POP3サーバーを作る作ればわかるアプリケーションの動作とメカニズム秋月巌ソリューション事務所 11回 POP3サーバーを作る第今回、提供するPOP3サーバーは、前号までのSMTPサーバーサンプルプログラムで送受信したメールメールクライアントプログラムは使メッセージを、メールクライアント用できない。SMTPサーバーと別プログラムで読むためのものであのプロトコルの組み合わせでも同る。メールの送受信を行なうネッじである。つまり、一般に普及しトワークは、SMTPサーバーによるてるメールクライアントプログラム P2Pネットワークに、クライアンを使用する以上、SMTP とPOP 3 ト／サーバー型のネットワークが（もしくはIMAP4）の組み合わせは、ぶらさがっているものであるとい Level 2 AKIZUKI, Iwao http://www.akizuki.co.jp/ メールクライアントにデータを配信する POP3サーバー 1 秋月巌 3 4 5 う話は以前にした。POP3サーバーとメールクライアントによって構成されるネットワークは、このクライ Technology Tools アント／サーバー部分に相当する。 Visual Basic このあたりのことは、知識のある Visual C# Visual C++ SQL Server Oracle Access ASP.NET Other: Visual Studio .NET 2003 Samples この記事で取り上げたソースコードおよびサンプルプログラムは、 http://www.shoeisha.com/mag/windev/ からダウンロード可能です。変えられないということになる。人にとっては当たり前のことだが、 SMTPと POP3（IMAP4）以外の組み合わせとはいえ、たとえば Webメール案外と知らない人も多い。SMTP はSMTPとHT TPの組み合わせでとPOP3 は独立したプロトコルだある。POP3サーバーとメールクラが、事実上、共存関係にある。とイアントが担当するクライアントはいえ、この組み合わせしか許されサーバー部分を Web サーバーとないわけではない。この連載で作っ Webブラウザが処理する。メールているメールサーバーもSMTPサークライアントプログラムの代わりにバーとPOP3サーバーの組み合わせ Webブラウザを使うからPOP3（I のわけだが、POP3サーバーと別の MAP4）以外のプロトコルが使用プロトコルの組み合わせで、メーできるのである。そう考えると、普ルサーバーを作ることもできる。と及しているいろんな通信クライアはいえ、その場合、IMAP4との組ントとSMT Pの組み合わせでメーみ合わせを別にすれば、普通のルのやり取りができるということ 2006 March 137 .NET Framework で作る Windows サーバー作ればわかるアプリケーションの動作とメカニズムに考えが及ぶ。る。もともとSMTPサーバーとPOP3サーバーは独立したとえば、インスタントメッセンジャーで直接メールたプログラムなので、SMTPサーバーが受信して処理しを受信できるメールサーバーを作ることは簡単そうであたメールデータをPOP3サーバーが扱うには、データのる。とはいえ、インスタントメッセンジャーからメール移行処理が必要な場合がある。しかし、このサンプルを送信するのはいくつかの問題がある。通常、インスタメールサーバーは、SMTPサーバーとPOP3サーバーがントメッセンジャーのデータ送信はフリーフォーマット Jetデータベースエンジンを使って同じデータベースにアなので、メールアドレスや件名を記述する部分が用意さクセスすることで、移行処理を不要としている。れていない。だから、インスタントメッセージクライアントプログラムに、これらを記入する部分を用意する必要がある。メールが直接受信できるインスタントメッセンジャーというのはなかなか便利そうである。現在でもサンプルプログラムの実行方法 msn（Windows）メッセンジャーは、Hotmailと統合さまずSMTP Serverフォームの［Start］ボタンをクリッれているが、これはあくまでメッセージの着信がメッセクしてSMTPサーバーを実行し、別のコンピュータで起ンジャーによって通知されるだけで、メールを読むには動したサンプルメールサーバーからメールを受信する。 Webブラウザを起動しなければならない。続いてPOP Serverフォームにユーザー名とパスワードを Webメールにしても、POP3メールにしても、メール登録する。最後にPOPフォームの［Start］ボタンをクを取りに行かないとメールが届いていることを知ることリックしてPOP3サーバーを実行し、メールクライアンができない。どちらもサーバーとクライアントが常時接トソフトでメールをダウンロードする。続されていないからである。インスタントメッセンジャーなお、フォームにある設定項目である「スレッド数」でメールも受信できれば、リアルタイムで応答することを「1」以外にすると、.NET Framework 1.1/2.0環境でができる。とくに今日のように携帯電話メールとのやりはエラーが発生するのを確認した。.NET Framwork 取りがあることを考えれば、このメリットは大きい。 1.1/2.0環境で試す場合は「1」を指定してほしい。前号までのSMTPサーバーに POP3機能を追加さて、今回のサンプルメールサーバーでは、前号まで POP3サーバーの機能だけ試す方法上記の方法では、2台のコンピュータでサンプルメールサーバーを実行し、2つ以上のメールクライアントプログラムを設定する必要がある。そこで 1 台のコンのSMTPプログラムのプロジェクトに新しくPOP3サーピュータで POP3サーバーの動作を確認できるように、バー用のフォームを追加した（図1）。プログラムを実行サンプルデータがデータベースに登録されている。そのすると、SMTPサーバーのウィンドウとPOP3サーバーメールデータをメールクライアントで受信するためには、のウィンドウが起動する。SMTPサーバー部に変更はない。だから、前号同様メールを送信するときにはメールアドレスのドメイン部にIPアドレスを指定しなければならない。よって、インターネット経由で、このメールサーバー同士でメールのやり取りをすることはできるが、通常のインターネットメールに参加することはできない。あくまで実験的に動かせるだけだと考えてほしい。 SMTPサーバーがDNSクライアント機能を備えていないからである。このサンプルメールサーバーでは、受信したメールデータをSMTPサーバーとPOP3サーバーで共有してい 138 Windows Developer Magazine 図1：POP3サーバー機能を備えたフォーム