No.３骨粗鬆症は、骨代謝（破骨細胞による骨の破壊･吸収と骨芽細胞による骨の新生が繰り返される）のバランスが崩れ、骨がもろくなる疾患です。高齢者特に閉経後の女性に多く見られる疾患で、その要因として、加齢・女性ホルモンの欠乏・カルシウム摂取不足・カルシウム調節ホルモン不調運動不足などが考えられます。骨粗鬆症による骨折によって、寝たきりになる場合が、脳卒中などの脳血管障害についで多い事を考えると、見逃すことの出来ない病気といえます。高齢社会を迎え、骨粗鬆症を治療し骨折を予防する事は、大変重要なことになってきました。骨粗鬆症の治療を始めても、痛みなどの症状がすぐに改善されることも無く、治療の実感を味わうことが出来にくいという場合が多くあります。又、いまさら服用しても治療効果が少ないのではないかという誤った認識をお持ちの方も居られるかもしれません。しかしながら、薬物療法により、骨折の危険性が、明らかに減少しますので、途中で勝手に服薬を中止しないようにしてください。汎用薬一覧分類医薬品名作用機序カルシウム剤アスパラ Ca カルシウムの補給活性型ビタミン D アルファロール骨吸収の抑制と骨形成促進作用があるワンアルファー腸管からのカルシウムの吸収を高めるグラケー骨が細胞の作るオステオカルシンの働きを高め、骨形成ビタミン K を促進するエストロゲン剤エストラダーム TTS 破骨細胞による骨吸収の抑制イプリフラボンオステン副甲状腺ホルモンによる骨吸収を抑制エストロゲンのカルシトニン分泌作用を増強ﾋﾞｽﾌｫｽﾌｫﾈｰﾄ蛋白同化ホルモンダイドロネル強力な骨吸収作用抑制、骨の表面に作用し直接骨の溶解ボナロン・フォサマックを抑制するプリモボラン尿中へのカルシウム排泄抑制と骨吸収抑制作用カルシウム剤のように副作用の殆ど無いものでも、他の薬の吸収を妨げたり（抗菌剤）、併用する薬剤の副作用を強めたり（ジギタリス）することがありますので、併用中の薬は、医師や薬剤師に必ずお知らせください。ビスフォスフォネート剤のように、カルシウムの存在で体への吸収が悪くなるため、服用前後２時間は、食事をしないことやミネラルウォーターで服用しないことなど厳格に用法用量を守る必要のある薬剤もありますので、薬剤師の説明をしっかりと聞きください。 □活性型ビタミン D とカルシウム剤の併用により高カルシウム血症となることがあります。（服用後３∼６ヵ月後に多く発現する）定期的に受診することにより、防ぐことが出来ますが、吐き気や筋肉痛など日頃と異なる症状が現れた時には、主治医の先生や薬剤師にお知らせください。市販のカルシウム剤やカルシウム含有健康食品などを服用するときには、主治医の先生や薬剤師に事前にご相談ください。 □エストロゲン製剤では、女性ホルモンとしての作用から、不正出血が起こることがあります。病的な症状では有りませんし、投与方法の変更で解決できる場合がありますので、次回の受診時に御相談ください。又、定期的な検査が必要ですので、必ず受診してください。 □ ビスフォスフォネート剤は、服用方法が難しいため、薬剤師の服薬指導に従って正しく服用してください。薬剤が食道に留まると潰瘍を起こすことがありますので、服用後すぐに横にならないとか充分お水で服用することなどが大切です。主治医の先生や薬剤師は、常に副作用の発現に対し注意を怠りません。気軽にご相談ください。骨代謝の異常、すなわち破骨細胞による骨の破壊と骨芽細胞による骨の新生のバランスが悪いことが、骨粗鬆症の原因ですが、そのバランスを保つため、すなわち骨芽細胞の働きを高めて、骨の破壊・吸収よりも優るようにするためには、カルシウムに富んだ食事をし、体のカルシウム濃度を下げないことが大切です。カルシウムは、吸収率が３０％程度であまりよくありません。充分なカルシウムの摂取が必要です。又同時に、太陽を浴び、ビタミン D を皮下で産生することが有効です。更に、適度な運動により骨に荷重をかけることが骨芽細胞の機能を亢進させ、骨密度を高めることがわかっています。宇宙飛行士が無重力状態に長く留まることにより骨形成に問題を生じるとの報道も聞かれたことがあると思います。骨粗鬆症の治療では、運動・日光浴・食事療法と薬物療法の４つが遵守されて最大の効果を発揮するのです。カルシウム含有食品一覧（ｍｇ/100ｇ）食品含有量食品含有量食品含有量黒砂糖２４０豆腐１２０凍り豆腐６６０湯葉（干し）２００ごま１２００京菜２００小松菜１７０大根の葉２６０切干大根５４０木耳３１０青海苔７２０昆布９４０ひじき１４００いかなご５５０牛乳１３０抹茶４２０紅茶４７０たまご５１桜海老２０００豚肉４チーズ１２００クスモト薬局 ☎ ０７８−７５３−６５５４ FAX ０７８−７５５−２６２６