地方独立行政法人法の概要 1 定義・目的 2 対象業務 3 設立手続 4

地方独立行政法人法の概要
1 定義・目的
住民の生活、地域社会及び地域経済の安定等の公共上の見地からその地域におい
て確実に実施される必要のある事務・事業のうち、地方公共団体自身が直接実施す
る必要はないものの、民間の主体に委ねては確実な実施が確保できないおそれがあ
るものを効率的・効果的に行わせるため、地方公共団体が設立する法人。
目標による管理と適正な実績評価、業績主義に基づく人事管理と財務運営の弾力
化、徹底した情報公開等が制度の柱。
2 対象業務
①試験研究
②大学の設置・管理
③公営企業に相当する事業の経営(水道、工業用水道、
軌道、自動車運送、鉄道、電気、ガス、病院)
※いずれも、既存組織
④社会福祉事業の経営(特別養護老人ホーム、保育所、
ホームヘルプサービス事業 等)
も想定
の移行だけでなく新設
⑤その他の公共的な施設で政令で定めるものの設置・管理
3 設立手続
設立団体が議会の議決を経て定款を定め、総務大臣又は都道府県知事が認可。
4 財産的基礎等
・出資者は地方公共団体に限る。
・設立される法人の業務に関する設立団体の一定の権利・義務は当該法人が承継。
5 役職員の身分等
・業務停滞が住民の生活、地域社会又は地域経済の安定に直接かつ著しい支障を及
ぼす法人又は中立性・公正性を特に確保する必要がある法人の役職員には地方公
務員の身分を付与。(定款事項=総務大臣又は都道府県知事が認可)
・設立団体から法人への職員の引継、退手の通算等について、適切に手当て。
・理事長及び監事は設立団体の長が任命・解任。
・その他の役員及び職員は理事長が任命・解任。
1
6 目標による管理と評価の仕組み
国の独立行政法人制度と同様、「目標⇒計画⇒評価⇒業務運営への反映」という
流れを義務づけ。
・中期目標(3∼5年)は、設立団体の長が議会の議決を経て定める。
・中期計画(3∼5年)は、法人が作成し、設立団体の長が認可。
いずれも公表
・年度計画は、法人が作成し、設立団体の長に届出。
・法人は、中期目標に係る事業報告書を設立団体の長に提出。
・評価委員会は、各年度及び中期目標期間の事業実績を評価。結果を法人・設立団
体の長に通知し、公表。
・設立団体の長は、各年度の評価結果及び中期目標に係る事業報告書・評価結果を
議会に報告。
・中期目標期間終了時に、設立団体の長が法人の組織・業務全般にわたり見直し。
7 財務及び会計
・原則として企業会計原則による。
・法人は、毎事業年度、財務諸表等を作成、公表。設立団体の長が承認。
・毎事業年度の利益は、中期計画で定めた剰余金の使途に充てることが可能。
8 財源措置等
・法人の業務運営に必要な金額を設立団体から交付できる。
・設立団体からの長期借入金を除き、長期借入金及び債券発行をすることはできな
い。
・法人が料金を徴収する場合、その上限について設立団体の長が議会の議決を経て
行う認可が必要。
・重要な財産の処分等には設立団体の長が議会の議決を経て行う認可が必要。
9 特例規定
①大学
・役職員の身分は、非公務員とする。
・理事長は、原則学長を兼ねる(定款で定めるところにより、学長を理事長と別
に任命することが可能。)
。
・学長や教員の任免及び学長の任期については、大学の意向を尊重する手続とす
る。
・経営に関する重要事項を審議する機関及び教育研究に関する重要事項を審議す
2
る機関を設置。
・設立団体の長は、中期目標の設定に当たって、あらかじめ法人の意見を聴取し、
当該意見に配慮する。
・評価委員会は、評価を行うに当たって認証評価機関の評価を踏まえる。
②公営企業に相当する事業
・中期計画項目として料金を追加。中期計画の認可には議会の議決が必要。
・事業の経費は当該事業の経営に伴う収入により賄うことが原則。
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その他
・設立団体の長及び認可権者(総務大臣等)に対し、法人に対する報告徴収権、立
入検査権、違法行為等の是正命令権を付与。
・法人は、設立団体が議会の議決を経た上で、総務大臣又は都道府県知事の認可を
受け解散し清算手続を行う。
11
施行期日
平成 16 年 4 月 1 日
3
地方独立行政法人法における「公立大学法人」制度の概要
概要
○地方自治体の選択により、公立大学の法人化が可能。
○地方独立行政法人法案において、「公立大学法人」に関する独立した章を設け、大
学における教育研究の特性に配慮する特例を規定。
「公立大学法人」制度における特例の概要
「国立大学法人」の制度設計にならい、必要な特例を規定。ただし、具体的な法人の
組織・運営等は、地方自治体の裁量にゆだねる弾力的な制度。
○役員の任命等
・法人の長(理事長)=学長を原則とする。(ただし、地方自治体の選択で別に理
事長を任命することも可能。)
・学長は、「選考会議」の選考に基づいて任命するなど、学長・教員の任免等につ
いて、大学の意向を尊重する手続。
○運営組織
・経営に関する審議機関、教育研究に関する審議機関を設置。具体的な審議事項等
は地方自治体が決定。
・地方自治体の判断により、役員会等の設置や学外有識者の役員への積極的登用等
の機動的な体制。
○中期目標
・中期目標の期間(6年)、項目は、国立大学法人と実質的に同様。
・中期目標を定めるに当たり、公立大学法人の意見を聴き、それに配慮。
○第三者評価
・認証評価機関の専門的な評価を踏まえ、各地方自治体に置かれる評価委員会が評
価。
○役職員の身分
・国立大学法人と同様、「非公務員型」とし、弾力的な人事システムを実現。
○設立認可
・都道府県が設立する場合は、総務大臣・文部科学大臣が共同認可。
4
「公立大学法人」制度の主な特例
特例規定
名称(第68条)
概
要
・名称として、公立大学法人という文字を用いる
教 育 研究 の 特 性へ の 配 ・設立団体は、大学の教育研究の特性に常に配慮しなければ
慮(第69条)
ならないこと
他業の禁止(第70条)
・公立大学法人は、大学の設置及び管理以外の業務を行って
はならないこと
理事長の任命(第71、72 ・「学長」=「理事長」が原則。ただし、別に任命することも可
条)
能。学長の任命は、「選考機関」の選考に基づき行うこと。
教員の任命(第73条)
・教員等の任命は学長の申出に基づき行うこと
学長の任期(第74条)
・学長の任期は、2∼6年(法人の規程で定める)
学長の解任(第75条)
・学長の解任は、「選考機関」の申出により行う
経営審議機関、教育研究
・経営審議機関、教育研究審議機関の設置
審議機関(第77条)
・中期目標の期間は6年間
中期目標(第78条)
・中期目標を定める際は、法人の意見を聴き、当該意見に配
慮すること
認証評価機関の活用(第 ・認証評価機関の評価を踏まえて評価委員会の評価を行うこ
79条)
と
設立認可(第80条)
・総務大臣及び文部科学大臣が共同認可
5
公立大学法人と都留文科大学(現行)の制度比較
法人設立大学設置
内部組織
公立大学法人
都留文科大学(現行)
参考:国立大学
設立
設立
設立
○ 議会の議決を経て定款を定め、総
務大臣および文部科学大臣の認可
により設立。
地方公共団体の判断により、法人化
○ 根拠法:「地方独立行政法人法」。
公立大学法人の特例規定あり。
○ 「都留文科大学設置条例」により
設置。
○ 「独立行政法人通則法」および「国
立大学法人法」により設立。
法律で一律法人化
設置者
設置者
設置者
○ 学校教育法上の大学設置者は公立
大学法人。
○ 1法人複数大学可能。
○ 学校教育法上の大学設置者は市。
○ 学校教育法上の大学設置者は国立
大学法人。
○ 1法人1大学。
役員
役員
役員
○ 理事長、副理事長、理事、監事を
原則。
(理事数、監事数の定めなし)
○ 理事長=学長とする。
(ただし、地
方公共団体の選択で、別に理事長を
任命することも可。その場合、学長
は副理事長となる。
)
○ 政府または地方公共団体の職員
は、役員となることができない。
○ 役員なし。
○ 学長、理事、監事(2名)を原則。
理事数は、法人毎に法定。学外から
も役員を登用するよう法定。
○ 理事長=学長とする。
運営組織
運営組織
運営組織
○ 法令で規定(具体的な構成員、審
議事項等は定款で規定)
*経営審議機関、教育研究審議機関
を設置。
○ 条例・規則で細部に渡り規定。
○ 法令で規定(具体的な構成員、審
○ 法定定員制度により総枠を「都留 議事項等を規定)
市職員定数条例」で管理。大学内部
*経営協議会、教育研究評議会を設
組織ごとの定数は、設置者で管理。
置。
理事会(役員会)
理事会(役員会)
役員会
○ 地方公共団体の判断(定款で規定) ○ 理事会なし。
により設置可能。
○ 役員会を設置:学長、理事で構成。
*中期目標の意見、中期計画、大臣
認可事項、予算の作成、重要な組
織の設置・廃止などについて審
議。
経営
経営
経営
○ 経営審議機関
*定款で設置。理事長、副理事長そ
の他の者により構成。
*経営に関する重要事項を審議。
○ 常任委員会
*学内者で構成。
*大学の基本方針の企画、教員の人
事、予算、教務、厚生その他本学
の管理運営の全般に渡る重要な
事項を審議。
○ 企画室
*学内者で構成。
*常任委員会の設置の目的の実現
を図るため設置。
○ 経営協議会
*学長、理事・職員、過半数以上の
学外者で構成。
*中期目標・中期計画・年度計画の
うち経営に関するもの、会計・給
与基準など経営に係る重要な規
則、予算・決算、組織・運営の自
己点検評価など法人の経営に関
する重要事項を審議。
6
内部組織
公立大学法人
都留文科大学(現行)
参考:国立大学
教育
教育
教育
○ 教育研究審議機関
*定款で設置。学長、学部長その他
の者により構成。
*教育研究に関する重要事項を審
議。
*評議会はなし。
○ 評議会なし。
○ 企画室長及び評議員
*教授会の互選により、企画室長 1
名及び評議員3名
*学長の諮問に応じ、企画、財務、
人事、渉外、入試、研究、教育等
の基本的な事項について必要に
応じて学長を補佐。
○ 教育研究評議会
*学長、理事、学部長その他により
構成。
*中期目標・中期計画・年度計画の
うち経営以外に関するもの、教育
研究に係る重要な規則、教員人
事、教育課程の編成、学生支援、
学生の在籍管理、その他大学の教
育研究に関する重要事項を審議。
目的・業務
教授会等
教授会等
教授会等
○ 教授会などの教育研究に関する組
織、各種委員会は法人化後も基本的
な変更なし。
(教育研究に関することのみを審議)
○ 教授会
*学長、教授、助教授及び講師で構
成。
*教員の任免の審議など教育公務
員特例法による権限に属する事
項、学則など重要な学内規程、予
算の方針、教育研究組織・施設の
設置廃止、人事の基準など運営に
関する重要事項を審議。
*教育研究施設の設置廃止、授業科
目の編成、教員人事、学生の身分
など学部の教育研究に関する重
要事項を審議。
○ 代議員会
*学内者で構成。
*企画、教員組織、予算等の大学の
運営に関する重要事項の審議。
○ 学科会議
*各学科に属する教員で構成。
*各学科の運営に関する事項を審
議。また各委員会委員の選出を協
議。
○ 自己点検・評価委員会、教務委員
会、学生委員会、就職委員会、入試
制度検討委員会、入試管理運営委員
会など個別事項を審議するための
各種委員会を設置。
○ 教授会などの教育研究に関する組
織、各種委員会は法人化後も基本的
な変更なし。
(教育研究に関することのみを審議)
事務組織
事務組織
事務組織
○ 予算の範囲内で随時改組等が可
能。
○ 条例、規則で細部にわたり規定。
○ 予算の範囲内で随時改組等が可
能。
目的・業務
目的・業務
目的・業務
○ 目的は、大学の設置および管理。
業務の範囲を定款で定める。
○ 業務の範囲の規定なし(組織の事
務分掌は規則で定める)
。
○ 業務の範囲を法定。
*国立大学の設置、学生の相談・援
助、受託・共同研究、公開講座等、
研究成果普及、研究成果活用促進
事業者への出資、その他附帯業
務。
7
目標・計画
公立大学法人
都留文科大学(現行)
参考:国立大学
中期目標
中期目標
中期目標
○ 設立団体の長が策定。
(予め大学法人の意見を聴き、評価
委員会の意見を聴いたうえで、議
会の議決を経る)
○ 期間は 6 年間。
○ 業務の質の向上、運営の改善・効
率化、財務内容の改善、自己点検評
価・情報提供など業務運営の重要事
項を定める。
○ 特になし。
○ 文部科学大臣が策定。
(大学法人の意見を聴き、評価委員
会の意見を聴く)
○ 期間は 6 年間。
○ 教育研究の質の向上、運営の改
善・効率化、財務内容の改善、自己
点検評価・情報提供など業務運営の
重要事項を定める。
評価
中期計画
中期計画
中期計画
○ 大学法人が中期目標に基づき作成
し、設立団体の長が評価委員会の意
見を聴き、認可、公表。
○ 目標達成のための措置、予算、収
支計画・資金計画、財産譲渡計画、
剰余金使途、自己点検評価・情報
提供などの業務運営事項を定める。
○ 特になし。
○ 各大学法人が中期目標に基づき作
成し、文部科学大臣が評価委員会の
意見を聴き、財務大臣と協議し、認
可。
○ 目標達成のための措置、予算、収
支計画・資金計画、財産譲渡計画、
剰余金使途、施設設備計画、人事計
画、期間を超える債務負担、積立使
途などの業務運営事項を定める。
年次計画
年次計画
年次計画
○ 大学法人が中期計画に基づき、各
年度の業務運営に関する計画を定
め、設立団体の長に届出、公表。
○特になし。
○ 各大学が中期計画に基づき、各年
度の業務運営に関する計画を定め、
文部科学大臣に届出、公表。
自己評価
自己評価
自己評価
○ 教育研究、組織運営の状況につい
て自己点検・評価。
○ 大学設置基準等により、自己点
検・評価の実施・公表義務と学外者
による検証の努力義務あり。
*16 年 4 月に大学基準協会の正会
員資格を取得。20 年度に相互評
価を受ける。
*それ以降 7 年ごとに相互評価を申
請する。
○ 教育研究、組織運営の状況につい
て自己点検・評価。
外部評価
外部評価
外部評価
○ 地方独立行政法人評価委員会の評
価
*設立団体に設置し、認証評価機関
の専門的な評価を踏まえ、大学法
人の業務実績(年度および中期)
全体に対して総合的な評価を実
施。
*評価結果は、設立団体の長に報
告、公表。設立団体の長は議会に
報告。
○ 学校教育法の改正により 16 年度
より義務付け。16 年度に外部評価
実施予定。
○ 認証評価機関の評価
*文部科学省が認証した評価機関
が教育研究の状況について専門
的な観点から評価。
○ 学校教育法の改正により 16 年度
より義務付け。
○ 国立大学法人評価委員会の評価
*文部科学省に設置し、機構の教育
研究評価を尊重し、国立大学法人
の運営全体に対して総合的な評
価を実施。
*評価結果は、公表。
○ 学校教育法の改正により 16 年度
より義務付け。
○ 独立行政法人大学評価・学位授与
機構の評価
*教育研究の状況について専門的
な観点から評価。
8
人事
公立大学法人
都留文科大学(現行)
参考:国立大学
職員の身分
職員の身分
職員の身分
○ 非公務員型
○ 法人成立と同時に、別に辞令のな
い限り、法人の職員となる。
○ 地方公務員
○ 非公務員型
○ 法人成立と同時に、別に辞令のな
い限り、法人の職員となる。
学長選考
学長選考
学長選考
○ 選考機関の設置
*学長となる理事長を選考するた
めに、定款の定めるところにより
大学に設置。
*経営審議機関および教育研究審
議機関双方の委員で構成。
○ 学長選考機関なし
(選挙による)
○ 学長選考会議
*学長の選考基準、手続きを定め、
学長候補者を選考。
*学長選考に学外者の意見を反映
させるため、経営協議会および教
育研究評議会双方の委員で構成。
学長その他役員の任免
学長その他役員の任免
学長その他役員の任免
○ 学長となる理事長:選考機関の選
考後、大学法人の申出に基づき、設
立団体の長が任命。
*任期は、2 年以上 6 年を超えない
範囲内。
*選考機関の申出により、設立団体
の長が解任可能。
○ 学長を別に任命する場合は、選考
機関の選考後、理事長が任命。この
場合、学長は、法人の副理事長とな
る。
○ 副理事長・理事:理事長が自らの
責任において任命、解任。
*任期は、6 年を超えない範囲内。
○ 学長:
(前)学長の申出に基づき、
任命権者が行う。
*任期は、4 年。再任後の任期は 2
年で、引き続き 6 年を超えること
はできない。
○ 学長:学長選考会議の選考後、法
人の申出に基づき、文部科学大臣が
任命。
*任期は、2 年以上 6 年を超えない
範囲内。
*学長選考会議の申出により文部
科学大臣が解任可能。
○ 理事:学長が自らの責任において
任命、解任。文部科学省科学大臣に
届出、公表。
*任期は、6 年を超えない範囲内。
○ 監事:文部科学大臣が任命、解任。
○ 監事:設立団体の長が任命、解任。
学部長等職員の任免
学部長等職員の任免
学部長等職員の任免
○ 学部長等の職員は理事長が任命。
学長を理事長と別に定める場合は、
副理事長たる学長の申出に基づき、
教員等を任命。
○ 教員人事に関する方針および基
準・手続き:法人内部で定める。
○ 部局長、教員の任免:学長の申出 ○ 学部長等の職員は学長が任命。任
期は、各大学において定める。
に基づき、任命権者が行う。
○ 部局長、教員の採用・昇任の選考:
教育公務員特例法に規定。(教授会
の審議を経るなど大学の主体性を ○ 教員人事に関する方針および基
準・手続き:教育研究評議会の審議
尊重した手続き。)
を経て定める。
○ 事務局職員は、市一般行政職員の
異動により配置。
勤務時間、給与
勤務時間、給与
勤務時間、給与
○ 法人内部で役員報酬・職員給与の
支給基準を定め、設立団体の長に届
出、公表。
○ 一般職の職員の給与に関する条例
等により規定。
○ 法人内部で役員報酬の支給基準を
定め、文部科学大臣に届出、公表。
懲戒等、服務
懲戒等、服務
懲戒等、服務
○ 法人内部で定める。
○ 地方公務員法・条例等の適用。
(た
だし、懲戒・分限の手続きは、教育
公務員特例法により特別な審査手
続きにより、学長の申し出に基づ
き、任命権者が行う。)
○ 法人内部で定める。
9
財務・会計
公立大学法人
都留文科大学(現行)
参考:国立大学
予算
予算
予算
○ 運営費交付金
*設立団体は、業務の財源に充てる
ために必要な金額を交付。(費目
制限なし)
*渡しきりの交付金。設立団体の長
の承認を受け、剰余金を繰越可
能。
○ 大学が予算要求し、議会議決を経
て配分。
*予算は費目毎に区分され、用途を
特定。
*毎年度ごとの執行が原則。
○ 運営費交付金
*国から各大学法人に交付。次の①
および②を合計したもの。(費目
制限なし)
① 標準運営費交付金:客観的な
指標に基づいて算定
② 特定運営費交付金:特定の教
育研究施設の運営や実施に必
要な額
*第三者評価の結果等を適切に反
映させる。
○ 授業料、受託研究費などは法人の
自己収入となる。
○ 授業料、受託研究費などは法人の
自己収入となる。
会計制度
会計制度
会計制度
○ 総務省令で定めるところにより、
原則として企業会計原則による。
○ 地方自治法、都留市財務規則等を
適用。
○ 文部科学省令で定めるところによ
り、原則として企業会計原則によ
る。
借入金
借入金
借入金
○ 中期計画の範囲内の短期借入金が ○ 大学の施設整備の財源として起債
可能。範囲を超えるものは設立団体
(地方債)の例あり。
の認可が必要。
○ 長期借入金・債権発行はできない。
○ 中期計画の範囲内で短期借入金が
可能。範囲を超えるものは文部科学
大臣の認可が必要。
○ 土地取得、施設整備などのために、
文部科学大臣の認可を受けて、長期
借入金または債権を発行すること
が可能。
監査
監査
監査
○ 監事による業務監査。
○ 設立団体の長が選任した会計監査
人(公認会計士または監査法人)に
よる監査(資本金 100 億円以上ま
たは負債 200 億円以上の法人)
。
○ 監査委員の監査。
○ 監査委員による監査。
○ 監事による業務監査。
○ 文部科学大臣が選任した会計監査
人(公認会計士または監査法人)に
よる監査(資本金 100 億円以上ま
たは負債 200 億円以上の法人)
。
○ 会計検査院による会計検査。
10
公立大学法人のメリット・デメリット
①組織業務
②人事制度
③目標・
評価
④財務会計制度
メリット
デメリット
○ 裁量の拡大による機動的で柔軟な運営
○ 権限と責任の所在の明確化による法人トッ
プを中心とした迅速で柔軟な意思決定
○ 学外者の参画による「民間的発想」のマネ
ジメント
● 権限の集中による独善的で非民主的な経営
の懸念
○ 弾力的な人事・給与システムの構築による
教育研究活動の活性化
○ 地域連携活動の制限緩和による教育研究成
果の地域還元の拡大
● 事務局人事の硬直化により、組織としての
活力が失われる懸念
● 労働法令に対応した人事システムの構築の
負担
○ 業務改善サイクルの確立による計画的な大
学運営、サービスの質の向上
● 評価委員会など目標・計画・評価制度の構
築に伴う負担
● 自己評価のための大学教職員の負担
○ 企業会計の導入による透明性が高い経営
○ 渡しきりの運営費交付金などを財源とする
大学の自律的な予算編成
○ 予算執行の弾力化、効率化
○ 剰余金を中期計画で定めた使途に充当でき
ることによる発展の可能性
● 大学内で予算配分を行う負担
● 新たな財務会計システムの導入による経費
負担
● 労働関係法令対応のための経費負担
● 資産評価など移行のための経費負担
⑤市行財政
⑥市民・学生
○ 職員および財産が法人に移行することによ ● 役員報酬、監査報酬などの経費負担
る行政の減量化
● 評価委員会の事務負担
○ 事務事業や組織・機構等の見直し等の行財
政改革の契機
○ 目標による管理の仕組みが他部門の意識改
革にプラスの影響
○ 自己決定・自己責任の原則の徹底により運
営面と職員の意識が改革され、より効率的・
効果的な業務の実施
○ 教育研究の活性化による、大学の役割が一 ● 条例で定めた上限の範囲内で、授業料を自
層果たされ、市民福祉の向上、地域産業の活
由に設定することによる学費負担増の可能
性化
性
○ 目標・評価の仕組みによる学生教育の質の
向上
○ 目標・計画・評価の公表による大学活動の
説明責任の実行
11
公立大学法人の特色と現行制度化での実現可能性
公立大学法人の特色
①組織業務
裁量の拡大による機動的で柔軟な運営
現行制度下での実現可能性
△
権限と責任の所在の明確化による法人
トップを中心とした迅速で柔軟な意思
組織や分掌事務、使用料徴収などは設置者が
条例・規則で定めており、裁量に乏しい
学長や学部長の権限の責任の明確化、学長補
△
佐体制の構築などの改革が可能
決定
学外者の参画による「民間的発想」の
②人事制度
マネジメント
弾力的な人事・給与システムの構築に
よる教育研究活動の活性化
地域連携活動の制限緩和による教育研
③目標・評価
究成果の地域還元の拡大
△
△
△
△
○
業務改善サイクルの確立による計画的
な大学運営、サービスの質の向上
常任委員会で学外者が意見を述べることが
できるが、運営そのものには参画不可
組織の定員、職、給与などは条例・規則の定
めあり
事務職職員の早期異動については、市との協
議により改善可能
民間企業役員との兼業など規制あり
独自の目標・実施・評価の仕組みの導入が可
能
ただし、組織・予算等で裁量に乏しく、また、
△
人件費・物件費等が適切に反映されないこと
④財務会計制度
から実効性に疑問
企業会計の導入による透明性が高い経
営
渡しきりの運営費交付金などを財源と
する大学の自律的な予算編成
予算執行の弾力性、効率化
余剰金を中期計画で定めた使途に充当
⑤市民・学生
できることによる発展の可能性
×
企業会計原則適用なし
×
渡しきりの予算なく、自律的予算編成不可
△
市財政課との協議により、補正予算が可能
×
教育・研究の活性化により、大学の役
割が一層果たされ、市民福祉の向上、
決算剰余金を生じたときは、剰余金の 1/2 を
下らない額を財政調整基金に編入
現行制度化でも相当の改革による教育・研究
△
の活性化が可能
○
目標・評価の仕組みの導入可能
○
目標・計画・評価の公表は可能
地域産業の活性化
目標・評価の仕組みによる学生教育の
質の向上
目標・計画・評価の公表による大学活
動の説明責任の実行
○・・・可能、△・・・不十分ながらある程度の対応可能、×・・・不可能
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大学の法人化に関するQ&A
独立行政法人とは何か、法人化によって大学はどう変わるのか、法人化のメリット
は何か、などといった市民の皆さんの疑問にお答えするためにQ&Aを作成しました。
Questions
1.「地方独立行政法人ってなんですか?」
2.「なぜ都留文科大学を法人化するの?」
3.「法人化すると、市民や地域にとって何が良くなるの?」
4.「法人化すると、学生にとって何が良くなるの?」
5.「公立大学法人は、独立行政法人とどう違うの?」
6.「公立大学法人は、国立大学法人とどう違うの?」
7.「都留文科大学を法人化するのは、市の財政支出を減らすため?」
8.「法人化すると、基礎的な研究がおろそかにならないの?」
9.「法人化すると、小規模な大学は衰退してしまわないの?」
10.「法人化すると、授業料が大幅に上がるのでは?」
11.「法人化すると、入試試験はどうなるの?」
12.「法人化すると学位はどうなるの?」
13.「法人化後は、中期目標の作成や評価のため、市の関与が強まるのでは?」
14.「大学の裁量が拡大し、市の政策に沿わない運営がなされる恐れはないの?」
Question1「地方独立行政法人ってなんですか?」
「地方独立行政法人」は、県や市町村などの地方公共団体が法律(地方独立行政法
人法)に基づいて設立することができる、地方公共団体と民間企業の中間的な性格を
持つ法人です。
これまで県や市町村が行ってきた次の事業を、新たに設立した法人が民間的な手法
も取り入れながら、これまで以上に効率的・効果的に進めていくことがこの制度のね
らいになっています。
(地方独立行政法人が行うことのできる事業)
・ 試験研究
・ 大学の設置及び管理
・ 水道事業
・
・
工業用水道事業
軌道事業
・ 自動車運送事業
・ 鉄道事業
・
電気事業
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・
・
ガス事業
病院事業など
市長は平成 18 年 9 月 8 日、市議会 9 月定例会所信にて、
「大学改革の大きな柱であ
る「大学法人化」につきましては、平成15年度に、大学に対しまして検討を行うよ
うに指示し、経過を見守ってきました。今般、事務局より具体的事項についての報告
を受け、さらなる検討を行うため「都留文科大学法人化検討委員会」を、設置するこ
とといたしました。この委員会において、都留文科大学の法人化に向けた十分な検
討・論議がなされ、今後の方向性が示されるものと期待しているところであります。
」
と表明しました。
Question2「なぜ都留文科大学を法人化するの?」
社会が成熟化する中で、
「知の創造の拠点」と言われる大学は高等教育機関として、
そして新たな知識や技術の発信源として、地域社会や教育業界等からますます大きな
期待が寄せられています。
一方、急速な少子化によって大学進学者数も年々減少していくと見込まれており、
大学同士の競争も激しくなっていくと予想されます。
このような中、都留文科大学は特色ある大学運営を行い、その存在価値を高めてい
く必要があります。現在本学は、大学自治という言葉が示すようにある程度自主的な
運営が行われていますが、一方では、市の一機関として予算や組織に関する一定の制
約の中で運営されてきました。
都留文科大学の法人化は、こうした予算や組織上の制約を緩和して大学が自主性を
より発揮できるようにする、その上で、市が設立する大学として市民の皆さんの期待
にこたえるより魅力的な大学をつくっていくことを目的としています。
なお、大学は法人化によって今まで以上に自主的・自律的な運営が可能になります
が、財政的には今後も皆さんの税金によって支えられていきますので、積極的な情報
公開により説明責任を果たしていくほか、学外者にも参加していただいたり、外部機
関による評価を行うなど、公正、透明な運営を確保していくこととしています。
Question3「法人化すると、市民や地域にとって何が良くなるの?」
都留文科大学の法人化は、市民の皆さんの期待にこたえる、より魅力的な大学をつ
くっていくことを目的としていますから、大学本来の役割である教育研究の充実向上
を図ることと併せて、今まで以上に市民の皆さんや地域社会に貢献する活動を展開し
ていきます。
代表的な例としては、市教育委員会、教育研修センターと連携した教育相談の充実、
学生アシスタント・ティーチャ−制度の拡大などが挙げられます。
公立大学法人制度の、自主性・自律制を発揮できる仕組みや中期目標・中期計画の公
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表、第三者機関による評価システムを生かして地域貢献活動の充実を図り、大学の有
する知識や技術を積極的に地域に還元していきます。
Question4「法人化すると、学生にとって何が良くなるの?」
法人化によって、大学は予算や組織面での自由度が大きくなりますから、各大学の
判断で、学生や社会のニーズを踏まえながら弾力的に学科を編成したり、様々な履修
コースの工夫をしたりすることなどができるようになります。
また、法人化後は第三者機関から定期的な評価を受けることになるため、大学での
教育・研究が客観的に審議され、授業等の改善に反映させていくことになります。
法人化を契機に、各大学が学生サービスの重要性を改めて認識して、これまで以上に
学生の視点に立って大学運営を行っていくことになると考えています。
Question5「公立大学法人は、独立行政法人とどう違うの?」
公立大学法人制度は、地方独立行政法人法に定められた地方独立行政法人制度の一
つです。そのため、基本的な枠組みは他の地方独立行政法人と同じになっています。
しかし、公立大学法人の場合は、大学における教育研究の特性に配慮することが法
にも明記されており、その考え方に従って、いくつかの特例が設けられています。代
表的な例としては、地方独立行政法人の理事長は市長が任命するとされていますが、
公立大学法人の理事長(兼学長)の任命は、法人の申し出に基づくこととされている
ことなどが挙げられます。
また、公立大学法人は他の公営企業的な事業とは違い、独立採算の事業ではないと
整理されています。
Question6「公立大学法人は、国立大学法人とどう違うの?」
地方独立行政法人制度の一つである公立大学法人制度は、国立大学法人制度を参考
につくられています。そのため、公立大学法人の仕組みと国立大学法人の仕組みはほ
とんど同じです。たとえば、公立大学法人に置かなければならない理事長(兼学長)
の選考機関や経営審議機関、教育研究審議機関などについても、同様の組織が国立大
学法人に置かれています(名称は若干異なります。)
。
また、設立団体(市)が法人の方向性を示す中期目標を定めることや、大学の運営
に必要な経費を交付することも国立大学法人制度にならっています。
Question7「都留文科大学を法人化するのは、市の財政支出を減らすため?」
都留文科大学は、今までもそれぞれの専門分野で人材育成や学術研究の向上、さら
には現職教員講座や市民公開講座の実施など、市民生活に直接、間接に貢献してきま
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した。
本学は、今後もこうした役割をしっかりと果たしていく(あるいはさらに充実して
いく)必要があり、そのために必要な経費は引き続き市が財政措置していくことにな
ります。
法人化の目的は、大学が自主性を発揮して市民の皆さんの期待にこたえる、より魅
力的な大学をつくっていくことであり、市の支出削減を目的に法人化をしようとして
いるわけではありません。
もちろん、公立大学法人には、必要最小限の予算で最大の効果を発揮できるよう、
不断の経営努力が求められることは言うまでもありません。
Question8「法人化すると、基礎的な研究がおろそかにならないの?」
都留文科大学の法人化は、大学の運営上の裁量を拡大するなど民間的な手法も取り
入れながら改革を進めていこうとするものであって、
「利益を追求するため」に民間
的な組織にしようということではありません。
また、法人化後も都留文科大学が、これまでどおり学問の基礎となる研究分野にお
いても貢献を続けていくことは、きわめて重要な課題の一つであると考えています。
したがって、法人の方向性を市が定める中期目標や法人が計画的な運営のために定
める中期計画の中に、基礎研究の分野も明確に位置付けた上で、それらに対する評価
もしっかり行っていきたいと考えています。
Question9「法人化すると、小規模な大学は衰退してしまわないの?」
都留文科大学は単科大学(文学部のみ)であり、国立や私立の総合大学に比べれば、
小規模な大学と言えます。
しかし、小規模な大学は、規模が小さいゆえにその目的を明確化させることができ
ますし、組織的にも小回りがきくという利点があります。また、市が設立する大学と
して、地域の特性も生かしながら社会情勢の変化にスピーディに対応して、特色ある
大学運営を行っていくことも可能です。法人化は大学をさらに発展させるための手段
であると考えています。
Question10「法人化すると、授業料が大幅に上がるのでは?」
公立大学は、経済状況に左右されない進学機会を提供するという役割も担ってきた
と考えられ、その重要性は法人化後も変わらないと考えています。
一方で、法人化は、大学の自主性・自律性を高めることを目的の一つとしています
から、たとえば、コストはかかるが特色ある教育サービスを提供しよう、という判断
をすれば、それが実現できるようにすることも必要です。
この二つの側面をバランス良く生かすため、市があらかじめ授業料等の上限を決めて
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おき、その範囲内で公立大学法人が授業料を定め、市の認可と市議会の議決を受ける
仕組みになっています。
つまり、授業料等の決定について、法人にはある程度の権限が与えられますが、市
が認可した上限の範囲内での自由であり、大幅な値上げなどが起きないような歯止め
がなされているのです。
Question11「法人化すると、入学試験はどうなるの?」
法人化によって入学試験方法が変わることはありません。
なお、法人化とはかかわりなく、各大学では入試制度の改善に努めており、現在、
都留文科大学では推薦入試制度を活用していますので、今後入試制度改善の一環で入
学試験方法が変わることはあります。
Question12「法人化すると、学位はどうなるの?」
法人化によって取得できる学位が変わることはありません。
Question13「法人化後は、中期目標の作成や評価のため、市の関与が強まる
のでは?」
大学は法人化後も運営費交付金という形の皆さんの税金で運営されていきますか
ら、市は、そのお金が有効、適切に活用されているか確認を行い、市民の皆さんに対
して説明する義務があります。中期目標を市が策定して法人の方向性を定め、それに
基づいた運営が行われているかを確認するために評価を実施することは、市として最
低限必要なかかわり方です。
つまり、市は、法人の設立団体としてその進むべき方向を示しますが、実際の運営
は法人の自己責任の下で行ってもらう、そして市は事後評価を行うことによって市民
の皆さんに対して説明責任を果たす、という仕組みです。予算執行や組織、人事等あ
らゆる面で市の制度に拘束されるというこれまでのやり方とは異なり、大学の裁量で
運営できる範囲が拡大しますので、市の関与が強まるわけではありません。
Question14「大学の裁量が拡大し、市の政策に沿わない運営がなされる恐れ
はないの?」
都留文科大学は、皆さんの税金で運営されるものであり、大学運営の大きな方針、
方向は市の政策に沿って行われるべきものです。
これは、法人化後も同様です。具体的には、市が、大学の進むべき方向を定める中
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期目標を策定しますし、運営状況についての評価も実施します。
また、運営費交付金の額や重要な事項の決定には、市議会の議決も必要とされていま
す。このような仕組みの中で、市の政策、方針に沿った大学の運営が担保されます。
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