謝辞 清々しい五月晴れが快い季節となりました。 本日、私達留学生の

謝辞 清々しい五月晴れが快い季節となりました。 本日、私達留学生のために、このように立派な修了式を開催していただきまして、まことに
ありがとうございます。 時間が経つのは早いものです。中部空港に降り立ったときの憧れの日本についに到着した興
奮といったらありませんでした。はじめて電車に乗った時、どんなにぎごちなかったことか。
息ができなくなるほど、急な坂を乗り越え、南山大学に入り、どんなに希望に燃えていたこと
か、それぞれの出来事、それぞれの気持ちが今でも、鮮やかに瞼に、心に蘇ってきます。でも
九ヶ月間はあっという間に過ぎてしまいました。 本日私達が九ヶ月間の留学を無事に終え、修了式に出席できるのは、様々な方々の助けがあ
ったからです。CJS のスタッフの皆様の毎日のきめ細かい助けなしでは、私達は安心感を持っ
て日本語の勉強に専念することはできませんでした。日本語、日本事情、芸術の先生方の懇切
丁寧なご指導を抜きにしては、私達は決して、こんな短時間に、日本語や日本の文化に関する
知識を習得できなかったはずです。また、ホストファミリーや寮の管理人の皆様の暖かく優し
い助けがなければ、私達は絶対に毎日留学生活を楽しく充実したものにできなかったと思いま
す。そして、三菱財団をはじめ、たくさんの奨学金財団の皆様の大きなご支援がなかったら、
私のように、経済面で困っている留学生の日本留学の夢は実現できませんでした。今日の私達
の成長の裏には皆様の大変なサポートがございます。心より深く感謝しております。 南山大学での勉強は、ただ単に日本語の勉強のみならず、世界についての勉強ではなか
ったかと私は思っております。国際的な学習環境のもとで、私達は今まで自分が歩んできた人
生を客観的に見直し、世界的視野を広げることができました。先学期、日本語 700 のクラスで
は、NHK によって製作された「NHK スペシャル 63 億人の地図」というデータマップを回り、
かっこく
他の留学生と色々相談し、外から自分の国、日本、世界の各国のことを改めて考えました。命
の尊さ、人権侵害の問題、仕事と人間の尊厳の密接な関係、男女平等と女性の社会進出。「今
まで、自己中心だったなあ。井の中の蛙大海を知らず、だ。」と反省し、悔いのない人生を送
らんがため、もっと頑張れるようになりました。また、茶道、書道の授業のお陰で、私の精神
が訓育されました。気が短く、不器用な私は、少しずつ、落ち着き、他の人への思いやりの心
が身についてきました。 つまり、今回の留学は私の人生を変えたと言っても過言ではありません。本日、私達は南山
大学を修了いたしますが、絶対に「終わり」ではありません。「一期一会」、皆様との出会い
は、私達の人生に大変いい影響を与えてくださいました。これから、私達は今回の留学体験を
生かし、たくさんの人と出会い、お互いにいい影響を与え合い、世界の発展に力を注ぐことを
目指し、精一杯頑張りたいと思っております。貧富格差のない社会、男性も女性も最大の能力
を発揮することのできる社会、人間の尊厳が守れる社会、そういう社会を築かんがため、私達
は一人一人国々を結ぶ架け橋になり、尽力しようと思っています。 たまわ
最後になりましたが、学長をはじめ、ご臨席 賜 りました皆様方に、改めましてこれまでのご
指導やご支援への感謝を申し上げますと共に、南山大学の今後のますますのご発展、皆様のご
健康とご多幸、留学生達のご活躍を祈念しております。 皆様、本当にお世話になりました。言葉では言い表せないほど深く感謝しております。 2015 年 5 月 23 日
南山大学外国人留学生別科修了生代表
ファム.ティ.グイン.ニュー