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2012年5月号
発行 小林製薬株式会社 広報部
本社 〒541-0045
大阪府大阪市中央区道修町4-4-10
KDX小林道修町ビル
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特 潜在ニーズを掘り起こす小林製薬の「暑さ対策」
集 - 夏の暮らしの“快”に向けて -
1.7倍 に拡大
》 小林製薬グループの 暑さ対策製品は 27アイテム にまで増加
》 2011年度の 「暑さ対策市場」 は前年の
熱さまシリーズ
クールシリーズ
熱中対策シリーズ
小林製薬ニュースレター
「暑さ対策市場」をいち早く創造し、
市場を牽引してきた小林製薬
お客さまの意外な使用実態から、
暑さ対策という新市場を創造した小林製薬
このように今ではすっかり定着した暑さ対策製品で
時代の変化とともに
「暑さ対策」が生活の重要なテーマに
すが、市場が形成され始めたのは、2000年を過ぎた頃
からで、2005年に環境省がクールビズを提唱したこと
近年、地球温暖化などにより、夏の猛暑化が続
で急成長した比較的新しい市場です。
いています。気象庁の経年データ※1によると、都
小林製薬が「暑さ対策」に着目したのはクールビズが
市の規模に関わらず猛暑日・熱帯夜の日数が増加
提唱される7年も前の1998年になります。きっかけは、
しており、夏の暑さは都心部だけの問題ではなく、
発熱時に額に貼る「熱さまシート」の発熱時以外の使
全国的な社会問題に発展しています。
われ方を見つけたことでした。これが小林製薬の暑さ
(※1 気象庁「ヒートアイランド現象に関する知識」)
対策提案の第一歩となりました。
また、昨年は東日本大震災の影響による深刻な
その後は、家事をする主婦や、アウトドア時の子ど
電力不足によって、多くの生活者が節電を余儀な
くされました。弊社が2012年4月に実施した生活者
もに着目した製品、クールビズの普及とともに、ビジ
調査※2では、8割もの方が今年も節電を実施すると
ネスシーンに着目した製品など、さまざまな生活シー
回答しており、「節電の夏」は今後も続くことが
ンにおける暑さ対策製品を提案し続け、市場を形成し
予測されます。
てきました。その結果、現在では27アイテムもの暑さ
対策製品を揃え、頭から足の先まで、生活シーンにあ
(※2:弊社生活者調査 20~40代男女N=618/2012年4月)
わせた暑さ対策を提案しています。
このような状況を背景に、生活者の中で、夏場
の暑さ対策製品への関心も急激に高まりを見せて
暑さ対策製品 市場創造のあゆみ
います。実際に「暑さ対策市場」の推移を見てみ
年
ると、2011年度は前年比で1.7倍と大幅に伸長し、
1995
1996
1997
75億円規模にまで拡大しました。
暑さ対策製品を活用して、涼しく過ごすことは、
社会動向
ユーザー調査で熱さまの新たな用途を発見
<環境省がクールビズを提唱する7年前>
1998 熱さまシートを暑さ対策製品として店頭で宣伝
もはや夏の生活習慣の一つとなっていると考えら
1999
「熱さまシート」が暑さ対策製品として定着
2000 熱さまシートの売上げが夏・冬で同じに
2001 桐灰化学が小林製薬グループに加わる
2002
2003
社会的に暑さ対策へ
2004 熱さまシート「寝苦しい夜には」TVCM開始
関心高まる
夏の家事を応援する
2005
環境省クールビズを提唱
暑さ対策専用製品が誕生
れます。
暑さ対策市場の推移
前年比
170%
(億)
75
80
小林製薬グループの動き
1994 熱さまシート発売
熱さまひんやりシリーズ発売
(第一弾は首もとベルト)
桐灰化学から新たな
暑さ対策製品が発売
2007 熱中対策発売
2006
60
44
20
シャツクール
ヒット!!
シャツクール(近畿地区限定)発売
2009
熱さまひんやりヘアバンド発売
2008
40
28
20
24
2010
0
07年
08年
09年
10年
シャツクール全国発売
熱さまひんやりジェルマット発売
節電需要に備え
暑さ対策製品 生産増加
2012 熱さまひんやりお出かけスカーフ発売
2011 靴クール発売
11年
各年度は3月~9月までの累計 市場定義:氷枕関連(枕・首もと・ヘアバンド)、
冷却ジェル・マット+シャツ用冷却ミスト売上
※小林製薬調べ
クールビズ実績率が61.8%に※3
暑さ対策製品
需要高まる
記録的な猛暑
暑さ対策製品
売切れ続出
大震災・節電意識の向上
暑さ対策定着
※3 環境省:平成23年「わが国の温室効果ガス排出量の現状分析及び
京都議定書目標達成計画の進捗状況の点検について」
1
2012.5.17
小林製薬ニュースレター
小林製薬の「暑さ対策」提案
「寝苦しい時」「暑さしのぎに」「リフレッシュした
■ 「熱さま」シリーズ 1994年~
い時」「勉強で集中する時」など、発熱時以外のさま
「発熱時対策」から「暑さ対策」へ
お客さまの使用実態から新たな需要を喚起
ざまなシーンで、使われていることがわかりました。
小林製薬ではこうしたお客さまの工夫をヒントに、
「熱さまシート」の新たな価値提案に挑戦しました。
こうして、1998年「寝苦しい夜には熱さまシート」と
いうメッセージで、就寝時の暑さを緩和し、快適に過
ごす新しい使い方の提案をスタートさせたのです。こ
の結果、夏場の需要が伸長し、発売当初の1995年度は
冬場(下期)の売上が売上全体の66%を占めていまし
たが、 2000年度には夏場と冬場の売上がほぼ半々と
なりました。直近の2011年度には、夏場の売上が61%
「暑さ対策市場」創造のきっかけとなった「熱さま
を占めるまでに拡大しています。また、2012年は冷感
シート」は、発熱時の額用冷却シートとして1994年に
成分を通常タイプの3倍に増量した強冷感タイプを数
誕生しました。「熱が出た時、ぬれタオルがずり落ち
量限定で発売し、「熱さまシート」の夏場使用の提案
て煩わしい。貼るタイプの冷却シートがあれば、便利で
を強化しています。
はないか。」というアイデアから生まれたこの製品は、
また2006年からは、夏場も調理やアイロンがけな
多くの生活者に受け入れられ、「熱が出たら冷却シート
ど、暑さを伴う家事に従事する主婦に向けた「熱さま
をおでこに貼る」という新しい習慣を作りました。
ひんやり」シリーズを展開し、主に家の中で使用する
この「熱さまシート」に新たな転機が訪れたのは、
アイテムを拡充してきました。2012年は「熱さまひん
生活者の使用実態調査でした。どんな場面で、どんな使
やりおでかけスカーフ」を発売し、家庭や家の近所に
い方をされているのか、使用実態を細かく見てみると、
おける暑さ対策製品として提案しています。
「熱さまシート」 上期(夏場)・下期(冬場) 売上比率
下期
上期
100%
39%
66%
80%
50% 53% 54%
60% 55% 60% 58%
44%
43%
50% 46% 47% 45%
38% 38%
60%
「熱さまシート」を夏の暑さ対策製品
として紹介したTVCM(2004年~)
40%
夏場需要の拡大
50% 47% 46%
40% 45% 40% 42%
20%
56%
57% 62% 62%
50% 54% 53% 55%
61%
34%
0%
9
5
年
度
9
6
年
度
2
9
7
年
度
9
8
年
度
9
9
年
度
0
0
年
度
0
1
年
度
0
2
年
度
0
3
年
度
0
4
年
度
0
5
年
度
0
6
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度
0
7
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度
0
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年
度
0
9
年
度
1
0
年
度
1
1
年
度
2012.5.17
小林製薬ニュースレター
短い」などの未充足ニーズを抱えていることが
■ 「クール」シリーズ 2009年~
わかってきました。(2008年弊社調べ)
ちょうどこの頃、小林製薬には、冷感成分のメン
クールビズとともに成長
ビジネスマンの”あったらいいな”に応えた製品が誕生
トールに着目し、暑さ対策に使えないかと可能性を模
索していた開発者がいました。メントールは乾いた状
態だと冷感がなく、水分を含むことで冷たく感じると
いう特徴があります。暑くて汗をかいたときだけ冷た
く感じる方法を実現させるため、さまざまな形状を検
討し、「衣類に直接吹き付けるスプレー」という形状
にたどり着きました。その後は、従来の暑さ対策の不
シャツに吹きつけると、汗をかくたびにひんやり感
満に挙げられていた冷感の持続性、そして感じ方の個
じて、冷感が持続する「シャツクール」は、ビジネス
人差、衣類の素材との相性といった課題をクリアし、
マンに向けた暑さ対策として2009年に誕生しました。
新しいタイプの冷感スプレー「シャツクール」が誕生
ちょうどクールビズの波により、体に吹き付ける冷感
しました。
スプレー市場が急成長していた頃です。そうした中
「シャツクール」は、2009年に近畿地区でテスト販
で、生活者の実態を調べていくと、ビジネスシーンの
売されると瞬く間に人気を博し、翌2010年には全国展
暑さ対策として「制汗スプレー」や「フェイスシー
開、2011年は節電による特需で7月には品薄状態とな
ト」などを使用している一方で、「効果の持続時間が
りました。また当初は、男性向けの製品として発売し
ましたが、女性や子どもの使用も多いことに着目し、
衣類用冷感スプレー 市場推移
現在では、メントールの量の異なる3アイテムを展開
(百万円)
2000
しています。また、「クール」シリーズ
16億円
として、2011年には靴を脱げないビジネ
1500
スマンの靴の中のムレに着目した
1000
500
4億
「靴クール」、2012年には
前年比
約3.5倍
暑さを感じやすい頭のムレ
に着目した「ヘッドクール」
を発売し、暑さの未充足ニー
0
10年度
11年度
ズへの提案を続けています。
※小林製薬調べ
生活者調査(N=100/2008年6月)
暑さへの現対処法
制汗スプレー
42%
フェイスシート
クーリング素材のワイシャツ
68%
汗は抑えられない
43%
22%
濡れタオル
瞬間冷却スプレー
効果の持続時間が短い
39%
ボディシート
熱冷却シート
現対処法の不満点
全身は涼しくない
20%
36%
あまり冷えない
16%
31%
携帯しにくい
15%
12%
すぐに冷えない
22%
13%
※小林製薬調べ
3
2012.5.17
小林製薬ニュースレター
■ 「熱中対策」シリーズ 2007年~
これからも続々と
新しいお役立ちを開発していきます
“アウトドア”での暑さ対策をラインナップ
蒸し暑い中でも、体に熱を貯めない工夫を提案
小林製薬グループでは、お客さま・社会にお約束し
ている「“あったらいいな”をカタチにする」を実現
するために、「熱さま」シリーズ、「クール」シリー
ズ、「熱中対策」シリーズの3つの暑さ対策製品で、
これからもグループ総力をあげて、夏場の“快”を提
供する製品を開発してまいります。
「暑さ対策」のこれから
「熱中対策」シリーズは小林製薬グループの桐灰化学
が手掛ける暑さ対策製品です。
日用品事業部 マーケティング部
衛生・スキンケアグループ
桐灰化学では、1915年の「カイロ灰」発売以来、使
い捨てカイロを中心に展開し、「温度を科学する」を
開発理念に掲げ、温度が人に与える影響を徹底的に研
究してきました。 2001年に小林製薬グループとなって
高木 晋司
一昨年の猛暑、昨年の節電と、近年の私たちを取り巻く
夏の環境は、決して快適なものとは言えません。
こうした状況の中で、お客さまに目を向けてみると、従来の
からは、そのマーケティング力を生かし、“暖める”に
うちわや扇風機に加え、私たち小林製薬が扱っているような
加え、“冷やす”分野の製品開発も強化に取り組んで
暑さ対策製品を上手に活用して、自分だけの“涼”を作り出
います。
しておられます。お客さまの声からは、「使ってよかったので、
「熱中対策」シリーズが誕生したのは2007年。背景
家族で使い回している」「家族の分も買い足した」という嬉し
の一つには、猛暑日や熱帯夜の日数の増加に伴い、高
いお言葉もいただき、パーソナルユースからファミリーユースへ
齢者や子どもの、夏場の「体温管理」の重要性が注目
の広がりを実感しています。
今年も引き続き厳しい節電の夏となりそうです。
され始めていたことが挙げられます。
こうした社会情勢を背景に、子どもたちが、日中、
小林製薬グループでは、こうした状況からも、暑さ対策製品
安心して外で遊べるようにとの想いから、体に熱がこ
へのニーズは、まだまだ拡大すると考え、前年比約130%の
もらず、体を冷やす手助けとして、「熱中対策」が開
生産計画で、製品がご提供できる体制を整えています。
暑さ対策製品の開発期間は冬場も含まれ、寒い時期に
発されました。
2007年の発売から5年が経ち、現在では9アイテムに
まで拡大。当初のアウトドアでの使用に加え、ビジネ
スシーンでの暑さ対策としても活躍し、子どもから大
暑い地区に行ったり、暑い部屋にこもって自らが体を張って
効果感を検証したりと、担当者は苦労が尽きません。
それでも、「欲しいと思う」気持ち、「あったらいいなと思う」
気持ち発で、製品開発に取り組み、今後も夏の必須アイテ
人まで多くの方にご愛用いただいています。
ム、暑さ対策製品を提案していきます。
4
2012.5.17