多 収 で 病 気 に 強 い

2014年
(平成2
6
年)
11月26日
てんさい新品種「アンジー(HT34)」
表1 「アンジー」の収量等
根重
根中糖分
糖量
不純物価
「
リ
ッ
カ
」
に
置
き
換
わ
っ
て
広
く
普
及
し
て
い
く
こ
と
が
期
待
さ
れ
る
。
「アマホマレ」対比(%)
品種名
(t
/
10a) (%) (kg/
10a) (%)
根重
根中糖分
糖量
不純物価
アンジー
8.
25
15.
31
1,
262
5.
36
112
95
106
105
アマホマレ
(標準品種)
7.
40
16.
08
1,
190
5.
09
100
100
100
100
リッカ(対照品種) 8.
04
15.
21
1,
222
5.
94
109
95
103
117
注1)収量特性は、北見農試、十勝農試、北農研センター
(平成2
2、
24、
25年)
および北海道てん菜協会(3か 所)
の延べ2
3か所平均。
注2)不純物価は、北農研センター(平成2
2、
2
4、
2
5年)
および北海道てん菜協会(3か所)の延べ15か所平均。
表2 「アンジー」の病害抵抗性等
品種名
そう根病
褐斑病
根腐病
黒根病
抽苔耐性
アンジー
強
強
弱
やや強
強
リッカ
強
やや強
やや弱
中
強
根
病
に
強
い
抵
抗
性
を
持
つ
。
北
海
道
で
も
っ
と
も
広
く
作
付
け
さ
れ
て
い
る
ジ ー 今
( 年
H 1
T 月
3
4
に
) 北
」 海
は 道
、 の
優 優
れ 良
た 品
収 種
量 に
性 認
を 定
持 さ
ち れ
、 た
そ て
う ん
根 さ
病 い
、 新
褐 品
斑 種
病 「
や ア
黒 ン
置き換え対象品種は
「リッカ」
温暖化による病害多発に対応
も
、
収
量
性
が
低
け
れ
ば
、
品
種
れ
ま る
た 。
、
病
害
抵
抗
性
が
強
く
て
減
す
る
こ
と
が
で
き
る
と
考
え
ら
想
さ
れ
る
状
況
下
で
、
被
害
を
軽
で
、
今
後
の
温
暖
化
が
続
く
と
予
病
の
抵
抗
性
が
向
上
し
て
い
る
の
「
ア
ン
ジ
ー
」
は
褐
斑
病
や
黒
根
除
に
留
意
さ
れ
た
い
。
イ
ド
等
に
も
と
づ
い
た
適
切
な
防
に
つ
い
て
は
、
北
海
道
の
防
除
ガ
点
で
あ
る
根
腐
病
抵
抗
性
「
弱
」
円
で
1
万
㌶
で
あ
る
。
唯
一
の
欠
待
普 さ
及 れ
見 る
込 。
面
積
は
、
北
海
道
一
て
広
く
普
及
し
て
い
く
こ
と
が
期
今
後
「
リ
ッ
カ
」
に
置
き
換
わ
っ
も
、
抵
抗
性
品
種
の
効
果
は
高
い
。
「
リ
ッ
カ
」
以
上
に
優
れ
る
た
め
、
が
基
本
対
策
で
あ
る
黒
根
病
で
こ
ま と
た が
、 で
圃 き
場 る
透 。
排
水
性
の
改
善
入
す
る
こ
と
で
被
害
を
軽
減
す
る
の
基
本
だ
が
、
抵
抗
性
品
種
を
導
褐
斑
病
は
殺
菌
剤
散
布
が
防
除
る
た
め
、
広
く
普
及
す
る
に
至
っ
抗
性
だ
け
で
な
く
収
量
性
も
優
れ
象
品
種
「
リ
ッ
カ
」
は
、
病
害
抵
「
ア
ン
ジ
ー
」
の
置
き
換
え
対
た
「 。
ア
ン
ジ
ー
」
は
、
収
量
性
も
地
上
部
は
、
「
リ
ッ
カ
」
よ
り
重 と
は 「 の
3 リ 差
ッ を
重 カ 説
く 」 明
、 と す
根 比 る
中 較 。
糖 し
分 て
は 、
並 根
形態(左:
「アンジー(HT3
4)」
右:「リッカ」)
と
し
て
の
実
用
性
は
低
い
。
も
葉
が
直
立
し
て
い
る
。
葉
長
は
品
種
に
対
す
る
期
待
抗
性
と
収
量
性
を
併
せ
持
ち
、
現
象
品
種
は
「
リ
ッ
カ
」
で
病
害
抵
「
ア
ン
ジ
ー
」
の
置
き
換
え
対
標 1 や
準 に 「 収 太
品 示 ア
い
種 す ン 量 (
で 。 ジ 性 写
あ 以 ー
真
る 下 」 と )
「 、 の
ア 収 収 品 。
マ 量 量 質
ホ 試 等
マ 験 を
レ の 表
」
糖 「 る
「 病 品 リ 有
ア
質 ッ 害
ン 害 が カ 性
ジ 抵 や 」 非
ー
や よ 糖
」 抗 優 り 分
の 性 れ1
の
2
病
る
割
害 等 。 低 合
く だ
抵
抗
、 が
性
製 、
長
い
の
に
対
し
て
、
や
や
短
く
や
根
形
は
「
リ
ッ
カ
」
が
や
や
細
の
効
率
を
低
下
さ
せ
る
原
因
と
な
よ
不 り
純 や
物 や
価 優
は れ
、 る
砂 。
糖
を
作
る
際
よ
う
に
、
収
量
性
は
「
リ
ッ
カ
」
で
、
糖
量
は
3
ッ
カ
」
よ
り
1
ラ
ン
ク
優
る
「
や
「
強
」
。
黒
根
病
抵
抗
性
は
「
リ
「
リ
ッ
カ
」
よ
り
1
ラ
ン
ク
優
る
同
様
「
強
」
。
褐
斑
病
抵
抗
性
は
そ
う
根
病
抵
抗
性
は
「
リ
ッ
カ
」
照
し
な
が
ら
特
性
を
説
明
す
る
。
形
態
的
特
性
と
の
百
分
率
対
比
で
、
「
リ
ッ
カ
」
等
を
表
2
に
示
す
。
や
や
優
れ
る
。
な
ど
は
総
じ
て
「
リ
ッ
カ
」
よ
り
れ
以 て
下 い
で る
は 。
、
「
リ
ッ
カ
」
と
対
と
以 同
上 様
の の
よ 「
う 強
に 」
、 。
病
害
抵
抗
性
在
北
海
道
で
最
も
広
く
作
付
け
さ
「 ッ
弱 カ
」
。ち 」
抽ゅう よ
苔だい り
耐
性 1
は ラ
「 ン
リ
ッ ク
カ 劣
」 る
や
強
」
。
根
腐
病
抵
抗
性
は
「
リ
特
性
概
要
多
い
。
以
上
の
多
収
で
病
気
に
強
い
池
谷
聡
9 い 降
8 た 、
6 。 根
年 特 中
に に 糖
分
糖1
0
分 年 の
取 と 低
い
引1
2
が 年 状
開 は 況
始 、 が
さ 1 続
そう根病、
褐斑病、
黒根病に強い抵抗性
や
や
短
く
、
葉
数
は
や
や
少
な
い
。
北 地
見 方
農 独
業 立
試 行
験 政
場 法
人
研 究 北
部 海
道
研 地 立
究 域 総
主 技 合
査 術 研
グ 究
ル 機
ー 構
プ
て
ん
さ
い
は
2
0
1
0
年
以
ル
ま の
た 根
、 中
2 糖
0 分
1 と
0 な
年 っ
に た
は 。
根
重
れ
て
以
来
、
も
っ
と
も
低
い
レ
ベ
つ
と
考
え
ら
れ
る
。
糖
分
や
根
重
の
低
下
は
、
こ
れ
ら
の
病
気
の
多
発
が
主
な
原
因
の
一
育
成
の
背
景
降 病 や
増 や す
加 黒 く
し 根 な
て 病 る
い の 。
る 発 そ
。 生 の
近 は う
年 、 ち
の
の1
0
根 年 褐
中 以 斑
T 株 が デ
式 育 ン
1
0
3
4
」 年 会 成 の
の か 社 し シ
ン
系 ら が 、
ジ
9
輸 0
3
統1
名 年 入 年 ェ
で か し に ン
、 け た 北 タ
北 て 。 海 種
道 子
海 、
糖 会
道 「
業 社
の H
に1
4
性
認 年 が
定 1 向
さ 月 上
れ に し
た 北 て
。 海 い
道 る
の こ
優 と
良 か
品 ら
種 、
病
そ 害
の 抵
結 抗
果 性
、 検
多 定
収 を
で 行
病 っ
害 た
抵 。
抗
と
、
て
ん
さ
い
の
病
気
が
発
生
し
「
ア
ン
ジ
ー
」
は
、
ス
ウ
ェ
ー
各
地
に
お
い
て
収
量
試
験
や
各
種
れ
夏 る
か 。
ら
秋
の
気
温
が
高
く
な
る
育
成
経
過
暖
化
が
関
わ
っ
て
い
る
と
考
え
ら
と
し
て
、
近
年
の
夏
か
ら
秋
の
温
も
大
き
く
低
下
し
た
。
こ
の
原
因
で
、
こ
の
よ
う
な
病
気
の
抵
抗
性
続
い
て
い
く
と
考
え
ら
れ
る
の
今
後
も
長
期
的
に
は
温
暖
化
が
さ
れ
て
い
る
。
が
向
上
し
た
多
収
品
種
が
必
要
と