of Japanese apricot (Prunus mume
Siebold & Zucc. cv. Nanko) were investigated during fruit development and
harvest. Fruit samples were picked at stone formation stage (April), stone
hardening stage (May), and harvesting stage (June), and orchard environmental
samples were collected each month from April to June. Measurements of
microbial counts (mesophilic aerobic bacteria, coliform groups, fungi) were based
on a direct plating technique or replicated organism direct agar contact method.
The sequencing analysis of the 16S rDNA for bacteria and D2 LSU rDNA for fungi
using MicroSeq Analysis Software v.2.0 with MicroSeq 16S rDNA Bacterial
Identification and MicroSeq D2 LSU rDNA Fungal Identification, respectively.
Microbial counts in the fruit at stone formation and hardening stages were
below the detection limit. Bacteria and molds isolated from fruit at these stages
were soilborne bacteria and phytopathogenic molds, which were found in soil and
agricultural water. The agricultural water was one of the most important
potential sources during production season, because verotoxin-producing
Escherichia coli based on the LAMP assay was detected in agricultural water and
weeds after irrigation in April. No Salmonella was detected from any of the
samples. At fruit harvesting stage, only counts of fungi in the peel were above the
detection limit, and a wide variety of bacterial flora and mold flora was found in
the peel. The microflora in the peel comprised bacteria and molds living in
plant-soil environment, which were often found in soil, agricultural water, screen
on the ground for harvest of naturally fallen fruits, harvest bag and container, and
gloves. These results indicate that monitoring and management on-farm should
focus on agricultural water, soil, and harvest equipment as important control
points to reduce microbial contamination on Japanese apricot.
96
Beneficial Effects of Electrical Cell Fusion for Rabbit Somatic Cell Nuclear
Transfer
Takayuki Yamochi
Developmental Genetic Engineering Laboratory
We are trying the produce clone offspring of intra-species rabbit and inter genus
Amami rabbit. But in rabbits, somatic cell nuclear transfer (SCNT) efficiency is
still low.
In this study, to determine the better rabbit SCNT method, we
compared the electrical cell fusion method and direct nuclear injection method.
The metaphase Ⅱ oocytes and nuclear donor cumulus cells used for nuclear
transfer were collected at 14 h post-hCG injection. The reconstructed embryos
were produced by fusing or injecting cumulus cells with enucleated oocyte
cytoplasts before activation by electrical stimulation, and 6-Dimethylaminopurine
(6-DMAP) and cytochalasin B (CB) treatment. They were cultured in CMRL-1066
medium containing 20% fetal bovine serum. The electrically fused or injected
embryos were evaluated by the three qualities that were developmental capacity,
cleavage timing, and cell number of blastocyst stage. The electrical fused or
injected embryos were observed for development every 24 hours until day 5. At
day 5, the embryos reached to blastocyst stage were stained by Hoechst 33342,
and counted cell number by using microscope under the ultraviolet light
irradiation. When compared the developmental capacity of the embryos
reconstructed by electrical cell fusion or direct nuclear injection, the electrically
fused embryos showed significantly higher rate than the injected embryos at the
blastocyst development (60% VS 20%). Also at the cleavage timing, the
electrically fused embryos developed faster than the injected embryos. Most of the
electrically fused embryos developed to blastocyst stage at day4, but the injected
embryos developed to blastocyst stage at day5. In counting the cell number of
blastocyst stage at the day5, the cell number of electrically fused embryos was
more than that of the injected embryos (average 350 VS 150). These results
demonstrate the beneficial effect of electrically cell fusion method for the
preimplantation development of rabbit SCNT embryos.
97
Analysis of Degraded Maternal Proteins by Ubiquitin-Proteasome Pathway in
Mouse Preimplantation Embryo
Lee Hyang-Heun
Developmental Genetic Engineering Laboratory
Development of mammalian embryos starts with fertilization. After fertilization,
the developmental program is controlled by maternally inherited transcripts and
proteins. In the mouse, the transition from maternal to embryonic control occurs
during the late 1-cell and early 2-cell stages, and is an essential event during
early development termed ‘zygotic gene activation (ZGA)’. Intracellular
proteolysis occurs in the lysosomal pathway and nonlysosomal ATP-dependent
pathway (ubiquitin proteasomal pathway; UPP). UPP degrades most cell proteins
(Stitzel M.L. et al., 2007). The degradation of maternal proteins is essential for
remodeling the oocyte into a totipotent zygote. We studied the degradation of
maternal proteins by UPP and how it is related to totipotency.
We obtained MII oocytes from superovulated mice. After in vitro fertilization,
embryos were cultured with and without proteasome inhibitor (MG-132) to
confirm development and ubiquitinated proteins in embryos. Oocytes and
embryos were collected in a time course (7, 12, 17, 24, 30, and 36hpi).
Immunoprecipitation was performed by using anti-Ubiquitin antibody. Then,
western blotting was performed using anti-maternal protein antibodies.
In MG-132 treated groups, embryo development was stopped and ubiquitinated
proteins accumulated in embryos. These results suggest that maternal proteins
are degradated by UPP in the early stages of mouse preimplantation development.
Further study will be needed to determine the degradation of selected maternal
proteins by UPP.
98
口頭発表 博士前期課程
要旨集
99
100
Microarray analysis of the genes expressed upon exposure to formaldehyde in
Arabidopsis
Shigeru Kubo
Cell Engineering Laboratory
Formaldehyde (HCHO) is one of the main indoor air pollutants causing sick
building syndrome. Our ultimate goal is to develop ornamental plants whose
capacity of absorbing and detoxifying HCHO is enhanced by genetic engineering.
Since the toxic mechanism of HCHO in plants is not known, we investigated here
the effects of HCHO on gene expression in Arabidopsis using a newly constructed
chamber in which HCHO concentration and humidity can be held constant. 7-8
weeks-old plants after sowing were exposed to HCHO at either low (1-1.5 ppm) or
high (14.5 ppm) concentrations at 50% humidity at 24oC for 2.5 hrs. Total RNA
was prepared from rosette leaves and subjected to microarray analysis. At low
HCHO, the number of genes whose expression levels increased >2-fold and
decreased <1/2 were 328 and 493 respectively. At high HCHO, the respective
numbers were 1248 and 1278. Among them the number of genes whose expression
level increased >10-fold and decreased <1/10 at low HCHO were 1 and 5,
respectively. At high HCHO, the respective numbers were 64 and 8. Genes
identified were related to abiotic stress response, hormone metabolism, and
transcription regulation. Thus it was revealed for the first time that plants
showed strong responses to HCHO in the gene expression profile, though no
apparent visible symptom could be seen after HCHO exposure.
101
Alteration of Substrate Specificity by Mutation at the Met98 and Arg309 Position of
Bovine MRP1(ABCC1)
Masao Yasumi
Biochemical Engineering Laboratory
Multidrug resistance protein 1 (MRP1), a member of the ATP binding cassette
(ABC) family of membrane transport protein, functions as an energy dependent
efflux pump that extrudes many kinds of xenobiotics out of a cell. It has been
suggested that MRP1 cloned from bovine apparently differs from human MRP1 in
substrate specificity, despite a high degree of similarity in amino acid sequence.
Some of non-conserved amino acids between two orthologs might be important in
deciding the substrate specificity of MRP1. In this work, we focused on the Met98
and Arg309 position of bovine MRP1. The amino acid residue in human MRP1
corresponding to the Met98 of bovine MRP1 is Arg98, and that corresponding to the
Arg309 of bovine is Trp309. Thus, we changed Met98 and Arg309 in bovine MRP1 by
Arg and Trp, respectively, and the drug-resistance profiles of KB3-1 cells stably
expressing the mutants were examined. The resistance to doxorubicin of both
mutants remarkably increased, suggesting that these amino acids would play
important roles in the recognition and/or transport of substrates, especially
doxorubicin, by MRP1.
TMD0
TMD1
TMD2
NH2
extra cellular
Intra cellular
NB
L0
NBD
COOH
Schematic representation of the putative structure of MRP1(ABCC1)
102
Expression Analysis of the Gonad Specific Expression Gene, GSE, in Mouse Fetus
and Immature Mouse
Yuki Hatanaka
Developmental Genetic Engineering Laboratory
Germ cells are the only cells that are possible to communicate to the next
generation and are reported to have totipotency. Therefore these cells have
germ-cell specific mechanism such as epigenetic regulation and signal
transduction. Recently, it has been reported that the germ cells specific expression
genes are identified with the important factors of the mechanism. However the
in-depth mechanism is little known. We have identified the gonad specific
expression gene (GSE) in adult mouse (Zhang M et al., 2002; Mizuno S et al.,
2006). However it is not clear whether GSE expresses in fetus primordial germ
cells and germ cells or not. In this study, to investigate whether GSE expression
relates in germ cell formation or not, we examined the expression of GSE during
germ cells formation, from embryonic day 4.5 to 2 weeks. To investigate the
expression in mouse embryo, fetus and immature mouse, I performed mRNA and
protein extraction. And then, I performed RT-PCR and Western blot analysis in
GSE. The results indicated that GSE expresses from E7.5 in mouse fetus and also
indicated that GSE expresses from E12.5 in fetus and immature mouse ovary and
testis. The data suggested that GSE relates with germ cells formation.
103
Effect of ABC transporter Bcrp1 on maintenance of undifferentiation status in
mouse embryonic stem cells
Hiroko Kawamura
Developmental Genetic Engineering Laboratory
In recent years, stem cells have become very valuable in medical sphere and are
expected for practical use in the medical treatments. Therefore, study of stem
cells is widely carried out all over the world. However, any techniques to identify
and purely isolate certain stem cells have not been established yet, and
applications of stem cells are still impractical. Until now, many characteristics of
stem cells have been reported. One of the characteristics is SP (Side-Population)
phenotype. Stem cells from various organs can be identified as the side population
cells based on the efflux of Hoechst 33342 by using flow cytometry. As the
molecule involved in the SP phenotype, breast cancer resistance protein 1 (Bcrp1) ,
a member of ABC transporter family, has been identified. Interestingly, mouse
Bcrp1 mRNA has three untranslated leader exons (termed Exon1A, Exon1B and
Exon1C) and the differential expression of Bcrp1 mRNA isoforms is alternatively
regulated in the stem cells and somatic cells. Mouse embryonic stem cells are
considered to be ‘stem cells ’, but they actually consist both of SP and non-SP cell
populations. In this study, I investigated effect of ABC transporter Bcrp1 on
maintenance of undifferentiation status in mouse ES cells with Bcrp1 over
expression mouse ES cells.
104
Reconstitution of Seminiferous Tubules by Xenoectopic Transplantation of
Juvenile Bovine Testicular Cells
Ko-shiro Moriki
Developmental Genetic Engineering Laboratory
Spermatogenesis requires the organized structure in which somatic cells and
germ cells are controlled to produce differentiated spermatozoa. Germ cell
transplantation into the seminiferous tubules provides the model system to
induce spermatogenesis, but this system is restricted to rodents because of the
testicular environment. Different testicular environment between species is not
clear. Recently, it has been reported that xenoectopic transplantation of testicular
cells to reconstitute functional seminiferous tubules including germ cells in
rodents and pig. This study is aimed to induce regeneration of testicular structure
and spermatogenesis by xenoectopic transplantation in bovine. Testicular cells of
neonatal, 3- to 5-mo. bovine or of their mixture and of 7-days mice were
dissociated into single cells in Matrigel Matrix (BD Bioscience) and ectopically
transplanted under the skin of immunodeficient mice. Histological analysis
showed that all of samples regenerated seminiferous tubule-like structure after
10 weeks of transplantation. Immunohistochemical analysis detected the survival
of germ cells expressing VASA protein, however localization of VASA-position
bovine cells was not restricted to the tubules as is the case of mice. These results
indicate that xenoectopic transplantation of testicular cells makes possible to
regenerate environment and further investigation for spermatogenesis is required
to harness the possibilities for non-rodent species. Moreover we must make an
improvement transplantation system to induce spermatogenesis used bovine
testicular cells.
105
The Effects of Treatment with FGF4 on Mouse Somatic Nuclear Transfer
Embryos
Masahiro Morita
Developmental Genetic Engineering Laboratory
Most somatic nuclear transfer (SCNT) embryos die during pre- and
peri-implantation period. In the blastocyst stage, Oct4 is specifically expressed in
inner cell mass (ICM), however Oct4 expression pattern is often abnormal in the
SCNT embryos. In addition, FGFR2 is specifically expressed in trophectoderm
(TE) and is essential for implantation, however FGFR2 significantly decreases
compared to in vitro fertilized (IVF) embryos. Therefore, it is likely that
abnormality of differentiation that is controlled in development of
pre-implantation in SCNT embryos leads to rapid decrease of subsequent
developmental ability. Then we investigated the effects of treatment with FGF4
on development of SCNT embryos. SCNT is performed as well as the Honolulu
method that was developed by Wakayama et al. Cumulus cells are used as donor
cells. Timing to start adding FGF4 is decided by FGFR2 expression time about
54h after cell injection. In the cases of FGF4 concentration at 25ng/mL and
50ng/mL with treating time of 6 hours from the 4 and 8-cell stages, SCNT
embryos significantly promoted the development (of SCNT embryos) to morula
and blastocyst stage(P<0.05). Furthermore, after the transplantation of SCNT
embryo treated with the concentration of FGF4 at 50ng/mL and the treating time
of 6 hours to recipient mouse, a cloned mouse was successfully produced.
Therefore, FGF4 affects the development of SCNT embryos to the morula stage.
106
Expression of Linoleate Isomerase Gene (PAISOM) from Propionibacterium Acnes
in Bovine Transgenic Embryos Cloned from Transfected Somatic Cells
Tatsuya Nakano
Applied Genetic Engineering Laboratory
The specific conjugated linoleic acid (CLA) has preventive effects on
lifestyle-related diseases such as anti-carcinogenesis and anti-obesity. It has been
reported so far that CLA is accumulated in rice by introducing linoleate isomerase
gene (PAISOM) that synthesizes CLA into the rice plant (Kohno-Murase et al.,
2006). It was thought that domestic animal for healthier meat can be produced, if
PAISOM was introduced into the domestic animal and CLA was accumulated in
meat
and
milk.
The
mammal
cell
expression
vector
r
(pCAG/PAISOM/IRES/EGFP/SV40(neo )) to connect PAISOM with the
downstream of the CAG promoter was constructed, and this vector was introduced
into the bovine muscle satellite cell. The gene expression and the lipid
accumulation by differentiation into the fat cell were confirmed. The development
to the blastocyst of the cloned embryo was examined, and the gene expression was
confirmed
by
EGFP
fluorescence
and
RT-PCR
method.
pCAG/PAISOM/IRES/EGFP/SV40(neor) was constructed, and the bovine muscle
satellite cell that introduced this vector was obtained. The gene expression and
the potential to differentiate into fat cell were confirmed. It was shown that the
cloned embryo with the transgenic cell developed as well as the cloned embryo
with non-transgenic cell, and the gene expression was confirmed. The effects of
the lifestyle-related disease prevention in the carcinogenesis control and the
anti-obesity are reported to the specific conjugated linoleic acid
107
Production of Bovine Chimeric Embryos with Somatic Cell Nuclear Transfer
Embryo
Chiaki Takahashi
Applied Genetic Engineering Laboratory
While many cloned animals have been produced, the efficiency has been very
low(Han et al.,2003). The low efficiency appears to be related to the formation of
abnormal placenta in Somatic Cell Nuclear Transfer Embryo(SCNT)(Dinnyes et
al., 2008). It has been reported that aggregating SCNT embryos with in vitro
fertilized(IVF) embryos or SCNT embryos improved developmental rate into
offsprings or blastocysts (Yang et al., 2007; Boiani et al., 2002). In this study, we
produced chimeric embryos by aggregating SCNT embryo with IVF embryo to
produce cloned animals effectively. The contribution of blastomeres derived from
SCNT embryos in chimeric embryos is shown. SCNT embryos were produced with
transfected fibroblasts(p -act/luc+/IRES/EGFP). 12 hours(h) later, IVF embryos
were produced. The blastomeres of 16-cell stage SCNT embryos with luciferase
activity were injected into zona pellucida of IVF embryos at 84h post activation.
The aggregates were cultured for 4 days after aggregation(8 days after producing
SCNT embryos). Then the developmental rate and the rate of producing chimeric
embryos were examined. The rate of blastocysts formation of aggregates was 53%.
Then I observed luciferase luminescence in the blastocysts. All of them exhibited
luminescence, so they were chimeric embryos. The aggregates exhibited luciferace
luminescence in both the inner cell mass and trophectoderm. Consequently, the
blastomeres from SCNT embryos contributed to whole aggregates.
108
Derivation of Germ Cells from Cynomolgus Monkey ES Cells
Naoto Fukunaga
Developmental Genetic Engineering Laboratory
Germ cells are the only cell lines that can form haploid cells and inherit genetic
information to next generations. The characteristics are different from other
somatic cell lineage. In recent years, various studies on derivation of germ cells
from embryonic stem cells(ESCs) have been reported with the advances in
understanding mechanisms about germ cell formation in vivo. Successful
derivation of germ cells with the ability for fertilization or oocyte-like structure
has been reported, yet there were serious problems, namely low efficiency and
repeatability. In this report, we examined the derivation of germ cells from
cynomolgus monkey ESCs. Cynomolgus monkey is often used as preclinical model
for humans and its ESCs have characteristics similar to human ESCs. They are
considered to be the useful tools for studying human mechanisms and
phenomenon in vivo. We used modified 2D culture system for the derivation of
germ cells. The 2D culture systems were successful with high efficiency and
derivation of homogeneous cell population from human embryonic stem cells to
germ-like cells(Frankline et al.,2009). For this study, we used feeder-less and
serum-free conditions in these culture systems, which could be useful models for
understanding the mechanism of primate germ cell formation including humans.
Derivation of Germ cells from cynomolgus ES cells
blastocyst
in vivo
Epiblast
haploid gamete
PGC
in vitro
ICM
ES
This report
Teramura et al.,2007
EB
109
The Addition of Cysteamine in in-vitro Maturation Medium Improves the
Developmental Capacity of Rabbit Oocytes
Yuki Miyamoto
Developmental Genetic Engineering Laboratory
So far, much research has been conducted on in vitro maturation(IVM)
focusing on large domestic animals. However, because of the insufficient
cytoplasmic maturation, the in vitro maturation (IVM) oocytes have poor
developmental ability. Cysteamine increases the intracytoplasmic glutathione
(GSH) level that is one of the indicators of cytoplasmic maturation because GSH is
involved the male pronucleus formation and improves the embryo developmental
rates. This study was carried out to improve the developmental capacity of rabbit
IVM oocytes by addition of cysteamine in IVM medium. Cumulus-oocyte
complexes (COCs) were collected from fertile female rabbits and matured in IVM
medium supplemented with 0, 50, 100, or 200 μM of cysteamine for 14 hours.
After that, cumulus cells were removed and the denuded oocytes (IVM oocytes)
were used to perform intracytoplasmic sperm injection (ICSI) with ejaculated
sperms. The developmental rate to the blastocyst stage was higher in 200μM of
cysteamine addition (17.6%) than the others (0μM: 0%, 50μM: 0%, 100μM: 5.9%).
This result suggests that male pronucleus was formed smoothly in the cause of
increased GSH. The timing of male pronucleus formation is important for
embryonic development. Therefore, cysteamine stimulates GSH synthesis, which
in turn the developmental rate of rabbit IVM oocytes are enhanced.
110
The Signaling Pathway Involved in the Rabbit Embryonic Stem Cell Pluripotency
Syunsuke Ito
Developmental Genetic Engineering Laboratory
One key issue of the ESC research is the mechanism of self-renewal and
pluripotency. The research into the molecular basis of self-renewal has been
carried out extensively in mice and humans. Though several core molecular
features have been shown to be conserved between human (hESCs) and mouse
ESCs (mESCs), such as the importance of embryonic stem cell-specific gene
expressions (e.g.,Oct3/4, Sox2, Nanog) that regulate transcription factors
involving pluripotency[6-10], but the molecular mechanisms governing the
maintenance of undifferentiated states are markedly different. Identifying
signaling pathways associated with undifferentiated states in ESC leads to an
understanding of mammalian development. However, the signaling pathways
controlling pluripotency have been identified in only a very limited number of
species from which ESCs have been derived. Rabbits are physiologically closer to
humans and physiological manipulation in them is more easily done than in
rodents. Rabbit ESCs (rbESCs) have been derived by several groups. However,
results are different in each group and the signaling pathways involved in the
maintenance of undifferentiated pluripotent state are unidentified. Here we
demonstrate that rbESCs have the capacity of self-renewal, maintaining the
undifferentiated states in culture, and can differentiate into all embryonic germ
layers. Furthermore, we also show that rbESC undifferentiated states are
regulated through FGF and Activin/Nodal signaling pathways.
111
Oocyte Activation in Mice Using Strontium with a Chelator
Yoshiko Tsujimoto
Developmental Genetic Engineering Laboratory
Artificial oocyte activation methods are essential for the current reproductive
technology such as somatic cell nuclear transfer (SCNT) and round spermatid
injection (ROSI). In mice, Sr2+-induced oocyte activation is widely used for SCNT.
However, efficient Sr2+-induced activation requires Ca2+-free media. Recently we
demonstrated
that
addition
of
2
mM
ethyleneglycol-bis(2-aminoethylether)-N,N,N’,N’-tetraacetic acid (EGTA), a calcium-selective
chelator, allows oocytes to be efficiently activated by strontium even in the
Ca2+-containing media which support full-term development after SCNT
(Kishigami et al., 2007). First, in this study, using this chelating activation
method, we compared activation rates of ICR-derived oocytes in a variety of
commonly used media (mCZB, mKSOM, M16, Whitten, and TYH). We confirmed
successful oocyte activation in all these media but found different oocyte
activation rates. Second, we also investigated whether another calcium-selective
chelator, BAPTA (1,2-bis(2-aminophenoxy)ethane-N,N,N’,N’-tetraacetic acid
Tetrasodium salt), can be used for oocyte activation instead of EGTA. BAPTA has
a similar Kd for calcium to EGTA but the faster calcium-binding kinetics of
BAPTA. We also found activated B6D2F1 oocytes with BAPTA normally developed
into blastocysts with a lower developmental rate than ones with EGTA. These
results may suggest other calcium-selective chelators can be used for artificial
oocyte activation and provide another choice for chelators.
112
マウス体細胞核移植由来卵子におけるクロマチンリモデリング複合体、
SWR1 複合体の構成因子の発現
西山 有依
発生工学研究室
【目的】近年,細胞核を構成するタンパク質が細胞核やクロマチンの機能構造を動的に制御し,
遺伝子発現制御の構造基盤を形成する可能性が示されている。その中でも,アクチン関連タンパ
ク質(actin-related protein : Arp)は,クロマチンの機能構造やダイナミクスに関与するクロマ
チンリモデリング複合体に広く含まれていることが知られている。一方、体細胞核移植(SCNT)
において,体細胞核のリプログラミングの異常が胎児の形成に影響していることが示唆されてお
り、体細胞核移植由来卵子(SCNT 卵子)におけるエピジェネティクス制御の詳細な分子基盤はい
まだ十分に解明されていない。そこで本研究では,SCNT 卵子における細胞核の機能構造やクロマ
チンリモデリング複合体の状態を明らかにすることを目的に、受精卵および SCNT 卵子において,
クロマチンリモデリング複合体の 1 つである SWR1 複合体に着目し,その構成因子である Arp6,
Arp4 および SWR1 の局在について免疫組織化学的解析を行った。
【方法】体細胞核移植は Wakayama らの方法に従い行った。レシピエント卵子は B6D2F1 マウスよ
り,ドナー細胞に用いた卵丘細胞は B6C3F1 マウスより回収した。体外受精は Toyoda らの方法に
従い,B6C3F1 マウスを用いて行った。卵子の免疫組織化学染色は,受精卵は媒精後,SCNT 卵子は
細胞注入後,5,7,9 時間にて行った。本実験は近畿大学動物実験規定に準じて行った。
【結果・考察】Arp6 は,受精卵,SCNT 卵子ともに核全体でドット状の局在が見られ,特に受精卵
の雄性前核に強い局在がみられた。Arp4 は,受精卵と SCNT 卵子いずれも核全体に分布し,特に
核小体辺縁部でやや多く局在する傾向がみられた。SWR1 は,特に受精卵の雄性前核の核小体辺縁
部で強く均一な分布がみられたが,
SCNT 卵子では核小体辺縁部での局在が少なく不均一であった。
また DAPI による染色から,受精卵に比べ SCNT 卵子では核小体辺縁部でのヘテロクロマチン構造
が不均一であることが示された。これらの結果から,細胞核の機能構造やクロマチンリモデリン
グ複合体の形成異常が,
SCNT 卵子での核のリプログラミングに影響している可能性が示唆された。
113
胚体外組織由来の細胞を用いた胚性幹細胞の分化誘導
松原 圭吾
発生工学研究室
多分化能と高い自己複製能を有する胚性幹細胞(Embryonic stem cells; ES 細胞)が樹立された。
このような ES 細胞の特徴から再生医療への応用が期待され、特定の細胞への分化誘導が盛んに行
われている。しかしながら特定の細胞への分化誘導は難しく、この問題を解決する一つの方法と
して共培養法が研究されている。これまでに共培養法を用いて特定の細胞への分化誘導の高効率
化や、分化誘導することが難しかった細胞への分化誘導が報告されている。
1998 年には、マウスにおいて栄養膜細胞系譜の幹細胞として栄養膜幹細胞(Trophoblast stem
cells; TS 細胞)が樹立された。TS 細胞は ES 細胞同様に高い自己複製能を有しており、また FGF4
およびマウス胎児性線維芽細胞の存在下で未分化状態を維持している。このような因子の非存在
下におかれることで TS 細胞は自発的に主として栄養膜巨大細胞へと分化することが報告されて
いる。TS 細胞が分化能を示す胚体外組織は哺乳類特有の組織であり、胎児の発生において必要不
可欠な組織である。
本研究では、ES 細胞と TS 細胞由来である栄養膜巨大細胞を共培養させることで ES 細胞が特定
の細胞へと分化誘導できるか検討をおこなった。本実験において TS 細胞を 9 日間自発的分化させ、
得られた分化細胞(主として栄養膜巨大細胞)と ES 細胞の共培養を行った結果、細胞塊が形成さ
れ、共培養 6 日目前後で浮遊することが明らかとなった。また今回用いた TS 細胞に導入されてい
る GFP の発現確認を行うことで、得られた細胞塊は ES 細胞由来であることを示した。現在、得ら
れた細胞塊がどの細胞系譜へと分化しているか検討中である。
114
招請講演
哺乳類の生殖細胞ゲノムに刻まれた生殖戦略
東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科
河野
教授
友宏
研究講演
極短パルスレーザーを用いた細胞操作と分析
近畿大学大学院生物理工学研究科生物工学専攻
梶山
慎一郎
115
准教授
116
招請講演
哺乳類の生殖細胞ゲノムに刻まれた生殖戦略
東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科
河野友宏
117
教授
118
哺乳類の生殖細胞ゲノムに刻まれた生殖戦略
東京農業大学応用生物科学部
河野友宏
私は農学分野で家畜・家禽繁殖学を学び、卵子とクローン研究を介して本来の意味さえ良く理解しないま
まゲノムインプリンティング(遺伝子刷り込み)の世界に迷い込み、今日に至っています。20 年前、一般
的にゲノムインプリンティングの認知度は可成り低いものでした。しかし、1980 年代の Azim Surani や
Davor Solter らの核移植研究には不可思議な魅力を感じたことを覚えています。まさに新しい研究領域の
展開を予感させるものでした。このセミナーでは、生殖工学の立場から、ゲノムインプリンティングと個
体発生の関係を紹介し、あらためて生殖細胞の魅力に迫りたいと思います。
<トピックス>
1.胚操作技術の発展と生命科学への貢献
1984 年にセンダイウイルスを用いた核移植技術が開発されたことにより、哺乳類における再現性
の高い核移植験が初めて可能になりました 1)。卵細胞を破壊することなくドナー細胞核を導入す
るには、細胞融合が不可欠でした。核移植技術開発の変遷とその有用性を再確認したいと思いま
す。
2.雌雄生殖細胞ゲノムの機能差
生殖細胞は実に不思議な細胞です。顕微鏡下の光り輝く生命力に溢れた卵子には、いつもうっと
りです。さて、言うまでもなく、生殖細胞の特性は半数体であることと、受精して全能性をもつ
胚になることです。幹細胞研究が大きく発展した昨今ですが、生殖細胞を再生することへの道は
開かれていません。雌雄生殖細胞ゲノムの機能差とは何か、メチル化インプリントを事例に再検
証しながら 2)、次世代が誕生するゲノムに刻まれた背景を考えたいと思います。
3.二母性マウス誕生の軌跡
なぜ、哺乳動物では単為発生により個体が誕生しないのか?この命題はゲノムインプリンティン
グ研究の原点です。雌ゲノムのみから誕生する二母性マウスとは、どのようにして誕生したのか
紹介します 3-5)。また、その特性を体細胞クローンマウスと比較して検証します。
限られた時間ですが、生殖細胞機能および個体発生におけるエピジェネティクスの意味を一緒
に探りましょう。
参考文献
1) Surani A. et al., Nature 308: 548-550, 1984.
2) Hiura H. et al., Genes to Cells 11: 353-361, 2006.
3) Kono, T., et al., Nature genetics 13: 91-94, 1996.
4) Kono T, et al., Nature 428: 860-863, 2004.
5) Kawahara M, et al., Nat Biotechnol 25:1045-1050, 2007.
119
ご略歴
氏名
:河
野
友
生年月日
:昭和 28 年 6 月 6 日
所属・役職:東京農業大学
宏(こうのともひろ)
(東京)56 才
応用生物科学部
教授
学歴・職歴:
昭和 51 年 3 月
東京農業大学農学部卒業
昭和 57 年 3 月
東京農業大学大学院農学研究科
博士後期課程修了(農学博士取得)
昭和 57 年 10 月〜 昭和 63 年 3 月 東京農業大学総合研究所助手
昭和 63 年 4 月〜平成 4 年 9 月 東京農業大学総合研究所講師
平成 4 年 10 月〜平成 8 年 9 月 東京農業大学農学部助教授
平成 5 年 10 月〜平成 6 年 8 月 英国 MRC 実験発生学・奇形学研究所客員研究員
平成 8 年 10 月〜平成 13 年 3 月 東京農業大学農学部教授
平成 13 年 4 月〜現在に至る
東京農業大学応用生物科学部教授
120
研究講演
極短パルスレーザーを用いた細胞操作と分析
近畿大学大学院生物理工学研究科生物工学専攻
梶山 慎一郎
121
准教授
122
極短パルスレーザーを用いた細胞操作と分析
(Cell manipulation and analysis using ultra short pulse laser)
近畿大学大学院
生物工学専攻
梶山慎一郎
今世紀に入り、ヒトやイネをはじめとする高等生物の全ゲノム配列が次第に解読されてき
ており、遺伝子の機能を読み解くステージへと入ってきた。
いわゆる、ポストゲノムサイ
エンスの幕開けである。ところで、遺伝子の情報はすべての細胞で同じであるが、遺伝情報
の転写・翻訳・機能発現の様態、すなわち、細胞代謝の様態は、器官・組織もっと言えば個々
の細胞ごと異なる。
従って、未知遺伝子の機能を把握するためには、位置的あるいは時間
的に限られた個々の細胞レベルでの情報取得が不可欠ということになる。従来遺伝子機能の
解明には、ミュータントライブラリーやタグラインが使用されてきた。しかしながら、これ
らの方法では、形状変化や刺激に対する応答など、目に見える形でフェノタイプが出現する
場合は問題ないが、代謝産物の量的あるいは質的変化など、一見してそのフェノタイプが明
らかでない場合、細胞特異的な代謝産物の分析と、これを基にしたフェノタイピングが遺伝
子の機能解明にとって重要になってくる。今後ポストゲノム関連研究が盛んになるにつれ、
細胞レベルでの代謝産物の動態分析は益々重要になってくるであろう。すなわち、従来、個
体や組織、あるいは器官を対象に行われてきた遺伝子発現解析研究の解像度を上げ、細胞レ
ベルでの解析を行うことが、遺伝子の機能の解明にとって不可欠になると考えられるのであ
る。
一方近年、レーザーテクノロジーの進歩により、フェムト秒レーザーなどの超短パルスレーザ
ーが、比較的容易に利用できるようになり、多光子吸収による非線形加工が行えるようになって
来た。フェムト秒レーザーでは、透過性の高い 800-1000nm の長波長領域のパルスレーザーを用
いるが、平均パワーはごく小さいく、ピークパワーが非常に大きいため、集光点付近の極限られ
た範囲においてのみ多光子吸収が起こりアブレーションを生じさせることが可能である。この性
質は、生体サンプルなどに適用した場合、周辺への熱の影響を避けつつ、深部の加工や観察がで
きる点で生体サンプルへ応用すえるに当たり、好適であると考えられる。我々は、これまで、フ
ェムト秒レーザー光やエキシマレーザーを利用し、生細胞を対象とした単離、刺激、捕捉、注入
等の操作が行える細胞操作方法を検討してきた。また、近年、フェムト秒レーザーを用いた電子
共鳴準位の 2 光子励起と誘導放出による 4 光波混合過程を利用し、生細胞内容物の低侵襲 3 次元
解析に取り組んでいる。今回の講演では、演者らの開発してきたこれらの機器とそれを用いた,
細胞代謝研究について述べる。
123
ご略歴
氏
名
:梶山慎一郎(かじやま
生年月日
:昭和 40 年 5 月 8 日
専門分野
:細胞工学
学
:博士(工学)
位
年齢 44 歳
生物有機化学
所属・役職:近畿大学生物理工学部
部外役職
しんいちろう)
生物工学科
生物機能物質工学講座
:大阪大学大学院工学研究科・生命先端工学専攻
大阪教育大学
准教授
招聘准教授
非常勤講師
Journal of bioscience and bioengineering 編集委員
天然物談話会
世話人
学歴・職歴:
1991 年
4月
京都大学大学院
農学研究科 食品工学専攻
1991 年 12 月
岡山大学農学部
助手
1995 年
9月
大阪大学工学部
応用生物工学科助手
1998 年
4月
大阪大学大学院
工学研究科
応用生物工学科助手
2006 年
1月
大阪大学大学院
工学研究科
生命先端工学
2008 年
4月
近畿大学生物理工学部
2008 年
9月
大阪大学大学院
生物工学科
工学研究科
博士後期課程
客員助教授
准教授
生命先端工学
招聘准教授
研究開発経歴:
平成 2 年~ 4 年
発ガンプロモーター・teleocidine 類の生合成研究
平成
陸生ラン藻 Nostoc sp. の産生する生理活性物質の単離と構造解析
5 年~11 年
平成 11 年~16 年
紫外線パルスレーザーを用いた新規植物形質転換系の開発
平成 15 年~
a
レーザーを用いた1細胞代謝産物解析
平成 20 年~
a
非食用バイオ燃料生産植物の代謝解析と低毒性品種作出に資する基礎
研究
受賞歴:生物工学会論文賞(共著 2001)
出身 :佐賀県伊万里市
高校 :長崎県
私立青雲学園高等学校
趣味 :お酒,料理
124
125
大学院
近畿大学
生物理工学研究科
〒649-6493 和歌山県紀の川市西三谷 930
Phone: (0736)77-3888
http://www.waka.kindai.ac.jp
126
資料 3.6
海外研究インターンシップ報告
平成 21 年海外研究インターンシップ報告書
研修者:岩本 太作
所属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年 応用遺伝子工学研究室
インターンシップ先:King Saud University, Riyadh, Saudi Arabia
インターンシップ期間:平成 21 年 12 月 5 日~平成 22 年 1 月 14 日
指導教員:Ahmed Al-Himaidi Ph.D.
平成 21 年 12 月 5 日から平成 22 年 1 月 14 日までの間、サウジアラビア王国にあるキングサウ
ド大学の Ahmed Al-Himaidi 先生の研究室へ海外研究インターンシップで訪問しました。Ahmed
先生の研究室は、哺乳動物の初期胚を扱っているサウジアラビアでは数少ない研究室でした。私
は、この研究室でヒツジ体細胞核移植胚の作製方法を確立することを目的に実験を行いました。
体細胞核移植胚を作製するために必要な体外成熟や培養系がなかったため、まず、それら培養系
の確立から始めました。最初は試薬等がなくなかなかうまくいきませんでしたが、最終的には体
外受精胚を作製し培養したところ、胚盤胞を得ることができました。 残念ながら、核移植胚の作
製には至りませんでしたが、そのために必要な基礎的な部分を確立することができました。イン
ターンシップの期間に大学から数十キロ離れた King Khalid Wildlife Research Centre に訪問す
る機会がありました。ここでは、サウジアラビアに生息しているガゼルなどの絶滅危惧種の保護
活動を行っていました。将来的に体細胞核移植といった繁殖工学技術によりそれら動物の保全対
策につながればと思いました。
また、イスラム圏での生活は初めてのことで、あまりサウジアラビアに関する情報がないため
不安でした。文化や習慣が日本とは異なることが多く、戸惑うこともありましたが、治安もよく、
生活に慣れると特に問題ありませんでした。日本に興味のある学部生と交流する機会があり、日
本の文化などよく知っていてなかには独学で日本語を勉強して会話ができる学生もいて驚きまし
た。サウジアラビアのことについて聞くことができて有意義な時間を過ごすことができました。
今回のインターンシップでは、新しい環境で実験系の立ち上げに参加でき、その難しさや成功
した時の喜びを味わうことができた貴重な経験でした。このような経験は今後の研究や生活に活
かしていきたいと思います。 また、サウジアラビアの大学生とも交流をもつことができました。
今後、日本とサウジアラビアとの密接な交流のきっかけになればと思います。最後に、このよう
な貴重な機会を与えてくださった組織的な大学院教育改革推進プログラムならびに近畿大学の先
生方、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。また、インターンシップで私を受け入れてくだ
さった Ahmed 先生ならびにキングサウド大学の皆様にも感謝申し上げます。
127
128
平成 21 年度海外研究インターンシップ報告書
研修者: 野老 美紀子
所属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年 発生遺伝子工学研究室
インターンシップ先: The Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute, University
of Cambridge, Cambridge, UK
インターンシップ期間: 平成 22 年 2 月 28 日~平成 21 年 3 月 21 日
指導教員: John Gurdon, Ph.D.
私は、イギリスのケンブリッジにある Gurdon Institute で、約 3 週間インターンシップをさせ
ていただいた。ケンブリッジは、イギリスのイングランド東部にあるケンブリッジシャーの州都
であり、ケンブリッジ大学の所在地でもあることから大学都市として有名な都市である。私がお
世話になった Gurdon Institute は、ケンブリッジ大学内の研究施設として存在し、ガンや発生生
物学の研究所としては、研究施設および研究業績ともにトップレベルの研究所である。
今回、私は Gurdon Institute の John Gurdon 先生の研究室で、核移植胚における遺伝子発現
のリプログラミングについて、研究のお手伝いをさせていただいた。今まで実験で扱ったことの
ない、アフリカツメガエルでの実験に初めは戸惑ったが、マウスよりも卵子が大きくて見やすく、
とても扱いやすかった。
Gurdon Institute を見学させていただくと、Institute 内には研究グループ内やグループ間の
ミーティングやゼミが行なわれる大きな部屋がたくさんあり、Institute にいる教授や学生が研究
などについて話し合うことができる非常に大きな共通の部屋も設けられていた。そこでは毎年、
各研究グループが研究について、他のグループに説明する発表会も行われているとのことだった。
さらに Institute 全体の印象は、研究所内でまとまりが強く、実験方法が似ているため、実験動物
が異なっても研究室間の意見交換が頻繁であるように感じた。また、研究所内の他研究室の研究
内容をよく把握しており、外部の人にどの研究室の研究でも話せるようで、このことが研究に関
する不正を研究所内で起こさないための予防策にもなっているとのことだった。
インターンシップ期間中は、初めての環境での生活や実験、さらに英語での会話という貴重な
経験をすることができ、将来を考える上でとても有意義な時間であった。特に英語を話すという
ことは、他の人とのコミュニケーションのための手段として、大変重要なことであると痛感させ
られた。
このような貴重な機会を与えてくださった組織的な大学院教育改革推進プログラムならびに、
関係者の方々に感謝いたします。また、インターンシップで、私を受け入れてくださった John
Gurdon 先生ならびに Gurdon Institute の方々に深く感謝いたします。
129
平成 21 年度海外研究インターンシップ報告書
研修者:西川 慧
学年:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程2年 発生遺伝子工学研究室
実施場所:National Institute for Agricultural Research (INRA), France
インターンシップ期間:平成 22 年 2 月 27 日~3 月 20 日
指導教員:Helene Jammes Ph.D
この度、私は組織的な大学院教育改革推進プログラムの一環で、フランス National Institute
for Agricultural Research (INRA)に平成 22 年 2 月 27 日から 3 月 20 日まで約 3 週間、海外イン
ターンシップとして訪問してきました。研修配属先の長である Dr. Renard は、フランス国立農業
研究所の発生生物学および動物繁殖学部門の部長であり、その研究活動はほ乳動物初期胚の体外
培養から世界初の体細胞クローンウサギの作製にいたるまで、小型実験動物から大型家畜までを
材料として多岐にわたっています。近年では特に体細胞クローン動物に係る研究にその主眼が置
かれており、除核未受精卵子の細胞質に移植された細胞核のリプログラムや再構築胚における遺
伝子の発現プロフィールの研究など、分子生物学的な解析手法を用いて体細胞クローン動物の解
析をしており、そこで私は、最先端の研究に携わることができました。また、海外の研究所の研
究室ということもあり、技術習得だけでなく、最先端の研究所で働く研究者の姿を見、とても刺
激をうけました。研究所では多様な国の研究者がいるため英語でのコミュニケーションが主要で
したが、一歩街へと踏み出すと、フランス語が飛び交い、とても日本では経験のできないすばら
しい時間を過ごすことができました。
このような素晴らしい機会を与えてくださった Dr. Jean-Paul Renard 先生を始め、直接ご指導
くださった Dr. Helene Jammes 先生、また近畿大学の先生方及び関係者の皆様に感謝の言葉を申
し上げます。
130
第4章
研修・研究への支援の実施
131
132
4
研修・研究への支援の実施
生物理工学研究科生物工学専攻では、21 世紀 COE プログラム「食資源動物分子工学研究拠点」(平
成 14~18 年度)から、「国際的な最高水準の研究環境で研鑽させるにより、国際社会で活躍することので
きる自立的研究能力と運営管理能力を高める」ことを目指して研究教育を行ってきた。その成果と検証結
果に基づき、本プログラムに、博士後期課程における「研究管理能力開発基礎(講義・実習)」と「海外研
究インターンシップ」の開講を特徴とする「研究者養成コース」を設置した。同時に、国内外の学会での研
究発表や国内企業でのインターンシップを通して最新の情報に触れ、あるいは研究現場を体験させるこ
とを強く押し進めた。これらに必要な経費(旅費、滞在費)を昨年に続き重点的に支援した。その結果、今
年度も複数の学生が学会発表によって学会賞を受け(後述)、かつ、そのことが他の学生に刺激を与えて
相乗的な効果をもたらしている。
4.1 研究旅費支援
プログラム開始時より創設している学術研究活動支援事業により、生物工学専攻全大学院生を対象に、
国内及び国外研究成果発表の支援活動(旅費、滞在費支給)を継続した。また、理論を実践する現場を
経験することでその理解を深めることを目的とする国内企業への短期研修(国内企業インターンシップ、
博士前期課程対象)と、学位論文作成の共同研究を前提として外国人客員教授の海外 10 大学・研究機
関の研究室へ一定期間留学する海外研究インターンシップ(博士後期課程対象)を今年度も実施した。
資料 4.1~4.4 には、これらの制度の利用実績を示した。支給額は、国内発表支援に合計約 200 万円、
海外発表支援に合計約 106 万円などとなっている。支援後は報告書の提出を求め、効果の検証に利用
している。
資料 4.1 国内学会発表支援実績
資料 4.2 海外学会発表支援実績
資料 4.3 国内企業インターンシップ実績
資料 4.4 海外研究インターンシップ実績
4.2 その他の経済的支援
平成 14 年度から、成績優秀な学生に対して COE 大学院学費免除・減免制度(博士前期課程:10 名、
博士後期課程学生:10 名)を適用してきた。また、顕著な成果をあげつつあると認められる博士後期課程
学生(5 名)に対して、月額 10 万円の奨学金を支給してきた(COE 大学院奨学金制度)。TA(69 名)の採
用など大学独自の制度に加えて、本教育プログラムでは、RA(10 名)を採用して経済的支援とモチベー
ションの向上を図った。
4.3 研修・研究の支援の成果
上述の種々の経済的支援は、最新の研究情報、研究の実践現場、国際的な研究環境等に触れる機会
を学生に与えた。その直接・間接的な効果は非常に大きい。資料 4.5 には、これらの制度を利用した学生
による報告書を記載した。学生のなかには、その研究の内容が高く評価され、学会賞を受賞した者なども
133
みられた。これらの経験は、学生本人はもとより他の学生への刺激にもなって、相乗的なプラス効果をもた
らしている。また、これらの成果を反映して、学生およびそのグループによる研究論文投稿も活発である。
資料 4.4 には、雑誌および紀要に掲載された研究論文の 2009 年の実績を示した。
資料4.5 学生による学会参加報告(抜粋)
資料4.6 学生およびそのグループによる研究論文掲載状況(2009 年度)
134
第4章資料
135
136
資料 4.1 国内学会発表支援実績
国 内 学 会
氏名
所属・学年
担当教員
在外期間
演題
学会名
開催期間・場所
ところ みきこ
1
野老 美紀子
生物理工学研究科
博士後期課程3年
松本和也
H21.5.7 ~ H21.5.9
(3日間)
マウス初期胚における
プロテオーム解析
第50回 日本哺乳動物卵子学会
H21.5.8 ~ H21.5.9
都市センターホテル
生物理工学研究科
博士後期課程1年
泉 秀実
H21.6.20 ~ H21.6.21
(2日間)
塩素殺菌を利用したウメ果実の栽培から一次加工
(梅漬け)工程の微生物制御方検討
日本食品保蔵科学会 第58回大会
H21.6.20 ~ H21.6.21
東京聖栄大学
生物理工学研究科
博士前期課程1年
泉 秀実
H21.6.20 ~ H21.6.21
(2日間)
カット野菜のバイオプリザベーションに
利用する菌体の選択
日本食品保蔵科学会 第58回大会
H21.6.20 ~ H21.6.21
東京聖栄大学
生物理工学研究科
博士前期課程1年
泉井 桂
H21.7.29 ~ H21.7.31
(3日間)
エゾスナゴケ(Racomitrium japonicum)
無菌培養系の特性
第27回日本植物細胞分子生物学会・
シンポジウム
H21.7.30 ~ H21.7.31
日本大学生物資源科学部
湘南キャンパス
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.8.6 ~ H21.8.7
(2日間)
Sr2+が誘導するマウス卵子活性化へのカルシウ
ムキレート剤の利用
第27回日本受精着床学会総会・
学術講演会
H21.8.6 ~ H21.8.7
国立京都国際会館
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.8.6 ~ H21.8.7
(2日間)
ウサギ胚性幹細胞の樹立と
未分化維持因子の探索
第27回日本受精着床学会総会・
学術講演会
H21.8.6 ~ H21.8.7
国立京都国際会館
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.8.6 ~ H21.8.7
(2日間)
ウサギ体外成熟培養系への
システアミン添加の影響
第27回日本受精着床学会総会・
学術講演会
H21.8.6 ~ H21.8.7
国立京都国際会館
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.8.6 ~ H21.8.7
(2日間)
カニクイザルES細胞からの
生殖細胞分化誘導
第27回日本受精着床学会総会・
学術講演会
H21.8.6 ~ H21.8.7
国立京都国際会館
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.8.6 ~ H21.8.7
(2日間)
Fibroblast growth factor 4 (FGF4) が
マウス体細胞核移植胚の
胚発生に与える効果
第27回日本受精着床学会総会・
学術講演会
H21.8.6 ~ H21.8.7
国立京都国際会館
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.8.6 ~ H21.8.7
(2日間)
マウスES細胞の未分化維持機構に
おいてABCトランスポーターBcrp1が
与える影響
第27回日本受精着床学会総会・
学術講演会
H21.8.6 ~ H21.8.7
国立京都国際会館
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.8.6 ~ H21.8.7
(2日間)
若齢ウシ精巣細胞を用いたヌードマウス皮下への
異種異所移植による
精子形成誘導の試み
第27回日本受精着床学会総会・
学術講演会
H21.8.6 ~ H21.8.7
国立京都国際会館
生物理工学研究科
博士前期課程2年
松本和也
H21.9.9 ~ H21.9.12
(4日間)
胎子期及び幼若マウスにおける生殖腺特異的発
現遺伝子 GSE の発現解析
第102回日本繁殖生物学会大会
第5回日韓繁殖学会ジョイントシンポジウム
H21.9.9 ~ H21.9.12
近畿大学農学部キャンパス
生物理工学研究科
博士後期課程3年
松本和也
H21.9.9 ~ H21.9.12
(4日間)
プロテオミクスを用いた
マウス初期胚における
発生関連タンパク質の解析
第102回日本繁殖生物学会大会
第5回日韓繁殖学会ジョイントシンポジウム
H21.9.9 ~ H21.9.12
近畿大学農学部キャンパス
生物理工学研究科
博士後期課程3年
松本和也
H21.9.9 ~ H21.9.12
(4日間)
マウス初期胚におけるDD2-2遺伝子は20Sプロテ
アソームの形成に関与している
第102回日本繁殖生物学会大会
第5回日韓繁殖学会ジョイントシンポジウム
H21.9.9 ~ H21.9.12
近畿大学農学部キャンパス
生物理工学研究科
博士後期課程1年
松本和也
H21.9.9 ~ H21.9.12
(4日間)
Analysis of degraded maternal proteins by
ubiquitin-proteasome pathway in mouse
preimplantation embryo
第102回日本繁殖生物学会大会
第5回日韓繁殖学会ジョイントシンポジウム
H21.9.9 ~ H21.9.12
近畿大学農学部キャンパス
生物理工学研究科
博士後期課程2年
松本和也
H21.9.9 ~ H21.9.12
(4日間)
マウス初期胚におけるNocturninの機能解析
第102回日本繁殖生物学会大会
第5回日韓繁殖学会ジョイントシンポジウム
H21.9.9 ~ H21.9.12
近畿大学農学部キャンパス
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.9.9 ~ H21.9.12
(4日間)
FGF4がマウス体細胞核移植胚の発生に
与える効果
第102回日本繁殖生物学会大会
第5回日韓繁殖学会ジョイントシンポジウム
H21.9.9 ~ H21.9.12
近畿大学農学部キャンパス
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.9.9 ~ H21.9.12
(4日間)
マウスES細胞の未分化維持機構においてABCトラ
ンスポーターBcrp1が与える影響
第102回日本繁殖生物学会大会
第5回日韓繁殖学会ジョイントシンポジウム
H21.9.9 ~ H21.9.12
近畿大学農学部キャンパス
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.9.9 ~ H21.9.12
(4日間)
若齢ウシ精巣細胞を用いたヌードマウス
皮下への異種異所移植による
精子形成誘導の試み
第102回日本繁殖生物学会大会
第5回日韓繁殖学会ジョイントシンポジウム
H21.9.9 ~ H21.9.12
近畿大学農学部キャンパス
むらかみ ゆかり
2
村上 ゆかり
あらかわ たかひろ
3
荒川 貴啓
こぼり わたる
4
小堀 航
つじもと よしこ
5
辻本 賀子
いとう しゅんすけ
6
伊藤 俊介
みやもと ゆき
7
宮本 有希
ふくなが なおと
8
福永 直人
もりた まさひろ
9
森田 真裕
かわむら ひろこ
10
川村 紘子
もりき こうしろう
11
森木 甲子郎
はたなか ゆうき
12
畑中 勇輝
ところ みきこ
13
野老 美紀子
しん すんうく
14
申 承旭
い ひゃんふん
15
李 香欣
にしかわ さとし
16
西川 慧
もりた まさひろ
17
森田 真裕
かわむら ひろこ 18
川村 紘子
もりき こうしろう
19
森木 甲子郎
137
国 内 学 会
氏名
からたに ゆう
20
唐谷 ゆふ
所属・学年
担当教員
在外期間
演題
学会名
開催期間・場所
生物理工学研究科
博士前期課程1年
武部 聡
H21.9.11 ~ H21.9.13
(3日間)
galleriaeが持つcry遺伝子の
degenerate PCR による探索
第15回BT研究会
H21. 9.12
北海道大学大学院農学院
総合研究等1F
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.9.12 ~ H21.9.13
(2日間)
システアミン添加がウサギ体外成熟培養系に及ぼ
す影響
第12回日本IVF学会
H21.9.12 ~ H21.9.13
江陽グランドホテル
生物理工学研究科
博士後期課程1年
泉 秀実
H21.9.14 ~ H21.9.15
(2日間)
鮮度保持剤とActiveMAPを組合せた
カットキュウリの微生物制御と品質保持
日本防菌防黴学会第36回年次大会
H21.9.14 ~ H21.9.15
千里ライフサイエンスセンタービル
生物理工学研究科
博士前期課程2年
松本和也
H21.9.25 ~ H21.9.30
(6日間)
胎子期及び幼若マウスにおける生殖腺特異的発
現遺伝子 GSE の発現解析
日本畜産学会第111回大会
H21.9.28 ~ H21.9.29
琉球大学 共通教育棟
生物理工学研究科
博士後期課程1年
松本和也
H21.9.25 ~ H21.9.30
(6日間)
Analysis of degraded maternal proteins by
ubiquitin-proteasome pathway in mouse
preimplantation embryo
日本畜産学会第111回大会
H21.9.28 ~ H21.9.29
琉球大学 共通教育棟
生物理工学研究科
博士後期課程3年
松本和也
H21.9.25 ~ H21.9.30
(6日間)
マウス初期胚におけるDDD-2遺伝子は20Sプロテ
アソームの形成に関与している
日本畜産学会第111回大会
H21.9.28 ~ H21.9.29
琉球大学 共通教育棟
生物理工学研究科
博士後期課程3年
松本和也
H21.9.25 ~ H21.9.30
(6日間)
プロテオミクスによるマウス着床前期胚の発生関
連タンパク質の解析
日本畜産学会第111回大会
H21.9.28 ~ H21.9.29
琉球大学 共通教育棟
生物理工学研究科
博士前期課程2年
松本和也
H21.9.25 ~ H21.9.30
(6日間)
微生物由来リノール酸異性化酵素遺伝子
(PAISOM)の哺乳動物細胞における発現と
PAISOM導入核移植胚の発生
日本畜産学会第111回大会
H21.9.28 ~ H21.9.29
琉球大学 共通教育棟
生物理工学研究科
博士後期課程2年
松本和也
H21.9.25 ~ H21.9.30
(6日間)
マウス初期胚における
Nocturnin遺伝子の機能解析
日本畜産学会第111回大会
H21.9.28 ~ H21.9.29
琉球大学 共通教育棟
生物理工学研究科
博士前期課程2年
矢野史子
H21.9.26 ~ H21.9.29
(4日間)
特定病原体不在ミニブタの作成と
その微生物学的評価
日本畜産学会第111回大会
H21.9.28 ~ H21.9.29
琉球大学 共通教育棟
生物理工学研究科
博士後期課程3年
松本和也
H21.12.8 ~ H21.12.12
(5日間)
マウス初期胚の核に局在する
精子特異的マイクロRNA様小分子RNA
第32回日本分子生物学会年会
H21.12.9 ~ H21.12.12
パシフィコ横浜
生物理工学研究科
博士前期課程2年
松本和也
H21.12.8 ~ H21.12.12
(5日間)
胎子及び幼若マウスにおける
生殖腺特異的発現遺伝子GSEの発現解析
第32回日本分子生物学会年会
H21.12.9 ~ H21.12.12
パシフィコ横浜
生物理工学研究科
博士後期課程1年
松本和也
H21.12.8 ~ H21.12.12
(5日間)
マウス初期胚の
ユビキチン-プロテアソーム系による
母性タンパク質の分解に関する研究
第32回日本分子生物学会年会
H21.12.9 ~ H21.12.12
パシフィコ横浜
生物理工学研究科
博士前期課程2年
佐伯和弘
H21.12.8 ~ H21.12.12
(5日間)
ウシ由来の有害物質輸送タンパク質
ABCC1(MRP1)のN末端側領域に存在するMet98,
Arg309の機能解析
第32回日本分子生物学会年会
H21.12.9 ~ H21.12.12
パシフィコ横浜
生物理工学研究科
博士後期課程2年
松本和也
H21.12.8 ~ H21.12.12
(5日間)
マウス初期胚における
Nocturnin遺伝子の機能解析
第32回日本分子生物学会年会
H21.12.9 ~ H21.12.12
パシフィコ横浜
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.12.8 ~ H21.12.12
(5日間)
FGF4はマウス体細胞核移植胚の
初期発生を促進する
第32回日本分子生物学会年会
H21.12.9 ~ H21.12.12
パシフィコ横浜
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.12.8 ~ H21.12.12
(5日間)
マウスES細胞の分化過程における
未分化維持機構において
ABCトランスポーター Bcrp1の影響
第32回日本分子生物学会年会
H21.12.9 ~ H21.12.12
パシフィコ横浜
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H21.12.8 ~ H21.12.12
(5日間)
マウスES細胞の分化過程における
Arpファミリーならびに
クロマチンリモデリング複合体構成因子の
動態
第32回日本分子生物学会年会
H21.12.9 ~ H21.12.12
パシフィコ横浜
生物理工学研究科
博士前期課程1年
細井美彦
H21.12.9 ~ H21.12.11
(3日間)
マウス体細胞核移植由来卵子における
クロマチンリモデリング複合体、
SWR1複合体の構成因子の発現
第32回日本分子生物学会年会
H21.12.9 ~ H21.12.12
パシフィコ横浜
みやもと ゆき
21
宮本 有希
むらかみ ゆかり
22
村上 ゆかり
はたなか ゆうき
23
畑中 勇輝
い ひゃんふん
24
李 香欣
しん すんうく
25
申 承旭
ところ みきこ
26
野老 美紀子
なかの たつや
27
中野 達也
にしかわ さとし
28
西川 慧
しが ゆうすけ
29
志賀 勇介
しん すんうく
30
申 承旭
はたなか ゆうき
31
畑中 勇輝
い ひゃんふん
32
李 香欣
やすみ まさお
33
安見 匡生
にしかわ さとし
34
西川 慧
もりた まさひろ
35
森田 真裕
かわむら ひろこ
36
川村 紘子
もりき こうしろう
37
森木 甲子郎
にしやま ゆい
38
西山 有依
138
国
氏名
所属・学年
担当教員
内
学
会
在外期間
演題
学会名
開催期間・場所
なかの みほ
39
中野 美穂
生物理工学研究科
博士前期課程1年
細井美彦
H22.2.20 ~ H22.2.21
(2 日間)
ウサギ交配卵及びICSI胚からの
ES細胞樹立の検討
日本生殖再生医学会 第 5 回学術集会
H22.2.21
シェーンバッハ・サボー
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H22.3.17 ~ H22.3.19
(3 日間)
カニクイザル ES 細胞からの
生殖細胞分化誘導におけるLIFの影響
第 9 回日本再生医療学会総会
H22.3.18 ~ H22.3.19
広島国際会議場
生物理工学研究科
博士前期課程2年
細井美彦
H22.3.17 ~ H22.3.19
(3 日間)
ウサギ utES 細胞樹立系の確立
第 9 回日本再生医療学会総会
H22.3.18 ~ H22.3.19
広島国際会議場
生物理工学研究科
博士後期課程1年
細井美彦
H22.3.17 ~ H22.3.19
(3 日間)
ウサギ体細胞核移植における
ドナー核移植法の検討
第 9 回日本再生医療学会総会
H22.3.18 ~ H22.3.19
広島国際会議場
生物理工学研究科
博士後期課程3年
細井美彦
H22.3.17 ~ H22.3.19
(3 日間)
マウス EpiSC を用いた生殖細胞誘導の試み
第 9 回日本再生医療学会総会
H22.3.18 ~ H22.3.19
広島国際会議場
生物理工学研究科
博士前期課程1年
細井美彦
H22.3.17 ~ H22.3.19
(3 日間)
GSK-3 阻害剤、MEK 阻害剤を用いた
BALB/cA 系マウス ES 細胞の樹立
第 9 回日本再生医療学会総会
H22.3.18 ~ H22.3.19
広島国際会議場
生物理工学研究科
博士後期課程2年
宮下知幸
H22.3.26 ~ H22.3.30
(5 日間)
C3H10T1/2 を用いたアコヤ貝骨形成因子2(BMP2)の機能部位の同定
第 10 回日本農芸化学会 2010 年度大会
H22.3.27 ~ H22.3.30
東京大学 駒場キャンパス
生物理工学研究科
博士前期課程1年
武部 聡
H22.3.28 ~ H22.3.30
(3 日間)
Bacillus thuringiensis がもつ
殺虫タンパク遺伝子の
degenerate PCR による探索及び構造解析
第 10 回日本農芸化学会 2010 年度大会
H22.3.27 ~ H22.3.30
東京大学 駒場キャンパス
ふくなが なおと
40
福永 直人
いとう しゅんすけ
41
伊藤 俊介
やもち たかゆき
42
矢持 隆之
たけはら としゆき
43
竹原 俊幸
なかの みほ
44
中野 美穂
たかみ あきこ
45
高見 晶子
からたに ゆう
47
唐谷 ゆふ
139
資料 4.2 海外学会発表支援実績
氏名
所属・学年
担当教員
国 際 学 会
在外期間
演題
くぼ しげる
1
久保 森
生物理工学研究科
博士前期課程2年
泉井 桂
H.21.10.24 ~ H21.11.3
(11日間)
いわもと だいさく
2
岩本 太作
生物理工学研究科
H21.11.15 ~ H21.11.21
佐伯和弘
博士後期課程3年
(7日間)
野老 美紀子
The sixth annual meeting of
the Asia Reproductive
Biotechnology Society
H21.11.16 ~ H21.11.20
Borei Angkor Hotel
(カンボジア王国・シェムリアップ)
生物理工学研究科
松本和也
博士後期課程3年
H.22.2.14 ~ H22.2.22
(9日間)
Large-Scale Proteome Analysis of
Mouse Preimplanation Embryos
Keystone symposia,
Stem Cell Differentiation and
Dedifferentiation
H.22.2.15 ~ H22.2.20
Keystone Resort,
(米国コロラド州キーストン)
生物理工学研究科
松本和也
博士後期課程3年
H.22.2.14 ~ H22.2.22
(9日間)
Ubiquitin-proteasome pathway composed of novel germspecific gene, DD2-2, and POMP play an important role in
degradation of maternal proteins following fertilization for
the remodeling of an oocyte into a totipotent zygote
Keystone symposia,
Stem Cell Differentiation and
Dedifferentiation
H.22.2.15 ~ H22.2.20
Keystone Resort,
(米国コロラド州キーストン)
生物理工学研究科
細井美彦
博士後期課程3年
H.22.2.14 ~ H22.2.22
(9日間)
Potential ability of mouse Neurosphere differentiating into
three germ lineages
Keystone symposia,
Stem Cell Differentiation and
Dedifferentiation
H.22.2.15 ~ H22.2.20
Keystone Resort,
(米国コロラド州キーストン)
生物理工学研究科
松本和也
博士前期課程2年
H22.3.23 ~ H22.3.28
(6日間)
Expression analysis of the gonad specific expression gene,
GSE, in mouse fetus and immature mouse.
SYSTEMS BIOLOGY:
GLOBAL REGULATION OF
GENE EXPRESSION
H22.2.23 ~ H22.3.27
Cold Spring Harbor
Laboratory
(米国ニューヨーク)
生物理工学研究科
松本和也
博士後期課程1年
H22.3.23 ~ H22.3.28
(6日間)
マウス初期胚でのユビキチン-プロテアソーム系による母性
タンパク質の分解
SYSTEMS BIOLOGY:
GLOBAL REGULATION OF
GENE EXPRESSION
H22.2.23 ~ H22.3.27
Cold Spring Harbor
Laboratory
(米国ニューヨーク)
しん すんうく
4
申 承旭
たけはら としゆき
5
竹原 俊幸
はたなか ゆうき
6
畑中 勇輝
い ひゃんふん
7
李 香欣
開催期間・場所
EFFECTS OF WELL SIZE ON EMBRYONIC DEVELOPMENT
OF BOVINE EMBRYOS
USING POLYDIMETHYLSILOXANE (PDMS) MICRO-WELL
PLATES
ところ みきこ
3
学会名
H21.10.25 ~ H21.10.30
Microarrray analysis of the genes expressed upon exposure
9th IPMB Congress Leading Biology America's Center Convention
to formaldehyde in Arabidopsis
through Plant Science
Complex
(ホルムアルデヒドに暴露されたシロイヌナズナに
(米国ミズーリ州セントルイス)
おけるマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析)
140
資料 4.3 国内企業インターンシップ実績
氏名
所属・学年
担当教員
研究室名
つじもと よしこ
1
辻本 賀子
畑中 勇輝
所在地
イ ン タ ー ン シ ッ プ 先
指導教員名
研究機関名
生物理工学研究科
細井美彦 発生遺伝子工学
博士前期課程2年
H21.5.18 ~ H21.5.29
(12日間)
茨城県
つくば市
(独)理化学研究所筑波研究所
バイオリソースセンター
遺伝子工学基盤技術室
小倉淳郎
生物理工学研究科
松本和也 発生遺伝子工学
博士前期課程2年
H22.2.15 ~ H22.2.26
(12日間)
茨城県
つくば市
(独)農業生物資源研究所
徳永智之
はたなか ゆうき
2
インターンシップ期間
141
資料 4.4 海外研究インターンシップ実績
氏名
いわもと だいさく
1
岩本 大作
ところ みきこ
2
野老 美紀子
にしかわ さとし
3
西川 慧
所属・学年
担当教員
研究室名
インターンシップ期間
イ ン タ ー ン シ ッ プ 先
訪問地
研究機関名
指導教員名
H21.12.5~H22.1.14 サウジアラビア王国 College of Sciences Ahmed Al-Himaidi,
生物理工学研究科
佐伯和弘 応用遺伝子工学
博士後期課程3年
Ph. D.
(41日間)
リヤド
King Saud University
H22.2.28~H22.3.21
生物理工学研究科
松本和也 発生遺伝子工学
博士後期課程3年
(22日間)
イギリス
ケンブリッジ
H22.2.27~H22.3.20
フランス
生物理工学研究科
松本和也 発生遺伝子工学
博士後期課程2年
(22日間)
ジュイ=アン=ジョザ
142
Wellcome Trust/Cancer
Research UK Gurdon
Institute
University of Cambridge
INRA-CNRS-ENVA
John Gurdon,
Ph.D
Helene Jammes,
Ph. D.
資料4.5 学生による学会参加報告(抜粋)
国際学会参加報告書
参 加 者:久保 森
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2 年
指導教員:泉井 桂 教授
学会名称:9th IPMB Congress Leading Biology through Plant Science
開催団体:International Society for Plant Molecular Biology
場
所:America’s Center, St. Louis, Missouri, USA
期
間:平成 21 年 10 月 25 日 ~ 10 月 30 日
本学会は植物の分子生物学に関する学会である。特に今回は、食糧生産というテーマが中心となって
おり、今や現実のものとなりつつある世界的な食糧不足に対して、様々なアプローチで挑む研究者、団体
の発表が数多く行われた。その中で私は、「Microarray Analysis of the Genes Expressed upon Exposure
to Formaldehyde」というタイトルで 28 日にポスタープレゼンテーションを行った。本研究は、植物を用いた
環境浄化:ファイトレメディエーションを目標としたものであり、数多くの研究者が研究発表を行っていた。
その中で私は、室内空気に対する環境浄化という点について多くの方に興味を持って頂いた。また、ホ
ルムアルデヒドは様々な実験で用いられる化合物であるため、植物のホルムアルデヒド応答について
様々な質問、意見を頂いた。残念ながら私の英語力では、全ての質問に対して満足に答えることはでき
なかったが、身振り手振りを交えた拙い英語ながらも理解して頂いた時の喜びは、何にも代えがたいもの
であったし、小さいながらも議論を交わすことができたことは大きな収穫であった。また、世界中の様々な
研究者が多種多様な研究を行う中で、私自身の研究がどういった位置づけとなるのかを確認できたことは、
私にとって非常に有意義なものであった。本学会への参加は、英語によるコミュニケーション能力や知識
など、自分に足りないものを強烈に再認識できた場であり、他の学生にもぜひ同じ体験をして頂きたいと
思う。
最後に、引率の間様々なご指導を頂いた泉井桂教授、英語のご指導を頂いた Walhelm 先生 Backes 先
生、そして学会発表という貴重な機会を与えてくださった文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プ
ログラムに深く感謝を述べ、本報告を結びます。
143
国際学会参加報告書
参 加 者:岩本 太作
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 3 年
指導教員:佐伯 和弘 教授
学会名称:The sixth annual meeting of the Asia Reproductive Biotechnology Society
開催団体:RIKEN Center for Developmental Biology and The Royal University of Agriculture
場
所:Borei Angkor Hotel, Siem Reap, Cambodia
期
間:平成 21年11月 16 日 ~ 11 月 20 日
平成 21 年 11 月 16 日から 20 日までの 5 日間、カンボジアのシュムリアップで開催された The
sixth annual meeting of the Asia Reproductive Biotechnology Society に参加した。私は、Effects of well
size on embryonic development of bovine embryos using polydimethylsiloxane (PDMS) micro-well plates
という題目でポスタープレゼンテーションの発表を行いました。たくさんの先生方にマイクロウェルについ
ての質問や、今後の研究のアドバイスなどいただき有意義な時間でした。英語で説明することの難しさを
痛感し、時間をたくさん要しましたが、最後にはなんとか理解してもらえました。中国や韓国の学生と交流
を持てる機会があり、お互いの研究について質疑応答でき非常によい経験でした。発表の合間の休みや
夜の welcome party などでは若い先生方と大学院時代や就職活動のことなど貴重なお話を聞くことができ、
今後の自分の進路を考える上で大変参考になったと思います。
国際学会では、国内学会とは違って準備等大変ですが、海外の先生方と英語でのコミュニケーションや
異文化に触れることができ、自分の視点を広げることができる機会だと思いました。国際学会で発表する
貴重な機会を与えてくださった文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラム、生物理工学研究
科生物工学専攻の先生方ならびに関係者の皆様に感謝いたします。
144
国際学会参加報告書
参 加 者:野老 美紀子
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年
指導教員:松本 和也 教授
学会名称:Keystone symposia, Stem Cell Differentiation and Dedifferentiation
開催団体:The Asian-Australasian Association of Animal Production Societies
場
所:Keystone Resort, Colorado, USA
期
間:平成 22 年 2 月 15 日 ~ 2 月 20 日
平成 22 年 2 月 15 日から 2 月 20 日まで、アメリカ・コロ
ラド州・キーストンで開催された Keystone symposia に、ポ
ス タ ー 発 表 で 参 加 し た 。 今 回 の 学 会 は 、 Stem Cell
Differentiation and Dedifferentiation というテーマで開催さ
れ、iPS 細胞研究の第一人者である山中伸弥先生らがオ
ーガナイザーとして講演も行っていた。その他にも、幹細
胞研究において著名な先生方が多く参加されており、そ
の方々の講演を聴くことができるだけでも、大変有意義な
時間を過ごすことができた。
私は Large-Scale Proteome Analysis of Mouse Preimplanation Embryos という演題でポスター発表を行
った。今回の学会は、これまで発表したことのない分野での発表であったため、いつもとは違う角度からの
質問や考えを聞くことができた。また、日本人の発表者も多く、
研究に対しての活発な意見交換ができた。
およそ 1 週間の学会期間中で、やはりコミュニケーションの
手段として英語は欠かせないものであり、まだまだ私には特
に自分の意見を伝えるという点で英語の能力が十分でないこ
とを痛感した。このような海外の学会に参加することで、今後
の研究だけでなく、英語力向上という目標もでき大変貴重な
経験をすることができた。
145
国際学会参加報告書
参 加 者:申 承旭
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年
指導教員:松本 和也 教授
学会名称:Stem Cell Differentiation and Dedifferentiation
開催団体:Keystone symposia on molecular and cellular biology
場
所:Keystone Resort, Colorado, USA
期
間:平成 22 年 2 月 15 日 ~ 2 月 20 日
私は平成 22 年 2 月 15 日から 20 日、アメリカのコロラドに位置している「Keystone Symposia,
Stem Cell Differentiation and Dedifferentiation」で 3 日目の 18 日夜ポスター発表を行った。こ
の Keystone Symposia は毎月異なるテーマを持ってシンポジウムを行っていた。今回は最近世界
的に注目されている再生医療の応用やそのメカニズムに関するテーマを持ってシンポジウムが開
かれることで、参加するずっと前から期待していた。このような学会で発表できることが本当に
嬉しかった。今回の学会は世界的に最先端で研究をしている研究グループの先生方々や研究者が
参加し講演を行った。再生医療に向かった新たな研究結果をその場で聞けることが出来て本当に
良い経験だったし、自分自身ももっと頑張ろうと再び決心をした。特に、私の発表においては多
くの研究者が来て様々な質問やアドバイスを受けることが出来本当に有益な時間となった。
この Keystone Symposia はロッキー山脈の中に位置し、標高は約 3000m ほどの高さである。
ここの近畿大学生物理工学部と比べると温度の差が 2 月基準で約 20~30℃ぐらいである。私が参
加した期間も生まれて初めて経験した寒さで外での活動は殆どやめようと思ったが、Keystone
Symposia の目の前には歩いて行けるスキー場があり、学会参加者は学会だけではなくスキーや
スノーボードを楽しんでいた研究者もいた。
このような貴重な経験を私だけではなく、他の学生にも是非経験して頂きたいと思う。
146
国内学会参加報告書(抜粋)
国内学会参加報告書
(学会賞受賞)学術奨励賞
口演部門
参 加 者:野老 美紀子
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年
指導教員:松本 和也 教授
学会名称:第 50 回日本哺乳動物卵子学会
開催団体:日本哺乳動物卵子学会
場
所:都市センターホテル
期
間:平成 21 年 5 月 7 日 ~ 平成 21 年 5 月 9 日
平成 21 年 5 月 7 日から 9 日までの 3 日間、東
京都千代田区にある都市センターホテルで開催
された第 50 回日本哺乳動物卵子学会に口頭発表
で参加した。教育講演、招請講演、シンポジウム
では、哺乳動物初期胚における遺伝子発現制御や
リプログラミングをテーマに、その研究分野の第
一線で研究されている先生方の講演をされてい
た。特に、洪実先生の「着床前期胚における遺伝
子発現制御」という講演は、以前から論文で参考
にすることが多く、大変興味深い内容だった。ま
た、他の先生方の発表も、講演内容が私の行って
いる研究テーマに関連することが多く、今後の研
究を考えるうえでとても参考になった。
私は、「マウス初期胚におけるプロテオーム解析」という演題で口頭発表を行った。発表前はと
ても緊張したが、質疑応答の際にはプロテオームという実験方法についての質問や、今後の研究
の参考になるようなアドバイスなど、とても多
くの質問をいただき大変有意義な質疑応答を
することができた。私の演題は、学術奨励賞候
補に選出されており、学会発表後の優秀賞授与
式で、口頭部門での学術奨励賞を受賞すること
ができた。学術奨励賞の受賞にあたり、終始丁
寧なご指導をいただいた松本和也教授と、学会
発表という貴重な機会を与えてくださった文
部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログ
ラムに感謝いたします。
147
国内学会参加報告書
参 加 者:荒川 貴啓
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2 年
指導教員:泉 秀実 教授
学会名称:日本食品保蔵科学会 第 58 回大会
開催団体:日本食品保蔵科学会
場
所:東京聖栄大学
期
間:平成 20 年6月 20 日 ~ 平成 20 年6月 21 日
平成 20 年6月 20 日から 21 日までの 2 日間、東京都で開催された日本食品保蔵科学会第 58 回
大会に参加した。本学会は、食品関する内容(生産、殺菌、貯蔵、加工、流通等)が軸となって
おり、自分の専門分野と異なる大変興味深い発表を聴講することができ、学会賞を受賞された方
の講演で本研究室のテーマの1つである高圧力殺菌についての講演もあり、今後の本研究室で実
験する上で良い知見を得ることができた。現在の日本の消費者は、食品の安全性や品質を重視し
ており、市民セミナーでは、食品の安全性とその評価に関する問題の講演、シンポジウムでは、
青果物輸入における品質保持および食の安全へのアプローチとしての HACCP システムについて
の講演が行われた。市民セミナーやシンポジウムを聴講することで現在の日本の食品の安全性や
品質保持に対する考え方や現状がわかった。
今回の学会発表では、初めて学会で発表するということと口頭発表だったのでとても緊張しま
したが、発表が始まると緊張よりも自分の研究内容を伝えることに必死になったので緊張はほと
んどありませんでした。しかし、質疑応答で緊張が元に戻り、複数の質問をしていただいたので
すが、満足できる結果を得ることができませんでした。今後の国内学会において自分や聴講者・
質問者にとって満足できるような発表および質疑応答をこなせるように努力することやその場で
自分の考えをまとめる力が必要であることを学びました。学会発表という貴重な機会を与えてく
ださった文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラムに感謝いたします。
148
国内学会参加報告書
参 加 者:福永 直人
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2 年
指導教員:細井 美彦 教授
学会名称:第 27 回日本受精着床学会総会・学術講演会
開催団体:日本受精着床学会
場
所:国立京都国際会館
期
間:平成 21 年 8 月 6 日 ~ 8 月 7 日
8 月 6 日から開催された学会の 6 日の午前の部(09:00~09:40)に口頭発表を行いました。発表演
題は世界体外受精会議記念賞候補演題の基礎部門に選定して頂きましたが、残念ながら受賞は逃
してしまいました。しかし、発表はメインホールでの発表であり、とても貴重な経験を積むこと
ができました。また質疑応答では、生殖医療に従事していらっしゃる方々や、発生学の研究を行
っている諸先生方から質問を頂く事ができ、とても勉強になりました。
学会におきましては、研究の進んでいるとても興味深い演題が多数発表されていました。質疑応答では、
質問に対して丁寧にお答え頂き、また発表時間外にも関わらず、活発なディスカッションをして頂きました。
そのため、今後の自身の研究に応用できる知見をご教授して頂くことができ、とても意義のある学会でし
た。このような貴重な機会を与えてくださった文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラ
ムに感謝いたします。
149
国内学会参加報告書
(学会賞受賞)優秀発表賞
ポスター発表部門
参 加 者:西川 慧
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 2 年
指導教員:松本 和也 教授
学会名称:第 102 回 日本繁殖生物学会大会
開催団体:日本繁殖生物学会
場
所:近畿大学農学部キャンパス
期
間:平成 21 年 9 月 9 日 ~ 平成 21 年 9 月 12 日
私は今回、2009 年 9 月 10(木)~12 日(土)
の 3 日間、102 回日本繁殖生物学会大会に参加
した。本大会は,クロマグロの完全養殖につい
ての特別講演や,家畜や実験動物の繁殖に関わ
る基礎から応用まで幅広い内容だった。9 日(水)
の午後には第 5 回日韓繁殖学会ジョイントシン
ポジウムも開催され、日本と韓国における動物
の繁殖技術や知識の交流が行われた。
私は、本大会においてポスター発表部門の優
秀賞の候補に応募した。発表においては、途切
れることなく人が来られ、多くの方々と実験内
容や考え方に関する議論をするこ とができ、
様々なアドバイスも頂くことができた。学会発表後の優秀発表賞の授与式では、ポスター発表部
門において優秀賞を受賞することができた。今大会における優秀発表賞を受賞にあたり、終始丁
寧なご指導をいただいた松本和也教授と、学会発表という貴重な機会を与えてくださった文部科
学省・組織的な大学院教育改革推進プログラムに感謝いたします。
150
国内学会参加報告書
参 加 者:唐谷 ゆふ
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 1 年
指導教員:武部 聡 教授
学会名称:第 15 回 BT 研究会
開催団体:日本繁殖生物学会
場
所:北海道大学大学院農学院 総合研究棟1F
期
間:平成 20 年 9 月 11 日 ~ 平成 20 年 9 月 13 日
平成 20 年 9 月 11 日から 13 日までの 3 日間、北海道の北海道大学大学院農学院総合研究棟で開
催された第 15 回 BT 研究会に参加した。研究会では、Bt に関するさまざまな研究報告が聞けた。
殺虫性を示すタンパク質の最先端の研究結果が聞けて、とても刺激的だった。今回の発表で、と
ても興味深かったのは、構造に関する研究発表である。構造の類似性と特異的な殺虫性の関連に
ついて、知らないことがたくさん聞けた。今回、BT 研究会に参加して、たくさんのことを学んだ。
自分の研究分野である遺伝子のことよりも、タンパク質分野の発表が多く、現在の BT 研究の矛先
が見えたような気がした。国内の研究会ではあったが、研究会終了後の懇親会では、前月行われ
た国際学会の様子なども聞けてとても刺激的だった。
今回の研究会発表は口頭発表だったため、とても緊張し、Bt 研究のスペシャリストの方々を前
にしての発表だったので不安が大きかったが、発表後には質問してくださる先生方から興味深い
視点での質問などもあり、とても充実した発表だった。研究会後の懇親会にも参加し、世界的な
Bt 研究の注目度や、研究が進む未来への道のディスカッションなどが盛り上がり、とても刺激的
な時間だった。今後は、自分の研究分野だけでなく、そこから発展する分野などの勉強不足が改
めて感じ、これからもっともっと勉強しようと思った。
研究会発表にあたり、終始丁寧なご指導をいただいた武部聡教授と、学会発表という貴重な機
会を与えてくださった文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラムに感謝いたします。
151
国内学会参加報告書
参 加 者:宮本 有希
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2 年
指導教員:細井 美彦 教授
学会名称:第 12 回日本 IVF 学会
開催団体:日本 IVF 学会
場
所:仙台 江陽グランドホテル
期
間:平成 21 年 9 月 12 日~平成 21 年 9 月 13 日
平成 21 年 9 月 12 日から 13 日までの 2 日間、宮城県仙台市の江陽グランドホテルで開催され
た第 12 回日本 IVF 学会に参加した。学会は、「Top Quality 配偶子・胚の獲得を目指して!」と
いうメインテーマのもと、講演やポスター発表によって成果が報告された。現在の不妊治療にお
ける最先端の技術や治療の紹介もなされ、大変興味深い内容であった。
今回の学会発表ではポスター発表をおこなったが、学内で発表をおこなう際とは別の視点から
の質問や意見などもいただき、また、著名な先生方とお話させていただく機会が得られたため有
意義な時間をすごすことができた。私は今後生殖医療の現場で働くが、主に発表されていた内容
が臨床分野であるため、今後経験・勉強していく事をわかりやすく勉強することができた。また、
学会発表などでしか知り合うことのない、遠方の同世代の方と意見交換することもできた。この
ような貴重な経験を与えてくださった文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラムに感
謝いたします。
152
国内学会参加報告書
参 加 者:村上 ゆかり
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 1 年
指導教員:泉 秀実 教授
学会名称:日本防菌防黴学会第 36 回年次大会
開催団体:日本防菌防黴学会
場
所:千里ライフサイエンスセンター
期
間:平成 21 年 9 月 14 日 ~ 平成 21 年 9 月 15 日
平成 21 年 9 月 14 日から 15 日までの 2 日間、大阪府の千里ライフサイエンスセンターで開催さ
れた日本防菌防黴学会第 36 回年次大会に参加しました。今回の学会では、カットキュウリの品質
保持期間をさらに延長することを目的として、
「鮮度保持剤と Active MAP を組合せたカットキュ
ウリの微生物制御と品質保持」の題目でポスター発表を行いました。本研究では微生物の同定の
部分を担当したので、学会発表をさせてもらうことになったのですが、私は普段は青果物の栽培
中から一次加工の安全性についての研究を主に行っているため、品質保持の研究はほとんど行っ
ていません。そこで、学会発表を行うにあたり、論文を新しく読んで勉強をし直したりしたので、
とても苦労しました。しかし、以前から勉強をしなければと思っていたのですが、時間のなさを
理由に避けていたので、勉強する時間を持つ機会になったので結果的には得るものが多かったと
思います。
また、今回の防菌防黴学会では、私が参加している他の学会よりも企業が多く参加し、ポスタ
ー発表が主体となっていることもあって自由に見聞きすることができたので、
「この会社では、こ
のような研究も行っているのだな」と企業の違う一面も見ることができました。商品展示なども
あり、企業の人と直接話をすることで、普段自分が使っていて疑問に思うことを直接聞くことが
できたので、この 2 日間とても有意義な時間が持てたと思います。また、シンポジウムだけでな
く、基礎講座も開催され、新しい知識を得ることができたので、とても勉強になりました。学会
で発表することができ、このような貴重な機会を与えてくださった文部科学省・組織的な大学院
教育改革推進プログラムに感謝いたします。
153
国内学会参加報告書
参 加 者:志賀 勇介
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2 年
指導教員:矢野 史子 教授
学会名称:日本畜産学会第 111 回 大会
開催団体:日本畜産学会
場
所:琉球大学千原キャンパス
期
間:平成 21 年 9 月 28 日 ~ 平成 21 年 9 月 29 日
平成 21 年 9 月 28 日から 2 日間、沖縄県中頭郡西原町の琉球大学千原キャンパスで開催された、
日本畜産学会第 111 回大会に参加した。発表演題「特定病原菌不在(SPF)ミニブタの作成とその微
生物学的評価」についての口頭発表を行った。近年、動物愛護への関心の高まりとともに実験動
物に対する規制が厳しくなっていますが、ミニブタは、規制が少なく実験動物としての需要が高
くなっている。しかし、ミニブタ(SPFでないもの)は、研究施設や医療機関への持ち込みが制
限される。それは、施設や機器を汚染する危険性があるためである。そこで人畜共通病原菌が存
在しないミニブタ(SPF ミニブタ)を作成することで施設や機器への汚染する危険性をなくし、多
くの研究施設や医療機関で研究、実験が可能になる。本研究では、SPF ミニブタの生産性の向上
と SPF 化されたミニブタがバリア施設での維持を目的に近畿大学生石農場と紀和実験動物研究所
の協力の下で実験を行った。私達が考案した SPF 化のための新技術により、生産性の向上が見込
まれるかと紀和実験動物研究所の施設内で建設されたバリア施設が SPF 維持されているか血液、
糞便を採取し、微生物学検査を実施した。現在では、新技術の確立により生産性の向上、そして、
血液、糞便から微生物学検査を行った結果、バリア施設内で SPF 維持が確認された。しかし、SPF
化のために菌が存在しない施設でミニブタが飼育さ
れており、腸内細菌の存在が不明である。今後の研
究課題として、SPF 化されたミニブタの体内に腸内
細菌が存在の有無の確認し、生石農場のミニブタと
SPF ミニブタ間で違いがないかを確認することが必
要である。日本畜産学会において、口頭発表する機
会を設けて頂いたことで、他大学の先生から研究に
ついて違った視点からの貴重なご意見や質問を頂き
ました。学会参加から得られて知識をこれからの研
究に活かし、次の研究に繋げたていきたいです。ま
た、他大学の先生、学生の多くの発表を聞くことで
知識の向上、新しい研究テーマの足がかりができ、
有意義な 2 日間でありました。
154
国内学会参加報告書
参 加 者:李 香欣
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程1年
指導教員:松本 和也 教授
学会名称:第 111 回大会 日本畜産学会
開催団体:日本畜産学会
場
所:琉球大学 共通教育棟(沖縄県中頭郡西原町)
期
間:平成 20 年 9 月 28 日 ~ 9 月 29 日
I participated in the 111th Japanese Society of Animal Science.
This conference was held in Okinawa Ryukyu University from September 28 to 29.
Many scientists presented. I was interested in research other scientists were doing.
And I was an oral presentation on the afternoon of the 28th.
My research title is Analysis of degraded maternal proteins by ubiquitin-proteasome
pathway in mouse preimplantation embryo.
It was a good experience for me. After the conference, we did sightseeing in Okinawa.
Okinawa has an emerald beach and blue sky. Okinawa is a very beautiful place.
I was very impressed with the conference and place.
So, I will study harder to go to another conference.
155
国内学会参加報告書
参 加 者:安見 匡生
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2 年
指導教員:佐伯 和弘 教授
学会名称:第 32 回 日本分子生物学会年会
開催団体:日本分子生物学会
場
所:パシフィコ横浜
期
間:平成 21 年 12 月 9 日 ~ 平成 21 年 12 月 12 日
平成 21 年 12 月 9 日から 12 日までの 4 日間、神奈川県のパシフィコ横浜で開催された第 32 回
日本分子生物学会年会に参加しました。学会期間中は、ポスター発表はもちろん、シンポジウム
やワークショップ、若手教育シンポジウムなどもあり、著明な先生方の研究を、わかりやすく、
たくさん聞くことができました。
ポスター発表において、今回の大会では、ディスカッサー制度というものがあり、著明な先生
が、一つ一つ回り、討論していくというものでした。そのおかげで、一人では、理解することが
難しい、他分野の研究なども、非常にわかりやすく聞くことができました。また、私の行ってい
る研究に非常に近い研究をなさっている先生の発表を聞くことができました。その先生にお話を
聞くことにより、今まで自分が考え付かなかった考察などもしておられ、貴重な情報やアドバイ
スをいただき、今後の研究にとって、非常に有意義な時間となりました。また、自由討論という
時間枠が設けられており、自分の発表時間枠と同じ発表時間枠に当たっている方の研究も、その
時間に聞くことができました。
今回の学会発表では、12 月 9 日にポスター発表を行いました。発表前はとても緊張していまし
たが、発表が始まるとたくさんの方々が質問に来てくださり、緊張している間もなく、あっとい
う間に時間がすぎるほどでした。質問してくださる方は、私の研究分野を熟知している方もいれ
ば、他分野の専門家など、さまざまな方がいました。多くの方に自分の伝えたいことを理解して
もらうのは非常に難しいことだと痛感し、改めて、コミュニケーション能力の必要性を感じまし
た。たくさんの情報や貴重な経験をすることができ、非常によい学会発表になったと思いました。
こういった経験を是非、他のより多くの学生にもしていただきたいと思いました。
今回の発表にあたり、終始丁寧なご指導をいただいた佐伯和弘教授と、田口善智講師、学会発表
という貴重な機会を与えてくださった文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラムに感
謝いたします。
156
国内学会参加報告書
参 加 者:申 承旭
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年
指導教員:教授 松本 和也
学会名称:第 32 回日本分子生物学会年会
開催団体:日本分子生物学会
場
所:横浜パシフィコ
期
間:平成 21 年 12 月 9 日 ~ 平成 21 年 12 月 12 日
私は平成 21 年 12 月 9 日から 12 日まで横浜パシフィコで行われた第 32 回日本分子生物学会年
会で「DD2-2, a gonad-specific gene, is involved in the formation of 20S proteasome in early
preimplantation embryos」という題目を持ってポスター発表を行った。
日本分子生物学会は日本で一番大きい学会の中で一つであり、日本でもっとも優秀な研究者や
学生などが参加する学会である。特に今回の第 32 回日本分子生物学会での朝のセッションはすべ
て英語で行われ科学分野でも英語が必要だということがわかっていたが、今回の学会を参加する
ことで実感することが出来た。また、ポスター発表のときは多くの人が私の研究に興味をもって
くださって、本当に良いディスカッションが出来、有益な時間となった。学会でディスカッショ
ンをしたとおりに、初期胚を用いてプロテアソームやユビキチンの研究は多くの難点があるが、
今回の学会で出来たディスカッションも参考しながら今後研究を続けて行きたいと思う。
他の学会も同じように、学会は学会だけではなく学会が行われる地域のことも学ぶことが出来
るし、他の学生や先生方など人間ネットワークを広げる良い機会でもある。少し、時間があると
きには中華街や横浜駅の周辺に行っておいしい中華料理や和歌山では経験出来なかったこともた
くさん経験した。特に横浜の元町とランドマークタワーは本当に印象に残る場所でもあった。
このような大変貴重な機会を与えて下さった組織的な大学院教育改革推進プログラムならびに、
関係者の方々に感謝を申し上げます。
157
国内学会参加報告書
参 加 者:竹原 俊幸
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年
指導教員:細井 美彦 教授
学会名称:第 9 回日本再生医療学会総会
開催団体:日本再生医療学会
場
所:広島国際会議場
期
間:平成 22 年 3 月 18 日 ~ 平成 22 年 3 月 19 日
平成 22 年 3 月 18 日から 19 日までの 2 日間、広島
県広島市にある広島国際会議場で開催された、第 9
回日本再生医療学会総会に参加した。学会期間中は、
幹細胞の最新の研究、特に現在再生医療の移植材料
として注目されている誘導多能性幹細胞(iPS 細胞)
における最新の研究成果が紹介された。特に特別講
演にて、iPS 細胞の第一人者である山中教授の講演
では、これまでの iPS 細胞の歴史から最新の再生医
療への応用研究まで幅広い内容であり、再生医療の
実現が期待されるような興味深い内容であった。ま
た、それ以外のシンポジウムにおいても第一線で活
躍されている研究者の方々がご講演しており、すで
に発表されている報告だけでなく、新たな知見も紹介されており、今後の幹細胞研究、そして再
生医療への期待が膨らんだ。
また、今回の学会発表では、エピブラスト幹細胞における生殖細胞への分化誘導の研究成果に
ついて口頭発表を行った。本学会は、大学院生として最後の発表となるため、思い残すことがな
いように心掛けた。発表はとても緊張したが、多くの方々が聴講してくださり、また質問や今後
の参考となるようなアドバイスも多く、大変有意義な時間であったのではないかと思う。
最後に、終始丁寧なご指導をいただいた細井美彦教授と、学会発表という貴重な機会を与えて
くださった文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラムに感謝いたします。
158
国内学会参加報告書
参 加 者:高見 晶子
所
属:生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 2 年
指導教員:宮下 知幸 教授
学会名称:日本農芸化学会 2010 年度大会
開催団体:日本農芸化学会
場
所:東京大学駒場キャンパスほか
期
間:平成 22 年 3 月 27 日 ~ 平成 22 年 3 月 30 日
平成 22 年 3 月 27 日から 30 日までの 3 日間、東京都の東京大学駒場キャンパスで開催された日
本農芸化学会 2010 年度大会に参加しました。学会期間中は、他にシンポジウム、産学官学術交流
委員会フォーラム、バイオビジネスアピール、ジュニア農芸化学会なども開催されていました。
「アジアでの微生物研究の最前線」
、「食品成分による免疫・炎症反応の制御」、「水産動物におけ
る生理現象とその物質的基盤」、「耐熱性発酵微生物の昨日解析と高温発酵系の開発」、「骨格筋機
能と生活習慣病」、「昆虫科学研究の最前線」、「動植物間の揮発性シグナル分子を介したクロスト
ーク」など、幅広くさまざまな研究について第一線で活躍されている研究者の方々のご講演があ
り、大変興味深い内容でした。
今回の学会発表では、一般講演の枠で行ないました。発表前はとても緊張しましたが、発表が
始まるとすんなりと終わることが出来ました。幅広く研究しておられる方が聴衆にいらっしゃる
ため、発表内容は特に言葉を選ぶように気をつけながら行いました。質問には説明が伝わるよう
に丁寧に話をすることを心掛けました。以前よりは、幾分か成長した対応が出来るようになった
のではないかと思いますが、よりわかりやすく、興味を持って聴いていただけるように更に精進
していきたいと考えています。丁寧なご指導をいただいた宮下知幸教授と、学会発表という貴重
な機会を与えてくださった文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラムに感謝いたしま
す。
159
資料 4.6 学生およびそのグループによる研究論文掲載状況(2009 年度)
(学生名に下線を付した。
)
(1)学術誌
Amano T, Matsushita A, Hatanaka Y, Watanabe T, Oishi K, Ishida N, Anzai M, Mitani T, Kato
H, Kishigami S, Saeki K, Hosoi Y, Iritani A, Matsumoto K.
Expression and functional analyses of circadian genes in mouse oocytes and preimplantation
embryos: Cry1 is involved in the meiotic process independently of circadian clock
regulation.
Biol Reprod. 2009. 80:473-483.
Hoshino Y, Hayashi N, Taniguchi S, Kobayashi N, Sakai K, Otani T, Iritani A, Saeki K.
Resurrection of a bull by cloning from organs frozen without cryoprotectant in a -80 oC
freezer for a decade.
PLoS ONE. 2009. 4:e4142.
Ikeda S, Tatemizo A, Iwamoto D, Taniguchi S, Hoshino Y, Amano T, Matsumoto K, Hosoi Y, Iritani
A, Saeki K.
Enhancement of histone acetylation by trichostatin A during in vitro fertilization of bovine
oocytes affects cell number of the inner cell mass of the resulting blastocysts.
Zygote. 2009. 17:209-15.
Indo Y, Tatemizo A, Abe Y, Suzuki I, Matsumoto K, Hosoi Y, Kinoshita M, Mikami K, Murata
N, Iritani A, Saeki K.
Functional expression of a humanized gene for an ・-3 fatty acid desaturase from scarlet
flax in transfected bovine adipocytes and bovine embryos cloned from the cells. Biochim
Biophys Acta. 2009. 1791:183–190.
Izumi H, Wendakoon SK, Okumura R, Murakami Y.
Microbiological quality of fresh-cut cabbage treated with disinfectant and stored in active
MAP.
Acta Hort. 2010. In press
Morimoto K, Kawabata K, Kunii S, Hamano K, Saito T, Tonomura B.
Characterization of Type I Collagen Fibril Formation Using Thioflavin T Fluorescent Dye.
J. Biochem. 2009. 145:677-684.
Satoh M, Tokoro M, Ikegami H, Nagai K, Sono Y, Shin SW, Nishikawa S, Saeki K, Hosoi Y, Iritani
A, Fukuda A, Morimoto Y, Matsumoto K.
Proteomic analysis of the mouse ovary in response to two gonadotropins,
follicle-stimulating hormone and luteinizing hormone.
J Reprod Dev. 2009. 55:316-326.
Takehara T, Teramura T, Onodera Y, Kishigami S, Matsumoto K, Saeki K, Fukuda
K, Hosoi Y.
Potential existence of stem cells with multiple differentiation
abilities to three different germ lineages in mouse neurospheres.
Stem Cells Dev. 2009. 18: 1433-1440.
Teramura T, Onodera Y, Murakami H, Ito S, Mihara T, Takehara T, Kato H, Mitani T, Anzai
M, Matsumoto K, Saeki K, Fukuda K, Sagawa N, Hosoi Y.
160
Mouse androgenetic embryonic stem cells differentiated to multiple cell lineages in three
embryonic germ layers in vitro.
J Reprod Dev. 2009. 55: 283-292.
橘 秀樹、月向邦彦、中村明博、松尾光一、Abdul Raziq Abdul Latif 、荒賀麻里子、河野良平、
赤坂一之
体積および圧縮率から見たアミロイド線維.
高圧バイオサイエンスとバイオテクノロジー. 2008. 2:15-23.
(2)紀要
Kato T, Shirota K, Shinde S, Bansho H.
Effect of hull-splitting in rice on the digestibility of grain in whole crop silage.
Mem. Faculty B.O.S.T. Kinki University 2009 24: 1-5.
Tagcuhi Y, Shimamoto K, Matsuzaki Y, Suwa K, Nakao R, Horiuchi H, Saeki K
Cloning of novel ABC transporter genes from Streptomyces producing anti-cancer drug,
actinomycin D.
Mem. Faculty B.O.S.T. Kinki University 2009 24: 19-25.
唐谷ゆふ、武部 聡
Bacillus thuringiensis が持つ新規殺虫タンパク質遺伝子の degenerate PCR による探索
近畿大学生物理工学部紀要 2009, 24:27-32.
辻本賀子, 岸上哲士, 竹原俊幸, 安齋政幸, 松本和也, 佐伯和弘, 入谷明, 細井美彦
マウス卵子活性化における EGTA の影響
近畿大学先端技術総合研究所紀要, 2009, 14:15-20
松原圭吾, 竹原俊幸, 掛川亮, 福永直人, 伊藤俊介, 大田浩, 松本和也, 佐伯和弘, 若山照彦,
岸上哲士, 入谷明, 細井美彦
GFP 遺伝子を導入した栄養膜幹細胞の自発的分化と遺伝子発現量の解析
近畿大学先端技術総合研究所紀要, 2009, 14: 9-14
宮本有希, 是兼真子, 杉本浩伸, 竹原俊幸, 伊藤俊介, 岸上哲士, 松本和也, 佐伯和弘, 入谷明,
細井美彦
ウサギ発育途上卵母細胞の体外発育培養後の発生能力に関する検討
近畿大学先端技術総合研究所紀要, 2009, 14:31-38
(3)和文誌
岸上哲士、辻本賀子、矢持隆之、細井美彦
核移植と iPS 細胞技術:リプログラミングの効率化を目指して
細胞工学. 2009. 28:223-226
岸上哲士、矢持隆之、松原圭吾、細井美彦
体細胞核移植におけるリプログラミング促進技術の開発
再生医療. 2009. 8: 43-46.
杉本浩伸、宮本有希、森本康一、谷口武、細井美彦
ウサギ未成熟卵母細胞の体外培養法の検討
Journal of mammalian ova research. 2009. 26:221-226.
星野洋一郎,林 登,傍島英雄,谷口俊仁,小林直彦,坂口慎一,佐伯和弘. 黒毛和種種雄牛「安
161
福」号の体細胞クローン「望安福」誕生.
日本胚移植学雑誌. 2009.31:169-175.
細井美彦、福永直人、竹原俊幸
卵巣由来細胞の卵子形成能 (特集 再生医療の将来と産婦人科)
産科と婦人科. 2009. 76: 1245-9.
村上ゆかり、ウェンダコーン スミトラ、泉 秀実
栽培から収穫におけるウメ果実とその環境の微生物汚染状況
防菌防黴誌.2009. 37:803-812.
162
第5章
イントラネットの整備
163
164
5
5.1.
イントラネットの整備
講義レポート評価システム(LSS)
教員および学生が、講義およびその関連事項についてコミュニケーションをとる際に、その仲
立ちをするシステムを講義レポート評価システム(LSS)として設置・運用した。このシステ
ムは生物理工学研究科イントラネット(生物理工学部学内ネットワーク)を経由しており、教員
および学生が、それぞれ必要に応じてシステムにアクセスし、利用できるようになっている。
・講義レポート評価システム(LSS)の特徴
(1) 学生がシステムを通じてワード等のファイルにてアップロードしたレポートをシステム
が PDF ファイルに自動的に変換する。
(2) 教員は、学生が提出したレポートを PDF ファイルにてダウンロードし、指導・添削した後
にシステムに再アップロードする。学生は指導を受けたレポートをシステム上で確認し、
期限内であればさらに修正することができる。
(3) レポートについては、提出期限が設定されており、提出期限経過後はシステムにアップロ
ードすることが不可能となる。(教員はシステムから学生のレポート提出状況を確認する
ことができる)
(4) 全講義について、レポート提出時に当該講義への学生からの評価アンケートを収集できる。
(5) レポートの評価については内容の評価のみを行う。(学生の成績については本システム上
では関知しない)
(6) 学生のレポートに対する評価は、教科の担当教員が、各々の教科に所属する学生に関する
ものだけを確認することができる。
(7) このシステムを通じ、その講義を履修している学生への教室変更等の連絡事項のメッセー
ジを、学生の登録メールアドレスへ一括送信することができる。
(8) このシステムを通じて、履修している学生の登録メールアドレスへ休講通知メールを一括
送信することができる。
(9) この講義レポート評価システム(LSS)には、イントラネットからのみアクセスできる。
また、教員、学生、事務職員ともにID,パスワードによる認証にて、セキュリティを確
保したものになっている。
※講義レポート評価システム(LSS)を導入したサーバのスペック
NEC / ラックマウント型サーバ
HDD
250G Raid1
CPU
Xeon デュアルコア 2.33Ghz
4G
メモリ
(システム開発言語 PHP、データベース
PostgreSQL)
・講義レポート評価システム(LSS)の改善点
講義レポートシステム(LSS)の利用開始から一年以上が経過し、教員が利用する中で現れ
てきた問題および改善点を抽出し、以下の点について改善を行った。
① これまでは、紙ベースのマニュアル又は pdf ファイルのマニュアルを配布するのみであった
が、利用画面中に新たにマニュアル pdf のオンラインプレヴューを設け、使用に慣れていな
い教員でも利用し易くした。更に、初めて利用する教員が理解し易いように、マニュアルの
他に、講義レポート評価システムで可能なことおよびシステムの概要説明の欄を設けた。
② 授業毎に学生へ送信したメールをファイルし、それぞれの授業において学生に何を指示した
のかを後から簡易に検索できるようにした。
165
③ 従来は講義毎に学生が提出してきたレポートは一人ずつダウンロードしていたが、多数の学
生が受講する場合を考え、ダウンロード/アップロードを一括でできるようにした。
資料 5.1 組織的な大学院教育改革推進プログラムトップページ(イントラネットへの入口)
5.2.大学院 GP 特別講義等アーカイブ(ストリーミング)システム
特別講義等アーカイブ(ストリーミング)システムとは、
(1) インターフェース特別講義、シンポジウムおよびワークショップ等におけるセミナー等を
動画にて記録し、ネットワーク上のサーバにデータを保存することで、学内ネットワーク
からホームページを通して、いつでも過去のインターフェース特別講義、シンポジウムお
よびワークショップ等の動画ファイルをアーカイブから視聴することができる。
(2) データ保存形式を.flv(フラッシュ形式)とし、アドビ社のフラッシュ・メディア・スト
リーミング・サーバをストリーミングソフトとして使用することで、容量の大きい動画デ
ータをダウンロードしながら再生する。このため、ネットワークへの負担を軽減し、かつ、
OS やブラウザのバージョンに関わらず、ほぼ全てのコンピュータにおいて問題なく動画フ
ァイルを視聴することが可能である。
ストリーミングシステムの特徴
(1) 管理者は、Web サイトの基本的な知識がなくても、システム管理画面から動画ファイルの
追加・削除ができる。
(2) 1単位の授業・シンポジウム・ワークショップ等について最大 15 ファイルまで動画を登
録できる。
(3) 年度別に動画ファイルを登録できる。
(4) 管理者 ID およびパスワードにて管理者を制限することで、セキュリティを確保した。
166
ストリーミング管理システムの概念図
平成 19 年度から平成 21 年度に至るまで、インターフェース分野別専門家特別講義の総計 42
回のすべての講義が視聴できるようになっており、特定の職業分野に興味を持った学生がいつで
もその講義を再生・視聴することが可能になっている。また、これまでに行われたシンポジウム
やセミナーの一部も視聴が可能であり、一流の研究者達による講義をいつでも聴講することが可
能になっている。
資料 5.2 特別講義等アーカイブのトップページ
167
168
第 5 章資料
169
170
資料 5.1 組織的な大学院教育改革推進プログラムトップページ(イントラネットへの入口)
171
資料 5.2 特別講義等アーカイブのトップページ
172
第6章
公開シンポジウム・セミナーの実施
173
174
6
公開シンポジウム・セミナー
6.1
公開シンポジウムの実施概要
大学院生物理工学研究科の教育研究では、平成 14 年度採択の文部科学省 21 世紀 COE プログ
ラムの 5 年間(平成 14~18 年度)の事業を経て、大学研究教育改革の推進、大学院生・研究者
の育成、新たな学問分野の開拓や研究水準の向上など大きな成果が得られてきた。さらに、これ
らの成果を基盤に、平成 19 年度から人材育成機能をより一層強化すべく本プログラムを開始した
ことは、前述のとおりである。すなわち、優れた組織的・体系的な教育取組を重点的に支援する
ことにより各大学院独自の大学院教育の実質化を推進すること、そして採択された取組を広く社
会に情報提供することが、本プログラムに対し強く期待されている。この趣旨に則って、大学院
生の研究管理能力や情報発信能力の養成を主眼においた本大学院が進める教育改革を一般社会に
広く情報発信するため、定期的にシンポジウムを行っている。
本年度は、第4回学術シンポジウムとして、
「未来の発生工学を切り開く研究者たち:再生医療
と生殖医療に向けて」を開催した。本シンポジウムでは本研究科の大学院生らによる研究成果発
表を行うことに加え、本研究科の研究内容と密接な再生医療および生殖医療を取りあげ各分野の
最先端の研究者らによる招請講演をしていただいた。さらに招待講演者として、特に大学院生ら
の将来の目標となることを念頭に現在活躍している 4 人の若手研究者を招待した。この、発生工
学の最先端で活躍する国内の研究者を招聘したシンポジウムは、内外の大きな関心を呼んだ。年
度末に拠点にて大学院生からの教育・研究成果報告を基本とする平成 21 年度大学院GP教育成果
報告会を開催し、高校生を始めとする多数の参加をみた。さらに、ホテル日航関西国際空港を会
場に「次のステップへ、更なる教育改革のスタート」と題して、プログラム担当者からの教育改
革概要報告を基調とした大学院GP教育成果報告会を開催し、多数の参加をみた。
公開シンポジウム等の実施概要
開催シンポジウム
第4回学術シンポジウム
内容
「未来の発生工学を切り開く研究者たち:
再生医療と生殖医療に向けて」
開催日
H21.11.16
一般公開報告会
平成 21 年度大学院GP教育成果報告会
H22.3.4
一般公開報告会
大学院GP教育成果報告会
H22.3.11
175
6.1.1
第 4 回学術シンポジウム「未来の発生工学を切り開く研究者たち:再生医療と生殖医
療に向けて」報告書
文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラムにおいて平成 19 年度採択された「社会の
要求に応える動物生命工学の実践教育」のもと、大学院生物理工学研究科の取組としてその成果
を広く学内および学外に発信することが求められている。この趣旨に則って 2009 年 11 月 7 日に
一般公開の第4回学術シンポジウム「未来の発生工学を切り開く研究者たち:再生医療と生殖医
療に向けて」を開催した。本シンポジウムでは本研究科の大学院生らによる研究成果発表を行う
ことに加え、第4回となる今回のテーマとして本研究科の研究内容と密接な再生医療および生殖
医療を取りあげ各分野の最先端の研究者らによる招待講演をしていただいた。さらに招待講演者
として、特に大学院生らの将来の目標となることを念頭に現在活躍している 4 人の若手研究者を
招待した。
当日は多数の本学学部生及び大学院生また教職員に加え、学外より企業や高校教員、一般の聴
講者、さらに報道関係者の総計 148 名の参加者を得て開催された。シンポジウムは、プログラム
代表者である細井美彦先生の主催者挨拶、入谷明先生(近畿大学評議員・教授)の開会の辞に始
まり、最初のセッション I では「社会の要求に応える生命科学研究とは」をテーマにとして、学
士院会員の井村裕夫先生(財団法人 先端医療振興財団 理事長・独立行政法人 科学技術振興機構
研究開発戦略センター 首席フェロー)より、招請講演「医学の新しい動向 ― 進化医学」を頂い
た。井村先生の講演では、2009 年が Charles Darwin の生誕 200 年, “種の起源“刊行 150 年の
年に当たる記念すべき年であることが紹介され、進化の視点から病気を理解するという最新の進
化医学の展開がわかりやすく説明された。その中で、われわれのゲノムには生命 40 億年の歴史が
書き込まれていることや現代社会は極めて短時間で生活環境を一変させたために適応できない人
を増やしたこと、特に肥満への対策は生命進化の歴史を理解した上で考えるべきと興味深く貴重
なお話を聞くことができた。
また午後のセッションⅡでは、本学の 4 人の博士後期課程 3 年生らによる研究発表が行われた。
野老 美紀子は「マウス初期胚におけるプロテオーム解析」
、岩本 太作は「ポリジメチルシロキサ
ン製マイクロウェルプレートを用いたウシ胚の体外培養および産子作出の検討」
、矢持 隆之は「カ
ニクイザル線維芽細胞-ウサギ除核卵子細胞質を用いた異種間核移植胚の発生能力の検討」、申
承旭は「マウス初期胚における DD2-2 遺伝子は 20S プロテアソームの形成に関与している」と題
してそれぞれ発表し、来賓の先生方や学生らと活発な議論がなされた。続くセッションⅢ「社会
の要求に応える生殖医療とは」では、末岡浩先生(慶應義塾大学 医学部 産婦人科学教室 准教授)
より「ヒト胚の遺伝子診断の現状と方向性」と題して、臨床の立場から詳細な着床前診断に関す
る講演をいただけた。胚培養士を目指す学生が多い本学の学生にとっては大変貴重な話が聞けた
ようである。休憩後に開催された最後のセッションⅣ「未来の発生工学を切り開く若手研究者た
ち」では、本多 新先生(独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技
術室 客員研究員)から「幹細胞研究の“今”と“これから”への歩み」、大田 浩先生から(独
立行政法人 理化学研究所 神戸研究所 発生・再生科学総合研究センター ゲノム・リプログラミン
グ研究チーム 研究員)
「多能性幹細胞および精子幹細胞の樹立とその応用」、関 由行先生から(関
西学院大学 理工学部生命科学科 生殖後成遺伝学研究室 専任講師)
「生命の連続性を保証する
生殖細胞特異的なエピゲノム調節とその破綻」
、岡田 由紀先生(京都大学 生命科学系キャリアパ
ス形成ユニット 特定助教)からは「マウス一細胞期胚にみられるオス由来ゲノム特異的な脱メチ
ル化における、エロンゲーター(伸長因子)の役割」とご講演いただけた。研究発表では、いず
れも論文に未発表なものからまもなく論文で発表される内容ばかりで最新のデータを取り入れた
ものであり、さらに自分で実際に手を動かされている先生によるご講演であったためその研究デ
ータにも説得力があり大変刺激にあふれていた。また、各先生には事前にご自身の研究データに
加えて研究者になった経緯など御自身の経験や研究者を目指す若い学生諸君にメッセージを踏ま
えた発表をお願いしていたことから、各先生からこれまでの研究を通じて得られた楽しさや苦し
さなど研究の醍醐味が伝わるご講演をしていただけ、学生はもちろん参加している先生方にとっ
ても素晴らしいご講演であった。
最後に、研究科長仁藤伸昌先生による閉会の挨拶があり、シンポジウムは終了した。
176
資料 6.1 第 4 回学術シンポジウム・ポスター
資料 6.2 第 4 回学術シンポジウム・パンフレット
資料 6.3 第 4 回学術シンポジウム・講演要旨
資料 6.4 第 4 回学術シンポジウム・アンケート集計結果(抜粋)
177
6.1.2
平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 4 日)報告書
今年度は本プログラムの最終年度であり、各講義は、これまでの 2 年間の経験を踏まえて、細
部を彫琢することにより完成度を高めた内容を学生に提示することができた。本報告会では、ま
ず、細井美彦プログラム代表より今年度の成果概要と 3 年間のプログラム全体の報告を行った。
続いて近畿大学大学院部長である教授・仁藤伸昌より、中央教育審議会による「新時代の大学院
教育」の検証が進められている状況下での本プロジェクトの意義と成果について俯瞰的に総括す
るともに、これからの大学院教育の可能性と重要性についての提言を述べた。本学は、12 研究科
を擁する総合大学であり、財団法人大学基準協会による大学の自己点検評価を機に、近畿大学「21
世紀第一次教育改革」委員会、「第二次教育改革」委員会を設置している。こうした委員会では、
大学院教育の充実が謳われており、本プログラムの取り組みは大学院改革の一つのモデルケース
として強調されてよいことが示された。さらに本研究科は 21 世紀 COE プログラム「食資源動物
分子工学研究拠点」をすでに実施しており、当該プログラムと本プログラムとのシームレスな結
合が動物生命工学の教育と研究の実践的展開に弾みをつけることを可能にしたと言える。
具体的な成果については、昨年の報告会と同様に大学院生から報告が行われた。最初の 2 つの
演題では、本プログラムに参加した生物工学博士後期課程の学生により、研究生活全般について
の報告が行われた。実践的な英語の訓練から国内・国外の学会発表の援助に渡る広範で統合的な
プログラム内容により、研究の実施から研究のプレゼンテーションにいたる総合的な能力の獲得
が促進され、独立した研究者としての自信が涵養されたことが示された。
専門領域実践英語Ⅰに関しては 5 名、専門領域実践英語Ⅱに関しては 2 名の博士前期課程の院
生により、研究についての成果が英語で行われた。本講義では、Kamimura、Walhelm 両先生の
指導のもと、Observe, Classify, Hypothesize, Apply をキーワードとして英語コミュニケーション
能力の向上が確実に進んでいることが示された。
インターフェース分野別専門家特別講義については、バイオ産業に関連する様々な専門家によ
る講義を受講し終えて、入り口としての基礎研究と出口としての産業のつながりを考えることの
重要性が感じられたとの発表があった。また、動物生命工学基礎では、先端医療技術の進展と融
合する動物生命工学の基礎について報告がなされた。
知的財産及び生命倫理学特論は動物生命工学の社会の中での位置づけを考えることを目的とし
て開講され、それぞれについて講義内容の紹介が行われた。知的財産に関しては、特許流通から
みた大学と企業間の契約のポイントや、従来の概念では収まらないような発明が知的財産として
取り扱われうることが示され、生命倫理に関しては、講義の中で動物実験の是非について考察し、
学生同士で議論を行うことにより動物実験の是非について論理的に考えることの重要性を考える
ようになったと、報告があった。
国内企業インターンシップ、海外研究インターンシップでは、動物生命科学特論を受講して得
られた実験動物と家畜など各種動物の発生工学・生殖工学の知識がいかに生殖医療クリニックな
ど社会の様々な分野で重要な役割を果たしているかについて報告が行われた。研究管理能力開発
基礎では、教育補助(TA)やシンポジウム・ワークショップなどの開催を通じて身に付いた研究
管理能力について示された。
178
また学生への支援制度として行った国内学会発表支援制度、海外学会発表支援制度については、
各種学会会場での談論風発の様子が 11 名の学生により報告された。
本プログラムは最終的に社会の要求に応えることを目的としており、社会と研究現場の紐帯を
維持する研究者の養成を目指した。動物生命工学の新たな可能性の領野を切り開くことが期待さ
れるこのような試み、本報告会ではその成果が、学生たちの頼もしい態度として感じられ、今後
さらに顕揚されることを望みたい。
資料 6.5 平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 4 日)・ポスター
資料 6.6 平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 4 日)・要旨集
179
6.1.3
平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 11 日)報告書
文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラム
平成 19 年度採択『社会の要求に応
える動物生命工学の実践教育』の終了にあたり、総まとめとなる報告会を、平成 22 年 3 月
11 日にホテル日航関西国際空港で開催した。
はじめに、近畿大学先端技術総合研究所所長である入谷明教授より、
「このプログラムにお
いて、非常に幅の広い延べ 100 人もの講師の先生から、セミナー等において先端の話を聞き
交流を行えたことが、大学院教育の活性化につながり、かつ、学生が国際的な感覚を身に付
けるのに非常に役立ったと考えられる。」との開会の言葉をいただいた。
続いて、先の奈良先端科学技術大学院大学学長である山田康之先生より「生命科学を志す
若き学徒へ」のタイトルで招請講演をしていただいた。山田先生は、
「科学の進歩の追求にの
み科学者の使命があるのでなく、現代は一社会人としての責務をも負っていることを諸君は
改めて認識すべきである。社会的ニーズに対応して多くの基礎研究、応用研究が行われるが、
科学者は同時に一人間として現代社会と将来に対して責任を負い、又、倫理観が問われる時
代である。」と言われた。また、山田先生は、ノーベル賞受賞者である C. B. ハギンズの言
葉を引用し、生命科学を現在学んでいる学生たちの将来の広さについて言及し、研究に必要
な「独創性の重要性」、
「独創的基礎研究者と実用的応用研究者の現在の関係とその役割」、
「研
究の進め方、研究者のあり方」などについて話された。さらに、
「よい研究競争はある程度必
要である。発見のためには、その研究者の普段の研鑽による高度の知性、叡知が必要であり、
さらに重要なことは、真理探求に対するあくなき情熱と粘り強い努力、強い意志と高い理想
である。
」と話され、最後にサムエル・ウルマンの詩から、「年が 60 であろうと 16 であろう
と、心に美しさ、希望、歓喜、勇気、活力を持つ限り、その人は青春にある。
」との言葉で講
演をまとめられた。生命科学を学ぶ諸学生にとって非常に心に残りかつ有意義なご講演であ
った。
引き続いて、本大学院 GP プログラム代表者である細井美彦教授より「近畿大学大学院生物
理工学研究科の教育改革概要」について、本プログラムが目指したものとその成果について
報告がなされた。また、このような改革を可能とした近畿大学学長、近畿大学および生物理
工学研究科教職員一同に感謝の辞を述べるとともに、本プログラムで実施した科目を本専攻
のみならず電子システム情報工学専攻及び機械制御工学専攻で開講し、かつ、更なる大学院
教育改革を継続し実施していくことが報告された。
続いて講義別報告として、博士前期課程 1 年次配当の「インターフェース分野別専門家特
別講義」について松本和也教授が、この 3 年間で、産業界や会社経営など様々な分野の第一
線で活躍する 43 人の方々からの講義が行われたことを報告した。また、講義後のアンケート
の結果から、自分の興味だけで動くのだけではだめなことを学生に学んで欲しいとの指摘が
あった。講義内で扱われた内容に関心を持った後、関連の情報をどのように得たのかについ
て調べると、学生のほとんどがインターネットの情報を見るだけであって、インターネット
上の情報が正しいものであるかのどうかの検証はなされていない。インターネットの情報の
みに依存する学生の姿勢についての懸念と、書籍の講読や専門家に尋ねる姿勢が必要であり、
180
指導教員がそのような姿勢を教育していく必要があるとの報告がなされた。
「専門領域実践英語Ⅰ」について Naomi B. Kamimura 英語補助員より、本講義の受講によ
り飛躍的に英語力が伸びるというのではないが、専門用語のカタカナ発音の緩和がなされた
ことと、受講前後に行われた TOEIC Bridge 試験のリスニングスコアが 80%以上の受講生に
おいて向上したことが報告された。また、本講義のみでなく、年度末の報告会や次年度にお
けるワークショップなどの機会に継続して英語を使うことにより発音の流暢性が非常に向上
すること、したがって、継続性および各研究室の指導教員との連携が大学院の英語教育にお
いて重要であることが示された。
「動物生命工学基礎」について三谷匡准教授より、本講義を 3 年間で総計 46 名が受講し、
技術の獲得は自分の価値を高めることになると気づいたこと、ある分野の考え方を違う分野
に応用し発想を転換することを学んだことや、植物サンプルを用いる際には考えたことのな
かった生命倫理について深く考えることができた、などの学生レポートの提示がなされ、こ
の講義によって学生の受けた刺激が大きく、かつ大学院生として有用なものであることが報
告された。
30 分の休憩の後、博士前期課程 2 年次配当の講義別報告として、
「国内企業インターンシ
ップ」について武部聡教授より、3 年間で計 13 名が受講し、各現場での研修の結果、受講し
た学生は、大学院において学んでいることが社会においてどのように役立っているのかが判
り、かつ、大学院卒業後にどのようにしていくのかの具体的なイメージの獲得につながって
いるとの報告がなされた。
続いて「専門領域実践英語Ⅱ」について Julia Walhelm 英語補助員より、ライティングに
ついてマンツーマンのチュートリアルを行い、必要に応じて学会アブストラクトやポスター
作製のバックアップを行い、かつ、毎日メールによって練習問題を宿題として課したこと、
また、リーディングについては速読練習を行い、かつ、分野による単語の意味の違いについ
て教授し、その結果、学生からは特にメールを通じた課題の消化が英語の生産的な使用につ
ながったとのコメントが得られていることが報告された。さらに、学生のライティングとリ
ーディングの能力はいまだ低いものであるが、今後は専門分野におけるディスカッションや
質疑応答時の能力向上のために、スピーキング能力の向上も必要であると考えられるとの報
告がなされた。
「知的財産及び生命倫理学特論」については、三谷隆彦教授より、学部 3 年生後期の「知
的財産権」と本講義および年 2 回開催されている「知材セミナー」との連携による知材教育
について報告がなされた。受講生の知材に関する関心が総じて薄いこと、講義内容の量に比
して授業時間数が少ないため、内容が年度毎に異なってしまうこと、および演習形式に至ら
なかったためにディスカッション不足になったことなどが反省点として挙げられた。さらに、
宮本裕史准教授より生命倫理学について、倫理学は論理の積み重ねの上にあるものであり、
思考のレベルの柔軟性が重要であること、また、議論の進まない対立する意見に、共通する
基盤を元にしてどこから意見が分かれたのかを思考すると議論が進展するようになる事など
が示され、現時点では学生があまり生命倫理に対して興味を持っていないが、生命倫理を考
えることは思考のトレーニングとして非常に重要であることが報告された。
181
博士後期課程 1 年次配当の講義別報告として、
「動物生命科学特論」について矢野史子教授
より報告がなされた。実務経験のある社会人大学院生が、自身の専門分野では経験のできな
いことを見聞し、かつ経験することによって、動物を用いる研究全体に関係するリカレント
教育を受ける場である本講義の意義とその内容が報告されるとともに、受講生が幅広い視野
で考察・理解することの重要性を本講義の受講によって再認識したことが報告された。
博士後期課程 2 年次配当の講義別報告として「海外研究インターンシップ」について泉秀
実教授より報告がなされた。3 年間で 9 名の学生が本講義によって海外へ派遣され、世界の
最先端の研究に携わることによって、そこへ集う著名な研究者や若いポスドクの研究ぶりを
目の当たりにし、その話を聞き、かつ、議論を交わす機会を得たことや、海外生活の中で英
語の重要性を再認識し、様々な異文化に触れた貴重な体験ができたこと、さらに、この講義
は歴史の浅い本専攻の海外学術交流推進の足がかりになると考えられることが報告された。
続いて「研究管理能力開発基礎」について佐伯和弘教授より、本講義を受講した学生は、
ワークショップを企画・立案の段階から各種機材等の手配及びワークショップの実施とその
まとめを通じて、リーダーシップや交渉能力を身に付けることができ、かつ、様々な研究領
域に属する若手研究者との忌憚のない意見の交換を通じた視野の拡大がなされたことが報告
された。
最後に、畑博行近畿大学学長よりビデオによるメッセージをいただき、近畿大学大学院部
長・生物理工学研究科長である仁藤伸昌教授より閉会の挨拶をいただいて報告会は終了した。
資料 6.7 平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 11 日)・ポスター
資料 6.8 平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 11 日)・パンフレット(抜粋)
182
6.2
国内外教育研究者招聘によるセミナー(大学院教育改革セミナー)
今年度も大学院教育改革セミナーを国内外の教育研究者を招聘して行った。今年度は計 30 回
行った。以下にそれを列記する。また、資料 6.7 には、各セミナーのポスターを掲載した。セミ
ナー前後に、海外教育研究者に対して学生が研究成果紹介等を行い議論する時間をもうけるとい
った試みも行った。これらを通じ貴重な助言や情報を入手でき、かつ、大いに学生を刺激するこ
とができた。
6.2.1. 第30回 大学院教育改革セミナー
演題:「Plant viruses as biotechnological tools for heterologous protein expression」
講師:Jari P.T. Valkonen 博士
所属:Department of Applied Biology, University of Helsinki, Finland
日時:平成 21 年 4 月 2 日(木曜日) 14:40~16:10
場所:近畿大学生物理工学部1号館第1演習室
要旨: Plants viruses express their proteins efficiently in infected cells. The amount of
a viral protein can reach several percent of the total protein content in leaves.
This high capacity of translation controlled by viral genomes can be utilized in
various ways. In many (+)ssRNA viruses, the 5’ untranslated region of the genome
is a strong enhancer of cap-independent translation and can be used in plant
expression vectors to increase protein yield. Over-expression of genes may result
in gene silencing and poor protein yield, which can be avoided by co-expression of
viral proteins that suppress RNA silencing. Whole virus genomes can be engineered
to express heterologous proteins during infection, which does not require plant
transformation and provides a flexible and rapid system. Deconstructed viruses can
be used to further enhance protein yields.
6.2.2. 第31回 大学院教育改革セミナー
演題:「マウス初期胚発生におけるオートファジーの新たな役割」
講師:塚本 智史 博士
所属:独立行政法人 放射線医学総合研究所 研究基盤技術部 実験動物開発管理課
日時:平成 21 年 4 月 3 日(金曜日) 10:40~12:10
場所:近畿大学生物理工学部 2 号館 252 号教室
要旨:オートファジーはリソソームを分解の場とする細胞質成分の大規模な分解系である。
我々は、マウス受精卵で活発にオートファジーが誘導されることを見いだした。この時期
のオートファジーを欠損した受精卵は、着床前致死となることが明らかとなった。オート
ファジーによって母性タンパク質が分解され着床までに必要なアミノ酸が確保されている
と考えられる。一方、低いレベルで起こる定常的なオートファジーは細胞内で不要になっ
た細胞質成分(ゴミ)の除去のために必要である。その後の解析から、加齢に伴う卵子の
品質制御にもオートファジーが関与することが明らかとなった。オートファジーの生理機
能を栄養制御と品質管理に大別して討論する。
6.2.3. 第32回 大学院教育改革セミナー
演題:「卵細胞抽出系における哺乳類体細胞のリプログラミング誘導」
講師:宮本 圭 博士
所属:京都大学大学院農学研究科・ケンブリッジ大学ガードン研究所
日時:平成 21 年 4 月 3 日(金曜日) 13:00~14:30
場所:近畿大学生物理工学部 2 号館 252 号教室
要旨:分化した体細胞核を、除核した卵細胞質内に核移植することによって、核は分化全能性を
183
獲得する。この現象を体細胞核のリプログラミングという。哺乳類卵子によって誘導され
るリプログラミングは、核移植胚を作製し、解析することによって研究されてきた。しか
し、リプログラミングを生化学的に解析するために十分な数の核移植胚を作製することは
技術的に困難であり、この現象の実態はこれまでほとんど解明されていない。核移植の技
術的な限界を克服するため、我々は卵細胞内成分を抽出した卵抽出液を作製し、その中で
多くの体細胞にリプログラミングを誘導する実験系の作出を試みた。本講演では、作製し
た卵抽出系の特徴や応用法に関して考察する。
6.2.4. 第33回 大学院教育改革セミナー
演題:「温暖化と北極圏異変」
講師:福田 正己 博士
所属:アラスカ大学 フェアバンクス校 国際北極圏研究センター
日時:平成 21 年 5 月 16 日(土曜日) 10:40~12:10
場所:近畿大学生物理工学部 1 号館第 2 演習室
要旨:北極圏では地球上で最も顕著な温暖化が進行している。 そのために北極海の海氷野の縮
小や永久凍土を覆う森林での火災多発などの異変が発生している。森林火災は生物生態系
への大きな影響を与えまた炭素循環への影響も懸念されている。そこでシベリアやアラス
カの永久凍土地域で発生しつつある温暖化に起因する異変について、温暖化の原因とも関
連させながら解説する。
6.2.5. 第34回 大学院教育改革セミナー
演題:「哺乳類プロテアソーム研究の最前線」
講師:村田 茂穂 博士
所属:東京大学大学院薬学系研究科 蛋白質代謝学教室
日時:平成 21 年 6 月 15 日(月曜日) 14:40~16:10
場所:近畿大学生物理工学部 2 号館 251 号教室
要旨:30年前のユビキチンシステムの発見を端緒に、酵母から哺乳類に至る全ての真核生物に
おいてユビキチン・プロテアソームシステムによるタンパク質分解があらゆる生命現象に
積極的に関与していることが明らかとなってきた。その一方で、生物の進化ともにプロテ
アソームも進化した。脊椎動物では主要組織適合抗原複合体(MHC)の出現と時期を一にし
て、新しいサブユニットを獲得することにより“免疫プロテアソーム”と“胸腺プロテア
ソーム”を作りだし、プロテアソームによるタンパク質分解の副産物を適応免疫システム
の構築に必須のものとして利用した。本講演では、プロテアソームの多様性の生物学的意
義、およびこの多様性を支えるプロテアソーム分子集合のメカニズムを概説し、今後のプ
ロテアソーム研究の展開について紹介したい。
6.2.6. 第35回 大学院教育改革セミナー
演題:「受精の不思議:命の大切さ」
講師:永井 卓 博士
所属:独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構
日時:平成 21 年 6 月 26 日(金曜日) 13:00~14:40 (途中休憩 10 分含)
場所:近畿大学生物理工学部アリーナ
要旨:命ある私たちの身体は、一匹の精子と一個の卵子が合体した受精卵から出来ています。家
畜の体外受精について、かれこれ四半世紀にわたり研究を続けてきましたが、その受精現
象について知れば知るほどその神秘に魅了されます。絶妙のタイミングで億単位の精子の
中からたった一匹の精子が一個の卵子にたどり着き、受精することによって眠っていた卵
子をたたき起こします。その時、卵子の中のカルシウムが波を打って放出され、受精卵の
将来が決まります。また、受精卵から子供が生まれるには、精子が持ち込んだ遺伝子と卵
子の遺伝子が互いに補い合って働かなければなりません。本日は、受精の神秘に触れ、そ
こから始まるかけがえのない命の尊さに気づいてもらえれば幸いです。
184
6.2.7. 第36回 大学院教育改革セミナー
演題:「家畜繁殖新技術」
講師:永井 卓 博士
所属:独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構
日時:平成 21 年 6 月 26 日(金曜日) 14:50~16:30 (途中休憩 10 分含)
場所:近畿大学生物理工学部アリーナ
要旨:最近、進展が目覚ましい家畜における「繁殖技術」である人工授精・受精卵移植・体外受
精・クローン家畜・形質転換家畜生産等について、その手法および現状と問題点について
講義する。また、クローン家畜およびその後代の健全性ならびにそれらの生産物の安全性
についても触れ、新しい技術が実用化されていく上で、クリアーしなければならない点に
ついて講義する。
6.2.8. 第37回 大学院教育改革セミナー
演題:「Search and investigation of mammoth and mammoth fauna of Yakutia (North-east of Asia)
Ⅰ」
講師:Petr A. Lazarev 博士
所属:Museum of Mammoth, Institute of Applied Ecology of the North, Academy of Sciences
of Sakha Republic, Russia
日時:平成 21 年 7 月 2 日(木曜日) 10:40~12:10
場所:近畿大学生物理工学部 1 号館第 2 演習室
要旨:Contents: In this seminar, the history of environment of Yakutia in ice period
(evolution of climate, plant, permafrost, animal) will be told. Further, different
animal – mammoth, rhinoceros. horse, cave lion etc. ( evolution, investigators,
appearance, locality of unicum find of skeleton and corpses, investigation of tissue,
stomach etc.) also will be told. Slid-photos, short time film of baby mammoth, which
was excavated in may 2009 on north Yakutian will be demonstrated in this seminar.
6.2.9. 第38回 大学院教育改革セミナー
演題:「Search and investigation of mammoth and mammoth fauna of Yakutia (North-east of Asia)
Ⅱ」
講師:Petr A. Lazarev 博士
所属:Museum of Mammoth, Institute of Applied Ecology of the North, Academy of Sciences
of Sakha Republic, Russia
日時:平成 21 年 7 月 3 日(金曜日) 10:40~12:10
場所:近畿大学生物理工学部 2 号館 251 号教室
要旨:Contents: In this seminar, the history of environment of Yakutia in ice period
(evolution of climate, plant, permafrost, animal) will be told. Further, different
animal – mammoth, rhinoceros. horse, cave lion etc. ( evolution, investigators,
appearance, locality of unicum find of skeleton and corpses, investigation of tissue,
stomach etc.) also will be told. Slid-photos, short time film of baby mammoth, which
was excavated in may 2009 on north Yakutian will be demonstrated in this seminar.
6.2.10. 第39回 大学院教育改革セミナー
演題:「虫防除資材としてのBTの可能性」
講師:浅野 眞一郎 博士
所属:北海道大学大学院農学院
日時:平成 21 年 7 月 15 日(水曜日) 10:40 ~12:10
場所:近畿大学生物理工学部 3 号館 115 号教室
要旨:Bacillus thuringiensis (BT) は、1901 年にカイコの卒倒病菌として我が国で発見されて
以来、主に鱗翅目害虫に対し微生物防除資材として全世界でもっとも利用されています。
さらに、BT は鱗翅目昆虫だけではなく、地球の温暖化によって生息地域を拡大している熱
185
sd 帯性伝染病媒介蚊類や農作物に大きな被害をもたらす鞘翅目害虫の防除資材として有用
なものも見つかってきています。これらの、双翅目・鞘翅目害虫に対して殺虫活性を持っ
ている新規 BT の探索と防除資材としての可能性について論じます。
6.2.11. 第40回 大学院教育改革セミナー
演題:「蚊の生物防除資材の探索」
講師:浅野 眞一郎 博士
所属:北海道大学大学院農学院
日時:平成 21 年 7 月 15 日(水曜日) 16:20~17:50
場所:近畿大学生物理工学部 2 号館 353 号教室
要旨:蚊が媒介する疫病には、マラリア、デング熱、西ナイル熱など重篤な症状をを引き起こす
ものが多く、その防除には国際的な対応が求められています。
今回は、ベトナムとの2国間共同研究で行っている蚊の防除に関するプロジェクトの紹介
です。その関係で、石垣島や小笠原、ベトナムでは Cat Ba 島(ハロン湾)で蚊類の採集を
行ってきましたので、その話を含めて蚊類の微生物病原探索の話ができればと思います。
6.2.12. 第41回 大学院教育改革セミナー
演題:「ES 細胞ってどんな細胞?」
講師:古澤 軌 博士
所属:独立行政法人 農業生物資源研究所 動物科学研究領域 生殖機構研究ユニット
日時:平成 21 年 10 月 23 日(金曜日) 13:30~15:00
場所:近畿大学生物理工学部 1 号館第 2 講義室
要旨:ES 細胞は胚盤胞の内部細胞塊に由来する高い多能性を維持した細胞で、キメラを介
したノックアウトマウスの作出など、発生工学研究には欠かせない細胞となっている。ま
た、近年、iPS 細胞や mGS 細胞のように ES 細胞以外にも多能性を持つ幹細胞が樹立されて
おり、再生医療や経済動物への応用が期待されている。本セミナーではこれらの幹細胞の
比較から見えてくるものと、我々が注目している幹細胞の不均一性についての研究結果を
ご紹介したい。
6.2.13. 第42回 大学院教育改革セミナー
演題:「体細胞核移植技術を応用した遺伝子組換えヤギの作出」
講師:大越 勝広 博士
所属:独立行政法人 農業生物資源研究所 動物科学研究領域 生殖機構研究ユニット
日時:平成 21 年 10 月 23 日(金曜日) 15:00~16:30
場所:近畿大学生物理工学部 1 号館第 2 講義室
要旨:我々の研究室では、体細胞核移植技術を応用して、日本在来種であるシバヤギの乳汁中に
ヒト有用生理活性物質を分泌させることに成功しました。我々がこれまでに取り組んでき
た体細胞核移植技術の構築から、クローンヤギ産子の作出を経て、遺伝子組換えヤギの作
出に至った過程を、実際のデータを示しながら紹介したいと思います。
6.2.14. 第43回 大学院教育改革セミナー
演題:「The Role of Assisted Reproductive Technology in the Conservation and Genetic
Management of Wildlife (野生生物の保護と遺伝的管理における生殖補助技術の役割)」
講師:Naida M. Loskutoff 博士
所属:Center for Conservation & Research Omaha's Henry Doorly Zoo Omaha, NE, USA
日時:平成 21 年 12 月 2 日(水曜日) 10:40~12:10
場所:近畿大学生物理工学部 1 号館第 4 演習室
要旨:In this lecture, I will give background as to why zoos and conservationists have turned
to assisted reproduction as a method of maintaining the genetic diversity of
threatened or endangered species. The background will also cover some of the
successful attempts at artificial insemination and embryo production and transfer
186
in a variety of companion animals, non-domestic and endangered species. I will then
briefly describe some of the specific projects we have conducted at the Center for
Conservation and Research at Omaha’s Henry Doorly Zoo (which I will elaborate on
in the second lecture) and will end with several mentions of obstacles we need to
overcome to make basic reproductive techniques more successful in these species.
6.2.15. 第44回 大学院教育改革セミナー
演題:「The Obstacles in the Application of Embryo Technology to Wildlife Conservation
(野生生物保護のための胚操作技術の利用における障害)
」
講師:Naida M. Loskutoff 博士
所属:Center for Conservation & Research Omaha's Henry Doorly Zoo Omaha, NE, USA
日時:平成 21 年 12 月 3 日(木曜日) 13:00~14:30
場所:近畿大学生物理工学部 1 号館第 3 演習室
要旨:In this lecture, I will first present data on how successful embryo technology has
been in livestock and humans, but will emphasize the factors that present problems
when trying to adapt those procedures to a variety of non-domestic species. Several
specific projects will be described in more detail, noting the problems that were
met that prevented more than just a few successful attempts in species such as small
antelope (suni), camels, wild cattle (gaur) and African buffalo, elephants, tigers
and gorillas.
6.2.16. 第45回 大学院教育改革セミナー
演題:「The Application of Advanced Reproductive Technologies to the Propagation of
Endangered Species (絶滅危惧種の繁殖への先端生殖技術の適用)」
講師:Naida M. Loskutoff 博士
所属:Center for Conservation & Research Omaha's Henry Doorly Zoo Omaha, NE, USA
日時:平成 21 年 12 月 3 日(木曜日) 13:00~14:30
場所:近畿大学生物理工学部 1 号館第 3 演習室
要旨:In this lecture I will give some background of what companion animals and non-domestic
species have been produced by technology such as cloning. However, as I mentioned
to you when you first asked me to do these lectures, I am afraid most of this lecture
will demonstrate that cloning technology is currently not an acceptable method for
application to endangered species. I will end the presentation demonstrating how
other, more basic techniques such as embryo splitting or blastomere separation may
prove at this point in development to be a better option. Lastly (and if I have time)
I will quickly cover some of the new methods we have developed for disinfecting semen
without detrimentally affecting sperm quality. Currently there are no regulatory
guidelines for the international transport of semen; therefore it is easier to move
a live animal than simply collect and ship semen. We hope to encourage regulatory
officials that our semen processing method works very well and can reduce the risk
of disease transfer.
6.2.17. 第46回 大学院教育改革セミナー
演題:「核内と細胞膜周辺における癌抑制 RB 蛋白質と p53 の新機能」
講師:田矢 洋一 博士
所属:Cancer Science Institute of Singapore National University of Singapore
日時:平成 21 年 12 月 7 日(月曜日) 14:40~16:20
場所:近畿大学生物理工学部 2 号館 352 号教室
要旨:p53 と RB 蛋白質にはそれぞれ約 13 カ所の in vivo リン酸化部位があるが、我々はそれら
の部位を別々に認識する抗体をほぼすべて作製して、それぞれのリン酸化の意義を明らか
にしてきた 1-5)。
187
最近ではエンドサイトーシスで重要な働きをするクラスリン重鎖が一部分核内にも存在し
て、p53 と結合して p53 による転写活性化に必須の役割を果たすことも見つけた 6)。さら
には、逆に p53 が細胞膜周辺にも存在して、アクチンの重合を制御して細胞運動を調節し
ているらしいことも発見した。そして、核内でのみ働くと思われていた RB 蛋白質もやはり
同様に細胞膜周辺にも存在して、アクチンの重合を制御して細胞運動を調節しているらし
いことも発見した。
これとは別に、PH ドメインのみを持つ小さな蛋白質 PHLDA3 が p53 によって誘導され、AKT
を阻害することによってアポトーシスを誘導することも見いだした 7)。
参考文献
1) Shieh et al.: Cell, 91, 325-334 (1997)
2) Banin et al: Science, 281, 1674-1677 (1998)
3) Oda et al.: Cell, 102, 849-862 (2000)
4) Kitagawa et al.: EMBO J., 15, 7060-7069 (1996)
5)Inoue et al.: EMBO J., 26, 2083-2093 (2007)
6) Enari et al.: Genes Dev., 20, 1087-1099 (2006)
7) Kawase, Ohki et al.: Cell, 136, 535-550 (2009)
6.2.18. 第47回 大学院教育改革セミナー
演題:「田矢洋一 版 『沸騰都市シンガポール』 -シンガポールの科学と人々の暮らし-」
講師:田矢 洋一 博士
所属:Cancer Science Institute of Singapore National University of Singapore
日時:平成 21 年 12 月 7 日(月曜日) 16:20~17:50
場所:近畿大学生物理工学部 2 号館 352 号教室
要旨:私は国立がんセンター研究所の部長を定年になった後、シンガポール国立大学に新しくで
きた癌研究所の教授として、好条件でのオファーを受けて昨年8月からシンガポールに移
りました。シンガポールは国策で、このようにして世界中から研究者を集めています。現
在は特にライフサイエンスに投資しています。しかし、他方では、周辺諸国からの出稼ぎ
の建設労働者や家政婦などには厳しい処遇をする国でもあります。このシンガポールのラ
イフサイエンス、バイオポリス、我々の癌研究所や人々の生活などを様々な写真をお見せ
しながら紹介します。
6.2.19. 第48回 大学院教育改革セミナー
演題:「脂質異常症治療薬による血管新生作用」
講師:塩田 正之 博士
所属:大阪市立大学大学院 医学研究科 分子病態薬理学
日時:平成 22 年 2 月 3 日(水曜日) 13:20~14:50
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨:薬の効果発現には多数の遺伝子と制御因子が関与している。臨床試験を経て上市された薬
でも、市販後に有害事象や他の有益な作用が判明することがある。脂質異常症治療薬には
有益な作用として血管新生作用が知られている。そこで、我々は脂質異常症治療薬の有す
る血管新生促進作用の作用機序を明らかにするために包括的タンパク質相互作用解析を取
り入れた解析を進めてきた。本講演では、最近明らかになったこれらの研究成果を紹介す
る。
6.2.20. 第49回 大学院教育改革セミナー
演題:「機能性化合物を用いたヒト・家畜の健康維持」
講師:宮崎 均 博士
所属:筑波大学大学院 生命環境科学研究科 北アフリカ研究センター(バイオ部門)
日時:平成 22 年 2 月 3 日(水曜日) 15:00~16:30
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
188
要旨:我々は、食品や医薬品産業への応用を視野に、生物資源から機能性化合物を探査し、その
作用機序を分子レベルで探査する食機能探査科学の研究を行っている。栄養過多、運動不
足、 様々なストレスは人に動脈硬化などの疾病を誘発する。この状況は、生産効率至上主
義の家畜の世界でも同様である。本セミナーでは、植物由来の機能性化合物を用いた人・
家畜の健康維持の試みについて紹介する。
6.2.21. 第50回 大学院教育改革セミナー
演題:「Post-Doc life in Cambridge」
講師:宮本 圭 博士
所属:Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute, University of Cambridge
日時:平成 22 年 2 月 17 日(水曜日) 09:30~11:00
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨: I have settled down in UK approximately for 1 year after getting my PhD degree in
Kyoto University. I am now working as a Post-Doc at the Gurdon laboratory. This is
the first time for me to live and work abroad. I therefore have encountered many
differences between UK and Japan not only in experimental systems but also in the
approach to answer scientific “question”. Beside the scientific talk, difference
of life style is also introduced. In this lecture, both positive and difficult aspects
I have felt are honestly discussed and I hope this would be helpful for your future
consideration of studying in UK or foreign countries.
6.2.22. 第51回 大学院教育改革セミナー
演題:「Nuclear reprogramming following nuclear transfer to Xenopus oocyte and egg.」
講師:Jerome P. Jullien 博士
所属:Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute, University of Cambridge
日時:平成 22 年 2 月 17 日(水曜日) 11:10~12:40
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨: In this lecture I will review the work on nuclear reprogramming following nuclear
transfer to Xenopus egg and oocyte. I will first introduce the general concepts of
cell differentiation and reversal by nuclear reprogramming. I will then describe the
characteristic of nuclear transfer to Xenopus egg and comment on the efficiency of
the reprogramming process. In the last part of the lecture I will present another
nuclear transplantation strategy where nuclei are now transplanted to Xenopus oocyte.
I will explain why this latter approach is most suited for the analysis of the
mechanism of nuclear reprogramming.
6.2.23. 第52回 大学院教育改革セミナー
演題:「Post-Doc life in Cambridge」
講師:宮本 圭 博士
所属:Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute, University of Cambridge
日時:平成 22 年 2 月 17 日(水曜日) 13:50~15:20
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨: As shown in the first lecture, the way of accomplishing experiments and the way
of life are quite different between Japan and UK. Then, how can we apply for a possible
position of academia in foreign countries? We have to select research field or
laboratory we want to join in, get in contact with a group leader, go for an interview,
apply for an entry clearance and so on. In this talk, I introduce what I did and other
scientists did in those series of processes. This includes what we should prepare
beforehand and what kind of skills we need.
189
6.2.24. 第53回 大学院教育改革セミナー
演題:「Characterization of somatic cell nuclear reprogramming by oocytes in which a linker
histone is required for pluripotency gene reactivation.」
講師:Jerome P. Jullien 博士
所属:Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute, University of Cambridge
日時:平成 22 年 2 月 17 日(水曜日) 15:30~17:00
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨: Following on from the first lecture I will discuss our more recent work on the
analysis of nuclear reprogramming following nuclear transfer to Xenopus oocyte.
When transplanted into Xenopus oocytes, the nuclei of mammalian somatic cells are
reprogrammed to express stem cell genes such as Oct4, Nanog, and Sox2. I will describe
an experimental system in which the pluripotency genes Sox2 and Oct4 are repressed
in retinoic acid-treated ES cells, but are reprogrammed up to 100% in 24 hours by
injection of nuclei into the germinal vesicle (GV) of growing Xenopus oocytes. A
simultaneous loss of somatic H1 linker histone and incorporation of the
oocyte-specific linker histone B4 precede transcriptional reprogramming. The loss
of H1 is not required for gene reprogramming. We demonstrate both by antibody
injection experiments and by dominant negative interference that the incorporation
of B4 linker histone is required for pluripotency gene reactivation during nuclear
reprogramming. We suggest that the binding of oocyte specific B4 linker histone to
chromatin is a key primary event in the reprogramming of somatic nuclei transplanted
to amphibian oocytes.
6.2.25. 第54回 大学院教育改革セミナー
演題:「Establishment of novel systems for unraveling reprogramming」
講師:宮本 圭 博士
所属:Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute, University of Cambridge
日時:平成 22 年 2 月 18 日(木曜日) 09:30~11:00
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨: Nuclear reprogramming can be achieved by several different methods including nuclear
transfer, cell fusion and overexpression of Yamanaka factors. Reprogramming is one
of the hottest research field in which many researches seek to reveal its mechanism
for the future application to regenerative medicine. Nuclear transfer-mediated
reprogramming is more than 50 years old in its history since Gurdon produced cloned
frog. However, specific factors and mechanisms related to this remain to be elucidated
and even fewer information is available compared to other reprogramming systems. This
is possibly caused from the limited application of nuclear transferred embryos to
molecular biological assays. In order to overcome this obstacle, I established
cell-free extracts from mammalian and Xenopus oocytes in which reprogramming events
were reproduced. This cell-free reprogramming system was well fit for further
molecular analyses. By the use of this system, I have identified more than 40 candidate
proteins as reprogramming factor in oocytes. Two proteins out of them are recently
characterized as novel reprogramming factors. Here, I especially discuss the way to
identify reprogramming factors in oocytes.
1.Cell-free extracts from mammalian oocytes partially induce nuclear reprogramming
in somatic cells. Biol. Reprod.;2009 (80): 935-943.
2. 卵細胞抽出液を用いた体細胞のリプログラミング誘導. エヌ・ティー・エス出版 幹
細胞の分化誘導と応用 2009: 591-601
3. Reversible membrane permeabilization of mammalian cells treated with digitonin
and its use for inducing nuclear reprogramming by Xenopus egg extracts. Cloning
Stem Cells; 2008 (10): 535-542.
190
4. Reprogramming events of mammalian somatic cells induced by Xenopus laevis egg
extracts. Mol. Reprod. Dev.; 2007 (74): 1268-1277.
6.2.26. 第55回 大学院教育改革セミナー
演題:「Real time monitoring of gene transcription during cell differentiation and nuclear
reprogramming」
講師:Jerome P. Jullien 博士
所属:Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute, University of Cambridge
日時:平成 22 年 2 月 18 日(木曜日) 11:10~12:40
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨:Following transfer to the germinal vesicle of Xenopus oocyte, differentiated mammalian
cells nuclei undergo a reprogramming process culminating in the reactivation of
pluripotency genes Oct4, Sox2 and Nanog. The monitoring of transplanted nuclei is
not amenable to microscopic analysis due to the opacity of the Xenopus oocyte. To
circumvent this problem we have set up a variant of the nuclear transfer protocol
that involves the transplantation of nuclei into the isolated germinal vesicle of
Xenopus oocyte. This new nuclear transfer protocol open the way for real time
monitoring of the nuclear reprogramming process. For that purpose a Sox2 reporter
has been inserted into mouse embryonic cell. Stable expression of Cherry-LacR and
MS2-YFP proteins allow the visualization on live cells of the transgene position and
activity. Using these reporter cell lines, pattern of Sox2 transcription can be
determined during ES cell proliferation and differentiation as well as following
nuclear transfer to isolated germinal vesicle of Xenopus oocyte. By measuring
transcriptional reactivation at a single nuclei level on live sample we are now able
to test the importance of histone replacement in the reprogramming process.
6.2.27. 第56回 大学院教育改革セミナー
演題:「FRONTIERS IN STEM CELLS AND REGENERATION (幹細胞と再生の最先端)」
講師:Gerald P. Schatten 博士
所属:Pittsburgh Development Center, University of Pittsburgh School of Medicine 日時:
平成 22 年 3 月 2 日(火曜日) 13:50~15:20
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨:
Stem cells are emerging as invaluable tools for human biomedical research. With
developments in cellular and genetic engineering, the field of stem cell biology in
mammals has changed greatly. For instance, technological advancements in embryonic
manipulation have promoted understanding of the regulation mechanisms of the
pluripotent stem cell and early developmental process, which in turn bring about
further novel regenerative technologies closer to reality. In this lecture, Dr
Schatten will provide new insights of stem cell biology, as well as novel techniques
in the context of research in regenerative medicine.
Patient-specific PSCs, generated exclusively by iPSC, are justifiably garnering
the research support and scientific attention they deserve since they afford unique
opportunities for discovering disease mechanisms and potentially immune-matched
cells for transplantation.
Primate-specific cells complement these clinical
resources since direct transplantation can be performed to directly answer questions
about rejection and safety. Furthermore, NHPs, like mice, afford the opportunity to
contrast iPSCs with NT ones in order to understand the biological similarities between
these primate-specific lines. Furthermore, we can solve the question as to how many
undifferentiated PSCs represent a mortal danger to the transplantation recipient and
whether immune-matched PSCs are actually more dangerous. We are exploring the
biological characteristics of these pluripotent stem cells (PSCs). These are also
191
contrasted with the developmental and molecular characteristics of PSCs established
as embryonic stem cells (ES), parthenogenetic stem cells, and also newly generated
primordial germ cells (PGCs), embryonic germ cells (EG) and epiblast stem cells
(epiSC). The pluripotency capabilities of these primate NT-ESCs and iPSCs will be
determined based on fundamental differences between their mitochondria and mtDNA
through primate chimeric embryo studies in vivo with sophisticated MRI imaging while
molecular signals for differentiation are determined in vitro and in silica.
Transplantation of these PSCs, as compared with their differentiated,
lineage-restricted progeny (spermatogonial stem cells), into identical, related or
discordant NHPs will determine the safety and efficacies of stem cell transplants.
Improvements in molecular beacons for pluripotency and lineage commitments will be
produced, as will advances in culturing and cryopreservation conditions. Knowledge
that hESCs behave properly in vivo sets the platform for determining whether they
are effective for disease treatment.
Moving fundamental stem cell research from the bench to the bedside includes the
critical importance of revolutionizing transplantation from whole organs to
specialized patient-matched cells. However, challenges envisioned to be enormous,
from extrapolations from mice, remain, especially regarding safety, utility and
stability. Information from mice ESCs suggests that as few as two ESC cells may
generate teratomas. However, it is becoming clearer that rodent PSCs have much
greater pluripotentials than primate ones and so perhaps, transplantation of primate
PSCs may be much safer. Also, primates might have more sophisticated immune
recognition systems to reject tumorigenic PSCs. This talk will consider gaps in our
scientific knowledge and strategies for translating important mouse studies
responsibly to patients through innovative transplantation investigations in
primates.
6.2.28. 第57回 大学院教育改革セミナー
演題:「Fertilization Mechanisms and The Future of Assisted Reproductive Technologies
(受
精のメカニズムと生殖補助技術の将来)」
講師:Gerald P. Schatten 博士
所属:Pittsburgh Development Center, University of Pittsburgh School of Medicine 日時:
平成 22 年 3 月 2 日(火曜日) 15:30~17:00
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨:
With developments in cellular and genetic engineering, the field of reproductive
biology and embryology in mammals has changed greatly. For instance, technological
advancements in in vitro germ cell culture and embryo manipulation have promoted
understanding of the mechanisms of fertilization and early developmental process,
which in turn bring about further novel reproductive technologies closer to reality.
Over the last decade, novel methods of assisted reproductive have revolutionized
treatments for overcoming infertility. Surprisingly, many of these ART techniques
were introduced prior to any preclinical trials so that the fundamental research
necessary to understand the cellular and molecular events of ART still lags behind.
One of the problems facing researchers has been to identify relevant animal models.
Working with gametes from primates – human and non-human, alike, we have developed
pre-clinical models for understanding the biological basis of ICSI and other ARTs.
This work has revealed several unusual deviations in mitochondrial, centrosomal and
cytoplasmic trafficking during ART including: i) the variable position of the second
meiotic spindle within the oocyte; ii) abnormal sperm decondensation results in the
unusual retention of membrane VAMP and the perinuclear theca; iii) NuMA, typically
trafficked into the nuclear matrix, is apically excluded; iv) male pronuclear
192
remodeling of either parental genomes is required prior to DNA replication,
indicating a unique G1-S phase checkpoint; v) the ability to introduce transgenic
DNA into rhesus oocytes by ICSI, but not by IVF, raises the concern that the ICSI
procedure could unknowingly transmit infectious material and vi) cytoplasmic
transfer may lead to a heterogeneous population of mitochondrial DNA (mtDNA) derived
from the donor oocyte, as have been found in the few babies born by this technique.
Before new infertility strategies can be designed, studies assessing the
developmental and reproductive consequences of ARTs must be undertaken. These studies
should encompass pediatric and adult health, reproduction and genetics outcomes;
implantation (leading to single embryo transfers); fetal development (imaged
non-invasively in utero); extranuclear transmissions (e.g. mitochondrial DNA,
centrosomes, foreign DNA or RNA); cytoplasmic transfer and mitochondrial
heteroplasmy; genomic imprinting and cryopreservation (for unfertilized eggs,
immature oocytes, ovaries and testes). When combined with the benefits of non-human
primate ART models, these clinical studies can evaluate the risks and benefits of
sophisticated methods in molecular medicine including gene and cell therapies, as
well as the potential utility of embryonic stem cell lines and therapeutic cloning.
Only then can new strategies be developed for managing reproduction and treating
infertility.
Innovations in ARTs such as the birth of ‘Dolly’ (the first cloned mammal),
the development of genetically modified disease models, and the new field of stem
cell biology raise additional concerns. Since fertilization and Somatic Cell
Nuclear Transfer (SCNT) are sexual and asexual modes of reproduction, respectively,
lessons learned about parental inheritance discovered by contrasting these two
procreative approaches will be considered. Prior to “Dolly” each and every mammal
had precisely two parents of opposite sexes – SCNT challenges the fundamental tenets
in biparental inheritance of every cellular component. The uni-paternal contribution
of the sperm centrosome is absence during SCNT and new results on unanticipated
challenges in primate SCNT (relevant for humans and non-humans, alike) will be
presented. Epigenetic imprints within the cytoplasm complementary to, but different
from, the nuclear genomic imprints represent a new frontier for discovery of molecular
basis of sexual dimorphisms.
6.2.29. 第58回 大学院教育改革セミナー
演題:「CAREER STRATEGIES OF LIFE SCIENTISTS IN JAPAN A VIEW FROM AN AMERICA WHO LOVES JAPAN
(日本における生命科学者のキャリア戦略 日本が好きなアメリカ人の視点から)」
講師:Gerald P. Schatten 博士
所属:Pittsburgh Development Center, University of Pittsburgh School of Medicine 日時:
平成 22 年 3 月 3 日(水曜日) 10:40~12:10
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨:
Career development and faculty mentoring programs are emerging as crucial
mechanisms to help launch and sustain life scientists as the pressures continue to
increase due to research competition, limitations in positions, restricted grant
funding and family demands. To help address this, a variety of initiatives have been
constructed in the United States as well as Europe, and this lecture will review these
initiatives and discuss their potential applicability to our friends and colleagues
in Japan.
As a scientific nephew of Katsuma Dan (團 勝磨) and Jean Clark Dan, Dr. Schatten
has recognized the incredible contributions of Japanese scientists to the global body
of knowledge.
However, it appears that fewer Japanese colleagues conduct
experiments overseas, especially in comparison to researchers from other countries
193
like China and India. We will discuss professional and personal reasons for this,
as well as whether improved communication might alleviate this perceived disparity
Furthermore, a number of web sites will be presented, perhaps with live online
access, to consider the various binational and international funding agencies. This
include the Japan International Science and Technology Exchange Center posted a
comprehensive list of opportunities for researchers from overseas to conduct research
in Japan (http://www.jistec.or.jp/Sending/sending_e.html) and for Japanese
researchers
to
conduct
research
abroad
(http://www.jistec.or.jp/Sending/sending.html - in Japanese). The NSF's Office of
Science and Engineering Homepage (http://www.nsf.gov/div/index.jsp?div=OISE) and
the NIH’s Fogarty International Center (http://www.fic.nih.gov/).
Finally, we will discuss career-long support mechanisms to help accelerate and
sustain optimal professional and personal success. The professional societies which
offer detailed advice on how to get positions and how to maintain those positions
will be presented.
6.2.30. 第59回 大学院教育改革セミナー
演題:「活性酸素種生成酵素 Atrboh の活性化制御機構」
講師:賀屋 秀隆 博士
所属:東京理科大学 理工学部応用生物科学科
日時:平成 22 年 3 月 10 日(水曜日) 15:30~17:00
場所:近畿大学生物理工学部1号館第2演習室
要旨:活性酸素種は、一般的に老化やガン化などに関与する悪玉と考えられている。その一方で、
動植物を問わず免疫応答や形態形成において必要不可欠であることから、善玉であるとも考
えられる。この必要不可欠な活性酸素種を生成する酵素として NADPH oxidase がある。
では、
生物はどの様にして活性酸素種を上手に利用しているのであろうか。
我々は、シロイヌナズナの NADPH oxidase である Atrboh の活性化制御機構の解明を目的に
研究を行っている。本セミナーでは、Atrboh の制御機構について紹介すると共に、病害に
強い作物への応用についても紹介したい。
資料 6.9 大学院教育改革セミナーのポスター
194
第 6 章資料
195
196
資料 6.1
第4回学術シンポジウム・ポスター
197
198
資料 6.2
第4回学術シンポジウム・パンフレット
199
200
201
202
資料 6.3
第4回学術シンポジウム・講演資料(抜粋)
文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラム
『社会の要求に応える動物生命工学の実践教育』
第4回学術シンポジウム
未来の発生工学を切り開く研究者たち
再生医療と生殖医療に向けて
講演資料
日
場
所
時
2009 年 11 月 7 日(土)
10:10~18:20
近畿大学生物理工学部 アリーナ
近 畿 大 学 大 学 院
生 物 理 工 学 研 究 科
203
204
プログラム
9:30~
開場
10:10~10:20 主催者挨拶 細井 美彦(近畿大学大学院 生物理工学研究科 教授、
プログラム代表者)
10:20~10:30 開会の辞
セッション
入谷 明(学校法人近畿大学 理事 教授、日本学士院会員)
Ⅰ:社会の要求に応える生命科学研究とは
10:30~12:00 特別教育講演:井村 裕夫 (財団法人 先端医療振興財団 理事長・
独立行政法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター 首席フェロー・
京都大学名誉教授、日本学士院会員)
「医学の新しい動向 ― 進化医学」
12:00~13:00 昼食
セッション
Ⅱ:未来の発生工学を担う次世代の若手研究者
13:00~14:00
講演Ⅰ:野老 美紀子(近畿大学生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年)
「マウス初期胚におけるプロテオーム解析」
講演Ⅱ:岩本 太作(近畿大学生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年)
「ポリジメチルシロキサン製マイクロウェルプレートを用いたウシ胚の
体外培養および産子作出の検討」
講演Ⅲ:矢持 隆之(近畿大学生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 1 年)
「カニクイザル線維芽細胞-ウサギ除核卵子細胞質を用いた異種間核移植胚の
発生能力の検討」
講演Ⅳ:申 承旭(近畿大学生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年)
「マウス初期胚における DD2-2 遺伝子は 20S プロテアソームの形成に関与
している」
205
セッション
Ⅲ:社会の要求に応える生殖医療とは
14:10~15:10 招請講演:末岡 浩(慶應義塾大学 医学部 産婦人科学教室 准教授)
「ヒト胚の遺伝子診断の現状と方向性」
15:10~15:30 コーヒーブレイク
セッション
Ⅳ:未来の発生工学を切り開く若手研究者たち
15:30~16:10 一般講演Ⅰ:本田 新(独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター
遺伝工学基盤技術室 客員研究員)
「幹細胞研究の“今”と“これから”への歩み」
16:10~16:50 一般講演Ⅱ:大田 浩(独立行政法人 理化学研究所 神戸研究所
発生・再生科学総合研究センター ゲノム・リプログラミング研究チーム
研究員)
「多能性幹細胞および精子幹細胞の樹立とその応用」
16:50~17:30 一般講演Ⅲ:関 由行(関西学院大学 理工学部生命科学科
生殖後成遺伝学研究室
専任講師)
「生命の連続性を保証する生殖細胞特異的なエピゲノム調節と
その破綻」
17:30~18:10 一般講演Ⅳ:岡田 由紀(京都大学 生命科学系キャリアパス形成ユニット
特定助教)
「マウス一細胞期胚にみられるオス由来ゲノム特異的な脱メチル化に
おける、エロンゲーター(伸長因子)の役割」
18:10~18:20 閉会の辞 仁藤 伸昌 (近畿大学大学院部長 教授)
206
セッション
Ⅰ:社会の要求に応える生命科学研究とは
特別教育講演
井村 裕夫 先生(財団法人 先端医療振興財団 理事長・
独立行政法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター
首席フェロー・京都大学名誉教授、日本学士院会員)
「医学の新しい動向 ― 進化医学」
207
208
医学の新しい動向 ― 進化医学
京都大学名誉教授
井村 裕夫
本年は Charles Darwin の生誕 200 年, “種の起源“刊行 150 年の年に当たる。現在進化生物学
はゲノム情報を基盤として一層発展し、科学の重要な一分野になりつつある。人もまた進化の所
産として生まれたものであるから、その病気を理解する上に進化の視点は価値のある情報を提供
してくれる。進化医学と呼ばれるこの医学の新しい動向について述べる。
209
井村 裕夫 先生ご略歴:
1954 年
京都大学医学部医学科卒業
1962 年
京都大学大学院医学研究科博士課程修了
京都大学医学部附属病院助手
1965 年
京都大学医学部講師
1971 年
神戸大学医学部教授
1977 年
京都大学医学部教授
1989 年
京都大学医学部長
1991 年
京都大学総長
1997 年
京都大学名誉教授
1998 年
神戸市立中央市民病院長
科学技術会議議員
2001 年
総合科学技術会議議員
2004 年
独立行政法人科学技術振興機構顧問
財団法人先端医療振興財団理事長、稲盛財団会長
独立行政法人科学技術振興機構・研究開発戦略センター首席フェロー
受賞および栄誉:
1985 年
イギリス内分泌学会 Dale Medal
1986 年
武田医学賞
1988 年
第 25 回エルウィン・フォン・ベルツ賞一等賞
1991 年
日本医師会医学賞
1995 年
Asia and Oceania Madal(英国)
1997 年
Robert H.Williams Distinguished Leadership Award(米国内分泌学会)
1999 年
第 1 回日本糖尿病学会坂口賞
2000 年
フランス国家功労賞
2002 年
第 1 回日本内分泌学会特別功労賞
2005 年
瑞宝大綬章
2006 年
名誉大英勲章 CBE
研究:神経内分泌系(視床下部・下垂体)は生体調節の中枢として注目されています。
井村裕夫先生は、ストレスホルモンである副腎皮質刺激ホルモンの生合成、分泌の機構を明
らかにされました。また、脳内活性物質の内分泌調節における役割の解明、視床下部・下垂体疾
患の診断法の確立に貢献し、新しい疾患を発見されました。このように神経内分泌学の発展に大
きい役割を果たすとともに、心臓ホルモン、膵消化管ホルモンなど内分泌学の新分野の開拓にも
貢献されました。
210
セッション
Ⅱ:未来の発生工学を担う次世代の若手研究者
講演Ⅰ:野老 美紀子(近畿大学生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年)
「マウス初期胚におけるプロテオーム解析」
講演Ⅱ:岩本 太作(近畿大学生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年)
「ポリジメチルシロキサン製マイクロウェルプレートを用いたウシ胚の
体外培養および産子作出の検討」
講演Ⅲ:矢持 隆之(近畿大学生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 1 年)
「カニクイザル線維芽細胞-ウサギ除核卵子細胞質を用いた異種間核移植の
発生能力の検討」
講演Ⅳ:申
承旭(近畿大学生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程
3 年)
「マウス初期胚における DD2-2 遺伝子は 20S プロテアソームの形成に
関与している」
211
212
マウス初期胚におけるプロテオーム解析
近畿大学大学院 生物理工学研究科 生物工学専攻
発生遺伝子工学研究室
野老 美紀子
近年、初期胚発生の全体像を明らかにすることを目的に網羅的トランスクリプトーム解析から、
マウス初期胚で発現する遺伝子群の発現変動が検討されている。しかしながら、タンパク質は翻
訳後修飾や分解等の制御を受けるため、mRNA およびタンパク質の発現と安定性に時間的ラグが存
在していることが指摘されている。そこで本実験では、発現しているタンパク質の発現量やその
量的割合、そしてタンパク質の翻訳後修飾に関する情報を獲得することが可能なプロテオーム解
析から、初期胚発生の全体像をとらえるため、まずマウス初期胚の発生段階で発現するタンパク
質を二次元電気泳動と質量分析を組み合わせた比較プロテオーム解析により同定した。次に同定
したタンパク質を各発生ステージ間で差次的発現や、そのアノテーションよりクラスタリングし、
マウス初期胚の発生過程におけるタンパク質の全体的な動態を検討した。さらに、それらのタン
パク質発現の移行期において、有意に発現量が変動するタンパク質に着目し、それらタンパク質
についてより詳細な発現解析を行った。
本実験では、常法に従って過剰排卵処理した ICR 系マウスより得た MII 期卵母細胞と、体外受
精によって獲得した 1 細胞期、初期 2 細胞期、後期 2 細胞期、4 細胞期、8 細胞期、桑実期および
胚盤胞期の胚を用いた。タンパク抽出液全量を用いて、二次元電気泳動を行い、各タンパク質ス
ポットのタンパク質を質量分析計により同定した。また、二次元電気泳動像の定量的な画像解析
を行ない、各発生段階における個々のタンパク質発現量の変化をグラフ化し、発現量の変化によ
ってクラスタリングを行った。
MII 期卵母細胞のタンパク質二次元電気泳動像から、約 300 タンパク質スポットを切り出し、
最終的に 150 以上のタンパク質スポットのタンパク質を同定した。同定したタンパク質を機能別
に分類した結果、タンパク質代謝および修飾に関与するタンパク質が最も多い割合を占め、その
中でも Peptidyl arginine deiminase type VI がタンパク質量で最も多く存在していることが明
らかになった。次に、マウス初期胚の各発生段階における二次元電気泳動像から、各タンパク質
スポットについて画像解析によりタンパク質の発現パターンを得た。各タンパク質スポットの発
現量の変化から階層クラスタリングおよび主成分分析を行なった結果、マウス初期胚の発生段階
は、MII 期(Phase I)、1 細胞期から後期 2 細胞期(Phase II)、4 細胞期から桑実期(Phase III)、
胚盤胞期(Phase IV)に分類されることが明らかになった。
本実験により、胚におけるタンパク質発現状態から、マウス着床前初期胚が大別して 4 つの
Phase に分類されることが初めて示された。究極に雌の生殖細胞へ分化した MII 期卵は、受精す
ることによって分化全能性を獲得する。この時期の急激なタンパク質の変動は、全能性の獲得と
密接に関与していることが示される。受精後、胚は分裂を繰り返し、細胞数を増やしながら、胚
盤胞胚へと発生し、内部細胞塊と栄養外胚葉に分化する。盛んに分裂を繰り返す 4 細胞期から桑
実期胚ではタンパク質発現変動は小さく、その後胚盤胞胚になると急激なタンパク質変動が起こ
ることが明らかになった。このことから Hamatani ら(2004)が示した Mid-preimplantation Gene
Activation (MGA)に由来するタンパク質発現は、MGA 後、直ちに行なわれるのではなく、胚盤胞
期まで遅延している可能性が示された。また、タンパク質発現変動は、胚盤胞胚で最も劇的な変
化を示すことが観察された。この変化は、胚盤胞胚では、各々の細胞での、分化に関与する新規
タンパク質の合成や、着床に関与するタンパク質が発現していることを反映している可能性が示
唆される。
213
ポリジメチルシロキサン製マイクロウェルプレートを用いた
ウシ胚の体外培養および産子作出の検討
近畿大学大学院 生物理工学研究科 生物工学専攻
応用遺伝子工学研究室
岩本 太作
哺乳動物胚を少数の胚(1-5 胚)で培養すると、胚盤胞への発生率が低いため、同一の培養液滴内
で複数の胚(25-50 胚)を培養する集合培養法が広く利用されている(Nagao et al. 1995)。近年、well
of the well 法(WOW 法)が開発され、単一胚の培養が可能であることが示されたが、ウェルを手
作業で作製するため同一形状のものを作製することが困難であった。本研究では、成型が容易、
低コストなどの特長からシリコーンの一種であるポリジメチルシロキサン(PDMS)に微小なウェ
ル(凹み)を作製した。そのウェルを用いてウシ体外受精(IVF)胚の初期発生に及ぼす影響につい
て検討した。また、経膣採卵によるウシ IVF 胚をマイクロウェルで培養し、得られた胚盤胞を受
胚牛に移植し、産子の作出を試みた。
IVF は佐伯ら(1998)の方法に従って行った。媒精 18 時間後に、卵丘細胞および精子を除去した
胚は、集合培養法(25 胚/50μl)、WOW 法(1 胚/well)、大気圧および減圧下で固化した PDMS に
作製した微小ウェル(MW-AP および MW-LP、
1 胚/well; φ300μm×深さ 200 μm)を用いて、5%CO2、
5%O2、90%N2、飽和湿度条件下で培養を行った。卵割率、胚盤胞への発生率および得られた胚盤
胞の細胞数を調べた。また、経膣採卵によって 5 頭の供卵牛より卵子を回収し、IVF 胚を作製し
た後、PDMS 製マイクロウェル(φ300μm×深さ 200 μm)で体外培養した。得られた胚盤胞は受胚
牛に移植を行い、胎齢 40-45 日に超音波妊娠診断装置により妊娠鑑定を行った。
卵割率は、どの実験区においても同等であった(65~75%; P>0.05)。胚盤胞への発生率は、集
合培養法、WOW 法、MW-AP および MW-LP でそれぞれ 25%、15%、4%および 24%であり、
MW-LP 区では対照区と同等の発生率であったが(P>0.05)、MW-AP 区は他の実験区と比較して発
生率が著しく低かった(P<0.05)。得られた胚盤胞の細胞数は、どの実験区においても同等であ
った(P>0.05)。また、経膣採卵による IVF 胚を PDMS で培養し、得られた胚盤胞を 7 頭の受胚
牛に移植したところ、4 頭が受胎し(57%)、受胎率は従来の方法(40%, 4/10)と同等であった。さら
に、受胎したすべての牛から産子が得られた。
以上の結果より、PDMS で作製したマイクロウェルプレートを用いることでウシ胚の単一培養
が可能となり、胚の培養に実用的に利用できることが示された。
214
カニクイザル線維芽細胞-ウサギ除核卵子細胞質を用いた
異種間核移植胚の発生能力の検討
近畿大学大学院 生物理工学研究科 生物工学専攻
発生遺伝子工学研究室
矢持 隆之
【目的】
異種間核移植は絶滅危惧動物の繁殖法や幹細胞基礎研究の一つとして、非常に有用な技術であ
ると考えられるが、産仔作出・ES 細胞の樹立ともに非常に低率であり、近縁種間での研究以外で
は成功例はほとんど無い。これらの研究に異種間核移植技術を利用するためには、その胚発生に
おける特性を理解する必要があると考えられる。 本研究では、異種間核移植技術の利用を目的と
して、ウサギ卵子をレシピエント細胞質に、ヒトのモデルとして広く用いられているカニクイザ
ルの線維芽細胞を核ドナー細胞として用いた、カニクイザル-ウサギ異種間核移植胚(サル-ウ
サギ胚)を作製し、異種間核移植胚の培養液の検討、胚発生速度、胚盤胞期での細胞数、ミトコ
ンドリアの状態などの胚発生における特徴の解析を行った。さらに異種間核移植胚から ES 細胞の
樹立の可能性を検討するために、異種間核移植胚から内部細胞塊(inner cell mass : ICM)を単
離し培養を行った。
【方法】
過剰排卵処理を施した成熟メスウサギより排卵卵子を回収し、除核後、カニクイザル耳介由来
線維芽細胞核をドナーとして注入し、サル―ウサギ異種間核移植胚を作製した。得られたサル―
ウサギ異種間核移植胚の初期胚発生における特徴として、ウサギ胚・カニクイザル胚それぞれの
胚培養液を用いた発生の比較、胚の発生速度、胚盤胞期胚の細胞数、ミトコンドリアの状態など
の特徴を解析した。さらに、得られた胚盤胞期胚から内部細胞塊を単離・培養し胚性幹細胞の樹
立を試みた。
【結果】
培養液の検討の結果、カニクイザルの胚培養である mCMRL-1066+20%FBS を用いた場合でのみ胚
盤胞期胚までの発生を確認することができた。一方、胚の発生速度や細胞数は、ウサギ核移植胚
と類似していた。ミトコンドリアの状態は、核移植直後から胚盤胞期胚までカニクイザル・ウサ
ギそれぞれのミトコンドリアが検出された。胚性幹細胞の樹立を試みた結果、細胞株の樹立には
至らなかったものの、外見上は幹細胞様の初期コロニーが得られた。しかし、そのコロニーは継
代後に増殖せず消失してしまった。
【考察】
胚盤胞期胚までの発生が観察された事から、ウサギ卵子がカニクイザル体細胞核をリプログラ
ミングし初期胚発生をサポート出来る事が示された。さらに内部細胞塊から初期コロニーを得る
ことができた事から、胚性幹細胞を作出できる可能性が示された。しかし、継代後に細胞増殖が
見られなかった事から、その培養条件などの改良が必要と考えられた。
215
マウス初期胚における DD2-2 遺伝子は 20S プロテアソームの形成に関与している
近畿大学大学院 生物理工学研究科 生物工学専攻
発生遺伝子工学研究室
申
承旭
受精後母性から胚性へ移行時期に伴う母性タンパク質の崩壊は、核のリプログラミングや胚の
全能性獲得など胚発生において最も重要な時期だと考えられる。しかし、この時期における母性
タンパク質分解の詳細な分子メカニズムはまだ明らかになっていないが、一つのカギとしてユビ
キチン-プロテアソーム系が関与していると考えられる。現在まで、我々は(1)我々が独自に
単離した DD2-2 遺伝子のタンパク質がプロテアソームの形成に関与している POMP (proteasome
maturation protein)と相互作用していることや、(2)DD2-2 や POMP をノックダウンした場合に
胚発生が 1 細胞期や 2 細胞期で遅延・停止することを明らかにしている。以上のことから、DD2-2
がプロテアソームの形成に関与する可能性が示唆されている。本実験では、DD2-2 のユビキチン
ープロテアソーム系に関与を明らかにするため、DD2-2 や POMP をノックダウンした胚におけるユ
ビキチンと Cyclin B1 の変化を検討した。実験方法として DD2-2 アンチセンス発現ベクター(p
β act/antisense-DD2-2/IRES/EGFP/SV40 ) や POMP ア ン チ セ ン ス 発 現 ベ ク タ ー
(pCAG/antisense-POMP/IRES/Luc+-N3)を各々受精後 7 時間に雄性前核に顕微注入を行った。顕
微注入した胚におけるユビキチン化タンパク質の蓄積をユビキチン抗体を用いてウェスタンブロ
ット方法を用いて調べた。さらに、DD2-2 や POMP をノックダウンした胚とプロテアソーム阻害剤
(MG132)処理した胚を細胞周期依存的にサンプリングを行い、Cyclin B1 抗体を用いて Cyclin B1
がどの様に変化するのかを検討した。その結果、DD2-2 や POMP をノックダウンした胚は MG132 を
処理した胚と同様に無処理区に比べユビキチン化されたタンパク質が多く残っていることが明ら
かになった。さらに、Cyclin B1 は DD2-2 や POMP をノックダウンした胚と MG132 処理をした胚が
同様に分裂期前期(受精後 17 時間)以後に分解されずに蓄積されていることが明らかになった。ノ
ックダウンした胚においてプロテアソームが形成されなくなり、ユビキチン化されたタンパク質
が分解されずに蓄積されたと考えられる。以上のことから、マウス初期胚における DD2-2 はプロ
テアソームの形成に関与する可能性が示唆された。
216
セッション Ⅲ:社会の要求に応える生殖医療とは
招請講演
末岡
浩 先生(慶應義塾大学 医学部 産婦人科学教室 准教授)
「ヒト胚の遺伝子診断の現状と方向性」
217
218
ヒト胚の遺伝子診断の現状と方向性
慶應義塾大学 医学部 産婦人科学教室
末岡
浩
現状の生殖医療の急速な発展は 1950 年代から僅か 60 年間に達成されており,動物研究からヒト
への応用がなされてきたことに由来することに相違ない.その高いポテンシャルは,生殖による
個体の発生の生物学的なポテンシャルと可能性に基づいている.
生殖細胞が形成され,受精,胚発生に至るまでに生じる遺伝形質の伝播は多くの家系内疾患の伝
播をもたらす,ゲノムプロジェクトを代表とする遺伝子解析研究の進展によってその形質が明ら
かにされ,疾患本体の原因究明とそれに対する医学的アプローチも大きく変貌しようとしている.
1978 年の体外受精の成功から生殖細胞に対するこれらのアプローチが考えられるようになり,
Handyside らによって preimplantation genetic diagnosis (PGD)の概念が作られ,1991 年に最
初の PGD による妊娠が報告された.この技術は単一細胞から正確に多様な遺伝情報の解析を必
要とし,さらにその背景として安定的な体外受精とそれに関わる一連の生殖医療技術が求められ
る.同時に遺伝医療に位置づけられるため,遺伝情報の厳格な管理を含め多くのガイドラインに
準拠して行われることも求められている.このように背景として倫理的・社会的・法的問題が医
学的な課題とは別に存在する.
この技術は疾患を予防する目的として各生殖補助細胞の遺伝子・染色体の遺伝学的情報を診断し,
クライエントに対して情報提供を行うことを本来の目的としているが,それは生殖細胞に対する
形質変換の治療ができないことに起因している.現段階で,アプローチできるのは診断的アプロ
ーチに限定されるのである.しかし,単一細胞個々の情報解析を可能とする技術開発が進むこと
で,疾患の診断のみならず,各細胞が有する個々の遺伝子発現や細胞機能を解析することにも応
用が可能となる.
我々はすでに対象疾患として,Duchenne 型筋ジストロフィー(欠失型・点変異型),オルニチン・
トランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症,副腎白質ジストロフィー,均衡型染色体転座に加え,
ミトコンドリア遺伝子変異に対する着床前診断を実施している.また compound heterozygote の
遺伝子変異によって発症する福山型ジストロフィーや先天性表皮水疱症,トリプレットリピート
(CTG)の表現促進現象によって発症する筋緊張性ジストロフィーに対するアプローチを行って
いる.各症例について異なる遺伝子の変異に対するテーラーメイド医療が必要となる.
今後の疾患への対応と同時に卵子のクオリティーや aging への対応などへの展開が模索される.
219
末岡 浩 先生 ご略歴:
1980 年 8 月
1980 年 11 月
1981 年 7 月
1981 年 9 月
1982 年 7 月
1982 年 11 月
1983 年 8 月
1984 年 7 月
1986 年 2 月
1986 年 8 月
1988 年 7 月
1990 年 4 月
1991 年 7 月
1996 年 4 月
2000 年 4 月
2001 年 11 月
2003 年 10 月
2004 年 10 月
2004 年 11 月
2005 年 2 月
2005 年 4 月
2007 年 4 月
2007 年 10 月
2008 年 1 月
2008 年 4 月
慶應義塾大学医学部 卒業(学園ストライキのため卒業延期)
慶應義塾大学医学部 研修医(産婦人科)
栃木県 芳賀赤十字病院出向(1981 年 8 月迄)
群馬県 富士重工業健康保険組合総合太田病院出向(1982年6 月迄)
埼玉県 社会保険埼玉中央病院出向(1983 年 6 月 14 日迄)
慶應義塾大学医学部 助手(専修医)(産婦人科学)
伊勢慶應病院出向
慶應義塾大学 助手(医学部産婦人科学)
(1983 年 8 月末日迄)
慶應義塾大学 助手(医学部産婦人科学)
済生会神奈川県病院出向(1986 年 7 月迄)
米国ジョンズ・ホプキンズ大学に留学(1988 年 6 月迄)(post-doctoral fellow)
済生会神奈川県病院出向(1991 年 6 月迄)
済生会神奈川県病院 医長(産婦人科)
慶應義塾大学 助手(医学部産婦人科学)
慶應義塾大学 専任講師(医学部産婦人科学)
慶應義塾大学 准教授(医学部産婦人科学)
(2007 年 4 月 1 日より役職名助教授の呼び名変更)
慶應義塾大学病院遺伝相談外来運営委員会 委員長
慶應義塾大学医学部 RI 実験センター 運営委員
慶應義塾大学医学部 学務委員(2005 年 9 月迄)
慶應義塾大学病院遺伝情報管理委員会 委員
慶應義塾大学病院臨床試験支援体制準備委員会 委員
慶應義塾大学医学部倫理小委員会 委員
国際医療福祉大学大学院 非常勤講師
慶應義塾大学医学部准教授講師会 会長
慶應義塾大学病院ネットワーク委員会 委員(2009 年 9 月迄)
日慶應義塾大学病院先端情報環境整備に関する基本構想検討グループ 委員
慶應義塾大学医学部競争的資金獲得のためのワーキンググループ 委員
慶應義塾大学病院新情報環境計画タスクフォース委員会 委員(2009 年 9 月迄)
現在のご専門
研究テーマ:
着床前遺伝子診断の総合的研究
生殖毒性メカニズムの解明
ミトコンドリアDNA の生殖研究
卵管鏡下卵管形成手術の開発
臨床の専門
産婦人科学
生殖医学(不妊症診療,卵管鏡下卵管形成の開発,着床前遺伝子診断)
臨床遺伝学
220
セッション
一般講演Ⅰ:本多
Ⅳ:未来の発生工学を切り開く若手研究者たち
新(独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター
遺伝工学基盤技術室 客員研究員)
「幹細胞研究の“今”と“これから”への歩み」
一般講演Ⅱ:大田
浩(独立行政法人 理化学研究所 神戸研究所
発生・再生科学総合研究センター ゲノム・リプログラミング研究チーム
研究員)
「多能性幹細胞および精子幹細胞の樹立とその応用」
一般講演Ⅲ:関
由行(関西学院大学 理工学部生命科学科 生殖後成遺伝学研究室
専任講師)
「生命の連続性を保証する生殖細胞特異的なエピゲノム調節と
その破綻」
一般講演Ⅳ:岡田 由紀(京都大学 生命科学系キャリアパス形成ユニット 特定助教)
「マウス一細胞期胚にみられるオス由来ゲノム特異的な脱メチル化に
おける、エロンゲーター(伸長因子)の役割」
221
222
幹細胞研究の“今”と“これから”への歩み
独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室
本多
・
・
・
・
・
・
新
もともと単一の細胞である受精卵は、胎内において分裂しながら変化(分化)し“生命”として誕
生します。一方、様々な組織や細胞を作り出すことができる幹細胞は、受精卵とは異なり、体外など
で増殖・分化誘導ができることから、再生医療への応用や、未分化性の維持機構・分化機構等の解析
などにより、大きな研究対象として注目を集めています。これまでの幹細胞研究は‘新規幹細胞の発
見(樹立)’、
‘幹細胞の本質の見極め’、および‘医療への応用’に重きが置かれて目覚ましい発展を
遂げてきました。2006 年に京都大学の山中伸弥先生らが開発した Induced pluripotent stem (iPS) 細
胞の樹立方法は、再生医療への応用に大きな前進をもたらし、様々な病気に苦しむ方々にとって希望
の光となっています。山中先生らの方法は、「これまで幹細胞研究者が一歩一歩階段を上って目指し
ていた場所に、一気にロケットで飛んでいってしまった」程のインパクトがあり、その期待は様々な
分野を超えて膨らみ続けています。世界的な競争が激化しており、毎週のように大きな発見が発表さ
れています。本講演では、めまぐるしく発展し続けている幹細胞研究分野の現状と今後について、幹
細胞の基礎的なことから、医療への応用に対する問題点についてお話しいたします。また、後半は若
手研究者として私が取り組んでいるウサギES細胞や莢膜幹細胞研究に関する知見と共に、若手とし
て研究に携わる姿勢などについてもお話し、そこから見えてきた実験動物とヒト医療の関連性などに
ついても触れていきたいと思います。
具体的には、
幹細胞とはどのような細胞なのか?
幹細胞研究とはどのようにして進められているのか?
ES 細胞と iPS 細胞
幹細胞を利用した技術でどのようなことが出来るようになっているのか?
ウサギ ES 細胞樹立での試行錯誤と今後の展開
一度は諦めかけた研究から芽生えた莢膜(きょうまく)幹細胞の発見
といった項目に焦点を当てます。
ウサギES細胞の樹立や莢膜幹細胞の発見は、どちらもまったく予想していなかった結果から
生まれた成果でした。激しい競争の続く幹細胞生物学の“これから”を紡ぎ出すために、私たち
若手研究者がどのように研究に取り組んでいるのかを、具体的な実験データと共にお話しいたし
ます。
223
本多 新 先生 ご略歴
平成 10 年 北里大学理学部生物科学科卒業
平成 12 年 筑波大学大学院バイオシステム研究科修士課程
バイオシステム専攻修了(指導教官:馬場忠教授)
平成 12 年 筑波大学大学院農学研究科博士課程
応用生物化学専攻編入学(指導教官:馬場忠教授)
平成 15 年 筑波大学大学院農学研究科博士課程応用生物化学専攻
修了{博士(農学)}(指導教官:馬場忠教授)
学位論文:Identification and Characterization of Mouse Sperm Serine Protease TESP5
平成 15 年 4 月~平成 16 年 9 月:
独立行政法人理化学研究所協力研究員
(研究内容:同研究所 小倉淳郎室長のもとで)
1. マウス以外の動物でのジーンターゲティング
2. 精子セリンプロテアーゼ TESP5 欠損マウス作製
3.体細胞核移植クローン胚を用いた発生とエピジェネティクスの相関解析
について研究に従事した。
平成 16 年 10 月~平成 21 年 9 月 30 日
独立行政法人理化学研究所基礎科学特別研究員・協力研究員
(研究内容:同研究所 小倉淳郎室長のもとで)
1.ウサギ ES 細胞株の樹立と解析
2.マウス莢膜幹細胞の分離と解析
3.効率的な卵子調製法と利用法の開発
の研究に従事した。
平成 21 年 10 月 1 日~現在
独立行政法人科学技術振興機構「iPS 細胞と生命機能」領域さきがけ研究員
「ウサギを用いた iPS 細胞総合(完結型)評価系の確立」
224
多能性幹細胞および精子幹細胞の樹立とその応用
理化学研究所 神戸研究所 発生・再生科学総合研究センター
ゲノム・リプログラミング研究チーム
大田
浩
ES 細胞は初期胚を起源とする多能性幹細胞で、生殖細胞を含むすべての細胞に分化することがで
きる細胞株である。一方、精子幹細胞(GS 細胞)は精巣の生殖幹細胞から樹立・培養することが
でき、精巣へ移植することにより精子へと分化できる細胞株である。両細胞株とも配偶子へと分
化できる特性から、マウスにおいては幹細胞研究のみならず遺伝学的研究にも応用されてきた。
また近年ではマウス以外の種でも ES 細胞や GS 細胞が樹立可能であることが報告されてきており、
再生医療、不妊治療への応用が期待されている。しかしながら、全ての種や系統でこのような幹
細胞が樹立可能という訳ではなく、解決すべき問題は数多く残されている。
マウスにおいては NOD(non-obese diabetic)マウスが ES 細胞の樹立抵抗性を示すことが知
られている。NOD マウスは ICR のコロニーから見つかった変異マウスで、I 型糖尿病の有用なモデ
ルマウスとして使用されてきた。また近年では、ヒト化マウス作成の際の遺伝的背景にも応用さ
れており、非常に重要な系統として位置づけられている。過去に多くの研究者が NOD マウス由来
の ES 細胞を樹立しようと試みたが、通常の ES 細胞用の培地では遺伝子改変に耐えうる ES 細胞を
樹立することは不可能であった。NOD マウスから遺伝子改変可能でなおかつ配偶子へ分化し得る
細胞株を樹立することができれば、I 型糖尿病の解析およびヒト化マウスの作成に大きな貢献を
もたらすことができる。
今回の発表では NOD マウス由来の GS 細胞および ES 細胞の樹立に至った経緯を未発表データを
含めて概説したい。また同様にして得られた他の種の ES 細胞について、その性質を紹介したいと
考えている。
225
大田 浩 先生 ご略歴
平成 15 年 3 月大阪大学薬学博士取得。大学院では大阪大学微生物病研究所
いて雄性生殖幹細胞の増殖・分化機構の解析を行った。
西宗義武研究室にお
その後から現在まで、理化学研究所 神戸研究所 発生・再生科学総合研究センター ゲノム・
リプログラミング研究チーム(チームリーダー:若山照彦)にて研究員として従事。発生工学技
術の開発およびその応用研究を行う。
平成 13 年~平成 15 年 日本学術振興会特別研究員。
平成 15 年~平成 18 年 基礎科学特別研究員。
226
生命の連続性を保証する生殖細胞特異的なエピゲノム調節とその破綻
関西学院大学
理工学部生命科学科
関
生殖後成遺伝学研究室
由行
高等哺乳動物は約200種類の細胞により構築・維持されているが、大きく分けると体細胞と
生殖細胞に分けることができる。体細胞はそれぞれ特化した機能を獲得することで生理機能を発
揮し、個体の恒常性を維持しており、一方で生殖細胞は、次世代の個体形成を保証することで生
命の連続性を維持している。ほぼすべての細胞が持つ DNA の1次配列を同一であり、受精卵から
始まる発生プログラムの過程において、細胞は分化に応じた特定の化学修飾をクロマチンに付与
することでそれぞれの特性を獲得することができ、その後成遺伝情報(エピゲノム情報)は細胞
分裂を経ても安定に保たれる。しかしながら、生殖細胞は配偶子として特化した機能獲得のため
に、生殖細胞特有のエピゲノム情報を確立しながらも、次世代において全遺伝情報を活性化する
ために、そのエピゲノム情報を消去する必要がある。
我々は、生殖細胞によるエピゲノム情報の初期化機構の実体を探るために、精子・卵の起源で
ある始原生殖細胞におけるエピゲノム解析を行ってきた。その結果、1)始原生殖細胞は PR ドメ
インを持つ Prdm14 を特異的に発現し、Prdm14 は始原生殖細胞の形成・初期分化に必須である。
2)始原生殖細胞は DNA メチル化調節因子 Dnmt3a/b,NP95 及びヒストンメチル化酵素 GLP の発現
を特異的に抑制し、ゲノム全体の DNA 及び H3K9me2 を消去することを明らかにしてきた。始原生
殖細胞は、特異的なエピゲノム調節因子を駆使して、遺伝子発現の抑制関わるエピゲノムをより
柔軟な修飾に変換することで、次世代における全遺伝子の発現を可能にしているのではないかと
推測している。この仮説を検証するためには、始原生殖細胞によるエピゲノム調節を制御する分
子カスケードを同定し、その一端を人為的に破綻させることが必要である。
本講演では、始原生殖細胞におけるゲノム全体の脱メチル化機構と Prdm14 による始原生殖細胞
特異的なエピゲノム調節機構に関する最新の知見を紹介する予定である。
227
関
学
由行 先生 ご略歴
歴
1996 年3月 31 日
1996 年4月1日
2000 年3月 25 日
2000 年4月1日
2002 年3月 24 日
2002 年4月1日
2006 年3月 31 日
職
歴
2005 年4月1日
2006 年4月1日
2009 年4月1日
鹿児島県立鶴丸高校 卒業
熊本大学薬学部 入学
同 卒業
熊本大学大学院薬学研究科修士課程 入学
(薬科学専攻)
同 修了(薬学修士)
大阪大学大学院医学系研究科博士課程 入学
(分子病態医学専攻)
同 修了(医学博士)
日本学術振興会特別研究員(DC2)
理化学研究所 基礎科学特別研究員
関西学院大学理工学生命科学科 専任講師
現在に至る
228
マウス一細胞期胚にみられるオス由来ゲノム特異的な脱メチル化における、
エロンゲーター(伸長因子)の役割
1
京都大学キャリアパス形成ユニット、2 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター、
3
University of North Carolina at Chapel Hill/Howard Hughes Medical Institute
○岡田由紀 1,3、山縣和夫 2、Yi Zhang3
いくつかの哺乳動物胚では、受精後の前核期において、オス由来のゲノムにグローバルな
DNA の脱メチル化が起こることが知られている。これは受精後のエピジェネティック情報のリプ
ログラミングおよび転写調節に重要と考えられている。さらに、この脱メチル化は前核の S 期以
前に開始されることから、DNA 複製によってメチル化されたゲノムが希釈される passive
demethylation ではなく、何らかの機構によって直接/間接的にメチル基が除去される active DNA
demethylation と考えられるが、この脱メチル化酵素は未だ同定されていない。
我々は、この雄性前核特異的 DNA 脱メチル化に影響を与える因子の同定を目標として、DNA
脱メチル化をリアルタイムに観察できる蛍光プローブを作製し、その mRNA と候補因子の siRNA を
一細胞期胚にインジェクションして、siRNA による DNA 脱メチル化への影響を検討した。その結
果、体細胞ではエロンゲーターとして働く事が知られている分子の siRNA によって、雄性前核 DNA
の脱メチル化の阻害が認められた。抗 5’メチルシトシン抗体を用いた免疫染色でも、同様の結
果が得られた。さらにこの分子のドミナントネガティブフォームをコードする mRNA をインジェク
ションしても、雄性前核の抗 5’メチルシトシン抗体の染色性が増加する(=DNA 脱メチル化が減
少している)ことが観察された。現在その分子メカニズムを検討中である。
229
岡田 由紀 先生 ご略歴
EDUCATION
Apr. 2003 – Oct. 2007
Apr. 2002 – Mar. 2003
Apr. 1998 – Mar. 2002
Apr. 1992 – Mar. 1998
Postdoc training with Dr. Yi Zhang at HHMI/UNC Chapel Hill
Postdoc
training
with
Dr.
Kazuo
Nagashima
at
CREST/JST/Hokkaido University, Japan
Ph.D student at the Graduate School of Veterinary Medicine,
Hokkaido University, Japan
Undergraduate student at the Hokkaido University (Dept.
Veterinary Medicine), Japan
APPOINTMENTS
03/09– present
11/07– 03/09
10/04 – 10/07
04/03 – 09/04
04/02 – 03/02
Assistant Professor, Career-Path Promotion Unit for Young Life Scientist,
Kyoto University, Japan
Research Specialist with Dr. Yi Zhang, HHMI/ UNC Chapel Hill
Postdoctoral Fellow with Dr. Yi Zhang, HHMI/ UNC Chapel Hill
Visiting Scientist with Dr. Yi Zhang, HHMI/ UNC Chapel Hill
Postdoctoral Fellow with Dr. Kazuo Nagashima, CREST/JST/ Hokkaido
Univ. Japan
HONORS AND AWARDS
Fellowship for Ph.D.students, Japan Society for the Promotion of Science, 1999-2001
Postdoctoral Fellowship, CREST/JST, Japan, 2002
Postdoctoral Fellowship, Japan Society for the Promotion of Science, 2003-2004
Postdoctoral Fellowship, National Institute of Health, 2004-2005
Postdoctoral Fellowship for Oversea Fellows, Japan Society for the Promotion of Science,
2005-2006
Pagano Award, UNC Chapel Hill, 2005.
230
組織的な大学院教育改革推進プログラム・第 4 回学術シンポジウムアンケート
このたびは近畿大学大学院生物理工学研究科第 4 回学術シンポジウムにご参加いただき、誠にあ
りがとうございました。アンケートは今後の参考資料にいたしますので、ご協力をお願いいたし
ます。
【該当項目に○印またはご記入ください】
1.参加されたあなたは
男・女
年齢
2.第 4 回学術シンポジウムは、何で知られましたか。
a. 新聞折込
b. ポスター
c. 知人に誘われて
e. その他(
3.会場までの交通は、何を利用されましたか。
a. 電車
b. バス
c. 自家用車
d. 単車・自転車
f. その他(
4.本日のシンポジウムの内容はいかがでしたか
a. たいへん興味深かった
b. 良かった
c. ふつう
e. 全く興味のないものだった f. その他(
歳
d.
大学からの通知・DM
)
e. 徒歩
)
d. あまり良くなかった
)
5.今後の近畿大学大学院の教育についてのご希望、またはご意見・ご感想を自由にお書きくだ
さい。
6.その他、ご意見・ご感想、ご質問を自由にご記入ください。
231
近畿大学大学院
生物理工学研究科
生物理工学部
〒649-6493 和歌山県紀の川市西三谷 930
Phone:(0736)77-3888
http://www.waka.kindai.ac.jp
232
資料 6.4 第 4 回学術シンポジウム・アンケート集計結果(抜粋)
[参加者数・内訳]
17
生物理工学部 教職員
遺伝子
学内
生物理工学部
学部生
生物工
電子システム
85
3
1
29
13
生物理工学研究科 院生
学外
89
一般
135
13
合計 148
【学部生内訳】
学科 \ 学年
1年
2年
3年
4年
計
遺伝子工学科
10
1
0
3
0
0
29
0
0
43
2
1
85
3
1
生物工学科
電子システム工学科
233
234
235
236
資料 6.5 平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 4 日)・ポスター
237
238
資料 6.6
平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 4 日)・要旨集
文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラム 平成 19 年度採択
『社会の要求に応える動物生命工学の実践教育』
「平成21年度大学院GP教育成果報告会」
講演資料
日
場
所
時
2010 年 3 月 4 日(木)
11:00~16:00
近畿大学生物理工学部 アリーナ
近 畿 大 学 大 学 院
生 物 理 工 学 研 究 科
239
240
プログラム
10:30~
開場
11:00~11:05 開会の辞 細井美彦(近畿大学大学院生物理工学研究科 教授 プログラム代表者)
11:05~11:30 講演Ⅰ:仁藤伸昌 (近畿大学大学院部長 近畿大学生物理工学研究科長 教授)
「近畿大学大学院における教育改革」
11:30~11:45 講演Ⅱ:村上ゆかり(近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻
博士後期課程1年)
「生物工学専攻博士前期課程をすごして」
11:45~12:00 講演Ⅲ:申 承旭(近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻
博士後期課程3年)
「生物工学専攻博士後期課程をすごして」
12:00~13:00 休憩
13:00~13:40 専門領域実践英語Ⅰ 研究内容発表
秋山光治 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程1年
唐谷ゆふ 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程1年
松原圭吾 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程1年
荒川貴啓 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程1年
近藤健二 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程1年
13:40~13:45 動物生命科学特論を受講して
矢持隆之 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士後期課程1年
13:45~13:55 研究管理能力開発基礎を受講して
高見晶子 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士後期課程2年
松井孝徳 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士後期課程1年
13:55~14:05 動物生命工学基礎を受講して
田島弘樹 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程1年
原田大士朗 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程1年
241
14:05~14:10 知的財産及び生命倫理学特論を受講して
畑中勇輝 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
14:10~14:40 休憩
14:40~14:50 専門領域実践英語Ⅱ 成果報告
伊藤俊介 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
宮本有希 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
14:50~15:00 インターフェース分野別専門家特別講義を受講して
谷垣悠介 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程1年
西山有依 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程1年
15:00~15:10 国内企業インターンシップ報告
畑中勇輝 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
辻本賀子 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
15:10~15:15 海外研究インターンシップ報告
岩本太作 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士後期課程3年
15:15~15:40 学術支援 国内学会発表支援制度報告
李 香欣
近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士後期課程1年
福永直人 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
森田真裕 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
川村紘子 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
森木甲子郎 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
中野達也 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
志賀勇介 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
安見匡生 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
15:40~15:55 学術支援 海外学会発表支援制度報告
岩本太作 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士後期課程3年
申 承旭
近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士後期課程3年
久保 森 近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻博士前期課程2年
15:55~16:00 閉会の辞 細井美彦(近畿大学大学院生物理工学研究科 教授 プログラム代表者)
司会:近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻
博士前期課程2年 高橋千明・博士前期課程 1 年 中野美穂
242
講演Ⅰ:「近畿大学大学院における教育改革」
仁藤 伸昌 教授 (近畿大学大学院部長 近畿大学生物理工学研究科長)
243
244
近畿大学大学院における教育改革
生物理工学研究科
仁藤 伸昌
近畿大学大学院は,1952 年に商学研究科・化学研究科(修士課程)の設置から始まって
いる。大学の拡充と並行して大学院の設置も続き,1970 年には商学研究科博士課程が,
1972 年には法学研究科,化学研究科および工学研究科に博士課程が設置された。その後
新学部の設置,改組等の機構改革を経て,現在法科大学院を加え 12 研究科を擁する大学
院となり,西日本に拠点を置く重要な大学院として教育研究の役割を果たしている。
一方で学部教育の充実と拡大のために大学院組織が十分に機能しないままに現在に至
っていることも否定できない。また,大学院設置の規制緩和により,旧国公立大学大学院
の学生定員が急激に増加し,近畿大学卒業の多くの優秀な学生が流れ,近畿大学大学院
の定員充足率の低下を引き起こすことになった。
2007 年度には 2008 年 4 月の財団法人大学基準協会による大学の認定評価に向けての
大学の自己点検評価が行われ,大学院教育・研究に 1 章が設けられた。これを機に 2007
年には近畿大学「21 世紀第一次教育改革」委員会が設置され,大学院の教育改革が議論
された。さらに,2009 年 10 月には「第二次教育改革」委員会が設置され,大学院の教育研
究の改革と充実が重要課題となっている。
大学院の本来の目的は,先駆的な研究を進め世界トップクラスの教育研究拠点を作って
ゆくことである。生物理工学研究科は,21 世紀 COE プログラム「食資源動物分子工学研
究」に採択され,研究と教育を飛躍的に発展させることになった。また,2007 年度には,文
部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログラムに生物工学専攻を核として「社会の要
求に応える動物生命工学の実践教育」が採択された。大学院全体に生物理工学研究科有
りとの印象付けを行うことになり,面目躍如である。このような環境で教育を授け,社会に巣
立つ若い研究者を支援することは,わが国の大学院教育の理念とも一致するものである。
内側からの大学院教育改革に加え,中央教育審議会による「新時代の大学院教育」の
検証も進められ,大学院教育のあり方が時代とともに大きく動いている。
ここでは今後進むべき大学院のあり方,近畿大学の対応などについて考察する。
245
246
講演Ⅱ:「生物工学専攻博士前期課程をすごして」
村上 ゆかり (近畿大学大学院生物理工学研究科 博士後期課程 1 年生)
247
248
生物工学専攻博士前期課程をすごして
生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程1年生 食品保全工学研究室
村上ゆかり
博士前期課程での2年間「組織的な大学院教育改革推進プログラム」の支援を受け、多
くのことを経験し、学ぶことができました。プログラムの一環として、前期課程 1 年次に専門
領域実践英語、動物生命工学基礎、インターフェース分野別専門家特別講義を受講しまし
た。どの講義も今までに受けたことがない形式だったので、新鮮だったのと同時に、特に動
物生命工学基礎では、自分の研究テーマと全く異なり、基礎知識もほとんどない状態だっ
たので、とても苦労しました。しかし、自分の研究テーマを勉強して知識を深めることも大切
ですが、大学院生として自分の研究テーマ以外を勉強し、新しい知識を得ることも必要で
あるということをこれらの講義を受講することで改めて学びました。また、専門領域実践英
語で行った英語でのプレゼンでは、英語が苦手ということもあり、上手くできませんでした。
翌年に海外での学会発表が決まっていたので、発表よりも先ず英語に慣れ、会話ができる
ようにと思い、英会話を習うなど、自分でもできることから始めました。上達しているかはわ
かりませんが、苦手を克服しようという意識を持てたことが自分にとって大きな一歩になっ
たと思います。
また、多くの学会にも参加させていただくことができました。学会発表を行うためには、会
場に行くまでの交通費や宿泊費などのお金が必要となります。しかし、このプログラムの支
援により、国内での発表はもちろん、海外の学会でも発表をすることができ、とても貴重な
経験となりました。博士前期課程2年という立場で海外の学会に参加することは大変な面
が多くあったのですが、日本では出来ないことをたくさん経験し、そこから多くのことを学ぶ
ことができ、良い刺激を受けることができたと思います。
2008 年:ASHS(アメリカ)
2008 年:防菌防黴学会(静岡)
2008 年:USDA(アメリカ)
2008 年:Kathy 先生と。
249
250
講演Ⅲ:「生物工学専攻博士後期課程をすごして」
申 承旭 (近畿大学大学院生物理工学研究科 博士後期課程 3年生)
251
252
生物工学専攻博士後期課程をすごして
生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年生 発生遺伝子工学研究室
申
承旭
私の博士後期課程は平成 19 年の 4 月から始まった。特に組織的な大学院教育改革
推進プログラムと伴った大学院の生活は私にとってとても有益な時間であった。
組織的な大学院教育改革推進プログラムは私が研究のみ
に集中できるように様々な面でサポートをしてくれた。ま
た、研究以外においても学会発表や海外インターンシップ
など多くの貴重な経験をすることが出
来 た 。 そ の 中 で も Harvard Medical
School での 2 ヶ月のインターンシップ
が一番思い出に残る。最先端の研究を
行っている研究室の雰囲気や実際研究
室の Post Doctor 先生の家でホームス
テイをしながら最先端の研究をやって
いる研究者の生活などを 24 時間すぐそ
ばで経験出来たことは今後私が博士号を取得した後進路を
決めることにおいてとても貴重な経験だったと思う。また少なくとも一年 2 回以上の
学会参加は研究に関する知識を深めるだけではなく人間関係を広げる素晴らしいチ
ャンスであった。特に、東京大学で行われた第 100 回目の日本繁殖生物学会大会では
ポスター発表部門優秀賞を頂くことが出来た。
研究以外でも様々な有益なことがあった。例えば、インターフェース分野別セミナ
ーを通して色々な分野での専門家の講演を聴くことによって他分野のことを間接的
に経験することが出来た。また、何よりも英語の実力が 3 年前と比べ非常に成長した
と思う。特に、海外学会に行っても外国人に対する怖さがなくなったことは毎日英語
の先生と会話をしたことが役に立ったと思う。
このような大変貴重な機会を与えて下さった組織的な大学院教育改革推進プログ
ラムならびに 近畿大学の先生方々や事務の方々に感謝の言葉を申し上げたいと思う。
253
254
専門領域実践英語Ⅰ 研究内容発表
博士前期課程1年生 秋山 光治
“Partial specific volume changes of collagen molecule would influence fibril
formation”
「コラーゲン分子の部分的な特異的体積変化が線維形成に影響する」
博士前期課程1年生 唐谷 ゆふ
“A search for novel cry genes of Bacillus thuringiensis by degenerate PCR”
「Bacillus thuringiensis の新規 cry 遺伝子の degenerate PCR 法による探索」
博士前期課程1年生 松原 圭吾
“Induction of Neuronal Cells from Embryonic Stem Cells by Coculturing with
Trophoblast Giant Cells”
「栄養芽層巨大細胞との共培養による胚性幹細胞からの神経細胞の誘導」
博士前期課程1年生 荒川 貴啓
“The effect of high pressure treatment on fresh-cut-vegetables”
「新鮮カット野菜に対する高圧処理の効果」
博士前期課程1年生 近藤 健二
“Resurrection of mammoth:Recovery of cell nucleus from dead body”
「マンモスの再生:死体からの細胞核の回収」
255
256
257
258
動物生命科学特論を受講して
博士後期課程1年生 矢持 隆之
259
260
動物生命科学特論を受講して
生物工学専攻 博士後期課程 1 年生
矢持 隆之
これまで体験した企業での実務では、特定の領域のみの知識や技術に集中してしまい、
技術者として特化した考え方や研究になっていた。本講義で生理学、生化学、分子生物学
など、幅広い分野の教育を受ける事によって、実務経験などでこれまでに得ていた知識や
技術に加え、さらに深く広い知識や技術を習得することが出来た。また、過去に講義を受け
た内容であっても、実務を経験したのち再度講義を受けたことにより、自分の経験と対比し
て、より深く理解することが可能だった。 本講義を受講して、ある特定の領域の研究であっ
たとしても、幅広い視野で考察・理解する事の重要性や、そのための知識や技術を学ぶ事
が出来た。今後、企業での実務研究に携わるにあたり、本講義は大変貴重な体験となっ
た。
261
262
研究管理能力開発基礎を受講して
博士後期課程2年生 高見 晶子
博士後期課程1年生 松井 孝徳
263
264
「研究管理能力開発基礎」を受講して
生物工学専攻 博士後期課程 2 年生
高見 晶子
この講義は「シンポジウム・ワークショップなどの開
催の実体験を通じて実践的なトレーニングを積むこと
と共に、問題発掘能力ならびに課題解決能力の高度
化を図り、研究管理能力の基礎を身につけさせる」こ
とを目的としています。私はこの講義の一環として、
昨年の夏に第 3 回学生主催ワークショップを開催しま
した。自分たちでスケジュールを組み、実施場所の下
見や準備を行ないました。これはご指導くださった先
生方ならびに関係者の方々にご協力していただきな
がら行なっています。ワークショップを企画し運営す
るという、普段の研究室では体験できないことを出来
たことはとても貴重な経験を積めたと思います。
そして有意義な体験をさせていただいた、大学院
教育プログラムに感謝しています。
「研究管理能力開発基礎」へ参加して
生物工学専攻 博士後期課程1年生
松井 孝徳
「研究管理能力開発基礎」は、組織的な
大学院教育改革推進プログラムの一環とし
て、研究成果を社会に実用化する際に必
要となる基礎的な研究管理能力の修得を
目的としている。今後の大学院教育では、
研究に関する知識や技術だけでなく、それ
らの技術を様々な観点から評価管理する
能力を身に付けることが必要とされている
ためである。
具体的には、研究開発プロジェクトへの参画の実践的なトレーニングとして、学生が主体
となって企画・参加するワークショップを開催した。今回は、昨年に開催された第 3 回学生
主催ワークショップに参加した感想を中心に述べたいと思う。
265
266
動物生命工学基礎を受講して
博士前期課程1年生 田島 弘樹
博士前期課程1年生 原田 大士郎
267
268
動物生命工学基礎を受講して
生物工学専攻 博士前期課程1年生
田島 弘樹
生命科学の分野では疾患モデル動物などのモデル動物の存在が欠かせません。特に近
年ではバイオテクノロジーにより作成されたモデル動物の登場により、より高度に生命現象
を解析することが可能となりました。
動物生命工学基礎の講義では遺伝子改変動物作成にまつわる発生工学・生殖工学につ
いての講義とその領域で利用されている先端技術を実際に体験し、最先端バイオテクノロ
ジーの知識と技術を学ぶことを旨としています。本講義は夏季休業期間を利用し、集中講
義のかたちで先端技術総合研究所協力のもと講義と実習が行われました。今回は動物生
命工学基礎を受講した感想や実習内容を中心に学んだことを紹介します。
動物生命工学基礎の受講を通して
生物工学専攻 博士前期課程1年生
原田 大士朗
現在、私は光合成を専門に研究している。植物細胞や大腸菌などを用いた実験を行う機
会は多いが、動物細胞またはラットなどの動物を用いた実験を行う機会は皆無である。今
回の実習では極めて新鮮な体験を得ることが出来たと感じている。
昨今、医薬品の開発及び再生医療の研究などに ES 細胞や iPS 細胞が盛んに利用され
ている。生物学において最もホットでエキサイティングな分野の一つだと言えるだろう。実際、
ES 細胞を用いた研究や、マイクロインジェクションなどの技術に関する話題を耳にすること
は多い。しかし研究分野が違うと、どれほどエキサイティングな分野であろうが、それらのト
ピックは対岸のものとなる。今回の実習を通して、それらの知識に実学として触れることが
出来た。座学だけでは会得し得ない知識に触れ、理解を深めるきっかけとすることが出来
たように思える。
269
270
知的財産及び生命倫理学特論を受講して
博士前期課程2年生 畑中 勇輝
271
272
知的財産及び生命倫理学特論を受講して
生物工学専攻 博士前期課程2年生
畑中 勇輝
知的財産特論を受講して、近年の生命工学の著しい発展に伴った様々な問題について
学ぶことができました。それは、細胞や遺伝子などの新たな対象が知的財産になることや、
その権の囲い込みが、産業の発展をスムーズに促せない複雑な権利関係などです。本発
表では、これらの内容について、発表します。
生命倫理学特論を終えて、動物実験について多角的に捉えるようになりました。以前ま
で単に自分の研究成果のみを考えて動物実験を行っていた自分にとって、動物実験そのも
のを考えさせてくれるいい機会になりました。その内容は動物実験の是非についてであり、
受講者と先生の間でこれについてディスカッションを行いました。私にとって何気なく行って
いた動物実験にも、個々に様々な考え方があり、また解釈の違いもありました。これらの考
え方はどれも正解というものはありませんが、ディスカッションすることで初めて、実験動物
の是非について捉えることができました。本発表では、ディスカッションの場で出た考え方に
ついて発表します。
273
274
専門領域実践英語Ⅱ 成果報告
博士前期課程2年生 伊藤 俊介
博士前期課程2年生 宮本 有希
275
276
専門領域実践英語Ⅱより成果報告
ウサギ胚性幹細胞における未分化維持シグナル経路の探索
The signaling pathway involved in the maintenance of
rabbit embryonic stem cell pluripotency
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
伊藤 俊介
The regulation mechanism of pluripotency is an important issue for the stem cell
research.
Identifying signaling pathways associate with undifferentiated states in ESC leads to the
understanding of mammalian development. But the signaling pathways controlling pluripotency have
been identified in only a very limited number of species which ESCs have been derived. Rabbits are
physiologically closer to human and physiological manipulation in them is more easily done than
rodents. The rabbit ESCs (rbESCs) have been derived by several groups. However, the signaling
pathways involved in the maintenance of undifferentiated pluripotent state is unidentified. Here we
demonstrate the rbESCs have capacity of self-renew, maintain the undifferentiated states in
culture, and differentiate into all embryonic germ layers. And we also indicate the rbESCs
undifferentiated states are regulated through FGF and Activin/Nodal signaling pathways.
Report on Advanced Technical Course of Life Science English Ⅱ
Graduate School of Biology Oriented Science and Technology, Kinki University
First semester of master’s course, second year
Yuki Miyamoto
We are studying developmental biology for our master’s degree. English ability is
necessary for communicating with foreign researchers and to inform the community of our research
findings. We were trained to improve our English ability in reading, speaking, writing, and listening as
the basis of “Advanced Technical Course of Life Science EnglishⅠ”. Specifically, we worked on
speed reading, studied English grammar, listened to some podcasts, and discussed and wrote up our
studies in the format of own chosen journal.
The most impressive training for me was listening to some podcasts and making a
presentation about the news. I don’t understand native speaker’s pronunciation if they speak
naturally though I’m able to mostly understand them if they speak slowly. This training was a good
experience for me because it needs not only listening but also discussing the news.
If I had more time though, I would want to focus more at mainly speaking English. On the
whole, Advanced Technical Course of Life Science EnglishⅡ” was a good experience for me.
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インターフェース分野別専門家特別講義を受講して
博士前期課程1年生 谷垣 悠介
博士前期課程1年生 西山 有依
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インターフェース分野別専門家特別講義を受講して
生物工学専攻 博士前期課程 1 年生
谷垣 悠介
この講義では、様々な分野で活躍されている方の企業内の話、実際に現場での体験な
ど貴重な話を多く聞けるよい機会でありました。私にとって動物関係の話など難しいものも
ありましたが、興味を持つよいきっかけになったと思います。中でも写真家、ギター製作者
など今まで触れることのなかった世界で活躍されている方の話は、非常におもしろく刺激的
なものでした。写真家の水野克比古先生の時は、一枚一枚の写真がとても力強いもので、
存在感、情緒など実際にみている以上に感じることのできるものが多くありました。またそ
のような写真やお話を聞くなかでプロとしてやっておられる理由のようなものを垣間見ること
ができたと思います。
今回は、研究とは離れた分野の方の講演を中心に、この講座を通し感じたことなどを発
表します。
インターフェース分野別専門家特別講義を受講して
生物工学専攻 博士課程前期 1 年生
西山有依
インターフェース分野別専門家特別講義では、第 1 回の京都写真を確立した水野克古先
生からはじまり、第 14 回の NHK エンタープライズで自然番組のプロデューサーを務める水
沼真澄先生まで、科学だけでなく、幅広い分野の最前線で活躍する先生方の考え方に触
れることができました。今回の発表ではそのなかでも特に印象に残った先生や現在就職活
動を行う上で参考となったお話を紹介させていただきます。
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国内企業インターンシップ報告
博士前期課程2年生 畑中 勇輝
博士前期課程2年生 辻本 賀子
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国内企業インターンシップを終えて
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
畑中 勇輝
実施機関:独立行政法人 農業生物資源研究所(期間:平成 22 年 2 月 14 日~27 日)
指導担当教員:徳永 智之 博士
私は茨城県の農業生物資源研究所に 2 週間、
職業体験させて頂きました。この研究所はつくば
農林研究団地内に存在し、非常に広大な土地を
有しています。私を受け入れて下さった動物科学
研究領域、生殖機構研究ユニットは、畜産草地研
究所内に位置し、研究室は家畜の形質転換動物
実験塔にありました。この研究室では、マウスを始
め、ヤギ、ウシやウサギなどの実験動物を用いて
生殖機構の理解に関する研究を行っていました。
今回、私はメチル化解析をさせて頂きましたが、
職業体験ならではのよい緊張感を持って実験することができました。本発表では、この研究室の施
設、職業体験した内容などを紹介したいと思います。
国内企業インターンシップを終えて
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
辻本 賀子
実施機関名:理化学研究所 筑波研究所(期間:平成 21 年 5 月 18 日~29 日)
指導担当教員:小倉 淳郎 博士
私のインターンシップ先である理化学研究所筑波研究所では近年、ライフサイエンスの発展に伴
う実験用生物材料(培養細胞、動植物資源、遺伝子など)の整備を行うため、バイオリソースセンタ
ー(BRC)を設置、各リソースにおける情報の収集・保存・提供ならびに資源獲得のための技術開発
に貢献しています。
今回お世話になった遺伝工学基盤技術室では現在、リソースをより高度なクオリティにて維持・
供給することが求められており、そのために必要な遺伝関連技術、特に確立が望まれている基盤
的技術である核移植法、顕微授精法、各種幹細胞の樹立法ならびに胚・配偶子等リソース凍結法
の開発を推進しています。
このような企業の中で自身の実験技術(作業の効率や正確性)を高める訓練をさせて頂き、さらに
は社会に貢献するための研究への姿勢、責任の重みなどを現場の研究者の先輩方から直に学ぶ
ことができました。
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海外研究インターンシップ報告
博士後期課程3年生 岩本 太作
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平成 21 年度海外研究インターンシップ報告
研修者:岩本 太作
所属:博士後期課程 3 年生 生物理工学研究科 生物工学専攻 応用遺伝子工学研究室
インターンシップ先:King saud University, Riyadh, Saudi Arabia
インターンシップ期間:平成 21 年 12 月 5 日~平成 22 年 1 月 14 日
指導教員:Ahmed Al-himaidi Ph.D.
平成 21 年 12 月 5 日から平成 22 年 1 月 14 日までの間、サウジアラビア王国にあるキン
グサウド大学の Ahmed Al-himaidi 先生の研究室へ海外研究インターンシップで訪問しまし
た。私は、この研究室でヒツジ体細胞核移植胚を作製するために、基本的な胚の培養系の
確立を行いました。日本の研究室のようにはいかなく、英語でのコミュニケーションや器材
なども違うため、最初は苦労しましたが、胚の培養系を立ち上げることができました。また、
インターンシップの期間に大学から数十キロ離れた King Khalid Wildlife Research Centre に
訪問する機会がありました。ここでは、サウジアラビアに生息しているガゼルなどの大変希
少な動物の保護活動を行っていました。
今回のインターンシップでは、新しい環境で実験系の立ち上げに参加でき、その難しさや
成功した時の喜びを味わうことができた貴重な経験でした。また、サウジアラビアの大学生
とも交流をもつことができました。このような貴重な機会を与えてくださった組織的な大学院
教育改革推進プログラムならびに近畿大学の先生方、関係者の皆様に心から感謝申し上
げます。また、インターンシップで私を受け入れてくださった Ahmed 先生ならびにキングサ
ウド大学の皆様にも感謝申し上げます。
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学術支援 国内学会発表支援制度報告
博士後期課程1年生
博士前期課程2年生
博士前期課程2年生
博士前期課程2年生
博士前期課程2年生
博士前期課程2年生
博士前期課程2年生
博士前期課程2年生
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李 香欣
福永 直人
森田 真裕
川村 紘子
森木 甲子郎
中野 達也
志賀 勇介
安見 匡生
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111th Japanese Society of Animal Science (日本畜産学会)へ参加して
生物工学専攻 博士後期課程1年生
Lee Hyang-Heun
開催場所:琉球大学千原キャンパス
Analysis of degraded maternal proteins by ubiquitin-proteasome pathway in mouse
pre-implantation embryo
I participated in the 111th Japanese Society of Animal Science. This conference was held
in Okinawa Ryukyu University from September 28 to 29. Many scientists presented. I was
interested in research other scientists were doing. And I was an oral presentation on the
afternoon of the 28th. My research title is Analysis of degraded maternal proteins by
ubiquitin-proteasome pathway in mouse pre-implantation embryo. It was good experience
for me. After the conference, we did sightseeing in Okinawa. Okinawa has an emerald beach
and blue sky. Okinawa is a very beautiful place. I was very impressed with the conference
and place. So, I will study harder to go to another conference.
第 27 回日本受精着床学会総会・学術講演会へ参加して
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
福永 直人
開催場所:京都国際会議場
私は今回、第 27 回日本受精着床学会総会・学術講
演会にて、口頭発表をさせていただきました。本学会
では、発表内容が世界体外受精会議記念賞候補演題
(基礎)に選出され、京都国際会議場のメインホールで
の発表となりました。今までにこのような栄誉ある舞台
に立ったことはなく、とて
も緊張しました。残念な
がら受賞することは出来ませんでしたが、質疑応答では時間
一杯まで質問をしていただき、充実した発表でありました。ま
た、このような舞台での発表は大変貴重な経験であったと感
じており、このような機会を与えてくださいました文部科学省・
組織的な大学院教育改革推進プログラムに感謝いたします。
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第 32 回日本分子生物学会年会へ参加して
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
森田 真裕
開催場所:パシフィコ横浜
私は今回、第 32 回日本分子生物学会年会に参加させていただきました。この学会は参
加者がとても多く、多岐にわたる研究が発表されていました。また私が行ったポスター発表
では、今回から 1 つの発表につき、1 人以上のディスカッサーが付くことで、質疑・討論を充
実させる制度が導入されていました。私の発表は初日で沢山の方に足を運んでいただき、
積極的に討論することができました。特に私と同じくマウス胚の初期分化の研究をされてい
る方に貴重な御意見を伺うことができ、また現在もメールにて適切なアドバイスをいただい
ています。また反対に発表に対して質問させていただいた時も丁寧にお答えしていただき、
幅広い知識を身に付けることが出来ました。学会に参加したことで知識が増えた事はもちろ
ん、新たな人脈も築くことができ、私の研究にも進めるにあたり大きな助けとなりました。こ
の大学院教育プログラムによる支援のおかげで学会に参加できたことを関係者各位の皆
様に深く感謝いたします。
第 32 回日本分子生物学会年会に参加して
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
川村 紘子
開催場所:パシフィコ横浜
平成 21 年 12 月 8 日から 12 日までの 5 日間、パシフィコ横浜で開催された、第 32 回分
子生物学会に参加し、「マウス ES 細胞の分化過程における未分化維持機構における ABC
トランスポーターBcrp1 の与える影響」についてポスター発表を行いました。今回の分子生
物学会では、より学会を画期的な意見交換の場にするため、新たにディスカッサー制度が
導入されました。ディスカッサー制度とは、様々な大学や機関において研究されている専門
家が各発表者に対し、研究の概要、結果に対する質問、今後の展開等について議論を交
わす制度で、少し異なる分野からの質問やアドバイスを受けることができ、初めての経験で
したが非常に貴重な時間となりました。
また本大会のシンポジウムでは、難治性疾患に対する基礎研究や最先端の治療技術に
ついての発表から、金魚やコオロギといった、日常大学の研究では扱っていない実験動物
を用いた生物学研究についての発表まで、非常に多岐にわたるテーマが扱われていました。
そのため、これまで知ることができなかった分野について興味をもつようになっただけでは
なく、学内ではなかなか広げることができない視野を広げる良い機会になったと思います。
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第 32 回日本分子生物学会年会へ参加して
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
森木 甲子郎
開催場所:パシフィコ横浜
平成 21 年 12 月 9 日から 12 日までの 4 日間、神奈川県のパシフィコ横浜で開催された
第 32 回日本分子生物学会に参加しました。学会期間中は、多数のシンポジウムやワーク
ショップが実施され、今後の研究を支えていく若手研究者ミニシンポジウムなども開催され、
活気にあふれていました。本大会では、細胞核を中心に研究を行っているグループのワー
クショップやシンポジウムが数多く行われ、修士課程のテーマに役立つ情報収集を行うこと
ができました。また、共同研究者である先生方の口頭発表もあり、大いに実りのある学会で
した。さらに、ポスター発表では、ディスカッサー制度が導入され、他の大学の先生に自分
の研究発表を行い、討論するという試みが行われました。研究の核心を突く質問や、今後
の研究に役立つアドバイスをいただき、多くのことを学びとることができました。本学会が、
学生生活最後の学会発表にあたり、これまで組織的な大学院教育改革推進プログラムの
支援によって数多くの学会に参加し、自分の研究発表を行うことができました。この支援に
よって得た貴重な経験を春からの社会人生活にも大いに役立たせていきたいと思います。
日本畜産学会第 111 回大会へ参加して
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
中野 達也
開催場所:琉球大学千原キャンパス
今回、私は平成 21 年 9 月 28 日~29 日まで沖縄県の琉球大学 千原キャンパスで行わ
れた日本畜産学会第 111 回大会に参加し、「微生物由来リノール酸異性化酵素遺伝子
(PAISOM)の哺乳動物細胞における発現と PAISOM 導入核移植胚の発生」の題目で口頭
発表を行いました。この学会は家畜の改良、飼育、生理などに関するもので、私は形態・生
理の分野で発表を行いました。しかし、私が日頃行っている研究内容とは少し異なる分野
であったため、難しいところはありましたが多くのことを学ぶことが出来たと考えています。
また、今回が初めての学会発表であったため、質問に答えることが不慣れで上手く説明す
ることが出来ませんでした。今後は、この経験を元に聞いて頂いてる方々によりわかりやす
く簡潔に説明できるように技術や知識を学んでいきたいと考えています。また、自分の人生
のなかでもこの経験を活動に活かしていきたいと考えています。
今回の組織的な大学院教育改革推進プログラムによるサポートは大変有難い制度であ
り、この制度のお陰で学会に参加できたことを関係各位の皆様方に深く感謝すると共にこ
の場を借りてお礼申し上げます。
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日本畜産学会第 111 回大会へ参加して
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
志賀 勇介
開催場所:琉球大学千原キャンパス
私は平成 21 年 9 月 28 日から 29 日に琉球大学千原キャンパスで開催された日本畜産
学会第 111 回大会へ参加しました。日本畜産学会は実験動物として頻繁に用いられるラッ
トやミニブタ以外にフンボルトペンギン、ヤンバルクイナなど様々な動物、幅広い研究の発
表を拝聴し、知的好奇心を揺さぶられるものでした。本学会では「特定病原菌不在(SPF)ミ
ニブタの作成とその微生物学的評価」の題目で口頭発表を行いました。数多くの先生方の
前で発表という体験、他の大学の先生から研究について私の視点と違った角度からの貴
重な御意見や質問をいただき、新たな課題が見えてきました。学会では公演会以外にも
様々な立場の若手研究者による「研究者が学生、若手研究者のキャリアパス」についての
ディスカッションを目的としたシンポジウムが開催され、自分の将来について改めて考えさ
せられました。この 2 日間、研究成果発表、シンポジウムなど様々な体験ができたのも大学
院教育プログラムの支援によるものであり、このような機会を与えていただき深く感謝する
とともに御礼を申し上げます。
第 32 回日本分子生物学会年会へ参加して
生物工学専攻 博士前期課程 2 年生
安見 匡生
開催場所:パシフィコ横浜
今回私は平成 21 年 12 月 9 日から 12 日まで神奈川県のパシフィコ横浜で行われた第
32 回日本分子生物学会年会へ参加してきました。非常に大きな学会で、さまざま研究分野
の最新の報告を聞くことができました。私の行っている研究に非常に近い研究をなさってい
る先生の発表を聞くことができました。その先生にお話を聞くことにより、今まで自分が考え
付かなかった考察などもしておられ、貴重な情報やアドバイスをいただき、今後の研究にと
って、非常に有意義な時間となりました。私は、9 日に「Mutational analysis of Met98 and
Arg309 of xenobiotics transporter ABCC1(MRP1) cloned from bovine」という題目でポスタ
ー発表を行いました。発表前はとても緊張していましたが、発表が始まるとたくさんの方々
が質問に来てくださり、緊張している間もなく、あっという間に時間がすぎました。質問してく
ださる方は、私の研究分野を熟知している方もいれば、他分野の専門家など、さまざまな方
がいました。多くの方に自分の伝えたいことを理解してもらうのは非常に難しいことだと痛
感しました。たくさんの情報や貴重な経験をすることができ、非常によい学会発表になった
と思いました。こういった経験を是非、他のより多くの学生にもしていただきたいと思いまし
た。今回の発表にあたり、学会発表という貴重な機会を与えてくださった文部科学省・組織
的な大学院教育改革推進プログラムに感謝いたします。
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学術支援 海外学会発表支援制度報告
博士後期課程3年生 岩本 太作
博士後期課程3年生 申 承旭
博士前期課程2年生 久保 森
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学術支援、海外学会発表支援制度
生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年生
岩本 太作
開催場所:Borei Angkor Hotel, Siem Reap, Cambodia
学会名称:The sixth annual meeting of the Asia Reproductive Biotechnology Society
(ARBS)
平成 21 年 11 月 16 日~11 月 20 日カンボジアで開催された第 6
回 ARBS に参加しました。私は、Effects of well size on embryonic
development of bovine embryos using polydimethylsiloxane (PDMS)
micro-well plates という題目でポスター発表しました。英語での説
明は苦労しましたが、多くの先生方と意見交換でき、大変有意義な
発表となりました。また、日本の先生方に限らず、たくさんの他の国
の学生や先生方と交流を深めることができました。
このような貴重な機会を与えてくださった生物理工学研究科生
物工学専攻の先生方ならびに関係者の皆様に心から深謝いたし
ます。
学会会場
ポスター発表
学術支援、海外学会発表支援制度
生物理工学研究科 生物工学専攻 博士後期課程 3 年生
申 承旭
私は 2 月 15 日から 20 日の間、アメリカ・コロラド州に位置している「Keystone Symposia,
Stem Cell Differentiation and Dedifferentiation」でポスター発表を行った。今回の学会は世
界的に注目されている再生医療やそのメカニズムの解明など様々な研究が発表され非常
に有益な学会となった。また、学会以外でも様々な国から来た研究者との話しや研究討論
をすることが出来、今後研究をやって行く自分自身にとっては本当に素晴らしい時間となっ
た。このような機会が私だけではなく他の学生も是非経験して頂きたいと思った。
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学術支援、海外学会発表支援制度
生物理工学研究科 生物工学専攻 細胞工学研究室 博士前期課程 2 年生
久保 森
学会名称:9th IPMB Congress Leading Biology through Plant Science (Oct. 25-30, 2009)
今回私が参加した学会は、植物の分子生物学に関する国際学会でした。特に今回は食
糧生産というテーマが中心となっており、学会の直前に亡くなられた、緑の革命の父であり
1970 年にノーベル平和賞を受賞した、Norman E. Borlaug 教授を偲んだ大会でもありました。
現在、世界中で多くの研究者が、今や現実のものとなりつつある世界的な食糧不足に対し
て、分子生物学的アプローチで挑んでいます。本学会では、乾燥や塩、病気などのストレス
に強い作物の作出に向けた研究報告が多くなされました。その中で私は、「Microarray
Analysis of the Genes Expressed upon Exposure to Formaldehyde」というタイトルでポスター
プレゼンテーションを行いました。本研究は、植物を用いた環境浄化:ファイトレメディエーシ
ョンを目標としたもので、多くの方に興味を持って頂きました。
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組織的な大学院教育改革推進プログラム・平成 21 年度大学院教育成果報告会アンケート
このたびは近畿大学大学院生物理工学研究科平成 21 年度大学院教育成果報告会にご参加いた
だき、誠にありがとうございました。アンケートは今後の参考資料にいたしますので、ご協力を
お願いいたします。
【該当項目に○印またはご記入ください】
1.参加されたあなたは
男・女
年齢
歳
2.平成 21 年度大学院教育成果報告会は、何で知られましたか。
a. 新聞折込
b. ポスター
c. 知人に誘われて
e. その他(
3.会場までの交通は、何を利用されましたか。
a. 電車
b. バス
c. 自家用車
d. 単車・自転車
f. その他(
4.本日のシンポジウムの内容はいかがでしたか
a. たいへん興味深かった
b. 良かった
c. ふつう
e. 全く興味のないものだった f. その他(
d.
大学からの通知・DM
)
e. 徒歩
)
d. あまり良くなかった
)
5.今後の近畿大学大学院の教育についてのご希望、またはご意見・ご感想を自由にお書きくだ
さい。
6.その他、ご意見・ご感想、ご質問を自由にご記入ください。
どうもありがとうございました。
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近畿大学大学院
生物理工学研究科
生物理工学部
〒649-6493 和歌山県紀の川市西三谷 930
Phone:(0736)77-3888
http://www.waka.kindai.ac.jp
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資料 6.7
平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 11 日)・ポスター
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資料 6.8
平成 21 年度大学院GP教育成果報告会(3 月 11 日)・パンフレット(抜粋)
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資料 6.9 大学院教育改革セミナーのポスター
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あとがき
取組実施責任者 細井美彦
(近畿大学大学院生物理工学研究科生物工学専攻 教授)
月日の経つのは早いもので、平成19年度の文部科学省・組織的な大学院教育改革推進プログ
ラム(理工農系)に、本学大学院生物理工学研究科生物工学専攻の取組が採択されてからはや3
年たち、最終年を迎えます。この取り組みにより、特色あるカリキュラムも整い、動物生命科学
における専門職業人を輩出する基盤が確立されました。これからは、ライフサイエンス学部を標
榜しようとする生物理工学部を母体とした研究科全体にそのシステムを広げていくことになりま
す。この 3 年間を振り返り、このプログラムのために協力して頂いた皆様に対し、よくぞここま
で成し遂げて下さったと言う感謝の念に耐えません。それとともに、不勉強のために成し遂げら
れなかった事への反省を糧に、実践的教育を掲げる本学が大学院でも高度な人材養成力を持つた
めに、大学院教育の実質化に更なる努力を払っていく所存です。そして、その道標の一つとして、
この冊子がお役に立てばと思います。
平成 22 年 3 月
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組織的な大学院教育改革推進プログラム 平成 19 年度採択
社会の要求に応える動物生命工学の実践教育
平成 21 年度 活動報告書
発行日: 平成 22 年 3 月 30 日
発行者: 近畿大学大学院 生物理工学研究科
「社会の要求に応える動物生命工学の実践教育」プログラム
〒649-6493 和歌山県紀の川市西三谷 930
近畿大学大学院生物理工学研究科
電話 :0736-77-3888
URL :http://www.waka.kindai.ac.jp/daigakuin-gp/index.html
編集者: 秋田 求、森本康一、岸上哲士
印刷所: (有)山本健美術印刷
この冊子は、文部科学省組織的な大学院教育改革推進プログラム補助金により作成しました。
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