地域交通とまちづくりについて

地域交通とまちづくりについて
国土交通省都市局街路交通施設課街路交通施設企画室
手 塚 慶 太
課長補佐
目
次
1.都市・地域総合交通戦略(交通まちづくり)
2.公共交通の導入
3.自転車の活用(コミュニティサイクル)
4.交通結節点の整備
5.駐車場からのまちづくり
地域交通とまちづくり
国土交通省都市局 街路交通施設課
手塚 慶太
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
1.都市・地域総合交通戦略(交通まちづくり)
2.公共交通の導入
3.自転車の活用(コミュニティサイクル)
4.交通結節点の整備
5.駐車場からのまちづくり
1
1.都市・地域総合交通戦略(交通まちづくり)
・都市・地域総合交通戦略
・総合交通戦略の策定事例
・立地適正化計画、地域公共交通網形成計画等
・都市・地域交通戦略推進事業(支援制度)
2
都市・地域総合交通戦略とは?
○都市・地域総合交通戦略要綱(抜粋)
第一 目的
この要綱は、進展する少子・超高齢化社会への対応、交通渋滞の緩和、交通に起因する環境負荷の低減等のため、過
度に自家用車利用に依存することなく、徒歩、自転車、公共交通等の各モードが連携し適切な役割分担のもと、望まし
い都市・地域像の実現を図る観点から、地方公共団体を中心として、関係機関・団体等が相互に協力し、都市・地域が
抱える多様な課題に対応すべく、交通事業とまちづくりが連携した総合的かつ戦略的な交通施策の推進を図るものであ
り、もって魅力と活力があふれる都市・地域の整備を行うことを目的とする。
都市・地域総合交通戦略の目的は「望ましい都市・地域像の実現」であり、そのために交通が何をすべきかである
このような都市構造を目指すためには、
「居住集積エリア」に住む人々の移動手
段を確保し、「都市機能が集積するエリ
ア」へのアクセスを確保すること。
このために交通は何をすべきか?
→公共交通の利便性向上 等
3
総合的な都市交通戦略の推進
徒歩、自転車、自動車、公共交通の適正分担を図り、都市・地域の魅力ある将来像と安全で円滑な交
通を実現するため、総合的な都市交通の戦略の策定
戦略の実現のためには、関係者が目標を共有し、一丸となって取り組むことが必要
4
都市・地域総合交通戦略に基づく取り組み

都市・地域において安全で円滑な公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを推進し、持続可能な都市を実現
するため、多様な主体で構成される協議会において総合交通戦略を策定。
 総合交通戦略に基づき、LRTやバス走行空間の整備、交通結節点の改善、公共交通の利用促進や徒歩・自転車
の利用環境の整備等を実施。
都市・地域総合交通戦略の策定
(関係者が一丸となって戦略を策定)
協議会
総合的な交通連携の施策・事業の展開イメージ
~公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり~
(目標)
都市の将来像の実現
(施策パッケージ)
ハ ー ド
○LRT、バス等の公
共交通の導入
○交通結節点整備
○歩行者・自転車環境
整備
○駐輪場・駐車場整備
○交差点改良
○駅と一体となった市街
地再開発事業 等
公共交通沿線へ
居住推進
都市機能の集積
ソ フ ト
●
○歩行者・自転車・自動
車・公共交通の適正利
用のための啓発活動
○バス路線再編による利
便性確保と効率的運営
○まちなか・公共交通沿線
への居住推進、病院等
の都市機能の誘導
○戦略実施に伴う社会
実験 等
:まちなか・公共交通沿線へ居住推進
【取組の効果】
戦略実施プログラム
コンパクト+ネットワーク の推進
5
交通とまちづくり①
○都市再生のポイントは、一定の居住密度を保つための「居住誘導区域」と様々な都市機能が
集積する「都市機能誘導区域」の設定。
○高齢化により、自家用車を利用できない高齢者の大幅な増加も見込まれることから、自家用
車に過度に依存することなく、誰もが目的地へ移動できる環境を整えることが必要不可欠。
【全体】
・都市の骨格となる公共交通軸の設定
→利用者が不便を感じない、利用しやすく快適なサービス水準を確保
→交通とまちづくり(居住誘導策等)をパッケージで集中的に施策を実施
○公共交通軸を決めることで都市の形
が見えてくる
→富山市は公共交通軸から居住の誘
導エリアを決めている
幹線バスと優先レーン
(岐阜市)
6
交通とまちづくり②
【居住誘導区域】
・区域内を通る公共交通軸(幹線)へのアクセス交通(支線)の確保
→公共交通軸を中心とした交通体系の構築(公共交通軸へのアクセス交通の確保)
→公共交通軸のバス停等の乗換環境の充実(物理的・心理的にシームレスな環境)
→待合・乗り継ぎ空間、料金体系の工夫
・幹線と支線を一体的にデザインすることが重要
→一体的なデザインの中で官民の役割分担
→交通システムとしての一体性を確保
○公共交通軸へのアクセスがポイント
・需要に応じた交通手段の確保(コ
ミュニティバスやデマンド交通等)
○乗換の抵抗を減らすためにも、乗り
継ぎポイントの整備
路面電車とバスの乗換の工夫
(広島県廿日市市)
7
交通とまちづくり③
【都市機能誘導区域】
・公共交通軸と端末交通との連携
→公共交通と端末交通との結節空間の充実(建築物との一体化等)
→立地する施設への歩行者空間の確保、充実
→公共交通と徒歩をつなぐ交通システム
・コミュニティサイクルの導入 等
→駐車場の配置も歩行者等と自動車交通との関係から重要なポイント
歩行空間の整備の充実
沿道景観の形成
ベンチ等休憩施設
の設置
歩道の拡幅
歩道のカラー舗装等
公共交通アクセスの確保
駐車場の集約化
・フリンジへの設置
老人
サロン
福祉
施設
バス待ち施設の
整備(シェルター)
フリンジ駐車場の整備
公共交通の導入
都市機能の集約立地
集約駐
車場
商業
複合施設
まちなか
病院
駅前広場
鉄
道
駅
駅前広場
バス待合空間の整備
バス待合空間
鹿児島市テンパーク通り
8
都市・地域総合交通戦略策定状況(H27.3末現在)
下線:認定都市(49地区)
策定済(70都市)
策定中(11都市)
計 81都市
札幌市
新潟市
青森市
秋田市
盛岡市
横手市
高崎市
金沢市
西宮市
神戸市
岡山市
福山市
倉敷市
東広島市
岩国市
長岡京市
明石市
姫路市
富山市
岐阜市
箕面市
上田市
福井市
茨木市
近江八幡市
大阪市
京都市
神奈川県西部都市圏
高岡市
多治見市
宇都宮市
仙台市
松本市
郡山市
茨城県北臨海都市圏
草津市
広島市
日立市
北九州市
小山市
石岡市
大分都市圏
さいたま市
堺市
熊本都市圏
名張市
松山市
鹿児島市
新居浜市
宮崎都市圏
岡崎市
東海市
名古屋市
刈谷市
立川市
幸田町
四日市市
高松市
那覇市
柏市
瀬戸市
安城市
豊田市
湖西市
浜松市
静岡市
富士市
大和市
藤沢市
町田市
相模原市
中野区
千葉市
沖縄市
新宿区
沖縄本島中南部都市圏
豊島区
川崎市
中央区
浦添市
宜野湾市
岐阜市総合交通戦略
岐阜市人口:414,382人(H27.4.1現在)
○ 岐阜市は、低密度な市街地の外延化と急速な高齢者の対応、過度に自動車に依存した交通体系から
の転換、中心市街地の活力低下に対応するため、【公共交通を軸に都市機能が集積した、歩いて出か
けられるまち】を目指している。
【総合交通戦略での集約型都市構造の形成イメージ】
【「まちの形」と「みちのイメージ」】
岐阜駅
居住が集積した暮らしの場
利便施設の集まった生活の拠点
10
岐阜市総合交通戦略
11
岐阜市総合交通戦略
・岐阜市では、中心部と拠点とをつなぐ公共交通軸に、8つの幹線バス路線を位置づけ、多様な地域
核のある都市を目指している
・幹線バスや支線バス(コミュニティバス)を組み合わせた公共交通網の整備
支線バスのネットワーク再編
バス停の上屋整備
あわせて、公共交通の利用に便利な
歩行者・自転車環境の整備を実施
バス優先レーン、PTPSの導入
駐輪スペースの整備
まちなか歩きルートの整備
サイクルポートの整備
安全・安心なゾーンの整備
バスロケーションシステム
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都市再生特別措置法の改正(立地適正化計画)
平成26年8月1日施行
背景
・地方都市では、高齢化が進む中で、市街地が拡散して低密度な市街地を形成。大都市では、高齢者が急増。
法律の概要
●立地適正化計画(市町村)
・都市全体の観点から、居住機能や福祉・医療・商業等の都市機能の立地、公共交通の充実に関する包括的なマスタープランを作成
・民間の都市機能への投資や居住を効果的に誘導するための土俵づくり(多極ネットワーク型コンパクトシティ)
都市機能誘導区域
居住誘導区域
生活サービスを誘導するエリアと当該エリアに誘
導する施設を設定
居住を誘導し人口密度を維持するエリアを設定
◆区域内における居住環境の向上
◆都市機能(福祉・医療・商業等)の立地促進
・区域外の公営住宅を除却し、区域内で建て替える
予算
際の除却費の補助
・住宅事業者による都市計画、景観計画の提案制度
(例:低層住居専用地域への用途変更)
○誘導施設への税財政・金融上の支援
・外から内(まちなか)への移転に係る買換特例 税制
・民都機構による出資等の対象化 予算
予算
・交付金の対象に通所型福祉施設等を追加
◆区域外の居住の緩やかなコントロール
○福祉・医療施設等の建替等のための容積率等
の緩和
・一定規模以上の区域外での住宅開発について、届
出、市町村による働きかけ
・市町村の判断で開発許可対象とすることも可能
・市町村が誘導用途について容積率等を緩和するこ
とが可能
○公的不動産・低未利用地の有効活用
・市町村が公的不動産を誘導施設整備に提供する場合、
予算
国が直接支援
◆区域外の住宅等跡地の管理・活用
・不適切な管理がなされている跡地に対する市町村
による働きかけ
・都市再生推進法人等(NPO等)が跡地管理を行う
ための協定制度
予算
・協定を締結した跡地の適正管理を支援
◆歩いて暮らせるまちづくり
・附置義務駐車場の集約化も可能
・歩行者の利便・安全確保のため、一定の駐車場の
設置について、届出、市町村による働きかけ
予算
・歩行空間の整備支援
公共交通
維持・充実を図る公共交通網を設定
◆区域外の都市機能立地の緩やかなコント
ロール
◆公共交通を軸とするまちづくり
・誘導したい機能の区域外での立地について、届出、
市町村による働きかけ
・地域公共交通網形成計画の立地適正化計画への調和、計画策定支援(地域公共交通活性化再生法) 13
・都市機能誘導区域へのアクセスを容易にするバス専用レーン・バス待合所や駅前広場等の公共交通施設の整備支援 予算
※下線は法律に規定するもの
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律(平成26年5月21日公布)
交通政策基本法(平成25年12月4日公布・施行)の具体化(法目的に追加)
日常生活等に必要不可欠な
交通手段の確保等
まちづくりの観点からの
交通施策の促進
関係者相互間の連携と
協働の促進
等
ポイント
目標
①地方公共団体が中心となり、
②まちづくりと連携し、
③面的な公共交通ネットワーク
本格的な人口減少社会における地域社会の活力の維持・向上
地方公共団体を中心とした地域公共交通網の再構築を
国が支援する枠組み
改正法案の基本スキーム
基本方針
国が策定
まちづくりとの連携を明確化
地域公共交通網形成計画
◆地方公共団体を中心とした地域の面的な公共交通ネットワークの
再構築を支援する予算制度
(地域公共交通確保維持改善事業(平成26年度予算306億円)の内数)
事業者と協議の上、
地方公共団体が
協議会を開催し策定
• まちづくりと連携した計画策定を支援。ケーススタディーを実施
→国による全国の取組事例、データの提供を通じた助言
→合意形成を促進
• バスを地方公共団体が購入して民間事業者に貸し付ける場合の国による補
助制度の創設
<現行の地域公共交通総合連携計画に追加する事項>
 コンパクトシティの実現に向けたまちづくりとの連携
 地域全体を見渡した面的な公共交通ネットワークの再構築
地域公共交通再編事業
面的な公共交通ネットワークを再構築
するため、事業者等が地方公共団体
の支援を受けつつ実施
地域公共交通再編実施計画
◆まちづくりとの連携による都市機能の立地誘導を支える公共交通等へ
の支援の強化
現行
地域公共交通特定事業
軌道運送
高度化事業
(LRTの整備)
を再構築
鉄道事業
再構築事業
(上下分離)
(社会資本整備総合交付金(平成26年度予算9124億円)の内数等)
• 駅前広場やバスの乗換ターミナル、待合所の整備等公共交通の利用環境の
充実を重点的に支援
・・・
◆地方公共団体を中心とした地域の面的な公共交通ネットワークの
再構築を推進するための特例制度
実施計画
実施計画
地方公共団体が事業者等
の同意の下に策定
国土交通大臣が認定し、計画の実現を後押し
・・・
•
•
•
•
バスの路線、輸送力の設定等に関する許認可の審査基準の緩和
バスの運賃・料金の規制緩和(上限認可→届出)
計画の維持を困難とするような行為の防止
事業が実施されない場合の勧告・命令
14
コンパクト+ネットワーク
現状:地域の大切な公共交通の維持・確保が厳しい状況
市街地の拡散・人口減少
公共交通の
利用者の減少
公共交通事業
者の経営悪化
これからの姿:利便性の高い公共交通で結ばれたコンパクトなまち
公共交通沿線に居住を誘導
コンパクト+ネットワーク
負のスパイラル
公共交通サービス
水準の低下
持続安定的な
公共交通事業の確立
拠点間を結ぶ
交通サービスを充実
いずれのバス路線も
低頻度の運行回数
拡散した市街地
マイカーが主要な移動手段
都市の持続可能性
が確保
拠点エリアへの
Z
医療、福祉等の
都市機能の誘導
拠点エリアにおける循環型の
公共交通ネットワークの形成
コミュニティバス等による
フィ ダ (支線)輸送
フィーダー(支線)輸送
公共交通沿線へ
の居住の誘導
中心駅
拠点エリア
乗換拠点の
整備
歩行空間や自転車
利用環境の整備
公共交通空白地域
デマンド型
乗合タクシー等
乗合タクシ
等
の導入
立地適正化計画
地域公共交通再編実施計画
連携
好循環を実現
15
各種計画の関係(立地適正化計画、都市・地域総合交通戦略、地域公共交通網形成計画)
○立地適正化計画は、都市・地域総合交通戦略が目指すべき都市像のマスタープランとなることか
ら、立地適正化に記載する交通に関する施策は、戦略に位置づけた施策を書くことが考えられる。
○地域公共交通網計画は、将来の都市像と整合した、地域全体を見渡した面的な公共交通ネット
ワークの再構築を目指すものであり、都市・地域総合交通戦略と同様の計画となることも考えら
れる。
<地域公共交通網形成計画>
<立地適正化計画>
<基本的な考え方>
都市全体の構造を見直し、目指すべき都
市像を実現のため、以下の内容を記述
・都市機能
・その周辺や公共交通の沿線に居住誘導
・拠点アクセスなど公共交通等の充実
→都市・地域総合交通戦略の施策を
記載
立地適正化計画に位置づけられた
事業に対し、都市・地域交通戦略
推進事業で予算の重点配分ととも
に交付率嵩上げ等の支援
<現行の連携計画に追加する事項>
・コンパクトシティ実現に向けた
まちづくりとの連携
・地域全体を見渡した面的な公共交通
ネットワークの再構築
<都市・地域総合交通戦略>
<戦略策定の目的>
・目指すべき都市像の実現を目指すた
め、都市全体を見渡した交通事業とま
ちづくりが連携した総合的かつ戦略的
な交通施策を推進。
・両計画が同様の内容となることも
考えられる
・このため、同じ協議会とするなど、
今以上に密接に連携
16
都市・地域交通戦略推進事業の概要
目的: 人口減少、少子超高齢化への備えが必要となり、また、中心市街地の衰退、都市の維持コストの増大、など都市構造に関する課題認識が高
まっている。そこで、モータリゼーションの進展に併せて、市街地が全面的に拡がる拡散型都市構造を見直し、環境負荷低減型のコンパクトシ
ティへの展開を図る。
○ 徒歩、自転車、自動車、公共交通など多様なモードの連携が図られた、自由通路、地下街、駐車場等の公共的空間や公共交通など
からなる都市の交通システムを明確な政策目的の下、都市・地域総合交通戦略等に基づき、パッケージ施策として総合的に支援
○ 補助対象者:地方公共団体(社会資本整備総合交付金)、協議会等(補助金)
○ 補 助 率:1/3 (立地適正化計画に位置付けられた事業等 1/2)
路面電車・バス等の
公共交通の施設(車両を除く)
自由通路
ペデストリアンデッキ
交通結節点整備
自転車駐車場
駐車場(P&R等)
社会実験
バリアフリー交通施設
荷捌き駐車場
民間施設と一体となった待合所
交通まちづくり活動の推進
17
2.公共交通の導入
・都市内公共交通
・路面電車・LRT
・BRT
18
都市内公共交通の体系
○多様な交通ニーズに応じた都市交通システム
都市の規模や将来の旅客需要(+都市スペースの利用状況、地形的条件など)を考慮して、最適な交通シス
テムを導入することが重要
■公 共 交 通
大量
新交通システム
地下鉄
LRT
モノレール
(
8.0
最最 8.0
大大
輸輸
送送
力
力
万(
人万
中量
/人 2.0
2.0
時/
・時
片/
方片 0.9
向方 0.9
向
0.4
) 0.4
0.4
)
少量
BRT
lrt
電動バス
連接バス
新交通システム等
モ ノ レ ー ル
LRT
BRT
LRT
路面電車
バス
13
13
20
27
34
表定速度(km/h)
19
路面電車・LRT等の全国分布状況
○現在、国内では19社の軌道事業者が路面電車やLRT(次世代型の軌道交通システム)を運営
凡例:
①札幌市交通局(札幌市)
軌道事業者(19社)
低床式車両導入事業者(15社)
②函館市交通局(函館市)
LRT導入事業者(1社)
⑦万葉線(高岡市)
⑤富山地方鉄道(富山市)
⑧福井鉄道(福井市)
⑥富山ライトレール(富山市)
⑩京阪電気鉄道(大津市)
⑪京福電気鉄道(京都市)
⑭広島電鉄(広島市)
⑰長崎電気軌道(長崎市)
⑬岡山電気軌道(岡山市)
⑱熊本市交通局(熊本市)
③東京都交通局(東京都)
⑯伊予鉄道(松山市)
⑫阪堺電気軌道(大阪市)
⑲鹿児島市交通局(鹿児島市)
⑮とさでん交通(高知市)
⑨豊橋鉄道(豊橋市)
④東京急行電鉄(東京都)
(平成27年4月1日 現在)
20
福井市 相互乗入・駅前広場乗り入れ事業の概要
福井市では、利便性の向上を図るために福井鉄道(路面電車)とえちぜん鉄道の相互乗入事業に着手し、平
成27年度内の開業を予定している。また、福井駅において、再開発や交通広場の整備を進めるとともに、福井
鉄道の駅前広場への乗り入れ事業に着手し、平成28年度の開業を目指している。
LRV運行開始(平成25年3月から)
えちぜん鉄道
三国芦原線
相
互
乗
入
区
間
田原町駅で線路接続
(平成25年度着手)
・福井鉄道とえちぜん鉄道
の相互乗入(浅水~鷲塚針原)
・相互直通運転により
利便性向上
福井鉄道(路面電車)
福武線
福井鉄道駅前線の延伸
(平成28年度完成予定)
福井駅
延伸区間
至 駅前電停→
・JR福井駅から離れている駅前電停
から150m延伸し駅前広場に乗り入
れを予定
21
海外の導入事例
○システムの高度化
○都市交通施策との連携
①輸送単位 ⇒連節型車両,連結運行
①他交通との連携
②走行路
⇒バスとの役割分担,郊外鉄道への乗入れ,
LRT・バスの同一ホーム乗り換え
⇒地下,高架の多様なバリエーション
③定時・速達性
⇒電車優先信号の設置,チケットキャン
セラー方式,車両性能の向上
④乗りやすさ・わかりやすさ
⇒低床車両,運行案内システム,ゾーン
運賃
②道路交通の抑制
⇒P&R,道路空間構成の工夫(一方通行化,
車線減線),環状道路・フリンジパーキングの
整備
③まちづくりとの連携
⇒トランジットモール,TOD(公共交通指向
型都市開発),郊外開発の抑制
⑤デザイン性⇒電停・車両のデザイン化
⑥環境・景観対応
⇒樹脂固定軌道,芝生軌道,センターポール,
隣接建物を活用した架線の処理
22
海外の導入事例(フランス:ストラスブール)
①LRT導入の背景
・中心市街地(概ね0.8×1.0km)を抜ける幹線
道路を1日5万台が通行
・中心市街地の衰退,不快な歩行者空間,大
気汚染や騒音等の環境問題が悪化
5万台/日が通行
(40%が通過交通)
・都心部の通過交通の抑制と,近代的な公共
交通整備を主体とする交通計画を策定
・郊外と都心を結ぶ新しい交通手段として、
LRTを整備
23
海外の導入事例(フランス:ストラスブール)
②中心市街地の交通規制の見直し
環状道路
アクセス路
(袋小路型)
歩行者ゾーン
トランジットモール
24
海外の導入事例(フランス:ストラスブール)
③LRTの概要
・1994年 A線 9.8km開業
・現在は計5系統、約53km
中心市街地
・郊外部にP&Rを併設
25
BRTの特徴
BRT(Bus Rapid Transit)は、連節バス、PTPS(公共交通優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで、
速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる機能を備えたバスシステムである。
BRTの特色
BRTのメリット
定時性・速達性の確保
効率的な人員輸送
走行環境の改善を図り、定時性・速達性を確保する。
大容量の連接バスの導入により、通勤・通学時間帯の大量の旅
客の効率的な運送を実現。
専用走行路(廃線敷の活用等)
専用レーン、優先レーン(バスレーンのカラー塗装)
魅力あるネットワークを形成
幹線にBRTを導入して魅力あるネットワークを形成すること
により、都市部のバスネットワークを改善。
PTPS等による信号制御
(Public Transport Priority Systems:公共交通優先システム)
車両・設備の高度化
大規模な新規需要への対応
車両・設備の高度化を図り、利便性・ 快適性を向上する。
大規模な団地やビジネス地区等の新規輸送需要にも対応。
連節ノンステップバス(大容量、バリアフリー、快適性)
鉄軌道の廃線敷の有効活用
バス停のハイグレード化(雨天時の快適性、円滑な乗降)
バスロケーションシステム(バス待ち時のイライラ解消)
等
鉄軌道の廃線敷を有効に活用することにより、バス専用道によ
るBRTを実現。
低廉な導入コスト
運行の効率化
鉄軌道と比較して、低廉なコストで導入可能。
運行の効率化を図り、最適な交通ネットワークを構築する。
急行運行
バス路線の再編(幹線・支線)
等
地域の実態に応じた交通システムの整備により、
地域公共交通の利便性の向上、利用環境の改善が実現。
26
BRTの全国の導入状況
導入箇所:16
(うち連節バス導入箇所 6箇所)
凡例:
連節バス導入
専用道等導入
(うち専用道等導入箇所 10箇所)
⑭東日本旅客鉄道(大船渡線)
⑬東日本旅客鉄道(気仙沼線)
①南海りんかんバス㈱(高野山)
⑪岐阜乗合自動車(岐阜市)
⑯神姫バス(三田市)
②ジェイアールバス関東(白河市)
④西日本鉄道(福岡市)
⑮日立電鉄交通サービス(日立市)
⑩関鉄グリーンバス(石岡市・小美玉市)
⑥京成バス(千葉市)
⑤名古屋市交通局、名鉄バス(名古屋市)
※センター走行のバス専用レーン含む
⑦名古屋ガイドウェイバス(名古屋市)
※高架専用軌道を含む
⑧⑨⑫神奈川中央交通(藤沢市、厚木市、町田市)
③名古屋鉄道㈱(岡崎市)
(平成27年4月1日 現在)
27
BRT導入による効果
■現状のバス交通の課題
・既存の路線バスが輻輳し、道路交通を阻害
・交通渋滞が発生し、十分な交通量をさばくことができて
いない
・同一路線に複数の系統が重複し、バスの運行が非効率
■BRT導入後
・複数の路線バスを集約し、中央走行を可能とすることで、
既存の交通が整流化される
・ネットワーク交通量が適正に配分され、地域の円滑な道路
交通を確保することができる
・バス路線を再編することで、効率的なバスの運行を可能と
し、郊外路線の利便性向上につながる
■イメージ
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【BRT】 新潟市 BRT導入の概要
○都心アクセス軸を強化し、乗り換えの便利な交通結節点で連携を図るとともに、都心部の主要拠点間を連絡
する基幹公共交通軸においてサービスレベルの高い新たな交通システムの導入を推進
【導入検討箇所】
■導入ルート
第1期導入区間
(基本方針)
新たな交通システム導入検討ルート
(基幹公共交通軸)
第1期導入区間
(新潟交通㈱提案区間)
【検討経緯】
・平成24年2月、新たな交通システム導入基本方針の策定
・平成25年2月、BRT第1期導入計画の公表
・平成26年4月、新潟交通(株)と運行事業協定の締結
・平成27年9月5日より、第1期区間の運行開始
第2期導入予定区間
第1期導入区間 路線図
連節バス“ツインくる”
市役所前
新潟駅前(JR新潟駅万代広場)
連節バスの停車バス停(快速運行)
※定時性向上のための暫定的な措置として実施
新潟駅
3.自転車の活用(コミュニティサイクル)
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コミュニティサイクルについて
コミュニティサイクルとは
○自転車貸出ポート(サイクルポート)を都市内に複数箇所配置、どのポートでも相互に自転車
の貸出・返却が行えるサービスを提供
⇔レンタサイクル : 単独の自転車貸出ポートを中心に往復利用の交通サービスを提供
⇒相互利用が可能な複数
のサイクルポートからなる、
面的な移動を可能とする
都市の公共交通システム
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海外事例
ヴェリブ(パリ)
○パリでは、自動車交通からの転換を目的に、地下駐車場整備(路上駐車防止)、駐車違反取
締の厳格化、駐車料金値上げなどとあわせ、コミュニティサイクル「ヴェリブ」を導入
・導入時期:2007年に導入開始
・施設規模:ポート数1,625箇所、自転車台数23,600台
32
交通政策基本計画
交通政策基本計画について(平成27年2月13日閣議決定)
○交通政策基本法(平成25年法律第92号)に基づき、交通に関する施策の基本的方針、交通に関する施策の
目標、交通に関し政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策等を記載
○計画期間は、2014年度(平成26年度)~2020年度(平成32年度)
【交通政策基本計画(抄)】
第2章 基本的方針、目標と講ずべき施策
基本的方針A.豊かな国民生活に資する使いやすい交通の実現
目標② 地域の実情を踏まえた多様な交通サービスの展開を後押しする
(趣旨)
人口急減、超高齢化等の社会の構造変化に的確に対応し、利便性、快適性、効率性を兼ね備えた新たな
交通サービスを提供する。
(施策)
<これまでの取組を更に推進していくもの>
○自転車の利用環境を創出するため、安全確保施策と連携しつつ、駐輪場・自転車道等の整備、コミュニ
ティサイクルの活用・普及、サイクルトレイン等の普及、各種マーク制度(BAAマーク、SBAAマーク等)の
普及など、自転車の活用に向けた取組を推進する。
[6]コミュニティサイクルの導入数 【2013年度 54市町村  2020年度 100市町村】
※コミュニティサイクルの定義: 相互利用可能な複数のサイクルポートからなる、
自転車による面的な都市交通システム
33
コミュニティサイクル導入都市(全国の実施状況)
73
9%
現在、コミュニティサイクルは72都市で本格導入されている。
(平成26年11月1日時点)
【コミュニティサイクル実施状況】
※H26年11月1日時点
※アンケート回答自治体のうち、本
平成26年度にコミュニティサイクルを本
格導入を図示
格導入している(H26.11.1時点で実施)
30都市
24%
18都市
15%
※民設民営の取組については、回
72都市
(73事業者)
59%
3都市
2%
N=123
平成26年度にコミュニティサイクルを本格
導入している(H26.11.1時点で実施)
平成26年度にコミュニティサイクルの本格
導入を予定(H26.11.2以降に導入または
導入を予定)
平成26年度にコミュニティサイクルの社会
実験を実施した(または実施中)
平成27年度以降にコミュニティサイクルの
本格導入や社会実験を検討
平成26年度にコミュニティサイクルの本
答があった自治体名称を記載
格導入を予定(H26.11.2以降に導入ま
たは導入を予定)
平成26年度にコミュニティサイクル社会
実験を実施した(または実施中)
青森市
弘前市
能代市
札幌市
江別市
十和田市
八戸市
酒田市
山形市
新潟市
見附市
白石市
仙台市
檜枝岐村
富山市
射水市
氷見市
平成27年度以降にコミュニティサイクル
与謝野町
砺波市
の本格導入や社会実験を検討
京都市
金沢市
南丹市
坂井市
八幡市
鯖江市
篠山市
米原市
堺市
長浜市
岡山市
彦根市
尾道市
北九州市
福津市
宇佐市
玖珠町
水俣市
宮崎市
観音寺市
高松市
四万十市
今治市
田原市
安城市
岐阜市
熊野市
明日香村
奈良市
串本町
紀の川市
和歌山市
軽井沢町
山梨市
三島市
伊豆の国市
高崎市
桐生市
板倉町
宇都宮市
東海村
笠間市
水戸市
川越市
伊奈町
銚子市
さいたま市
佐倉市
鴨川市
江戸川区
横浜市
世田谷区
小金井市
34
コミュニティサイクルの実施規模
自転車台数の平均は約170台、最大は1,250台
ポート数の平均は約8箇所、最大は46箇所
ポート1箇所あたりの自転車台数の平均は約27台/箇所、最大は約260台/箇所
【自転車台数】
【ポート数】
【ポートあたり自転車台数】
自転車台数
ポート数
ポートあたり自転車台数
(台)
(箇所)
1,400
50
最大1,250台
1,200
最大259.5台/箇所
250.0
35
200.0
30
800
25
600
20
400
15
0
最大46箇所
45
40
1,000
200
(台/箇所)
平均169.7台
n=73
N=73
300.0
10
150.0
100.0
平均8.1箇所
50.0
5
0
n=73
N=73
0.0
平均26.7台/箇所
n=73
N=73
※海外都市と比較すると小規模な実施に留まっている。
パリ:自転車台数23.600台、ポート数1,625箇所
ロンドン:自転車台数6,000台、ポート数570箇所
台北:自転車台数5,350台、ポート数163箇所
35
コミュニティサイクルと公共交通の連携(取組み例)
公共交通と一体になった計画作成・交通系ICカードとの連携(高松市)
• 高松市総合都市交通計画(H22.11策定)において、公共交通、自転車優先の交通体系へ再構築を目指し、中心市街地での回遊性の向上
に向けた施策の一つとして、レンタサイクルポートの増強を位置づけ。
• また、同計画における公共交通の利便性向上策として、IruCa カードの利用範囲拡大を位置付けており、レンタサイクルについて2011年4
月からICタグと磁気カード、 IruCaカードで管理できる新システムを導入し、利用するたびに必要だった受け付けなどの手間を省き、登録、
支払すると一時利用24時間以内、定期利用は利用期間内何回でもレンタルできるようサービスを向上。
施策の体系図
出典:高松市総合都市交通計画(高松市)
新システムの特徴
出典:高松市レンタサイクル新システムの概要(高松市)
36
4.交通結節点の整備
37
交通結節点とは?
○交通結節点とは、複数の交通手段をつなぐ場所
○例えば駅前広場(鉄道と徒歩、自転車、バス等の乗り換え)
→バス停だって重要な交通結節点(バスと徒歩、自転車等)
駅前広場(松本駅)
バスターミナル(オアシス21 名古屋市)
バス停(神奈川県厚木市)
38
交通結節点の空間配置
鉄道駅
バス乗り場
路面電車電停
鉄道・路面電車・バスとの乗換え導線の工夫
(横川駅)
39
交通結節点の空間配置
路面電車とバスとの乗換え導線の工夫
(廿日市)
(富山市)
40
駅前広場の立体的な整備(博多駅の事例)
駅ビル
駅ビル
(敷地権原)
41
駅前広場の立体的な整備(博多駅の事例)
【従前】
【従後】
建築敷地
駅前広場
建築敷地
地区計画:通路1号
駅前広場
地区計画:通路3号(デッキ)
その他交通施設(交通広場)2,200㎡
地下街
駅前広場(地下)、地下車路
附置義務駐車場
敷地権原
【従前】
【従後】
道路区域指定状況
福岡市
JR
JR(用地交換による)
※駅広全体では、JR:福岡市=1/2:1/2
道路法
【従前】
【従後】
※用地交換に伴い、市所有地部分を道路区域に指定
道路に付属する交通広場(駅前広場)
【従前】
都決状況
【従後】
その他交通施設
(交通広場) 道路に付属する交通広場(駅前広場)
※新たに地下部分も新設
42
5.駐車場からのまちづくり
43
駐車場からのまちづくり
<駐車場施策の課題>
○附置義務駐車施設の敷地内立地による弊害
○まちなかでの小規模駐車場の立地による弊害
→
→
→
駐車場の出入口を設けるため、1階部分の
有効な土地利用が出来ない
歩行者を優先させたい道路において、駐車場の
出入口が規制出来ない
駐車場の立地により、街並みの景観に影響が
生じる
44
目指すべき都市構造
<駐車場配置適正化区域>
街なかの路外駐車場の立地誘導、都市の周縁部(フリンジ)への集約化
+
公共交通の利用環境の充実、自転車利用者・歩行者環境の整備
歩行者等にとって利便性・安全性の高い「健康に歩いて暮らせるまちづくり」の実現。
街並みの連続性確保、賑わいや都市魅力の創出も期待。
〈凡 例〉
:路外駐車場
:集約駐車施設
:路外駐車場の配置の適正化
:附置義務駐車施設の集約化
※詳細については、国土交通省HP(http://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_gairo_tk_000040.html)をご覧下さい。
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駐車場配置適正化制度について・・・立地適正化計画
立地適正化計画(市町村が策定)
○駐車場配置適正化区域(都市機能誘導区域内)・・・§81⑤1
歩行者の移動上の利便性及び安全性の向上のための駐車場の配置の適正化を図るべき区域
○路外駐車場配置等基準・・・ §81⑤2
路外駐車場の配置及び規模の基準
(例)・ 歩行者交通量の多い道路に面して出入り口を
設けないこと
・ 道路から個々の駐車マスへの直接の出入りが
されないよう出入り口の集約を行うこと
<路外駐車場>
特定路外駐車場
(条例で定める一定規模以上の路外駐車場)
○市町村長への届出・・・§106①
・ 特定路外駐車場を設置しようとする者
・ 設置に着手する30日前までに届出
○集約駐車施設の位置及び規模・・・ §81⑤3
集約駐車施設の位置及び規模に関する事項
<附置義務駐車施設>
集約駐車施設
○附置義務駐車施設の集約化・・・§107
条例により集約駐車施設等への駐車施設の設置を
義務付け
駐車場法(現行)
条例に基づき当該建築物の
敷地内に駐車施設を設置
駐車場法の特例
3パターンの条例が制定可能に。
①集約駐車施設内に設置させる
②建築物の敷地内に設置させる
③①か②のどちらかに設置させる
○勧告・・・§106③
・ 届出の内容が基準に適合しない場合
・ 市町村長は設置者に対して必要に応じて勧告
(出入口の設置箇所・構造の変更、誘導員の配置等)
集約駐車施設