IDC MarketScape: ワランティトランザクション管理 2012 年

IDC MarketScape:
ワランティトランザクション管理
2012 年 ベンダー評価
IDC Manufacturing Insights: アフターマーケットおよびサービス戦略
Global Headquarters: 5 Speen Street Framingham, MA 01701 USA
P.508.988.7900
F.508.988.7881
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V E N D O R A S S E S S ME N T
Sheila Brennan
# MI 2 3 5 7 9 7 _ t j
Joe Barkai
本抜粋レポートの内容
本 レ ポ ー ト の 内 容 は 、 IDC MarketScape レ ポ ー ト 『 IDC
MarketScape: Worldwide Warranty Transaction Management 2012 Vendor
Assessment(Sheila Brennan and Joe Barkai、Doc #MI235797)』
か ら 抜 粋 し た も の で あ る 。 次 の セ ク シ ョ ン 「 IDC
Manufacturing Insights の見解」「調査概要」「概況」「将来
の展望」「IDC Manufacturing Insights の提言」「参考資料」
「関連調査」「Synopsis」のすべて、または一部が本抜粋に
含まれている。また、Figure 1 および Figure 2 も含まれている。
IDC MANUFACTURING IN SIGHTS の見解
IDC Manufacturing Insights の調査では、ワランティ部門には
効率を改善し、そして製品品質の改善と市場でのサービス差
別化に向けて企業によって活用される重要な業務が依然存在
することが示されている。多くの企業では、ワランティは依
然として活用されていないリソースであり、ワランティトラ
ンザクションの各々において、顧客の満足度とロイヤルティ
を高める機会が失われている。ワランティトランザクション
管理システムは、サービスの世界における顧客との関係の中
心にあり、単にワランティ請求の処理以上のものが求められ
ている。多くの OEM メーカーは今日、多種多様で煩雑なレ
ガシーシステムと時代遅れの手作業のプロセスに代えて、高
度な機能を備えたワランティソフトウェアパッケージの導入
を目指している。しかし、市場に参入するワランティソフト
ウェアベンダーの増加によって、OEM メーカーとブランド
オーナーは多様なワランティ管理ソフトウェアを選定する上
で困難に直面している。本調査レポートでは、ワランティト
ランザクション管理ソフトウェアの主要ベンダーの能力と戦
略を検証し、ワランティ管理能力の向上を求める企業に IDC
Manufacturing Insights の提言を提供する。本調査の調査結果
には次の内容が含まれる。
● 本調査レポートで評価対象となったすべてのワランティ
管理ソフトウェアベンダーは、ワランティ請求の処理、
返品の実施、サプライヤーからのコスト回収を行う上で
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今日の製造企業が必要とする基本的なワランティトラン
ザクション機能、ビジネスルールエンジンおよび補助的
な機能を提供している。ただし、機能やアプローチの差
異は存在しており、それは特定の業界固有の業務に関し
て特に顕著である。したがって、購入を検討する企業は
詳細な評価計画を策定し、どの差異が重要であるかを判
断する必要がある。一部の企業はこれらが重要であると
見なすかもしれないし、他の企業では基本的にいずれの
ベンダーもニーズを満たすことが可能であると判断する
かもしれない。
● ベンダーと組織の戦略的適合性、ベンダーの製品ロード
マップと組織の現在および将来のワランティ管理との整
合性、そして IT ロードマップがベンダー選定において最
も重要な点である。
● 導入のリスクとコストを低減し、ワランティ管理アプリ
ケーションの価値を最大化するために、製造企業は基盤
となるワランティプロセスの構造および企業内外の部門
間におけるコラボレーションを確実に整備しておく必要
性がある。
調査概要
本 IDC Manufacturing Insights の調査では、IDC MarketScape ソ
フトウェアベンダー評価モデルを使用して、ワランティソフ
トウェアの主要ベンダーの能力と戦略に対する定量的および
定性的な評価を示す。これらの評価はユーザー企業とベンダ
ーに対する調査、アナリスト評価、業界のベストプラクティ
スの調査に基づくものである。
本調査は、4 つの主要セクションから構成されている。第 1
のセクションでは、IDC Manufacturing Insights のアナリスト
がワランティアナリティクスのソフトウェアの選定において、
最も重要でベンダーの長期的/短期的な市場でのポジション
に影響を及ぼすと判断した特性の定義と説明を示す。
第 2 のセクションでは、ベンダー評価を集約し、バブルチャ
ートでその結果を示す。これは評価対象となったソフトウェ
アベンダーに関する数値スコアをバブルチャートで簡潔に示
している。
それに続いて各ベンダーのプロファイルと評価の要約を示し、
最後にワランティアナリティクスソフトウェアのユーザー企
業とベンダーに対する IDC Manufacturing Insights の提言を示
す。
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調査方法
IDC MarketScape は IDC の調査方法であり、当該市場におけ
る顧客価値の提供に最も重要な要因を特定し、これらの要因
に基づいて当該市場への参加ベンダーを評価するように設計
されている。この相対的な評価によって、市場のトレンド/
ニーズや他の市場参加者にも関連した主要市場参加者の一貫
した客観的な観点をユーザー企業とベンダーの両方に提供し
ている。
一般的な評価方法とプロセスは以下の通りである。評価条件
に係る方法論の詳細に関しては、本調査レポートの「参考資
料」を参照されたい。
● ユーザーインタビュー、ユーザー企業に対する調査、
IDC エキスパートの審査委員会の意見を加えた、業界の
知識および継続的な調査を活用した市場評価
● 短期的、長期的な市場のニーズを満たすベンダー能力を
識別するための特殊な評価指標の開発
● ベンダーと製品に関するデータの取りまとめ
○ ベンダーから提供される、製品およびベンダー自身に
関する詳細情報
○ 製品のデモおよび機能とロードマップに関する説明
○ IDC 保有のデータおよび公開データ
○ ユーザー企業のインタビュー
● 評価条件に基づいた各ベンダーの定量的および定性的な
評価
● 事実精度の確保に向けて、調査結果公表に先立つ各ベン
ダーとのスコアと評価のレビュー
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概況
はじめに
経済の不透明性によって主要セクターにおける製造業の成長
が妨げられる中で、企業はコスト削減、品質改善、顧客維持
という喫緊の課題に直面している。一方で、世界的なコネク
ションと知識を有する顧客のニーズの高度化に応えるために
製品は複雑化し続けており、多くの企業はワランティの請求
と コ ス ト に 悩 ま さ れ て い る 。 さ ら に 、 IDC Manufacturing
Insights の調査では以下の事項が示されている。
● 業界内におけるワランティコストの差異は異常に大きく、
また単一の企業内においても時期が異なると大幅な差異
がある。
● 業界全体でワランティの改善を推進する能力は、適切な
方法とツールの欠如により限られている。
○ パフォーマンスを評価し、継続的改善を実施するため
のベンチマーキングの利用は最低限となっている。
○ ワランティトランザクションの管理、ワランティおよ
び品質の分析、財務管理の改善のための IT ツールの
適用には一貫性が欠けている。
IDC Manufacturing Insights では、製造企業が自己評価と継続
的な改善をできるように、そしてプロセスまたはツールへの
投資が最大のメリットを生み出せる基盤プロセスを整備でき
る よ う に 、 ワ ラ ン テ ィ 能 力 成 熟 度 モ デ ル ( WCMM )
(『Methods and Practices: Warranty Capabilities Maturity Model (IDC
Manufacturing Insights #MI227896、2011 年 5 月発行)』を参
照)を作成した(Figure 1)。
本 IDC MarketScape では、ワランティトランザクション管理
アプリケーションの市場に焦点を合わせている。これは、
Figure 1 に基づき、成熟段階の早期から中期におけるマネー
ジドプロセスと共に導入すべきものである。
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FIGURE 1
ワランティ管理能力成熟度モデル
4. 最適化
•
•
•
•
•
品質と設計の改善を推進 するワランティデータ
率先的に行う品質と財務の管理
予測アナリティクス。先行指標に焦点
企業全体に渡る迅速な意思決定
ITツール:高度なアナリティクス、意思決定支援システム
3. 統合化
•
•
•
•
トランザクション、財務、品質、顧客満足度などに及ぶ複合されたKPI
外部のベンチマークを含む定期的なベンチマーキング
組織内での高い可視性(VP以上)
業務改善、アナリティクス、早期警戒などのITツールへの投資
2. マネージド
•
•
•
•
•
一貫性には欠けるものの、ワランティと品質のリンクが確立
トランザクションと基本的な財務に焦点を置くKPI
初期的なベンチマーキングの取り組みとベストプラクティスの共有
コスト回収の強調、体系的アプローチ
基本的なトランザクションと財務を管理するITツールへの投資
1. 標準化
•
•
•
•
確立されたプロセスの使用。トランザクションに焦点
記録が行われないベストプラクティス
事業部は独立して業務。ワランティ管理部門外での低い可視性
体系化されていないツール(ファックス、電子メール)
0. アドホック
•
•
•
•
日常的に続くアドホックなトランザクションベースのプロセス
非体系的な例外管理
不規則なコミュニケーション
ワランティソフトウェアツールへの投資無し、自動化無し
Source: IDC Manufacturing Insights, 2012
ワランティトランザクション管理アプリケーション
ワランティトランザクション管理アプリケーションは、単に
ワランティの請求処理の範囲を超えて進化している。IDC
Manufacturing Insights では、今日の市販システムは最低限の
基本的な機能として、以下に関する統合機能を備えていなけ
ればならないと考えている。
● 顧客の資格情報の把握と管理の基礎となる、ワランティ
および延長ワランティ契約とポリシーの定義
● Web ベースの製品登録(リモートまたは社内)
● たとえば、製品回収やサービスキャンペーンの定義とト
ラッキングなどのキャンペーン管理
● Web ベースのワランティ請求入力
● ワランティポリシーの管理や請求の処理(事前承認、資
格確認、疑わしい請求の識別、審査など)のための、ビ
ジネスユーザー(企業の IT 部門や、請負/ベンダーのサ
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ービス部門ではなく)によるダイナミックなワランティ
ルールの作成と管理
● ワランティ請求の追跡やエスカレーション経路の割り当
て
● 顧客の製品の受入と、パーツ返品の追跡のための返品承
認(RMA)
● サプライヤーからの効率的なコスト回収のサポート
● ワランティ引当の改善向けに品質欠陥の早期アラート検
出機能や疑わしい請求の分析を提供するワランティアナ
リティクス。ワランティアナリティクスの機能に関する
分 析 は 『 IDC MarketScape: Worldwide Warranty Analytics 2012
Vendor Assessment(IDC Manufacturing Insights #MI233833、
2012 年 3 月発行)』に記載されている。
業種固有/役割固有のレポートテンプレート、あるいは有効
化/無効化が可能な事前定義済のビジネスルールなどの、価
値実現までの時間を短縮する機能が標準で含まれていること
が望ましい。しかし、これらの機能はシステム柔軟性と組み
合わせされる必要がある。システム導入後の事業環境の変化
に対応するために、ビジネスユーザーが IT 部門に頼ること
なく、ユーザーフレンドリーなインターフェースによってワ
ークフローとレポートをカスタマイズできる機能が必要であ
る。
クラウドベースのデリバリーとモバイルアプリケーションが
主流になる中で、ワランティ管理ソフトウェアのユーザー企
業は必要に応じてこれらが利用できることを期待している。
フィールドでの修理を提供する必要のある製品を提供する組
織にとっては、ワランティ管理とフィールドサービスの緊密
な統合が極めて望ましい。
将来の展望
多くの製造企業にとって、ワランティは依然としてコスト削
減、キャッシュフローの改善、品質の向上、顧客満足の強化
のために十分に活用されていないリソースである。ワランテ
ィ管理は製造企業にとってますます重要な機能になるとみら
れる。
市場の圧力の高まりによって、トランザクションの把握と管
理の効率化、企業内にある改善に役立つ情報の活用、顧客と
の接触機会の活用のためにワランティソフトウェアへの投資
が増大すると予測される。
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製造企業は、基本的な特徴や機能だけではなく、業界での経
験および自社のロードマップと整合する詳細な戦略的ロード
マップを有するソフトウェアベンダーを求めるとみられる。
ユーザー企業は、ワランティアナリティクスを活用し、品質
との相互フィードバックを確保するために、エンタープライ
ズシステムとワランティシステムの緊密な統合を望むと予測
される。
設置済資産へのワランティ修理を提供し、フィールドサービ
ス業務を管理している企業に関しては、フィールドサービス
の計画と実行システムとの統合のニーズも高まるとみられる。
製造企業はワランティプログラムとサービスエクスペリエン
スに対する顧客満足度への可視性を提供する機能性をより重
視するであろう。顧客の信用を得る機会とその影響を完全に
理解し、文書化できるシステムの柔軟性が必要とされる。
多 く の 製 造 企 業 が モ バ イ ル 技 術 と SaaS ( Software as a
Service)モデルの導入によってアクセスを改善し、IT 予算へ
の負担を軽減しているため、これらのテクノロジーを利用す
るベンダーがより求められると予想される。
IDC MarketScape - ワランティトランザクション管理
市場ベンダー評価
ワランティトランザクション管理に関する IDC MarketScape
のベンダー評価は、現在の市場ニーズを満たすことが可能で
あり、また今後数年において市場シェアを拡大する可能性の
高いベンダーに対する IDC Manufacturing Insights による評価
である(Figure 2 を参照)。Figure 2 における右上方の位置は、
ベンダーが市場のニーズを満たす良好な位置にあることを示
している。
IDC Manufacturing Insights では、成功のための重要な戦略的
指標を「能力」と「戦略」の 2 つのカテゴリーに分類した。
縦軸(能力軸)と横軸(戦略軸)上における位置を決定する
上で最も重要な基準は以下の通りである。
● 縦軸(能力軸)上のポジションは、ベンダーの現時点に
おける能力、およびその能力と顧客ニーズの間の整合性
を 反 映 し た も の で あ る 。 こ の カ テ ゴ リ ー で は 、 IDC
Manufacturing Insights のアナリストは、ベンダーが顧客の
技術的ニーズとビジネスニーズを満たすことが可能な機
能をどの程度十分に構築/提供しているかを検討する。
● 横軸(戦略軸)上のポジションは、ベンダーの将来への
戦略と今後 3~5 年における顧客のニーズとの整合性を示
している。戦略のカテゴリーでは将来に向けての(ここ
では今後 3~5 年における)、ハイレベルでの戦略的決定
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そしてオファリング、顧客セグメント、ビジネス、「Go
to Market」計画に関する基本的な想定に重点が置かれて
いる。
Figure 2 は、各ベンダーの縦軸および横軸上の位置を示した
ものである。ベンダーの市場シェアは円の大きさで示されて
おり、また、(+)(-)(=)のシンボルは、ベンダーの成
長率が市場全体の成長率を上回っているか、下回っているか、
あるいは同等であるかを示している。市場規模と成長率は推
定の値であり、本分析の対象となったベンダーとの相対値で
ある。したがって、(-)は成長していないのではなく、当
該のベンダーの成長率が分析対象となっているベンダーの平
均成長率を下回っているということを示しているに過ぎない。
FIGURE 2
IDC MarketScape: ワランティトランザクション管理市場における
ベンダーの評価
Source: IDC Manufacturing Insights, 2012
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ベンダー評価概要
以下のセクションでは、1 つのベンダーに関して、Figure 2 に
おける位置付けの根拠となった製品/サービス、能力、戦略
に関する主要な所見を示す。
PT C
PTC(1985 年設立、本社マサチューセッツ州ニーダム)は、
パラメトリックソリッドモデリングおよび PLM のソフトウ
ェアで最もよく知られている。最近では、PTC はサービスラ
イフサイクル管理(SLM)への機能拡張に注力しており、
2011 年後半には 4CS 社を買収している。4CS 社は、iWarranty
アプリケーションによって 15 年間に渡ってワランティ業界
で活動していた企業である。PTC では直近年度において 10
億ドルを上回る年間売上高を達成している。ワランティシス
テムがそれに占める比率は極めてわずかであるが、PTC は
4CS の強力なリソースによって、この市場における最大かつ
最も歴史のあるプレイヤーの 1 社となっている。PTC の
iWarranty の導入業種は、自動車、農業機械、建設機械、産業
機械、航空/国防、ハイテク、消費財、小売などの複数の産
業分野に渡っている。本 IDC MarketScape レポートにおける
スコアに基づくと、PTC は「リーダー」のカテゴリーに位置
付けられる唯一のワランティソフトウェアベンダーである。
PTC の iWarranty 製品は、製品登録、請求審査、パーツ返品、
サプライヤーからのコスト回収などのすべての基本的な機能
を提供している。
PTC の iWarranty アプリケーションは、豊富な標準レポート
とテンプレートを備えており、ビジネスユーザーが業務のた
めにソフトウェアをカスタマイズできるシステムの柔軟性に
よって補強されている。iWarranty では、ビジネスフロー、ト
ランザクション、請求検証のための閾値などの管理のために
事前定義済の極めて多数のビジネスルールを提供しており、
これらは有効化(または無効化)することが可能である。さ
らに、ビジネスユーザーは、独自のルールを定義できる。
PTC はまた、統合されたワランティアナリティクスモジュー
ルを提供しており、SLM の傘の下でサービス部品と技術情報
管理を提供している。実質的にすべての CRM および ERP シ
ステムとの統合も完全にサポートされている。
iWarranty は専用サーバーにホストされる Web ベースのソフ
トウェアとして利用するか、あるいはオンプレミスへの配備
が可能である。PTC では、デリバリーモデルを変更して使用
することを望む企業のための柔軟な契約条件を提供している。
調査対象の他のベンダーと比較して、PTC はワランティにお
いて、そして資格検証のための記録システム(ERP および
CRM)との統合において広範で長期に渡る経験を有している。
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同社ではまた、製品機能、市場や顧客の勢い、営業および流
通能力も強力である。PTC の機会は、同社の全世界的な営業
およびマーケティング戦略の強化による市場の勢いの維持と、
統合的なフィールドサービス管理などの機能をサービスライ
フサイクルポートフォリオに追加することによるポジション
の強化にある。PTC のフル装備のワランティ製品とモジュラ
ーアプローチはユーザー企業にとって魅力的であるが、同一
市場に多くのベンダー、特に自社 ERP システム製品と統合
されたワランティ製品を提供するベンダーが参入しているこ
とを考慮すると、より競争的な価格設定が必要となる可能性
がある。PTC は以前の 4CS のユーザー企業を含むユーザー企
業から優れた評価を受けている。
提言
PTC の iWarranty アプリケーションは高い機能を有している。
カスタマイズ可能な柔軟性を備えたフル装備の市販のワラン
ティソリューションを求めているユーザー企業にとって、標
準 API による ERP/CRM との統合がニーズを満たしており、
当面はフィールドサービス管理が不必要な場合には同社のア
プリケーションは優れた選択肢である。
Windchill への以前の 4CS ソフトウェアの完全な統合と、SLM
ポートフォリオの継続的な進化に伴って、特定のセグメント、
特に複雑なエンジニアリング製品セグメントにおける PTC
の顧客企業は単一の統合フレームワークの下での運用からい
っそうのメリットを受ける可能性がある。
IDC MANUFACTURING IN SIGHTS の提言
検討すべき行動
2011 年において米国企業に対する全世界でのワランティ請求
は 247 億ドルに達しており、製造企業にとってワランティ管
理が主要な機会となっていることは明白である。製造企業は
これに対処するための戦略的能力を獲得する必要がある。製
造企業はワランティ部門を管理するためのプロセスと熟練し
たリソース、そしてワランティ請求に係る量と速度、そして
複雑性をサポートできる IT インフラストラクチャを確実に
整備する必要がある。これは、ブランドロイヤルティの点で
顧客にとって重要であるだけではなく、製品の品質と効率の
改善の面において企業にも寄与する。また、製造企業はこれ
らの分野において、サプライヤーとの関係、コスト回収、統
合的な品質パフォーマンスを改善するためのツールを必要と
している。製造企業は、業界での経験と、現在および将来の
ワランティ管理および IT のニーズと整合した製品ロードマ
ップを有するパートナーに足るソフトウェアベンダーを見出
す必要がある。
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参考資料
関連調査
● IDC MarketScape: Worldwide Warranty Analytics 2012 Vendor
Assessment(IDC Manufacturing Insights #MI233833、2012 年 3
月発行)
● Real-World Challenges in Warranty Analytics ( IDC Manufacturing
Insights #MI230334、2011 年 9 月発行)
● Methods and Practices: Warranty Spend in U.S. Manufacturing, 2010
(IDC Manufacturing Insights #MI229203、2011 年 6 月発
行)
● Methods and Practices: Warranty Capabilities Maturity Model ( IDC
Manufacturing Insights #MI227896、2011 年 5 月発行)
● Market Analysis Perspective: Worldwide Business Analytics Solutions 2010
— The Emerging Mass Market for Business Intelligence, Analytics, and
Data Warehousing(IDC #227397、2011 年 3 月発行)
● Methods and Practices: Warranty Spend in U.S. Manufacturing 2009
(IDC Manufacturing Insights #MI224909、2010 年 9 月発
行)
● Chrysler Wages War on Warranty ( IDC Manufacturing Insights
#MI225075、2010 年 9 月発行)
● Camstar Acquires SigmaQuest, Giving Manufacturing Companies a
Broader Set of Quality Management Capabilities(IDC Manufacturing
Insights #MI224789、2010 年 9 月発行)
● Advanced Signature Analysis Closes the Quality Loop ( IDC
Manufacturing Insights #MI224787、2010 年 9 月発行)
Synopsis
本 IDC Manufacturing Insights レポートでは、IDC MarketScape
ソフトウェアベンダー評価モデルを使用して、ワランティト
ランザクション管理ソフトウェアの主要ベンダーの能力と戦
略に対する定量的および定性的な評価を提供している。これ
らの評価はベンダーおよびユーザーに対する調査と、アナリ
ストの評価および業界のベストプラクティスに対する広範な
知識に基づくものである。
「今日の事業環境では、製品品質とワランティが重要な差別
化要因となっており、ブランドオーナーや製造企業は効果的
なワランティ管理の必要性を認識しています。また、非効率
性を排し、非効率なワランティ管理によるコストを低減する
必要があります。企業は社内開発の複雑なソフトウェアや膨
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大なスプレッドシートに依存してワランティ管理を行うこと
はできません。企業は自社のビジネスニーズに適した、そし
て顧客の期待に応え、ビジネスの変化に応じて拡張と適応が
可能なワランティ管理ソフトウェアツールに投資する必要が
あります」と、IDC Manufacturing Insights の Smart Services and
Aftermarket Strategies リサーチアンドアドバイザリーサービス
のプログラムマネージャーである Sheila Brennan は述べてい
る。
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