平成20年度税制改正大綱概要 (住宅関係) ※自由民主党の平成20年度税制改正大綱の抜粋であり、2008年1月からの 通常国会で成立 して実施されることになります。(国会審議により内容が変更になることがあります。) 社団法人 住宅生産団体連合会 住宅に係る省エネ改修促進税制の創設 地球温暖化防止に向けて家庭部門のCO2排出量の削減を図るため、既存住宅において省エネ 改修を行った場合の以下の特例措置を創設する。 所 得 税 (1)居住者が自己の居住の用に供する家屋について省エネ改修工事を含む増改築工事を行った 場合に、その工事費用に充てるために借り入れた住宅ローンを有するときは、その住宅ローン 残高(1,000万円を限度)の一定割合を5年間にわたり所得税額から控除する制度を創設する。 (適用期限:平成20年4月1日∼平成20年12月31日) 控除率 ①特定の省エネ改修工事(改修後の住宅全体の省エネ性能が平成11年基準(次世代省 エネ基準)相当に上がるもの)に係る住宅ローンは、200万円を限度に年末残高の 2.0%を控除 (現行の住宅ローン減税は、1∼6年目1.0%、7∼10年目0.5%) ②上記以外の増改築工事に係る住宅ローンについては、年末残高の1.0%を控除 対象借入金 ・償還期間が5年以上の住宅ローンを対象(現行の住宅ローン減税は、10年以上の 住宅ローンのみ対象) 対象工事 ・省エネ改修工事の費用が30万円超のものが対象 (現行の増改築等に係る住宅ローン減税の工事費用は、100万円超のものが対象) 選択制 ・現行の住宅ローン減税との選択制 《対象となる省エネ改修工事》 ①居室の全ての窓の改修工事、又は①と合わせて行う②床の断熱工事、③天井の断熱工事、 ④壁の断熱工事で、改修部位がいずれも平成11年基準以上の省エネ性能となり、かつ、改修後 の住宅全体の省エネ性能が現状から一段階相当以上上がると認められる工事内容。 《省エネ改修工事の証明主体》 この特例の適用にあたっては、実施された工事が省エネ改修工事に該当することの証明は、次 に掲げる者が行う。 ①住宅品質確保法に基づく登録性能評価機関 ②建築基準法に基づく指定確認検査機関 ③建築士法に基づく建築事務所に所属する建築士 (2)現行の住宅ローン減税の対象となる増改築等の範囲に、省エネ改修工事を追加する。 固定資産税 平成20年4月1日から平成22年3月31日までの間に、平成20年1月1日に存する住宅(賃貸住 宅を除く)について30万円以上の省エネ改修工事を行った場合、当該家屋に係る翌年度分の固 定資産税額(120㎡分までを限度)を1/3減額する。 《対象となる省エネ改修工事》 ①窓の改修工事、又は①と合わせて行う②床の断熱工事、③天井の断熱工事、④壁の断熱工 事で、改修部位がいずれも現行の省エネ基準に新たに適合することになるもの。 現行の住宅ローン減税・バリアフリー改修促進税制・省エネ改修工事促進税制の比較 現行の住宅ローン減税 バリアフリー改修 2.0% 控除率 税額 省エネ改修促進税制 2.0% {バリアフリー改修工事以外の 部分1.0%} 1.0% {特定の省エネ改修工事以外の 部分1.0%} 控除期間 10年間 5年間 5年間 ローンの 償還期間 10年以上が対象 5年以上が対象 5年以上が対象 ローンの 限度額 2,000万円 工事費用 100万円超 200万円 200万円 {バリアフリー改修工事以外の 部分と合計で1,000万円〕 〔特定の省エネ改修工事以外の 部分と合計で1,000万円〕 30万円超 30万円超 ※特定の省エネ改修工事:改修後の住宅全体の省エネ性能が平成11年の省エネ基準相当に上がると認められる内容の 省エネ改修工事。 控除額の計算 《対象工事①+②の合計で1,000万円を限度》 ①増改築工事用 ②うち特定の省エネ 改修工事費用 1 ローン残高 控除年 控除率 ∼1,000万円 1∼5年目 1.0% ∼200万円 1∼5年目 2.0% 2 3 4 5年目 平20.4.1∼ 平20.12.31 居住分 8万円 8万円 8万円 8万円 8万円 ① 最高控除額 60万円 4万円 4万円 4万円 4万円 4万円 ② 控除額の比較 【前提】借入金1,000万円、金利3.0%、償還期限10年 <特定の省エネ改修工事200万円、その他の工事800万円> 現行の住宅ローン減税 (控除期間10年間) 省エネ改修促進税制 (控除期間5年間) 44.0万円 46.4万円 住宅の長寿命化(「200年住宅」)促進税制の創設 持続可能な社会の実現を目指し、良質な住宅を大切に長く使うことによる地球環境への負 荷の低減を図るとともに、建替えコストの削減による国民の住宅負担の軽減を図るため、一定 の基準に適合する認定を受けた長期耐用住宅(仮称)(「200年住宅」)について、以下の特例 措置を講ずる。 ○登録免許税:税率を一般住宅より引下げ ・所有権保存登記:0.1% (一般住宅特例:0.15%、本則:0.4%) ・所有権移転登記:0.1% (一般住宅特例: 0.3%、 本則:2.0%) ○不動産取得税:課税標準からの控除額を一般住宅特例より拡大 ・1300万円控除 (一般住宅特例:1200万円控除) ○固定資産税:新築住宅に係る減額特例の適用期間を一般住宅より長期間設定 ・戸 建 て:5年間1/2 (一般住宅特例:3年間1/2) ・マンション:7年間1/2 (一般住宅特例:5年間1/2) ※1戸あたり120㎡相当分までに限る 《要 件》 ・「長期耐用住宅等の整備の促進に関する法律(仮称)」の規定により行政庁の定を受けて 新築された住宅であること。 《特例の期間》 ・同法の施行の日から平成22年3月31日までの間に新築(不動産取得税にあっては取得) されたもの。 住宅に係る耐震改修促進税制の拡充 本税制について、耐震診断から設計、改修までを総合的に支援する補助制度を有する市町村を 適用対象地域とするよう運用を改善する。 <現行> 耐震改修の工事費に補助を行っている市町村のみ対象(平成19年4月現在で556団体) <改善内容> 現在は耐震診断にのみ補助を行っている市町村であっても、耐震診断から設計、改修までを 総合的に支援する補助制度を新たに創設した場合は、対象とする。尚、現在耐震改修等に対す る補助を行っている市町村は引き続き対象。 土地の売買等に係る登録免許税の特例措置の延長 ①適用期限を平成23年3月31日まで3年延長する。 ②現行の税率に1年間据え置いた上で、平成21年4月1日から次のように段階的に引上げる。 現 行 項 改 正 案 目 ∼平成20年3月31日 平成20年4月1日∼ 平成21年4月1日∼ 平成22年4月1日∼ 平成23年3月31日 土地の売買による所有権の移転 登記(本則20/1,000) 10/1,000 10/1,000 13/1,000 15/1,000 土地の所有権の信託の登記 (本則4/1,000) 2/1,000 2/1,000 2.5/1,000 3/1,000 新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長 住宅取得者の初期負担の軽減を通じて、良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図るため、 新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を2年延長する。 ○120㎡相当部分につき、3年間(中高層耐火建築物である住宅は5年間)税額を1/2に減額 住宅取得資金に係る相続時精算課税制度の特例措置の延長 世代間の資産の有効活用による住宅投資の活性化、住宅取得者の自己資金の充実による居住 水準の向上を図るため、住宅取得資金について、相続時精算課税制度の非課税枠2,500万円に 1,000万円を上乗せするとともに、65歳未満の者からの贈与も対象とする特例措置の適用期限を 2年延長する。 新築住宅のみなし取得時期等に係る不動産取得税の特例措置の延長 住宅の流通コストの軽減等を通じて、住宅取得負担の軽減と居住水準の向上を図るため、以下の 特例措置の適用期限を2年延長する。 ①住宅販売業者等が新築した家屋のみなし取得時期に関する特例措置 (本則:新築から6ヶ月以内に売却すれば非課税→特例で1年まで延期) ②新築住宅特例適用住宅用土地に係る不動産取得税の減額措置(床面積の2倍(200㎡を限度) 相当額の減額)について、土地取得後の住宅新築までの経過年数要件を緩和する特例措置の適 用期限を2年延長する。 (本則:土地取得から2年以内に竣工すれば減額→特例で3年以内(100戸以上の大規模 マンションの場合は4年以内)に延期)
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