投票所見直しの検証と今後の方針について 平成26年9月 北栄町選挙管理委員会 Ⅰ 検証に至った経緯 投票所見直し後に執行した参議院議員選挙及び町議会議員選挙の 2 回の選挙を通じ て、投票所変更に対する意見が多く寄せられたことから、投票所見直しを原因とする 問題・課題等を確認し、その対策を講じるため、検証を実施しました。 Ⅱ 検証の視点 1 投票所数減少による投票率への影響 2 投票所が遠方になったことによる高齢者等の投票機会の確保 3 投票所選定への再検証 4 その他投票環境全般について Ⅲ 検証の方法 1 見直し後の執行選挙結果による分析 平成 25 年 7 月執行の参議院議員選挙及び平成 25 年 10 月執行の北栄町議会議員選 挙について、投票区別、自治会別、年代別による投票率をそれぞれ前回の選挙結果と 比較する方法により分析を行いました。 また、選挙の種類(国・県・町)ごとに投票率が変動することから、他市町村の投 票率の変動状況と比較する方法で、投票所数の減少による投票率への影響の有無を確 認しました。 2 有権者アンケート 投票率だけでは確認できない投票状況や、投票所見直しに対する有権者の意見等を 広く集めるため、加えて選挙執行にあたっての問題点や課題を把握するため、有権者 を対象にアンケート調査を実施しました。 ①対 象 者: 1,480 人。名簿登録者数の約 1 割を対象。北栄町内に居住する満 20 歳以上の方で、平成 26 年 3 月 1 日現在、北栄町選挙人名簿に登載され ている有権者の中から無作為抽出。 ②実施期間: 平成 26 年 5 月 16 日~5 月 31 日 ③回答件数: 660 人(回答率 44.6%) ④質問事項: 参議院議員選挙及び町議会議員選挙における投票方法について。投票 所の見直しによる投票行動の変化について。投票に行けなくなった(し にくくなった)理由と改善方法について。期日前投票所を増設した場合 の投票場所について。投票所の閉鎖時間について。投票率向上への対策 について。その他選挙制度全般について。 3 聴取意見に対する検討 (1)選挙実施時に有権者から寄せられた意見 選挙実施時に投票所や選挙管理委員会に寄せられた意見を整理し、検討しました。 (2)自治会意見交換会 検証前には予定していませんでしたが、アンケート結果などから特徴的な状況が見 - 1 - 受けられ、特に意見を聞くことが必要と思われたため、該当自治会住民から直接意見 聴取を行う意見交換会を実施しました。 ①実施自治会: 大谷自治会 ②実施日: 平成 26 年 8 月 29 日(金)午後 7 時 30 分~9 時 15 分 ③会 大谷公民館 場: ④自治会参加者: Ⅳ 約 40 人 検証経過 ・H25.9. 2 選挙管理委員会 選挙結果による状況確認 ・H25.12.2 選挙管理委員会 選挙結果による状況確認 ・H26.2.20 選挙管理委員会 課題・問題点の把握、検証スケジュール ・H26.2.28 選挙管理委員会 課題・問題点に対する状況、新たな課題確認 ・H26.4.10 自治会長会評議員会での意見聴取 ・H26.4.25 選挙管理委員会 ・H26.5.16~5.31 アンケート実施方法 アンケート実施 ・H26.6. 2 選挙管理委員会 アンケート実施状況報告 ・H26.7. 2 選挙管理委員会 アンケート結果報告 ・H26.7.29 選挙管理委員会 移動支援対策について ・H26.8.29 大谷自治会意見交換会 ・H26.9. 2 選挙管理委員会 検証を踏まえた改善策について ・H26.9. 5 選挙管理委員会 検証を踏まえた改善策について Ⅴ 検証結果・アンケート考察 1 投票所数減少による投票率への影響 投票率については、投票所の見直し前後で比較した場合、参議院議員選挙で-6.68% (H22 年 74.00%、H25 年 67.32%)、町議会議員選挙で-4.44%(H21 年 76.37%、 H25 年 71.93%)の低下がみられました。 参議院議員選挙については、国・鳥取県・近隣市町の投票率の推移と比較した場合、 国は-5.31%(H22 年 57.92%、H25 年 52.61%)、鳥取県は-6.89%(H22 年 65.79%、 H25 年 58.90%)となっており、北栄町と同様の傾向が見られることから、投票所の 見直しが大きく影響したものではないと考えます。 また、町議会議員選挙については、一般的には定数に対する立候補者の数等も投票 率に影響すると考えますので、近隣市町の投票率と一概に比較することはできないと 考えます。しかし琴浦町では-10.52%(H22 年 78.71%、H26 年 68.19%)、倉吉市では -6.23%(H21 年 67.60%、H25 年 61.37%)と投票率はいずれも低下傾向にあります。 ※三朝町(H21 年無投票、H25 年 81.59%) 、湯梨浜町(H21 年無投票、H25 年 66.35%) - 2 - ※中部市町の投票率の推移 投票率 H19 県 知事 H19 参 H21 衆 H22 参 H23 県 知事 H24 衆 H25 参 投票所減の状況 倉吉市 67.19% 68.45% 75.91% 65.96% 64.66% 62.43% 60.22% - 三朝町 71.51% 76.51% 82.24% 76.04% 71.15% 72.72% 72.8% - 湯梨浜町 66.89% 73.57% 79.01% 73.03% 64.24% 67.21% 62.68% H19 県知事(16→15) H21 衆(15→12) 琴浦町 72.43% 77.06% 80.72% 74.13% 71.2% 70.34% 68.14% H23 県知事(30→16) 北栄町 71.36% 76.35% 81.1% 74% 70.16% 71.75% 67.32% 鳥取県 61.46% 67.7% 75.33% 65.79% 59.11% 62.95% 58.9% 国 54.85% 58.64% 69.28% 57.92% 52.77% 59.32% 52.61% H19 県知事(27→20) H25 参(20→12) ※H19 県知事~H25 参 (513→380) なお、自治会別の投票率で見た場合には、必ずしも投票所がある自治会の投票率が 高いわけではなく、12 投票所のうち、投票所のある自治会の投票率が 1 番高かったと いう投票所は参議院議員選挙では 4 か所、町議会議員選挙では 3 か所でした。つまり、 投票所が近いことだけで投票率が高くなるものではないことが分かります。しかし、 投票率が大きく下がった自治会の上位 5 地区を見てみると、参議院議員選挙ではうち 3 地区(北条地区 1、大栄地区 2)が、町議会議員選挙では 5 地区(北条地区 5)全て が投票所の変更があった自治会であったことも分かりました。 北栄町全体の投票率の低下については、全国的な傾向であると言えますが、一部の 自治会においては、見直しの影響がなかったとは言えないものと考えます。 - 3 - ※H25 参議院議員選挙:投票所内で投票率が一番高い自治会 投票区・投票所 投票率が一番高い自治会 (★投票所あり) 江北 投票率 1 中北条水田生産組合集出荷施設 75.36% 2 みどり南公民館 みどり一区 66.02% 3 北条農村環境改善センター 土下 71.84% 4 B&G海洋センター 駅前 77.27% 5 下神卓球場 下神★ 72.76% 6 大栄健康増進センター 原 77.43% 7 西園多目的集会所 西園★ 72.04% 8 大栄文化センター 西穂波 86.49% 9 大栄ふれあい会館 下種★ 81.51% 10 勤労者体育センター 由良宿 3 区 88.89% 11 大栄農村環境改善センター 由良宿 3 区 77.59% 12 妻波公民館 妻波★ 65.19% ※H25 町議会議員選挙:投票所内で投票率が一番高い自治会 1 中北条水田生産組合集出荷施設 投票率が一番高い自治会 (★投票所あり) 江北 2 みどり南公民館 みどり一区 64.94% 3 北条農村環境改善センター 米里 72.73% 4 B&G海洋センター 駅前 82.41% 5 下神卓球場 下神★ 70.63% 6 大栄健康増進センター 原 78.25% 7 西園多目的集会所 西園★ 74.85% 8 大栄文化センター 西穂波 81.08% 投票区・投票所 投票率 79.81% 9 大栄ふれあい会館 下種★ 84.40% 10 勤労者体育センター 緑ヶ丘団地 89.35% 11 大栄農村環境改善センター 由良宿 3 区 78.72% 12 妻波公民館 大谷 80.85% ※H25 参議院議員選挙:投票率の減少が大きかった自治会 ⤵比較 (H22-H25) 旧投票所 66.02% -21.23% 由良こども園 53.57% 72.22% -18.65% 11 大栄農村環境改善センター 自治会 (▲見直しあり) 由良宿 6 区▲ 12 妻波公民館 青木 11 大栄農村環境改善センター 二子塚団地 72.50% 90.24% -17.74% 4 B&G海洋センター 大野▲ 44.06% 60.41% -16.35% 国坂浜集落センター 12 妻波公民館 大谷▲ 58.16% 74.29% -16.13% 大谷公民館 投票区・投票所 H25 44.79% H22 ※H25 町議会議員選挙:投票率の減少が大きかった自治会 投票区・投票所 2 みどり南公民館 4 B&G海洋センター 2 みどり南公民館 4 B&G海洋センター 3 北条農村環境改善センター 自治会 (▲見直しあり) さくら団地▲ H25 H21 ⤵比較 (H21-H25) 旧投票所 46.61% 70.71% -24.10% みどり団地公民館 山西▲ 30.00% 51.35% -21.35% 北条農村環境改善センター みどり二区▲ 58.21% 75.17% -16.97% みどり団地公民館 弓原▲ 73.01% 84.26% -11.25% 中央保育所 北条島▲ 68.78% 79.75% -10.97% 北条島集落センター - 4 - 有権者アンケートで、見直しにより投票所に変更があった自治会に投票行動の変化 を尋ねたところ、 「変わらない」が 51.2%、 「行きにくくなった」が 33.2%、 「行けな くなった」が 4.2%でした。「行きにくくなった」「行けなくなった」ことの理由を尋 ねたところ、 「投票所が遠くなり行く方法がない」という回答が 37.6%で、続いて「そ の他」が 34.4%となっています。 「その他」の内容については、 「徒歩で気軽に行けた が車で行かなくてはならない」 「行く方法はあるが、おっくうになった」 「知らない場 所に変わり、行きにくかった」との回答が多く、行くことはできるものの、以前より 行きにくくなったと感じていることが分かります。 このため、今後の選挙においては、投票に行く方法がない方への移動支援の取り組 みと気軽に投票できる環境づくりに取り組む必要があると考えます。気軽に投票でき る方法として、全国的には期日前投票所をショッピングセンターに開設する取り組み も行われていますので、北栄町でどのような取り組みが有効であるかを考えていく必 要があります。 ※投票区・投票所見直しに関するアンケート(H26.5 月実施) 【問】投票所が変わったことで、あなたの投票行動は変わりましたか。 ② ③ ④ ⑤ ① 年代 行けるよう 行きやす 行きにく 行けなく 変わらない になった くなった くなった なった 20~24 歳 62.5% 12.5% 25~29 歳 75.0% 30 歳代 55.9% 40 歳代 59.5% 50 歳代 (割合、年齢別) 回答不明 (複数回 未回答 答) 25.0% 25.0% 5.9% 32.4% 5.9% 60.4% 3.8% 28.3% 7.5% 60 歳代 52.9% 2.9% 37.1% 7.1% 70 歳代 50.9% 1.8% 36.4% 3.6% 80 歳代 31.9% 1.4% 31.9% 17.4% 合計 51.2% 2.4% 33.2% 4.2% 37.8% 2.7% 3.6% 3.6% 17.4% 0.9% 8.1% ※回答者 660 人中、投票所の見直しがあった方 334 人を対象に質問したものです。 【問】「④以前より投票に行きにくくなった」、または「⑤以前は投票に行けていたが、行けなくなっ た」と回答された方にお尋ねします。それはどうしてですか。 (割合、年齢別) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 投票所が遠 投票所の場 駐車場が 投票所内 投票所が その他 年代 くなり行く 所が分かり 狭く車が の段差が 狭く混雑 未回答 方法がない にくい 止めにく あり入れ している い ない 20~24 歳 100.0% 25~29 歳 50.0% 50.0% 50.0% 50.0% 30 歳代 9.1% 27.3% 9.1% 40 歳代 14.3% 14.3% 7.1% 50 歳代 33.3% 13.3% 6.7% 60 歳代 26.9% 7.7% 26.9% 7.7% 70 歳代 50.0% 13.6% 13.6% 13.6% 18.2% 9.1% 80 歳代 58.8% 2.9% 11.8% 2.9% 17.6% 14.7% 36.4% 36.4% 7.1% 50.0% 7.1% 6.7% 66.7% 7.7% 42.3% 3.8% 合計 37.6% 11.2% 14.4% 4.8% 4.0% 34.4% 10.4% ※回答者 660 人中、投票所の見直しがあった方で「④以前より投票に行きにくくなった」、または「⑤ 以前は投票に行けていたが、行けなくなった」と回答された方 125 人を対象に質問したものです。(複 数回答可) - 5 - 2 投票所が遠方になったことによる高齢者等の投票機会の確保 年代別の投票率を前回と比較すると、参議院議員選挙においては、30 代の低下が一 番大きく-10.46%、続いて 40 代が-8.24%、次に 60 代が-6.54%となりました。 70 代以上の投票率については、70 代が-5.46%、80 代が-6.33%、90 代以上が-6.26% となっており、むしろ若い年代の投票率の低下が大きいことが分かります。 また、町議会議員選挙においても、30 代の低下が一番大きく-7.82%、続いて 40 代が-5.97%、次に 90 代以上が-5.05%となりました。なお、70 代は-3.44%、80 代は-4.62%で、やはり若い年代での投票率の低下が大きくなっています。 このことから、投票率の改善については、高齢者のみに重点を置く対策ではなく、 全ての年代を対象に実施する必要があると考えます。 ※参議院議員選挙・年代別投票率 有権者数 1,420 1,793 1,670 2,258 2,516 1,708 1,288 90 代 以上 326 投票者数 605 1,020 1,165 1,758 2,032 1,316 755 87 8,738 42.61% 56.89% 69.76% 77.86% 80.76% 77.05% 58.62% 26.69% 67.32% 有権者数 1,634 1,862 1,650 2,567 2,292 1,784 1,204 261 13,254 投票者数 800 1,254 1,287 2,126 2,001 1,472 782 86 9,808 48.96% 67.35% 78.00% 82.82% 87.30% 82.51% 64.95% 32.95% 74.00% -214 -69 20 -309 224 -76 84 65 -275 年代別 H25 投票率 H22 投票率 有権者数 比較 (H25-H22) 投票者数 投票率 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 全体 12,979 -195 -234 -122 -368 31 -156 -27 1 -1,070 -6.35% -10.46% -8.24% -4.96% -6.54% -5.46% -6.33% -6.26% -6.68% 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 ※町議会議員選挙・年代別投票率 有権者数 1,358 1,754 1,673 2,180 2,571 1,719 1,284 90 代 以上 318 投票者数 598 1,036 1,213 1,762 2,213 1,472 847 107 年代別 H25 投票率 H21 全体 12,857 9,248 44.04% 59.06% 72.50% 80.83% 86.08% 85.63% 65.97% 33.65% 71.93% 有権者数 1,618 1,821 1,663 2,596 2,207 1,840 1,173 261 13,179 投票者数 778 1,218 1,305 2,224 1,972 1,639 828 101 10,065 48.08% 66.89% 78.47% 85.67% 89.35% 89.08% 70.59% 38.70% 76.37% 投票率 比較 (H25-H21) 20 代 有権者数 -260 -67 10 -416 364 -121 111 57 -322 投票者数 -180 -182 -92 -462 241 -167 19 6 -817 -4.04% -7.82% -5.97% -4.84% -3.28% -3.44% -4.62% -5.05% -4.44% 投票率 有権者アンケートの結果を見ると「町議会議員選挙で投票に行かなかった理由」に ついて、30 代~60 代では「用があった(忙しかった)」という回答が多かった一方、 70 代~80 代では「病気」「投票所が遠い」「面倒、関心なし」との回答が多くなって います。 この度の見直しで投票所に変更があった自治会のみに投票行動の変化やその理由 を尋ねたところ、 「行きにくくなった」 「行けなくなった」と回答された方のうち、 「投 票所が遠くなり行く方法がない」と回答した人数は 70 代 80 代の割合が高く、「その 他」を選んだ方についても、自由記載の内容の多くは「遠くになって徒歩で行けなく なった」という回答でした。 - 6 - また、その改善方法について尋ねたところ、「その他」として自由記載欄には「投 票所を元に戻す」「自治会公民館に設置する」という意見が多く、特に見直し前に投 票所が設置されていた自治会については同様の意見が多く見られました。 ※投票区・投票所見直しに関するアンケート(H26.5 月実施) 【問】平成 25 年 10 月の町議会議員選挙で投票しなかった方にお尋ねします。投票に行かなかったのは なぜですか。 (割合、年齢別) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 用があった 病気 面倒、関 投票所遠 投票所分 政策候補者 その他 年代 (忙しかっ 心なし い からない 分からない た) 20~24 歳 100.0% 25~29 歳 100.0% 30 歳代 57.1% 40 歳代 33.3% 50 歳代 20.0% 60 歳代 33.3% 70 歳代 80 歳代 年齢不明 合計 28.6% 14.3% 14.3% 33.3% 33.3% 40.0% 11.1% 40.0% 11.1% 44.4% 50.0% 20.0% 10.0% 20.0% 37.5% 12.5% 37.5% 12.5% 19.6% 13.0% 15.2% 100.0% 21.7% 8.7% 23.9% ※回答者 660 人中、町議会議員選挙で投票しなかった方 46 人を対象に質問したものです。 【問】投票所が変わったことで、あなたの投票行動は変わりましたか。・・・P.5参照 【問】「④以前より投票に行きにくくなった」、または「⑤以前は投票に行けていたが、行けなくなっ た」と回答された方にお尋ねします。それはどうしてですか。・・・P.5参照 【問】「④以前より投票に行きにくくなった」、または「⑤以前は投票に行けていたが、行けなくなっ た」と回答された方にお尋ねします。改善方法としてどのようなことを希望しますか。 (割合、年齢別) ② ④ ① ③ ⑤ 案内看板設 投票所内 ⑥ 年代 バス運行等 期日前投 投票所内 未回答 置・地図配 の段差解 その他 の移動支援 票所増設 の土足化 付 消 20~24 歳 100.0% 25~29 歳 30 歳代 100.0% 50.0% 50.0% 27.3% 9.1% 18.2% 27.3% 36.4% 40 歳代 14.3% 28.6% 35.7% 21.4% 50 歳代 26.7% 6.7% 26.7% 26.7% 20.0% 60 歳代 11.5% 7.7% 15.4% 3.8% 7.7% 38.5% 26.9% 13.6% 13.6% 13.6% 9.1% 18.2% 36.4% 14.7% 11.8% 14.7% 2.9% 17.6% 47.1% 70 歳代 80 歳代 合計 14.4% 11.2% 18.4% 3.2% 4.0% 25.6% 32.8% ※回答者 660 人中、投票所の見直しがあった方で「④以前より投票に行きにくくなった」、または「⑤ 以前は投票に行けていたが、行けなくなった」と回答された方 125 人を対象に質問したものです。(複 数回答可) 2 回の選挙実施時には、 「投票所が遠くなり、行きたくても行けない高齢者があるの ではないか。送迎バスを 1 便でもよいので走らせてはどうか」 「投票所の数が減って、 遠く不便になり、年配者や車のない方は投票しにくくなった」等の意見が寄せられま した。また、自治会との意見交換会でも「近くなら歩いて行けるが、車で行かないと いけないところなら行かない」という高齢者の方もおられるとお聞きしたところです。 選挙の投票所においては、普段から使用している身近な施設の方が投票に行きやす - 7 - いと感じる方が多いということ、特に高齢になるほど移動手段が限られるため、遠方 や普段利用しない施設での投票に不便を感じることが多いということが分かります。 高齢者が投票に行きやすい環境づくりという点では、行きなれた地域の自治会公民 館に投票所を設置することが有効ですが、全自治会に設置することは現実的に不可能 だと考えています。そのため、高齢者の投票機会の確保という視点で投票所の場所を 決定することは難しく、別途、投票支援策を講じていくことが必要ではないかと考え ます。特にこの度の見直しにおいては、高齢化が進む中、有効な移動支援の方法がな いことを理由に、特段の配慮を講じなかったことを反省するところです。 次回の選挙においては、投票所削減に係る負担感の軽減や移動支援の対策を講じて いかなくてはならないと考えます。 3 投票所選定への再検証 見直しの投票所選定にあたっては、次の 4 点を判断基準としました。 ①期日前投票を加味した当日投票予定者数、地理的条件、投票所の位置を踏まえ、 再編を行う。 ②経費の削減を念頭に置きつつ、適切な投票事務が執行できる投票者の基本人数を 概ね 1,000 人とし、投票区の範囲と投票所施設の規模を考慮した区域設定を行う。 ③投票所までの距離を概ね 3 ㎞までとし、これを超える場合は投票区を分割する。 ④投票所の選定にあたっては、施設の規模、バリアフリー化、駐車スペースなどを 考慮し、公共的施設・自治会公民館を優先的に使用する。 しかし、実際に選挙を実施すると、選定段階で気が付かなかった投票所の問題点も 見つかりました。 自治会との意見交換会では、投票所の駐車場について「事業所の車等の出入りが多 く、駐車しにくい」 「駐車の仕方によっては、あまり多く駐車できない」 「投票所の目 の前に駐車できる方がよい。駐車場から坂を上るのは大変」等の意見が聞かれました。 選挙時に駐車場が使えないということがないよう、事業所等にも協力を求め、事前調 整を行う必要があります。 また、他の投票所においても選挙時に「自治会公民館は駐車場や道路が狭いので、 車で行きやすい町の施設の方がよい」という意見が寄せられました。普段利用しない 他の自治会公民館より、多少距離が遠くなっても、駐車場が広く交通の便がよい町の 施設な方が利用しやすいという意見です。選挙管理委員会では、このような視点での 投票所の選定は行っておらず、有権者の感覚とは異なる部分があることも理解できま した。しかし、交通弱者の投票機会の確保という点では、ある程度の距離の基準をも って、投票区の範囲を決めることが適当であると考えています。 投票所の選定基準については、自治会との意見交換会で「有権者数が多い自治会を 優先して選定するべき」との意見もいただきました。見直しに係る投票所の場所は、 有権者数ではなく、その投票所を利用する全ての有権者の利便性に共通する項目とし て、施設の規模、バリアフリー化、駐車スペース等を選定の基準としたところです。 選挙管理委員会としては投票所の選定表により、より公平に投票所を決定するよう心 がけたところですが、その優先順位については、必ずしも有権者の全員の意見が一致 - 8 - するものではなく、異論が出ることも理解できるところです。 現在のところ、投票所の設置は、国の投票所増設基準である 3 キロを越える投票所 を作らないこと、見直しの基準の範囲で投票所として利用できる施設があるならば、 その施設を選定すべきと考えているところですが、投票所のあり方を考える上で、選 定基準はどうあるべきかという問題は今後の課題となるものだと考えます。 ※投票所選定表(20→12 投票所) 投票区 (現) 施設の名称 決 定 結 果 (投票所施設の状況) 広さ 駐車場 下足可 大幅な余裕:◎ 若干の余裕:○ 余裕なし:△ 10 台以上:○ 5 台以上:△ 下足可:○ 下足不可:× バリアフリー 段差なし:○ スロープあり:○ 若干の段差:△ 大きな段差:× その他 1 江北部落公民館 ○ △ ○ △ 2 みどり団地公民館 ○ ○ × ○ 場所が分かりにくい 3 みどり南団地公民館 ○ ○ ○ ○ ○ 位置保育園目印 4 中北条水田生産組合集出荷施設 ○ ○ ○ ○ ○ 5 国坂浜集落センター △ × ○ ○ 6 北条農村環境改善センター ◎ ○ ○ ○ 7 北条島集落センター △ △ ○ ○ 8 中央保育所 - - - - 9 下神卓球場 △ × ○ ○ 10 原公民館 ○ ○ × △ 11 西園多目的集会所 ○ △ × △ 12 東園構造改善センター ○ △ × △ 13 大栄健康増進センター ○ ○ ○ ○ △ 14 大栄文化センター ○ ○ ○ ○シート ○ 15 大栄ふれあい会館 ○ ◎ ○ ○シート ○ 16 勤労者体育センター ○ ◎ △ ○シート ○ 17 大栄農村環境改善センター ○ ○ ○ ○ ○ 18 由良保育所 ○ ○ ○シート ○ 19 妻波公民館 ○ ○ ○シート ○ 20 大谷公民館 ○ △ × ○ - B&G海洋センター ◎ ○ ○シート ・ × ○ - JA旧下北条支所 ○ ○ ○ × - 由良宿2区公民館 ○ ○ × △ - 西園作業場 ○ ○ ○ ○ 4 ○ ○ ○ ○ ○ 施設廃止 トイレ、水道なし、照明暗い その他投票環境全般について (1)投票時間の繰り上げについて 投票時間の繰り上げについては、公職選挙法で投票時間は原則午後 8 時までと定め られており、特別な事情がある場合に限り、各自治体の判断で投票時間を繰り上げる ことができるとなっています。県内では、19 市町村のうち 12 市町村が投票所の閉鎖 時間の繰り上げを実施しており、投票所 380 か所のうち約 37%の 140 か所の投票所が 閉鎖時間を繰上げている状況にあります。 - 9 - ※県内市町村の面積と投票所数、投票所閉鎖時間の繰り上げ 開票区名 総面積 (㎢) 投票所 数 左のうち 閉鎖時刻 を繰り上 げる投票 所数 繰上時間別投票所数 1 時間 鳥取市 765.66 92 42 42 米子市 132.21 43 2 2 倉吉市 272.15 35 境港市 28.82 12 岩美町 122.38 22 若桜町 199.31 9 智頭町 224.61 7 八頭町 206.71 22 4 三朝町 233.46 20 9 湯梨浜町 77.95 12 琴浦町 139.92 16 北栄町 57.15 12 日吉津村 4.16 1 大山町 189.79 19 南部町 114.03 9 1 伯耆町 139.45 15 12 12 日南町 340.87 12 12 12 日野町 134.02 9 7 1 江府町 124.66 13 11 3,507.31 380 140 県計 5 2 時間 3 時間 3 2 4 時間 4 2 16 16 19 12 5 2 7 1 4 2 11 97 28 9 6 北栄町においては、午後 7 時以降の投票者数は、平成 25 年の参議院議員選挙では 198 人で投票日当日の投票者の 3.02%、町議会議員選挙では 136 人で 1.88%となって います。これらの方の投票機会については、期日前投票において毎日午後 8 時まで投 票できることから、投票時間を短縮してもおおむね確保できるのではないかと考えて います。また、投票時間の短縮のメリットとしては、経費節減や立会人の負担軽減、 有権者により早く開票結果を知らせることができること等が考えられます。 ※投票所における時間別投票状況 H25 参議院 6,558 373 5.69% 198 3.02% 2,102 181 190 不 在 者 投 票 者 数 78 H25 町議 7,244 324 4.47% 136 1.88% 1,947 230 143 57 当日投票所における投票者数 選挙名 総数 18:00 ~ 19:00 投票所 での投 票者に 占める 割合 19:00 ~ 20:00 期日前投票者数 投票所 での投 票者に 占める 割合 総数 18:00 ~ 19:00 19:00 ~ 20:00 投票者 総数 選挙当 日有権 者数 8,738 12,979 9,248 12,857 この度の有権者アンケートで、 「平成 10 年に投票所の閉鎖時間が午後 6 時から午後 8 時までに延長されましたが、あなたにとってメリットがありましたか」と尋ねたと ころ、その回答の割合は「メリットなし」が 62.6%、 「どちらともいえない」が 17.4%、 「メリットあり」が 12.3%でした。また、「投票所の投票時間は何時までが適当と思 - 10 - いますか」と尋ねたところ、その回答の割合は「午後 7 時まで」が 39.1%、「午後 8 時まで」30.3%、「午後 6 時まで」が 21.7%でした。回答数の比較で言えば、繰り 上げが適当という回答が多いものの、「午後 8 時まで」という回答が全体の 3 割を占 めており、20~30 代の 6 割が「午後 8 時まで」が適当と回答しています。投票率が高 くない若い年代の有権者は、実際に利用する機会は少ないものの、投票所は午後 8 時 まで開いている方がよいという希望を持っていることが分かります。 ※投票区・投票所見直しに関するアンケート(H26.5 月実施) 【問】平成 10 年に投票所の閉鎖時間が午後 6 時から午後 8 時までに延長されましたが、あなたにとって メリットはありましたか。 (割合、年齢別) ③ ① ② ④ 年代 どちらともい 未回答 メリットあり メリットなし その他 えない 20~24 歳 10.0% 50.0% 30.0% 10.0% 25~29 歳 7.7% 61.5% 23.1% 30 歳代 33.3% 47.6% 17.5% 40 歳代 23.5% 50.0% 22.1% 1.5% 2.9% 50 歳代 17.9% 59.8% 13.4% 3.6% 5.4% 60 歳代 7.7% 75.1% 13.3% 1.1% 2.8% 70 歳代 3.6% 68.2% 15.5% 1.8% 10.9% 80 歳代 2.0% 56.6% 27.3% 1.0% 13.1% 年齢不明 50.0% 50.0% 合計 12.3% 62.6% 17.4% 1.8% 5.9% 【問】投票所の投票時間は何時までが適当と思いますか。 ① ② ③ 年代 午後 6 時まで 午後 7 時まで 午後 8 時まで 20~24 歳 20.0% 80.0% 7.7% 1.6% (割合、年齢別) ④ その他 未回答 25~29 歳 23.1% 23.1% 53.8% 30 歳代 15.9% 20.6% 58.7% 1.6% 3.2% 40 歳代 19.1% 32.4% 41.2% 2.9% 4.4% 50 歳代 21.4% 32.1% 37.5% 4.5% 4.5% 60 歳代 20.4% 47.5% 25.4% 3.3% 3.3% 70 歳代 18.2% 55.5% 16.4% 80 歳代 33.3% 35.4% 13.1% 年齢不明 25.0% 50.0% 25.0% 合計 21.7% 39.1% 30.3% 10.0% 2.0% 16.2% 2.4% 6.5% (2)期日前投票所の増設 平成 17 年の合併当時には期日前投票所を北条庁舎にも設置していましたが、利用 者数が少ないことから、平成 19 年に大栄庁舎に統合しました。また、中部市町は全 て 1 カ所のみの設置となっています。 近年、全国的に期日前投票所の利用者数は増加しており、北栄町においても投票所 の見直し前である平成 23 年県知事県議会選挙では 1,297 人、平成 24 年衆議院議員選 挙では 1,608 人が利用されています。見直し後の参議院議員選挙では、投票者の約 24%にあたる 2,102 人が、町議会議員選挙では約 21%の 1,947 人が期日前投票を行い、 その利用者の増加に伴って、その利便性の向上も求められています。 - 11 - しかし、利用者の増加に伴い、投票日の 2~3 日前には期日前投票所が混雑するこ とも多くなり、待ち時間の短縮が課題となっています。また、期日前投票所の利用者 は大栄地区が大きく伸びる一方、北条地区では変化が少なく、直近の町議会議員選挙 では、大栄地区が 1,487 人であったのに対し北条地区では 460 人にとどまっています。 ※期日前投票における北条地区、大栄地区の利用状況の推移 選挙名 当日有権者数 投票者数 期日前投票者数 大栄地区 1,008 11,567 北条地区 439 13,359 9,533 249 804 1,053 13,482 10,293 429 1,161 1,590 H21 衆議院 13,260 10,754 476 1,325 1,801 H21 町議会 13,179 10,065 305 970 1,275 H22 参議院 13,254 9,808 510 1,181 1,691 H23 県知事 13,045 9,153 302 995 1,297 H24 衆議院 12,951 9,292 444 1,164 1,608 H25 参議院 12,979 8,738 568 1,534 2,102 H25 町議会 12,857 9,248 460 1,487 1,947 H17 町長・町議 13,551 H19 県知事 H19 参議院 合計 1,447 ※H19 県知事まで、期日前投票所は 2 カ所(大栄庁舎・北条庁舎)設置 有権者アンケートで「期日前投票所が北条庁舎に増設されたとしたら、どこで投票 しますか」と尋ねたところ、北条地区の 52.8%が「当日投票所」と回答し、30.7%が 「北条庁舎の期日前投票所」と回答していることから、北条地区での期日前投票所の 増設については、有権者の利便性の向上につながるものと考えられます。(大栄地区 は 43.4%が「当日投票所」で、40.6%が「大栄庁舎の期日前投票所」と回答) ※投票区・投票所見直しに関するアンケート(H26.5 月実施) 【問】期日前投票所が北条庁舎に増設されたとしたら、どこで投票しますか。 (割合、地区別) ① ② ③ ④ 地 区 当日投票所 期日前投票所 期日前投票所 その他、分か 未回答 (増設北条庁舎) (大栄庁舎) らない 北条地区 52.8% 30.7% 2.8% 7.9% 8.7% 大栄地区 43.4% 1.7% 40.6% 6.6% 9.7% 未回答 59.3% 5.1% 17.8% 4.2% 13.6% 合 49.8% 13.5% 22.0% 6.7% 10.0% 計 Ⅵ 今後の方針 1 投票所の変更 検証結果により確認された各投票所固有の問題点・課題について改善を図る必要が あるものの、投票所選定については誤りがあったといえるものは確認できませんでし た。問題点等については、下記の新たな対策の実施により改善が見込まれることから、 見直し後の投票所施設の変更・増設は行わないこととします。 ただし、投票機会の確保や投票所のあり方については、選挙管理委員会が考えてい くべきテーマですので、選挙毎に引き続き検討していくこととしています。 - 12 - 2 投票所削減に係る負担感の軽減 (1)移動期日前投票所の開設 投票所の見直しにより、投票所が遠くなった方の負担感を軽減するため、自治会間 を移動しながら短時間の期日前投票所を開設する「移動期日前投票所」を実施します。 開設場所については、当面は投票所までの距離が遠くなり投票しにくくなったとする 有権者への対応策として効果が見込まれるため、旧投票所を基本とします。 高齢化が進み、交通弱者に対する投票環境の整備が必要となることから、今後は試 行等を繰り返し、投票所までの距離や高齢者の状況により適正な場所を判断していく ことも必要であると考えます。 (2)移動支援バスの運行 高齢者等の移動支援として、期日前投票所への移動支援バスを試験運行します。 交通弱者に対する投票環境の改善を目的に、投票所の見直しの有無に関わらず、投 票所までの距離が遠い自治会を対象に実施します。 3 一般有権者の利便性の向上と投票機会の確保 (1)北条地区における期日前投票所の設置 投票所の見直しにより、期日前投票所の投票者数が増加した自治会がありました。 期日前投票への志向が高まっていること、北条地区(役場北条庁舎)で期日前投票を 行うことへの希望が少なくないことから、投票者数少数により取り止めた北条地区の 期日前投票所を改めて設置します。有権者の投票方法の選択肢を増やすとともに、投 票者数の増加により混雑や待ち時間が生じていた大栄庁舎期日前投票所についても 一定の改善が見込まれるものと思われます。 (2)投票所の閉鎖時間の繰上げ アンケート結果に基づく検証結果のとおり、有権者の理解を得るには時期尚早であ ると考え、当面は実施しないこととします。 Ⅶ 今後の予定 1 継続検討のスケジュール ・H26.10 自治会長説明会 ・H26.10~ 自治会説明会(希望自治会) ・H26.11~ 移動期日前投票所の設置場所と対象地区の検討・決定 移動支援バスの運行地区・期間の検討・決定 北条期日前投票所の開設場所・期間の検討・決定 ・H27.2~3 選挙(新対策)の広報 ・H27. 4 県知事・県議会議員選挙 2 新対策の実施時期 平成 27 年 4 月執行 県知事・県議会議員選挙 - 13 -
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