明治 大正 昭和の社会風俗とファッション 2012.6.16 1 原 弘之

 明治 大正 昭和の社会風俗とファッション 2012.6.16 1
原 弘之輔
明治のファッション
衣の世界では欧米のボデイライン造形と 日本のラインを隠す着物があります文化があります
江戸からの和服が明治時代にも引き続き平服では着用されています 明治初期の断髪令 軍
服 巡査 郵便配達 鉄道員 車掌 消防士 牛乳配達などが礼服を身に着けた 明治16年には不平等条約改正のため外国使節を招待して鹿鳴館で和洋折衷のファッションが現
れた 男はフロックコート 女はバッスルスタイル 又女学校の海老茶袴 ハイカラ バンカラ大学生のとんびが流行した 洋服屋が繁盛し34年にはミシンが導入 明治19年伊勢丹 白木屋 三越呉服店が相次ぎ創業
大正のファッション
和洋折衷の洋装化が進むが職業服としてバスガール デパートガール 電話交換嬢 ウエイトレス カフェ女給などが着用 大正ロマンのなか 挿絵画家竹久夢二人気 生活改善運動
大正デモクラシーのなかモボモガスタイルが登場 大阪のおばさんがシンプルな夏の簡易服「アッパッパ」愛用 若い女性にもフラッパースタイルが
流行 着物から洋服スタイルへの転機となった この頃呉服屋から洋服屋テイラーへと変わる 和服もアールデコ調のモダンテイストに変化した しかしながら洋装化は男70㌫ 女は1㌫ 大正14年にはドレメ開校 ラジオ放送も始まった
昭和のファッション
昭和元年―昭和10年
金融世界大恐慌 大量失業 地下鉄が開通 6年満州事変 ファシズムが台頭 「服装文化」後
の「装苑」が創刊される パリモード情報導入盛ん この時期アパッパ フラッパーガール急増 銘仙着物が大流行 フェミニンルック流行 女学生セーラー服定着する パーマネントが普及始め
る
昭和10年―20年
軍国ムード高まる 国家総動員法 産めよ殖やせよ」 「贅沢は敵」隣組ができる 更正服 もん
ぺ 機能服中心時代 ファッションは不毛時代
昭和20年―30年
戦後の復興期 更正服全盛 ボールドルック 洋裁学校ブーム 水玉ワンピース流行 「アメリカンモードからパリモードへ」22年ディオール発表のエレガンスなニュ―ルックが プレスで
大反響センセーションとなる ロングスカート大流行 ディオール全盛期
シネモードファッション「ローマの休日」「君の名は」ラジオブーム ナイロンストッキング
シームレス ナイロン出回る NDC 発足第1回ファッションショー アプレゲール流行語 ク
チュールファッション&ヤングファッションが対抗 「男子専科」も創刊 中原淳一の「それいゆ」人
気 28年白黒テレビ開局 昭和29年「電化元年」電化ブーム始まる
昭和30年―昭和40年
「最早戦後ではない」 黄金の60年代高度経済成長期迎える 「消費は美徳」 東京オリンピック
新幹線開通 新三種の神器 大型消費時代始まる 2
マイカーレジャーブーム 流通革命 34年ミッチーブーム 「太陽の季節」話題に 太陽族 カミナリ族 マンボズボン ロカビリー ダスターコートが流行 32年東京タワー フラフープ流行
35年カラーテレビ発売 フラフープ だっこちゃん流行 このころ団塊世代の若者たちが大人とは
異なる独自の文化を作り上げる ミニ大流行 ロンドンからマリークワント パリからアンドレクレージュ来日 新しい潮流となる 34年ミッチーブーム テニスルック流行 36
年ホンコンシャツがサラリーマンに流行 アイビールック流行 みゆき族 六本木族 原宿族 はス
トリートファッションの始まりとなる シャーベットカラーキャンペーンが 初の異業種合同の大型カ
ラーキャンペーン(東レ 資生堂 東芝 伊勢丹 西武 不二家)として注目される 30年代はプレ
タ ヤングファッション時代始まる 女性誌続々発売 「週間女性」「女性自身」「ハイファッション」「平凡パンチ」など
昭和40年―昭和50年
人口1億 万博開催 GNP第2位 メンズカラーシャツブーム ピーコック革命 アンノン族
「モーレツからビューティフルへ」 公害問題起こる 自然健康志向 アメリカではヒッピーわが国で
はフーテン族現れる「節約は美徳」 賢三 一生がパリで活躍フォークロアファッションビッグの時
代 アンノン族現れる団塊世代に合わせた視線で人気 デスカバージャパンで全国各地を特集し
て人気 19世紀カーボーイ着用の労働用の丈夫なパンツ ジーンズが多様化 45年ノールールファッション レイヤードルック 浜野安宏の「質素革命」注目される 雑誌「jj」のニュ―トラファッション流行 ロングブーツが人気 良家の母親から娘へのさりげない
ファッションが人気 ハマトラはニュートラに続く横浜元町の女子大生スタイルが人気 キタムラ」の
バッグ ミハマの靴が流行る アウトサイダーファッションでは暴走族スタイル
昭和50年―昭和60年
不確実生時代 低成長時代へ 複合汚染 省エネルック 無印良品 この時代若者ファッション
の幕開け ストリートファッションへの流れを引き出す
昭和56年パリコレで川久保怜(comme des garcns)
山本耀司(y,s)の黒のファッション提案が高感度の若者に人気
大反響 モノトーンファッション ミステリアスブラックとしてゴルチェやラガフェルトが高く評価
デコントラクテッドな黒のファッションとして注目された 又代々木公園では派手な衣装で踊るタケ
ノコ族が現れる 渋谷が若者に注目され 独自の若者ファッションが幕開け 渋カジファッション レイヤードファッションが流行る 上品でリッチな紺ブレが人気 ニューメディア時代へ
昭和60年―平成へ
引き続き渋カジファッション全盛 渋谷はティーンズブランドのメッカとなる 中高校生が流行発
信 団塊ジュニアが消費のリーダーに
ルーズソックス流行 シャネラー ヴィトナー ギャルママ ギャルファッション全盛
全身自己表現の安室奈美恵人気
バブル崩壊後の社会を反映してファッションはコンサバ志向 エスニック ヒッピー フォークロア
ジーンズのラフな着こなし プレミアム ダメージジーンズも流行る 迷彩服 スカートオンパンツが
普及定着する この時代銀座などメーンストリートへ海外ブランド進出が目覚しい グッチ ディオールヴィトン シャネル エルメス フェラガモ‥ スポーツカジュアルが普及 多様
化するファッションはイレギュラー アシンメトリーに ユニクロフリース50色展開 団塊世代が退職
大学は全入時代へ 人口減時代へ ファッションはレトロリバイバル 型 色 柄プレタが主導 戦後ファッションの流れ
3
22年 デオールのニュールック発表で女らしさ復活幕開け ディオール全盛時代 その後ウエストの解放 ルーズシルエット スカート丈も短くなり活動性へ
昭和33年にはバレンシアガのサックドレス発表 活動性進む
38年にはマリークアント(ロンドン)クレージュ(パリ)がミニを発表
43年プレタの時代へ その後オイルショックで中近東の民族調が注目 ビッグルック流行
53年になると本物志向 構築的服が見直されて「型」復帰 5年後には非構築的服との共存の
時代へファッションは多様化の時代へ
21世紀これからのファッション見通し
1 ストリートファッションは中高大正のヤングカジュアル化ガ主導
2 団塊ジュニアの企業ファッションはクールビズ志向 65歳以上のシルバーは
自然志向 旅 グルメ お洒落はインフォーマルグループで全盛
3 人口減の中ファストウエアからスローウエア スローライフのすすめ
4 戦前「贅沢は敵」 昭和30年代「消費は美徳」 昭和40年オイルショックでモッタイナイの
「節約は美徳」から更正服が見直されて「エシカル消費」へ 5 生活意識の変化「国のため 会社のため 個人のため」 から「社会の中の私」意識の変化
ファッションデザイナーの仕事とは
時代を先取りして空気を読む力 新しい感覚 常識打破する力のある人
元は洋裁師のことです
例えば2013年秋冬服のテーマを決めるときには 1年前にテーマを決めます
2012年11月 テーマ決定 デザイン画を描く 12月 これを元に型紙をパタンナーが作る 型紙 仕様書を現場へ渡す
2013年 1月糸を編んで生地を決めて試作品を作る
2月 カタログ掲載用の写真撮影をする
3月 オーデションでモデルを選ぶ
「東京コレクッション」で新聞 雑誌記者を招待して 「2013年秋冬ファッションショー」を開催
4月 展示会で百貨店バイヤー セレクトショップを招待 注文を受ける
5月 工場で販売用の試作品を作り始める
8月 秋冬服が店頭に並び 販売開始 注 5大コレクッションとは パリ ミラノ ニュウヨーク ロンドン 東京
日本人では 森英恵 高田賢三 三宅一生 川久保玲 山本耀司