今こそ実践! マスターデータ統合

特集
今こ早わか
そ実践り
!、
マス仮想化のすべて
ターデータ統合
全 社 の「 人、 モ ノ、 金 」 を 見 え る 化 す る
表 MDM 製品情報一覧
製品名
SAP NetWeaver Master Data Management
IBM InfoSphere Master Data Management
Server
ASTERIA MDM One
Sun Master Data Management Suite
Oracle MDM Data Hub
社名
SAP ジャパン
日本アイ・ビー・エム
インフォテリア
サン・マイクロシステムズ
日本オラクル
製品を構成するモジュールと主な機能
MDM 製品の狙いやコンセプト
マスター統合の方法、同期/転送の仕組み
テンプレートの提供形態及び
コンサルティング体制
Master Data Server
MDM におけるデータ管理
データモデル(データベース)
顧客、契約、商品などのマスター・データモデル
ASTERIA MDM One MH
マスターデータ連携ハブ ソフトウェア
Import Server
マスターデータの自動取り込み
ビジネス・サービス
データベースのアクセス、共通機能などの処理
ASTERIA MDM One DQ
データクレンジング・名寄せサービス
Syndication Server
マスターデータの自動配信
ASTERIA MDM One MI
統合マスター管理 ソフトウェア
MDM Data Manager(その他 Client tool 群)
登録されたデータの管理、リポジトリ(データモデ
ル)の登録管理
ASTERIA MDM One GT
マスターデータモデルテンプレートサービス
企業内外に散在する、あらゆる種類のマスターデー
タ・オブジェクトの統合、同期、配信、一元管理、公
開を、全社規模あるいは取引パートナーとの間で実
現。重要なデータすべてを 1 カ所から把握できるた
め、顧客の獲得 / 維持、クロスセリング / アップセリ
ング、グローバルな支出分析、要員管理、新製品導
入、カタログ作成 / 公開、在庫管理、出荷、請求処理
といったビジネスプロセスの改善に貢献する。同時
に、この製品は SOA 実現に向けた SAP のブループ
リントである、エンタープライズ SOA の基盤となる
顧客単位にデータを統合し、顧客のシングル・ビュー
の実現に必要なデータモデル、運用段階でマスター
データの均質性を維持するビジネス・サービス、名
寄せ処理(InfoSphere QualityStage)との連携
機能などを提供する。業務システムからのオンライ
ン照会・更新を考慮して設計されており、顧客に関
する統合的な視点、新しい視点を、様々な業務シス
テムに提供する。MDM Server に実装されたビジネ
ス・サービスにより、各システム、ユーザーからのア
クセスに対し、均質のビジネスルールを適用。マス
ターの品質を維持する
各サブシステムから出力されたマスターレコードを、 ソース・システムとの間は、一般的な EAI ツール、
Import Server を介して Master Data Server が
ETL ツールなどを使ってデータのやりとりを行う。名
管理する統合マスターへ取り込む。統合マスターで
寄 せ を 実現 す るソフトウェアで あ る InfoSphere
変更されたレコードは Syndication Server を介し
QualityStage を活用した場合、①ソースシステム
て、サブシステムへ投入可能なデータ形式に変換す
からデータを抽出、②文字コード変換などを行 い、
ソースデータを共通フォーマットに変換、③データを
る。各サブシステムとMDM間のデータ受配信は連携
ソフト(SAP NetWeaver PI など)を介して行い、 XML フォーマットに変換して MDM Server にロー
そのタイミングは任意に設定できる
ド、④ QualityStage のクレンジング機能で、データ
のクレンジング・標準化を実施、⑤マッチ候補レコー
ドを顧客 DB より取得、⑥ QualityStage のマッチン
グ機能で、マッチングを実行。さらに名寄せ処理を実
行し、同一顧客を識別して MDM Server に戻す
48 │ IT Leaders │ 2008 │ 11 │
Customer Hubs
異なるシステムに分散した顧客データを統合する
顧客データハブ
Sun Data Integrator
ファイル・データベース間でのバルクデータの抽
出、加工、ロード(ETL)の最適化
Product Hub
異種システムのあらゆる製品情報を一元化できる
単一の製品リポジトリ
Hyperion Data Relationship Management
マスターデータの変更管理を支援
顧客、社員、製品など多重に存在するマスターデー
タを体系的に管理することで、経営品質の向上を目
指 す MDM 製品。EAI 製品「ASTERIA」 で 培った
顧客ベースとノウハウを元に開発した。ASTERIA
MDM One を利用することで単一のバージョンで各
マスターデータを管理し、データ同士を密に連携した
統合マスター環境を提供する。一元的なデータ管理・
運用と、それぞれのシーンでの最適化を実現し、各
業務システムの本来のパフォーマンスを引き出す。
データクレンジングの DQ、モデルテンプレート作成
の GT は製品ではなく、サービス。また MI は今秋出
荷予定
SOA 構 築 基 盤 で あ る「Sun Java Composite
Application Platform Suite(CAPS)」を構成す
る製品。MDM スイートは企業内に存在する異なるシ
ステム上のデータに対する、マスターデータ管理機
能を提供する。Sun はこのマスターデータの管理を
単一のソフトウェアで実現するのではなく、企業シス
テムの最適化が可能な SOA 基盤製品 Sun Enterprise Service Bus とあわせて提供する。これによ
りシステムのデータ連携、アプリケーション連携、企
業の全体最適化等の実現とともに、企業のシステム
に散在する重複データの排除を実現し、データの最
適化までを実現する統合プラットフォームになる
Oracle EBS などの ERP パッケージと組み合わせ
て使用 する MDM 製品。顧客情報を統合 する Customer Hubs、製品情報の Product Hub を用意す
る。各種 Data Hub を活用した MDM アプリケーショ
ンで事前構築済みの共通データモデルと共有サービ
スを提供し、Fusion Middleware の各コンポーネ
ントを利用して、アプリケーションやデータプロセス
に 関連付 け を す る。ま た Hyperion Data Relationship Management によって、GRC(Governance、Risk、Compliance)のためのベース・ソ
リューションも提供し、ビジネス・ルールに基づいて
管理される
ASTERIA MDM One MH はマスターデータの発生
箇所、配信先、更新タイミング、実行結果などを一元
的に管理することでシステム間のマスターデータ連
携を行う。システム間の項目の差異を吸収するため
の関数を 60 種類標準装備。運用時には連携対象の
ソースシステムから変更のあったデータ(差分情報)
を抽出し差分情報のみをターゲットシステムへ連携
する。ソースシステムにエージェントやフラグカラム
の追加などをする必要なく、差分情報を抽出できる
まず既存のデータソースである各種データベースか
ら、Data Integrator を使用してデ ータを抽出し、
Master Index Database と同一システム上に存在
するテンポラリのステージングデータベース、もしく
はテキストファイルに対して抽出したデータを保存す
る。次にデータのクレンジングや標準化、正規化など
を行いデータを比較しやすい形に変換する。変換さ
れたデータはユーザーにより個別に作成される Master Index アプリケーションによってデータの検証や
重複データのチェックを行った後、Master Index
Database に対してデータの反映が行われる
基本的に、次のプロセスを通じてマスターを統合・
管理する。① 使用される可能性のあるすべてのソー
スと各ソース内の現在のマスターデータ品質状態を
把握するプロファイリング、② 中央リポジトリへのマ
スターデ ータの 集約、および す べ ての 関連アプリ
ケーションとの関連付け、③ マスターデータのガバ
ナンス。具体的にはデータのクリーニング、重複排除
を行い、さらに外部データなどを使用してデータを補
完。管理はビジネス・ルールに従って行う。④ マス
ターデータの共有。中央のマスターデータを接続す
る各アプリケーションと同期。IT 環境全体にわたって
データの同期を保つようにする
顧客、従業員、製品、取引先などの事前定義済みの
(SAP ERP の Object Model 同様の)スキーマを
提供。コンサルティング体制としては、計画フェーズ
から構築、運用フェーズまでのサービスメニューを準
備している
製品以外で、有償化されているテンプレートはなし。
コンサルティングは要件に応じて個別に提案を実施
テンプレートは 2008 年秋出荷予定(価格、提供方
式は未定)。コンサルティングは、コンサルティング
パートナー、ASTERIA アドバイザリーパートナーを
通じて提供
Sun プロフェッショナルサービスの SOA に関 する
サービスメニューとして提供
コン サ ル ティン グは、AIM(Application Implementation Method)と呼ばれる実装メソドロジを
使用。プロジェクトに含まれるステップを論理的な
フェーズに分割し、フェーズごとのタスクと目標を明
確化させながら進める
価格は非公表、個別問い合わせ。ライセンス体系は
マスター管理するデータ種別とデータ量(Object
数)に依存する
初期導入時には、MDM Server で管理対象とする
顧客数・契約(口座)数・商品数などに応じて課金。
以後、それらの増分について課金
DQ: クレンジング・名寄せ対象データ量、フォーマッ
ト数に応じて変化
(参考価格)対象総データ量 1 万件、3 フォーマット
約 100 万円。以降データ量、フォーマット数に応じて
増加
MH:ライセンス価格 400 万円(2CPU、3 システ
ム連携)以後連携対象 1 システム毎に 50 万円
Sun Master Data Management Suite は、サブ
スクリプション形式で提供され、従業員1名あたり年
間 1 万 1186 円(スタンダードサポートの場合)で、
全従業員数での契約となり、100 名分からの契約と
なる。そのほか24時間サポートを提供するプレミア
ムサポートや、単体の製品を個別に購入する方法も
用意
非公開
柔軟なデータモデル の使用により、SAPとSAP以外
の製品の様々なソースからマスターデータを集約でき
る。複数探索メカニズムによる性能も、特徴の 1 つ
銀行・保険など金融機関を中心に、全世界で 50 件
以上の導入実績がある。中規模・大規模(数千万〜
2 億)の顧客を持つ企業での運用実績がある
現時点では唯一の国産 MDM ソフトウェア。価格が明
解、かつ安価なのが特徴。470 社の導入実績を持つ
ASTRIA WARP で培ったテクノロジに基づく
MDM 単独でのアピールポイントは特になし
オ ラク ル の MDM は 市場 で 最 も 総合的 な MDM ソ
リューション群である。BI も含め全世界で 600 以上
の顧客実績がある
ライセンス体系
その他、アピールポイントなど
Sun Master Index
分散されているシステムにおける共通レコードを
特定し、クロスインデックスを構築
│ IT Leaders │ 2008 │ 11 │ 49