英語科教育法Ⅰ 狩野 紀子

英語科教育法Ⅰ
KANO Noriko
英語科教育法
狩野
Methodology of Teaching English I
紀子
■授業の目的
本コースの目的は、教職を目指す学生に、英語教育の目的、言語材料/活動など英語教育に関する基礎知識を身に付けて
いただくことです。また、教育実習で必要となる英語力や教員として適切な態度も要求されます。
■授業の到達目標
前期には教育学、言語学、心理学の理論のうち、英語教員として必要な知識の習得を到達目標とします。後期には、4 技
能(聞く、話す、読む、書く)の教授実践力を身に付けることを目標とします。
■授業計画
〔前期〕
1 オリエンテーション
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〔後期〕
1 オリエンテーションと文法指導①
授業の進め方、教科書・教材、課題について説明し
ます。また、授業の導入として現在の英語教育の問題
や課題について考えていただきます。
英語教育の目的
2
実用英語論、教養英語論、英語教育無用論を英語教
育史の中で振り返り、日本における英語教育の目的や
重要性を考察していきます。
英語の国際化
3
国際語とし変化している英語の在り方を、社会言語
学の理論を中心に考えます。ENL, ESL, EFL, EIL, WES
といった用語の説明を行います。
学習指導要領
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英語科の指導内容や指導方法の基礎となる中学校・
高等学校の学習指導要領とは何か、その歴史的な変遷、
現行の学習指導要領の内容について解説します。
学習者
5
英語学習の成功には学習者要因が大きく影響します。
発達要因、適正要因、認知要因、動機など学習者要因
を考慮し、望ましい指導法を考察します。
英語教員
6
教師という仕事は自由裁量の幅が大きいので、要求
される能力も幅広くなります。英語教員として必要な
技能を、生徒に与える影響から考察します。
小学校における英語
7
2011 年度から、公立小学校において外国語(英語)
活動が実施されることになりましたが、完全実施に至
る経緯、その目的や指導内容について概観します。
英語教授法①
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現代は教授法の時代とよばれ、ここ 1 世紀の間に様
々な言語指導法が開発されました。代表的な教授法や
指導法を概観し、その利点や問題点を考察します。
英語教授法②
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同一教材を様々な教授法で指導してみます。学生諸
君はグループに分かれ、割り当てられた指導法で与え
られた教材を教授する準備をします。
英語教授法③
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与えられた教材を Audio-Lingual Method,
Communicative Language Teaching 等の教授法で指導し
てもらいます。
第二言語習得と英語教育
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外国語と第二言語は異なりますが、外国語学習を考
える際、第二言語理論に学ぶところは多くあります。
本時は、代表的な第二言語理論を概観します。
コミュニケーション能力の育成
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学習指導要領のキーワードであるコミュニケーショ
ン能力について学びます。その上で、効果的にコミュ
ニケーション活動を導入する方法を考えます。
測定と評価
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指導後には評価が必要ですが、その方法には多種多
様なものがあります。様々な測定法の利点や問題点を
明らかにし、指導目的に合った評価を考えます。
E ラーニングと CALL
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ICT の進歩に伴い、言語教育環境も変わってきまし
た。英語教育用機器やソフトも次々に開発されていま
す。このような新技術の利用法を概観します。
前期のまとめと検証テスト
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前期の授業を振り返ります。前期の授業内容をどの
くらい理解できているのか、60 分程度の理解度テスト
で検証します。
授業の進め方、教材、課題について説明します。文
法指導の理論的意義とコミュニケーション能力を育て
る文法指導の方法について説明します。
文法の指導②
コミュニケーション能力を育てる文法指導法を考慮
し、与えられた教材を使って、グループで模擬授業の
指導プランを作成します。
文法の指導③
グループで作成した指導プランで、コミュニケーシ
ョン能力を育てる文法指導の模擬授業をします。他グ
ループの学生は授業評価をします。
リスニングの指導①
リスニングのメカニズム、さまざまな指導法やその
指導過程、諸問題を概観し、効果的で能動的なリスニ
ング活動について考察していきます。
リスニングの指導②
リスニングのメカニズムを考慮し、与えられた教材
で、事前指導、リスニングの言語活動、事後指導を含
む指導プランを、グループで作成します。
リスニングの指導③
作成した指導プランで、事前指導、リスニングの言
語活動、事後指導の 3 過程を含む模擬授業を行います。
他グループの学生は授業を評価します。
スピーキングの指導①
話し言葉の特性やコミュニケーションにおけるスピ
ーキングの役割や重要性を概観し、効果的なスピーキ
ングの指導法を考察していきます。
スピーキングの指導②
話し言葉の特性を考慮に入れて、与えられた教材を
使用して、コミュニケーションを促進するスピーキン
グ活動の指導プランを、グループで作成します。
スピーキングの指導③
グループで作成した指導プランで、コミュニケーシ
ョンを促進するスピーキングの模擬授業を行います。
他グループの学生は授業評価をします。
リーディングの指導①
リーディングのメカニズム、様々なリーディングの
指導法やその過程を解説し、能動的で効果的なリーデ
ィング指導について考察していきます。
リーディングの指導②
リーディングのメカニズムを考慮し、与えられた教
材で、生徒が能動的に関わることのできるリーディン
グの指導プランを、グループで作成します。
リーディングの指導③
グループで作成した指導プランで、
〈文法訳読法以外
の方法で〉リーディングの模擬授業を行います。他グ
ループの学生は授業評価をします。
ライティングの指導①
グループで作成した指導プランで、
〈文法訳読法以外
の方法で〉リーディングの模擬授業を行います。他グ
ループの学生は授業評価をします。
ライティングの指導②
ライティングのメカニズムやアプローチ法を考慮し、
ライティング課題および採点基準や採点法を含む指導
プランを、グループで作成します。
ライティングの指導③
グループで作成した指導プランで、ライティングの
模擬授業を行います。ライティング課題や採点基準は
予め提出していただきます。
■授業の方法
授業はディスカッションを交えながら基本的に講義形式で行いますが、教育実習を前提にした授業ですから、理論
を実践に移していただきます。つまり、授業で使用する教材を作成したり、模擬授業をしたり、授業評価をしたりして
いただきます。
■予習・復習
前期には毎週課題を出します。課題をしていない学生は授業に参加できません。後期には発表がありますので、授業外
で準備をしていただきます。また、英文法の基礎固めとして、
『総合英語 FOREST』を毎週の課題とし、試験も行いま
す。
■成績評価の方法
授業内容は全て評価対象とします。授業参加、課題、発表、テスト等で総合的に評価します。正確な評価方法や配点
は、登録者が決定してから説明します。
■教科書・参考書
教科書:望月昭彦編著(2010).『改訂版新学習指導要領にもとづく英語科教育法』大修館書店
石黒昭博監修(2006).『総合英語 FOREST』桐原書店.
参考書:文部科学省(2009). 『中学校学習指導要領解説 外国語編・英語編』
■関連する科目
教育課程論 教育原理 教育史 教育方法Ⅰ・Ⅱ 教育・発達心理学Ⅰ・Ⅱ 英語教育入門