4.有機系廃棄物のリサイクル計画 どのようにして事業としてのリサイクルを進 めていくかについて 4.1 リサイクルの概念 有機系廃棄物とは・・・ ① 生物が手を加えることで再生産ができる資源 ② 都市が代謝するシステムなので、大事な資源 概念・・・廃棄物を、製品をつくるための材料として 利用する。 効果:①廃棄物として処分する量を削減できる ②新しい材料を使用する量を削減できる 4.2 計画策定のプロセス 概念を聞き、リサイクル(計画を作成)したほう が良いと思うが、計画についての現状は? 実はすでに骨組みはできている しかし、内容は中間処理や最終処理が主 再利用が主となる計画の骨組みは不完全 循環型社会形成推進基本法(H12.4/14公布、施 行) のもと、地域での計画策定がもとめられていくと予測 その際の参考例 A.社会のニーズ •新規性 •包括性 ①構想計画段階: B.技術開発の動向 C.制約条件 •地域性 ②基本計画段階: 構想計画の絞込み •技術面 •社会面 ③実施段階: 具体的な政策 •数値目標 4.3リサイクル計画を策定する際の例題 (グリーンコンポスト計画検討における調査の流 れ) ①原料剪定枝の発生量 ②農家が必要としている有機堆肥の量 ③リサイクル施設の規模を設定 ④つくられる有機堆肥の品質管理について ⑤その他リサイクル施設設計に必要となる条件 ※④について、夾雑物の少ない有機系堆肥を確保 できるかが重要 4.4リサイクルシナリオの評価方法 1)費用対効果分析 費用をかけて事業等を行う際、それによって 発生する効果額を上回るか否かについての分 析を行う 具体的、客観的な評価をするためには指標が必要 指標・・・(純現在価値、費用便益比、内部収益率) ①純経済価値(NPV) 数年にわたる事業により得た便益から、事 業に使った費用を差し引いたものを割引 率で割り戻したもの。 純現在価値=(総便益−総費用)の現在価値 ※便益:事業を行う事で発生する効果のうち、客 観的に把握でき、お金に換算できるもの ②費用便益比 事業により得た便益から、事業に使った 費用を割り、割引率で現在価値換算し たもの 費用便益比= 総便益 総費用 ③内部収益率(次式のρ) 収益の現在価値換算したものを投資額 に等しくするための割引率 例:今期X円の投資が来期にY円に なるとする X=Y÷(ρ+1) ※内部収益率が高いと利益が高いことを示す 現在価値 将来生み出される価値を、現時点での価 値に換算したもの ※今100万円を1%の金利で貯金すれば 1年後には101万円になる。逆に言うと 金利1%で1年後に101万円のものを 現在価値に換算すると100万円となる 2)ライフサイクルアセスメント 一つの製品が製造・使用・廃棄または再利用され るまで、全ての段階での環境への負荷のみを評価 する方法 n 環境負荷=∑OUi・Pi i=1 OU=評価の対象プロセスから排出される成分の原単位 Pi=評価対象プロセスIの総量 ※基本的に負荷の指標としてCO2が使われるが、 有機系廃棄物を対象とした場合、NH3、CH4等 を指標とすることもある。 4.5 事業形態の評価 1)事業形態 自給自足型が主流 行政主体型は横浜市と鎌倉市のみ ①行政が施設整備、運営 事業が可能な形態 ②民間企業に委ねる ③企業・民間連携 2)評価の手法 ①技術的実行可能性 有機系廃棄物を入れて再生品を生産する ためのプロセスがつくれるかどうか ②社会的実行可能性 事業主体の特性を考えたうえで、収益事 業として成り立つか否かを検討 4.5・1 事業形態の評価 第1段階 計画条件の検討 (既存の事例を調査、現地調査を行う) 調査内容: ①対象廃棄物 ②排出地域 ③再資源化製品の需要 第2段階 計画条件のシステム分析 ①技術の信頼性 ②費用 ③安定性 第3段階 システムの健全性を評価する ①システム設計に必要な精度の廃棄物排出動向 ②再生資源の需要のメカニズム 第4段階 候補となる事業の絞込み ①実際の用地確保の可能性 ②事業主体の想定 ③必要な財源を確保する 評価方法 費用便益分析 費用有効性分析 LCA 4.5.2事業評価の指標・あり方 ①現在価値・費用便益比・内部収益率で評価 ②金銭に置き換えられない部分をライフサイクル アセスメントで評価 経済効率性をベースに専門家や意思決定者によ る判断でなく、市民への「知られた上での合意」が 保証されるような決定の過程がこれから必要
© Copyright 2024 Paperzz