▶▶▶▶▶▶ 労 ◆ 働 ◆ 法 ◆ 務 ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶ ▶▶ ◆ 休日振替と代休についてＪＣ総研経営相談部労働法務チーム「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律話は変わり、休日振替と代休について簡単にご説明案」が先の通常国会で可決成立し、2016 年 1 月 1 日します。から施行されることになりました。この法律案は、国民の祝日として新たに「山の日」（８月 11 日）を加えることを定めています。１.　休日振替と代休改正祝日法第２条では、「山の日」は、「山に親しむ「休日の振替」は、就業規則などで休日として特定し機会を得て、山の恩恵に感謝する」としています。て定められ、「労働義務のない日」とされる日をあらかまた、祝日法では、じめ他の労働義務のある通常労働日と交換して「休日」を「労働義務のある労働日」とし、他の「労働義務の第３条　「国民の祝日」は、休日とする。ある労働日」を「休日」として労働義務のない日とする２　「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、そ措置をいう、とされています。の日後においてその日に最も近い「国民の祝また、休日振替手続きの要件として、日」でない日を休日とする。 ①就業規則などで休日の振替措置をとる旨を定め３　その前日及び翌日が「国民の祝日」であるる。日（「国民の祝日」でない日に限る。）は、 ②あらかじめ振り替えるべき日を特定する。休日とする。 ③振替日は被振替日を含む週から４週間以内の日とする。とされており、来年 2015 年９月には、敬老の日（９月の例：所定休日の土曜日に出勤する必要があり、あら第３月曜日〈９月 21 日〉）、秋分の日（９月 23 日〈水〉）かじめ、その次の火曜日に休日を振り替えることにの間の９月 22 日（火）が休日になり、週休２日で、９月する場合（表１） 19 日（土）、20 日（日）が休日と定めている職場の場合、５連休になります。この場合、土曜日の出勤は、休日割増賃金の支払い各ＪＡなどの就業規則では、ＪＡ独自に決めた休日はないことになります。の他、「『国民の祝日に関する法律』による祝日およびまた、③については、次の週の火曜日に休日を振り休日をＪＡの休日とする」旨を定めているところが多い替えており、③は４週間を通じ４日以上の休日を与えると考えます。という意味であることから、条件を満たしているといえます。 52 ＪＣ総研レポート／2014年秋／VOL.31 【労働法務】休日振替と代休について ▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶ 一方、出勤した土曜日を含む週の労働時間が 40 時間を超える場合、例えば毎日８時間勤務を行い、土曜日までの６日間で 48 時間の勤務を行うとすると、土曜労 ◆ 働 ◆ 法 ◆ 務 ▶▶▶▶▶▶ ◆ 意相殺として、その規定どおり 0.35 の支払いで足りる」（石嵜信憲編著『労働時間規制の法律実務』中央経済社、2010 年）とされています。日の勤務については８時間の時間外割増賃金が発生します。この割増賃金を回避するために、休日と振替日が同３.　まとめじ週とする方法が採られることがあり、就業規則において「週」の起算日を土曜日としているＪＡなどがあり実際には、「振替休日」「代休」を職員にしっかり取ます。得させることが大切です。忙しいがゆえに休日出勤になってしまいますが、後日取得すべき「振替休日」「代休」を取得できず、いつの間にかうやむやになるような２.　代休状況にならないよう、職員の勤務管理が大切です。「代休」は、当初の予定の「休日」に休日労働をさせ、その後、別の労働日を「休日」として休ませること、とされています（表２）。休日労働については、36 協定の締結と届け出、休日労働の命令権の根拠となる就業規則が必要とされ、また、休日労働については、３割５分の割増賃金が必要になります。そのため、1.35 の賃金支払い義務がありますが、「就業規則に、法定休日労働について代休を付与した場合は、0.35 の割増分だけ支払うとの規定があれば、合【労働法務】休日振替と代休についてＪＣ総研レポート／2014年秋／VOL.31　53