期末手当・勤勉手当 期末手当 1 趣 旨 1 2 支給対象者 1 3 支 給 額 3 4 支 給 日 5 5 提出書類 5 勤勉手当 1 趣 旨 6 2 支給対象者 6 3 支 給 額 7 4 支 給 日 9 5 提出書類 9 質疑応答 第1 制度関係 1 第2 期末手当と勤勉手当の性格 10 支給対象職員 1 支給対象となる職員の範囲 10 期末手当及び勤勉手当は、民間における賞与等の特別給に見合うものとして支給される給与である。 そのうち、期末手当は、民間における賞与のうちのいわゆる一律支給分(又は年末一時金)に相当す る給与で、各職員の在職期間に応じて支給されることとなっている。 これに対して、勤勉手当は、民間の賞与のうち成績査定分に相当する給与で、各職員の勤務成績に 応じて支給されることとされ、このため具体的には職員の勤務という客観的事実による勤勉態度を示 す期間率と勤務成績を示す成績率に基づいて手当額が決定されることとなっている。 上記のことにより両手当の支給の趣旨がそれぞれ異なるので、以下期末手当と勤勉手当に区分して 説明する。 期末手当 1 趣 旨 期末手当は、沿革的には戦後のインフレの時代に盆、暮等の生計費の増を補てんする趣旨で支給さ れていた生活補給金等の一時金と同等のものでしたが、現在では、勤勉手当とあわせて民間における 賞与(ボーナス)等の特別給との均衡上支給される給与と理解されており、他の手当とは異なる特別 の性格を持っているといえます。 民間における賞与は、戦前は、原則としてホワイトカラーに対してのものであり、その額も、企業 の業績によるものが当然とされていました。ところが、戦後のインフレの激化と民主化運動の進行か ら、従業員のすべてが賞与の支給対象とされ、生活補給金としての一時金の支給と関連して、企業に とっては義務的給与となってきました。その後、経済の安定、発展に伴う企業の業績の向上とともに、 利益配分、業績報償といった考え方が復活し、あわせて今日の賞与の考え方となっています。 公務員の場合はというと、戦前は閣議決定に基づく高等官賞与及び判任官以下の慰労金として、年 末に各省ごとに棒給予算の残を充当して支給されるものでした。戦時中には、賞与予算として計上さ れ、6月(昭和15年創設)、9月(昭和19年創設)、12月(昭和19年創設)にも支給されるようにな りました。戦後はインフレの進行、生活難、労働運動の強化等があって、昭和22年12月には、2、8 月の生活補給金が支給されました。昭和21年に賞与制度が廃止されはしましたが、当時の低い給与水 準の中、一時金の必要性はより強くなり、昭和24年から27年にかけて、その都度法律を制定して現実 の要請に対応する処置がとられてきました。 昭和27年12月になって、期末手当、勤勉手当という新たなよそおいの下に給与法にとり入れられ、 以降、恒常的な制度となりました。 こうして、給与法の中における一つの制度として確立した期末手当、勤勉手当は、民間の賞与等の 特別給相当の給与と理解され、以降人事院の民間給与実態調査により把握される民間の特別給の支給 状況に基づいて、その支給割合が改定されてきました。しかし、民間の景気に直接左右され、減額さ れるなど、他と比べると変動性の強いのが特徴です。 2 支給対象者 【一般職員給与条例第15条の5第1項】 【県立学校給与条例第16条第1項】 1 【期末手当及び勤勉手当に関する規則第1~3条】 期末手当は、基準日(6月1日、12月1日)にそれぞれ在職する職員及び基準日前1箇月以内に退 職し、又は死亡した職員のうち、次の(1)~(3)に揚げる者以外の者に支給される。 なお、期末手当は、基準日に在職している職員に対して支給されるものであることから、基準日の 翌日以降支給日までの間において勤務先を異動した職員の期末手当は当該職員が基準日に所属してい た給料の支給義務者が支給すべきものとされている。 (基準日前1箇月以内に退職し、又は死亡した職員にも支給されるのは、支給日までのわずかの期間 在職したならば当然受けられるであろう手当を、その直前に退職等することによって失うこととなる 者について、その間の均衡をも考慮して若干減額したうえで支給することとしているものである。) (1) 基準日に在職する職員については基準日、退職又は死亡した職員については退職日、又は 死亡日において、次に掲げる者を除く ア 無給休職者・刑事休職者 イ 停職者 ウ 専従休職者 エ 育児休業中の者のうち基準日以前6ヶ月の全期間について勤務した期間(人事委員会規則で 定めるこれに相当する期間(休暇等を含む。)がない者 オ 無給派遣職員 カ 大学院修学休職者 キ 地公法第16条(欠格条項)に該当する者 ク 懲戒免職者 (2)退職後基準日までの間に次に掲げる職員及び3に掲げる職員となった者については、期末手 当の重複支給を防ぐため、新たに採用した支給義務者が支給することとされている。 ア 一般職員給与条例の適用を受ける職員 イ 県立学校給与条例の適用を受ける職員 ウ 市町村立学校給与条例の適用を受ける職員 エ 熊本県企業職員の給与の種類及び基準に関する条例、熊本県技能労務職員の給与の種類及 び基準を定める条例、熊本県知事等の給与及び旅費に関する条例、特別職の秘書の給与及び 旅費に関する条例、教育長等の給与及び旅費に関する条例の適用を受ける地方公務員 (3)退職に引き続き次に掲げる職員になった者 ア 特定独立行政法人の職員以外の国家公務員(人事委員会の定める者に限る) イ 特定独立行政法人の職員(人事委員会の定める者に限る) ウ 公庫等職員(国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)第7条の2第1項に規定 する公庫等職員及び特別の法律の規定により同項に規定する公庫等職員とみなされる者をい う。第6条第1項第2号ウにおいて同じ。)(人事委員会に定める者に限る。) エ 前号(1)から(3)までに掲げる者以外の地方公務員 オ 一般地方独立行政法人の役員 2 カ 退職派遣者(公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(平成12年法律第 50号)第10条第2項に規定する退職派遣者をいう。以下同じ。)(人事委員会に定める 者に限る) 3 支給額 【一般職員給与条例第15条の5~6】 【県立学校給与条例第16条】 【期末手当及び勤勉手当に関する規則第4条の2~3】 期末手当は、それぞれの基準日現在(基準日前1ヶ月以内に退職し、又は死亡した職員にあっては、 退職し又は死亡した日現在)において、職員が受けるべき給与の月額(給料+給料の調整額+教職調 整額+3級加算額+地域手当)と扶養手当の月額の合計額に、それぞれの基準日の支給率を乗じて得 た額に、基準日以前6ヶ月以内の期間におけるその職員の期間率を乗じて得た額を支給する。 基礎給与額 支給率 期間率 給与月額 6月 + 給料の調整額 + 3級加算額 × 160/100 + ※ 域 手 6月 100 5月以上6月未満 80 3月以上5月未満 60 3月未満 30 12月 + 扶 養 手 当 地 割合 140/100 × + 教職調整額 在職期間 当 手当額算定の基準額に、職の職制上の段階等に応じて、給料の20%以内の額を加算する (期末手当及び勤勉手当に関する規則第4条第2項、第3項) (1) 除算期間 在職期間の算定については、次に掲げる期間を除算する。 ア 停職者、臨時または非常勤の職員、専従休職者であった全期間 イ 育児休業期間、介護休業期間、休職にされていた期間(ただし、公務上又は通勤傷病、結核 休職の期間をのぞく。)のそれぞれ2分の1 3 凡例 ○:除算する 事 ×:除算しない 由 摘要 年次休暇・特別休暇・病気休暇(公務上又は通勤傷病によるもの、私傷病による もの)・介護休暇・休職期間(公務上又は通勤傷病によるもの)・欠勤による減 額期間・全期間勤務がない場合(公務上又は通勤傷病、結核休職を含む)・部分 × 休職 休職期間(私傷病によるもの)・育児休業期間 1/2○ 停職期間・専従休職期間 ○ (2)算入期間 勤務期間の算出については、次に掲げる期間を算入する。 ア 一般職員給与条例又は県立学校給与条例、大学教育職員給与条例、市町村立学校給与条例 の適用を受ける職員であった期間、また熊本県企業職員の給与の種類及び基準に関する条例、 熊本県能労務職員の給与の種類及び基準を定める条例、熊本県知事等の給与及び旅費に関する 条例、熊本県特別職の秘書の給与及び旅費に関する条例及び熊本県教育長等の給与及び旅費 に関する条例の適用を受ける職員であった期間(臨時又は非常勤の者を除く)。ただし、そ の期間の中に上記1に掲げる期間があるときは、上記1に準じて除算する。 イ 人事委員会の定めた国家公務員又は他の地方公務員が割愛により、引き続き採用された場 合は、当該職員であったの期間。ただし、その期間の中に上記1に掲げる期間があるときに は、上記1に準じて除算する。 4 4 支給日 【期末手当及び勤勉手当に関する規則第14条】 期末手当の支給日は、別表の基準日に応じて、それぞれの支給日に支給される。だだし、支給日が 日曜日及び土曜日に当たるときは金曜日となる。 なお、基準日前1ヶ月以内に退職又は死亡した職員に対しても同日とする。 基 5 提出書類 準 日 支 給 日 6月 1日 6月30日 12月 1日 12月10日 第五号様式 期末・勤勉手当報告書 提出期限までに「期末・勤勉手当報告書」を作成する。 新規採用者で公務員として前歴が有り通算できる場合(上記三の2)については、前勤務先から前 基準日以降の勤務期間の証明書を添付する。又、私傷病休暇等により除算期間がある場合は、出勤簿 の写しを添付する。 備考の欄には、具体的事由及び期間等を記入する。 報告書提出後に内容に変更がある場合には、直ちにその旨を県事務所に連絡する。 5 勤 1 趣 勉 手 当 旨 勤勉手当は、民間企業の賞与の分類のうちでは功績報償的なものに属し、一定期間内における職員 の勤務成績に対する報償的意図をもつ、能率給的な性格を有する手当である。 なお、期末手当は在職期間を基準とした生活補給金的給与の性格を有することから、知事をはじめ すべての常勤の職員ばかりでなく、非常勤の職員である議会の議員まで支給対象となっているが、勤 勉手当の場合には、勤務成績に応じて支給される能力給的な性格を有することから、議会の議員はも ちろん、知事等の使用者などのように給与の額が条例によって定額化されている職にある者に対して は支給されないこととなっている。 2 支給対象者 【一般職員給与条例第15条の6第1項】 【県立学校給与条例第17条第1項】 勤勉手当は、基準日(6月1日、12月1日)にそれぞれ在職する職員及び基準日前一ヶ月以内に退 職し、又は死亡した職員のうち、次の1~3に掲げる者以外の者に支給される。 なお、勤勉手当は、基準日に在職している職員に対して支給されるものであることから、基準日の 翌日以降支給日までの間において勤務先を異動した職員の勤勉手当は当該職員が基準日に所属してい た給料の支給義務者が支給すべきものとされている。 (昭41.4.7 (1) 給3-41 東京地方事務所長あて 人事院給与局長回答) 基準日に在職する職員については基準日、退職又は死亡した職員については退職日又は死亡 日において、次に掲げる者を除く ア 休職者(公務傷病等による休職者を除く) イ 停職者 ウ 臨時又は非常勤職員 エ 専従休職者 オ 外国派遣職員及び公益法人等派遣職員 カ 育児休業中の者のうち基準日以前6ヶ月の全期間について勤務したことがない者。(公務・通 勤による負傷・疾病により勤務しなかった期間を除く) キ 大学院修学休業者 (2) 退職後基準日までの間に次に掲げる職員及び3に掲げる職員となった者については、勤勉手 当の重複を防ぐため、新たに採用した支給義務者が支給することとされている。 ア 一般職員給与条例の適用を受ける職員 イ 県立学校給与条例の適用を受ける職員 ウ 熊本県企業職員の給与の種類及び基準に関する条例、熊本県技能労務職員の給与の種類及 び基準を定める条例、熊本県知事等の給与及び旅費に関する条例、熊本県特別職の秘書の給 与及び旅費に関する条例、熊本県教育長等の給与及び旅費に関する条例の適用を受ける地方 公務員 6 (3) 退職に引き続き次に掲げる職員となった者(臨時又は非常勤職員を除く) ア 特定独立行政法人の職員以外の国家公務員(人事委員会の定める者に限る) イ 特定独立行政法人の職員(人事委員会の定める者に限る) ウ 公庫等職員(国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)第7条の2第1項に規定 する公庫等職員及び特別の法律の規定により同項に規定する公庫等職員とみなされる者をい う。第6条第1項第2号ウにおいて同じ。)(人事委員会に定める者に限る。) エ 前号(1)から(3)までに掲げる者以外の地方公務員 オ 一般地方独立行政法人の役員 カ 退職派遣者(公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律(平成12年法律第 50号)第10条第2項に規定する退職派遣者をいう。以下同じ。)(人事委員会に定める 者に限る) 4 支 給 額 【一般職員給与条例第15条の5第2~4項・6の第2~4項】 【県立学校給与条例第17条第2~4】 【期末手当及び勤勉手当に関する規則第9条】 勤勉手当は、それぞれの基準日現在(退職し、死亡した職員にあっては、退職し又は死亡した日現 在)において、職員が受けるべき給料の月額(給料+給料の調整額+教職調整額+地域手当)に、任 命権者が人事委員会で定める基準に従って定める割合を乗じて得た額を支給する。 基礎給与額 支給率 期間率 在職期間 割合(%) 6月 5月15日以上 給料月額 5月以上 + 給料の調整額 + 教職調整額 100 4月以上 75/100 95 5月15日未満 90 4月15日以上 6月・12月 × 6月未満 × 80 4月15日未満 70 3月15日以上 3月以上 + 5月未満 4月未満 60 3月15日未満 50 2月15日以上 地域手当 2月以上 平成20年度から 75/100 3月未満 40 2月15日未満 30 1月15日以上 1月以上 15日以上 2月未満 20 1月15日未満 15 1月未満 10 15日未満 5 0 0 ※手当額算定の基礎額に、職の職制上の段階等に応じて、給与の20%以内の額を加算する(期末 手当及び勤勉手当に関する規則第4条の2)。 7 (1) 除算期間 在職期間の算定については、次に掲げる期間を除算する。 ア 停職者、臨時又は非常勤職員、未帰還職員、専従休職者、育児休業職員であった期間 イ 休職期間(ただし、公務傷病等であった期間を除く。) ウ 給与を減額された期間 エ 私傷病により勤務しなかった期間から、週休日、休日を除いた日が30日を越える場合には、 その全期間(30日を算定する場合土曜日の勤務時間が4時間なら4時間で計算する) オ 介護休暇の承認を受け勤務しなかった期間から週休日、休日を除いた期間が30日を越える ときは、勤務しなかった全期間 カ 部分休業(育児休業法の規定による)の承認を受けて1日の勤務時間の一部について勤務 しなかった日が90日を越える場合には、その勤務しなかった全期間 キ 基準日以前6ヶ月の全期間にわたって勤務した日がない場合には、その全期間 (公務傷病等の期間は除く) 凡例 事 ○:除算する 由 ×:除算しない 摘 年次休暇・特別休暇・公務傷病等 × 私傷病休暇・介護休暇 × ただし、週休日、休日を除 き30日を越える場合は○ 休職期間(公務傷病等によるもの) × 休職期間(私傷病によるもの)・停職期間・専従休職期間・欠 勤による減額期間・育児休業期間・全期間勤務がない場合(公 務傷病等期間は除く) ○ 部分休業期間 2 要 × ただし、勤務期間の一部に ついて勤務しなかった日が 90日を越える場合 ○ 算入期間 勤務期間の算出については、次に掲げる期間を算入する。 (1)一般職員給与条例又は県立学校給与条例の適応を受ける職員であった期間。ただし、その 期間の中に上記1に掲げる期間があるときは、上記1に準じて除算する。 (2)国家公務員又は他の地方公務員(引き続き採用されている者で委員会が通算することを認 められている者)であった期間。ただし、その期間の中に上記1に掲げる期間があるときは、 上記1に準じて除算する。 8 4 支給日 【期末手当及び勤勉手当に関する規則第14条】 期末手当の支給日は、別表の基準日に応じて、それぞれの支給日に支給される。だだし、支給日が 日曜日及び土曜日に当たるときは金曜日となる。 なお、基準日前1ヶ月以内に退職又は死亡した職員に対しても同日とする。 基 5 提出書類 準 日 支 給 日 6月 1日 6月30日 12月 1日 12月10日 第五号様式 期末・勤勉手当報告書 提出期限までに「期末・勤勉手当報告書」を作成する。 新規採用者で公務員として前歴が有り通算できる場合(上記三の2)については、前勤務先から前 基準日以降の勤務期間の証明書を添付する。又、私傷病休暇等により除算期間がある場合は、出勤簿 の写しを添付する。 備考の欄には、具体的事由及び期間等を記入する。 報告書提出後に内容に変更がある場合には、直ちにその旨を県事務所に連絡する。 9 期末手当・勤勉手当質疑応答 第1 制度関係 期末手当及び勤勉手当の性格 【問】期末手当及び勤勉手当はどのような性格の給与か。 《答》期末手当及び勤勉手当は、民間における賞与等の特別給に見合うものとして支給される給与 である。 このうち期末手当は、民間における賞与のうちのいわゆる一律支給分(又は期末一時金)に 相当する給与で、各職員の在職期間に応じて支給されることになっている。 これに対して、勤勉手当は、民間の賞与のうちの成績査定分に相当する給与で、各職員の勤 務成績に応じて支給されることとされ、このため具体的には職員の勤勉度を表す期間率と勤務 成績を示す成績率に基づいて手当額が決定されることになっている。 第2 1 支給対象職員関係 支給対象となる職員の範囲 【問】期末手当及び勤勉手当の支給される職員及び支給されない職員はどのようになっているのか。 《答》期末手当及び勤勉手当の支給される職員及び支給されない職員は次表のとおりである。 10
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