ネットワークシステムの導入について ∼管理のできるシステムを目指して∼ 県立広島病院 放射線科 守本 京平 ネットワークシステムの導入について (講演内容) 1.ネットワークシステムを導入する場合 2.医療機関のネットワークについて 3.県立広島病院のネットワーク再構築事例 4.まとめ 5.私の要望 ネットワークシステムの導入について (内容) 1.ネットワークシステムを導入する場合 2.医療機関のネットワークについて 3.県立広島病院のネットワーク再構築事例 4.まとめ 5.私の要望 ネットワークシステムを導入する場合 (業者の方) 1.どこから依頼されますか? 2.詳細な説明がありますか? 3.どういった使用をされるか理解されていますか? (医療機関の方) 1.ネットワーク機器のメーカー選定をしましたか? 2.接続機器の詳細な資料を作成していますか? 3.ワークフローは,確立していますか? 従来のネットワークシステム導入・構築の流れ 電子カルテの説明 医療機器の説明 自社の装置導入のために ネットワークシステムの依頼 電子カルテメーカー 医療機器メーカー 必要性の要求 依頼を施行 医療機関 ネットワークメーカー こんな経験は,ありませんか? すぐ対応します! 不安だなぁー? どうなってるんだ! 電子カルテメーカー 医療機器メーカー ネットワークメーカー 私は 関係ないよなぁー! 医療機関 とりあえず つないでください! 使えるようにお願 いします。 ネットワークシステムの導入・構築は, なぜ第一優先で議論されないのか? (理由) 1.手に触れる機器でない 血管系は 電気かなぁー 2.情報伝達は,目に見えない 3.ネットワークシステムメーカの 広告等でのアピールが足らない 4.・・・ 人間に例えるなら, 情報を伝達する神経と同じなのに・・・ 医療機関は特殊なのだろうか・・・? ネットワークシステムの構築を行うには, 業種の壁を越えなければ 困難である。 しかし最近では… 日本医療情報学会とは? 「医療情報に関心を持つ全ての 研究者及び実務担当者の学術交流の場」 1983年設立 電子化 2003年∼ 医療情報技師の資格 保健医療福祉関係者 ユーザ施設の情報システム管理者 38% 企業関係者 42% 2009年度 総人数 7102人 システムインテグレーター 12% 診療放射線技師 41% フィールドSE 34% 臨床検査技師 24% 開発SE 営業 21% 14% 診療情報管理部門 9% 「現在?」のネットワークシステム導入・構築の流れ 導入機器の説明 ネットワークの接続説明 電子カルテメーカー 医療機器メーカー 電子カルテの説明 医療機器の説明 必要性の要求 依頼を施行 医療機関 ネットワークメーカー ネットワークシステムの要望 導入・再構築の提案 施工・工事の確認 ネットワークシステムの導入について (内容) 1.ネットワークシステムを導入する場合 2.医療機関のネットワークについて 3.県立広島病院のネットワーク再構築事例 4.まとめ 5.私の要望 電子化の背景 日付 内容 H11.4 (2002年) 「法令に保存義務が規定されている診療録及び診療諸記録の電子媒体による保存に 関する通知」・「法令に保存義務が規定されている診療録及び診療諸記録の電子媒体 による保存に関するガイドライン」 H14.3 (2004年) 「診療録の保存を行う場所について」通知 保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザインの策定について H14.5 「診療録の外部保存に関するガイドライン」 「診療録の外部保存に関するガイドライン」 H16.11 (2005年) 「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」 (「e‐文書法」)成立 H16.12 「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」 H17.3 (2006年) H17.4 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」 「個人情報保護法」・「e‐文書法」等施行 H17.8 「医用画像モニターの品質管理に関するガイドライン」 H19.3 (2007年) 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第2版」 H20.3 (2008年) 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第3版」 H21.3 (2009年) 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第4版」 H22.2 (2010年) 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第4.1版」 再構築時のネットワーク構成図 県立広島病院 放射線科 9424T/SP 50番 15番サーバ室 GS908M 50番A 14番撮影室背面 5m) (基幹配線長 30m) Synapse・RIS・レポート テラリコン・東芝サーバ Synapse・ネットワーク・ モニター・テラリコン監視端末 GS924M 責任分界点 GS924M GS924M 電子カルテ (基幹配線長 ESRP OSPF(RIP) GS924M 50番 10番撮影室 隣 (基幹配線長 66m) 50番A 14番撮影室背面 GS924M サーバ接続 (基幹配線長 30m) 3番 マンモ撮影 6番 骨塩定量測定 8・9・10番 一般撮影全般 11番 12番 13番 14番 読影室 泌尿器科専用透視室 一般透視室 多目的透視室 X450a-48t 院内コアスイッチ GS924M 9424T/SP 16番 CT室 17番 CT室 19番 血管造影室 51番 17番CT室奥 9424T/SP 院内コアスイッチ X450a-48t GS916M (基幹配線長 61m) GS916M 画像配信 GS916M シンプルだか ら大丈夫! 23番 第1MRI室 24番 RI室 52番 52番受付内 (基幹配線長 90m) GS916M GS916M GS916M 52番A 25番MRI機械室 GS924M GS908M (基幹配線長 82m) GS908M 放射線治療診察室 リニアック室 放射線科カンファレンス室 第2MRI室 26番 RALS室 26番 RALS室 GS916M 20番 21番 22番 25番 (基幹配線長 94m) 2F EPS内 (基幹配線長 54m) 27番 オンコシード室 OP室・南2病棟・NICU 医療機関のネットワークについて 医療機関のネットワークは難しい? 何が難しいのか? 難しさの検証が必要! 医療機関と一般機関の ネットワークの違い 1.接続機器が異なる. 機器個々の特徴を理解する必要がある 2.データフローが業務に依存する. 検査部門ごとにデータ活用方法が異なる 3.データ量が大きい. 画像系には,注意が必要! 4.機器の更新が頻繁にある. 毎年設定が変わる 1.接続機器が異なる. 機器個々の特徴を理解する必要がある 一般機関 医療機関 2.データフローが業務に依存する. 検査部門ごとにデータ活用方法が異なる CT(coputed tomography) 常に1ギガ(G)バイト程度! 3.データ量が大きい. 画像系には,注意が必要! 各検査別の容量(MB) ■ 一般のレントゲン 2枚 約60MB ■ CT 約200MB ■ CT 3D・4D 約500∼1000MB ■ MRI 約100MB ■ 透視 約200MB ■ 透視 動画撮影 約700MB 4.機器の更新が頻繁にある. 毎年設定が変わる ■ 2008年2月 ネットワーク全面再構築終了後 → 2008年3月 新生児病棟読影端末設置 → 2008年5月 骨塩定量測定装置更新 → 2008年12月 放射線情報端末43台更新 → 2008年12月 放射線治療室QA端末設置 → 2009年3月 CT更新にてサーバ増設・機器全面更新 → 2009年3月 救命センター・脳外科・脳外科病棟に3DWS設置 → 2009年4月 救命センターに読影端末を設置 → 2009年5月 小児感覚器科に解析端末設置 → 2009年7月 遠隔画像診断システムの導入 → 2009年12月 院内高精細モニター20台設置 ・ 整形骨計測サーバ設置 → 2010年3月 小児感覚器科の解析端末導入によるネットワーク更新 → 2010年4月 MR更新にてサーバ増設・機器全面更新 医療機関のネットワークについて ■ 医療機関と一般機関のネットワークの違い 注意点! ■ 業務上何をするのかが明確でなければならない. ■ トラフィックに気を使わなければならない. ■ 管理が十分にできるシステムでなければならない. ■ 常に将来を見据えていかなければならない. 医療機関の機器について ■ 検査・治療機器 ■ 機器自体についての制約 ■ 機器の運用について制約 医療機関の機器について ■ 検査・治療機器 ■ 機器自体についての制約 IHE Integration Statements (IHE 統合宣言書) IHE (Integrating the Healthcare Enterprise) Integration Statements は、製品のIHEテクニカルフレームワークへの適合性に関 して記述したドキュメントです。 各製品がサポートするIHE Actor(アクター)およびIntegration Profile (統合プロファイル)等が記載されています。 DICOM Conformance Statements(DICOM適合性宣言書) DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)は、 多くの医療機関で利用され、国際的に認められている医療情報交換に 関する標準規格です。 DICOM Conformance Statementは、製品のDICOM規格への準拠と 適合範囲を宣言するドキュメントで、DICOM接続性を判断する上で 必要な技術情報を提供します。 ・ 接続機器の情報を調べる 医療機関の機器について ■ 検査・治療機器 ■ 機器の運用について制約 ■ 厚生労働省 ■ 日本医療情報学会 (Japan Association for Medical Informatics) ■ 日本医用画像管理学会 (The Japanese Society of Medical Image Management) ■ 日本放射線技術学会 医療情報分科会 JSRT (Japanese Society of Radiological Technology) ■ 日本医学放射線学会 (Japanese Radiological Society ) ■ 日本HL7協会 (Health Level Seven Japan) ■ 日本画像医療システム工業会 (Japan Industries Association of Systems) ■ 保健医療福祉情報システム工業会 (Japanese Association of Healthcare Information Systems Industry) ネットワークシステムの導入について (内容) 1.ネットワークシステムを導入する場合 2.医療機関のネットワークについて 3.県立広島病院のネットワーク再構築事例 4.まとめ 5.私の要望 ■ 概 要 ■ 許可病床数/750床 (一般病床700床,精神病床50床) ■ 職員/1,090人 ■ 診療科/36科 ■ 診療センター/7センター 放射線科ネットワークの 全面再構築について ■ システム関連(放射線科) ■ 2002年1月 HIS・RIS・レポート運用開始 ■ 2003年9月 将来ビジョンの検討開始 ■ 2005年4月 画像配信用サーバ導入 ■ 2008年2月 ネットワーク全面再構築 ■ 2009年1月 電子カルテ・フィルムレス運用 なぜ全面再構築に至ったのか? 自然的な面 ■ 機器の進化(高速化・大容量化) ■ 規格の変化(LANカテゴリー・接続方法) 人為的な面 ■ すべて導入メーカーにお任せ.(現場不介入) ■ ネットワーク構築への理解がなかった.(プロ不在) ■ 現場の管理面が十分でなかった.(統括者の不在) ■ 将来ビジョンがなかった. ネットワークの崩壊過程 段階的ネットワーク構築にて,ベンダー管理の範囲には,必ず ブラックボックスが生まれ,すべての機器とネットワークを管理す ることは困難! ベンダー管理 ブラックBOX 段階的ネットワーク構築 段階的ネットワーク構築 時 間 の 流 れ ネットワークのスプロール現象 F社設置 無秩序な拡張 G社設置 D社設置 A社設置 H社設置 C社設置 E社設置 B社設置 I社設置 全面再構築にむけて 1.先ず何をしたいか? 2.どこまでするのか? 3.対象となる機器は,何か? 4.将来的なビジョンは? ネットワークシステムの全面再構築の流れ 1.再構築の課題 2.ベンダーとの打合せ 3.再構築に向けての資料作成 4.導入機器の選定 5.再構築作業 6.導入時の受入れ試験 1.再構築の課題 ① 24時間とまらないシステムを構築すること. ② セキュリティーが守られること.(ウイルス対策等) ③ ネットワーク機器の管理は,できるだけ容易にすること. ④ モダリティー(検査機器)の更新が容易にできること. ⑤ 各部門担当者が,接続機器を容易に理解できること. ⑥ ネットワークの管理は,ベンダー任せにしないこと. ⑦ 機器の設定は,すべて文書化すること. ⑧ 担当者は,責任を持って設定を確認すること. 1.再構築の課題 ① フィルムレスを見据えて24時間とまらないシステム を構築すること.(電源・ネットワークの仕組み等) システム構築は,まず電源から・・・ 電源管理 24時間365日止めないために! 1.保安回路の使用. 2.電源回路の切り替えが可能であること. 通常は,中央棟の保安回路・緊急時は東棟の一般回路 2.ベンダーとの打合せ 1.既設のCS・ネットワーク図・購入時の設定等を請求 → 既設のネットワークの確認 2.既設機器のIPアドレス・ライセンス・機器設定の確認 3.不要機器の廃棄確認. 4.フィルムレスに向けての追加機器の接続確認. 5.構築作業のスケジュールの確認.(SEの確保) 3.再構築に向けての資料作成 ① 部門のワークフロー ② 部門モダリティーのデータフロー ③ 現行モダリティー機器の洗い出し ④ 放射線科全体のネットワーク構成図 ⑤ 部門別ネットワーク図の作成 ⑥ IPアドレス管理表の作成 ⑦ 機器別ライセンスと設定の管理票 ⑧ 機器設定票の作成 ⑨ 導入時のチェックリストの作成 3.再構築に向けての資料作成 ① 部門のワークフロー ② 部門モダリティーのデータフロー 部門担当者との会議を4回/2年 発生画像 サーバ保存 検像 フィルムレスの運用に合わせることを中心に議論. 3.再構築に向けての資料作成 ③ 現行モダリティー機器の洗い出し 1.現行モダリティーのすべて(本体・WS・解析等) 2.今後必要な機器(DICOM化が必要なもの) 3.今後必要でないもの(アナログ時代のPrint Link等) 最も作業難航! 最初 構築前のネットワークが分からない どういった接続か分からない 不必要なものも含まれている 設置場所が同定していない 120前後の機器を洗い出し 結果 180以上の機器が存在 3.再構築に向けての資料作成 ④ 放射線科全体のネットワーク構成図 1.HUBのIPアドレスが確認できる. 2.担当者がネットワーク全体を把握できる. 3.システムの更新を容易にすること. 4.機器の管理を容易にすること. 5.システム障害時に最短時間で復旧できること. 放射線科 ネットワーク構成図 ネットワーク管理 日常は目にしない,基幹となるHUBの管理! 1.基幹HUBは,必ず明確に! ネットワーク障害時,迅速な交換が必要. 2.各部門の責任者の把握! 各モダリティーの責任者は, 必ず知っておく必要がある. 3.再構築に向けての資料作成 ⑤ 部門別ネットワーク図の作成 1.モダリティーのネットワーク図は, 検査の部屋単位でまとめる. 2.接続機器のIPアドレスが確認できる. 3.担当者がネットワーク接続機器を把握できる. 4.システムの更新を容易にすること. 5.機器の管理を容易にすること. ネットワーク図 52番25番撮影室 QA(MRI用) ⑧ iRad-EV Station (第2MRI室) 読影端末1M1面 ⑥ PC 放射線科50番 3D作成用WS ④ Virtual Place(AZE) 画像サーバ Synapse Server MRI SYNPHONY① 簡易型画像サーバ VINCENT Server MRI SYNPHONY② 画像記録装置 ② DRYPIX-7000 MRI メンテ作業用(ドイツ管理) カラーレーザープリンター② Multi Writer 5700C 3D作成用WS ⑭ VINCENT専用クライアント 読影端末 ② 2M2面+17inchPC 21番(リニアック室) 23番(第1MRI室) 3D作成用WS ⑤ Virtual Place (AZE) QA(MRI用) ⑦ iRad-EV Station 3.再構築に向けての資料作成 ⑥ IPアドレス管理表の作成 1.将来必要なIPアドレスの確保. 2.IPアドレスに規則性をもたせる. 3.機器の接続はIPアドレスを分かりやすくする. (情報コンセントを設置) 4.必要なLANケーブルは,長さと本数も管理する. 3.再構築に向けての資料作成 ⑦ 機器別ライセンスと設定の管理票 1.データフローの確認. 2.接続機器のライセンスの管理.(QR・ストレージ等) 3.担当者がモダリティーのライセンスを把握できる. 4.システムの更新を容易にすること. 5.機器の管理を容易にすること. 3.再構築に向けての資料作成 ⑨ 導入時のチェックリストの作成 1.ベンダーSEの作業が効率的に行なえる. 2.ベンダーSEの確認が容易に行なえる. 3.モダリティー担当者は,責任をもって確認できる. 4.システムの更新を容易にすること. 5.機器の管理を容易にすること. 4.導入機器の選定 フィルムレス支援の機器選定 5.再構築作業 2008.2.8∼2.11(3日半) 6.導入時の受入れ試験 ① 各モダリティーの転送試験 ② ネットワーク監視 ネットワークの受入れ試験 トラフィックデータの測定 ① 各モダリティーの転送試験 各モダリティー間での転送を測定 約400枚程度の画像を送信して実際の時間を測定. 目的 各モダリティ間でのボトルネックを検索・確認すること. 各モダリティーの性能評価 (例)MRIの転送試験 【テストパターン】 全てのパターンにおいて、1検査400枚程度を使用。装置は上記使用端末ごとに記載した A∼Eで表記いたします。 (1)シーメンスMRIからiRad-EV Station(QA⑧)への画像転送 (2)シーメンスMRIからVirtualPlace(WS④)への転送 (3)シーメンスMRIからiRad-EV Station(QA⑦)への画像転送 (4) iRad-EV Station(QA⑧)からVirtualPlace(WS④)へMR画像の転送 (5) VirtualPlace(WS④)からiRad-EV Station(QA⑧)へMR画像の転送 (6) iRad-EV Station(QA⑧)からVirtualPlace(WS④)へCT画像の転送 (7) VirtualPlace(WS④)からiRad-EV Station(QA⑧)へCT画像の転送 (8)AW03からiRad-EV Station(QA⑧)への画像転送 (9) AW03からiRad-EV Station(QA⑦)への画像転送 (10) AW03からVirtualPlace(WS④)への画像転送 (11)VirtualPlace(WS④)からVirtualPlaceへの転送 (12)iRad-EV Station(QA⑧)のネットワークケーブル変更 【使用端末】 (1)シーメンス MRI(メイン)・・・第2MRI (2)GE MRI(AW03)・・・第1MRI (3)AZE VirtualPlace(WS④)・・・第2MRI (4)富士 iRad-EV Station(QA⑧)・・・第 2MRI (5)富士 iRad-EV Station(QA⑦)・・・第1MRI 【テスト結果】 以下の一覧に上記(1)∼(12)のパターンのテスト結果を記載いたします。 テスト番号 結果 (1) 3 Images/sec (2) 10 Images/sec (3) 3 Images/sec (4) 30 Images/sec (5) 5 Images/sec (6) 30 Images/sec (7) 5 Images/sec (8) 4 Images/sec (9) 4 Images/sec (10) 13 Images/sec (11) 15∼20 Images/sec (12) 変更前と変化無し ② ネットワーク監視 ネットワークの受入れ試験 1.モダリティーとサーバー間のトラフィックデータの測定 2.モダリティーと検像端末間のトラフィックデータの測定 3.各モダリティーすべてからサーバ転送時の トラフィックデータの測定(ネットワークの負荷測定) (結果) 通常の使用では,ネットワークの負荷は1%以下. データの大きいCRデータの連続転送においても20%以下. データ量の多いCTデータの連続転送においても3%以下. すべてのモダリティーから連続して一斉転送した場合30%以下. 再構築から2年経過して 新たな問題! 1.予想以上に更新が頻繁にあり, 資料の作成が追いつかない. 2.電子カルテのアクセスが遅い. 3.病棟端末が遅い. 4.画像配信が遅い. 再び検証! ■県立広島病院ネットワークシステム構成図 ■放射線科 ネットワーク構成図(東棟B1階) GS908M 透視・読影室 1000BASE-SX A系 or 1000BASE-T F-RIS Server 監視端末 (Swim Suite) 1000BASE-SX B系 100BASE-TX GS924M 9424T/SP 東棟2F EPS内 その他のスイッチ 小児救急、オペ室へ 受付 診察室/処置室 地域医療センター 医局 新東棟 Synapse Server GS916M トラフィック調査を 行ったスイッチ 東棟1F EPS内 第2MR機械室 RALS室 総合診療科・外科・整形外科 口腔外科・救急外来へ X450a-48t 東棟 x900-12XT/S 南棟2F EPSを経由して南病棟 南病棟 北棟 中央東棟 病棟 救命救急 小児科 産婦人科 歯科 管理課 がん登録室 研修室 開発室 コア・スイッチ 病棟 内科 眼科 管理棟 基幹LAN コアスイッチへ 中央西棟 4Gトランク 総務課 医局 看護部長室 医療案全部 電子カルテサーバー サーバースイッチ スタック接続 フロア・スイッチ エッジ・スイッチ 4Gトランク 4Gトランク 各種サーバー 管理棟5F サーバー室 院内ネットワークシステム調査 • 期間 2010年3月9日∼2010年3月15日 7日間 • 使用機器 富士通株式会社 : ノートPC端末(FMV‐A8270) アイビーシー株式会社製 : BT‐Monitor (アライドテレシス株式会社から借用) • 方法 ① 物理調査 ② SNMP(Simple Network Management Protocol)による トラフィック量の調査 A 物理調査 フロア スイッチ コア スイッチ エッジ スイッチ ② ③ PC ① 移動 移動 移動 PC PC PC PCを順次移動し、どのポイントで 現象が改善されるか? B SNMPによるボトルネック調査 電カル サーバ ① コア スイッチ ② フロア スイッチ ③ エッジ スイッチ SNMP Get 調査機器 SNMPで各機器の使用帯域を調査 ボトルネック箇所の確認 PC Pingによる応答時間・電子カルテ起動時間 画像表示時間の計測 ■病棟 監視対象 (放射線系エッジ) (エッジ) (フロア) Ping応答時間平均 (ms) 1 1 1 電子カルテ起動時間 (s) 21 23 23 電子カルテ内画像表示時間 (s) 10 10 10 監視対象 放射線系 (エッジ) (フロア) Ping応答時間平均 (ms) 1 1 1 電子カルテ起動時間 (s) 21 23 23 電子カルテ内画像表示時間 (s) 10 10 10 監視対象 (エッジ) (フロア) Ping応答時間平均 (ms) 1 1 電子カルテ起動時間 (s) 25 25 電子カルテ内画像表示時間 (s) 10 10 ■耳鼻咽喉科 監視対象 (エッジ) (フロア) Ping応答時間平均 (ms) 1 1 電子カルテ起動時間 (s) 21 21 電子カルテ内画像表示時間 (s) 10 10 Ping応答時間平均 (ms) 1 電子カルテ起動時間 (s) 21 電子カルテ内画像表示時間 (s) 10 Ping応答時間平均 (ms) 1 1 電子カルテ起動時間 (s) 23 51 電子カルテ内画像表示時間 (s) 10 47 ■内科 ■眼科 ■サーバ室 監視対象 (コア) ■電源直結時とバッテリー使用時の平均値 電源直結時 バッテリー使用時 SNMP(Simple Network Management Protocol) によるトラフィック量の調査 眼科外来フロアスイッチ Port 23 一週間単位 (院内LAN) コアスイッチ Port 1 一週間単位 (放射線系LAN) SNMP(Simple Network Management Protocol)によるトラフィック量の調査 眼科外来フロアスイッチ Port 23 24時間単位 (院内LAN) コアスイッチ Port 1 24時間単位 (放射線科LAN) 結論 1.HIS・PACSの導入に際して安定稼働を重視するならば, 第一にネットワークシステムを見直すことが重要である. 2.稼働する際にネットワークシステム自体の能力を把握する ことが,全体システムの構築には必須の条件となる. 3.今後の更なるIT化でトラフィック量がより一層増加することを 考えれば,定期的なネットワークシステムとそのトラフィック 量の定常状態を把握することは,全体システムの安定稼働 において必要不可欠である ネットワークシステムの導入について (内容) 1.ネットワークシステムを導入する場合 2.医療機関のネットワークについて 3.県立広島病院のネットワーク再構築事例 4.まとめ 5.私の要望 まとめ ネットワークシステムを導入する場合 1.将来的ビジョンを明確にする. 2.餅は餅屋! 3.現場における管理の重要性を把握する. 4.管理者の役割を明確にする. 5.機器中心からネットワーク管理へ 放射線科ネットワーク 全面再構築事業 22社 総勢 56人 ネットワークメーカー SI・NI会社の参加 現場 医師 3名 診療放射線技師 18名 医療情報部事務 1名 ネットワーク構築に欠かせない構図 活発な議論が必要! 医療現場スタッフ 協力関係の維持! 信頼関係 医療情報管理者 医療機器メーカー 担当SE ネットワーク会社 SI・NI会社 担当SE 人のネットワークが不可欠! ネットワークシステムの導入について (内容) 1.ネットワークシステムを導入する場合 2.医療機関のネットワークについて 3.県立広島病院のネットワーク再構築事例 4.まとめ 5.私の要望 私の要望 1 (医療機関へ) ネットワークシステム 医療情報システム の導入における すべての責任は, 医療機関のシステム管理者である. ベンダー責任には絶対しない. 私の要望 2 (ベンダーの方へ) ネットワークシステム 医療情報システム の導入に 最大限の力を貸していただきたい。 導入時の文書は永久保存をお願いしたい. 思い出に残る仕事を! ご清聴ありがとうございました。
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