(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 NEWS (公社)日本医療 社会福祉協会ニュース IATION OF SOCIAL WORKERS IN HEALT H SERV SE ASSOC E N A P ICES A THE J No.H26-4 2015.1.31 Topics 地域包括ケアの中核となる老人保健施設 ~期待されるソーシャルワーク力~ この春には介護報酬改定が行わ 副会長 中本 雅彦 チームによるリハビリケアを軸に る地域のニーズを見極め、メゾレ れます。平成24年の診療・介護の 病院と地域(自宅・特養ホーム等) ベルでの老健機能を見出し具現化 同時改定以降、来る後期高齢者時 相互の橋渡しを担ってきたのが老 していく、加えて時代とともに変 代突入の2025年に向け、医療と介 人保健施設と考えます。その誕生 わりゆく地域のケア体制図を描い 護の連携促進・病床機能分化・地 は、更に遡ること3年、7つのモ ていくことが、老人保健施設の役 域包括ケア体制づくりが急務とな デル老健施設が開設された昭和62 割であり、その要が支援相談員の りました。 年4月となります。翌年には本格 メゾレベルでのソーシャルワーク 今思えば医療介護の連携・機能 実施が始まり我が国の保健医療機 力であると考えます。地域のニー 分化・地域包括ケア等という言葉 関では初めてソーシャルワーカー ズはその環境から個別性があり が聞かれ始めたのは、平成2年の (現支援相談員)が人員配置基準 ターミナルケアや認知症ケア等と (100:1)となりました。 多様性に富んでいます。 「ゴールドプラン」の頃であった と記憶しています。以来、在宅復 現在の老人保健施設数は全国で 複雑多岐にわたる制度改正の 帰・在宅支援を使命に、多職種 3,985施設、1施設当たりの利用 下、支援相談員はソーシャルワー 定員数は92.9床(共に平成26年11 クの価値実践とベッドコントロー 月末) 、1施設支援相談員数は1.6 ル(在宅復帰率・回転率・利用率 名( 平 成24年10月 ) と な っ て お の向上)や新規利用者獲得など経 り、全国老健の支援相談員数は優 営的側面からの期待にジレンマを に7,000人を超えていることが推 抱くことも少なくありません。 CONTENTS Topics 地域包括ケアの中核となる老人保健施設 ~期待されるソーシャルワーク力~ 1 「ソーシャルアクション」してますか? ~あなたにもできるソーシャルアク ションへの第一歩~ 2 2015年度全国大会のご案内② 3 都道府県協会からのメッセージ㉙ 4 厚生労働省研修生報告 5 HOSPEX 訪問リハビリテーションフォーラム報告 「医療・介護連携の中での訪問リハビリ テーションの在り方~退院・退所時の 6 多職種連携について~」 公益財団法人 日本訪問看護財団 設立20周年記念 訪問看護サミット2014 6 会員リレー㉒ 7 各部・各担当チーム活動報告 7 研修インフォメーション 11 災害支援活動報告 12 察されます。そして支援相談員の 後期高齢者社会に向け、今後ま 多く(約7割)が社会福祉士資格 すますケア現場の市場営利化が広 を有しています。 がることと思われます。しかしな 老人保健施設の本来機能である がら私たちソーシャルワーカーは 通所リハビリ・短期入所・入所を 日々のジレンマを糧に、目の前の 3本柱に在宅を支援する為には、 ご利用者ご家族の生活が、その後 初期利用相談からクライエントの も確実につながりつづけることが 抱える漠然とした不安や課題を明 できる包括支援を実践していくい 確にしていくことが求められ、そ ことが責務であり、今後国民から の面接力、アセスメント力が重要 求められ期待されるソーシャル となります。そして1つ1つのミ ワークであると考えます。 クロの関わりから、その背景にあ 1 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 「ソーシャルアクション」してますか? 〜あなたにもできるソーシャルアクションへの第一歩〜 会長 佐原 まち子 国の開催する各種委員会への傍聴のおすすめ 国が新しい取り組みを進めるとき、医療ソーシャルワーカーは都道府県の説明会や職能団体などが開催する報 告会・研修会などの場で情報を得て仕事に取りいれていくことが多いと思います。しかし、それらの新しい仕組 みがどのように作られ、国の中で決められて行くのか、知る機会は少ないのではないでしょうか。各省庁ではホー ムページから各種委員会の傍聴を受け付けています。医療ソーシャルワーカーの立場で意見を述べる委員の選出 を関係省庁から当協会に求められる機会も増えてきました。会員の皆様も機会がありましたら是非一度各委員会 の傍聴をお勧めしたいと思います。 現在開催中されており関心を持っていただきたいのは、内閣府が主催している「アルコール健康障害対策関係 者会議」 、そして医政局が担当する「地域医療計画ガイドライン策定委員会」です。 アルコール健康障害対策基本法は平成26年6月に施行され、今後基本法に基づき、アルコール健康障害対策推 進基本計画を策定するところです。計画的に推進していくための関係者会議第2回が平成26年12月12日に開催さ れました。医療ソーシャルワーカーが対象とする相談に、アルコール関連問題が多く存在していることはすでに ご承知のことですが、残念ながら SW の委員は選出されませんでした。しかしできる限り多くのソーシャルワー カーの方に傍聴していただきたいと思っています。 「医療介護総合確保推進法」により、都道府県は、医療計画に、 地域医療構想に関する事項を定めることとされています。厚生労働省は、ガイドラインを策定し、都道府県に示 す必要があります。そのための「地域医療計画ガイドライン策定委員会」であることから多くの関係者が参加を 求めるため傍聴券を取得することが難しいほどの混みようです。これらの委員会の議事録や委員名簿もホーム ページに掲載されますが、全国の医療ソーシャルワーカーに関係する委員会ですので是非関心持ってご覧いただ きたいと思います。 2014年チーム医療推進協議会 チーム医療推進協議会は設立6年目を迎えました。現在参加19団体で構成し運営委員会と代表者会、顧問、ア ドバイザーの方々と役割分担し安定した活動の体制づくりも行ってきました。昨年の主な活動内容は①チーム医 療の理念の策定②チーム医療における災害支援研修会の開催及び冊子の作成③一般社団法人化に向けての定款の 検討④医政局チーム医療推進方策 WG への要望書提出、参考人としての WG 会議への参加⑤広報活動としての ホームページの充実、 (株)メディネットとの協働による病院外来にて放映するチーム医療紹介コンテンツ作成。 などの幅広い活動をおこなっています。日本協会はチーム医療推進協議会副代表の一人として参加し、チームを つなぐ存在として共に活動を展開しています。各都道府県においてもチーム医療参加団体との交流を強化してい きましょう。 2 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 2015 年度全国大会のご案内② 第63回 第63回 公益社団法人日本医療社会福祉協会全国大会 公益社団法人日本医療社会福祉協会全国大会 第35回 第35回 日本医療社会事業協会学会 日本医療社会事業協会学会 2015 5 28 30 (木) (土) 大会テーマ 時代をつらぬく医療ソーシャルワークの実践 時代をつらぬく医療ソーシャルワークの実践 〜一人ひとりが尊ばれる、排除のない社会を目指して〜 〜一人ひとりが尊ばれる、排除のない社会を目指して〜 会場:京都市勧業館みやこめっせ(京都市左京区岡崎成勝寺町9-1) 会場:京都市勧業館みやこめっせ(京都市左京区岡崎成勝寺町9-1) 2014年茨城から、2015年京都へ、全国大会の開催地として医療ソーシャルワーカーの灯を受け継ぎます。 茨城大会では、東日本大震災の被災地で、いのちに寄り添う大切さと重要性を心に刻ませていただきまし た。京都大会では、医療ソーシャルワークの継承と発展の節目として、時代をつらぬく医療ソーシャルワーク の実践を、全国の皆さんと共有し探求したいと願っています。 【基調講演】 「排除することのない分かち合いの社会を求めて」 浜 矩子 氏(同志社大学大学院ビジネス研究科教授) 現代のグローバル社会を論じておられる経済学者としての視点から、「排除しない」「包摂する」「人権 を守る」ことの、明確な主張を学ばせていただきたい。 【記念講演】 「京都大原での暮らし~ベニシアの心の宝物~」 ベニシア・スタンリー・スミス氏(ハーブ研究家、NHK「猫の手カエルのしっぽ」) 一人ひとりの生活や人生を知ることからはじまる世界を、学ばせていただきたい。ベニシアさんの暮ら し、大事にしていること、自然とのかかわり、病いとの過ごし方についても教えていただきたい。 【教育講演】 「時代をつらぬく医療ソーシャルワークの実践」(仮) 岡本 民夫 氏(同志社大学名誉教授) ソーシャルワークの研究者の立場から、過去・現在・未来の医療ソーシャルワークの実践について、時 代と共に変わらざるもの・変わるべきもの、実践の本質と創造について示唆を与えていただきたい。 【特別講演】 「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律について」(仮) 唐澤 剛 氏(厚生労働省保険局長) 医療ソーシャルワーカーとして、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律につい て学ばせていただく。 その他プログラムについても、最新の情報を発信しております 大会ホームページ http://kyotojikkou.wix.com/2015zenkokutaikai 大会実行委員会フェイスブック https://www.facebook.com/kyotojikkou 京都大会実行委員会 3 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 都道府県協会からの 神奈川県医療社会事業協会からのメッセージ 地域の SW グループとの共催で企画運営する機会 神奈川県医療社会事業協会は、2014(平成26)年 が増えています。 に設立60周年を迎えました。1954(昭和29)年に日 本医療社会事業家協会神奈川県支部として30名の会 員で発足しましたが、現在は700名強の会員数と また、昨年7月には県下の社会福祉士会、精神保 な っ て い ま す。 二 代 目 会 長 の 村 山 午 朔 先 生 は、 健福祉士協会、介護福祉士会、社会福祉士養成校協 「MSW 通信」の創刊号で「医療ソーシャルワーカー 会、精神保健福祉士養成校協会との共催で、「第1 としての自覚のもとに、公衆衛生、社会福祉の増進 回ソーシャルワーカーデーin かながわ」を実施し に努め、平坦ではないが身分の確立を目指し、他府 ました。「はじめまして!ソーシャルワーカーです」 県の同僚とも手を取り合い、もって予防・治療・更 のテーマでシンポジウム、個別相談会を行い、広く 生に寄与するものでなければならない(以下略)」 県民に向けてアピールする機会を得ました。今後も と、今に通じる言葉を述べておられます。そして三 他の職能団体と協働し、本会の目的「医療社会事業 代目会長の須川豊先生は、81年から86年にかけて日 の正しい発展を期するため会員の資質をたかめ、地 本協会の会長職を務め、この時は「医療福祉士」と 位の確立を図り、もって社会福祉の増進に寄与す しての身分資格を実現すべく尽力していた時期であ る」の充実を目指し協会活動を展開していきたいと り、87年には日本協会との関係見直しを行い、県協 思います。 会の主体性・独自性強化を図っていきます。同時に 「社会福祉士」を資格として求めていくとした当時 の日本協会執行部の中心的立場で活動していたのも 神奈川ブロック(当時)選出理事であり、資格制度 運動の中で様々な対立も含め大きく揺れた歴史を抱 えている県協会でもあります。 県協会の各事業は、「研修・研究部」「広報・出版 部」 「社会活動部」よりなり、この他に事務局、ホー ムページ委員会、渉外部によって組織されていま す。新人研修は経験3年未満の会員を対象に10回 (通年コース)で「新人研修実施要綱」「新人研修ガ イドライン」に沿って実施しています。この他にス キルアップ研修、全体研修、医療福祉講座等全会員 向けの研修も実施しています。広報・出版は、会員 向けに機関紙「MSW かながわ」を年3回、機関誌 「医療ソーシャルワーク」を年1回発行していま す。社会活動事業として、県内を9ブロックに分け ブロックごとの会員交流会(研修会等)とタイム リーなニュースを会員に届ける FAX 情報事業を実 施しています。最近の傾向として、他の職能団体や 4 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 厚生労働省研修生報告 早坂 由美子 現在、私は厚生労働省医政局地域医療計画課在宅医療推進室に所属をしています。 仕事の内容は在宅医療に関する様々な業務に加え、平成26年度事業の「人生最終段階における医療体制整備 事業」 「小児在宅医療連携拠点事業」に係る業務に携わっています。在宅医療に関しては、各都道府県が平成 27年度に策定する地域医療構想(ビジョン)について、地域医療計画課でガイドラインを作成している所です が、その需要や施策の検討に必要な情報収集や整理を手伝っています。また「人生最終段階医療体制整備事業」 に関しては、事業の具体的内容、事業所の選定、そのモニタリング等に関わっています。「小児在宅医療連携 拠点事業」についてはその実施内容決定等に関わっています。 私は、研修開始当初は医療ソーシャルワーカーの経験を生かしたいという気持ちが大きかったのですが、国 全体のこととなると一個人の経験や一地域の情報だけで言えることの限界があることを知り、政策として考え るといういままでとは違う思考回路を鍛えてもらっています。同時に医療ソーシャルワーカーに期待されてい ることが多くあることを知り、現場に戻ったら頑張ろうという気持ちを新たにしました。それと同時にもっと 施策について現場の皆様にお知らせしたいと強く思うようになりました。 以下に是非知っていただきたい情報を載せます。医療ソーシャルワーカーがどの程度求められるかは、それ ぞれの都道府県、市町村の方針で決まることですので、医療ソーシャルワーカーの都道府県協会等で話題にし て、ご自分の地域での働きかけ方をご検討ください。 ⑴ 介護関係 平成27年度から各市町村が実施する地域支援事業の「在宅医療・介護連携推進事 業(在宅医療・介護連携支援センター仮称)」でセンターに介護支援専門員資格のある看護 師、医療ソーシャルワーカーをとなっている。(両職種を配置とはなっていない。) ⑵ 医療関係 平成27年度から各都道府県が定める地域医療構想(ビジョン)における地域医 療構想区域(二次医療圏の場合が多い)での「協議の場(地域医療構想調整会議) 」へ医療 ソーシャルワーカーの参加依頼がある可能性がある。 ⑶ 医療・介護関係 「医療介護総合確保方針」(p17)に医療ソーシャルワーカーの研修が含 まれている。 詳しく下線のワードをインターネットで調べてください。 また医療ソーシャルワーカーの役割、機能を地域住民、行政等に分かりやすく説明するための ポンチ絵を作成し、当協会ホームページ(「左上のご案内→みなさまへ」に掲載中です。厚生労 働省の資料以外は改変可能です。ぜひご活用ください。 5 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 2014年11月14日(金)HOSPEX訪問リハビリテーションフォーラム (東京ビックサイト) 報告 「医療・介護連携の中での訪問リハビリテーションの在り方 ~退院・退所時の多職種連携について~」報告 副会長 林 真紀 訪問リハビリテーション振興財団によるフォーラムが開催され、日本介護支援専門員協会と当協会にシンポジ ストの要請をいただきました。指定発言に志村大宮病院医師 門員協会会長 大仲巧一氏、シンポジストとして日本介護支援専 鷲見よしみ氏、宮古・山田訪問リハビリテーションゆづる管理者で PT の石田英恵氏でした。リ ハビリテーションとノーマライゼーションの概念は関連が深く、チームや組織で個々の支援を通してディスカッ ションを積み重ね、更に、ICF に基づく活動と参加を意識し、地域全体が利用者目線で互いを高め合う機会を得 ています。SW の立場から、現状と課題について次のように報告致しました。SW は病を有したクライエントや その周囲の人々を理解するところから始め、課題を明らかにし、個々の歩みと周囲の支援者との関係をアセスメ ントしながら丁寧に退院支援することが求められます。SW は面接で、リハビリテーション専門職種は生活動作 の体験を通し、クライエントがぶつかる局面と個々の対処策について分かち合い、イメージづくりを支援しま す。つまり相手を理解しようと努め、求める生活に近付くよう努力する姿勢は同じであり、協力し合うことが重 要と報告しました。一方、今の退院時連携に課題があるのも事実です。丁寧な関わりが重要ですが、全てのクラ イエントを対象としておりません。均一な支援が必要かについては議論を要すると思いますが、SW の関わり有 無によって組織としての支援に差が生じないような工夫は SW 自身の課題でもあります。また医療と介護の支 援プロセスは大きく異なります。手順を重視する介護保険制度と、介入しながら最善策を行使し、精度を高めて いく医療プロセスとはかみ合わないこともあり、このプロセスの違いを多職種で乗り越えていく努力が求められ ます。多職種協働の時代ゆえに、関わり方の違いを理解し、それぞれが力を発揮しあえる仕組みに SW のメゾ の力が求められるのではないかと、この企画を通し、改めて実感致しました。 公益財団法人 日本訪問看護財団設立20周年記念 訪問看護サミット2014 調査研究部理事 佐野 晴美 平成26年11月29日(土)、日本訪問看護財団主催「訪問看護サミット2014」と日本訪問看護財団設立20周年記 念祝賀会がベルサール西新宿グランドホールにて開催されました。来賓としてご招待いただいた当協会の会長代 理で出席しましたので報告致します。 訪問看護サミット2014では、「在宅ケアの未来」と題して、大熊由紀子氏(国際医療福祉大学大学院教授)・村 松静子氏(在宅看護研究センターLLP 代表)・尾身茂氏(独立行政法人地域医療機能推進機構 JCHO 理事長)に よるパネルディスカッションが行われました。地域包括ケアを国が提案する中で、今後は在宅医療が進み、ます ます訪問看護が重要かつ必要となってくる。そして「加齢とともに自分らしく生き抜く」「長命でなく長寿をめ ざし、その方の名誉を守る回復させる」こうした事が重要だとディスカッションされました。「その人らしく生 きる事を支える」医療ソーシャルワーカーとしてもとても感銘を受けました。 記念祝賀会では、日本訪問看護財団の清水嘉与子理事長や日本看護協会の古橋美智子監事に直接ご挨拶させて いただきました。現在、訪問看護ステーションが少なくて困っており、「訪問看護ステーションの増設が急務」 との認識を共有し、今後も国民の利益のためにお互いに協力することを確認しました。また来賓者である、厚生 労働省大臣官房審議官(医療介護連携担当)の吉田学氏や厚生労働省医政局看護課長の岩澤和子氏とも名刺交換 させて頂き、医療ソーシャルワーカーの仕事や、当協会の問題意識などについてお話させていただきました。 協会理事としては、他職種協会との交流・協力・協働や、厚生労働省に当協会理解を深めていただくことも日々 の活動になっています。今後もこうした活動にも力を入れていきたいと思います。 6 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 会 員 リ レ ー 22 ●社会福祉法人恩賜財団済生会 北上済生会病院● 地域医療福祉連携室 菊池 涼子 当院は岩手県中部地域・北上市市街地(人口約9万人)に位置する、病床数309床(一般261床・感染症 4床・回復期44床)20診療科の病院です。周産期医療や人工透析などの急性期医療を基本に、回復期リハ ビリテーション病棟や訪問診療など、医療・福祉の連携に努め、患者の立場に立った、良質な医療が提供で きるよう日々努力しております。また、済生会の設立理念を踏まえ、生活困窮者への無料低額診療事業等に 積極的に取り組んでいます。 当連携室は、平成24年に医療相談室と地域医療連携室が統合さ れ、現在の「地域医療福祉連携室」となりました。院長直属の部署 となり、室長・副室長に、それぞれ医師が配置となりました。その 他に事務員3名、MSW3名(1名欠員中、 )退院支援看護師1名 の構成となっております。平成21年に回復期リハビリテーション 病棟がスタートし、この5年間で、相談件数が30%程増加、困難 ケースも増え、十分な対応ができない現状にあり、いかに対応して いくかが現在の課題でもあります。今年度は、課題の一つである、 院内スタッフとの正確な情報の共有、に対して取り組みを行いまし た。院内スタッフの協力を得て、毎日の病棟ラウンド、病棟連絡 ノートの活用、相談依頼票・スクリーニングシートの整備活用を スタートさせました。院内の情報共有が円滑となり、早期介入ケー スも増えたと感じております。 各 部・ 各担当チーム活動 報 告 会長・副会長 内閣府公益認定等委員会 立入検査の報告 副会長 袴谷 敏実 昨年、11 月 25 日(火)10:00 から当協会の会議室で標記の検査を受験した。内閣府職員2名から「当協会が 公益法人の認定をうけて3年を経過しているため法令に基づき立入検査を行なう」旨の説明があり、佐原会長をはじめ 9名の役員が対応した。 先ず初めに、当協会の公益事業について説明を求められ、公益事業1から4及び公益事業全般について説明を行い、 その後、内閣府の職員から「当協会の設立経緯」 、「医療ソーシャルワーカーの職務や勤務先」「社会福祉士や精神保健 福祉士との関連性」等について質問があった。またそれぞれの公益事業について詳細な質疑があり、中でも、余剰金に ついては適切に処理するよう口頭指導を受けました。公益認定法上は公益部門で余剰金を発生させないことが重要であ り、3年以内に余剰金を使い切るとの内容であった。当協会が、内部留保の少ない組織であること、過去、大きなマイ ナス決算となり、財産を切り崩して対応したこと等、説明を行った。 本件については、 公益認定上の「収支相償」と「経理的基礎」の両要件を満たすことが必要で、公益部門の収支は「赤 字」、法人部門の収支は「黒字」を基本とする慎重な収支予算の策定及び予算執行を行って行かなければならない状況 がある。当面の対策としては、今年度の収支決算見込みを立てるとともに、公益部門と法人部門の費用配分の見直しを 行うことが重要となっている。 結果的には、立入検査における改善指導事項は指摘されず、文書指導も行なわないとのこと。口頭で指摘されたこと を、当協会の運営に反映して公益社団法人として活動していきたい。 ※報告書をホームページに掲載いたします。参考にしてください。 7 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 調査研究部 調査研究部理事 早坂 由美子 調査研究部の今後の活動として以下に取り組んでいくこととしました。 その中で必要に応じて当協会としての意見をまとめ、行政等へ提案をしていく予定です。 ⑴ 「在宅医療・介護連携支援センター(仮称) 」 (平成 27 年より)へ医療ソーシャルワーカーが積極的に活躍できる ように対応を検討する。 ⑵ 平成 27 年度介護報酬改定内容について、医療分野への影響を中心に協会ニュース・ホームページ等で情報提供を 行う。 ⑶ 地域包括ケア病棟の在宅復帰支援担当者の役割の検討、届出状況の確認等を行う。診療報酬改定に向けての取り組 みを検討する。→平成 28 年度診療報酬改定要望につなげる。 ⑷ 医療ソーシャルワーカーの配置、効果性等の調査研究を行う。→平成 28 年度診療報酬改定要望につなげる。 ⑸ 大病院からかかりつけ医への外来機能分化における医療ソーシャルワーカーの役割の検討を行う。→平成 28 年度 診療報酬改定要望につなげる。 ⑹ 救急分野における医療ソーシャルワーカーの役割の検討を行う。→平成 28 年度診療報酬改定要望につなげる。 ⑺ 一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会ソーシャルワーカー委員会との連携で活動を行う。 その他 今後、上記にかかわる調査などを行う際にはご協力をお願いいたします。 また調査研究部が主催する勉強会として人生最終段階における意思決定支援等に関する研修会等の開催を検討してい ます。 社会活動部 現地石巻支援 男の遊ぼう会活動紹介 社会活動部理事 長谷川 敦 会員のみなさま、こんにちは、社会活動部理事 長谷川でございます。 東日本大震災では会員・会員外のみなさま全国から支援を賜りありがとうございました。その後、現地石巻でのさま ざまな取り組みの中から、地元宮城県協会によります、活動参加のご報告をさせていただきます。 毎月、第三水曜日午前 10 時から 13 時まで、仮設等の訪問活動の中から継続支援の必要な対象者との月1回の活動 を通してふれあい活動をしております。 活動内容は、石巻医師会准看護学校の調理室をお借りして、料理を作る活動や、戸外での花見・漁港での釣り・バー べキュー大会等を毎回、5~7名程度の要支援者と RCI・現地派遣職員・宮城県協会2名で活動をしております。宮城 県協会は、会員の多くが自らも被災者でありますが、全国の支援者にお礼の意味もあり、今年7月から定期で訪問活動 に参加しております。活動では、餃子作り・夏野菜カレー・ ハンバーグ作り、先月は裸のお付き合い?温泉入浴等も実施 して、毎回楽しい会になっております。また、支援員に男性 が参加することの意義が大きいこと、活動を通して被災者・ 支援者一人一人が前向きに生きようとしている姿が実感でき る不思議な会になっており、ワーカーとしても毎回気づきを 頂いており感謝しております。参加者の中には、現地派遣職 員に自死をとどめる決意をもらった等、当日本協会の活動で お褒めの言葉も聞かれるようになりました。RCI・当協会員 歴代派遣員のみなさま ・ 笹岡統括責任者の支援賜物と大変感 謝しておりますし、地元宮城県協会も可能な限り活動参加・ 協力をしてまいりたいと考えます。 8 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 総務部 ホームページへの会員システムの設置について 総務部長 飯島 望 前回の協会ニュースでもお伝えしましたが、当協会では、これまで会員情報の変更、管理を郵送で行い、隔年で会員 名簿を作成し会員の皆様にお送りしていました。しかし、インターネットの普及と手続きの簡素化、タイムリーな情報 の共有を踏まえ、会員情報をホームページ上で手続でき、名簿の閲覧を可能にしました。 これには、会員の皆様それぞれにログイン ID とパスワードを設定していただく必要があります。詳しい内容は別紙 に記載しますのでご確認の上、設定を完了させてください。 登録いただくことで自動的にメーリングリストに登録されます。今後、協会からの情報は各出版物およびメーリング リストにてお送りします。 会員 ID とパスワードを設定していただくことで下記のコンテンツをご利用いただけます。 ①会員名簿(PDF)のダウンロード(今後冊子での発行は行いません。ダウンロードして保管していただけますが、 その際は、ID、パスワードが必要です。 )②会員リストの閲覧 ③会員の施設リストの閲覧 ④協会からのお知らせ(会 員専用)の閲覧 ⑤会員掲示板 ⑥登録情報変更 ⑦退会申請 ⑧会員ページ専用の問い合わせ ⑨ログインした状態 での協会ホームページ全体の閲覧 ⑩会員システムQ & A ⑪メーリングリストの配信 なお、新規の入会、退会手続は郵送にて行っています。 ID とパスワードの手続きは全ての会員の皆様にご登録いただきたいと思いますので、ご協力をお願いいたします。 止むを得ずが行えない場合は、協会事務局にメールもしくは電話、FAX にてご連絡ください。 ご不明な点につきましては、協会ホームページ上の会員システムQ&Aをご覧ください。 組織運営部 「全国医療ソーシャルワーカー協会会長会」開催 組織運営部理事 甲斐 亮太 組織運営部では、全国医療ソーシャルワーカー協会会長会の事務局業務を担っています。 昨年 11 月 22 日、大阪社会福祉指導センターにおいて、参加 36 協会 40 名の盛会にて、第 14 回全国医療ソーシャ ルワーカー協会会長会が開催されました。公務の都合などにて参加できない会長もおられましたが、次年度京都開催の 全国大会進捗状況報告・各県活動報告・日本協会活動報告などを始め、3時間半にわたる情報・意見交換が行われまし た。また、特別講演として、厚生労働省医政局地域医療計画課医師確保等地域医療対策室・在宅医療推進の佐々木昌弘 室長より「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」についてご講 演を頂いております。 今回の会長会では、昨年5月の全国大会(茨城大会)時に開催された第 13 回全国会長会にて全会一致で決定・取組 みが行われた「MSW 基礎調査」の報告が行われました。 本調査については、全国の MSW 実態を把握する事を目的に 44 都道府県協会と日本協会の 45 団体が実施。各県 協会・日本協会入会 MSW 数、資格取得状況、厚生労働省医療施設動態調査(平成 26 年6月末概数)に基づいた MSW 配置状況について調査を行い、集約・報告を行っています。全ての都道府県が参加出来ていない状況ではありま すが、日本協会・全国各都道府県の MSW 協会が一丸となり、この様な取組みを行えた事は、私達 MSW の未来にとっ て記念すべき第一歩だったのではないかと思います。ご協力戴きました全ての皆様に、心より感謝申し上げます。会長 会要旨につきましては、日本協会ホームページ『都道府県協会会長会』→『会長会からのお知らせ(2014/12/02) 』 に議事要旨を掲載してありますので是非ご参照頂ければと思います。 全国会長会につきましては、会長会役員の皆様を中心に今後も活発な活動が期待されています。組織運営部と致しま しても、全国の MSW にとって有意義な活動となります様、事務局として取組んで参りますので、今後ともご協力の程、 宜しくお願い致します。 9 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 事務局 ◇理事会報告 ホームページに掲載しますので、ご覧ください。 ◇会員数について 正会員 4,929名 賛助会員 (個人) 170名 賛助会員(団体) 19団体 合計5,118(2015年1月20日現在) ◇事務局からのお願い ・会員の皆様のうち、氏名、所属(退職を含む) 、連絡先等が変更になった方は、至急事務局に変更届をご提出くだ さい。変更届はホームページに「会員情報変更届」(PDF)を添付しております。 < 団体の賛助会員会費変更のお知らせ > 本年5月 22 日の第4回社員総会におきまして協会の財政基盤の充実を図るために「定款変更および会費に関する定 款補則変更の件」が承認されました。 これまで賛助会員のうちの団体(法人)については、年額 15,000 円(入会金なし)でしたが、改定により「1口 年額 15,000 円(入会金なし) 」となりました。今回の変更によりましてこれまで一律の会費負担をいただいてまい りましたが、今後は、病院などの団体の事業規模やソーシャルワーカーの在籍者数などに応じてご入会時またはご入会 後に複数口の会費ご負担をいただくことが可能となりました。 なお、個人の賛助会員会費(年額 15,000 円・入会金なし)に変更はございません。また上記の団体賛助会員の複 数口ご負担は任意のお申し出によるものでありますので、現在の団体賛助会員の皆様には、変更のお申し出のない限り 入会時の会費を継続いただきます。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。 認定事業部 『認定医療社会福祉士』の経過措置期間は 2016 年度末(2017 年3月)迄です! この経過措置期間を有効活用し、今の内に当協会の『認定医療社会福祉士』を取得して下さい。 【経過措置期間中の申請が有利な理由】 ①資格取得に関わるポイントを算定できる期間が長い 経過措置期間 経過措置期間終了後 ・1987年社会福祉士法成立後~2017年3月末日までの期間が対象 ・社会福祉士登録後に受講した研修や実施した活動等が対象 ・ポイント申請時に社会福祉士登録していること ②「資格取得に関わる基準表」の 180 ポイントの内訳に制限が無い 経過措置期間 経過措置期間終了後 ・基準表の大項目1~5までのポイント全てが合算の対象 ・当協会主催の現任者研修から60ポイント以上受講していること ・基準表の大項目「2.講習会・研修会」における都道府県協会や が条件 関連団体の研修は、シラバス審査の有無は問わない ・都道府県協会や関連団体の研修は、シラバス審査を受けたものを ・領収証、研修資料、出張報告など自身の申告による受講証明でよ 対象とする い ・受講証明書など受講時間が分かる主催者の証明を要する 認定社会福祉士認証・認定機構による『認定社会福祉士』取得の経過措置期間は、2018 年度末(2019 年3月) まで再延長となりました。当協会の『認定医療社会福祉士』を 2016 年度末までに取得し、2017 年度の特別研修受 講者までが経過措置期間の申請対象となります。 ᪥ᮏ་⒪♫⚟♴༠ ဨ ㄆᐃ་⒪♫⚟♴ኈ まだ 2 年間の経過措 置期間がありますの で、これからでも十分 間に合います。 ポイント取得を意識し た自分自身のキャリア パスを計画的に描いて みて下さい。 2016ᖺᗘ 䠄2017ᖺ䠅䛻 ಟㄆᐃ䜢 ྛᅋయ䛷 ཷ䛡䜛䛣䛸 ᪥ᮏ♫⚟♴ኈ ဨ ඹ㏻◊ಟㄢ⛬䛾 ಟᇶ‽䛒䜚 㻞㻜㻝㻠ᖺ㻝㻝᭶⌧ᅾ 10 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 研修部 スーパーバイザー養成認定研修実施報告および認定スーパーバイザー登録のお願い 2014 年度スーパーバイザー養成認定研修は、【東京会場】8 月 16 日(土)17 日(日)、【愛知会場】10 月 18 日(土)19 日(日)で開催されました。 新座志木中央総合病院 秋山愛氏:今回のスーパーバイザー養成認定研修会に参加して、私が最も大切だと感じたこと は、スーパービジョンの体制とは、スタッフを養成・育成するとともに、バックアップする体制だという事です。研修 の中でいくつかのスーパービジョンの形態を体験的に学びました。特にユニットスーパービジョンではそれぞれの経験 年数や実績を活かし、相談室全体で課題に取り組み、必要以上に個人に負担を掛けず問題を解決する方法を学ぶ事が出 来ました。相談室が個人レベルでではなく、チームとして成長するために活かしていきたいと思います。 名古屋医療センター 瀬口理恵氏:スーパービジョンはソーシャルワーカーが生活課題に取り組む専門職として、専門 性を保障されるための大切な 「業務」 であるということを学ぶことができました。実際に事例を使ってグループスーパー ビジョンやユニットスーパービジョン等の実践を体験することができ、参画型の研修であったと強く感じました。個々 のソーシャルワーカーのみならず、所属組織や地域社会などメゾマクロレベルでの援助につながっていくということが 大きな発見となり、大変有意義な研修となりました。 養成認定研修参加者の感想にあるように、本研修はスーパービジョン体制の構築を目指すものであり、また、組織外 スーパービジョンについて学ぶことが出来ます。 認定社会福祉士認証・認定機構 経過措置期間におけるスーパーバイザーの登録要項にある【区分1】は、組織外スー パービジョンを含むものであり、本研修修了者に推薦書を発行しております。なお、組織内に限ったスーパービジョン の場合、 【区分2】でも申請が出来ます。10 年以上の実務経験を有する皆様、機構のホームページをご参照の上、スー パーバイザー登録及び、2015 年度スーパーバイザー養成認定研修にぜひご参加ください。 <表の引用:認定社会福祉士認証・認定機構 経過措置期間におけるスーパーバイザー登録要項より> 要件項目 社会福祉士資格 10年以上の実務経験 スーパーバイジー経験 スーパーバイザー経験 推薦書 説明会受講 区分1 必須 必須 区分2 不問 必須 区分3 不問 不問 必須 必須 必須 倫理綱領及び懲戒の権能を有する日本の 施設・機関の長の推薦書 ソーシャルワーカー団体の推薦書 必須 必須 区分1:養成認定研修修了者 機構会員の教育団体の推薦書 必須 2015年度研修 2月より受付開始! 認定医療社会福祉士のポイントやプログラムは、ホームページでご確認ください。 実習指導者養成認定フォローアップ研修 【募集人数】40名 【申込受付】2月2日(月)~3月13日(金) 面接技術~ソリューション・フォーカスト・アプローチ~ 【募集人数】50名 【申込受付】2月2日(月)~3月13日(金) 【開 催 日】2015年5月10日(日)10:00~16:30 【会 場】グローバルテクノ中野研修センター(東京都中野区中野5−5−11) 【対 象 者】当協会の実習指導者養成認定研修の修了者。 【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)7,000円 賛助会員(団体)・非会員14,000円 【開 催 日】2015年5月17日(日)・6月21日(日)・7月19日(日)10:00~16:30 【会 場】グローバルテクノ中野研修センター(東京都中野区中野5−5−11) 【対 象 者】経験3年以上の現任の保健医療分野のソーシャルワーカーが望ましい。 【受講要件】全3回を受講できること 【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)21,000円 賛助会員(団体)・非会員42,000円 記録~プロセスからプログレス記録へ~ 【募集人数】70名 【開 催 日】2015年6月13日(土)10:00~16:30 【会 場】JA 共済埼玉ビル(埼玉県さいたま市大宮区土手町1丁目2番地) 【対 象 者】記録について学びたい保健医療分野のソーシャルワーカー。 【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)7,000円 賛助会員(団体)・非会員14,000円 記録~プロセスからプログレス記録へ~アドバンス 【募集人数】50名 【開 催 日】2015年6月14日(日)10:00~16:30 【会 場】JA 共済埼玉ビル(埼玉県さいたま市大宮区土手町1丁目2番地) 【対 象 者】記録のスキルをさらに向上させたい保健医療分野のソーシャルワーカー実践者。 【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)7,000円 賛助会員(団体)・非会員14,000円 【申込受付】3月2日(月)~4月10日(金) 【申込受付】3月2日(月)~4月10日(金) 当協会ホームページの研修情報、または研修スケジュールの受講申込書フォームに必要事項をご記入の 研修の申込方法 上、お申込みください。 11 (公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H26-4 2015.1.31 災害支援活動報告 東日本大震災から現在までを想起して 福島県医療ソーシャルワーカー協会 会長 鈴木 幸一 福島県医療ソーシャルワーカー協会が創立50年を迎えた2011年、未曾有の被害をもたらした大震災を経験し ました。福島県の支援活動の特徴としては「福島県相談支援専門職チーム」を発足し、活動を継続しているこ とが挙げられます。発災直後、県内最大の避難所であったビックパレットふくしま(ピーク時避難者数約2,500 名)での総合相談活動、及び要介護認定事務困難によりサービス利用ができない方々に対して1次判定結果を 基にサービス提供を可能とする『暫定ケアプランによるサービス提供の手続き』を活動の発端とし、その後県 内各地の状況に合わせた活動を展開し、今も尚継続しています。本チームは、県内の専門職6団体(介護支援 専門員協会、社会福祉士会、精神保健福祉士会、理学療法士会、作業療法士会および当協会)で構成され、 2011年5月からは「福島県仮設住宅等被災高齢者等生活支援のための相談支援専門職チーム派遣事業」として 福島県からの事業委託を受けており、活動費用、傷害保険、日当、旅費などの支払いも本事業より支出されて います。長期に及ぶと予測される支援を、継続的且つ効果的に進めていくためには、専門職と言えども個人や 単一の団体では十分な力を発揮することはできません。また、各地域によって置かれている実情は異なりま す。これらを、各専門職の強みを集結し、福島県民自らの力で、そして地元専門職のネッ トワークを生かし て活動しているのが「福島県相談支援専門職チーム」です。 私自身の災害支援活動の実践を振り返れば、これら災害支援活動を展開できてきたのは、日常のソーシャル ワーカーとしての業務、活動の蓄積によって構築されてきた関係機関・職種との信頼関係やネットワークが重 要であったことは自明のことです。しかし、活動当初からこれら多職種のチームが円滑に協働できていた訳で はありません。活動を通して互いに信頼し、成熟したチームへと変容し、協働体制が確立できたものであると 思いますし、多職種で関わること、チームで支援することの強み、有効性を実感しています。 復興元年と位置付けられた2012年から3年が経過しようとしていますが、未だ終わりの見えない本県の復 旧・復興とそれに絡む多種多様な問題。地震・津波とそれに伴い発生した原発事故の影響は、直接的な被害だ けではなく、間接的にも広範に渡り且つ限りなく多くの多面的な影響を及ぼしています。 福島県ホームページから情報を得ますと、平成26年12月末日現在の本県内の避難者数は合計75,601名、県外 への避難状況45,934名、県内・県外の避難者を合わせると121,535名の方が、今もなお避難生活を余儀なくされ ています。一方、復興公営住宅の整備状況は、地震・津波等被災の住宅整備2,702戸(59箇所)、 原子力災害に おける避難者の住宅整備4,890戸(71箇所)、計7,592戸の整備が計画されていますが、現段階で入居が開始され たのは、地震・津波等被災避難者の住宅は17箇所926戸、原発災害避難者の住宅は3箇所63戸に留まっていま す。今から1年程前の状況と比較すると、復興住宅の整備計画戸数増、入居開始住宅の増などが見て取れます が、未だ建設未着手が多数です。また、数字だけを見れば避難者数も減少とも見れますが、その裏には就労や 子供の養育の問題、地域住民との関係など生活の中の様々な苦悩を持ち、避難されたその地域で暮らすために 住民票を異動するという苦渋の決断を強いられている人々がそこにいることにも目を向けなければなりませ ん。あの日以来還ることのない総ての人々に対し、当県協会々員一人ひとりがソーシャルワーカーの視点、そ して生活者としての視点からミクロ・メゾ・マクロレベルでの活動実践をし、大いに力を発揮して欲しいと 願っております。そして、MSW としてのアイデンティティと専門性が担保できるよう日々研鑽を積み、先輩 方が築いてきた伝統を受け継ぎながら新たな未来に向かって歩んでいきたいと思っています。 発行/お問い合わせ 公益社団法人 日本医療社会福祉協会 〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-20 四谷ヂンゴビル2F TEL:03-5366-1057 FAX:03-5366-1058 E-mail:[email protected] 12 URL:http://www.jaswhs.or.jp/
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