地衣菌由来の氷結晶制御物質 - REENALSTATION.net

ものづくり
地衣菌由来の氷結晶制御物質
応用分野:食品分野(バイオテクノロジー)
生命・人間・ロボティクス 研究部門:小幡 斉
専門分野:微生物工学
環境・エネルギー・社会 研究部門:河原 秀久
概 要
地衣類とは、菌類の仲間で、必ず藻類と共生しているという特長をもっている。菌類は、藻類と共生すると
"地衣体" と呼ばれる特殊なからだを作る。そして、地衣類を構成している菌と藻は、互いに助け合って生活
しています。菌は藻に安定した住み家と生活に必要な水分を与えるかわりに、 藻が光合成で作った栄養
(炭水化物)を利用して生活している。両者の共生関係は非常に密接で、地衣体の形態、生理機能、分布な
どは単独の生物と同じように遺伝している。つまり、あたかも独立した生物のように見えるというわけです。
地衣類は世界中に広く分布し、日本では約 1200 種が知られている。
私たちの身近にも普通に生育していますが、大気
汚染や環境の変化には抵抗力が弱い種類が多い
ために、大都市の周辺からは急激に姿を消しつつ
あります。しかし、 都市部から離れた林や高山では、
地表や岩の上、木の幹を美しく被っている地衣類を
見ることができます。
高山に群生しているムシゴ
食用地衣類として、イワタケおよび雪茶などから
乾燥したムシゴケの商品
ケ
氷結晶制御タンパク質である、氷核タンパク質(氷核の鋳型)や不凍タンパク質(氷結晶の形態制御、再結晶
化抑制、凍結温度低下など)を生産することを発見し、雪茶は、両タンパク質を生産でき、簡単な方法で分離
することが可能であった。
今後の発展性
共生体である食用地衣類から地衣菌のみを分離し、それを培養できる系を確立した場合には、新たな医
薬品原料となるリード化合物の提供が可能となる。また、地衣菌のみで、不凍タンパク質を効率良く生産でき
た場合には、安全性の問題もクリアになる。
その 他 の 主 な研 究 テー マ
研 究 設 備 と技 術
生物種からの不凍タンパク質の生産
不凍タンパク質活性測定装置
食品加工廃棄物からのエタノール生産
氷核活性測定装置
食品微生物からの有用物質の生産
タンパク質精製システム
関 連 特 許 (出願中を含む)
学 会 ・研 究 会 ・産 学 官 連 携 実 績
特願2005‐040792
日本農芸化学会、日本生物工学会、日本食品工学会、
地衣類からの氷結晶制御物質の製造方法
地域新生コンソーシアムプロジェクト
文部科学省産学連携推進事業
お問合せ先:関西大学 社会連携推進本部 産学官連携・知財センター
Tel.06-6368-1245 Fax.06-6368-1247
E-mail:[email protected]
ものづくり
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