黄熱病 - 日本旅行医学会

黄熱病
Mark Gershman, J. Erin Staples
病原体
黄熱ウィルス(YFV)は一本鎖 RNA ウィルスで、Flavivirus(フラビウィルス)属に属します。
感染経路
蚊が媒介する感染症で、感染している蚊に刺されることで起こり、媒介する蚊は Aedes 種や
Haemagogus 種です。ヒトおよびヒト以外の霊長類がウィルスの主な保有宿主で、動物を介してヒト
からヒトに感染が起こります。黄熱の感染サイクルには 3 つあり、それらは①森林(ジャングル)②
型、中間(サバンナ)型、③都市型です。
① 森林(ジャングル)型は、ヒト以外の霊長類と林冠に生息する蚊種の間でのウィルス感染によ
って感染サイクルが形成されています。ヒトが仕事やレクリエーション活動でジャングルに入る
と、ウィルスは蚊を介してサルからヒトに感染します。
② 中間(サバンナ)型はアフリカで、木の裂け目で増殖する蚊(Aedes 種)からジャングルの周辺
境界部で生活するヒトへの YFV 感染によって感染サイクルが形成されています。このサイク
ルでは、こうした蚊を介してサルの仲間からヒトにまたはヒトからヒトにウィルスが感染します。
③ 都市型は、ヒトと都市の蚊(主に Aedes aegypti 蚊)の間でのウィルス感染によって感染サイク
ルが形成されています。
YFV に感染したヒトは重度のウィルス血症を発症し、発熱直前や第 3~5 病日の間に蚊へのウィ
ルス感染を引き起こすことがよくあります。ウィルス血症が重度であることから、輸血や注射針を
介した血液による感染が起こることが考えられます。
発生地域
黄熱はサハラ以南のアフリカと南アメリカの熱帯地方で発生し、これらの地域では黄熱の地域性
流行や一時的流行がみられます(YFV 感染のリスクがある国のリストは表 3-21 と 3-22 を参照)。
ヒトが発症する黄熱のほとんどは、森林型感染サイクルと中間型感染サイクルで起こる疾患です。
しかし、都市型の黄熱がアフリカで周期的にアメリカでは散発的に発生しています。先天性免疫反
応は年齢とともにしだいに高まるため、アフリカでは乳児と小児が発症するリスクは最も高くなりま
す。南アメリカでは、黄熱が最も高い頻度で起こるのは、森林やその周辺地域で働いている時に
媒介蚊に刺される予防接種を受けていない若者です。
1
アンゴラ
ベニン
ブルキナファソ
ブルンジ
カメルーン
中央アフリカ共和
国
チャド2
コンゴ
表3-21 黄熱ウィルス(YFV)感染のリスクのある国
アフリカ
中央アメリカおよび南アメリカ
2
コートジボワール共和国 モーリタニア2
アルゼンチン
2
コンゴ民主共和国
ニジェール2
ボリビア2
2
赤道ギニア
ナイジェリア
ブラジル
エチオピア
2
ルワンダ
コロンビア
ガボン
セネガル
2
エクアドル
ガンビア
シェラレオネ
フランス領ギアナ
2
ガーナ
スーダン
ガイアナ
ギニア
トーゴ
パナマ2
ギニアビサウ
ウガンダ
パラグアイ
ケニア2
2
ペルー
リベリア
スリナム
マリ2
2
トリニタード・トバゴ
2
ベネズエラ
表 3-21 黄熱ウィルス(YFV)感染のリスクのある国 1
1
世界保健機関が定義する「黄熱感染のリスクがある」国や地域とは、「現在またはこれまでに黄
熱の報告があり、かつ媒介動物および動物の感染保有宿主がいる」国や地域のことをいう「海
外旅行と健康(International Travel and Health)」(付録 1)にある“the current country list”参照
(www.who.int/ith/en/index.html)
(http://www.who.int/ith/en/index.html)
(http://www.cdc.gov/Other/disclaimer.html))。
2
これらは全地域が浸淫地帯ではない国(国の一部の地域でしか黄熱感染のリスクがみられない
国)。
地図 3-16. 黄熱病流行地域(アフリカ)
地図 3-17. 黄熱病流行地域(南米)
表 3-22 黄熱ウィルス(YFV)感染の可能性の低い国
アフリカ
2
エリトリア
3
サントメプリンシペ
ソマリア2
タンザニア3
2
ザンビア
1
表 3-22 黄熱ウィルス(YFV)感染の可能性の低い国 1
1
この表に記載されている国は、YFV 感染のリスクのある国に関する WHO の公式リスト(表
3-21)に含まれない。したがって、これらのいずれかの国からワクチン接種が入国必要条件で
ある国に渡航する場合、黄熱ワクチン接種証明は必要ない(ただし、到着する旅行者すべてに
黄熱ワクチン接種証明を求める国を除く、表 3-24 参照)
2
一部の地域でのみ“YFV 感染のリスクが低い”、それ以外の地域では YFV 感染のリスクはない
に分類されている国
3
国全域が“YFV 感染のリスクが低い”に分類されている国
旅行者の感染リスク
黄熱に感染する旅行者のリスクファクターはさまざまで、免疫状態、旅行する場所、季節、感染の
可能性期間、旅行中の仕事上やレクリエーション活動、旅行時の現地のウィルス感染率などがあ
ります。ヒトでの報告症例は黄熱発症リスクの主要な尺度となりますが、感染の程度が低い、集団
内の免疫レベルが高い(予防接種のためなど)、症例検出のための地元のサーベイランスシステ
ムが機能していないため、症例報告がないことがあります。この「疫学調査で報告がない」ことはリ
スクがないことではないので、ワクチン接種せずに旅行すべきではありません。
西アフリカの地方での YFV 感染には季節変動がみられ、雨季の終わりと乾期の初めの期間(通
常 7~10 月)リスクが高くなります。Ae.aegypti による YFV 感染は、乾期でさえ地方や人口の密集
した都市部で一時的に起こることがあります。
南アメリカでの感染のリスクは、雨季の期間(1 月から 5 月で、2 月と 3 月に発症率はピークになる)
に最も高くなります。高度なウィルス血症が感染者や多くの町・都市の広範囲な Ae.aegypti の分布
区域でみられることから、南アメリカでは大規模な都市型流行のおそれがあります。
1970 年から 2010 年までに、全部で 9 例の黄熱病の症例が、ワクチン斗接種の米国とヨーロッパ
の旅行者において報告され、旅行先は西アフリカ 5 例、南アメリカ 4 例でした。これら 9 名の旅行
者のうち 88% (8 名)が死亡しました。ワクチン接種をした旅行者での黄熱病の発症例は、これまで
1 例しか記録されていません。死亡に至らなかったこの症例は、1988 年に西アフリカ数カ国を訪れ
たスペインの旅行者でした。
黄熱に感染するリスクを予測することは、ウィルス感染の決定因子がさまざまであるため困難で
す。ワクチン接種をしていない旅行者が黄熱の浸淫地帯を旅行する場合、2 週間の滞在期間内に
黄熱を発症したり黄熱で死亡するリスクは次の通りです。
・西アフリカでは、発症は 10 万例に 50 例、死亡は 10 万例に 10 例
・南アメリカでは、発症は 10 万例に 5 例、死亡は 10 万例に 1 例
これらの推定値は、たいてい感染がピーク期の現地の全住民を対象にしたリスクに基づくおおま
かな指標です。したがってこれらのリスク推定値は、免疫プロファイルが異なり、蚊に刺されないよ
うに注意し、戸外にいることが少ない旅行者のリスクを正確に予想するものではありません。
南アメリカで黄熱に感染するリスクがアフリカでのそれより低いのは、サルの間でのウィルス感染
を引き起こす南アメリカの林冠に生息する蚊はヒトに接触することがあまりないためです。また、ワ
クチン接種により地元住民の免疫レベルは比較的高く、それによって感染リスクが低くなっていま
す。
臨床症状
無症候性感染または不顕性感染が、YFV 感染者のほとんどのケースで起こると考えられます。症
候性である場合、潜伏期は通常 3~6 日です。初期には症状に特徴のないインフルエンザ様症候
群がみられ、発熱、寒気、頭痛、背中の痛み、筋肉痛、疲はい、悪心、嘔吐が突然起こります。患
者のほとんどは、初期症状のみで、回復します。患者の約 15%は、わずか数時間から 1 日の緩解
期の後、黄疸、出血症状、最終的にはショックや多臓器不全を特徴とする重症期または中毒期に
進行します。肝障害や腎障害のある重症例の症例致命率は 20%から 50%になります。
診断
予備的診断は、患者の臨床症状、旅行場所と旅行日、旅行中の活動に基づいて行います。検査
室診断は以下の方法で行うのが最善です。
・ウィルス特異的 IgM および IgG 抗体を検出する血清学的分析。他のフラビウィルスに対する抗体
との間で起こる交差反応のため、プラック減少中和試験のようなより特異的な抗体検査を行って
感染を確定することが必要。
・YFV または黄熱 RNA ウィルスが原因である黄熱の初期に、ウィルスの分離や核酸増幅検査を
行なう。しかし、より明白な症状がみられるころまでに黄熱ウィルスまたは RNA ウィルスは検出さ
れないことが多い。このため、黄熱の診断を除外するためにウィルスの分離や核酸増幅検査を
用いるべきではない。
治療
治療は対症療法のみです。安静、補液、鎮痛薬や解熱薬の投与により、発熱や疼痛の症状を軽
減します。アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬のような出血のリスクを高めることがある薬の投
与は避けるよう注意しなければなりません。感染者は、第 2~3 病日の間さらに蚊に刺されないよ
うにして(室内または蚊張の中にとどまる)、感染サイクルの一因とならないようにしなければなり
ません。
予防措置
蚊に刺されない。
黄熱をはじめとする蚊が媒介する疾患を防ぐ最善の方法は、蚊に刺されないようにすることです。
ワクチン
黄熱は、比較的安全で有効なワクチンによって予防できます。現在製造されている黄熱ワクチン
はすべて、弱毒生ワクチンです。米国で市販許可されている黄熱ワクチンは YF-Vax だけで、
Sanofi Pasteur 社が製造しています。米国外で製造されたワクチンも含め、いろいろな黄熱ワクチ
ンの反応原性や免疫原性の比較試験により、さまざまなワクチンで生じる反応原性や免疫応答に
有意な差はないことが示されています。したがって、米国以外で黄熱ワクチンの投与を受ける場
合、黄熱を防ぐことができると考えるべきです。
黄熱ワクチン接種の適応
黄熱ワクチンが推奨されるのは、南アメリカやアフリカの YFV 感染のおそれのある地域に旅行す
るまたは住む 9 ヵ月以上の人です。さらに、入国に黄熱ワクチン接種証明が必要となる国もありま
す。黄熱ワクチン接種の必要条件と推奨に関する特定の国のより詳細な情報は、この章の最後
の項、国別の黄熱とマラリア情報を参照してください。
黄熱ワクチン接種後に生じる重篤な有害事象の可能性のため、次の場合以外はワクチンを投与
すべきではありません。1) YFV 感染のおそれがある場合 2) 入国にワクチン接種証明が必要とな
る場合です。重篤な有害事象のリスクを最小限に抑えるため、黄熱ワクチンを投与する前には禁
忌に十分注意を払い、ワクチン接種上の注意を考慮すべきです(表 3-23 )。さらに情報が必要
な 場 合 は 、 予 防 接 種 の 実 施 に 関 す る 諮 問 委 員 会 (Advisory Committee on Immunization
Practices
(ACIP) の 黄 熱 ワ ク チ ン の 推 奨 を 参 照 し て く だ さ い
(www.cdc.gov/vaccines/pubs/ACIP-list.htm(http://www.cdc.gov/vaccines/pubs/ACIP-list.htm))
。
ワクチンの投与
適格者すべてに、再編成ワクチン 0.5 mL を 1 回皮下接種しなければなりません。世界保健機関
(WHO)が発行している国際保健規則(International Health Regulations (IHR))では、10 年の間隔で
再接種が必要になります。
ワクチンの安全性と副作用
一般的な副作用
黄熱ワクチンの副作用は通常軽度で、接種者の 10~30%で軽度な全身性の有害事象が報告され
ています。報告された有害事象には、主として微熱、頭痛、筋肉痛などがあり、接種後 2~3 日で
始まり 5~10 日続きます。接種者の約 1%は、これらの副作用のため日常の活動を一時的に減らし
ます。
重度の副作用
過敏症
即時型過敏反応は発疹、蕁麻疹、気管支けいれん、またはそれらが組み合わさったものを特徴と
し、まれにしかみられません。黄熱ワクチン接種後のアナフィラキシーが、投与 10 万例に 1.8 例の
割合で起こることが報告されています。
黄熱ワクチン由来の神経向性疾患 (YEL-AND)
YEL-AND はさまざまの臨床的な症候群、例えば髄膜脳炎、ギラン-バレー症候群、急性散在性脳
髄膜炎、球麻痺などの集合を意味します。これまで YEL-AND は、主に乳児にみられる脳炎と考え
られてきましたが、最近の報告ではあらゆる年代層でみられるとしています。
記録されている症例では、発症はワクチン接種の 3~28 日目で、ほとんどすべての症例が初めて
のワクチンレシピエントでした。YEL-AND が命にかかわることはめったにありません。米国の
YEL-AND の発症率は、接種 10 万例につき 0.8 例です。60 歳以上になると発症率はこれより高く
なり、60~69 歳で接種 10 万例に 1.6 例、70 歳以上では接種 10 万例に 2.3 例となります。
黄熱ワクチン由来の内臓向性疾患 (YEL-AVD)
YEL-AVD は野生株の黄熱に類似した重症疾患で、ワクチンウィルスが複数の臓器で増殖し、多く
は多臓器不全を起こし死亡します。YEL-AVD の最初の症例が 2001 年に公表されて以来、50 を
超える確定例と疑い例が世界の国々で報告されています。
YEL-AVD は、黄熱ワクチンの追加接種というより初回接種後に起こると思われます。YEL-AVD
症例では、発症は平均してワクチン接種の 3 日目(1~8 日目)です。報告された YEL-AVD 例の症
例致命率は 65%です。米国での YEL-AVD の発症率はワクチン投与 10 万例につき 0.4 例です。発
症率は 60 歳以上になるとこれより高くなり、60~69 歳でワクチン投与 10 万例に 1.0 例、70 歳以
上では投与 10 万例に 2.3 例になります。
禁忌
6 ヵ月未満の乳児
黄熱ワクチンは 6 ヵ月未満の乳児には使用禁止です。この禁忌は、接種した年少乳児で
YEL-AND の高い発症率が記録されたのを受けて(10 万例につき 50~400 例)、1960 年代の終わり
頃定められました。乳児で神経毒性が強まる機序は明らかではありませんが、血液脳関門が未
熟であること、持続性のウィルス血症が高度であること、免疫システムが未熟であることが考えら
れます。
過敏症
卵、卵製品、鶏肉、ゼラチンを含めて、ワクチンの成分に対して過敏症の既往歴がある場合、黄
熱ワクチンは禁忌です。ワクチンの容器に使われている栓にも固形ゴムラテックスが含まれてい
て、アレルギー反応を引き起こすことがあります。
成分の一つに対する過敏症の既往歴がはっきりしない場合に、黄熱感染のリスクが高いために
ワクチン接種が必要となれば、ワクチンの添付文書に記載されているように、医療従事者の慎重
な管理のもと皮膚試験を行わなければなりません。ワクチンに対する皮膚試験の結果が陽性であ
ったり重度の卵過敏症があってもワクチン接種が推奨される場合は、添付文書に記載されている
ように、アナフィラキシーの治療経験のある医師が直接監督して脱感作を行うことができます。
免疫状態の異常
胸腺障害
胸腺腫や重症筋無力症のような免疫細胞機能の異常に伴う胸腺の障害がある場合には、黄熱ワ
クチンは使用禁止となります。免疫細胞機能の異常に伴う胸腺の障害がある患者が、黄熱の浸
淫地帯への旅行を避けことができない場合、禁忌証明を準備し蚊に刺されたあとの予防措置に
関するカウンセリングを重視すべきです。これまでに胸腺の付随的な外科切除術を受けたり遠い
過去に二次的に放射線療法を受けたことがある患者では、免疫機能異常や黄熱ワクチン関連の
重篤な有害事象の高リスクは認められないため、推奨や必要に応じて黄熱ワクチンの接種は可
能です。
HIV 感染症
CD4 T リンパ球値が 200/mm3 未満または 6 歳未満の小児で総リンパ球の 15%未満の患者を含め
て、AIDS または HIV の他の臨床症状がある患者に対しては、黄熱ワクチンは使用禁止です。この
禁忌は、この集団では脳炎のリスクが理論的に高いことに基づくものです(使用上の注意、次の
項、の HIV 感染者を参照)。
黄熱の浸淫地帯への旅行が避けられない場合に、CD4 値に基づく(200/mm3 未満または 6 歳未
満の小児で総リンパ球の 15%未満)重度の免疫抑制状態または症候性 HIV 感染症の患者は、禁
忌証明を準備し蚊に刺されたあとの予防措置に関するカウンセリングを重視すべきです。上記の
基準を満たさない他の HIV 感染者については、使用上の注意、次の項、を参照してください。
免疫不全(胸腺の障害や HIV 感染症以外)
原発性免疫不全患者、悪性腫瘍患者、移植患者に対しては、黄熱ワクチンは使用禁止となります。
こうした患者での黄熱ワクチン投与に関するデータはありませんが、黄熱ワクチン関連の重篤な
有害事象のリスクは高いと考えられます(免疫不全がある旅行者、第 8 章の項、を参照 )。
黄熱の浸淫地帯への旅行が避けられない免疫不全の患者は、禁忌証明を準備し蚊に刺されたあ
との予防措置についてのカウンセリングを重視すべきです。
免疫抑制および免疫調節療法
最近受けている放射線療法や薬によって免疫応答が抑制されているか調節されている患者に対
しては、黄熱ワクチンは使用禁止です。免疫抑制または免疫調節の特性が確認されている薬に
は、高用量の全身性コルチコステロイド、アルキル化薬、代謝拮抗薬、腫瘍壊死因子アルファ抑
制薬(例えばエタネルセプト)、インターロイキン-1 遮断薬(例えばアナキンラ)、ほかに免疫細胞
標的のモノクローナル抗体(例えばリツキシマブ、アレムツズマブ)などがありますが、これだけで
はありません。
免疫抑制療法や免疫調節療法を受けている患者での黄熱ワクチン投与に関する具体的なデータ
はありません。しかし、これらの患者では黄熱ワクチン関連の重篤な有害事象のリスクは高いと考
えられ、こうした療法の多くはその添付文書で弱毒生ワクチンの使用は禁止しています(免疫不全
がある旅行者、第 8 章の項、を参照 )。
免疫機能が回復するまでこれらの療法を中止している患者に対しては、生ワクチンの投与は延ば
すべきです。免疫抑制療法や免疫調節療法を受けていて、黄熱の浸淫地帯への旅行が避けられ
ない場合は、禁忌証明を準備し蚊に刺されたあとの予防措置についてのカウンセリングを重視す
べきです。
免疫状態の異常がある患者の家族は、自身にいずれの禁忌対象疾患がなければ、黄熱ワクチン
接種は可能です。
使用上の注意
6~8 ヵ月の乳児
6~8 ヵ月の乳児には、黄熱ワクチンの投与は慎重に行います。2 例の YEL-AND 症例が 6~8 ヵ
月の乳児で報告されています。6 ヵ月未満の乳児では、YEL-AND の発症率は有意に上昇します
(10 万例につき 50~400 例)。9 ヵ月までには、YEL-AND のリスクは相当低下すると思われます。
ACIP は通例、黄熱の浸淫国に旅行することはそれがいつであれ、6~8 ヵ月の乳児に対しては延
期するか避けることを勧告しています。旅行がやむを得ない場合、こうした乳児にワクチンを接種
するかどうかの決定には、YFV 感染のリスクと接種後の有害事象のリスクを比較検討することが
必要です。
60 歳以上の成人
60 歳以上、特に初回投与の場合には黄熱ワクチンの投与は慎重に行います。2000 年から 2006
年までにワクチン有害事象報告システム(Vaccine Adverse Event Reporting System (VAERS))に
記録された有害事象の最近の解析では、60 歳以上の高齢者は若い接種者に比べ、接種後の重
篤な有害事象のリスクが高いことが認められています。60 歳以上の高齢者の重篤な有害事象の
割合は、すべての接種者を対象にした 10 万例につき 4.7 例に比べ投与 10 万例に 8.3 例でした。
YEL-AND と YEL-AVD のリスクも 60 歳以上では高く、投与 10 万例につきそれぞれ 1.8 例と 1.4
例ですが、すべての接種者を対象にした場合 10 万例につきそれぞれ 0.8 例と 0.4 例です。
YEL-AND と YEL-AVD はほぼ例外なく初回投与の接種者にみられることを考えると、高齢の旅行
者は黄熱ワクチンの接種は初めてのことが多いため一層の注意が必要になります。旅行が避け
られない場合は、60 歳以上の旅行者に接種するかどうかを決めるには、目的地別の YFV 感染リ
スクに照らしてワクチン接種のリスクとメリットを比較検討することが必要です。
HIV 感染者
CD4 T リンパ球値が 200~499 mm3 か 6 歳未満の小児で総リンパ球の 15~24%である無症候性
HIV 感染症の患者には、黄熱ワクチンの投与は慎重に行います(禁忌、上記の項、の中の HIV 感
染症も参照)。この集団での黄熱ワクチンの安全性と有効性を適切に評価したプロスペクティブな
大規模無作為化試験はこれまで行われていません。約 450 名の HIV 感染者を含めたいくつかの
レトロスペクティブやプロスペクティブな試験では、CD4 値に基づく中等度の免疫抑制と考えられる
患者の中で重篤な有害事象は報告されていません。しかし HIV 感染者では、黄熱ワクチンを含む
いくつかの不活化ワクチンや弱毒生ワクチンに対する免疫応答の低下が認められています。HIV
感染者の免疫応答が低下する機序は明らかではありませんが、HIV の RNA 濃度や CD4 T 細胞
値と相関していると思われます。
無症候性 HIV 感染者へのワクチン接種の効果は非感染者に比べて低いこともあるため、旅行前
にはワクチン接種に対する無症候性 HIV 感染者の中和抗体応答を測定しなければなりません。
血清検査をさらに検討するには、しかるべき州の保健局や CDC Arboviral Diseases Branch
(970-221-6400)に連絡してください。
黄熱浸淫地帯を旅行中の中等度の免疫抑制がみられる無症候性 HIV 感染者には(CD4 T リンパ
球値 200~499/mm3 か 6 歳未満の小児で総リンパ球の 15~24%)、ワクチン接種が考慮されます。
接種後は慎重に観察を行い有害事象の症状・徴候に注意します。有害事象が認められば、州の
保健局や CDC 届け出なければなりません。
黄熱感染のリスクではなくて海外旅行の必要条件ということが、HIV 感染者にワクチンを接種する
唯一の理由であれば、感染者は予防接種の免除を受け、禁忌証明を発行してもらい保健条例を
守らなければなりません。無症候性 HIV 感染者に CD4 値に基づく免疫抑制の症状・徴候が認めら
れないならば(CD4 T リンパ球が 500 mm3 以上か 6 歳未満の小児では総リンパ球の 25%以上)、推
奨に応じて黄熱ワクチンを投与することができます。
妊婦
妊婦への黄熱ワクチンの投与は慎重に行います。妊娠期間中の黄熱ワクチン投与に関する安全
性は、プロスペクティブな大規模試験で検討されていません。しかし、妊娠初期に黄熱ワクチンを
投与した女性についての最近の研究では、乳児に重大な奇形は確認されていません。リスクがわ
ずかに高かったのは、乳児での主に皮膚の軽微な奇形でした。ワクチンの投与を受けた妊婦で自
然流産の割合が高いことが報告されましたが立証はされていません。妊娠期間中にワクチンを接
種した女性で黄熱の特異的 IgG 抗体が認められた割合は、研究によって 39%または 98%と一定で
はなく、ワクチンを接種した妊娠週数と相関している思われます。妊娠は免疫学的機能に影響す
るため、ワクチンに対する防御免疫反応を立証する血清検査が考慮されることもあります。
妊婦の旅行が不可避でありさらにワクチン接種によるリスクが YFV 感染リスクを上回ると思われ
るならば、妊婦は予防接種の免除を受け、禁忌証明を発行してもらい保健条例を守らなければな
りません。YFV 感染の可能性がある地域に旅行しなければならない妊婦は、ワクチン接種は必要
と思われます。明確なデータはありませんが、女性は黄熱ワクチン接種後 4 週間してから旅行を
計画すべきだと ACIP は勧告しています。
授乳婦
授乳婦への黄熱ワクチンの投与は慎重に行います。2 例の YEL-AND 症例が、黄熱ワクチンを接
種した母親の母乳だけで育った乳児で報告されています。2 例とも感染時の月齢は 1 ヵ月未満で
した。さらなる研究を行い、授乳で起こりえるワクチンウィルス感染のリスクを立証することが必要
です。より多くの情報が得られるまで、黄熱ワクチンは授乳婦には避けるべきです。しかし、授乳
期間中の母親が黄熱の浸淫地域に旅行しなければならなかったり旅行を延期できない場合は、
ワクチンは接種すべきです。
その他の注意
さまざまな程度の免疫の異常が原因となる慢性疾患には、慢性腎疾患、慢性肝疾患(C 型肝炎)、
糖尿病などがありますが、これだけではありません。こうした疾患患者に黄熱ワクチンを投与した
場合の起こりえる有害事象の増加やワクチンの有効性の低下については、情報は得られていま
せん。したがって、このような患者にワクチンの投与を考慮するならば、注意を払うことが必要です。
患者の全身の免疫力レベルを評価する際の考慮すべきファクターには、重症度、疾患の期間、臨
床的安定性、合併症、共存疾患などがあります。
他のワクチンや薬の同時投与
黄熱ワクチンと他の免疫生物学的製剤を同時に投与するかどうかは(同じ日に異なる注射部位に
投与する)、旅行に必要なワクチン接種を旅行前に終わらせようとする旅行する人にとっての事情
と起こりうる免疫干渉に関する情報を基に決めなければなりません。黄熱ワクチンに対する免疫
応答に不活化ワクチンが干渉することは証明されていません。したがって、不活化ワクチンは黄
熱ワクチンと同時に投与することもまたは黄熱ワクチンの前後に投与することもできます。ACIP で
は、黄熱ワクチンは他の生ワクチンとの同時投与を勧めています。同時投与でなければ、30 日の
間隔をあけて投与しなければなりません。これは、生ワクチンを別の生ワクチン投与の 30 日以内
に投与すると後の生ワクチンに対する免疫応答が低下するためです。投与経路が異なるため、経
口 Ty21a 腸チフスワクチンは黄熱ワクチンと同時投与したり黄熱ワクチンの前後に間隔を問わず
投与することが出来ます。
表 3-23 黄熱ワクチンの禁忌と使用上の注意
禁忌
ワクチンの成分に対してアレルギーがある
6 ヵ月未満の乳児
症候性 HIV 感染症または CD4 T リンパ球<200/mm3(または 6 歳未満の小児で総リンパ球の 15%
未満)の患者 1
免疫細胞機能の異常に伴う胸腺の障害がある患者
原発性免疫不全の患者
悪性腫瘍患者
移植患者
免疫抑制療法と免疫調節療法の患者
使用上の注意
月齢 6~8 ヵ月の乳児への投与
60 歳以上の高齢者への投与
無症候性 HIV 感染症または CD4 T リンパ球 200~499/mm3(または 6 歳未満の小児で総リンパ
球の 15~24%)の患者 1 への投与
妊婦への投与
授乳婦への投与
1
HIV 感染症の症状は 1)成人と若年者のカテゴリーに分類される、表 1 CDC,1993 Revised
classification system for HIV infection and expanded surveillance case definition for AIDS among
adolescents
and
adults.
MMWR
Recomm
Rep
1992
Dec
18:
41(RR-17)
:
www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/00018871.htm
(http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/00018871.htm)
2)
Panel
on
Antiretroviral
Therapy and Medical Management of HIV-Infected Children において分類されている Guidelines
for
the
use
of
antiretroviral
agents
in
pediatric
http://aidsinfo.nih.gov/ContentFiles/PediatricGuidelines.pdf
(http://aidsinfo.nih.gov/ContentFiles/Pediatricuidelines.pdf)
(http://www.cdc.gov/Other/disclaimer.html) (PDF). p. 20-2.
HIV
infection.
2010.
国際予防接種証明書 (ICVP)
国際保健規則 (IHR)では、YFV が持ち込まれたり現地での YFV 感染を防ぐため、特定の国から到
着(通過中であっても)する旅行者の入国の条件として、黄熱ワクチン接種の証明を国が求めるこ
とを許可しています。米国からの直接の旅行者も含めて入国する旅行者すべてにワクチン接種の
証明を求める国もあります(表 3-24 )。黄熱ワクチン接種を入国必要条件とする国に黄熱ワクチ
ン接種証明を持たずに到着すると、旅行者は最高 6 日間隔離される、入国を拒否される、または
その場でワクチンを接種されます。黄熱ワクチンの禁忌となる旅行者で、ワクチン接種が必要な
国への旅行が避けられない旅行者は、旅行前に医師に禁忌証明を発行してもらうよう頼まなけれ
ばなりません(禁忌証明の項を参照)。
ワクチン接種の実施許可と ICVP の認証許可
2007 年 12 月 15 日発効の改訂 IHR(2005 年)を受けて、締約国はすべて新しい ICVP を発行する
ことが必要です。これは、前の黄熱ワクチン国際証明書 (ICV)を切り替えることを目的としたもの
です。2007 年 12 月 15 日後に黄熱ワクチンを接種した人は、新しい ICVP にワクチン接種証明を
記載しなければなりません。2007 年 12 月 15 日より前にワクチンを接種した場合、元の ICV カード
はその接種から 10 年以上経過していなければ依然有効です。ワクチン接種を受けた人が受け取
る ICVP は、完全に記入され(図 3-01 )、ワクチンを投与したセンターの印が押され署名された有
効なものでなければなりません(下記参照)。ICVP はあらゆる細部までそのすべての項目に記入
されていなければなりません。記入が不完全であったり正確でなければ無効になります。ICVP が
有効でなければ、旅行者は隔離される、入国を拒否される、場合によっては入国地点で再接種さ
れることがあります。入国地点での再接種は、旅行者にとって好ましいオプションではありませ
ん。
ク リ ニ ッ ク は 、 米 国 政 府 印 刷 局 か ら ICVP ( CDC731 ( 以 前 は PHS731 ) ) を 購 入 し ま す
(http://bookstore.gpo.gov/(http://bookstore.gpo.gov/)
(http://www.cdc.gov/Other/disclaimer.html) 866-512-1800) 。 25 部 の ス ト ッ ク 番 号 は
017-001-00567-3、100 部のストック番号は 017-001-00566-5 です。このワクチン接種証明書は、
接種日の 10 日目から 10 年間有効です。その 10 年の間にワクチンの追加投与が行われた場合、
証明書の有効開始日は再接種の日と考えます。
ICVP に署名する権限を持つ者と黄熱ワクチン接種指定センター
ICVP に署名するのは医療者でなければならず、免許を受けた内科医または免許を受けた内科医
が指定する医療従事者が担当し、ワクチンの投与を管理します(図 3-01 )。署名判は認められ
ません。黄熱ワクチンの接種は、公式の“規準印”を持つ認定センターで行われなければならず、
この公印は ICVP を有効とするのに使うことができます。
州の保健局は、非連邦病院の黄熱ワクチン接種センターを指定し、臨床家に規準印を支給する
責任があります。黄熱ワクチン接種センターの場所と接種時間に関する情報は、CDC のウェブサ
イトから得ることができます 。
禁忌証明(ワクチン接種免除)
ある年齢未満の乳児については ICVP は必要ないとする国もあります(6 ヵ月未満、9 ヵ月未満、1
歳未満と国によって異なる)。国別のワクチン接種年齢の条件は、この章の項、国別の黄熱とマラ
リア情報にあります。禁忌証明を出すことを決めた医師は、医学上の禁忌事項について ICVP 中
の項目 Medical Contraindications to Vaccination に記入し署名しなければなりません(図 3-02 )。
さらに以下のことも行わなければなりません:
・レターヘッドのある医師自身の便箋に署名と日付を記入した免除証明を旅行者に渡しますが、こ
れにはワクチン接種に対する禁忌事項を明確に記載し、さらに ICVP を有効にするために黄熱ワ
クチン接種センターが使った判を押します。
・ワクチンを接種しないことで黄熱感染のリスクは高くなり、このリスクを最小限に抑える方法は蚊
に刺されないことだと旅行者に知らせます。
医学上の禁忌事項以外は、ワクチン接種免除の理由として認められません。旅行者には、禁忌
証明が発行されても目的国がそれを承認するかどうかは保証されていないことを通知しなければ
なりません。到着時に旅行者は、隔離、入国拒否、または現地でのワクチン接種に直面することも
あります。目的国が禁忌証明を承認する可能性を高めるため、旅行前に以下の追加策を取ること
を臨床家が旅行者に提案することもよくあります:
・目的国の大使館や領事館から、具体的で信頼できる助言を得る。
・大使館や領事館に禁忌証明の要件を記した書類を求め、ICVP の中の記入済みの Medical
Contraindication to Vaccination と一緒にそれらを保有する。
表 3-24 到着する旅行者すべてから黄熱ワクチン接種証明を求める国 1
アンゴラ ベニン ブルキナファソ ブルンジ カメルーン コンゴ中央アフリカ共和国 コートジボワ
ール共和国 コンゴ民主共和国 仏領ギアナ ガボン ガーナ ギニアビサウ リベリア マリ ニ
ジェール ルワンダ サントメプリンシペ シエラレオネ トーゴ
1
黄熱ワクチン接種に関する国の要件は常に変わることがある。したがって、CDC は旅行者に対
し、出発前に目的国の大使館や領事館に確認することを勧めている。
図 3-01 国際予防接種証明書 (ICVP)例
拡大図
(1) 氏名は、患者のパスポートにある氏名を正確に記入されなければならない。
(2, 5, 7) 日付はすべて、日は数字で、続いて月は文字で、その後に年をもって記入されなければ
ならない。例えば上記の例では、患者の生年月日は 22 March 1960 である。
(3) この記入欄に患者の署名を入れる。
(4) 黄熱ワクチン接種に関しては、両欄に黄熱と記入する。ICVP を他の疾患・病態の義務付けら
れているワクチン接種または予防薬に使用するならば(国際保健規則の改正または WHO の勧告
により)、その疾患・病態名はこの欄に記入されなければならない。他のワクチン接種は裏面に記
入しなければならない。
(5) ワクチンの接種日は上に示したように記入されなければならない。
(6) ワクチン(または予防薬)を投与するまたは投与を監督する臨床家(判保持者か判保持者が
許可する別の医療提供者)の手書きの署名は、この囲み欄に記入されなければならない。署名判
は認められない。
(7) 黄熱ワクチン接種の証明書は、初回接種日の 10 日目から 10 年間有効である。ICVP に記さ
れる有効なワクチン接種の終了日は、ワクチンが有効となった暦日より 1 暦日前である。例えば、
2012 年 6 月 15 日に行われたワクチン接種は、2012 年 6 月 25 日に有効となり、2022 年 6 月 24
日に失効する。再接種の場合は、前回の黄熱ワクチン接種がその前 10 年以内に行われたことが
ICVP に明示されていれば黄熱ワクチン接種は直ちに有効となる。
(8) ワクチン接種センターの規準印をこの囲み欄に押す。
図 3-02 ワクチン接種の医学上の禁忌事項、国際予防接種証明書 (ICVP)の項
拡大図
入国必要条件対勧告
黄熱ワクチン接種証明に関する IHR の認める入国必要条件は、CDC の勧告と異なります。黄熱
ワクチンに関する入国必要条件は、YFV の移入・感染を防ぐため国が定め、IHR に基づいて許可
されます。禁忌証明が発行されていなければ、旅行者は入国するためにはその条件に従わなけ
ればなりません。一部の国ではあらゆる国から到着する旅行者にワクチン接種を求めていますが、
「黄熱感染のリスクがある国」から来る旅行者にしかワクチン接種を求めない国もあります(国別
の黄熱とマラリア情報、この章の項、 を参照)。WHO は「黄熱感染のリスクがある」地域を、黄熱
が現在またはこれまでに報告されている国や地域で、媒介動物や動物の保有宿主がいる国や地
域と定義しています。入国必要条件はいつでも変わることがあります。そのため CDC は、旅行者
に対して出発前にしかるべき大使館や領事館に確認することを勧めています。
黄熱ワクチンの推奨に関する項にある情報は、旅行者における黄熱感染を防ぐため CDC が出し
た勧告です。勧告は、疾患の状況が変わればいつでも変わることがあります。したがって、CDC
は旅行者に対し、出発前に目的地のページで最新のワクチン情報をチェックしたり CDC のウェブ
サ イ ト 上 の 関 連 す る 旅 行 情 報 を チ ェ ッ ク す る こ と を 勧 め て い ま す
(www.cdc.gov/travel(http://www.cdc.gov/travel))。
最近行われた黄熱感染のリスク分類と CDC のワクチン推奨の改変
CDC や WHO などの黄熱に関する専門機関は、最近、入手データの包括的な見直しを終え、YFV
感染のリスクを示す基準と世界地図を改正しました。新しい基準では、地理上のすべての地域に
おける YFV 感染のリスクを、地域性流行、一時的流行、感染の可能性は低い、リスクはないの 4
つのカテゴリーに分けています。
黄熱ワクチンの接種は、黄熱の浸淫地帯や一時的流行の地域に旅行する場合に推奨されていま
す。感染の可能性は低い地域に旅行する場合、ワクチン接種は通常は推奨されていませんが、
旅行プランによって一部の旅行者は YFV 感染の高リスクにさらされることがあり(例えば長期旅行、
蚊の多発、蚊に刺されることが避けられないなど)、そうした旅行者に対してはワクチン接種が考
慮されます。
黄熱感染のリスクを分類した改正基準に基づき、最新の地図(地図 3-18 および 3-19)と各国ごと
の情報( 黄熱とマラリアの国別情報、この章の後半、を参照 )では、黄熱ワクチンの推奨は、推
奨する、通常は推奨しない、推奨しないの 3 段階で示されています。注:改正された黄熱 Map 3-18
と 3-19 は、黄熱感染のリスクというよりワクチン接種の推奨を今は表しています。
すべての地域で YFV 感染の可能性は低いという国は(表 3-22 )、WHO が示す YFV 感染のリスク
がある国の公式リストには含まれていません(表 3-21)。したがって、YFV 感染の可能性は低い
国からワクチン接種が入国必要条件である国に旅行する場合は、黄熱ワクチン接種証明は必要
ありません(ただし到着するすべての旅行者に黄熱ワクチン接種証明を求める国は除きます。表
3-24 参照)。
地図 3-18 黄熱ワクチンが推奨されるアフリカの地域、2010 年
拡大地図
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黄熱(YF)ウィルス感染の可能性は低い地域では、YF ワクチン接種は通常は推奨されない。し
かし、感染の可能性は低い地域への旅行であっても、長期旅行、蚊の多発、蚊に刺されることが
避けられないなどのために YF ウィルスに感染するおそれが高い一部旅行者に対してはワクチン
接種が考慮される。旅行者にワクチン接種を考慮する際には、YF ウィルスに感染する旅行者のリ
スク、入国必要条件、ワクチン関連の重篤な有害事象に対する個々のリスクファクター(例えば年
齢、免疫状態など)を考慮しなければならない。
地図 3-19 黄熱ワクチンが推奨されるアメリカの地域、2010 年
*
最新情報:ブラジルでの最も最新の黄熱ワクチン推奨については、“In the News: Yellow Fever in
Brazil”を参照。
PDF バージョン(印刷可)
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黄熱(YF)ウィルス感染の可能性は低い地域では、YF ワクチン接種は通常は推奨されな
い。しかし、感染の可能性は低い地域への旅行であっても、長期旅行、蚊の多発、蚊に刺されるこ
とが避けられないなどのために YF ウィルスに感染するおそれが高い一部旅行者に対してはワク
チン接種が考慮される。旅行者にワクチン接種を考慮する際には、YF ウィルスに感染する旅行者
のリスク、入国必要条件、ワクチン関連の重篤な有害事象に対する個々のリスクファクター(例え
ば年齢、免疫状態など)を考慮しなければならない。
軍の命令で旅行する場合のワクチン接種
軍の要請は、この公開情報で指摘されている事項に勝ることがあります。このため、軍の命令で
旅行する計画のある人は(民間人も軍関係者も)、最寄りの軍の医療施設と連絡を取り、その要
請を判断して旅行することが必要です。