発見！！つくいじょうまき津久井城の巻その② ● はじめにひょうしえどじだいまっきしんぺんさがみのくにふどきこうえが表紙は江戸時代末期の「新編相模国風土記稿」に描かれた津久井城です。さんちょうこじょうきひいいづなじんじゃみぎたからがいけみ山頂に津久井古城記碑と飯縄神社、右はしに宝ヶ池が見えます。こんかいいせきい今回は津久井城の遺跡に行ってきました。みどりくきゅうまちせんごくねご和田峠やしきやまじろ津久井城は緑区（旧津久井町・旧城山町）にある戦国時代の根小屋式山城でじょうしゅかしんせいかつさんろく八王子城いくさす。根小屋式山城は城主と家臣たちがふだん生活する山麓の根小屋と、戦ののぼつめじろ小仏峠ぶぶんときに登る詰城からなります。ここでは詰城部分について見ていきましょう。ほんじょうくるわいいづなみねちゅうしんおね甲斐武蔵相模湖ちい本城曲輪と飯縄曲輪があるふたつの峰を中心に、まわりの尾根には小さなしゃめんけずつちもあつくだたいくかく曲輪（山の斜面を削ったり土を盛り上げたりして作り出した平らな区画）がかいだんつらどてじょうどるい津久井湖いしづ階段のように連なっており、土手状の土塁や石積みも残されています。斜面につづながたてぼりたにふかほほりなんぼんもうは山麓まで続く長い竪堀（谷すじにそって深く掘られた堀③）が何本も設けらてきしんろげんていうねじょう道志川ぐん津久井城相模川れています。竪堀によって登ってくる敵の進路を限定し、畝状竪堀群（②）でよこほうこういどうさまただいしょうゆみや横方向への移動を妨げます。さらに大小の曲輪からは弓矢などの武器で敵を三増峠せ攻めました。相模志田峠 ●本城曲輪へいたさいごとりでたいこみちブイ城の中心で、城主や兵が立てこもる最後の砦です。太鼓曲輪に続く道にはＶじほりきりひきはしき烽火台字に深く掘られた堀切（①）があります。ここには引橋という木の橋がしゅうへんさがみがわ相模川ふくげんずたかうちば鷹射場城の復元図じょうさいのろしだい周辺の城砦と烽火台がわわたかけられ、敵が攻めてきたら橋を引いて、こちら側に渡らせないようにしました。れきし ④ たいこ太鼓曲輪つたしそん山頂の津久井古城記碑は津久井城の歴史を伝えていくために、家臣の子孫が ① たまんりょうひよう建てました。碑は 700ｋｇあり５万両の費用がかかったそうです。いいづな飯縄曲輪ほんじょう本城曲輪 ① ① 引橋 ② ③ 飯縄神社 ●飯縄曲輪いくさかみ津久井古城記碑ごんげんためい戦の神である飯縄権現をまつる飯縄神社と、宝ヶ池という溜井（④）がありみずしろにごかたなとます。水が白く濁っているのは、兵が刀を研いだからと伝えられます。こううんじ ●功雲寺みなみあるぷんところ城の南側にある根小屋から歩いて１０分ほどの所に功雲寺があります。たかやくほうきょういんとうもときょうおさとうここにある高さ約 135ｃｍの宝篋印塔（元はお経を納めるための塔でぼちいしないとうしはかつたしとうろく墓地に建てられた石の塔）は津久井城主内藤氏のお墓と伝えられ、市の登録ゆうけいぶんかざいしてい有形文化財に指定されています。じもとひとびとねんあいだたいせつうつ津久井城は地元の人々によって 400年もの間、大切に受け継がれてきいちどしろやまた文化財です。ぜひ一度、城山に登ってみてください。けんりつつくいここうえん県立津久井湖城山公園へのアクセスはしもとえききたぐちみかげゆかんこうまえげしゃ橋本駅北口より三ヶ木行きバスで約 20 分、津久井湖観光センター前下車〈参考にした本〉・『城山町史５』城山町／編城山町 1995 （K1-21／城山）・『津久井町史通史編原始・古代・中世』相模原市教育委員会教育局生涯学習部博物館・市史編さん班（津久井町史担当）／編相模原市 2016 （K1-21／津久井）・『「東国の城」の進化と歴史』西股総生／著河出書房新社 2016 （K0-52）〈参考にしたホームページ〉・県立津久井湖城山公園 http://www.kanagawa-park.or.jp/tsukuikoshiroyama/ だいごう第5４号はっこうへいせいねんがつ平成28年５月さがみはらしりつはしもととしょかん発行：相模原市立橋本図書館でんわ：042-770-6600 ファックス：042-770-6601 ホームページ http://www.lib.sagamihara.kanagawa.jp/index.html