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第33回農業環境シンポジウム 農業からみた生物多様性、生物多様性からみた農業
農業における
新たな生物資源の
利用とリスク管理
2010年9月4日
農業環境技術研究所
農業における
新たな生物資源:とは
①外来生物、②雑草のよ
うな未利用生物、あるいは
昔使われていたもの
藤井 義晴
[email protected]
外来生物の利用とリスク管理に関する日本農学会シンポジウム
外来生物のリスク管理と有効利用
2008年、日本農学会 (編)
養賢堂, 2300円
本日は外来植物について紹介
します。外来動物については
この本をご参照下さい。
CBD(Convention on Biological Diversity)
「生物多様性条約」の3つの目的
1.生物多様性の保全
2.生物多様性構成要素の
持続可能な利用
3.遺伝資源の利用から生じる
利益の公正かつ衡平な分配
先進国、特にアメリカ合衆国は反対
(そのため、現在も批准していない)
岩槻邦夫先生
I. 生物多様性の持続的な利用
-人と自然の共生- pp.13-22
★30数億年前に地球上に出現した
とき生物はたったひとつの型だっ
た→多様化は生き物の存在意義
★多様であるほど良い訳ではない
砂漠と熱帯林では異なる
★里山など人為的な環境では自然
の進化で生じたのとはちがった顔
ぶれもある・・・さらに研究が必要
藤井義晴
II. 生物多様性を活用した農業
の生産性の向上-とくにアレロ
パシー活性の強い未利用の
作物について- pp.42-51
(昭和堂、1400円)
池田清彦さん
(早稲田大学国際教養部教授)
第1章 地球温暖化はウソ
【CO2が原因ではない】
第2章 ダイオキシンは
危険ではない
【人間には毒性が弱い】
第3章 外来種は悪玉では
ない
第4章 自然保護運動は
あやしい
ちくまプリマー新書 2005年
どれも、農環研で重要な
研究課題である・・・
面白い本だが、反論したい
池田清彦さんの疑問
外来植物とは?
★
• 稲も大豆もソバもダイコンも、全て外来
種 ・・・伝統食も文化も外来のもの・・・
• 今の農業はこのような「外来植物」を使っ
て成り立っている。外来植物はむしろ農
業にとって不可欠なものである!
「外来」の定義、考え方に
誤解がある・・・一方的な考え
★大豆はツルマメから栽培化された日本原産の植物かもしれない
CBD(生物多様性条約事務局)が2008年に作成した冊子(環境省訳)
生物多様性は農業の基盤
←全ての作物・家畜
高等植物27,000種のうち、
7,000種を利用→主要30種
特に米、小麦、トウモロコシの3種
パキスタンの伝統的混合農法
(絨毯の絵)
環境省の見解
外来生物の定義
外来生物法(2005)で外来生物を定義
おおむね「明治元年」以降に我が国
に入ってきた生物
日本の外来植物の種数の増加
明治維新
第二次
世界大戦
終戦
したがって、
帰化植物
米、麦、さつまいも、大根等
は環境省の言う外来生物ではない
(江戸時代より前に導入)
外来植物
明治維新以降、外来の植物
の導入が増加している!
狩山 (1987)+山下・榎本 (2007)
この新たな導入・侵入を問題にしている
明治以降の「外来植物」も日本人の食生活に貢献している
明治以降に導入された野菜・果樹
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
トマト
白菜
タマネギ
キャベツ
レタス
メロン
ピーマン
リンゴ
キウイ
オレンジ
年間売上高 約6兆円!
江戸時代に食べられていた野菜・青物
・ダイコン(大根)
・ゴボウ(牛蒡)
・サトイモ(里芋)
野菜(青物)として、よめな(嫁菜)、たんぽぽ、
よもぎ(蓬)、はこべ(繁縷)、なずな(薺)、はは
こぐさ(母子草)、つくし(土筆)、せり(芹)、くさ
ぎ(常山)、うど(独活)、わらび(蕨)、ぜんまい
(薇)、すべりひゆ(滑克)、あかざ(葱)、蓼、う
こぎ、のびる、など・・・
リンゴも環境省の定義では「外来植物」!
日本で品種改良した「ふじ」が世界に広がり
有名・・・・日本の育種技術は世界一
生研センター「イノベーション創出基礎研究推進事業」技術シーズ開発型(一般枠)
平成20~24年度 (農環研、徳島大学、九州大学)
研究代表者 藤井義晴
アレロケミカルの探索と
新規生理活性物質の開発
国際共同研究を実施する国・地域
強いアレロパシーを示す植物
東南アジア
アレロパシーの強い植物の利用
アレロケミカル由来の物質の利用
被覆植物利用
新除草剤開発
イスラム
南米
O
O
OH
H H
HO C
HO
H3C
O
O
安全性の高い
作用機構解明
O
OH
R
O
OH
S
O
H
HO
HO
新たな除草剤
の出発物質
K
O
O
H
S
O
O-R
減農薬栽培の実施
農林業への貢献
環境保全・生態系の保護
生物多様性条約の目的のうち
2.生物多様性構成要素の
持続可能な利用
3.遺伝資源の利用から生じる
利益の公正かつ衡平な分配
共同研究とし、資源の略奪に
ならないように配慮した研究
をしています
アレロパシー(他感作用)
Allelopathy
植物から放出される天然の物質が,
他の植物・微生物・昆虫・動物等に,
阻害・促進,あるいはその他の
何らかの影響,を及ぼす現象
アレロパシーは、植物に含まれる特殊な成
分の存在意義→除草剤、殺虫剤、殺菌剤
等を減らした有機農業に利用できる
シラン
日本原産のラン(紫蘭)
Bletilla striata Reichb.fil. 庭園や畦畔に植えると
雑草抑制能が高い
⇒被覆植物として有望
OH
O
HO
HO
O
O
OH
O
OH
O
O
HO
OH
OH
O
O
OH
militarin
Militarine
O
HO
HO
O
OH
O
OH
O
O
HO
O
O
O
HO
OH
OH
O
シラン粗抽出液の活性
militarin 純品の活性
1000 mg F.W./dish
300 mg F.W./dish
100
OH
OH
O
OH
OH
dactylorhin A
Dactylorhin A
100 mg F.W./dish
全活性=220
Inhibitory rate (%)
30 mg F.W./dish
10 mg F.W./dish
50
Militarineの
EC50=100 mg/L (ppm)
militarine
EC50: 100~150 mg/L 含有量=生葉中0.6%
活性それほど強くないが、
⇒アレロケミカルの本体
含有量が生葉中で0.6%と多い
3 mg F.W./dish
1 mg F.W./dish
0
1
10
100
Concentration (mg/L)
1000
10000
Sakuno
al., Weed
Sakuno et
et al.,
Weed
Biology and
and Management,
Management,
Biology
10,press
202-207
(2010)
in
(2010)
ヘアリーベッチ
Vicia villosa Roth.
アレロケミカルは
H
H
N C N
果樹園
大潟村にて 1ha
水田(JAS認証)
中央アジア~欧州原産
シアナミド 生物界で初めての発見
殺虫・殺菌・除草・雑草の
休眠覚醒作用
レンゲに替わる緑肥、休耕地管理、
果樹園下草管理植物として普及
→約5000ヘクタールに普及
藤井義晴, 農業技術 50(5), 199-204 (1995)
Kamo, et al., J. Chemical Ecol. 29, 275-283 (2003)
H
H
HO
HO C
COOR
COOR
HO
HO
OH
L-mimosine
S
OH
OH
CH
CH22OH
OH
H
O
OH
OH
zeylanoxide A
CH2OH
OH
HO
HO
O
OH
O
HO
C
C
CH3
HO
O
OH
OH
H
1,2-propanediol
OH
HO
O
O
HO
NH2
HO
O
OH
HO
R=α-L-Rha-(1→3')-β-D-Api-(1→4)-α-L-RhaOH
HO
O
(1→2)-β-L-Ara (durantanin I)
R=α-L-Rha-(1→3)-β-D-Xyl-[β-D-Api(1→3)]
-α-L-Rha-(1→2)-β-L-Ara (durantanin II)
R=α-L-Rha-(1→3)-β-D-Xyl-(1→4)-α-L-Rha(1→2)-β-L-Ara (durantanin III)
1-O-cis-cinnamoyl-β-D-glucopyranose
HO
COOH
HO
O
O
NH2
O
H
S
COOH
N
OH
H
L-DOPA
OH
H3C
N
OH
OH
rosmarinic acid
(-)-catechin
HO
CH2
H
H
COOH
NH2
N C N
cyanamide
CH
N
L-tryptophan
H3C
N
H
juliflorine
N
図 これまでに農環研で同定した有力なアレロケミカル
新しい作物の導入は国を強くし、歴史を変える
個人的な意見
ジャガイモ
アンデス・中南米からヨーロッパに導入
+産業革命 → ヨーロッパの発展
ジャガイモの疫病で
開拓者、新大陸アメリカに移住 → 先住民から
トウモロコシを教わる → アメリカの発展
コメ、サツマイモ
→ 日本・薩摩藩の発展
世界にはまだ知られていない植物がある
アフリカにテフ、フォニオ、インドにバジラ、南米に
キウイチャ、キノア(以上は穀類あるいは擬穀類)
イモ類等で、南米に、ヒカマ、オカ、アラカチャ、マ
シュア、オユコ、マウーカ、アキラ、ペカイなど・・・
テフ、Teff、<エチオピアの主食>
Eragrostis tef (Zucc.) Trotter
★C4 植物, エチオピアで、紀元前3359年
に利用の記載がある。 イネ科
エチオピア以外では、インドとオーストラ
リアで少量栽培されるのみ。
★種子はたいへん小さい(穀物中で最小)。
★パンをつくったり、発酵食品を作る。
発酵食品は、 ‘Enjera’ と呼ばれ、パンケーキの
ようなパンでエチオピアでのみ食べられる。
パンはスポンジ状で柔らかく、酸味がある。
★タンパク質含有量は13%。
河川敷で繁茂して問題となる外来植物のシナダレスズメガヤに近縁
アレロパシー活性、雑草抑制能強い
Eragrostis curvula
それ自身が雑草化する危険性も・・
キウイチャ(ヒモゲイトウ)<ペルーの穀物>
Amaranthus caudatus L.
★南米(インカ)で、7000年以上前
から食用。ヒユ科(擬穀類)。C4
型で高い光合成能。
インカでは、トウモロコシに匹敵する重
要作物(現在も食べられている)。
★日本に江戸時代に鑑賞用に伝来。
★小麦、米、ソバを上回る栄養価。
タンパク質16%、脂質5.5%
★中央農業研究センター、九州農業試験
場等で研究
強害雑草のアオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)に近縁
アレロパシー活性は中程度
それ自身が雑草化する危険性は低いが
環境への影響に関する研究は必要・・・
ヒカマ Yam bean
(Pachyrhizus erosus)
アメリカでは1キロ3ドル、自然食品店で販売
•
•
•
•
•
•
•
•
•
インカの人が食べていたイモ
マメ科、耐虫性、雑草抑制
作用成分 ロテノン等(殺虫剤)
O
O
無農薬栽培可能
O
(緑肥・食糧・雑草抑制)
CH O
Rotenone
OCH
メキシコ、カリフォルニアで市販
東南アジア(フィリピン、マレーシア、タイ)にも普及
→ 日本でも、新たな食糧に!
高知大学・前田和美先生「トロピカルポテト」命名
3
3
CH2
C
O
CH3
一方、
牧草・緑化植物はほとんど外来種
イネ科
イタリアンライグラス(ネズミムギ)、ペレニアルライグラス(ホソムギ)、
オーチャードグラス(カモガヤ)、トールフェスク (オニウシノケグサ)、
ケンタッキーブルーグラス (ナガハグサ)、チモシー (オオアワガエリ)、
レッドトップ(コヌカグサ)、ウイーピングラブグラス(シナダレスズメガヤ)、
ダリスグラス(シマスズメノヒエ)、バミューダグラス(ギョウギシバ)、
ギニアグラス(ギニアキビ)、ナギナタガヤ
マメ科
アルファルファ(ウマゴヤシ)、シロクローバ(シロツメクサ)、
アカクローバ(アカツメクサ) 牧草名:英語をカタカタ読みしたものが多い
和名:雑草化したときに呼ばれることが多い
牧草名(和名)
外来牧草・緑化植物が雑草化して、生態系・人間・農業に悪
影響を及ぼすとの報告がある(ホソムギ、ネズミムギが国立
公園に侵入、花粉症の原因、麦畑の雑草になる)
しかし、畜産業に不可欠で代替がない植物もある→ リスク管理 が必要
リスク管理(リスクマネージメント)
リスクの把握:
どのようなリスクがあるのか調べる
リスクの評価: 雑草性リスク評価法
発生頻度(P)と影響の程度(S)の
積でリスクの大きさを評価する
リスクへの対策:
・リスクの種類に応じて対策を講じる
・リスクを最小限に抑える対策を取る
特定外来生物被害防止法
「外来生物法」
公布:平成16年6月2日(法律第78号)
法律の目的: 施行:平成17年6月1日
特定外来生物
による
環境省外来生物法ホームページ
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html
生態系、人命や健康、農林水産業への
被害を防止する。
この法律に貢献するために
「外来植物のリスク評価と蔓延防止策」
に関する研究を実施しました
=リスクの把握・リスクの評価・その対策を行う研究
文部科学省科学技術振興調整費・重要課題解決型プロジェクト
外来植物のリスク評価と蔓延防止策
平成17年から19年まで3年間実施
参画研究機関:農環研(中核機関)、岡山大学、
畜産草地研、近畿中国四国農業研究センター、
雪印種苗、植調協会 研究費:3年間で5億円(人件費込み)
リスクの把握
景観・調査情報システム(RuLIS)の活用
生物多様性の観点から調査研究の成果を 効果的に蓄積・利用するためのシステム
1 全国の農村景観(農
業生態系)を類型化
(60タイプ)
風土による景観、生物
相の違いを考慮した調
査・解析を行う
地形、土壌、気象、植生
等の自然立地条件や農
業立地条件を利用した
農業生態系の類型化
(3次メッシュ単位)
legend
64
66
67
68
農業生態系の分類
利根川流域における6つのクラス
・全国の農業生態系を60のクラスに分類 ● 6-e 内陸部の水田景観
● 6-f 下流域低地水田景観
*この地図はレベル3で表示
● 6-g 下流域台地谷津田景観
● 6-h 下流域台地市街地景観
2 関東地方(利根川流
域)の水田景観で生
態系をモニタリング
農環研で開発したRuLISというシステムを用いて
どのような場所に外来植物が侵入しやすいのか
広域データと詳細デー
タの結びつけと、生態
を明らかにしました
系の変化の解析を行う
モニタリング地点における土地被覆分類等の調
査手順の汎用化、サンプルプロットにおける調査
手順の汎用化等、調査システムの確立
生態系に関するデータの収集
1.土地被覆の現況状況
2.土地被覆の変化の把握
3.地区内の植生把握
4.希少種の分布
5.外来種の分布
legend
Monitoring Sites
* RuLIS
利根川流域におけるモニタリング地点
current land cover
既存の植生調査データ等の収集
Rural Landscape Information System
楠本・山本他、平成19年度農環研主要成果 2
リスクの把握
セイヨウタンポポと雑種タンポポの全国分布(芝池ら2002)
4倍体雑種
3倍体雑種
雄核単為生殖雑種 セイヨウタンポポ
日本で普通に見られるセイヨウタンポポのほとん
どは日本タンポポとの雑種であることを遺伝子レ
ベルで明らかにしました→日本に近縁在来種が
ある外来植物には注意が必要です
470個体(54.9%)
174個体(20.6%)
76個体(9.0%)
131個体(15.5%)
芝池ら、平成16年度農環研主要成果 24
リスクの評価
雑草性リスク評価法
オーストラリア方式の
雑草性リスク評価法
49項目の質問事項
→日本型に改造
点数による判定
10点超 「導入を避ける」
侵入する前に評価し、
リスクの高いものは
導入しないようにする
西田ら、平成20年度農環研主要成果 6
リスクの評価
表 外来植物の改良FAO方式による雑草性リスク評価
水
生
和名
植
物
3
ボタンウキクサ
ミズヒマワリ
3
ブラジルチドメグサ
3
ナガエツルノゲイトウ
3
特定外来
アレチウリ
0
生物(現
(アゾラ・クリスタータ)
3
在指定さ
オオフサモ
3
れている
3
オオカワヂシャ
12種) (スパルティナ・アングリカ) 3
ナルトサワギク
0
オオハンゴンソウ
0
オオキンケイギク
0
オオサンショウモ
3
ホテイアオイ
3
ギンネム
0
要注意外
キシュウスズメノヒエ
3
来生物
ハリエンジュ
0
(トップ8)
オオカナダモ
3
セイタカアワダチソウ
0
キショウブ
3
今後導 ツノアイアシ
0
入・侵入 ナンバンアカバナアズキ
0
の可能性 ヒゲナガスズメノチャヒキ
0
のある植 アメリカタカサブロウ
3
物(トップ アメリカキンゴジカ
0
人間
同種に
活動
雑草
で広
がある
がる
2
2
2
2
2
2
2
0
2
2
2
2
2
2
2
0
2
0
2
0
0
2
0
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
0
2
2
2
0
2
0
2
0
刺
他
人や動
や
感
物に有
針を
作
害有毒
持つ
用
0
0
1
0
0
1
0
0
1
0
0
1
1
0
1
0
0
1
0
0
0
0
1
1
0
0
0
0
1
1
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
1
1
1
0
0
0
1
0
1
0
0
1
0
1
1
0
0
0
1
1
1
0
0
1
1
0
1
0
0
0
0
1
0
栄
蔓性か 種子
切断や耕 改良
養
被覆力 寿命
耘・火入れ FAO
用途
繁
が強い 長い
に耐性
点数
殖す
1
0
1
1
11 アクアリウム
1
0
1
1
11
1
0
1
1
11 アクアリウム
1
1
1
1
10 (不明)
1
1
0
1
9
(非意図的)
0
0
1
0
9
0
0
1
0
8
アクアリウム
0
0
0
0
7
0
1
0
0
6
未侵入
0
1
1
0
6
鑑賞用
1
1
0
0
5
鑑賞用
1
1
0
1
5
緑化植物
1
1
1
0
11 アクアリウム
1
1
1
0
10 アクアリウム
1
1
0
1
10 緑化植物
1
1
0
1
10 緑化植物
1
1
1
1
10 蜜源植物
0
0
1
1
10 アクアリウム
1
1
1
0
9
園芸植物
0
1
1
0
9
園芸植物
1
1
1
1
9
1
1
0
0
7
緑肥作物
1
1
0
1
7
0
1
0
0
6
0
1
1
1
6
侵入してしまったものに対して
そのリスク・蔓延危険性を評価する
ネット情報等から簡単に評価できる
FAO方式雑草性リスク評価法を寄与率で評価し簡素化したもの
藤井ら、平成19年度農環研主要成果 6
ナガエツルノゲイトウに注意!
中国では水路に蔓延
大問題に!
最初は豚のえさに導入
日本でも、千葉県・兵庫県
などで急に広がりつつある
リスクの評価
表8今後導入される可能性のある外来植物600種のアレロパシー活性の検定結果(抜粋)
表2.7 今後導入される可能性のある外来植物600種のアレロパシー活性の検定結果(抜粋、データは追加・変更の可能性あり)
学 名
和 名
科 名
アオイ科
イネ科
イネ科
ヒメヌカボ
イネ科
イトコヌカグサ
イネ科
イネ科
イネ科
イネ科
イネ科
イネ科
イネ科
イネ科
ヒロードアオイ
アオイ科
ヒユ科
イヌビユ
ヒユ科
オオホナガアオゲイトウ
ヒユ科
ヒユ科
ヒユ科
ヒユ科
セリ科
イネ科
イネ科
アオイ科
セリ科
セイヨウヌカボ
イネ科
セリ科
アザミゲシ
ケシ科
セリ科
クロガクモメンヅル
マメ科
カラスムギ
イネ科
イネ科
シグナルグラス
イネ科
イネ科
イネ科
イネ科
イネ科
チャボチャヒキ
イネ科
イネ科
アレチノチャヒキ
イネ科
ナガミノアマナズナ
ツバキ科
アブラナ科
セリ科
ヤグルマギク類
セリ科
セリ科
ベニバナセンブリ
リンドウ科
ハナハマセンブリ
リンドウ科
ムラサキチョウマメモドキ
マメ科
ミミナグサ
ナデシコ科
オランダミミナグサ
ナデシコ科
ヤナギラン
アカバナ科
ローズグラス
イネ科
キク科
セリニガナ
セリ科
サントリソウ
セリ科
トモシリソウ
アブラナ科
ヤクヨウトモシリソウ
アブラナ科
ドクニンジン
セリ科
ルリヒエンソウ
キンポウゲ科
セリ科
イネ科
レモングラス
イネ科
タマガヤツリ
カヤツリグサ科
カヤツリグサ科
カモガヤ
イネ科
タツノツメガヤ
イネ科
ヨウシュチョウセンアサガオ
ナス科
コメススキ
イネ科
マメ科
ゴマノハグサ科
イネ科
イネ科
アブラナ科
マツムシソウ科
マツムシソウ科
マツムシソウ科
イネ科
イネ科
SW法
DP法
PB法 総合評価
学 名
和 名
31
105
21
1
Echinochloa frumentacea
1
Echinochloa hispidula
111
27
60
119
60
0
Echinochloa oryzzoides
ノゲタイヌビエ
44
0
Echinochloa utilis
97
29
36
1
Echium italicum
90
24
42
0
シャゼンムラサキ
106
43
Echium plantagineum
46
0
シベナガムラサキ
88
43
Echium vulgare
43
0
100
43
Eclipta alba
56
0
106
37
Eclipta erecta
41
134
95
0
Eclipta prostrata
64
0
シコクビエ
91
61
Eleusine indica
31
88
38
0
Emex australis
63
イヌスイバ
0
Emex spinosa
41
109
41
47
106
50
0
Erodium cicutarium
0
Erysimum orientale
40
107
30
25
76
53
1
Eupatorium cannabinum
タイワンヒヨドリ
0
31
100
60
Euphorbia corollata
42
86
64
0
Euphorbia cyparissias
0
27
100
31
Euphrasia rostkoviana
44
92
15
1
Festuca arundinacea
2
86
7
Festuca ovina
21
96
24
1
Fimbristylis littoralis
50
0
44
89
64
Fimbristylis milliacea
41
59
57
1
Fumaria capreolata
ニセカラクサケマン
1
96
34
Galium mollugo
24
0
93
48
Geranium molle
56
1
38
98
24
Geranium pratense
0
34
123
39
Geranium pusillum
1
23
95
35
Geranium pyrenaicum
1
32
101
16
Geranium robertianum
95
10
1
Geum rivale
38
2
88
28
24
Geum urbanum
79
29
0
Guizotia abyssinica
キバナタカサブロウ
41
0
アレチガラシ
115
43
Hirschfeldia incana
58
85
27
1
Holcus lanatus
シラケガヤ
58
1
ヒヨス
98
18
Hyoscyamus niger
78
105
22
2
20
Hypochaeris glabra
0
ブタナ
83
63
Hypochaeris radicata
36
65
20
3
Ipomoea aquatica
23
1
Ipomoea hederacea
28
95
22
26
48
37
2
Ipomoea lacunosa
0
ハマタイセイ
39
106
57
Isatis tinctoria
33
83
29
0
Juncus articulatus
0
40
91
84
Juncus bufonius
1
53
0
60
Kichxia commutata
1
Lathyrus latifolius
28
11
70
0
40
105
46
Lathyrus nissolia
1
Lathyrus phaseoloides
20
98
47
オオミゾカクシ
0
Legousia speculum veneris
55
105
55
1
Leontodon autumnalis
17
106
40
0
100
47
Leontodon hispidus
31
42
95
85
0
Leontodon taraxacoides
カワリミタンポポ
コショウソウ
0
Lepidum sativum
74
91
47
46
69
48
1
Lespedeza striata
フランスギク
2
Leucanthemum vulgare
37
20
28
15
115
28
2
Lolium multiflorum
1
Lolium rigidum
33
85
25
42
61
13
2
Lolium temulentum
0
39
100
59
Lotus corniculatus
39
90
47
0
Lupinus perennis
0
126
39
47
Lychinis viscaria
35
74
75
1
Malva alcea
0
Malva hirsuta
62
95
77
86
32
0
Malva neglecta
ゼニバアオイ
39
ウサギアオイ
2
Malva parviflora
107
20
16
ニガハッカ
2
Marubium vulgare
33
63
10
0
105
82
Matricaria discoidea
45
1
77
94
24
Matricaria inodora
0
44
104
38
Matricaria maritima
0
27
111
58
Matricaria perforata
115
82
0
Matricaria recutita
50
2
Matricaria suaveolens
22
90
27
112
83
0
Medicago lupulina
66
0
54
130
58
Medicago sativa
66
116
77
0
Melandrium album
マツヨイセンノウ
1
99
71
Melandrium rubrum
26
90
42
1
Melilotus albus
シロバナシナガワハギ
23
注1)SW法は葉から溶脱する物質による活性を、DP法は葉から揮発する物質による活性を、PB法は根から滲出する物質による活性を示す。
注2)表注の数字は、検定植物レタスの生育率(%)を表しており、数値が小さいほどアレロパシーによる阻害活性が強いことを示す。
注3)判断基準は、それぞれの活性の全てのデータの平均値から標準偏差を引いた値よりも小さい場合、活性が強いとした。
Abutilon theophrasti
Aegilops cylindrica
Agropyron repens
Agrostis canina
Agrostis capillaris
Agrostis castellana
Agrostis gigantea
Agrostis stolonifera
Agrostis tenuis
Alopecurus geniculatus
Alopecurus myosuroides
Alopecurus pratensis
Althaea officinalis
Amaranthus albus
Amaranthus lividus
Amaranthus palmeri
Amaranthus rudis
Amaranthus spinosus
Amaranthus thumbergii
Ammi majus
Anisantha madritensis
Anisantha rigida
Anoda cristata
Anthriscus caucalis
Apera spica-venti
Arctium minus
Argemone mexicana
Artemesia vulgaris
Astragalus danicus
Avena fatua
Avena sterilis
Brachiaria decumbens
Bromus arvensis
Bromus hordeaceus
Bromus lanceolatus
Bromus racemosus
Bromus rubens
Bromus secalinus
Bromus sterilis
Camelina sativa
Cardamine pratensis
Cenchrus longispinus
Centaurea maculosa
Centaurea phrygia
Centaurium erythraea
Centaurium tenuiflorum
Centrosema pubescens
Cerastium frontanum
Cerastium glomeratum
Chamaenerion angustifolium
Chloris gayana
Chrysanthemum parthenium
Cichorium intybus
Cnicus benedictus
Cochlearia danica
Cochlearia officinalis
Conium maculatum
Consolida orientalis
Crepis capillaris
Criteson secalinum
Cymbopogon citratus
Cyperus difformis
Cyperus fuscus
Dactylis glomerata
Dactylocenium aegyptum
Datura stramonium
Deschampsia flexuosa
Desmodium ovalifolium
Digitalis purpurea
Digitaria adscendens
Digitaria ischaemum
Diplotaxis muralis
Dipsacus fullonum
Dipsacus pilosus
Dipsacus sylvestris
Echinochloa colonum
Echinochloa crus galli
イチビ
ヤギムギ
科 名
SW法
DP法
イネ科
イネ科
イネ科
イネ科
ムラサキ科
ムラサキ科
ムラサキ科
セリ科
セリ科
セリ科
イネ科
タデ科
タデ科
フウロソウ科
アブラナ科
セリ科
トウダイグサ科
トウダイグサ科
ゴマノハグサ科
イネ科
イネ科
カヤツリグサ科
カヤツリグサ科
ケシ科
アカネ科
フウロソウ科
フウロソウ科
フウロソウ科
フウロソウ科
フウロソウ科
バラ科
バラ科
セリ科
アブラナ科
イネ科
ナス科
セリ科
セリ科
ヒルガオ科
ヒルガオ科
ヒルガオ科
アブラナ科
イグサ科
イグサ科
ゴマノハグサ科
マメ科
マメ科
マメ科
キキョウ科
セリ科
セリ科
セリ科
アブラナ科
フトモモ科
セリ科
イネ科
イネ科
イネ科
マメ科
マメ科
ナデシコ科
アオイ科
アオイ科
アオイ科
アオイ科
シソ科
セリ科
セリ科
セリ科
セリ科
セリ科
セリ科
マメ科
マメ科
ナデシコ科
ナデシコ科
マメ科
38
46
25
22
73
28
39
82
96
77
19
60
57
69
39
37
18
80
63
35
61
47
33
27
39
77
57
72
82
56
73
56
37
17
20
14
81
78
25
45
75
42
54
49
15
23
47
36
42
51
69
50
36
68
35
24
29
50
40
68
48
26
24
21
12
26
63
70
32
65
30
50
45
28
58
37
13
109
109
94
131
89
129
107
124
96
107
135
107
92
131
111
97
64
136
97
110
97
127
100
153
100
77
104
117
89
98
115
102
115
112
100
27
101
88
96
84
109
71
88
111
92
110
77
122
115
96
130
74
94
138
113
84
114
118
18
115
99
108
100
48
88
107
119
110
110
108
98
93
88
91
93
109
61
PB法 総合評価
55
68
30
54
41
43
46
79
62
79
22
54
69
21
16
48
17
39
75
61
29
79
85
30
54
21
38
37
39
33
72
74
65
22
46
47
79
69
57
66
72
25
83
40
59
59
43
40
37
72
61
51
38
27
61
56
81
60
61
36
32
54
81
29
34
83
92
57
47
102
61
94
28
39
28
31
29
0
0
1
1
0
0
0
0
0
0
2
0
0
1
1
0
3
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
2
1
2
0
0
1
0
0
2
0
0
1
1
0
0
0
0
0
1
0
1
0
1
0
0
1
0
0
1
1
2
1
1
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
2
学 名
Melilotus officinalis
Melilotus sulcata
Mentha arvensis
Myosotis arvensis
Nicotiana sylvestris
Oenanthe crocata
Oenothera erythrosepala
Onobrychis viciifolia
Ononis spinosa
Panicum clandestinum
Panicum miliaceum
Panicum virgatum
Papaver dubium
Papaver hybridum
Paspalum scrobiculatum
Pennisetum glaucum
Phalaris aquatica
Phalaris canariensis
Phalaris minor
Physalis alkekengi
Picris echioides
Pimpinella anisum
Plantago lanceolata
Poa pratensis
Poa trivialis
Poterium sanguisorba
Prunella vulgaris
Puccinellia distans
Pueraria javanica
Ricinus gibsonii
Rorippa austriaca
Rottboellia exaltata
Rubus fruticosus
Rumex conglomeratus
Rumex crispus
Rumex hydrolapathum
Rumex patientia
Rumex rupestris
Rumex sanguineus
Rumex stenophyllus
Sagina subulata
Salvia hormoroides
Sanguisorba minor
Senecio jacobaea
Senecio vulgaris
Sesbania exaltata
Setaria faberi
Setaria macrostachia
Setaria verticillata
Setaria viridis
Sida alba
Sida rhombifolia
Sida spinosa
Sison ammonum
Sorghum bicolor
Sorghum sudanense
Spergularia bocconei
Sporobolus cryptandrus
Stachys annua
Tanacetum vulgare
Tephrosia purpurea
Trifolium album
Trifolium arvense
Trifolium campestre
Trifolium dubium
Trifolium pratense
Tripleurospermum maritimum
Verbascum nigrum
Verbascum thapsus
Verbena officinalis
Veronica anagalloides
Veronica persica
Vicia hirsuta
Vulpia bromoides
Vulpia myuros
Xanthium spinosum
Xanthium strumarium
和 名
科 名
セイヨウエビラハギ
マメ科
マメ科
シソ科
ムラサキ科
ナス科
セリ科
アカバナ科
マメ科
ハリモクシュク
マメ科
イネ科
イネ科
イネ科
ナガミヒナゲシ
ケシ科
トゲミゲシ
ケシ科
イネ科
トウジンビエ
イネ科
オニクサヨシ
イネ科
カナリークサヨシ
イネ科
ヒメカナリークサヨシ
イネ科
ヨオシュホウズキ
ナス科
ハリゲコウゾリナ
セリ科
アニス
セリ科
ヘラオオバコ
オオバコ科
イネ科
イネ科
オオスズメノカタビラ
バラ科
シソ科
アレチタチドジョウツナギ
イネ科
マメ科
アカネ科
ミミイヌガラシ
アブラナ科
ツノアイアシ
イネ科
バラ科
アレチギシギシ
タデ科
タデ科
タデ科
タデ科
タデ科
タデ科
タデ科
ナデシコ科
シソ科
オランダワレモコウ
バラ科
セリ科
ノボロギク
セリ科
マメ科
アキノエノコログサ
イネ科
イネ科
ザラツキエノコログサ
イネ科
エノコログサ
イネ科
アオイ科
アオイ科
アオイ科
セリ科
ソルガム
イネ科
スーダングラス
イネ科
ウシオハナツメクサ
ナデシコ科
イネ科
シソ科
ヨモギギク
セリ科
マメ科
マメ科
マメ科
マメ科
コメツブツメクサ
マメ科
アカツメクサ
マメ科
セリ科
ゴマノハグサ科
ビロードモウズイカ
ゴマノハグサ科
クマツヅラ科
ゴマノハグサ科
ゴマノハグサ科
スズメノエンドウ
マメ科
イネ科
ナギナタガヤ
イネ科
セリ科
セリ科
外来植物のアレロパシー活性の検定
外来植物の他感作用の検定
(特異的な検定手法を用いた)
SW法
DP法
2
1
32
64
71
25
65
64
45
39
58
45
44
17
40
36
49
50
26
60
54
25
76
53
32
63
76
15
38
45
16
63
24
73
72
79
84
76
71
55
31
59
70
42
37
16
24
25
28
19
9
35
58
72
21
38
36
51
32
38
22
29
51
59
52
56
59
72
69
77
52
39
29
46
18
21
42
62
37
75
88
100
95
113
105
68
95
81
104
98
104
112
113
42
94
86
88
109
100
101
122
119
89
86
20
122
102
78
108
90
92
147
95
96
103
128
123
81
103
83
141
103
99
124
99
71
86
114
100
121
114
80
30
99
122
106
80
133
110
121
119
82
110
98
126
101
87
148
117
77
81
81
104
120
PB法 総合評価
19
30
97
37
40
93
47
49
32
39
31
62
25
17
65
30
26
34
39
40
46
56
75
55
34
47
91
64
33
75
53
35
67
85
70
75
60
78
82
70
53
23
70
43
77
45
23
37
29
26
51
71
46
56
21
18
44
30
54
93
35
15
48
42
21
65
70
43
24
82
97
46
3
46
30
64
79
3
2
1
0
0
1
0
0
1
0
0
0
1
2
0
0
2
0
1
0
0
1
0
0
0
0
0
2
0
0
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
1
2
1
1
2
1
0
0
0
2
2
0
0
0
0
1
1
0
0
1
0
0
0
1
0
0
0
1
0
1
1
0
近い将来導入・侵入が予想される外来植物・ワイルドフラ
ワー類約600種の他感作用活性を検定した
→リスク評価のためのデータベース構築に貢献
藤井義晴:「外来植物のリスクを評価しその蔓延を防止する」、pp.19-60、
「外来植物のリスク管理と有効利用」、養賢堂、pp.61-78 (2008)
リスクへの評価
http://www.rib.okayama-u.ac.jp/wild/index.sjis.html
外来植物64科554種を記載した
データベースを完成(岡山大学)
写真・検索機能付き
日本で普通に見られる外来植物を収蔵
カバークロップデータベース
今後導入される可能性がある外来
植物800種について、試験的に栽
培し、種子生産量、草丈・開花・出
穂・群の広がりを調査した。種子の
形態、百粒重、大きさ、飛散・布付
着性も測定した。
これらの情報をまとめた図鑑を作成
した(未公開)
雑草化に関する基礎データ
になるので、今後データベー
ス化して公表したい
今年は予算がつかず・・・
リスクの評価
特に危険な外来植物
①水生植物 (川や水路で急に蔓延する)
②種子が多産で雑草化しやすいもの
③有毒成分、花粉症成分、アレロケミ
カル、トゲを持つもの
④農地や国立公園等に侵入する雑草
⑤人間が好み、つい播いてしまうもの
「かわいい」ものに気を許さないこと ナガミヒナゲシなど・・・
ケチョウセンアサガオ
(Datura inoxia)
種子10~20粒
でも子供なら死
ぬことがあると 種子を容易に
いわれる
つけ、すぐ発芽
マウス
経口毒性
LD50:80mg/kg
全草に有毒成分(アトロピン)
を含み人畜に有害
有毒物質は、ごく少量でも、
生態系における他の生物や
人間への影響が大きい
H3C N
H
OH
H
O
atropine
O
ツノアイアシ:(Rottboellia cochinchinensis)
アレロパシー活性が強く他の植物の生育を阻害する
種子が鱗状
に剥がれて、
容易に再生
茎にガラス状
のトゲがあり、
皮膚に刺さる
と痛い(危険)
温暖化で増加
藤井ら、平成19年度農環研主要成果 6
東南アジアで問題雑草。沖縄に既に侵入あり。
ナギナタガヤ
(Vulpia myuros (L.) C. C. Gmel).
OH
O
O
HO
(-)-3-hydroxy-beta-ionone
欧州~中央アジア
原産のイネ科被覆
植物。愛媛県等で、
ミカン園等の下草と
して雑草防除に利用
され農家に好まれる
(+)-3-oxo-alpha-ionol
種子による再生産能が旺盛で
強いアレロケミカルを含むこと
が明かとなったので、雑草化
リスクを研究する必要がある
藤井ら、平成21年度農環研主要成果 8
Kato et al., Plant Growth Regulation 60:127-131(2010)
ナガミヒナゲシ
花が美しいので播く人もいる
①ナガミヒナゲシはアレロパシー活性が強く、改良FAO方式で
評価した侵入後の雑草化リスクも大きい。
②現在日本全土に急速に分布を広げており、農地への侵入も
みられるようになった。
③種子は一株から15万粒も生産され、未熟種子からの再生
も可能、梅雨時に車のタイヤにくっつき道路沿いに広がる。
④防除には開花前の駆除が重要。
ロゼット葉
花と未熟な実
(赤い円内)
藤井ら
実の中の種子
完熟した実
平成21年度農環研主要成果 10
リスクへの対策
被覆植物としてソバを使った
生物除草の検討事例 (独)農業環境技術研究所
無処理区
除草剤→ソバ区
春先に発生してきたオオブタクサを一度除草剤で枯らした後、
ソバを播種して被覆することで後から発生するオオブタクサを抑えた
→ 種子供給場所となっている河川敷内の放棄畑などでの活用を
リスクへの対策
平舘らによる成果
場所のリスク
外来植物が発生しやすい土壌環境
外来植物
は人為的
攪乱のあ
る所に発
生する
高い
有効態リン酸
外来植物が分布する領域
農業活動
中程度
在来植物が分布する範囲
低い
土木工事などによる表土の撹乱
酸性
中性 アルカリ性
土壌pH
外来植物の蔓延防止策へのヒント!?
土壌の化学的特性を
もとの自然状態へ戻す
在来植生の回復
外来植物の蔓延防止
平舘俊太郎ら、平成20年度農環研主要成果 7
個人的な意見
世界中で、日本人ほど、いろいろなも
のを食べている民族はない。
日本には世界中の美味しいもの、良いものが集まっている
日本人には、新しいものを受け入れる
勇気と好奇心があった。
危機をバネにして、しぶとく生き残る柔軟性がある
古いモノを大切にしながら、新しい
モノ(植物)も積極的に導入したい
新たな生物資源の導入は重要
そのリスクに関する研究が必要である
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しかし、外来種のリスク研究は縮小→なくなりそう→助けてほしい