たんぽぽ新聞 - うめもとこどもクリニック

たんぽぽ新聞
少子化について
子どもの数が減っています。当クリニックが
できた2000年ころは14歳以下の子ども人口は約
14.6%でした。それが2015年では12%と減少してい
ます。この15年間で14%の減少です。毎年1%づつ子
どもの割合が減っているという驚くべき事態です。
昔はたくさんの人が亡くなる代わりに、たくさん
の子どもが生まれました。人の人生は限りあるも
のと感じ、子どもをたくさん育てることは、働き
手を養うことになり、結局自分たちの将来のため
になると思っていました。子どもたちも農作業を
手伝いました。「子→親」へ利益が移動しました。
その後、農業をする人たちは少なくなり、工
業化が進みました。お金を多く稼ぐためには、学
歴が必要となりました。親は子どもに学歴をつけ
させるために、20歳くらいまで資金を必要になり
ました。現在では「親→子」への利益の移動と
なっています。子どもの経済的価値が低下したと
も言われています。
子育ての促進には、育児の価値観をどう考
えるかということが大事です。私がずっと親御さ
んの姿をみてきて思うのは、一人前にするため20
年以上も時間を使って人を育てることは「喜び」
とともに「親自身の人格の成長を促す」というこ
とです。この目に見えない経験によって人の人生
に色合いが出てきます。
第78号 6/22/2015
うめもとこどもクリニック
津市塔世橋よこ
Tel 222-2332
電話予約(音声) 213-5050
当日受付専用電話090-7034-4996
ホームページ http://umekuri.com
携帯 http://umekuri.com/i/
ブログ http://umekuri.dreamlog.jp/
診療時間変更のお知らせ
7月16日から午前中の診察時間を
9:00~12:00にさせていただきます。
ご迷惑おかけしますが宜しくお願い致します。
暑い夏がやってきました。夏になると子どもたちの
周りにはいろんな虫も集まります。蚊に刺されたり、
ダニに刺されたりします。大人に比べ、子どもは虫
に刺さされるとびっくりするほど皮膚が赤く腫れたり、
水泡ができたり、しこりになったりします。ダニは、そ
の習性でしょうか、その家でたった一人しか刺しま
せん。特に子どもが刺されます。子どもさんがいな
い家庭では、女性が刺されます。ご主人は最後ま
で刺されません。ダニは子どもが好きなんです。
毛虫もときどき見かけますが、毛虫の場合は
刺すのではなく、毛虫の細かい毛が一気に皮膚に
くっついて、集団で刺されたようにみえます。毛は
空中を飛んで、洗濯物にくっついて、その服を着た
子どもの皮膚が赤くなることもあります。飛び道具で
す。
空を眺めると
最近、友人が「セキセイインコ」や「オ
カメインコ」を自宅に連れてくることがあり、
鳥に触れる機会が増えています。昨年は、自宅
の樹に「ヒヨドリ」が巣を作りました。そのせ
いか、空を見上げて鳥を眺めることが多くなり
ました。夕方は、いろんな鳥が一直線に目的に
向かって飛んでいます。その一心不乱
の姿に感動を覚えるのです。
何か自分に忘れたものを
思い出させてくれます。
B型肝炎ワクチンについて
これまで、B型肝炎は「お母さんが肝炎
の保因者」であれば生まれてくる赤ちゃんに感
染する機会が高いので、感染を予防するために
保険制度によって助成されていました。その甲
斐あって、日本ではほとんど、垂直感染といい
ますが、母から子どもへの感染はなくなりまし
た。しかしながら、最近、子どもから子どもへ
感染することもわかってきました。これを水平
感染といいます。それで、B型肝炎ワクチンの
公費助成も考えられてきています。来年4月以
降になる見込みで、該当者は1歳未満のようで
す。欧米ではすでに、助成されています。B型
肝炎は、将来、癌にもなりうる可能性がありま
す。自費になりますが、ぜひ打ってあげてほし
いワクチンです。3回接種です。
子どもの成長・発達の3要素
成長という言葉は漠然としています。これを3
つの要素にわけてみましょう。①生物学的に脳が
成熟することです。特に1歳までの乳児と、思春期
は急激な変化をもたらします。②経験を学ぶこと
です。保育園、学校、職場で環境から文化を吸収
することです。最近ではこの学習によって、遺伝
子に影響を及ぼすこともわかってきています。③
自分の課題を達成する能力と、達成感から得られ
る喜びや自信です。どんなときでも、親は子ども
に向かって、「あなたは、やれる!大丈夫!」と
勇気づけることは、子どもの成長を促すのです。
否定的でなく、肯定的な養育が大事なのはこうい
う意味です。
私は、お母さん方に接するときもこのことを
意識しています。たとえば、子どもがずっと泣き
続けている場合、「この子、いやなんでしょう
ね」ではなく、「お子さん、元気に泣いています
よねー」と言います。元気に泣いていると思えば、
母も泣くことを肯定的にとらえます。泣いている
子ども自身も「私は元気に泣いているんだなー」
と思うかもしれない。そう感じるからです。親の
感情は子どもにも感染するのです。