第 37 回日本 M テクノロジー学会大会 M 言語による 言語による PIC シンボル・ シンボル・プロセッサーの プロセッサーの 三語文脈判断機能と 三語文脈判断機能と電子 LL ブックの ブックの構成 高橋 亘, ○ 柳内英二 関西福祉科学大学大学院社会福祉学研究科 近年我々は、知的障害児や自閉症児の意志 しの技術については 2009 年以前の学会大 表示システムとして PIC シンボル・プロセ 会でその全容を明らかにしてきた [1,2]。 日本語の類型は、大雑把な表現をすれば、 ッサーを開発してきた。言葉はコミュニケ ーションの手段を与えるだけでなく、思考 目的語が動詞の前にくる言語と言うことが の手段を与え、認知の根幹をなすものであ 出来る。絵記号をこれに対応させるには言 るという認識の下、言葉に興味を示さない 語発生論上の基礎的な問題と対面する。同 子供たちの中に、ものの形や色に興味を示 種の類型に属する言語では、主語も動詞の す人がいることに留意して、絵記号のプロ 前にくるため、〔名詞〕 〔動詞〕と並んだ絵 セッサーの開発に取り組んできたのである。 記号の格をどのように決めるのかを解決す 当初より幼児の二語期の言語使用をモデ る必要がある。本発表で、孤立語的な絵記 ルにした二語文脈を構成するシステムを構 号が格を構成し、日本語と対応してくる原 築してきた。系統的な名詞と名詞、名詞と 理を解明したい。二語文脈と三語文脈の間 述語 (動詞、形容詞) の絵記号の接続が、 を行き来することになるが、ここで再び、 M 単なる絵記号の羅列という域を越えて絵記 言語の大域変数が重要な役割を果たす。 号の言語化を促進すると考えたからである。 最後に、適用例である、電子絵本との連 二つの絵記号の連辞関係を構成するには、 携として、電子 LL ブックを構成する。(LL; 二段階にわたる階層構造が意味を持ってい スウェーデン語の L¥ttl¥st、「易しく読め る。第一は絵記号の連合関係を規定するも る」の意) 電子絵本に連携して絵記号のメ のである。絵記号をいくつかの範疇に分類 ッセージを添付する技術を議論したい。 し、各範疇に属する絵記号を系統的に表示 するには [範疇, 絵記号] のセットを制御 参考文献 する 2 階層の階層構造が必須である。二語 1. 高橋 亘, 柳内英二, 池田茉莉子, “PIC シンボル・プ 文脈の連辞関係を系統的に繰り出すには、 ロセッサーの実現と視覚記号の言語学” 『総合福祉科学 このセットの二組、つまり 4 階層の階層構 研究』, Vol. 1 (2010) 101∼114. 造が必須である。こうした階層構造の制御 2. 池田茉莉子, 柳内英二, 高橋 亘, “M 言語による には M 言語の大域変数を用いるのが合理 PIC シンボル・プロセッサーの実現と視覚記号の言語 的である。大域変数による絵記号の繰り出 学”, 『Mumps』, Vol. 25 (2010) 35∼50. 23
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