「16」日本のデパートとアパレル 16-1:デパートAとアパレルB 1

「16」日本のデパートとアパレル
16-1:デパートAとアパレルB
1:デパート A の掛け率:LVMH90%、アパレル B の PB60%、デパート X 本店なら 50%。アパレル B は
デパート X に育てられた。
2:ミラノ仕立て・ローマ仕立て・ナポリ仕立てというような認識は当地ではない。ミラノ・ローマ・
ナポリからいろいろブランドが育った。スーツ最高峰のブリオーニ、あこがれのスーツである。国連の
アナン事務総長ほか政財界人が愛用する。
3:ブリオーニはスーツの学校まで設置した。
4:アパレル B のブランドは、デパート A 用のシニア向け X、若向き Y がある。価格帯が 7 万円プラ
スマイナス 2.5 万円。
5:シルクないしシルク混(その他種類あり)ジャケット・スーツは夏モノ。秋冬のシルクはコート。
あとはネクタイ。
6:アパレル B は X と Y のほか、同ブランドの EO(8 万円±2 万円)、プレタポルテでブランド Z(25
万円±5 万円)がある。
7:国産の生地は安い。インポート(IT・GB)の生地は高い。
8:バーゲンに 2 種類。レギュラーの X と Y を 30%引く。バーゲン用に 3-4 万の EO。これはバーゲン
用に工場と仕立てを用意する。
9:ブランド X と Y は原価率が高 31%で儲からない。上代 9.5 万として、下代 65%、工場出荷 31%。
ただし材料 1%。いい材料を使っているが材料費 3400 円。洋服1着は 3M。800 円/mでも 2400 円であ
る。競合先Yのブランドzは工場出荷 20%という。材料費はもっと低いはずだ。
10:競合先Uのブランドvは売れている。JP に工場があってv1 とv2 がある。v1 は 30-40 万である。
11:アパレル B が扱うブランドzの既製品が 25 万円。73%。パターンオーダーあり。簡単なオーダー。
上下サイズ、袖丈や着丈をのつめたり出したり。zはライセンス生産。実際の製作はアパレル B の工場
でおこなう。生地を買う。アパレル B は 3Wかける。手縫い。仮縫いしようと思えばできる。特徴はシ
ルエット。手縫い 80%、芯地にフルゲシンを使い、接着芯地は使わない。
12:ライセンサーもメーカーだから、本国で生産したものを買えという。だから、なかには買い付け
た商品を売る場合もある。
13:オーダーで 20 万の場合は布地・仕立て各 10 万円かける。アパレル B は「11 パターンオーダー」
14:ライセンサー→総合商社→アパレル B。商社はたくさんブランドをもっている。年間 1000 円とい
うのもある。デパートに出す場合はブランドが必要である。
15:アパレル B は全国に数箇所工場がある。
16:アパレル B の企画担当がイメージを伝える。デザイナーが絵→パターナーが型紙→工場が見本・・・。
企画は外部者を契約して報酬払ってやったほうが良い衣服できる。パターナーは契約。
17:アルマーニがいいというが、しかし、やるなら、ブリオーニ。キトン。バーバリは良いモノを作
っている。
18:クロ・コン・グレー。グレーは先染め。
19:略
20:アパレル B はデパート A に7名派遣。2 名が正社員。。
21:ブランドは信頼だが、販路・小売店と生産マニュアルがある。ブランドXの場合、有名デザイナ
ーがいてロゴ見れば消費者はわかる。アパレル B はXを扱ったが、もともと直営小売店がなかったので
弱い。
22:デパート A はラグジュアリブランド出店に 10 年かかっている。
23:在庫評価。3 年で 40%おち。評価減した商品は焼却・ファミリーセールにするか。市場に流すと
ブランド維持できなくなる。
24:ブランドvは v1・v2・v3 がある。消化率は v2 で 60%、v3 で 90%、また掛け率はデパート A で
72%、デパート Y で 68-69%のようだ。
25:略
26:この市場は伝統に肯定的。
中略
29:ブランド z の訴求ポイント。①肩からムネ・背にかけてのライン。カチッとしている。柔らかさ
を強調するFRやITとは異なる。②2つボタンサイドベンツ。③・・・。
30:シルクジャケットで 15-20 万円。パターンオーダー。
31:略
32:シルクは関西で強い。東京はいろんなブランドがあって激戦。
以上は 06 年 09 月 23 日に調査した。
16-2:アパレルメーカー事情 K 氏と D 両氏よる寸描
P 社の場合
1:ラグジュアリブランドA・B・C・Dを担当。インポートの補助で、上代の値付けとデパートの
売り場の巡回をしている。
2:インポートの原価構成。DP45%、AP25%。輸出業者 30%で上代 20 万で 6 万くらい。これで AP は
派遣の人件費まかなえるとすれば、かなりの量をこなしていることになる。
3:消化取引。競合先 Q に比べるとデパートには弱い。掛け率はひくくなりがち。自社製品で 60 から
65。
4:商品企画(Merchandiser=ブランド単位)は形を作る。生産部門(Merchant controller=商品属
性単位例・婦人モノ紳士モノなど)は生産数量を決める。販売部門はデパート単位で設定され、派遣店
員や売り場など販売を管理している。
5:QR は 1 ヶ月。発注しても納品まで1ヶ月かかる。最初にかなり作りこんでおく。だから在庫を持
ちやすい。ただし、インポートは売り切り。
6:生地在庫見て企画換えするときもある。生地は原反ロットになるため、すべて使い切るとは限ら
ない。膨大な生地在庫あり。
7:原反は先に買う。染める。
8:デパート担当者は無理をいう。消化の条件でもあれこれ作れという。出来ますといってやらない
ことも少なくない。
9:デパート担当者に飲ませるのも仕事。かれらはなにもしない。
10:在庫処分はデパートのなかではしない。アパレル催事で行う。
11:シルクアパレルはさがせばある。
12:有報見るとあまりもうかっていない。あらためて競合先較が必要。
Q社の場合
1:たばこはよく吸う。喫煙室は情報交換の場。
2:テストマーケティングなどはしない。4大コレクションと小島某の情報のみだ。
3:値札付けしている。商品にじかに触れる。商品見ていればいろいろなことがわかる。
4:在庫処分は自社催事。かなりおおがかり。誰でも入れる。この仕事が一番多い。
5:QR。数字は火曜日に集計。発注しても納品までにひと月は必要。翌々週納品は無理。ある程度作
りこむ。
6:単品管理。デパートの POS レジからコーナーごとに店頭在庫状況は判明する。
7:シルクアパレルはない。
8:掛け率は 35 くらい。
9:良い売り場を取るにはデパート担当者への接待営業は常識。
10:伊勢丹クラスだと向こうのほうが商品をよく知っていることもある。
11:MCに相当する者はいる。
その他
1:Q のブランド X も Y も価格ゾーンは似たようなもの。
2:ラグジュアリブランドのトップクラスは掛け率で 95%。デパートの取り分は 5% ほとんど招待。
これはデパートとアパレルとの力関係。某政令指定都市にあるデパートfのラグジュアリブランドzは
その典型例である。
3:手取り18万。そこから寮費2万円くらい。昇任するとよくなる。昇任試験あり。IT 語か FR 語
必要。
4:遊ぶなら隣のビル。退職者はおもったより多い。むかない人も居る。アバウトでないと続かない。
5:給料が低いのは、デパートの管理職にとられているからであろう。上代に占める販売費および一
般管理費ことに後者の推定は肝要。