Ion Exome シーケンシング アプリケーションノート Ion Proton システム および Ion AmpliSeq™ テクノロジーを使用した ™ 迅速なエクソーム シーケンス • Ion Proton ™ シ ス テ ム は、AmpliSeq ™ Exome キ ッ ト を 使 用 し て エ ク ソ ー ム シーケンスの価格を抑え、かつ簡単な 操作で∼ 294,000 のアンプリコンによ るエンリッチメントとシーケンスを 2 日間で可能にします。 ™ • AmpliSeq テクノロジーにより高いカ ™ バレッジ均一性が確保され、Ion PI v2 チップあたり 2 エクソームでも 10×で 94% を 超 え る タ ー ゲ ッ ト が カ バ ー さ れます。 ™ • Torrent Suite ソ フト ウェ ア 上 で の ク リックだけの簡単な操作でランセット アップとデータ解析ができるというシン エクソーム シーケンスにより重要な遺伝的変異が明らかに 全ゲノムシーケンス(WGS)は医学研究および医療技術に革新をもたらすと有望視 されていますが、WGS のデータ解析には高いハードルがあり、しかも費用もかか るため、代わりにエクソームシーケンスが開発され広く採用されるようになりまし た。エクソームシーケンスは、ゲノムのすべてのコーディング領域を標的化する エンリッチメントプロセスを介してゲノムコーディング領域を読み取ります。エ クソームシーケンスは、必要とされるシーケンスデータが WGS と比較して概算で 10 ∼ 20 分の 1 と少ないため、WGS の網羅性(データ解析の制約あり)とコスト効 率の追求との間のバランスを備えた有効な方法です [1、2]。 遺伝学研究者にとってエクソームシーケンスは、メンデル遺伝病の原因である単 一ヌクレオチドの変異(SNV)および小さな挿入または欠失(インデル)に加えて、 複雑な疾患の遺伝性を説明する稀な新規の突然変異の同定を可能にします [3]。 エクソームシーケンスは、強力な探索ツールであることが既に証明されており、既 に多数の発達障害、神経疾患、代謝異常、遺伝性の失明、ならびに血液およびリン パ系の不全症の原因となる突然変異を明らかにしています。加えて、エクソームシー ケンスは、癌の遺伝学に対する基本的な洞察を与えてくれます。 プルなバイオインフォマティックスは、 ™ Ion Reporter ソ フト ウェ ア で の エ ク ソーム専用ワークフローと組み合わせる 大規模なマルチプレックス アンプリコン シーケンスの能力 ことによって、トリオ解析により、高い Ion Torrent ™ は、既知および未知の病気の原因についての、既知および希少な 信頼度で機能喪失変異の同定を行うこ 変異の探索を試みる場合に、ゲノムワイドからターゲットリシーケンスまでの 様々なシーケンスソリューションを提供します。このフレキシビリティに必須と なるのは、自由なアッセイデザインツールを使用してカスタマイズできる、大規 模なマルチプレックス PCR アンプリコンシーケンス手法である Ion AmpliSeq ™ テクノロジーです。これに必要なデザインツールは、ヒトゲノム内の任意の対象と なる領域をターゲットとするプライマープールを設計するための Ion AmpliSeq ™ Designer です。加えて、Ion AmpliSeq ™ Cancer Hotspot Panel v2 および Ion AmpliSeq ™ Comprehensive Cancer Panel(CCP)などのカタログパネルが あり、これらはそれぞれ 50 および 400 を超えるがん遺伝子および腫瘍抑制遺伝 子のターゲットシーケンスのために使用することがでます。よりフォーカスした シーケンスのためには、Ion AmpliSeq ™ BRCA1 and BRCA2 Panel および Ion AmpliSeq ™ Colon and Lung Cancer Panel を 含 む Ion AmpliSeq ™ コ ミ ュ ニ ティーパネルが利用可能です。Ion AmpliSeq ™ Colon and Lung Cancer Panel は、OncoNetwork Consortium によりデザインおよび検証されており、大腸癌 および非小細胞肺癌に関与する 22 の遺伝子中のホットスポット突然変異をター ゲットとしています。 とが可能です。 Ion AmpliSeq ™ Exome キ ッ ト は、 ヒ ト ゲ ノムの合計∼ 58 Mb の中のエクソンをター ゲットとした、非常に特異的なエンリッチメ ントを行うための 12 個のプライマープール を用いています。これにより、コンセンサ スコード配列(CCDS)アノテーションで記載 されているコーディング領域の 97 %をター ゲットとする、シンプルでフレキシブルな ワークフローを提供することが可能となりま した。このキットには、手頃な価格およびサ ンプル数のフレキシビリティ、そして少量の 初期 DNA 量(個々のライブラリのために必 要とされるのはわずか 50ng から)というこ の特長により、Ion PI ™ v2 チップで 1 ラン 当たり 2 つのサンプルをのせても、10 カバ レッジ以上のターゲット領域が 94% を超え、 さらに 1 ラン当たりバーコードを付加して 最大 3 つのサンプルをシーケンスすることが 可能です(図 2A)。Ion AmpliSeq ™ Exome キットは、サンプル マルチプレックスにも かかわらず、優れたカバレッジ均一性、ま た高い On target 率(90%以上)を示してい ます(図 2B)。さらに、このエクソームシー ケンスワークフローは、自動化可能な Ion AmpliSeq ™ Library キットを使用して、Ion OneTouch ™ 2 またはテンプレートとチップ ローディングを自動化した Ion Chef ™ シス テムを利用することができます。 ターゲット セレクション Ion AmpliSeq Exome キット シーケンス ™ Ion Proton™ シーケンサ ™ Ion AmpliSeq Library キット データ解析 Ion PI Template OT2 200 キット ™ Ion PI チップ Ion PI™ Sequencing 200 キット Torrentサーバー Torrent Suite™ ソフトウェア Ion Reporter™ ソフトウェア I社 Rapid Capture Exome Kit* A社 Exome Kit** Ion AmpliSeq™ Exome Kit 時間: 0 5 10 15 Hands-on time 20 25 30 35 40 Hands-off time *I社 Rapid Capture Exome Data Sheet参照 **A社 Exome Data Sheet およびプロトコール参照 図1. 使いやすい一体化したエクソームシーケンシングワークフロー A)たった2日間(ライブラリの構築に6時 間、テンプレートの調製に9時間、シーケンスに3時間、1次データの解析に7時間)でエクソームシーケンスワー クフローを実施することが可能です。このワークフローは、1ランあたり1∼3エクソームのフレキシブルな処理 能力を持ち、専用のバイオインフォマティクスのインフラを必要とせずに関連する変異を検出するデータ解析パ イプラインを備えています。 B)AmpliSeq™ テクノロジーを使用したマルチプレックスPCR法のシンプルなエ ンリッチメントにより、短いハンズオン時間でサンプルのトランスファーなしに少ないピペッティング工程で最 速のエクソームライブラリ作製が可能です。 A. 100% 98% 96% 94% 92% 90% 88% 86% 84% 82% 80% 1 2 3 Samples per Ion PI™ chip B. Percent of AmpliSeq™ exome bases covered のマルチプレックスを実行し、フィルタリン グおよびトリミング後に 1 サンプル当たり 11.3 ∼ 14.3 Gb の配列と 3220 万∼ 4470 万 のリードを得ました。これを TMAP アライ メントツールを使用してヒトゲノムに対し てアライメントさせると、そのうち 89.2 ∼ 90.1%(2900 ∼ 4000 万リード)はターゲッ トのものでした(表 1A)。3 サンプルすべて について、平均リード長は∼ 160 bp でした。 テンプレート調製 エクソームエンリッチメント時間 エクソームシーケンスの結果 1000 人ゲノムプロジェクトにより解読され たヨーロッパ人祖先の家族 3 名、NA12878 (子)、NA12891(父)および NA12892(母) の HapMap CEU サンプルのゲノム DNA を 使用して、Ion Proton ™ システムおよび Ion AmpliSeq ™ Exome キットの性能を評価し ました。Ion PI ™ v2 チップ上で 2 サンプル ライブラリ作製 Ion Chef™ システム† ™ Percent of AmpliSeq™ exome bases covered 現在、Ion AmpliSeq ™ テクノロジーはヒト エクソームをターゲットにするまでパネルが 拡張されており、Ion Proton ™ システムを使 用した使いやすくコスト効率の良いフレキシ ブルなエクソームシーケンスワークフロー、 および Ion Reporter ™ ソフトウェアを使用 したデータ解析が可能です(図 1A)。PCR は シンプルかつスピーディなため、他の手法と 比較して最短のハンズオン時間と最少のピ ペッティングで、エクソームライブラリ作製 時間を 6 時間以下とする最速のエクソームエ ンリッチメントを可能にします(図 1B)。 100% 98% 96% 94% 92% 90% 88% 86% 1 2 3 Samples per Ion PI™ chip 図2. Ion AmpliSeq™ Exome キットによる安定したターゲティング効率 A)Ion PI™チップあたり1∼2サンプル のマルチプレックスにより、94%を超えるターゲット領域が10カバレッジ以上でカバーされ(紺色)、88%を超 えるターゲット領域が20カバレッジ以上になりました(灰色)。 B)3サンプルまでのマルチプレックス数の増加 は、得られたターゲット領域のパーセンテージ(灰色)または均一性(紺色平均カバレッジの20%以上のカバレ ッジがある塩基の割合)に対する影響が少ないこと、またトリオ解析では92%を超えるターゲット領域が10x以 上でカバーされることに注目してください。ここに提示したデータは、30ランおよび54サンプルのエクソーム データセットから編集したものです。 A. 100 B. 450,000 Number of AmpliSeq™ exome bases covered Percent of AmpliSeq™ exome bases covered 400,000 80 60 40 20 350,000 300,000 250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 0 0 0 100 150 200 250 300 350 0 100 Read depth 150 200 250 300 350 Read depth 図 3. エクソームキャプチャデータから Ion AmpliSeq ™ Exome キットによるターゲットカバレッジおよびターゲティング効率の優れた均一性を明確化 A)赤色および緑色 のプロットは、同じ Ion PI ™ チップからの 2 つの異なったサンプルの結果です。10 × および 20 × でそれぞれ 97.3 ∼ 97.4% および 95.0 ∼ 95.2% のエクソーム配列がカバー されており、Ion AmpliSeq ™ Exome キットの優れたターゲティング効率を示しています。これは、10 × および 20 × でそれぞれ 93.0% および 85.4% のエクソーム配列をカ バーする他社ベンチトップ次世代シーケンサ(http://blog.basespace.illumina.com/2013/03/14/nextera-rapid-capture-exome-data-sets-2/)上での単一 I 社 Rapid Exome Capture Kit(青色のプロット)を使用したシーケンス結果よりも、性能が劇的に優れています。 B)同様に、I 社 Rapid Capture Exome Kit(青色のプロット)と比 較した場合、均一性またはあるカバレッジに対するエクソーム配列の数は、Ion AmpliSeq ™ Exome キット(赤色および緑色のプロット)が優れています。平均カバレッジで ある 117 × 付近にカバーされたエクソームの塩基数の最大値があることに注目すると、I 社の Rapid Capture Exome Kit で見られる均一性よりも非常に良いことがわかります。 Ion AmpliSeq ™ テ ク ノ ロ ジ ー を 使 用 したエクソームカバレッジおよび再現性 変異探索についての重要な検討事項は、カバ レッジ(リファレンス塩基へマップした平均 のリード数) です。典型的にカバレッジは変異 検出の信頼度を反映し、より高いカバレッジ は推定された変異の信頼度を増加させます。 ターゲット効率は、すべてのターゲット塩基 のカバレッジによって評価されます。平均カ バレッジ 84.3 ∼ 117.0 で 99.2 ∼ 99.3% の ターゲット塩基は少なくとも 1 回カバーさ れ、92% 以上の塩基は少なくとも 20 回以上 カバーさていることがわかります(表 1B)。 ハイブリダイゼーション濃縮法と比較した場 合、PCR ベースの Ion AmpliSeq ™ Exome キットの簡便性および特異性は I 社 Rapid Capture Exome Kit よりも非常に良好で、 I 社 Rapid Capture Exome Kit ではカバレッ ジ以上あるエクソーム領域が全体の 85% し か な い の と は 対 照 的 に、Ion AmpliSeq ™ Exome キットでは 20 カバレッジ以上ある 塩基が全体の 95% になります(図 3A)。ま た、平均カバレッジである 117 付近にもっ ともカバーされたエクソーム塩基数が多い ことから、カバレッジの高い均一性が Ion AmpliSeq ™ Exome キットで観察されまし た。これは、 I 社 Rapid Exome Capture キッ トで観察されたカバレッジ均一性よりもかな り良好でした(図 3B)。カバレッジの高い均 一性はエクソームシーケンスにとって重要で す。この高い均一性により、ターゲットエク ソーム領域のかなりの割合(例えば、90% 以 上)で必要なカバレッジのしきい値(例えば、 20 ×)を達成するのに必要とされるシーケン スの量を最小限にして、シーケンスコストを 低下させることができるからです。 エクソームのターゲットに対するカバレッ ジ の 一 貫 性 を 比 較 す る 散 布 図 か ら、Ion AmpliSeq ™ Exome キットおよび Ion Proton ™ システムを使用して生成されたレプリケー トが強く相関することが実証されています (図 4)。シーケンシングレプリケートから強 い相関性(0.95 以上)が実証されていますが (図 4 A)、独立したライブラリレプリケート も強く相関しています(0.92 以上)(図 4B)。 エクソームターゲティングの一貫性は、エク ソームをルーチンで行うに当たって重要にな ります。そして∼ 294,000 のアンプリコン にわたるシーケンスカバレッジの相関性は、 エクソームエンリッチメントのための Ion AmpliSeq ™ テクノロジーが堅実で再現性の あることを示しています。 NA12878 の 変 異 解 析 お よ び RefSeqCDS アノテーションにより定義された 共通領域内の変異のプラットフォーム 間比較 Ion AmpliSeq ™ エクソームシーケンスデー タにおける SNV 検出能を評価するために、 NA12878 中の予測される変異を Complete Genomics(CG)により発表された公的に 利用可能な WGS データセット中で同定さ れた変異と比較しました。プラットフォー ム間の比較は、Ion AmpliSeq ™ エクソーム エンリッチメントによりターゲットとされ る RefSeq-CDS ア ノ テ ー シ ョ ン 内 の 変 異 に 限 定 し ま し た。 合 計 20,228 の SNV が、 https://ampliseq.com/ で入手できるパラ メ ー タ を 用 い て、variantCaller v3.6.2 を 実 行 し て Ion AmpliSeq ™ エ ク ソ ー ム エ ン リッチメントおよび Ion Proton ™ のデータ か ら 同 定 さ れ ま し た( 表 1C)。Complete Genomics の デ ー タ で は、 同 じ 領 域 内 で 22,831 の SNV が 同 定 さ れ ま し た。Ion Proton ™ に よ り 検 出 さ れ た SNV の う ち、 63%(12,698)はヘテロ接合型 SNV であり、 37%(7,530)はホモ接合型 SNV でした。こ れらの SNV では、トランジション / トラン スバージョン(Ti / Tv)比は 2.85 であり、ヒ トエクソームについて推測される範囲内(約 2.8 ∼ 3.1T でした。SNV についてのホモ接 合型に対するヘテロ接合型の比は 1.69 で、 ヨーロッパ人祖先のゲノムについて典型的に 観察される範囲内(1.25 ∼ 1.7)でした。 両方のプラットフォーム間では、実質的に 17,692(69.7%)の SNV にオーバーラップが 。これは、それぞれ 69.7% ありました(図 5) および 99.3% の遺伝子座と接合性の一致で、 87.5% の感受性(Ion Proton ™ /AmpliSeq ™ エクソームワークフローによって検出され た CG SNV の割合)および 77.5% の特異性 (CG SNV の中でエクソームワークフローに よって検出された SNV の割合)という結果 でした(表 1C)。Complete Genomics に共 通していない SNV のうち、2,536(10.0%) の プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 特 異 的 SNV が Ion Proton ™ で検出されました。大きな多型遺 伝子または反復領域中で見出されない SNV、 また単一コピーおよびパラログではない領域 中の SNV についてのフィルタリングにより、 多くの Ion Proton ™ に特異的 SNV が実際の エクソーム変異である可能性が高いことが実 証されました [4]。Sanger シーケンシング または TaqMan® アッセイなどの別の方法に より変異を検証する場合、高い偽陽性率は非 常に負担になるため、偽陽性率を最小限にす ることに関心が持たれています。 Ion Reporter ™ ソ フ ト ウ ェ ア 中 の AmpliSeq ™ エ ク ソ ー ム ト リ オ ワ ー ク フ ロ ー に よ る 完全 な 変異同定 お よ び 生物学的解釈 エクソームシーケンスでは、対象となる変異 を迅速に同定し優先順位を付け、その一方で 共通の変異および非有害変異(タンパク質の 機能または発現に対する影響がないと予測 されるもの)を確実にフィルタリングするこ とが重要です。原因となる変異を同定するた めに一般的に使用される方法は、トリオ解析 です。トリオとは、父、母およびその子から なる核家族です。Ion Reporter ™ ソフトウェ ア中の AmpliSeq ™ エクソームトリオ解析 ワークフローは、子(発端者)がある遺伝性疾 患に罹患し、親が正常であると想定します。 トリオワークフローは、トリオからのエク ソームシーケンスデータの解析に基づき、表 現型を説明できる可能性がある発端者中の変 異対立遺伝子を見つけます。 図4. Ion Proton™ システムを使用したIon AmpliSeq™ エクソーム シーケンスによるテクニカルなレプリケート 間のターゲット塩基カバレッジ深度の相関性 シーケンシ ング レプリケート(パネル A )から強い相関性( 0.9524 および 0.9489 )が実証されていますが、独立したライ ブラリのレプリケート (パネル B )も強く相関しています (0.9312、0.9325、0.9329 および 0.9247)。 NA12878 は正常者のサンプルですが、トリ オワークフローは多数の興味深い変異を検出 しています。これは 9,717 の非同義 SNV を 含み、0.47% のみがメンデルの法則への不 一致を示しています(表 1D)。同定された 55 のナンセンス SNV(停止コドン導入)および 48 のスプライス部位破壊 SNV の 100% が どちらかの親で見出されました。フレーム シフトおよびフレーム内での挿入欠失変異の 1.91% および 2.60% のみが、メンデル遺伝 に一致しませんでした。 トリオ解析を使用して、遺伝子中に存在す る任意の複合ヘテロ接合変異も同定するこ とができます。シス複合ヘテロ接合体(シス 相は 1 つのホモログのみに影響を与える)の 数は 7,440 であり、トランスヘテロ接合体 (2 コピーが影響を受ける)の数は 1,401 でし た(表 1D)。同様に、トリオ解析はヘテロ接 5,139 17,692 2,536 合型の親の両方からの遺伝子型を受け継いだ 20.3% 69.7% 10.0% 発端者中の新たなホモ接合体変異を同定する ことができます。両親は同じ有害突然変異を 保有しますが、それらが正常な対立遺伝子と のヘテロ接合であるため影響されないので、 このような変異は劣性の疾患または表現型を 図5. シーケンシングプラットフォームにより同定された 示します。NA12878 については、71 のホモ NA12878のSNV数におけるオーバーラップを示した 接合型変異が新たに同定されました。 Complete Genomics n=22,831 SNV n=25,367 Ion Proton n=20,228 ベン図 Ion Reporter ™ ソフトウェアから Ingenuity® Variant Analysis ™ Knowledge Module を 使用して、NA12878 における多数の興味深 い機能喪失変異をナンセンス SNV およびフ レームシフト挿入欠失変異から同定しまし た。同定された機能喪失変異は、NA12878 における真の信頼度の高い機能喪失変異に対 応しており、これは厳しいフィルタを使用 し、さらに別の検証方法を用いた最近の研究 において証明されました [5]。Ion Proton ™ システムを使用して 2 日間で同定された信頼 度の高い機能喪失変異の一例として、ノロウ イルス(ウイルス性胃腸炎の主要な原因であ り、クルーズ船乗客の罹患の事例で有名)へ の耐性を与える「非分泌型」の表現型をもたら す FUT2(W154X)におけるホモ接合型劣性 変異の検出が挙げられます(表 1E)。 結論 Ion Proton ™ システムは、ゲノム規模のシー ケンシングを行う際の高いコストおよび複雑 な操作という問題を取り除き、Ion PI ™チップ を使用したエクソームシーケンシング、およ び Ion PII ™ チップ * によるエクソームのマル チプレックスシーケンス、そしてヒトゲノム規 模のシーケンスを可能にします。Ion Proton ™ システムと Ion AmpliSeq ™ テクノロジーを組 み合わせることにより、お客様の研究の規模 に合わせた迅速でフレキシブルな高品質のエ クソームシーケンスを提供します。お客様の スケジュールでいつでもゲノム研究を計画し 実施するすることが可能です。たった 2 日間 で安心してエクソームライブラリ作製から変 異同定まで行うことが可能です。 * 開発中の製品の仕様は予告なしに変更される場合があります。 リファレンス 1. Ng SB et al.(2009)Targeted capture and massively parallel sequencing of 12 human exomes. Nature 461: 272-276. 2. Parla JS et al.(2011)A comparative analysis of exome capture. Genome Biol 12: R97. 3. Marth GT et al.(2011)The functional spectrum of low-frequency coding variation. Genome Biol 12(9): R84. 4. Boland J et al.(2013). The new sequencer on the block: comparison of Life Technology’ s Ion Proton ™ sequencer to an Illumina HiSeq for whole-exome sequencing. Hum Genet 1-11. 5. MacArthur DG et al.(2012)A systematic surveyof loss-of-function variants in human protein-coding genes. Science 335(6070): 823–828. Ion Exome シーケンシング アプリケーションノート 補足資料 Ion Proton システム および Ion AmpliSeq™ テクノロジーを使用した ™ 迅速なエクソーム シーケンス ™ ™ ™ 表 1.Ion AmpliSeq Exome キットおよび Ion PI チップを用いた Ion Proton シーケンサによるエクソームシーケンス結果 エクソン配列はよく知 られている HapMap トリオ(NA12878(子)、NA12891(父)、NA12892(母))の細胞株から抽出されたゲノム DNA から増幅し、アンプリコンライブラリー ™ ™ を作製しました。シーケンスは、Ion Proton シーケンサにより、Ion PI チップ上に 2 サンプルを載せて行われています。1 次解析は Torrent Suite ™ ソフトウェア v3.6.2 で行われ、変異解析およびトリオ解析は Ion Reporter ソフトウェア v1.6.2 で行いました。 A. シーケンス結果 サンプル名 マップした リード数(百万) オンターゲット リード数(百万) オンターゲット ロード NA12878 44.7 40.0 89.50 % NA12891 32.2 29.0 90.12 % NA12892 34.0 30.3 89.19 % 平均カバレッジ 20% 超の スループット (Gb) マップした 塩基数(Gb) マップ率 オンターゲット マップ率 14.3 14.0 98 % 89.50 % 11.9 11.5 98 % 92.73 % 11.3 11.0 98 % 92.27 % B. カバレッジ 平均カバレッジの サンプル名 ターゲット領域 マップした 平均リード長 1×でマップした 10×でマップした 20×でマップした ターゲット領域 ターゲット領域 ターゲット領域 NA12878 117.0 94.38 % 163 99.31 % 97.40 % 95.19 % NA12891 84.28 92.38 % 162 99.17 % 95.59 % 90.88 % NA12892 84.66 94.09 % 154 99.30 % 96.68 % 92.78 % C. 製品評価の目的で行われたNA12878で見つかった変異 比較はIon AmpliSeq™ Exome キットがターゲットとしているRefSeq-CDSアノテーションの範囲内で実施 Ion Proton™ シーケンサによるNA12878のランデータは以下で公開中: http://ioncommunity.lifetechnologies.com/community/datasets Ion Proton ™ で Complete Genomics で 検出された変異 検出された変異 Total SNVs 20,228 22,831 % dbSNP132 95.61 % 98.20 % Heterozygous SNVs 12,698 14,210 Homozygous SNVs 7,530 8,261 TiTv ratio 2.85(2.98*) 2.91 Het:Hom ratio 1.69 1.65 Sensitivity 87.47 % Specificity 77.49 % Loci concordance(zygosity) 69.74 %(99.25 %) In-common SNVs Ti / Tv 3.22 変異型 *using a high stringency setting with VariantCaller v3.6.2 ™ D. Ion Reporter™ ソフトウェア上のIon AmpliSeq™ Exome trio 解析ワークフローを用いたNA12878の変異解析 変異型 検出数 非メンデル型変異( % ) Synonymous SNVs 10,767 26(0.24 % ) Non-synonymous SNVs 9,717 46(0.47 % ) Non-sense(stop-introducing)SNVs 55 0(0 % ) Splice-site disrupting SNVs 48 0(0 % ) Compound heterozygotes 1401 trans(7440 cis ) NA Newly homozygous variants 71 NA Frameshift indels 733 14(1.91 % ) In-frame indels 194 4(2.60 % ) Inconsistent with parents 264 NA E. 新しいフィルタリング機能と交差検定を行ったNA12878で見つかったホモ接合の機能欠失型変異 [5] 変異型 遺伝子名 アミノ酸 ノート frameshift deletion CELA1 p.Tyr5Val Encodes a chymotrypsin-like elastase expressed in skin keratinocytes frameshift deletion CELA1 p.Val3Ala frameshift deletion CYP4B1 p.Asp295Gly Encodes a gene involved in inflammation and xenobiotic metabolism nonsense FUT2 p.Trp154* Null alleles associated with protection from viral infection frameshift deletion MS4A14 p.Ile56Ser Unknown function nonsense OR2L13, OR2L8 p.Tyr289* Encodes an olfactory receptor frameshift deletion OR2T4 p.Ile253Ser Encodes an olfactory receptor frameshift deletion OR4X1 p.Phe191Ser Encodes an olfactory receptor nonsense OR4X1 p.Tyr273* frameshift deletion OR5K4 p.Ile301Leu Encodes an olfactory receptor frameshift deletion TIGD6 p.Glu345Lys Encodes a transposable element-derived protein frameshift deletion ZNF681 p.Cys203Trp Encodes a zinc finger protein of unknown function 公式 Facebook ページ & Twitter もチェック! facebook.com/LifeTechnologiesJapan @LifetechJPN 取扱店 研究用にのみ使用できます。診断目的およびその手続き上での使用は出来ません。 記載の社名および製品名は、弊社または各社の商標または登録商標です。 販売条件はこちらをご覧ください。www.lifetechnologies.com/TC The trademarks mentioned herein are the property of Life Technologies Corporation or their respective owners. © 2013, Life Technologies Japan Ltd. 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