日本音楽表現学会 ニ ュ ー ズ レ タ ー 2004 J・M・・ E S No.2 2004年12月10日発行 目 次 1. 巻頭言「音楽表現のテーマ探究を巡ってのひとりごと」 ・・・・・・・・・・・・・草下 實 2 2. 「固定ド」それとも「移動ド」? 文献紹介「絶対音感はどこまで分かったか?」・・・・・・・・・・・・・・・・・・奥 忍 3 3. 会員の声 ・私にとっての音楽学・音楽表現学 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小西 潤子 5 ・京都教育大学附属高校のレクチャーコンサート ・・・・・・・・・・・・・・川口 容子 6 ・心打つ音楽表現を求めて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田島 孝一 7 4. 学会紹介─「日本電子キーボード学会」─ 5. 新入会員紹介等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 6. 会員によるコンサートのご案内 7. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 日本音楽表現学会第3回大会(マリンブルー大会)案内 8. マリンブルー大会発表申込書 9. 『音楽表現学』Vol.3 原稿募集 10. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・阿方 俊 8 会員のみなさまへ 11. 入会申込書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 12. コンサート等後援願い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 日本音楽表現学会事務局 〒700-8530 岡山市津島中3-1-1 岡山大学教育学部 奥研究室気付 Tel. & Fax. 086-251-7647 E-mail: [email protected] http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~eeakita/kitayama/OHG-index.htm 郵便振込口座:番号01370=6=78225 音楽表現学 会 銀 行 口 座:三井住友銀行 (0009) 岡山支店 (651) 日本音楽表現学会 (普) 6639449 1 【巻頭言】 音楽表現のテーマ探究を巡ってのひとりごと 日本音楽表現学会副会長 草下 實(声楽) 第二回日本音楽表現学会は会長の中村さんを始め,札幌の実施に当たられたスタッフの皆さまのご努力と 多くの会員の参加によって大成功であったことを報告するとともに,心より感謝する次第であります。 益々煩雑化する大学の仕事が連続する合間に,大学院で担当する「歌唱表現演習」なる授業で今年度,表 現教材として取りあげた山田耕筰の〈童謡百選〉の詩と音楽に関する解釈をするために,西條八十,北原白 秋,三木露風,川路柳虹,野口雨情などの詩の傾向や詩文学の当時の動向などを,疲れ切って曖昧模糊とし た思考回路を修復せぬまま,思いを巡らす一時,院生の課題研究のドビュッシー歌曲とヴェルレーヌの詩も まだまだ,やらねばならないことが山ほどある。「精神と肉体のバランスが崩れてきている。」こんな時は 全てのエネルギー衰退して行くのが私の常である。脳のシナプスがパニック連鎖を起こしているに違いな い。 今,「私は何をしようとしてるんだっけ?」自分自身に問いかける。白秋の柳川方言と耕作の旋律,日本 語の抑揚(高低)との連関,文芸運動と〈早稲田詩社〉の結成や雑誌〈赤い鳥〉の創刊,それが山田耕筰の 作曲活動と…「おっと,何を調べているのか?」の繰り返し,未整理のまま唐草模様のように絡みつく詩の 世界,フランス文学の専門家の西條八十が何故,こんな詩(西條八十著〈西條八十詩謡全集〉千代田書院 S,10)を…,「民謡や歌謡,えっ,東京音頭まで,あぁ,ますます,わからない。」,そうか八十は〈アル チュール=ランボオ研究〉を手がけているのか…。「うむ,ランボオと言えば,さっき読んでた何かに出て きたよな,確か??(自問自答)」,「まぁ,いっか(良クナイ,良クナイッスヨ)」,それは直前に手に していた堀口大學訳〈ヴェルレーヌ詩集〉(新潮文庫 平成元年)である。フランス象徴派の詩人ランボー (Jean Arthur Rimbaud 1854-1891)の詩稿《酔いどれ舟》を読んだヴェルレーヌはこの若き不世出の詩 人に感銘を受け,「来たれ,愛すべき偉大な魂よ,余はおん身を待ち,余はおん身に焦がる」という熱烈な 書簡(前掲著 p.246)を送っている。その後,人を人とも思わぬランボーの行動はヴェルレーヌ以外には 受け入れられなかったとある。ヴェルレーヌ自身もランボーを後年「わが悪霊」と呼ぶに至っている。詩文 学の世界も複雑である。ヴェルレーヌ自身の人生も苦渋の日々であり,その人生があの優雅な感覚に富み, 独自の音楽的構成を駆使した斬新な形体の詩を育んだとされている。こうしてみると文学的な解釈もそうそ う簡単にできるものではない。それは前掲の日本の詩人による作品についても同様である。詩人にとって, 言葉は単にその語意を伝えるだけではなく,象徴する詩情をも重ね合わせているからである。 私はこのようなゆったりとした時を過ごすのが大好きである。そのことを考えると西條八十の〈ねぎぼう ず〉のような牧歌的心情を謡った詩は私の望む世界なのかも知れない。また,支離滅裂な思考の中に音楽表 現に関わるヒントが見出せるかも知れぬなどと自身を励ます毎日である。 学会のニューズレターもこれで第4信となる。こんな止めどもない話しができる仲間を全国に持てること は幸せであります。第三回の開催地,静岡でまた皆さまにお会いできる日を今から楽しみにしております。 2 【文献紹介】 あなたは 固定ド? それとも 移動ド? ───宮崎謙一:「絶対音感」はどこまで分かったか?─── 【日本音響学会誌60巻11号】小特集─音楽音響における最近の話題─ (2004,pp.682-688) 奥 忍(音楽教育学) 【はじめに】 「絶対音感(absolute pitch)」。ちょっと気になる言葉である。宮崎氏によると「単独の音の音高を, 他の音高を比較参照することなしに音楽的音高名で即座に同定することができる能力」と定義づけられる。 この小論は,多くの実験結果がコンパクトにまとめられ,音楽表現を実践し,研究する私たちにとって表現 の基となる音楽認知について多くのヒントを含んでいるのでこの場を借りて紹介したい。以下「AP」は 「絶対音感」,「RP」は「相対音感」を表す。 本小論は「1. 絶対音感の概念と定義」「2. 絶対音高の認知」「3. APと相対音感」「4. AP保有者 の音程の知覚」「5. AP保有者のメロディの知覚」「6. 音高と音高シラブルに見られる聴覚ストルーブ現 象」「7. APの起源」「8. AP類似の現象─潜在的AP」「9. 要約」からなっている。ここでは「3」∼ 「5」の部分を中心に紹介する。 【APと相対音感】 宮崎氏は「音楽的に不可欠なのは,音階や調整などの音高の枠組みの中で音の高さを相対的にとらえる能 力であ」るとし,その基礎としてRPを位置づけている。「相対性が音楽的音高の本質的特徴である」ので 「APは音楽にはなくてもかまわないといえる」と述べる。次に「APを獲得したためにRPの完全な発達が阻 害される可能性が生じる。このようなことがあるとすると,APは非凡な能力と言うよりは,むしろ音楽的 には能力の欠如を意味することになる」と述べる。 【AP保有者の音程の知覚】 上述の仮説は実験とその結果によって検証される。テストはハ長調,嬰へ長調,ホ音よりも1/4音低い音 を主音とする3種の調における短3度,長3度,完全4度の聞き取りである。テストの結果,非AP群では 全員がどの調性条件でも同じくらいの正答率を示した一方で,AP群ではハ長調以外の調で明らかに正答率 の低下を示した,とされている。 【AP保有者のメロディの知覚】 移調されたメロディ知覚の実験では,短いハ長調の標準メロディに対して,1音だけを変化して上記の3 つの調に移調した比較メロディが用いられた。結果を要約すると以下のようである。 ・同一調(ハ長調)ではAP群と非AP群の両群で判断の正確さはほとんど上限に近く達した。 ・移調条件では,両群とも再認成績が低くなったが,特にAP群の方がより不正確な反応を示した。 ・標準メロディだけを楽譜で示し,比較メロディを聴覚的に示すテストでは非AP群がどの調整条件でもほ とんど同じくらい正確に判断したのに対し,AP群では移調条件で判断が不正確になった。 このことから宮崎氏は「AP保有者はメロディの知覚においてもAPを用いる傾向があり,それが有効に機 能しない移調されたメロディの比較では,遂行成績に著しい低下を生じる場合がある」と述べている。 3 【宮崎論文から私が得たこと】 日本では音楽の専門教育をピアノから始める場合が多い。しかも白鍵を中心にした教則本を用いるため に,学習者の音高認知のスキーマはいわゆる「固定ド」に固定化されてしまう場合が多い。しかしながら 「固定ド」唱者が必ずしもAP保持者とは限らない。聴取に限れば,ピアノの音に限ってハ調読みのドレミ に聞こえる者も少なくないようである。「固定ド」を用いる者のなかでも,宮崎小論にあるように,「不正 確なAP」「潜在的AP」などその様相,程度は実に様々である。 しかし,いずれにせよ「固定ド」唱者が「移動ド」唱者よりも早期から長期間にわたって演奏訓練を受け ている場合が多いために,一般には,より優れた唱法は「固定ド」であると思いがちである。このような状 況の中,音楽認知のスキーマが相対的にできている者の中には,ある種の劣等感にさいなまれながら「固定 ドによる階名」をまるで「歌詞のシラブル」のように視唱する努力を重ねている者も存在する。そもそも 「固定ドによる階名」というとらえ方自身が矛盾に充ちたものではある。 一方,学校教育では『学習指導要領』で「移動ド」唱法で読譜をすることになっている。しかし,最近で は読譜はほとんど行われず,聴唱法で学習が進められている。このことは「固定ド」教育を受けてきた音楽 教員が「移動ド」読みを教えることに感じる抵抗感とも関係しているように思われる。 移動ドによる階名唱法と音名唱法とを並行して学校教育に導入している英語圏諸国では,ある段階からは 母音唱や「 la 」唱を用い,音楽認知の内面的なスキーマを本人に任せているところも多い。 ここで私は「音楽の音高体系は本来絶対的なものではなく,メロディや和声のような音楽的事象は相対的 な音高関係の上に成立する」ことに立ち戻りたい。これが原点であることは,ヨーロッパに点在する多くの オルガンのピッチや「A=440Hz」の国際高度を思い出せば,実に明白である。 世界にはさまざまな音高認知,ソルフェージュの学習体系が存在する。それらも含めて,相対的なスキー マ獲得のための学習の道筋が,現在の音楽教師と子どもたちのために明確化される必要を痛感する。宮崎氏 の小論は,引用文献も含めてそのための基礎データを豊富に示す貴重な文献である。 4 学 会 員 の 声 私にとっての音楽学・音楽表現学 小西 潤子(音楽学) 初対面の方などに,私の専門分野「音楽学」について尋ねられると,いつも説明に困り ます。『音楽中辞典』には,「音楽についての学問的アプローチの体系を総称する概念」 (海老澤敏 2002)と記載されていますが,このまま答えてもなかなか理解を得られませ ん。そこで,「音楽学」の説明をあきらめて,今取り組んでいる仕事を具体的に話すこと になります。つまり,この何年かは学際的・国際的な地域共同研究に参加して,日本植民 地時代以後を中心とするミクロネシアの音楽芸能,およびその小笠原諸島への伝播の経緯 などに関する調査研究や音楽芸能そのものを発展させるための支援活動を行っていること などです。これが典型的な音楽学研究とは決して思いませんが,相手の方は「そういう研 究もあるのか」と,少しは納得してくれます。 もし,このような調査研究活動と音楽表現学との関係を追及されたならば,ますます説 明し難くなります。たとえば,「音楽芸能そのものの発展支援をするために,その基本を なす音楽表現を学問的に究明する必要がある」と言えたとしても,それは音楽学の範疇を 超えない程度になります。実は,私が音楽表現学において追究したいのは,私にとっての 音楽学研究の延長上のものではなく,「音楽表現」によるコミュニケーションなのです。 勤務先の教員養成学部では,専門分野の研究と教員をめざす学生の関心をうまく接合さ せることはもちろん、地域貢献,国際交流などのさまざまな仕事も短期間でバランスよく こなすことが求められます。そうした学内外での人と人との出会いの場面で,音楽表現を 中心に据えると円滑なコミュニケーションが成立します。のみならず,音楽表現によるコ ミュニケーションは,日常的な研究教育を推進する原動力を与えてくれます。その実態調 査研究や実践を蓄積しつつ,学問的アプローチを行うこと―これが,現在の私にとっての 音楽表現学研究の目標なのです。 5 京都教育大学附属高校のレクチャーコンサート 川口容子(ピアノ) 毎年12月に開催される京都教育大学附属高校のレクチャーコンサートは,今年で7回目を迎え ます。クラシックの器楽アンサンブルを中心に行うこのレクチャーコンサートは,新学期初めに 出演希望者を募り,全員顔合わせをし,曲目の合意をし,8∼10回の指導で演奏会の体裁を整え て発表してきました。その提案者である私は,ボランティアの指導者として当初から関わってき ましたが,このようなことができるのは,無論,附属高校の先生の献身的なご協力があるからで す。 プログラムは,ソロ演奏はしないことを原則にしており,希望者全員を演奏時間90分位の一つ の音楽会の中に出演させるための曲目を考えます。年度によって,希望者の人数も希望する楽器 も違いますので,プログラムを組み立てるのには苦労します。私は,自分自身が演奏活動をする ことが,学生によい教育をし,その教育を不断に改善していくために必要であると思ってその都 度レパートリーを広げてきましたが,その演奏経験が,思いもかけず生きています。附属高校は 普通高校であり,進学校ですから,生徒の音楽レベルはまちまちですが,指導をしてみると,ス ポンジが水を吸い取るように,見違えるように上達しますし,音楽の理解が深まっていきます。 また恐ろしいほど指導者に似ます。 閑話休題,私は本年10月末から11月始めにかけて,ミュンヘン国立音楽大学のローデンホイ ザー教授(ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮時代のベルリンフィルの首席クラリネット奏者) をお招きして,京都,浜松,東京で開催した3つの室内楽コンサートで共演し,大阪音大,京都 市立音楽高校、 武蔵野音大における氏の公開講座を聞かせて頂きました。氏の演奏は本当に素晴 らしいものでしたが,公開講座もまた聞かせるものでした。氏が云われたのは,音楽をするに は,無論,テクニックを磨かなければならない,指は滑らかに動き,音色も思いのままに操るこ とができ,それからアーティキュレーション,スタッカート,美しい響きが出せなければならな い,しかし,ただ単純にテクニックを練習するのではいけない,テクニックとは,目的に達する ための一つの手段にすぎない,楽器も一つの補助手段であり,中核は楽器の手を借りて,私が音 楽をすることなのだと。因に氏が音楽家として,生きていくことを決めたのは高校卒業試験を終 えてからだそうです。高校では勉強も常にクラスのトップであり,学校以外の自由な時間に,音 楽だけでなく,他の勉強もし,それらのすべてを常に結びつけようと試みていた,音楽の道に入 ってからも,依然として,時々他の可能性,例えば,医学に進む道もあるのではないかと考えた ことがあるが,そうこうしているうちに,若くしてベルリンフィルに入団することが決まり,そ の後は進路を変える理由も無くなったとのこと。 私自身,忙しい本業の間のボランティア活動は,正直なところ,精神的にも身体的にもきつい のですが,柔軟な頭と心をもった高校生に接するのは,私のfaculty developmentの個人版と考え ています。彼らに「私が音楽をすること」の喜びを味わって貰い,それが他の勉強を促すことに なればよいと思っています。 6 心打つ音楽表現を求めて 田島孝一(作曲・音楽教育・音楽文化) 第2回・ライラック大会から参加させていただくことになりましたニューフェイスで す。どうぞよろしくお願い致します。作曲、ピアノ指導法と音楽教育、さらに音楽文化 を中心に研究活動を進めてきましたが,音楽を聴くことが好きでこの道に入ってしまっ た私にとって,心に語りかけてくれない演奏が多い昨今の状況に生き心地の悪さを感じ ています。 これまで30年近く、専門でない一般学生たちと、邦楽を含めた鑑賞を主とした音楽概 論という授業を通して接してきて,音楽の・・授業・・嫌いがいかに多いかを痛感しま すが,興味を持つ前にあれこれ教えすぎる「教育の弊害」だと思えてなりません。もし そうならばその先生は,果たして本当に音楽がお好きなのだろうかと疑問に思ってしま います。 それにしても、先生の卵である音大生やその延長上にある演奏家たちのそう思わざる を得ない演奏,機械的で無味乾燥なピアノ演奏の何と多いことか。音楽はもともと言葉 と同じルーツを持つものなので,語りかけの感じられない表現力の乏しい演奏は,自己 満足かやっつけ仕事だとしか思えないため,いたたまれず何度コンサートホールを途中 で逃げ出したことか。一番ガマンならないのは,同じ音量の音符をいくつも羅列させる 演奏です。もしこれが言葉なら,そんな機械がしゃべるような話し方は決してしないで しょうに。人間(に限らず)の話し方には、自然な強弱や空間的な間がありフレーズ感 があります。だからこそ表情豊かに聞き手にその感情が伝わってくるのでしょう。 これまで,日本人の演奏に無表情な音符の羅列が多い原因は,一つには強弱アクセン トを持たない日本語を話す民族だからだと考えてきました。ところが最近,欧米人の若 手の中にもそれと同じような,加えてスピード競争の様な「見事な」テクニック中心の 演奏を耳にすることが多くなり困っています。もしかしてこの原因は,基本的に強弱変 化が少なく等音量の拍を打つロックやポップスの影響か,はたまた音楽の機械文明化か と思ってみたりするのです。どなたかこの解答を教えていただけるとありがたいのです が。 7 学 会 紹 介 この秋,新しい学会が発足しました。設立に尽力された本学会会員, 阿方俊さんから設立大会レポートを寄せていただきました。 「日本電子キーボード学会(J.E.K.S.)」設立大会レポート 阿方 俊(電子オルガン音楽・教育) 電子鍵盤楽器は,①電子ピアノ,②電子オルガン,③シンセサイザーなどいわゆる一段 電子鍵盤楽器に分類されますが,これらに特化した「日本電子キーボード学会(J.E.K.S. =The Japan Electronic Keyboard Society)」(代表/吉田泰輔・国立音楽大学理事 長)の設立大会が,10月2日、昭和音楽芸術学院で開催されました。参加者75名。 現在,電子楽器が音楽活動のあらゆる分野に関わりをもつ時代になりましたが,一方に おいて,電子鍵盤楽器に関する学会が存在していませんでした。このようなアンバランス な現実を踏まえ,今回,「日本電子キーボード学会」の設立大会が開かれたことは意義深 いものであると考えられます。以下,当日のプログラム。 あいさつ ・学会発足のきっかけと経過 下八川共祐/昭和音楽大学理事長 基調報告 ・音楽文化における電子楽器のもつ意義と課題 吉田泰輔/国立音楽大学理事長 ・日本電子キーボード学会の必要性とその役割 高萩保治/東京学芸大名誉教授 研究発表 ・電子オルガン音楽の現状と課題 朱磊(チュウ・レイ)/上海音楽学院副教授 ・MLの学校教育における可能性 大串和久/埼玉県立鴻巣女子高校教諭 ・小学校における電子楽器を活用した効果的授業 初山正博/区立上北沢小教諭 研究協議 ・参加者発表・協議 学会の研究内容の大きなくくりは,電子鍵盤楽器に関する創作・演奏,教育,学際的分 野のジャンルで,専門教育から学校教育や生涯教育などに及びますが,特に演奏分野にお いては,本学会とも関連してくるものと思われます。よろしくお願い申し上げます。 ご質問およびお問合せ先 〒215-0004 神奈川県川崎市麻生区万福寺1-16-6 東成学園内 阿方 俊 E-mail:[email protected] 8 新入会員名簿(敬称略,アイウエオ順) PDF版ニューズレターでは 個人情報にかかわる部分を削除しています 会員によるコンサート案内 Masako Takahashi Soprano Recital 高橋昌子ソプラノリサイタル2005 2005年3月19日(土) 16:00開演(15:30開場) 岡山大学創立五十周年記念館 ピアノ 伊藤幸子 全自由席 2,000円 プログラム Giovannni Paisiello Nel cor ùpi non mi sento Piangerò la sorte mia Georg Friedrich ändel H from Opera“Julio Cesare in Egitto ” Ich wollt ein äusslein Str binden, Op.68 No.2 Richard Strauss I Hate Music! (A Cycle of Five Kid Songs for Soprano) Leonard Bernstein Jeanie with the Light Brown Hair (after Stephen Foster) arranged by Ned Rore m Piangete voi? ∼Al dolce guidami castel natio Gaetano Donizetti from Opera“Anna Bolena ” 歌をください 中田喜直 うぬぼれ鏡 平井康三郎 ・・・他 後援:岡山大学教育学部音楽教育講座、中国二期会、朝日新聞社岡山総局、山陽新聞社、岡山 日日新聞社、NHK岡山放送局、愛知県立芸術大学音楽学部同窓会、日本音楽表現学会、日本 演奏連盟。 お問い合わせ:高橋昌子リサイタル実行委員会 Tel/Fax 086-251-7648 E-mail [email protected] 9 日本音楽表現学会第3回大会 マリンブルー大会 2005年7月2日(土)-3日(日) 発表募集中! 静岡 研究を交換しましょう 音楽表現学会第3回大会(マリンブルー大会)発表申込書 音楽表現学会第3回大会(マリンブルー大会)に発表を申し込みます。 氏 名: 発表題目: 所 属: 連絡先: 連絡先電話番号: 連絡先Fax.番号: e-mail アドレス: 10 『音 楽 表 現 学』 Vol.3 原 稿 募 集 !!! Vol.3の原稿応募締め切りは2005年6月30日です。 『音楽表現学』Vol.2,お手元に届いているでしょうか。 いかがでしたでしょうか? ご意見・ご感想を事務局経由でお送りいただければうれしく存じます。 編集委員会ではVol.3 の準備に取りかかります。 みなさまの投稿をお待ちしています。 学会は会員の音楽活動・研究活動をサポートします。 ★研究発表の場の一つが機関誌『音楽表現学』です。 ★大会の口頭発表は,音楽表現学会ならではの表現力を駆使して, 文字だけで伝えられない音声を用い,これまでの研究を発信できる場, それを参加者一同が共有できる場です。 ★ニューズレター「会員の声」は,会員の日頃の想い,印象の交流の場です。 様々な専門分野の,様々な立場の会員に原稿執筆をお願いしています。 ★ニューズレター「会員によるコンサートのご案内」では, 各種の演奏,ワークショップ,イベントなどの活動紹介を行います。 これらの活動を学会は「後援」します。 みなさまの活動を,ニューズレター最終頁の「後援願」の様式で, どしどしお寄せ下さい。 「後援」によって音楽界における学会の知名度を上げることができます。 また,学会員増加にもつながります。 みなさまの学会です。大いに利用してください。 学 会 費 納 入 の お 願 い 学 会 は 会 員 の 学 会 費 に よ っ て 運 営 さ れ て い ま す。 会計年度は4月に始まって翌年3月に終わります。 現在,2004年度会費未納の方がいらっしゃいます。 発足後間もないこの学会で,学会費が滞ると活動に敏感に響きます。 ご協力をよろしくお願いいたします。 11 音楽表現学会入会申込書 音楽表現学会に入会を申し込みます。 氏 名: 専門分野: 住 所: 所 属: (会員名簿に住所を記載しない場合の) 連絡先: 連絡先電話番号: 連絡先Fax.番号: e-mail アドレス: 推薦者名(1名) 音楽表現学会に期待されること。ご意見等: *学会費:正会員 5,000円,学生会員 3,000円 郵便振込口座:番号01370=6=78225 音楽表現学会 銀行口座 三井住友銀行 (0009) 岡山支店 (651) 日本音楽表現学会 (普) 6639449 コ ン サ ー ト 等 後 援 願 会員氏名 所 属 演奏会等催の名称 趣 旨 主な内容 出演者名 期 日 会 場 日本音楽表現学会 役員 会 長:中村隆夫 副 会 長:草下 實, 奥 忍 理 事:安藤政輝, 小西潤子, 森川京子, 柳井 修 会計監事:川口容子, 吉永誠吾 編集委員:◎安田 香,○北山敦康 加藤富美子,権藤敦子, 土門裕之, 編 集 後 記 本号では新しい試みとして【文献紹介】と【学会紹介】を載 せました。ニューズレターでは,音楽表現に関する内外の最新 情報も提供していきたいと思います。興味を抱かれた研究や書 籍,コンサートやイベント等の新しい試みがありましたら,ど うぞ事務局までお知らせ下さい。 あっという間の2004年ももうすぐ過ぎようとしています。 みなさま,どうぞよいお年をお迎え下さい。 (奥 忍 記) 12
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