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主催:食の安心研究所
共催:富山県生活協同組合
食の安心研究所ロゴマーク
2011 年11月26日(土)
富山県生活協同組合 本部2F
10:00~12:00
会議室
~
目
次
~
・ 報告
「けんせいきょうの食の安全に対する取り組み」
・・・・P1~
・ 講演
「食の安心情報を読み解く~放射能汚染を中心に~」
・・P12~
~
プログラム
~
10:00~ 開会挨拶
食の安心研究所
10:05~
代表幹事
利明
報告『けんせいきょうの食の安全に対する取り組み』
富山県生活協同組合
10:25~
中島
専務理事
寺岡
富美夫
講演『食の安心情報を読み解く~放射能汚染を中心に~』
講師:松永
和紀 氏(科学ライター)
11:45~ 質疑・応答
12:00
閉会挨拶
食の安心研究所
副代表幹事
内藤
保英
けんせいきょう
食の安全に対する取り組み
富山県生活協同組合
専務理事 寺岡 富美夫
1
食品安全を
めぐる情勢について
2000年には、雪印食品の低脂肪乳食中毒事件、2002年には雪印
食品の牛肉表示偽装事件が発覚し、大きな社会的反響を呼びまし
た。こういった食品偽装や食品事故など様々な問題が発生してきま
した。
特に2008年には、
1月
4月
6月
9月
9月
10月
中国冷凍餃子中毒事件
ペットボトルのお茶から除草剤グリホサート混入事件
うなぎの産地偽装
事故米(カビ、残留農薬など規格外)を食用に転売
中国でメラミンが混入した粉ミルクによる乳児の健康障害・死亡事故
中国製冷凍インゲンからジクロルボス検出など・・・
2
-1-
最近(2009~2011年)の
主な食品偽装・事件について
2009.02
2009.07
2009.08
2009.10
2009.11
2009.11
2009.05
2010.01
2010.02
2010.04
2010.05
2010.06
2010.07
2010.10
2011.01
2011.05
2011.09
和歌山_袋詰精米「あきたこまち」において、「あきたこまち」以外の複数の品種(ひとめぼれ、どんとこい等)を混合し販売
徳島_「鳴門産わかめ中国産原料を使用したにもかかわらず原料原産地を「徳島県鳴門産」と表示し販売。
福岡_国産牛肉に、当該牛のものではない個体識別番号を表示し、学校給食用として販売
岐阜_県内の3店舗で飛騨牛ロースステーキ肉などを、本来の賞味期限を1~20日超えた表示で販売していた。
大阪_期限切れの中国産うなぎ蒲焼(カット済み)を購入し、科学的・合理的根拠なく、賞味期限を延長し販売。
岐阜_三重県で加工したそばを「長野県で製造」「信州そば」などと虚偽表示
青森_28件の卸売り業者』秋田産りんごを青森産りんごとして流通
兵庫_中国産玄そばを原材料とするそば粉を使用していたにもかかわらず「国産そば粉」と表示。
福岡_ロシア産シジミを、「宍道湖産」と事実と異なる伝達をして販売。
大阪_「ヒラメ」について、大分産等であるにもかかわらず「韓国産」と表示。
島根_有明産赤貝を岡山産として販売。
東京_「台湾・中国産」のうなぎ加工品を株式会社大福に販売し、同社に詰め替えさせ、「愛知県産」と産地偽装させた
上で買い戻し販売。
千葉_「石井食品」香料を使用していたが、食品添加物を使用していませんと表示。
大阪_卸「肉のいろは」アメリカ産、メキシコ産、等の豚肉を「国産」と表示。
富山_「浅吉」、福井県産ブリを氷見産、石川県産で販売
富山_焼肉酒家「えびす」焼肉食中毒事件O-111検出 死亡者4名
宮崎_「シーガイア」、44品目1万食偽装 ブロイラーを「地鶏」
3
けんせいきょうは食の安全を
フードチェーンで考えています
生産者
安全確認
物流センター
基本5業務
食の安全
製造メーカー
配送センター
組合員へお届け
4
-2-
安全確認基本5業務
★けんせいきょうがお届けする商品は、この5つの安全確
認基本業務で安全性を確認しています。
①商品仕様書点検
②工場点検
③商品検査
④組合員対応
⑤リスク予兆管理
5
商品仕様書点検
毎月200~250品目の新規企画商品、50品ほどのリニューアル商品
の商品仕様書(商品設計書)の点検を食品表示管理士 が行っています。
★偽装防止・法令順守の視点
食品に関する偽装が相次ぐ中、コンプライアンスに重点を置いた点検や、商品
仕様書に記載してある原料や添加物が商品包材(一括表示)との関係で漏れ
がないか、JAS法など法令との関係で問題ないかの点検を実施しています。
★安全・安心の視点
けんせいきょうの自主基準である不使用添加物が
使用されていないか、アレルゲンの見落としが
無いかなどの点検も実施します。
6
-3-
工場点検
年間約250件の工場を点検しています。
①コンプライアンス・・・商品表示、原料、トレーサビリティ管理等
②品質管理・・・自主管理体制、衛生管理、製造管理等
③工場環境・・・工場では入口・トイレ・原料の保管等
④異物混入防止対策・・・殺菌工程の管理、製造工程管理等
上記①~④で合計約100項目の
点検を実施しています。
7
商品検査
★健康危害防止
以下の検査を実施し、安全性の確認を行っています。
①微生物検査 (11000品/年間)
お届けする商品が原因となる食中毒の発生を防止する
ため、商品の微生物検査を実施しています。
②残留農薬検査 (160品/年間)
食品にポジティブリスト制度で決められた農薬が規準を超えて
残留していないか残留農薬検査を実施しています。
★偽装防止
①産地判別検査 (30品/年間)
お届けする商品が国産かどうかを確認するため、
元素を調べて判別します。(たけのこ、あさり、うなぎなど)
②DNA判別検査(お米や牛肉加工品を中心)
お米や牛肉加工品を中心に品種や肉腫に間違いが
ないかチェックしています。
理化学検査(残留農薬検査と残留動物用医薬品検査)は
石川県立大学との共同研究を実施しています。
8
-4-
組合員対応
組合員からのお申し出は以下のように管理しています。
組合員からの商品に関するクレームやお問い合わせは直ちにインターネットを
応用したクイックプロシステムで一括管理しています。それにより、同じようなお問い合わ
せがないか、またどのような意見があったかのかすぐわかるようになっています。
そして、ご意見に対し、拡散性の監視や原因の調査・回答の管理を行い、状況に応じて
コープ北陸安全政策室と連携、緊急工場点検や緊急商品検査なども実施します。
組合員
から
組合員
へ
登録
苦情
クイックプロに
よる監視
取引
先へ
質問
意見
調査
回答
回答
報告
9
リスク予兆管理
農林水産省などの行政情報、産地・業界情報を毎日収集して、産地・原料偽装や
重大な商品事故の兆候をいち早く察知し、未然防止に努めています。
これらの情報をもとに、毎月商品の取り扱いについて会議を開催しています。
(お届けする商品を項目別に点数化し、それを踏まえて企画を検討し、「商品企画
中止」「緊急工場点検」などの判定をする。)
こうして、お届け商品の安全・安心を確保する取り組みを強めています。
また、日生協商品についてもクイックプロを監視しながら、全国の商品クレーム発生
状況を確認しています。
①リスク予兆専門チームによる
行政情報、産地・業界情報を毎日収集・配信
②情報内容のABC評価と調査対応
③毎月の商品取り扱いの検討
④クイックプロでの全国商品クレーム状況監視
10
-5-
ISO22000
食品安全マネジメントシステムの導入
けんせいきょうでは2008年の餃子事件を受けて、ISO22000取得に取り組みました。
ISOとは国際標準化を指し、22000は『食品安全』を指します。つまり、『食品安
全』を実現するための世界が認めるマネジメント方法であるといえます。
ISO22000は『食品安全』を実現するための根拠として、HACCP(ハサップ)の
考え方を取り入れています。
HACCPとは、『工程管理により生物的、物理的、科学的根拠に基づき、連続して
管理状態を監視し、製造ロットの全商品を保証しよう』とするものです。
つまり、『商品荷受け~組合員お届けまでの作業工程の中で、生物的、物理的、
科学的根拠に基づいて、配送作業や温度・衛生管理など問題がないか確認し
続けながら、振り返りを行い、改善していくことで組合員に安全な商品をお届け
し続けていこう。』というものです。
11
HACCPとは?
HACCPシステムの7原則12手順 (6~12が7原則)
手順1
手順2
手順3
手順4
手順5
手順6
HACCP専門家チームの編成
製品情報の記述
手順7 重要管理点の設定
手順8 管理基準の設定
用途および使用者(消費者)の確認 手順9 モニタリング方法の設定
工程図作成(フローダイヤグラム等) 手順10 改善措置の設定
手順11 検証方法の設定
工程図の現場確認
手順12 記録および各種文書の保管
危害分析
12
-6-
ISO22000食品安全マネジメント
システムでの取り組み
★品温調査の実施
物流センターから組合員宅お届けまでの間、
シッパー(冷蔵・冷凍)内温度に問題がないか、
温度計をセットして温度点検を実施しています。
★微生物・水質検査の実施
品温調査と合わせて、微生物検査(月1回)や
製氷機の水質検査(年1回)を外部専門機関に
依頼して安全性を確認しています。
★衛生点検の実施
外部専門機関による施設内の衛生環境調査
(ネズミ、ゴキブリ類など有害生物調査)、内部
での施設管理点検を毎月実施しています。
★作業点検の実施
配送作業の手順書を作成し、
担当者の作業に問題がないか
食品安全チームメンバーによる
点検を毎月実施しています。
13
けんせいきょう
物流センターの取り組み
★コールドチェーンの確立
今年6月より新しい物流センターが稼動しました。 入荷~仕分け~出荷まで各温度帯ごと
(0℃~10℃)に管理し、商品の品質を維持しています。
★商品点検
商品の入荷時点での温度に問題がないか、また製造日や賞味期限の誤りや箱に破損は
ないかなどを点検しています。
★衛生管理
手洗い及びアルコール消毒しないと入室
できない設備であることや、防止着用、土足厳禁
としています。
★防虫管理
建物内に空気圧をかけ、外部から蚊やハエなどが
進入できないようになっています。
外部機関の防虫防そ点検を毎月実施しています。
14
-7-
食の安心研究所の取り組み
「安全なものを安心して食べたい」と願う消費者である組合員さんと、「安全なものを
つくり続けたい」と願う生産者にお役立ちする為、「富山県における地産地消の促進と
地場のお取引先の育成を目的とした制度」として2006年6月に「食の安心基金」を立ち
上げました。この「食の安心基金」とは消費者(組合員)と生産者を中心に、虹の会
(けんせいきょうと取引のある業者の会)、けんせいきょうからも補助、協力金としていた
だいたお金です。同時にこの制度を運用する機関として「食の安心研究所」を設立しました。
★講演会・学習会・交流会の開催
「商品の品質確保の向上」、「地産地消の推進と地場産業振興」を目的に、学習会や講演会などの活
動を行い、これまでに約750名の参加があり、生産者、メーカー、組合員がそれぞれ食に対する理解
を深め、意識向上を図ることができました。
★資金貸付、専門家研修
またメーカーに対して設備導入のための資金貸付や、専門家を派遣し、
人財育成のための社内研修の実施などの支援も行いました。
★HACCP実務者養成講座の開催
県内の生産・製造現場にHACCP手法を広め、商品の品質確保の
向上目的にまたHACCP実務者養成講座を2007年から隔年で
開催しています。
15
コープ北陸との
取引先育成の取り組み
けんせいきょうではコープ北陸と連携して、取引先、メーカーに対して
育成を目的に学習の場を設けています。
★品質管理研究会
2000年から毎年開催、これまでに計15回開催され、毎回300人以上の
参加があります。
★地場生産者育成セミナー
2007年から地場生産者の育成を目的に
毎年開催されています。
16
-8-
けんせいきょうの
食品添加物使用基準の考え方
★基本的な考え方
①使用しなくてもすむ食品添加物はできる限り
使用しません。
②安全性と必要性、有用性を検討し、必要最低限の
使用とします。
③食品添加物の安全評価は、現在の科学水準の
中のもので、将来にわたって絶対的なものとは
いえません。したがって今後も、その時代の最先端の
科学による再評価、見直しを継続していきます。
17
<富山県生協管理食品添加物リスト>
不使用添加物
No
添加物名
1 デヒドロ酢酸ナトリウム
2 パラオキシ安息香酸イソブチル
3 パラオキシ安息香酸イソプロピル
4 パラオキシ安息香酸ブチル
5 パラオキシ安息香酸プロピル
6 OPP(オルトフェニルフェノール)
7 OPP(オルトフェニルフェノール)ナトリウム
8 TBZ(チアベンダゾール)
9 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
10 臭素酸カリウム
11 過酸化ベンゾイル
12 グレープフルーツ種子抽出物
13 食用赤色2号
14 食用赤色2号アルミニウムレーキ
15 食用赤色3号
16 食用赤色3号アルミニウムレーキ
17 食用赤色105号
18 食用黄色4号
19 食用黄色4号アルミニウムレーキ
20 食用黄色5号
21 食用黄色5号アルミニウムレーキ
22 食用赤色104号
23 食用赤色40号
24 食用赤色40号アルミニウムレーキ
留意使用添加物
主な用途
保存料
保存料
保存料
保存料
保存料
防カビ剤
防カビ剤
防カビ剤
酸化防止剤
製造用剤
製造用剤
製造用剤
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
留意使用添加物
No
添加物名
25 ソルビン酸
26 ソルビン酸カリウム
27 安息香酸
28 安息香酸ナトリウム
29 パラオキシ安息香酸エチル
30 ツヤプリシン(ヒノキチオール)抽出物
31 εーポリリシン
32 プロピオン酸
33 プロピオン酸ナトリウム
34 プロピオン酸カルシウム
35 ペクチン分解物
主な用途
保存料
保存料
保存料
保存料
保存料
保存料
保存料
保存料
保存料
保存料
保存料
留意使用添加物
No
No
添加物名
主な用途
添加物名
防カビ剤
36 イマザリル
73 サバクヨモギシードガム
防カビ剤
37 フルジオキソニル
74 デキストラン
酸化防止剤
38 BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
75 微小繊維状セルロース
酸化防止剤
39 BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
76 マクロホモプシスガム
40 エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム酸化防止剤
77 モモ樹脂
酸化防止剤
41 グアヤク脂
78 ラムザンガム
酸化防止剤
42 クエルセチン
79 レバン
酸化防止剤
43 酵素処理ルチン(抽出物)
80 食用赤色106号
酸化防止剤
44 酵素分解リンゴ抽出物
81 食用青色1号
酸化防止剤
45 コメヌカ酵素分解物
82 食用青色1号アルミニウムレーキ
酸化防止剤
46 単糖・アミノ酸複合物
83 食用青色2号
酸化防止剤
47 フェルラ酸
84 食用青色2号アルミニウムレーキ
酸化防止剤
48 ブドウ種子抽出物
85 食用緑色3号
酸化防止剤
49 ヘゴ・イチョウ抽出物
86 食用緑色3号アルミニウムレーキ
酸化防止剤
50 没食子酸
87 食用赤色102号
酸化防止剤
51 ヤマモモ抽出物
88 ラック色素
製造用剤
52 過酸化水素
89 二酸化チタン
製造用剤
53 プロピレングリコール
90 骨炭色素
甘味料
54 カンゾウ抽出物
91 植物炭末色素
甘味料
55 カンゾウ末
92 ファフィア色素
甘味料
56 ステビア抽出物
93 ヘマトコッカス藻色素
甘味料
57 ステビア末
94 ログウッド色素
甘味料
58 α-グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビア
95 アルミニウム
甘味料
59 酵素分解カンゾウ
96 ベニバナ赤色素
甘味料
60 ブラジルカンゾウ抽出物
97 亜硝酸ナトリウム
甘味料
61 L-ラムノース
98 硝酸ナトリウム
甘味料
62 D-リボース
99 硝酸カリウム
増粘安定剤
63 カラギナン
100 亜硫酸ナトリウム
増粘安定剤
64 サイリウムシードガム
101 次亜硫酸ナトリウム
増粘安定剤
65 ファーセレラン
102 二酸化硫黄
増粘安定剤
66 アウレオバシジウム培養液
103 ピロ亜硫酸カリウム
増粘安定剤
67 アグロバクテリウムスクシノグリカン
104 ピロ亜硫酸ナトリウム
増粘安定剤
68 アラビノガラクタン
105 Lーフェニルアラニン
増粘安定剤
69 ウェランガム
106 ポリソルベート20
増粘安定剤
70 エレミ樹脂
107 ポリソルベート60
増粘安定剤
71 ガティガム
108 ポリソルベート65
増粘安定剤
72 グルコサミン
109 ポリソルベート80
※不使用添加物24品目、留意使用添加物85品目 合計109品目
-9-
主な用途
増粘安定剤
増粘安定剤
増粘安定剤
増粘安定剤
増粘安定剤
増粘安定剤
増粘安定剤
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
着色料
発色剤
発色剤
発色剤
酸化防止剤・漂白剤
酸化防止剤・漂白剤
酸化防止剤・漂白剤
酸化防止剤・漂白剤
酸化防止剤・漂白剤
強化剤
乳化剤
乳化剤
乳化剤
乳化剤
18
けんせいきょうの放射性物質に
対する考え方と自主検査のすすめ方
国・自治体の放射能検査データの点検を基に、出荷制限や摂取制限の
かかっていないなどの安全確認して商品をお届けしております。
(福島県、茨城県、栃木県、千葉県、神奈川県、群馬県、宮城県、岩手県:10月18日現在)
① PB商品・安全安心認証商品・産直品の自主検査は日生協、
コープ北陸と連携して実施していきます。
② 優先順位を付けて、新たに検査対象品に社会的問題となっている商品、
組合員の不安が高い商品を追加して自主検査をすすめます。
③オリジナル商品や緊急時の検査は北陸の地元検査機関にて
おこない、迅速に対応します。
④牛肉については7月12日以降、行政が随時公表する個体識別番号を
もとに、取り扱いの有無について確認して商品をお届けしています。
⑤放射能自主検査も含めて、放射能問題に対する取り組みについて、
機関紙、ホームページ等での組合員広報を強化していきます。
19
けんせいきょうの
放射能自主検査一覧
商 品
コープ牛乳
ジャンボぎょうざ
国産しらす干し
まろやか国産しめさば
有機生芋糸こんにゃく
糸こんにゃく
国産うなぎ蒲焼カット
藁焼戻りかつおたたき
藁焼びんちょうまぐろたたき
発芽玄米花一膳
りんご
長いも
ごぼう
ニラ
ほうれん草
白ねぎ
生落花生
さつまいも
上梅沢有機米こしひかり
医王の舞こしひかり
ひばり野こしひかり
宇米蔵
区 分
北陸PB商品
北陸PB商品
北陸PB商品
北陸PB商品
北陸PB商品
北陸PB商品
あん・にん商品
あん・にん商品
あん・にん商品
あん・にん商品
産直品
産直品
産直品
産直品
産直品
産直品
産直品
産直品
県別商品
県別商品
県別商品
県別商品
原料産地
原乳(基本は北陸・北海道産、不足時 新潟県・静岡県産)
にんにく(青森県)
遠州灘
三陸沖
蒟蒻芋(群馬県)
蒟蒻芋(群馬県)
うなぎ(静岡県)
三陸沖
三陸沖
宮城県
青森県
青森県
青森県
千葉県
千葉県
千葉県
千葉県
千葉県
富山県(滑川市)
富山県(南砺市)
富山県(入善町)
富山県(砺波市)
20
-10-
けんせいきょうでは
引き続き、安全・安心の取り組みを
前進し、組合員へのお役立ちを高め
ていけるよう、努めてまいります。
21
-11-
講 演
食の安心情報を読み解く
~放射能汚染を中心に~
科学ライター
松永和紀(まつながわき) 氏
プロフィール
長崎市生まれ。
東京都立西高等学校、京都大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修士課
程修了(農芸化学専攻)。
毎日新聞社の記者として 10 年ほど勤務した後に、科学分野のフリーライターと
して活動。
著書には『買ってはいけない』などの誤った医療情報を指摘した『メディア・
バイアス あやしい健康情報とニセ科学』で日本科学技術ジャーナリスト賞 2008
を受賞。
他には「食卓の安全学『食品報道』のウソを見破る」、「踊る『食の安全』農業
から見える日本の食卓」、「食の安全と環境『気分のエコ』にはだまされない」
など。
2011 年には、科 学 的 根 拠 の あ る 食 情 報 を 発 信 す る 消 費 者 団 体
消費者団体「FOOCOM.NET」を 4 月に設立し、編集長に就任。
-12-
食の安心研究所・食の安心講演会
食の安心情報を読み解く
~放射能汚染を中心に~
松 永 和 紀
2011年11月26日
1
今日のあらまし
1.
2.
3.
4.
放射線の人体への影響
食品の汚染
報道の問題点
私たちはどう対処すべきか
Copyright(c) 2011 Waki Matsunaga. All Rights Reserved. -13-
2
原発事故で放出された放射性物質の動き
コープネット事業連合「なるほど!食卓の安全学」より
http://www.coopnet.jp/products/anzengaku/201105.php
Copyright(c) 2011 Waki Matsunaga. All Rights Reserved. 3
事故による被ばくは、少なければ少ない方が
いいに決まっている!
しかし……
• 「かき集めて完全処分」は無理。“無毒
化”は不可能
• 「除染」と言っても、場所を動かしている
に過ぎない。動かした先でどうする?
• 対策の優先順位は?
• 対策に莫大なお金がかかる。どう負担
する? だれが負担する?
Copyright(c) 2011 Waki Matsunaga. All Rights Reserved. -14-
4
「ゼロ」は望めない。
どこまでなら我慢する? 我慢できる?
国は、ちゃんと説明してくれている?
放射性物質の影響と向き合い、
現実的、そして被災地の人たち
に寄り添う具体策を実行するの
が、私たちの責務
Copyright(c) 2011 Waki Matsunaga. All Rights Reserved. 5
放射線の影響はどんなもの?
被ばく線量
4000mSv程度
3000mSv程度
1000mSv程度
500mSv程度
250mSv
100mSv 程度
10mSv/年
2.4mSv/年
6.9mSv/1回
0.6mSv/1回
60日以内に半数の人が死亡
脱毛
吐き気 がん死亡が生涯で5%増加
白血球が一時減少 がん死亡が生涯で2.5%増加
緊急作業従事者の被ばく限度
がん死亡リスクが0.5%程度増加
ブラジル・ガラバリ海岸の一部で自然に受ける放射線
一人当たりが自然に受ける放射線の世界平均
CTスキャンを1回受けた時の放射線量
胃のX線集団検診を1回受けた時の放射線量
Copyright(c) 2011 Waki Matsunaga. All Rights Reserved. -15-
6
放射線100mSv程度の被ばくによって、「がん死
亡リスクが生涯で0.5%程度増加」とは……
放射線が細胞中のDNAを傷つけ、修復が追い
つかない人は、がんになる。放射線100mSv
程度の被ばくによって、1000人中5人がが
んで亡くなる可能性がある
Copyright(c) 2011 Waki Matsunaga. All Rights Reserved. 7
被ばく線量と体への影響
生体への影響
100 200mSv程度より大きい線
量では、リスクは明確
0
不明
100mSv
用量
Copyright(c) 2011 Waki Matsunaga. All Rights Reserved. -16-
8
独立行政法人放射線医学研究所ウェブサイトより
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i13
9
発がんリスクを比較する
出典:文科省「放射線に関する副読本」(高校生
用)http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/10/1309089.htm
国立がん研究センターhttp://www.ncc.go.jp/jp/
-17-
10
放射線の健康影響まとめ
• 100mSv程度で、1000人中5人ががんで死亡
• 100mSv程度未満は、がんリスクを検出できない
• リスクゼロではないが、リスクは喫煙や野菜不足、
肥満等に比べて大きいとは言えない
• 子どもが生涯でがんになるリスクは、「全集団」に比
べて3倍程度、高い(ICRPが慎重に評価して)
• 子どもが10年後にがんになるのと、70歳が10年後
にがんになるのは、意味合いがまったく違う
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では、現在は?
現在は、「起きてはならない事故」が起きてし
まった“異常時”
福島県民の被ばく線量は数mSv 数十mSv
平時の基準を適用して規制をかけると、社会
は大混乱に陥る。だから、「段階的に対応を
変えて、緩やかに軟着陸しましょう」というの
が、ICRPの考え方であり、その勧告に基づ
いて動いている国の考え方
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ICRP 放射線防護の目的
1.平常時(計画被ばく状況)
身体的障害は起こさず、がんのリスクをできるだけ低
く抑えるように放射線業務従事者と公衆の被ばくを管
理する
2.非常事態からの復旧期等(現存被ばく状況)
身体的障害は起こさず、がんリスクは平常時より増加
した状態で管理することあり
3.非常時(緊急時被ばく状況)
重篤な放射線障害を回避するよう、初期対応に従事
する。作業者と公衆の被ばくを管理する(がんのリス
ク増加に優先して対処)
1mSv以下
/年
1 20mSv
/年
20
100mSv
13
Copyright(c) 2011 Waki Matsunaga. All Rights Reserved. その前提にある事実
チェルノブイリの教訓(2003-2005チェルノブイリフォーラム報告書)
作業者(1986 89)
60万人
高汚染地域からの避難者(1986)
11万6000人
33mSv
厳重管理区域の住民(1986 2005)
27万人
>50mSv
汚染地域の住民(1986 2005)
500万人
100mSv
10‐20mSv
住民の被ばく線量は、福島原発事故よりも多い。子ど
もの甲状腺がんが約6000人、死亡は15人。それ以外
の住民への影響は、認められていない。がんによる死
亡者上乗せ数は4000人と推測。しかし、生活の激変
による精神的な影響、トラウマは非常に大きかった
広島・長崎の経験
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その前提にある事実
自然放射線による日本人の平均被ばく線量は1.48mSv(宇宙線
0.29mSv、大地0.39mSv、水や食品0.41mSv、ラドン0.40mSv)
食品にも、放射性カリウムや放射性ポロニウムなど放射性物質が
含まれ、大人も子どもも被ばくしている
1950 60年代は、世界中で行われていた核実験により、かなり
の量の放射性物質が降下していた
富山県のCs-137月間降下量
2011年3月0.095Mbq/km2,
2011年4月13Mbq/km2
2011年5月2.5Mbq/km2
2011年6月0.21Mbq/km2
文科省定時降下物のモニタリング結
果より
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/monitorin
g_by_prefecture_fallout/index.html
「日本の環境放射能と放射線」により作成
http://www.kankyohoshano.go.jp/kl_db/servlet/com_s_inde
15
x
さらに、必要な知識
Bq(ベクレル)とSv(シーベルト)の関係は?
Bqで表されるのは、ごく簡単に説明すると放射性物質
の量、放射線を出す能力
Svで表されるのは、ごく簡単に説明すると、人が放射
線を浴びた時の影響の大きさ
放射性物質の種類によって出す放射線が異なり、
体への分布や影響の大きさ等、さまざまな性質が異
なるので、「影響の大きさ」(Sv)を出すには、計算が
必要
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500Bq/kgの放射性セシウム137が検出された
牛肉を、成人が1kg食べたと仮定すると、その
後、体が50年間に受ける放射線量は
500×0.013=6.5. μSv=0.0065mSv
赤字部分は実効線量係数と呼ばれ、放射性物質の種類や食べる人の
年齢によって数字が変わる
この線量を1年間に被ばくする、と見積もる
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暫定規制値の設定方法
• 食品安全委員会は、放射性セシウムについ
ては、年間5mSvの線量を「食品由来の放射
性被ばくを防ぐ上でかなり安全側に立ったも
の」とした。
• 厚労省はこの5mSvを(1)飲料水(2)牛乳・乳製
品(3)野菜類(4)穀類(5)肉・卵・魚・その他の5
つのカテゴリーに分けて1mSvずつ割り当て、
各食品の摂取量などを踏まえて暫定規制値
を決めた。乳幼児についても考慮されている
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年間1mSv となる(Bq/kg)の計算値
成人
幼児
乳児
最小値
飲料水
201
421
228
201
牛乳・乳製
品
1660
843
270
270
野菜類
554
2686
1540
554
穀類
1110
3830
2940
1110
4010
3234
664
暫定規
制値
200
200
肉・卵・魚介 664
類・その他
500
500
500
Bq × 線量係数 × 年間の摂取量=年間のmSv
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• 暫定規制値程度の食品を5割、汚染のない食品を5
割、1年間食べ続けても、各食品群の被ばく線量が
1mSvを超えないように、暫定規制値は定められてい
る
• 5mSvは、発がんリスクが明確になる「100mSv」には
遠い。しかし、平時の目安「1mSv」はオーバーして
いる
• 「暫定規制値を下回っているから安全=リスクゼロ」
ではない
• ただし、暫定規制値超えの食品を何回か食べる程
度では、健康影響は事実上、問題とならない
• したがって、規制値を下げて行く方向。基になる数
値は1mSv
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新しい規制値
• 限度となる線量は1mSv
新区分
一般食品
ほとんどの食品
飲料水
代替がきかず、摂取量が多いため
乳児用食品
粉ミルク、フォローアップミルクなど
牛乳
摂取量の年齢差が大きいため
今年中に案がまとまり、来年早々にパブリックコメント
来年4月から新規制値へ移行
Copyright(c) 2011 Waki Matsunaga. All Rights Reserved. 科学的に不適切な報道の数々
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食品中の放射性物質の推移
厚生労働省の「食品中の放射性物質の検査について」よりコープネット事業連合が作成
23
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000016378.html
モニタリング調査における放射性セシウム測定値
品目
福島県
その他
7月
7月
9月
9月
500Bq/kg超
300Bq/kg超
100Bq/kg超
500Bq/kg超
300Bq/kg超
100Bq/kg超
牛乳
0/137(0%)
0/137(0%)
0/137(0%)
0/338(0%)
0/338(0%)
0/338(0%)
牛肉
56/1165(4.8
%)
72/1165(6.2% 122/1165(1
0.5%)
)
77/8519(0.9
%)
192/8519(2.
3%)
663/8519(7.
8%)
米
0/669(0%)
0/669(0%)
1/669
(0.1%)
0/2061(0%)
0/2061(0%)
1/2061((0%
)
茶
0/2(0%)
0.2(0%)
2/2(100%)
29/187(15.5
%)
56/187(29.9
%)
119/187(63.
6%)
キノコ類
13/342(4.4
%)
25/342(7.3%) 47/342(13.7
%)
2/175(1.1%
)
2/175(1.1%
)
12/175(6.9
%)
魚介類
55/872
(6.3%)
107/872(12.3
%)
5/705(0.7%
)
6/705(0.9%
)
32/705(4.5
%)
上記以
外
13/2595(0.5
%)
33/2595(1.3% 104/2595(4
%)
)
8/2551(0.3
%)
17/2551(0.7
%)
60/2551(2.4
%)
合計
139/5782(2.
4%)
237/5782(4.1
%)
121/14536(
0.8%)
273/14536(
1.9%)
887/14536(
6.1%)
336/872(38.
5%)
612/5782(1
0.6%)
厚労省資料より抜粋http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tsmk-att/2r9852000001tt44.pdf
-24-
24
• 11月2日現在、約4万8000件を検査し公表
(厚労省や農水省ウェブサイト)
• 一部の茶、牛肉、魚などを除き、多くが検出
限界未満
「暫定規制値超え」は伝えても、大多
数の「不検出」「検出限界未満」を伝
えないマスメディアの報道によって、
消費者の認識は歪められている
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食品による内部被ばくの線量推計(mSv)
自然の放射性物質による年間被ばく量は0.41mSv
厚労省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会放射性物質対策部会作業グループ
(線量計算等)による試算
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tsmk.html
-25-
26
検査より生産工程管理がうんと大事
畜産ー飼料や水の管理
野菜ー移行係数(参考値)、根はどこに張るか、
カリ肥料の活用
主な作物の移行係数
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/110527.html
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「生産」と結びついていない“危険情報”
ベラルーシの基準の方が、日本よりも厳し
いーウソ(ベラルーシの基準は段階的に変更厳しくなっ
ており、現在のは1999年に決定)
チェルノブイリ事故後、牛乳を飲んだ子ど
もたちは甲状腺がんになった。だから、牛乳
が危ないーウソ
海はつながっているから、汚染魚はどこで
もとれるーウソ
牛肉が危ないのだから、豚肉、鶏肉もーウ
ソ
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28
マスメディアは、さかんに「検査を」「全品検査
を」「ベクレル表示を」と言っていますが…
食品の全品検査は無理。サンプリング検査しか
できない
素早くできる検査は正確ではない
正確な検査は時間がかかるうえ、その食品はもう食べら
れない
検査体制が追いつかない
• 生産関係者は放射能汚染を防ぐべく、努力し
ている
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避けて通れない検査コストの問題
• 出荷するかしないか、商品を取り扱うか取り扱わないか、
と決めるには、それなりのしっかりした検査が必要(機器
1500万 2000万円、検査のエキスパート確保も)
• 検査はいつまで必要?
• だれが負担する? 国? 東京電力? 流通企業? 消
費者?
• どれだけのリスクを低減?
• お金の使い方の優先順位
は?
公定法で使われるゲルマニウム半導体検出器。
この高価な装置で30分以上測定しなければ、正
確な検査値は出ない
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報道の多くが考慮していないように見えること
• 科学的妥当性(センセーショナルに報道しな
いと、売れない、視聴率が上がらない)
• 放射性物質の“量”
• リスクのトレードオフ
• ベネフィット(便益)、メリット
• 対策のコスト
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トレードオフとは、なにかを追求した時に、別の
ことが疎かになり犠牲になること
=あちらを立てれば、こちらが立たず
(例)
水道水の放射能を恐れるあまり、水の摂取を控え
るー水不足は人体に致命的な影響、ミネラルウォー
ターにもリスク
和食がいいと信じて、高塩分食生活
お年寄りの避難。放射線の影響は軽減される。その
代わりに、不案内な地域で近所付き合いもない生活に
よる健康影響、精神的な影響は? しかも、放射線の
影響による発がんは20年後……
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心配なのは
福島県沿岸部の水産物。現在は、沿岸漁業は操
業再開していないので、消費者の口には入らないが
…
淡水魚(汚染経路、放射性セシウムの蓄積程度
が、海水魚とまったく異なる)
野生のキノコ類
野生のイノシシなど
生産者が、きちんと生産工程管理をできるか
風評被害
検査への過度の期待
ゼロリスク追求ー「ゼロ」は無理、科学的にも意味
がない
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まとめ
• 放射能汚染がある、というのが冷酷な現実。怒りをぶつけても、
逃れられない
• 放射能汚染ゼロは望めない。望む必要はない
• 100mSv程度未満の発がんリスクは、検出できない。「リスクゼ
ロ」ではない。しかし、喫煙や野菜不足、肥満、高塩分食品等に
比べて大きいリスクとは言えない。“挽回”できる
• 暫定規制値を超えた食品を何回か食べる程度であれば、健康
影響は事実上、無視できる
• 解毒、排出、デトックス効果のあるサプリメントや食品はない
• 一般的に、リスクを下げるのはバランスの良い食生活、バラン
スのよい産地選び
• 情報選びがポイント(マスメディアの流す情報は、かなり問題が
ある)
• まず、厚労省、農水省などのウェブサイトで検査データ確認を
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補足ー参考になる資料
文科省の副読本(今回の事故を受けて制作されたもの。小中高校生向けですが、いい加減な
ことは書いていないので、基本的な放射線の健康影響を知るうえで参考になると思いま
す)http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/10/1309089.htm
消費者庁・食と放射能Q&A
http://www.caa.go.jp/jisin/pdf/111021_food_qa.pdf
(財)食品流通構造改善促進機構の「食品の放射能検査データ」(厚労省が各都道府県の調
査結果をまとめて公表したデータを、地域別や食品別などによって検索できるようにした
もの)http://yasaikensa.cloudapp.net/
専門家が答える暮らしの放射線Q&A(日本保健物理学会)
http://radi‐info.com/
独立行政法人放射線医学総合研究所
http://www.nirs.go.jp/information/info2.php
国立医薬品食品衛生研究所の畝山 智香子先生の著書「安全な食べものってなんだろう?
放射線と食品のリスクを考える」(日本評論社)
そのほか、農水省や厚労省などのウェブサイトにも、食品についてさまざまな情報が掲載され
ています。世間には誤った情報も溢れていますので、なにか調べたいな、と思われた時に
は、これらの確かな情報源をまず見ることをお勧めします
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主な著書
『 「食品報道」のウソを見破る 食卓の安全学』(家の光協会)
『踊る「食の安全」 農薬から見える日本の食卓』(家の光協会)
「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」(光文社新書)
「植物まるかじり叢書5 植物で未来をつくる」(化学同人)
「食の安全と環境 気分のエコにはだまされない」(日本評論社)
連載
月刊誌「栄養と料理」(女子栄養大学出版部)で、『飽食ニッポン「食」の安全を読みとく』
コープネット事業連合広報誌で、「なるほど! 食卓の安全学」
http://www.coopnet.jp/products/anzengaku/
農業温暖化ネットでコラム「松永和紀の目」
https://www.ondanka-net.jp/index.php
Wedge Infinityで、コラム「食の安全 常識・非常識」
http://wedge.ismedia.jp/category/syoku
FOOCOM.NET
http://www.foocom.net/
ご意見は、[email protected]へ
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