ヘルプを用意する

A
p
p
Application
Architecture for .NET
の利用例
l
i
c
a
t
ヘルプを用意する
i
第1
1回
株式会社CSKシステムズ
IT生産技術部
中垣 健志
o
NAKAGAKI, Kenji
n
えるでしょう。その中でも.NET Fra
A
開発者が一番多く
見るドキュメントは?
meworkで用意されたクラスライブラ
r
リのリファレンスは、とくによく参照
Soarリファレンス
ヘルプを作成する
されるドキュメントです。Visual Stu
Soarリファレンスヘルプを作成す
h
ミングを行なう際に、頻繁に参照する
dioでプログラムを作成しているとき
るにあたって、Wordなどでヘルプ用
i
ドキュメントは何でしょうか? 多く
に、クラスの概要、プロパティやメソ
の文書を別途作成する必要はありま
t
の開発者は「MSDNライブラリ」と答
ッドの一覧、定義されている属性な
せん。Soarリファレンスヘルプに必
どを確認したいと思ったら、
[F1]キ
要な情報は、すべてソースコードから
ーを押せば確認したいクラスのヘル
取得します。クラスやメソッドの定義
プを表示することができます。
そのものも、プログラムから自動的
e
c
.NET Frameworkを使ったプログラ
c
Level
t
1
2
3
4
5
Soarフレームワークを使う開発者
に取得します。定義されたオブジェ
クトに関する説明は、ソースコードに
r
意されたクラスライブラリのリファレ
記述したドキュメントコメントから作
e
u
にとっても、Soarフレームワークで用
Technology Tools
Visual Basic
ンスは必須の機能となります。でき
成します。ソースコードやドキュメン
Visual C#
れば.NET Frameworkと同様に、プ
トコメントで 記述した情報は、一度
ログラミングの最中にテキストエディ
所定の形に沿ってXMLファイルに変
タと連携して即座に確認できれば非
換されます。このXMLファイルから
常に便利です。そこで今回は、Soar
ヘルプファイルを作成し、作成したヘ
フレームワークで用意したクラスラ
ルプファイルをVisual StudioへSoar
イブラリのリファレンス(以下Soarリ
リファレンスヘルプとして登録すると
ファレンスヘルプ)を作成し、MSDN
いう流れになります。
Visual C++
f
SQL Server
o
Oracle
r
Access
ASP.NET
Other:
.
N
Visual Studio .NET 2003
VBCommenter
E
NDoc
T
Help Integration Wizard Beta
ライブラリに組み込む方法について
見ていきたいと思います。
ただしVisual Studio標準の機能だ
けでは、ソースコードからSoarリフ
ァレンスヘルプを作成することがで
きません。そこで今回は、表1に示す
160 Windows Developer Magazine
ヘルプを用意する
T
表1:ソースコードからリファレンスヘルプを作るためのツール
VBCommenter
VB.NETでドキュメントコメントを作成する(C#では不要)
入手先
http://www.gotdotnet.com/workspaces/workspace.aspx?id=112b5449-f702-46e2-87fa-86bdf39a17dd
N
E
概要
ドキュメントコメントからヘルプファイルを作成する
入手先
http://ndoc.sourceforge.net/
http://sourceforge.jp/projects/ndoc-jp/(日本語対応)
r
概要
.
NDoc
Help Integration Wizard Beta
ヘルプファイルをVisual Studioに組み込むインストーラを作成する
入手先
http://msdn.microsoft.com/library/default.asp?url=/library/en-us/dv_vstechart/html/integration_wizard.asp
e
Soarリファレンスを作成することにします。
ントからXMLファイルを作成することができます。Vis
ual Studioで Soarフレームワークのソリューションを開
いたら、ドキュメントコメントを作成したプロジェクト
法は、VB.NETであるかC#であるかによって少し違いま
のプロパティ画面を開きます。そして、左側のツリーか
す。そこで以降では、言語別にその方法について説明し
ら「構成プロパティ」-「ビルド」を選択します。
「XML
ていきます。
ドキュメントファイル」という項目があるので、そこへ
r
VB.NETの場合は、Visual Studioの機能ではドキュメ
ァイル名を設定します。特別な理由がない限り、通常は
「アセンブリ名.xml」としておきます(図2)
。
以上の設定を行なうことで、プロジェクトをビルドす
せん。そこで、VBCommenterを使ってドキュメントコ
るたびにドキュメントコメントが、アセンブリが生成さ
メントからXMLファイルを作成します。VBCommenter
れるフォルダと同じ場所に XMLファイルとして作成さ
はMicrosoftが自社で運用しているGotDotNetというサ
れます。
o
n
ントコメントからXMLファイルを作成することができま
イトで公開されているツールです。ライセンスに従う限
i
図1:VBCommenter設定ダイアログ
t
りは、商用/非商用を問わず利用することができます。
A
◆VB.NETの場合
c
ドキュメントコメントが出力される XMLファイルのフ
h
i
t
e
ドキュメントコメントからXMLファイルを作成する方
t
C#の場合は、Visual Studioの機能でドキュメントコメ
u
r
◆C#の場合
ドキュメントコメントから
XMLファイルを作成する
f
名前のXMLファイルとして作成されます。
c
いくつかのβ版ツールとオープンソースを組み合わせて
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概要
a
VBCommenterをあらかじめインストールしておきま
す。インストールが成功しているとVisual Studioの[ツ
c
ール]メニューの中に[VBCommenter Options]とい
i
う選択肢が現われます。これを選択すると図1のダイア
l
ログ画面が開くので、
「Create .xml files when projects
p
are built」というチェックボックスにチェックします。
p
以上の設定を行なうことで、プロジェクトをビルドす
A
るたびにドキュメントコメントが、プロジェクトファイ
ルと同じフォルダにプロジェクトのアセンブリ名と同じ
2006 March 161