データセンタ ソリューション

データセンタ ソリューション
データセンタにおける I/O 統合に対応した 10Gb/s の物理インフラ導入
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10 Gb/s Physical Infrastructure
for I/O Consolidation in the Data Center
はじめに
従来、データセンタ関係者の関心事は、アプリケーションの稼動とネットワークの拡張性、可用性、そしてセキュリティ
の維持でした。しかし、この 5 年間、 処理能力に対する需要が急増し、サーバ/ストレージ装置の密度が劇的に増加
した結果、新しいアプリケーションに対応できる費用効率の良い電力および冷却ソリューションの仕様策定が、次第
に困難になってきました。
データセンタにおける技術進化は、IT マネージャが効果的に予算を策定し、信頼性、高性能、安全性、および拡張性
を備えたネットワーク・インフラを開発するための課題となっています。ネットワークおよび処理の進歩により、これら
のシステムをサポートする革新的な物理層ソリューションが必要となっています。既にイーサネットを用いた 10Gb/s
の伝送速度は実用化され、現在開発中のさらに高速な伝送も 2010 年には実現される見込みです。仮想化による
サーバ統合、ネットワーク・ストレージ・システムの密度の増加、そしてマルチコア・アーキテクチャにより可能となった
大規模かつ並列負荷分散技術などにより、すべて高帯域幅のネットワーク接続の需要は増大しつづけています。
本書では、Top of Rack(ToR)モデルを用いたラックレベルの I/O 統合という形で、データセンタの物理インフラの 10
ギガビット対応について述べています。このアーキテクチャでは、Fibre Channel over Ethernet(FCoE)をサポー ト
したエンハンスト・イーサネット能力を持つ 10 ギガビット・イーサネット(10 GbE)スイッチが利用されます。FCoE では、
ファイバ・チャネル・プロトコルがイーサネットに組み込まれています。次に、キャビネット、ケーブル、およびケーブル
管理と熱管理機器を含め、スイッチをサポートする高度な物理層インフラ要素についても検証します。これらのイン
フラ要素は、拡大するネットワーク要件に対応するために設計され、データセンタの寿命が来るまで拡張できなけれ
ばなりません。
I/O統合の準備はできていますか?
データセンタのキートレンドの 1 つは統合です。IT 部門は、仮想化技術を用いて、複数のアプリケーションを少数の
強力なサーバに統合しつつあります。これにより、必要なデータセンタのスペースから電力および冷却費用の削減
まで、さまざまな利点が得られます。トレンドに敏感な企業は、来るべき次の波、つまり同じケーブル・インフラを
介して LAN、SAN、およびプロセス間通信(IPC)プロトコルを実行できる、ラックレベルで 10Gb/s のネットワークを
統合した I/O 統合に向けて準備を整えています。
多くのデータセンタは、複数のネットワークを並行して稼動しています。たとえば、IP ネットワーキング用に 1 つ、ブロ
ック I/O 用に 1 つ、そして高性能コンピューティング(HPC)アプリケーションで使用されるサーバからサーバへの IPC
プロトコル用に 1 つという具合です。複数ネットワークの稼動は、設備投資に多大な影響を与えます。I/O を 1 つの
物理インフラに統合する試みは、クラスターやグリッド・コンピューティング用の InfiniBand など、一部のデータセンタ
のアプリケーションで採用されていますが、これらの技術は、10 ギガビット・イーサネットよりもコスト高になることが
あります。
統合オプションのひとつである 10 ギガビット・イーサネットは、データセンタにおいて低コストで高性能を実現します。
通常、超高速伝送は、最初に光ファイバ接続を介して利用することが可能となり、その後シリコン基盤のコンポー
ネント市場が拡大すれば銅線でも利用可能となります。現在、10Gb/s 伝送は、銅線および光ファイバ・ケーブルで
利用することができ、イーサネットと FCoE 規格は、いずれも 10Gb/s 伝送速度への移行準備ができています。
さらに高速の次世代ネットワークとして、40Gb/s および 100Gb/s の伝送速度の兆しが見える中、現在および将来的
にも、イーサネットが効果的な高性能 I/O 統合の基盤であることは明らかです。
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統合されたI/Oファブリックを介したデータセンタのパフォーマンス向上
I/O 統合の目標は、1 つのケーブル・インフラを介して、いつでもどこでもコンテンツにアクセスできるデータセンタ
環境を作り出すことです。10 ギガビット・イーサネットへの拡張は、そうしたデータセンタの効率性を高める大きな
機会となります。
Fibre Channel over Ethernet
データセンタ・イーサネットと呼ばれる一連のイーサネット拡張(DCE、またコンバージド・エンハンスト・イーサネット、
つまり CEE としても知られています)では、イーサネットをデータセンタにおける I/O 統合ネットワークとするために、
10 ギガビット・イーサネット技術の帯域幅が使用されています。DCE の機能は、Cisco、Intel、および Panduit を
含む業界大手によってサポートされており、イーサネットのアプローチを魅力あるものにしています。
・10Gb/s 以上の伝送速度
・フロー制御および輻輳(ふくそう)管理による無損失(ロスレス)かつ管理が簡単な伝送
・ユニキャスト・トラフィックおよびマルチキャスト・トラフィックのレイヤー2 マルチパス
・DCBCXP (データセンタ・イーサネット能力ネゴシエーション)
・規模の大きなレイヤー2 ネットワーク・ドメインを利用可
DCE により可能となった主要なデータセンタのアプリケーションは、標準に基づいてファイバ・チャネルがイーサ
ネット網へ組み込まれた FCoE です。FCoE 仕様では、ネイティブのファイバ・チャネル・フレームがイーサネット・イン
フラを介して伝送されるため、イーサネットの場合と同様、既存のファイバ・チャネルの管理モードを変更する必要が
ありません。
FCoE は、根本のネットワーク網が無損失でなければなりません(例:パケットドロップが発生しない)。これは、既に
存在するイーサネットの PAUSE 機能を使用して実現することはできますが、DCE 機能でさらに、ネットワーク上の
要件が異なる複数プロトコルの伝送能力が高まります。プライオリティ・フロー制御は、CoS(Class-of-Service)
ベースのフロー制御をサポートしており、フローごとの無損失伝送を実現することができます。 DCE 輻輳管理技術
により、混雑がネットワーク・コアへ到達するのを防止します。また、帯域幅管理では、リソースが足りなくなった場合
にのみ始動するトラフィック・シェーピングがサポートされています。FCoE は、ファイバ・チャネル・モデルをベース
としているので、標準のネットワーク・サービス(ホスト・ツー・スイッチおよびスイッチ・ツー・スイッチの動作を含む)
および機能(In-Order Delivery、Fabric Shortest Path First [FSPF]負荷バランシング)は変更されません。
統合アダプタ技術
ネットワーク・インターフェースカード(NIC)およびファイバ・チャネル・ホストバスアダプタ(HBA)といった新しい世代の
ネットワーク・アダプタ機能は、両方のトラフィック・フローがネットワークへ流れる前に、同じイーサネット・チャネルを
介して、IP トラフィックに沿ってファイバ・チャネルが透過的にカプセル化します。これらのアダプタは、既存オペレー
ティング・システムのドライバを使用できるため、現行のファイバ・チャネル・ソフトウェアおよび管理モデルを用いて
シームレスに統合することができます。
FCoE のカプセル化プロセスは、2 種類の FCoE 対応アダプタのいずれか 1 つを用いて完了されます。その 1 つは、
特定用途向け集積回路(ASIC)技術をベースとしたアダプタです。統合ネットワーク・アダプタ(CNAs)と呼ばれる
ASIC ベースのアダプタは、Cisco Nexus 5000 シリーズ・スイッチと併用した場合、高度な仮想化に加え、高性能の
カプセル化を実現します。この技術をベースとする CNAs は、SFP+または XFP のフォームファクタでプラグ着脱
可能なトランシーバを使用します。
FCoE をサポートするもう 1 つのアプローチは、標準の 10 ギガビット・イーサネット NIC と、FCoE カプセル化が可能
なドライバを併用する方法です。FCoE ソフトウェア・スタックは、OpenFC オープンソース・プロジェクトをベースとして
おり、基本のイーサネット層は、インテル 92598 ベースの(Oplin) 10 ギガビット PIC-Express NIC など、10 ギガ
ビット・イーサネット ASIC により処理されます。FCoE スタックには変更がなく、ファイバ・チャネル上層の直下に包含
された OpenFC 層および FCoE 層で構成されます。
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エンハンスト・イーサネット技術により新しい物理層の効率性を達成
表 1 は、ラックレベルで導入された 10 ギガビット・イーサネット技術が物理層インフラの効率化にどのように貢献
するかを示しています。たとえば、データセンタの関係者は、Top of Rack(ToR)の Cisco Nexus 5000 シリーズ・
スイッチを導入することにより、イーサネットを介して LAN と SAN のトラフィックを統合したいと思うでしょう。この導入
により、LAN と SAN のトラフィックが 1 つのネットワーク・リンクへ統合され、キャビネット内で使用されるケーブルの
数が半分になります(表 1 参照)。
表 1 データセンタ・インフラに与える I/O 統合の影響
I/O 統合なし
16 サーバ
I/O 統合あり
接続
イーサネット
FC
計
アダプタ*
16
16
32
スイッチ
2
2
4
ケーブル
32
32
64
* デュアルポートアダプタ使用
16 サーバ
接続
イーサネット
FC
計
アダプタ*
16
0
16
スイッチ
2
0
2
ケーブル
32
0
32
* デュアルポートアダプタ使用
• サーバにはアダプタが2か所:
• FCスイッチを排除
1、イーサネットデュアルポート(NIC)
• サーバ内のFC HBAを排除
2、FCデュアルポート(HBA)
• サーバ内のイーサネットNICをFCoE CNAに置換
• 各アダプタに2本ケーブルを使用
• 統合によりサーバ接続のケーブルが4本から2本に
• 各サーバに4本ケーブルを使用
• 2 つのラックスペースが空くため、サーバで使用可
• 各キャビネットにスイッチ 4 台
また、DCE および FCoE を介した I/O 統合は、設備投資にも直接的な効果があります。FCoE により、各クラスの
トラフィックに対してスイッチ、ケーブル、アダプタ、およびトランシーバを個別に用意する必要がなくなるため、電力
消費が大幅に削減され、設備投資及び運用コストを削減することができます。
キャビネット内のケーブル集約・統合を実施する場合、サーバ内のネットワーク・インターフェースカード数が多いた
め、ケーブル周辺の節約はさらに大きくなります(表 2 参照)。ケーブル密度を減らすことにより、必要とされるケーブ
ル管理の範囲を最小限に抑え、貴重なラックスペースを他の装置で使用することができます。
イーサネット伝送が無損失になると、1 つの統合インフラがイーサネットと I/O トラフィックを両方サポートし、I/O 統合
が実現されます。
表 2 FCoE アーキテクチャを用いて削減されたケーブルの数
サーバごとの統合接続の数
LAN 接続
2
4
6
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SAN 接続
2
2
2
削減されたケーブルの数
50%
67%
75%
4
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Top of Rack(ToR)の導入
10 ギガビット・チャネルを介した I/O 統合では、データセンタに一連の新しい要件と仕様が発生するため、それに
適合した物理的な設置の計画が必要となります。その点において ToR レイアウトの導入は、特にデータセンタに
効果的です。ToR によりデータセンタのケーブルの密度を減らしたり、装置の密度を高めてコスト効率の良い高性能
ネットワーク・インフラを導入できます。
ToRアーキテクチャへの物理層設計のマッピング
ToR 配置を設計する場合、各キャビネットにおいてスイッチの追加をサポートするインフラの仕様を定めることが
重要です。物理的な空間との関連で論理的なネットワーク・トポロジを理解することにより、設計を大幅に改善する
ことができます。
図 1 は、10 ギガビット・イーサネット・スイッチング技術に関連した論理的な ToR ネットワーク・トポロジを示してい
ます。この構成では、アクセス層に Cisco Nexus 5000 スイッチを
導入しており、アグリゲーション層において 10 Gb/s のコアスイッチ(Cisco Nexus 7000 スイッチや Cisco Catalyst
6500 スイッチなど)を使用することができます。Cisco Nexus 5000 シリーズでは、各コンピュータ・ノードに対する 10
ギガビット・イーサネット・リンクと共に、アグリゲーション層に対する 10 ギガビット・イーサネット・リンクが提供されて
います。
論理的なトポロジを定義した後、物理設計をモデルに
直接マッピングすることができます。設計を効率化させる
と共に拡張可能なレイアウトを組み込む方法の1つに、
物理インフラを、ポッドと呼ばれる管理可能なサブエリアに
分割して設計する方法があります。データセンタ内の各
ポッドには、各キャビネット内に設置されているアクセス層
スイッチが含まれます。
ToR 構成を選択する場合、各コンピュータ・リソースに必要
なネットワーク接続の数を理解することが重要です。48
リンクを超える接続では、各キャビネットにアクセス層
ス イ ッ チ を 追 加 す る 必 要 が あ り ま す 。 た と え ば 、 45RU
キャビネットに 30 個の 1RU サーバを設置し、各サーバで
2 つの SFP+接続(合計 60)を必要とする場合、高密度を
サポートするためにキャビネット内に Cisco Nexus 5000
アクセス層スイッチを追加しなければなりません。
図 1 論理的な ToR ネットワーク・トポロジ
Cisco Nexus
7000 シリーズ
イーサネット・
トラフィック
Cisco Nexus
5000 シリーズ
アクセス層
IP FCoE
IPC
トラフィック
ラックマウント式の
サーバ
物理設計のマッピング完了後、次のステップとして、ハードウェアの情報を物理構成に組み込みます。ToR のレイ
アウトでは、通常、Cisco Nexus 5000 アクセス・スイッチは、キャビネットの最上部に設置されます。これにより、
サーバなどのより重たい装置をキャビネットの底に設置することができます。アグリゲーション層へリンクする光
ファイバ接続をサポートするために、床下または天井に専用の経路が必要です。また、キャビネット内の短距離の
銅線リンク配線接続には水平ケーブル管理システムを使用します。Cisco Nexus 5000 スイッチでは、Twinax 技術
をベースとする SFP+ダイレクト・アタッチの 10 ギガビット銅ケーブル、または SFP+ショートリーチ光トランシーバと
光ファイバ・ケーブルが使用されます。標準的な構成では、ラック内のすべての接続に銅製(Twinax)が使用され、
ToR スイッチとアグリゲーション層の間の長いケーブルには光ファイバ製が使用されます。
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光ファイバおよび銅ケーブル
10 ギガビット対応のデータセンタアプリケーションに最適なケーブル媒体を投資するためには、帯域幅、柔軟性、
および拡張性のバランスを取る必要があります(表 3 参照)。DCE および FCoE に対応している最初の 10 ギガ
ビット・イーサネット・スイッチである Cisco Nexus 5000 シリーズは、現在、10GBASE-SR および OM3 ファイバ
対応のショートリーチ光 SFP+トランシーバ、および SFP+トランシーバと Twinax ケーブルの統合ソリューションを
サポートしています。
光ファイバ:
高速ネットワーク用に、複数グレードの高帯域幅の光ファイバを使用することができます。伝送距離および伝送速度
は、グレードにより異なります。
・ 62.5/125μm (OM1) ファイバは、10 メガビット/秒および 100 メガビット/秒の伝送速度を達成するために設計
されたものであり、現在敷設済みの大半はレガシー・ファイバです。
・ 50/125μm (OM2) ファイバは、1 ギガビット/秒の伝送速度を達成するために使用されます。
・ 50/125μm (OM2+、OM3、および OM4)ファイバは、10 ギガビット/秒の伝送速度を達成するために使用され
ます。OM2+および OM3+のグレードは、親ファイバの約 2 倍の帯域幅を備えています(「+」は、OM2 の伝送
距離拡張を意味します)。
銅線:
通常、4 種類の銅ケーブルがデータセンタで使用されています。
・ カテゴリ 6 ケーブルは、最大 250 MHz の帯域幅に対応しており、100 m のチャネルで 1 ギガビット/秒をサポート
するために設計されています。
・ カテゴリ 6A ケーブルは、100 m のツイストペアの銅線チャネルで信頼性の高い 10 ギガビット/秒を達成するため
に、10GBASE-T 規格として開発されました。カテゴリ 6A のシールドおよび非シールド製品は、使用できる帯域
幅を最大 500 MHz へ拡張し、エイリアン・クロストーク干渉を劇的に抑えるための設計となっています。
・ 1X ベースの Twinax 銅ケーブルは 10 ギガビット/秒の信号をサポートするために、差動ペアのアプリケーション
向けに最適化されています。Twinax は、実質的にクロストークがゼロで、1 本の線で完全に新しいレベルの伝送
速度を実現出来る 100%のシールドが施された均一の構造を採用しています。1 つの完全な誘電体により、材質
の変化が取り除かれ、導体間でほとんど同じ距離が強制的に維持されるため、遅延と振幅の歪みは最小限に
抑えられます。
表 3 光ファイバおよび銅製の 10 Gb/s イーサネット・ケーブルの特徴
ファイバの
種類
コア
/クラッド
(μm)
OM1(レガシー)
62.5/125
10 Gb/s での
最小
最大伝送
EMBc*
(MHz.km) 距離(m) **
200
銅線の
種類
直径
(インチ)
帯域幅
(Hz)
10 Gb/s での
チャネルの
最大長(m)
33
カテゴリ 6
0.22-0.25
250M*
37*
OM2
50/125
500
82
カテゴリ 6A (UTP)
0.29-0.35
500M
100
OM2+***
50/125
950
150
OM3
50/125
2000
300
カテゴリ 6A
(シールド)**
0.29-0.31
500M
100
OM4
50/125
4700
550
Twinax (1X)
0.18-0.24
~11G
10
* 計算上の最小の実行伝送帯域幅。
** 850 nm VCSEL ベースのシリアル・トランシーバで
使用した場合のデータです。
*** 現在、OM2+伝送拡張・ファイバは、ISO 規格にリスト
アップされていません。
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* カテゴリ 6 ケーブルは、チャネル帯域幅が 500 MHz の
場合、最大 37m まで 10 Gb/s をサポートすることができ
ます。
** エイリアン・クロストークと EMI/RFI ノイズが大幅に抑え
られます。
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10 ギガビット・トランシーバと SFP+
10 ギガビット・イーサネット・トランシーバは、XENPAK、X2、XFP、および SFP+のフォーマットで入手可能です(表 4
参照)。すべて 10 Gb/s で稼動しますが、サイズとフォームファクタにより消費電力が異なります。XFP および SFP+
は 、 XENPAK お よ び X2 よ り も 小 型 で あ り 、 XENPAK お よ び X2 モ ジ ュ ー ル に 組 み 込 ま れ て い る
SERDES(Serializing/Deserializing)回路および XAUI インターフェースがないため、消費電力が少なくなります。
XFP には、クロック・データ・リカバリ(CDR)が組み込まれており、データは、SFP+からシステム側へ引き出されます。
また、小型のフォームファクタのトランシーバは、ラインカードおよびスイッチにおいて高密度を実現します。
表 4 10 ギガビット・トランシーバ
フォームファクタ
XENPAK
X2
XFP
SFP+
電気インターフェース
XAUI パラレル
4 x 3.125 ギガビット/秒
XAUI パラレル
4 x 3.125 ギガビット/秒
XFI シリアル
1 x 10.3 ギガビット/秒
SFI シリアル
1 x 10.3 ギガビット/秒
光ファイバ・コネクタ
銅線コネクタ
プロトコル非依存*
SC
CX4
いいえ
SC
CX4
いいえ
LC or SC
LC**
ダイレクト・アタッチ
Twinax
ダイレクト・アタッチ
Twinax
はい
はい
*
現在、Cisco XENPAK および X2 は、10 ギガビット・イーサネットのみをサポートしています。XFP および SFP+には、
Mux/Demux 機能が含まれていないため、プロトコル非依存です(つまり、10 ギガビットのファイバ・チャネルまたは 10 ギガ
ビット・イーサネットをサポートすることができます)。
** ネットワーク・トラフィックの急増に対応できる能力に加え、1 Gb/s と下位互換性があるため、一般的に、10 Gb/s のケーブル
システムが推奨されます。
100 m のカテゴリ 6A UTP ケーブルで稼働する 10GBASE-T をサポートするネットワーク機器は、既に発売されて
います。また、SFP+インターフェース対応のネットワーク機器は、データセンタにおいて 10 ギガビット・イーサネット
のアプリケーションに採用されています。Cisco Nexus 5000 シリーズ・スイッチは、現在のところ SFP+モジュールが
使用されています。QLogic および Emulex CNAs は、SFP+モジュールを使用してサーバをスイッチに接続します。
SFP+インターフェース競争の優位性は、コストおよびコネクタの下位互換性です。SFP+モジュールは、必要とする
コンポーネントが少ないため、SFP+は他のトランシーバと比較して安価な代替モジュールとなっています。また、光
ファイバのフォームファクタのフロントコネクタは、LC コネクタのままであるため、データセンタに既に設置されている
光ファイバ・インフラを再利用することができます。
SFP+モジュールは、Cisco 社が提供する 10 ギガビット光トランシーバを含め、広く利用可能です。光ファイバと銅線
ケーブルの SFP+の電子部品に関しては、表 5 に簡単にまとめられています。
表 5 光ファイバと銅線ケーブルのイーサネット・リンクにおける SFP+の可用性
物理的な仕様
10GBASE-SR
10GBASE-LR
10GBASE-ER
10G シリアル銅ケーブル
媒体
マルチモード・ファイバ(OM3 / OM4)
シングルモード・ファイバ
シングルモード・ファイバ
1X ベースの Twinax
距離
300 / 550 m
2 km
10 km
10 m
熱に関するI/O統合の利点
多くのデータセンタ、特に仮想環境においては、トラフィックを分離し、スループットを向上させるために(ポート・アグリ
ゲーションを介して)、サーバに複数のネットワーク・アダプタが組み込まれています。10Gb/s アダプタは、帯域幅を
増加させ、占有する拡張スロットも少ないため、サーバのパフォーマンスを向上させることができます。これにより
電力消費と熱負荷が削減されます。また、10 Gb/s アダプタの導入により、データセンタにおける設計の柔軟性が
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高まります。つまり、複数のアダプタとケーブルを 1 つの 10 Gb/s アダプタとケーブルに統合することにより、インフラ
が削減され、キャビネット内の貴重なスペースが解放されます。
データセンタにおいて熱を取り除くことが課題となる場合があります。データセンタにおける冷気の流れは、空調装置
および物理層の要素の戦略的なレイアウトにより最適化されます。従来のフリーアクセス床の環境の場合、冷気は、
フリーアクセス床の下に分散し、穴のあいた床のタイルを通して部屋に入り、ネットワーク機器を冷却します。データ
センタのサーバおよびスイッチの吸気面は、穴の開いた床タイルが置かれている冷たい通路に面して設置されます。
これにより、コールドアイル(冷気通路)からの冷気が装置に供給され、熱排気は後のホットアイル(暖気通路)に
排気されます。
サーバおよびスイッチキャビネットの未使用スペースは、熱気の再循環と冷気の迂回という 2 つの問題を起こす可能
性があります。しかし、ラック、キャビネット、およびケーブル管理システムを戦略的に設置することで、データセンタ
の冷却の効率性に大きく貢献することができます。このためには熱処理の性能を最適化し、電源を必要としない冷却
システムを用いて高密度の環境における空気の流れを促すようなキャビネットを選定すべきです。この電源を必要と
しない冷却システムは、ネットワーク機器の排気用の送風機を活用して、空気をキャビネット全体に効率的に流す
ことにより、過熱のリスクを最小限に抑えます。
キャビネットおよび機器における冷気の迂回および熱気の再循環を防止するために、ブランクパネルを水平および
垂直のスペースに取り付けることもできます。幅の広いキャビネットおよび効果的なケーブル管理システムを使用
すれば、サーバの排気エリアの障害物がなくなり、キャビネット後部の静圧を減らすことができます。また、冷気が
機器に最大限流れ込むように、ドアの開口率も最適化すべきです。ラックおよびキャビネットは、TIA/EIA-310-D で
確立された規格に従った設置が必要です。
結論
10 ギガビット・イーサネットおよびその拡張により、数多くのパフォーマンスおよび拡張性の利点がデータセンタ環境
にもたらされます。10 Gb/s の物理インフラを導入することにより、帯域幅に対する懸念が緩和され、LAN と SAN の
トラフィックの I/O 統合が可能となります。FCoE は、無損失伝送として使用される 10 ギガビット・イーサネットの有効
なアプリケーションの 1 つです。
Cisco Nexus 5000 シリーズ・スイッチは、統合 10 ギガビット・イーサネット網を LAN および SAN 用のデータセンタ
で実現した最初のスイッチです。Panduit のケーブル、ラック、およびキャビネット・システムは、データセンタのネット
ワーク機器をサポートするために、最も信頼性が高くコスト効率の良い 10 Gb/s インフラ・ソリューションを提供します。
Cisco Nexus シリーズ・スイッチとモジュラー形式で拡張可能、そして 100%検証された Panduit のケーブルシステ
ムを併用することにより、ビジネスアジリティを確保すると共に、データセンタにおいて最高クラスの性能を実現します。
物理インフラの統合方法の詳細に関しては、「Panduit の物理層インフラ・ソリューションに対する Cisco Nexus、
Catalyst、および MDS の論理的なアーキテクチャのマッピング(Mapping Cisco Nexus, Catalyst, and MDS
Logical Architectures into PANDUIT Physical Layer Infrastructure Solutions)」と題するデータセンタ設計ガイドを
ダウンロードしてください。 (http://www.panduit.com/DataCenterDesignGuides)
Panduitの理念
Panduit は、優れた品質のネットワークおよびエレクトリカル製品の提供を通じて、お客様のインフラの構築を支援し、
ビジネスの成功に貢献することを目指しています。
Panduit では、50 年以上にわたって、常にお客様のニーズに向き合い、それにお応えするべく製品やソリューション
の開発・提供を行ってきました。グローバル売上高の 9%を研究開発に投資するなど、高い技術力に裏打ちされた
確かな品質の製品を、グローバルで一貫した供給体制およびサポート体制によりタイムリーにお届けすることで、
お客様がビジネスを行う上でのインフラの構築を支援しています。Panduit は、最高の品質の製品・サービスを提供
することで、お客様およびパートナー企業のビジネスにおける成功に貢献することを目指しています。
※Cisco、Cisco Systems、Nexus、Catalyst、および MDS は、Cisco Technology, Inc.の登録商標です。
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