スリランカでの妊娠・出産編 - 在スリランカ日本国大使館

コロンボ医療情報 別冊
スリランカでの妊娠・出産編
発行:ヘルスサポートネット in コロンボ
初版2012年3月
(改訂2016年4月)
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1) はじめに………………………………………………………………………………3
2) スリランカの一般的な産婦人科受診プロセス …………………………………4
3)
産婦人科医療情報
1.産婦人科のある私立病院……………………………………………………6
2.産婦人科専門の私立病院…………………………………………………6
3.産婦人科専門の国立病院…………………………………………………7
4.国立小児専門病院………………………………………………………7
4)
新生児、子供用品・妊婦用品を入手できるお店……………………………7
参考:スリランカで入手できる粉ミルク…………………………………8
5) 体験談 ①~⑩ ………………………………………………………………9
6) 体験談
7)
①~⑤ 日本での出産(妊婦健診のみ)…………………………30
スリランカでの出産について
1.スリランカにおける出産のメリット …………………………………38
2.スリランカにおける出産のデメリット ………………………………38
3.出産に伴うリスク ………………………………………………………39
*余談1* 無痛分娩について ……………………………………………42
*余談2* 日本のお産の歴史から見るスリランカのお産 ……………43
参考資料 …………………………………………………………………43
8)
妊婦の搭乗に関する航空会社の規定 ……………………………………………44
9) 母子手帳について ………………………………………………………………47
10) 産前・産後のサポートについて ………………………………………………47
11) 予防接種について ………………………………………………………………48
✱予防接種に関する各種資料 …………………………………………………49
2
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出産という体験は一人の女性が一生の内に数回しか経験することのない特別なことであり、新しい
家族を迎える大変喜ばしいことでもあります。この情報誌は日本での出産をお勧めするものでも、逆
にコロンボでの出産をお勧めするものでもありません。何処で、そしてどのような出産を選択するか
と言うことは、出産への考え方、家族状況などにより、一家族一家族違ったものであると思っていま
す。体験談や専門的な情報が皆様のご判断のお役にたてたらという思いで作成しております。全ての
方がご自身の出産に満足ゆくこと、不安なく新しいご家族のお迎えができることをお祈りいたしてお
ります。
2016 ᖺ 4 月
ヘルスサポートネット in コロンボ
ヘルスサポートネット・イン・コロンボ( Health Support Net in Colombo)は、2010
年、スリランカ在住の日本の医療・保健・福祉・心理関係の専門職が集まってできた非営利
の活動を目的としたネットワークです。
海外での病院受診は、日本と異なる医療システム、医療水準の違い、言葉の違いなど、不
安や戸惑いを感じることが多いことと思います。このような不安を少しでも緩和できるよ
う、2010 年頃から情報を集め、コロンボの医療情報に関する情報冊子(『コロンボ医療情
報』『コロンボ医療情報別冊
スリランカでの妊娠・出産編 』)を作成しました。
こちらの冊子は、今現在 、PDF ファイルでお渡ししております。 PDF ファイルは基本的
に、ご自由に転送していただい て構いません。
なお、こちらの冊子は、参考情報とし、特定の病院やドクターを宣伝しているわけではございま
せん。内容に関するお問い合わせなどはお受けできませんので、ご了承ください。 今回の改定に
あたり、快くご協力下さいました皆様には、心よりお礼を申し上げます。
・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
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2)スリランカの一般的な産婦人科受診プロセス
妊娠したかな?と思ったら…
自分で妊娠検査をする場合
※Pharmacy(薬局)で購入できる妊娠検査薬を使う場合:一回分の検査紙が1枚 Rs.30
※laboratory(検査サービス)を利用する場合:妊娠検査を頼むと、尿と血液検査のレ
ポートで確認できる。
例: アーシリ病院の検査サービスやメディクイックなどの検査サービス施設
受診してから検査をする場合
受診してから妊娠検査を受ける場合と、検査を受けてから受診する場合があり、検査
は前後することがある。
産婦人科の受診
まず、産婦人科を選ぶ。口コミやEchannelingで自分に合う医者を探す。
産婦人科医には、ほかの専門医と同様、複数の病院を掛け持ちするドクターと、一つの病
院だけに常勤しているドクターがいるので、出産の際にどの病院で出産が可能かなどの確
認が必要。ドクターによって出産のできる病院の選択肢が変わってくる。最近では女医さ
んの数の増加とともに、女医を希望する妊婦も増えている。
ほとんどの私立病院には、産婦人科病棟が設けられている。他の専門医と同様、ドク
ターが診察に来る病院と時間を確認し、予約を取ってから受診する。
スリランカの文化的背景から、受診の際には夫同伴が一般的である。可能であれば、夫同
伴で受診することが望ましい。
産婦人科専門医:
PROF. HEMANTHA SENANAYAKA
DR(MRS). SHEMOON MARLEEN
DR(MRS). KAMANIE MAYADUNNE
DR(MRS). HIMANI MOLLIGODA
DR(MRS). A.R.J.P. NIYAS
DR(MRS). RAMYA PATHIRAJA
など他
産婦人科専門医への受診方法は『コロンボ医療情報誌』をご参照ください。
※あるスリランカ人妊婦の受診例
妊娠3ヶ月目くらいまでの間の受診
-妊娠検査をしてから受診をする。検査していない場合には、血液検査と尿検査を勧
められる。
-超音波検査
-破傷風の予防接種を受けたことのない場合は、1回目を受けるよう勧められる※1。
2回目は産後に受ける(母親と赤ちゃんの両方)。血液検査を受けてからを受けて
から予防接種が必要かを医師が判断する。
-Folic Acid(葉酸)とビタミン剤を処方される※2。(葉酸の摂取は体力が足りないなどと
診断された場合は出産まで続く場合もあるが、8か月頃に止められることもある。)
※1 新生児の破傷風感染予防に一度も破傷風の予防接種を受けたことのない母親が接種しま
す。日本では一般的に母親が幼少時に三種混合ワクチンを接種しているため行われません。
※2 葉酸は赤ちゃんの神経管閉鎖障害(二分脊椎など)という先天性奇形の予防のため妊娠
前から妊娠3か月までは内服するように厚生労働省から勧められています。妊娠3か月を過ぎた後
も1日の葉酸摂取量が400μg~1000μgであれば内服していても問題はありません。一方、
4
ビタミン剤は葉酸以外にビタミンB12、ビタミンB6、ビタミンCは積極的に摂取するべきですが、
脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,K)の過剰摂取は胎児の奇形が生じる可能性があり注意が必要です。
5ヶ月目検診
-診察(この月から受診の際は毎回、体重測定、復位の測定などを行う)
-超音波(anomaly scan)
-血液検査 (OGTT 経口ブドウ糖負荷試験)
-この頃になると医師に赤ちゃんの性別を知りたいかどうかを聞かれることがある
6ヶ月目検診
-診察
この頃、普通分娩か帝王切開かどうかを検討する。
7ヶ月目検診
-診察
-超音波検査
8ヶ月目検診
-診察
-超音波検査
この頃になると出産予定日を割り出す。
9ヶ月目~
-出産予定日が近づくと毎週受診する。 -何か問題があれば直ぐに受診する。
※費用について
診察代:医師への診察代は、約1,000ルピー。約400ルピーの病院代がプラスされる。
検査料金:スキャンは超音波検査は約7,000ルピー。血液検査、尿検査は検査項目に
よって料金が違う。
超音波検査は専門医自身が行う場合もあるが、専門の超音波検査技師が行う場合もあ
る。超音波検査技師が行う場合、レポートを持って産婦人科医を再度受診する場合があ
るが、この時は診察料は必要ない。
出産費用:病院や医師によっても違うが、私立病院では250,000~300,000ルピーほど
かかる。普通分娩では帝王切開より30,000~40,000ルピーほど安い。
※産科費用等は現地料金であるためおおよその目安とし、病院によっては外国人料金が発生する場
合があるので、事前に料金の確認が必要。保険が使用できるかについても要確認。
※入院について
私立の病院ではゲストの訪問はいつでも可能であり、エアコン、トイレ付の清潔な個
室に入院できる。食事もメニューカードがあり、好みの食事をリクエストできる。私立
病院はサービスが良い。新米ママのために専門のドクター(specialist for breast
feeding)が訪問し、授乳やゲップのさせ方などの指導をしてくれる。
国立病院は無料であるが、全てが無料というわけではなく、特定の料金を支払うことも
ある。訪問人数や時間が限られている。個室は無く、大部屋のみ。
5
3)産婦人科医療情報
1.産婦人科のある私立病院
★
ナワロカ病院 Nawaloka Hospital
No.23, Deshamanya H.K. Dharmadasa Mawatha, Colombo 2
Tel. 011-2544444~7, 2304444~56
★
セントラル病院 Asiri Central Hospital
No.114, Norris Canal Road, Colombo 10
Tel.4666000, 4665500
http://asirihospitals.com/
★
ランカ病院 Lanka Hospital
No.578, Elvitigala Mawatha, Narahenpita, Colombo 5
Tel.011-5530000, 5430000
http://www.lankahospitals.com/
★
ヘーマス病院 Hemas Hospital
ワッタラ病院:389, Negombo Road, Wattala
Tel.011-7888888
タラワトゥゴダ病院:No. 647/2a, Pannipitiya Road, Thalawatugoda
Tel.011-7888888
ゴール病院:No.10, Wakwella Road, Galle
Tel.091-4640640
https://www.hemashospitals.com/
比較的新しい病院
★
オアシス病院 Oasis Hospital
No.18A, Muhandiram E.D. Dabare Mawatha, Colombo 5
Tel. 011-5506000, 011-4514770
http://oasishospital.lk/
など他
2.産婦人科専門の私立病院
★
ナインウェルズ病院 Ninewells Care Mother & Baby Hospital
No.55/1, Kirimandala Mawatha, Colombo 5
Tel.011-4520999
http://ninewellshospital.com/
産婦人科、小児科の比較的新しい病院。
★ジョセフフレイザー病院 Joseph Fraser Memorial Hospital
No.23, Joseph Fraser Road, Colombo 5
Tel.011-2588466, 2588336
http://www.josephfraserhospital.lk/
外国人・スリランカ人の間でも定評がある。アットホームな環境と
産後のアフターケアが充実していると評判。
6
3.産婦人科専門の国立病院
★ De Soysa Hospital for Women (De Soysa Maternity Hospital-Teaching)
Kynsey Road, Colombo 8
Tel.011-2696224/225/226, 2662619
1879年設立。国内で最も古い国立産婦人科病院 ★
Castle Street Hospital for Women (Castle Street Maternity Hospital)
Castle Street, Colombo 8
Tel.011-2696231/232, 2695529
http://cshw.health.gov.lk/
1947年創立。産婦人科専門病院では2番目に古い。
※最近は産婦人科専門病院では訪問客をモニターなどでチェックするところが増え、総合病院よりセ
キュリティーががしっかりしており、プライバシーが守られる傾向にある。
4.国立小児専門病院
★
Lady Ridgeway Hospital for Children
Dr.Denister De Silva Mawatha, Colombo 8
Tel.011-2693711, 2693712
1895年設立。設備や専門医が揃っているので、難病も治療できる。
http://www.lrh-hospital.health.gov.lk/
小児科医
DR. R AJANTHAN
DR(MRS). AMIDINIE AMARASINGHE
DR(MRS). D RUBERU
DR ROHITHA SENEVIRATNE
DR HASHIR ARIFF
等
詳細は『コロンボ医療情報誌』をご参照ください。
4)新生児、子供用品・妊婦用品を入手できるお店
赤ちゃん、子供用品だけでなく、出産や入院に必要な品物が購入できる。お店では出産
に必要なリストや入院に必要なリストが貰える場合がある。必要な物のアドバイスが貰
える。母親の病院着(ベッドジャケットやアンダースカート、パジャマなど)など、マ
マのために必要な物も揃う。出産祝いやバースデーギフト類も購入できる。
★
Baby Mart
www.babymartonline.com
・06-1/1, Visakha Road, Colombo 4
Tel.011-2555525
・78D, Gall Road, Dehiwala (North)
Tel.011-2722304
7
★
Baby Care Pvt. Ltd.
153, High Level Road, Nugegoda
Tel.011-2769501
★
Mother Care Sri Lanka
No.7, Duplication Road, Colombo 5
Tel.011-5882882
★
Orchard Mother Care
★
Kids Unlimited
72A, W A Silva Mawatha, Colombo 6
Tel.011-2582054, 077-3491999
75, Dutugemunu Street, Kohuwala
Tel.011-4338844
★
Bambino Lanka Pvt. Ltd.
400, Gall Road, Colombo 4
Tel.077-788-0022
★
Elegant Smockers (赤ちゃんの部屋の飾りやシーツの専門店)
http://www.elegantsmockers.com
・No.323B, Havelock Road, Colombo 6
Tel.011-2597197
・No. 76B, Dharmapala Mawatha, Colombo 3
Tel.011-2575820
★
Farlin
http://farlin.lk
お近くのファーリンのお店は、Customer Care number-0772201201に
電話で問い合わせを。
参考:スリランカで入手できる粉ミルク
必要な場合には、小児科医に相談の上、推薦されたものを選ぶ。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
Enfa Mil
Enfa Grow
Nan/Lactogen
SMA
Cow & Gate
Frisco
Celia
Pedia Sure
Pedia Pro
Mead Johnson 新生児から
Mead Johnson 1歳から
新生児から
Nestle
Nestle
新生児から
Darley Butler & Co.Limited
Life Line Swiss
Biogenics
子供用
1歳から
Anchor
8
新生児から
5)体験談:スリランカでの出産
体験談
①
病院名:
Lanka Hospitals (受診時は
ドクター:
受診者年代:
受診年:
Dr.Nalini
産婦人科
小児科
Apollo Hospitals)
Dr. Ajith Amarasinghe
30 代
2007 年
分娩歴と出産形態:
第二子を誘発分娩にて出産
コメント:
<妊婦検診>
婦人科医は外国人、ランカ人共に人気の高い Dr.Nalini というインド人女医。
人気が高い為、診察は毎回一時間待ち。
2006年、妊娠5カ月時に赴任し、妊婦検診は毎回体重測定、子宮底測定のみ。
その他は、4Dエコー、血液検査(血糖、生化学)、尿検査を一回行った。
出産予定日前になって初めての子宮口内診。
ここでは痛みに弱い妊婦、医師の都合により帝王切開が多いと聞いていたので、事前から
強く経膣分娩の希望を伝えておいた。
主治医が海外出張の為、出産予定について話し合った。
出産前最後の診察後、朝7時に入院準備をして病院に来るようにと言われ、誘発剤を
使用することになった。
<出産経過>
予定日3日前、朝7時に夫と共に入院セットを持って病院へ。内診する。誘発剤を点滴
し、人工破水、胎児心音チェック、時々子宮口開大の為内診あり。陣痛が 5 分間隔になっ
たので、11 時に分娩台へ移動。11 時半から本格的に痛くなってきた。助手の先生がやっ
てくる。11 時45分。子宮口 9 センチになり、足もとでバタバタ出産準備が始まり、主治
医が呼ばれる。同時に事前に希望した小児科 Dr. Ajith Amarasinghe も入室。12 時に元気
な男の子出産。小児科 Dr.が直後の新生児のケアをしてくれ、安心した。
会陰切開、縫合あり。一度点滴から鎮痛剤を打ったので、出産直後はフラフラと眠くな
った。ベッドで少し休んでいたら、カンガルーケアの為、ベビーを連れてきて初授乳。
ナースに全て点滴内容などを聞き説明してもらってから実施してもらったが、技術的
にも日本同様しっかり行っており、医療スタッフの教育レベルも良いと思った。
入院は一日で良かったのが、Royal suite が空いていた為、二泊した。ベッドルームの他
にリビングもあり、長男や夫、来客がきてもこちらの部屋でゆっくり話をしたりして過ご
せた為とても快適だった。
出産直後より母子同室。母乳のみ。新生児の沐浴はナースが小さな洗面器に、ほぼ水を
入れて実施。ビタミン K2シロップ、BCG,血液型、聴力検査を実施後退院。
1ヶ月後、小児科にて新生児検診。日本のようにビリルビン値チェックなどは行わない
9
為、新生児黄疸が強めで少し気になったので Dr.に伝えるが、経過観察となり、その後自
然に消失。産後体調良好、母子共に経過良好で、ここで出産できて良かったと思う。
体験談
②
病院名:
Durdans Hospital(Colombo3)
ドクター: Dr. D.S.Rajapakse(長男)/
Dr. Deepal Weerasekara(長女)
受診者年代: 29 歳(長男)、32 歳(長女)
受診者年代: 2007 年、2011 年
分娩歴と出産形態: 長男、長女共に帝王切開にて出産
コメント:
長男妊娠時のドクターRajapakse は、特段問題なかったものの、長女出産 2 ヶ月前に海外
に 行 っ て し ま い や む を 得 な く 同 病 院 で 評 価 が 高 い と の 噂 の Weerasekara に 変 更 。
Weerasekara の技術はそれほど優れていない印象を受けたのであまりお勧めできません。
最近病院が改装されたので以前に比べ格段に部屋及び食事が改善されました。
<妊婦健診>
最初の三ヶ月間は毎二週間、その後は一ヶ月間に一度、最後の一ヶ月は毎週検診を受けま
した。超音波の回数も日本と同様の回数受けました。
体験談
③
病院名:
Lanka Hospitals(受診時は Apollo Hospital)
ドクター:
小児科
受診者年代:
受診年:
Dr.Nalini
産婦人科
Dr. Ajith Amarasinghe
30 代
2009 年
分娩歴と出産形態:
第一子を帝王切開で出産。
コメント:
<妊婦健診>
私が受診したのは、インド系の病院(注:当時)でしたので産婦人科医もインド人の女医
さんでした。ただし、有名な先生だったので待ち時間がとても長く、先生が出産に立ち会
う場合もあり、時には2時間待ちということもザラでした。 検診の時間も短かったので、
質問は聞きわすれのないようにメモにし、必ず聞くようにしていました。
触診は、ほとんどありませんでしたが、血液検査なども定期的にやりエコー検査も希望
に応じて、回数を増やしてくれたりしました。4D画像で、とても鮮明でした。長時間み
せてくれたりするので、お腹にいる赤ちゃんの様子がよくわかりました。写真も何枚もい
ただくことが出来ました。
10
<出産経過>
私の場合は、予定日を5日過ぎてもうまれずスリランカのお正月連休を控えていたので、
促進剤を使うことになり、前日の夜に入院。当日は朝 4 時おきで、剃毛などの準備をしま
した。促進剤を使ったものの、ベビーがひっかかってうまれてこず12時間たったところ
で、緊急帝王切開に切り替えました。帝王切開は、LDR ルームから手術室に搬送され、立
ち会いを希望していた夫も手術室に入れてもらい私のお腹からベビーが生まれる瞬間をみ
ることができました。帝王切開は問題なく終わり、出産後は2泊してから家に帰りました。
病院では、ベビーの入浴指導なども行ってもらい特に問題はなかったように思います。
先生は、他の患者さんも受け持っているのと、検診のほ うも担当しているので分娩室に
入ってからは、最初と途中なんどか様子をみにきてくれただけです。でも、ずーっと看護
婦さんが何人かついていてくれました。個室のLDRルームだったのですが、患者以外は
一度に一人しか入れませんでした。英語は、かなり通じたし、みんなベテラン風でした。
トイレは、ちょっと…な感じでした。トイレットペーパーは言わないと出してくれなかっ
たので持参すると安心です。あと靴を脱がされるので、付き添いの人はスリッパ 持参がお
すすめです。それから、病院内は寒いので長袖も!
入院する部屋の予約はできません。入院手続きをしないと部屋は確保できません。
ただ、事前に先生には、この部屋がいいといっておいたし、出産前の検診で夫と一緒に部
屋を見に行きツアーをしてくれと頼み、
「自分が出産するときは、この部屋がいい」と 言っ
ておきました。一番いいお部屋は、基本的に空いていると思います 。また、ベビーちゃん
もうまれたら、ベビーちゃんの分もすぐに入院手続きをとらないといけません。
出産前に小児科医は誰がいいかを聞かれ、その先生が出産後すぐにベビーの検診をして
くれます。名前をバースプランのシートに書いとくのもいい と思います。
海外ではすぐに帝王切開を薦められます。私はもともと希望していたのもあったので、
特に抵抗はありませんでしたが自然が良かったら、何度も先生に伝えといた方がいいかも。
逆に、無痛・帝王切開を希望している場合は、希望をかなえてくます。
ベビーちゃんは、生まれた翌日にBCGを打たれるので、希望しない場合は事前に伝え
たほうがいいと思います。
出生届けは、病院から出される資料をもってスリランカのお役所に行き、出生証明書を
発行してもらい(シンハラ語と英語版をもらってください。)それを持って大使 館で手続き
します。同時に、パスポートとビザの申請をお忘れなく。
日本の病院のように、あちらから何でも教えてくれるわけではないのでこちらの希望、
要望があればしつこいくらい、伝えたほうがいいです。
(私は産褥ナプキンを替えて欲しい
と、何度も頼みました。)
体験談
④
病院名:
Joseph Fraser Memorial Hospital
ドクター:
受診者年代:
産婦人科
Dr.Nielhan Samaranayake
29 歳
11
2009 年
受診年:
分娩歴と出産形態:
第二子を経膣分娩で出産。
コメント:
長男を無痛分娩で熊本で産みました。今回も無痛を希望していました。
Joseph を選んだのは①産婦人科病院なので、他の病気(院内感染など)の心配が少ないと
思ったため。②Joseph Hospital の雰囲気が落ち着いていて良かったため。③Dr.Nielhan
Semaranayake が無痛分娩の経験もあり、信頼できそうであったため。
<妊婦健診>
妊娠8カ月の時に Kandy から Colombo に引っ越してきたため、一ヶ月に一度の健診を合
計4回しました。血液検査は一回しました。健診のたびに体重測定・血圧、体重測定・ス
キャン(白黒)をしました。Drは健診中冗談を言いながらリラックスしていますが、心
配な事にはしっかりと答えてくれて信頼できました。
<出産経過>
予定日より10日早く陣痛が来ました。その後、45分の超スピード出産でした。陣痛が
来たのが深夜の12時近くだったので、タクシーも待っている余裕もないくらい陣痛がひ
どくなっていきました。病院についた時、ナースがあわててDrを呼んでくれました。
Drはすごいクラクションを鳴らしながら車で来てくれました。Drに「りきめ!」と言
われて難なく出産できました。今回、無痛はできませんでしたが、この病院で、 このDr
で本当に満足です。スリランカで出産するにあたって、帝王切開されてしまうのが不安で
した。このDrは「自然分娩を希望するけれど、陣痛が来てからどのくらいの時間 、切ら
ないで待っていてくれるか?」と聞いたところ、
「隣の部屋ではもう丸二日、頑張っている
妊婦がいるよ」と言われて安心しました。
体験談
⑤
病院名:Lanka Hospitals
ドクター:
産婦人科
受診者年代:
Dr.Sudeera
Uduwera
35 歳
2010 年
受診年:
分娩歴と出産形態:
第二子を経膣分娩で出産。
コメント:
Sudeera
Uduwera(スッディーラ
ウドゥウェラ)
言葉遣いがラブリーなおじさまでボディータッチが多いため、嫌な人は嫌かもしれません
が、ゆっくりと丁寧な英語で話してくれるし、わからなそうな顔をしていると分かりやす
く言い換えてくれるなど親切な先生でした。
体重管理はしないし、内診も臨月に入ってからのみ。超音波もあまり重要視してないみた
いで、やりたいと頼んだら「必要ないんだけどねー」といいつつ、予約だけは入れてくれ
ました。無理矢理に押しつけることはしませんが、計画出産の利便性をさりげなく会話に
12
挟むなど完全な自然分娩主義の先生ではないようです。でも、自然がいいんだーというと
もちろんあなたの望むようにするのが一番と笑顔で(常に笑顔)了解してくれます。
<妊婦健診>
日本に一時帰国中に妊娠が分かったため、こちらでの検診は 7 か月に入ってから本格的
に受け出しました。検診のスケジュールは日本と同じ。
7 か月からだったからか、検査は血液検査と尿検査を 1 回のみ。
超音波は無理矢理やらせてもらったけれど、そうじゃなかったらやらなかったかもしれ
ません。検診は、問診、血圧測定、触診(お腹のみ)、胎児の心音チェックのみ。
体重が気になったので聞いたのですが、気にしなくていいとのこと。
臨月に入ったら毎回内診が同じ診察室でありました。聞きたいことをノートに書いて持
っていったら、それをフムフムと読んで回答してくれます。英語は聞き取りやすく、丁寧
に聞いてくれるので英語が得意でない私でも安心して受診できました。
<出産経過>
自然分娩、陣痛開始から出産までの時間:2 時間
36 週に入った時点で出産当日どうするかという具体的な話を先生としました。
→ 大量の出血、胎動がなくなる、陣痛の開始、他異常事態
が起こったら先生に何時でも
いいから電話するように言われました。
自然分娩がしたいということ、一人目が誘発剤で長時間の陣痛に苦しんだから 、できれ
ば誘発剤は使いたくない、使うとしても長く苦しむのは嫌だと伝えました。そうしたら、
どういう状態で誘発剤を使うと長時間苦しむ羽目になるのかを説明してくれて、
「ま、二人
目だから大丈夫だよー」とのこと。
それと、予定日付近に先生の学会出張が入っており病院にいないということで予定日前
1 週間になっても陣痛が来ない場合は、計画出産(誘発剤を使う)をすることも考えては
どうかといわれました。帝王切開はすすめられませんでした 。もちろん、あくまで自然分
娩がいいのなら代わりの医者がちゃんといるから大丈夫だけどとのこと。
主人の海外出張も予定日直後に予定されていたため、主人とも相談して予定日 1 週間前
になっても陣痛が来ない場合は、誘発剤で計画出産にしようと決めました。慣れない海外
の病院でしかも入院手続きにかなり手間を取られると聞いていたため、主人がいないタイ
ミングでの出産は避けたかったことと、まったく初めての先生に取り上げてもらうのはち
ょっと怖いよねぇということで決めました。結局、予定日よりも 10 日早く生まれたので
計画出産の必要なかったのですが。
出産自体は、痛みが定期的にきてなかったものの、午後 5 時過ぎくらいから頻度が上が
ってきたため、6 時に先生に電話し、病院へ行きました。エマージェンシーへ行き、先生
にも到着の電話。エマージェンシーでしばらくベッドに寝かされ、10 分後位に車いすでバ
ースセンターへ搬送。この時点で陣痛 5 分間隔。出産する部屋がふさがっているというこ
とでその隣の部屋に通され、素っ裸になって手術着のようなものを着せられ、ベッドに寝
かされました。日曜日の夜でしたが、先生が他の手術のため病院にいたためすぐに診察。
「長く苦しみたくない」という私の要望を受け入れたのか、先生の都合かわかりませんが、
人工破水をしました。「これで 2 時間後くらいに出てくるから、僕は一度家に帰るね。大
丈夫、とても近くに住んでるから」とのこと。この時点で先生から、痛み止めの注射を打
13
とうかと言われたのですが、私は注射(Injection)と誘発剤(Induce)を混同してしまい、
断ってしまいました。この時点で打っていたらあんなに痛い思いをしなくて済んだの
に・・・と後悔。
とりあえずの部屋で 1 時間陣痛と格闘していたのですが、看護婦も時々しか来ないし、
旦那は入院の手続きでいなくなるし、ひとり殺伐とした部屋に残されましたが、そんなの
を気にしている状況ではないため、必死に痛みに耐えていました。胎児の心音などを測る
測定器がベッドに固定されているため、仰向けないしは、左を下にした横向きにはなれま
したが、自由に体を動かすことはできませんでした。着替えやら何やら入った荷物を持っ
てきていたのですが、これは邪魔になっただけでした。水とタオルはあった方がよかった
です。でも、水はあまり飲むなと言われました。
別途すぐ出せるように用意しておいた方が良かったなぁというものは、出産後に着る自
分の服、赤ちゃんの服、タオル、おくるみです。
途 中 、 研 修 医 の よ う な 女 性 が 来 て 、「 い き み を 感 じ た ら 教 え て く だ さ い 」 と の こ と 。
「pushing」がいきみだということをすっかり忘れていて、赤ちゃんが下に降りてきてい
るのがわかったので、
「赤ちゃんが中から’押している’」と伝えたところ、触診があり、
「ま
だだわね、子宮口 4 センチ」と言い残して去って行きました。そんなこんなで、旦那が戻
ってきて「そんなに痛いなら注射打ってもらえばいいのに」と言われ、自分が間違って聞
きとっていたことが発覚。すぐさま、先生に電話し、注射をお願いしました。看護婦に言
えば打ってくれるから、何かあったら全部看護婦に言ってくれとのこと。
1 時間後、部屋が空いたから移動してくれと言われ、痛みのひどい時に移動。移動の時
にトイレに行きたくなったのでトイレに行かせてもらったのですが、紙はなく(持ってい
ってたけど)、便器も水浸し、床も水浸しのところに入っていかなくてならず、ちょっと気
持ち悪かったです(が、そんなのを気にしている余裕はなく・・・)。
部屋を移動してますます痛みがひどくなったので、「早く注射を!!!」と叫ぶものの、
ベテラン助産師が「何かあったら困るから、準備が整うまで待ってなさい。はい、深呼吸!」
と一括。その後、新人さんに、「まだ?まだ?」と何度も聞くけど、「ごめんね、もうちょ
っと待ってね」。最初、「まだ?」って日本語で聞いてしまって、きょとんとされました。
いきみもはじまったころようやく打ってもらったのですが、これが魔法のようにすぐに効
いて、本当にびっくりでした。でも、陣痛の波やいきみはよくわかるので「いきんで~」
と言われなくても自然にいきむことができたし、何より痛くないし、とても幸せな気分で
した。
出産直前に先生が到着。到着と同時にて剃毛され (なんの了解もありませんでしたが、
事前に嫌だとも伝えてませんでした)、何も言わずに会陰切開(嫌だともいいとも伝えてな
かったけど)、先生の診察の時と変わらないラブリーな会話につられてすぽーんと出産。
一人目の時は、出てきた感覚もわからないくらい疲れ果ててましたが、今回はざっぱー
んと羊水と一緒に出てきたのがよくわかりました。出産時刻は午後 8 時。病院についてか
ら 2 時間の出来事です。その後は、痛み止めのせいでうつらうつらしてしまい、よく覚え
ていません。赤ちゃんを胸に乗せて抱かせてもらった(おっぱいを吸わせたような気 もす
る)けれど、顔までちゃんと見るよりも眠い・・・という感じで寝てしまっていたような
気がします。
14
病室に移ったのは 10 時前。部屋をうつる前に紅茶とサンドイッチを出されました。痛
み止めの副作用で紅茶を飲んだものの全部吐いてしまい、サンドイッチも断りました。気
持ち悪くて吐いたわけではなく、ただ出てきたという感じで苦しいものではありません。
でも、とにかく眠かった。夜のうちに、食事をどうするかというのを聞きに来る人がいて、
カレーじゃない方を頼みました。
翌朝先生が来て、問診。傷口もみないし、触診もありませんでした。赤ちゃんの様子を
担当の先生が診に来ましたが、あっさりしたもの。BCG をこの日に打ってもらいました。
あとは、血液検査やお風呂といって時々看護婦が赤ちゃんを連れていきますが、まだこの
日眠かったのでもう任せきりにしてました。
2 泊しましたが、この間に赤ちゃんがどういうトリートメントを受けたのかちゃんと確
認せずに退院してしまいましたが、確認すればよかったと思いました。部屋は二間あるロ
イヤルスイートで、上の子もいたし、父もいたしだったので便利でした。お湯の出は悪か
ったけど、掃除もちゃんとしていてトイレットペーパーもありました。自分の分のバスタ
オル、ハンドタオル、歯磨きはありました。シャンプー、石鹸はない。食事も普通に食べ
られるもので、パンがおいしかった。スリランカならではで、朝食前の紅茶と午後の紅茶
が出てきました。
赤ちゃんが泣いているとすぐに看護婦が来て抱っこしてくれたり、オムツをかえてくれ
たりとかなり手厚く、上の子が来ているときは特に「みてるからいいよ」という感じで預
かってくれるなど助かりました。赤ちゃんのお世話に使うもの、自分のものはすべて自分
で持ってこないとダメでした。(頼めば買ってきてくれますが)
必要だったもの:
・赤ちゃんの服、タオル、石鹸
・産褥パッド(ないしは生理用ナプキンの夜用スーパーとか)
・着替え
・付き添いの人の食事
※冷房は自分で調節が効くので快適でした。
退院は黄疸が少し強そうだから血液検査の結果が出てからねと言われ、先生が来るまで
待たされたので 5 時半くらいでした。3 時と言われていたのに。結局、翌日もう一度血液
検査に来てその結果次第でどうするか決めますとのことで、翌日にもう一度 NICU で血液
検査をし、午後結果をもらって、結果を先生に電話して、数値が下がっていたので大丈夫
といわれ、ようやく一安心というところでした。一人目だったらもう一泊した方が楽だっ
たかもしれません。
気候がよいせいか、先生の縫う技術が高いのか、出産にかかった時間が短かったからか、
二人目だからかわかりませんが、出産直後から割と普通に座ることができて、おしもの痛
みはかなり楽でした。円座もほとんど使わずに済んだくらいです。
産後の検診は 1 週間後と 1 ヵ月後。1 ヵ月後に行った時には、家族計画の話をされて「 3
ヶ月間 1 か月に一度打てばしばらく妊娠しないという注射がある。おっぱいのでもよくな
る成分だからむしろ打つことをすすめるよ」と言われました。子供ができるようなことを
する気はしばらく起きないし、コンドーム使うからいいと断りましたが、
「夫婦にはセック
スは大事だよ」と力説されました(笑)。
15
体験談
⑥
病院名:
Ninewells Care Mother & Baby Hospital
ドクター:
受診者年代:
受診年:
Dr.Nandadeva Senevitatne
産婦人科
40 歳代
2010 年 1 月~8月
分娩歴と出産形態:
第三子を経膣分娩で出産。
コメント:
Ninewells を選んだのは①スリランカ人の大家さんのイチ押しだった②産婦人科、小児
科の専門病院なので子連れで行っても怪しい病気をもらわずに済む?の理由からでした。
実際に行ってみると、Drは紳士的で些細な質問にも快く応えてくれる好人物。待ち時間
も、平日ならゼロで、土日でも予約をすれば比較的早く診てもらえました。さらに主治医
が健診もエコーもほぼ同時に行ってくれ、時間の節約ができたこともポイントの高い点で
した。(スリランカでは健診とエコーを別々の先生が行う場合があります。)
<妊婦健診>
プレママ最大の楽しみである 「エコー検査」は、なんと前期・中期・後期の3回のみ。
毎回の健診では、血圧と脈拍、赤ちゃんの心音を調べます。
(途中、血液検査1回。33週
からは子宮底も測りました。)心音を聞いたら Baby に会いたくなるのが母心。私の場合、
一時帰国前に「日本で Baby 用品を買うから性別が知りたい!」と頼んで、26週に追加
でエコーを診てもらいました。エコーのほかに「体重管理」や「内診」もドキドキの関心
事ですが、私の主治医は出産まで一度も体重の事を尋ねなかったし、内診もありませんで
した。
<出産経過>
兆し:予定日一週間前の夕方、生理のような出血があり、主治医に Tel。「病院に来てくだ
さい」と言われ、主人と子供二人(5歳と3歳)と共に、入院準備をして病院に向かいま
した。当直医の内診の結果、子宮口はまだ2cmしか開いていないと言われました。それ
でも「入院してください」と指示され、
「では病室は?」と尋ねると「全て満室よ!」の返
事。
「じゃあどうするの?!」と聞き返すと「ベッドが一つ空いている」と。案内されて行
ったのはなんと「分娩室!」いきなりここですかっ!とビックリしている私をよそに着々
と手続きは進み、分娩室で寝て待つことになってしまった。もちろん同伴(付き添い)は
ダメとのことで、主人と子供たちは帰宅。私は病院着に着替え、てい毛、浣腸を済ませ、
分娩室の狭いベッドに横たわり待つことにした。
待機:分娩室のベッドの上で陣痛が来るのを待つ。陣痛が来ないからと言って、日本の産
院のように歩いたり体操したりすることはできない。トイレに行く以外はひたすら寝て待
つ。隣の分娩室には出産中の人がいるらしく「う~~ん」と苦しそうな声が聞こえてくる。
(頑張って!もう少しよ!)とこちらもドキドキ。午後8時半に入院したものの、正午を
過ぎてもそれらしき陣痛が来ない。途中 忙しそうに働くシスターたちが「Pain?」と何度
も様子を見に来てくれたり、赤ちゃんの心音をチェックしたり、血圧を測ったり。 微弱陣
痛のみでのんびり寝ている自分の存在がいたたまれない。
「少し寝た方がいい」と言ってく
れるがなかなか眠れない。
「ごめんよ~、明日、出直すよ~」と言いたい気分山々でまんじ
16
りともせぬ時間を過ごした。
出産:うとうとし始めた午後5時過ぎ、それまで微弱だった陣痛の波が急激に強くなって
きた。
「おおっつ、ついに来たか!」と思ったのは私だけじゃなく、シスターたちも「 Heavy
Pain ね!」と活気づいてきた。分娩室がいよいよ分娩室らしくなってきたところへ、当直
医が再び内診に来た。
「 あなたのDrを呼ぶ」と言われたが、その後からがすざましかった。
懸命に呼吸法を試みたが痛みが強すぎてどうしていいのかわからない。呼吸法では痛みを
逃しきれなくなってきた頃、ついに主治医が到着!「私が来たから大丈夫」と白衣ではな
くエプロン姿の主治医が、そう言って私の手を取った。すごく冷静なDrが「では、いき
んで(プッシュ)」とGoサインを出した。「やったー!」と言うより「え?もういきんで
いいの?」という驚きの方が先で、続いて「あれ?いきむってどうするんだっけ?波がつ
かめないっっ!!」とパニックになった。せっかく続けてきた呼吸法もすっ飛ぶパニック。
「わかんないよ~!」「どうすりゃいいのー!」と日本語でギャアギャア絶叫した。絶対、
病院中に響き渡ってる・・・・。でもいいや、もうこの病院で出産することも無いし―な
どと思いながら、申し訳ないが、思う存分叫ばせてもらった。その 間もDrは紳士的で「い
きむのは少し後にしましょう」と言い自然にいきめるまで待ってくれ、私を責めたりしな
かった。シスターたちも汗を拭いたり、私を見守ってくれた。
「手は太ももをつかむよう
に」と言われたが、ベッドの縁をつかんだ手を自分でも離すことができない。そうしたパ
ニック状態が続く中、何かの拍子でふと足元に目をやると、股の間に赤ちゃんの頭と肩が
みえた!すると「ゴール」がみえた安心感からか、急に冷静になった。
「そういえばおへそ
を見ていきむんだっけ」なんてことまで思い出し、落ち着いて2回いきんだところで赤
ちゃんが無事に誕生した。振り返ってみると、上の二人の時にあった「吸引」も無く。
産後:出産前に「分娩後30分以内に授乳させたい」と伝えていた事もあり、すぐに赤ち
ゃんが連れてこられた。病室に空きが無く、引き続き分娩室で赤ちゃんと過ごす。シスタ
ーたちも「ここは特別室よ」と気分を和ませてくれた。その後、個室に移動。出産当日と
翌日、主治医と同病院内の小児科医が私と子供を診てくれた。
「問題なし」とのことで 出産
翌日に退院。入院中は私専属のスタッフが一人いて、シャワーや食事の介助をしてくれた。
赤ちゃんはナースコールを押せばすぐに看護師が来て、おむつ交換や授乳の介助 をしてく
れた。
体験談
⑦
病院名:
Central Hospital
ドクター:
産婦人科
受診者年代:
受診年:
Dr. G. A. Ranatunga
30 代
2011 年
分娩歴と出産形態:
第二子を経膣分娩で出産
コメント:
<妊婦検診>
妊娠 3 ヶ月で初診を受け、出産まで合計9回ほど受診しました。内容は主にリラックス
17
した雰囲気の問診・触診で、内診は出産当日までありませんでした。
(エコー検査にも別途
予約が必要)。医師は紳士的な対応で安心して相談でき、病院はホテルのように明るく開放
的なつくりで、院内にカフェもあるため、小さな子ども連れでも待ち時間が気になりませ
んでした。
妊娠 8 ヶ月のころ気管支炎を患いましたが、評判のよい医師に紹介状を書いてくださり、
その医師と連携して適切に処置いただきました。
<出産経過>
第二子ということで出産の進みが速く、入院からおよそ 4 時間で出産しました。看護婦
らの連絡が遅れ、担当医の到着が間に合いませんでしたが、当直医の介助により無事出産
しました。出産後は、1 時間ほど休んだのち、すぐシャワーを浴び、車椅子で赤ちゃんと
共に病室へ。翌朝から、担当医や小児科医の往診、看護婦による赤ちゃんの沐浴、母乳指
導、BCG 接種などを受けました。(2 泊 3 日で退院)
病室(すべて個室)は、テレビ、ソファ、シャワールームが完備され、ルームサービス
で食事も頼めるため、家族も快適に過ごせました。(立会い出産も可能です)
後ほど、看護婦らと話しましたが「陣痛が軽かったので出産はまだまだと思った」との
こと。日本式に痛みを堪えていたせいで担当医への連絡が遅れたのかと、少々後悔しまし
た。
体験談
⑧
病院名:
The Central
ドクター:
産婦人科医
小児科医
Dr.D.WANAKULASURIYA
Dr.Mrs.Shakila Nanayakkara
受診者年代: 30 歳代
受診年: 2010 年 11 月~2011 年 3 月
分娩歴と出産形態: 自然分娩で2人出産(日本)、3人目をスリランカで自然出産。
コメント:
ワルナクラスーリヤ先生は、年配でベテランの、とても優しい先生です。日本人のお子
さんを何度かとりあげていらっしゃいます。わからないことは、なんでも質問すれば、図
を描いてわかるまで説明してくださいます。立会い出産など、希望することはなんでも、
先生に相談されると良いと思います。
また、この先生の良いところは、ほぼ毎日病院にいてくださるところです。ほかの病院
をあまり掛け持ちされてないのか、ご自宅が病院から近いからなのかわかりませんが、具
合の悪いとき突然病院に行っても、いつも同じ先生に診てい ただけることは、とても心強
いことです。私の場合、上の子2人とも超スピード出産で、3人目も出産時病院に間に合
うか心配していました。規則的な陣痛が始まってから、病院に向かう道すがら、車の中で
先生にお電話し、病院に到着後15分ほどで先生も駆けつけてくれて、その20分後に出
産、間に合ってもらえたことが、本当に良かったです。
(時間帯は、午前9時ごろで、時間
的にも良かったのかもしれません)
18
日本では、妊娠がわかると、病院によっては、子宮がんの検査をはじめ、さまざまな検
査を行いますが、スリランカでは、本人が希望しない限り、最低限のものしか行わないよ
うです。自分で不安を感じる場合は、積極的にドクターに検査したい旨を伝えましょう。
すべてにおいて遠慮せず、気になったことは何でも、ドクターや看護婦さんに伝えたほう
が、相手にもわかりやすいし、満足できるお産につながると思います。
セントラル病院は、2011年に新しく建て直され、設備も整っていますが、ドクター
はベテランで、とても理想的な病院だと思います。入院病棟は、ほかの病院に比べると、
部屋代はあまり変わらないのに、明るく広くきれいです。食事は、カレーやウエスタンメ
ニューがありますが、自分で食べたいものがある場合は、入院前から準備したり、差し入
れしてもらうのが良いと思います。全体的に快適な入院生活が送れて、満足しています。
<妊婦健診>
●予約の方法
予約は、電話では受け付けていないようです。本人でなくてもいいので、誰かが病院に
行って、診察料(850ルピー程度)を前払いで払って、はじめて予約ができます。3階
もしくは4階のエレベーター近くのカウンターで、ドクターの名前と診察希望日時を伝え
て、お金を払ってください。日時とドクター名が記載された領収証をもらえるので、診察
を受ける日に持参してください。予約は、2週間前から可能ですが、キャンセルしても、
前払いで払った診察料は返金されません。予約なしで突然行っても、大抵それほど混んで
ないので、1時間程度の待ち時間で済むかもしれません。先生は、9時半ごろに来て、1
1時ごろには、ほぼ患者さんを見終わって診察室を離れてしまうので、もし予約なしでい
く場合は、9時半ごろまでには病院に到着していたほうがいいようです。
●診察
産婦人科は4階です。ドクターの名前の書いてある診察室の前でお待ちください。中か
ら、そのドクター担当の看護婦が出てきたら、予約のときに受け取 った領収証を渡してく
ださい。
エコー:ドクターにエコーを受けるよう指示されたら、4階奥のカウンターに行って、ド
クターの書いてくれたメモを渡してお金を払い(1,350ルピー程度)、その領収証を持
って同じ4階にあるエコー室に行ってください。エコーは、診察したドクターが行います。
血液検査:ドクターに指示されたら、ドクターの書いてくれたメモを、1階のカウンター
(一番右手)に渡してお金を払ってください。処置室は、1階メインエントランスの右手
にあります。
<出産経過>
分娩は、日本の病院にあるような分娩台はなく、普通のベッドで行います。日本ではお
産の前に、浣腸、剃毛をしますが、こちらでは、どうするかあらかじめ考えておくとよい
と思います。
入院は、基本的に入院手続きが終わらないと、入院病棟に入れないようですが、陣痛が
来てお産が迫っている場合は、手続きは付き添いの人に任せて、妊婦さんは6階の分娩室
に直行しましょう。入院病棟をあらかじめ見学しておくと、いざというとき、慌てなくて
済みます。また入院時持参するものなども、あらかじめ聞いてメモしておきましょう。ち
なみに私の用意したものは、下記の通りです。
19
●入院準備
赤ちゃんのために・・
・ベビー服
・オムツ
・おしりふき
・シーツ
・バスタオル
・ガーゼのハンカチ
・赤ちゃん用の石鹸
・洗面器(入浴時に使います)
・綿棒などグルーミング用品
お母さんのために・・
・お産のときに着る服(病院でも希望すれば貸してくれます。)
・産褥ショーツ
・お産パッド(こちらでは、良いものが手に入らないので、L・Mサイズのものを日本か
ら取り寄せたほうが無難です。私の場合、友達が買ってきてくれて、とても重宝しました。)
・生理用ナプキン
・着替え
・羽織るもの
・スリッパとサンダル
・ティッシュ1箱
・洗面用具
・湯沸しポットとコップ(湯沸しポットがあると、自分の好きなときにお茶が飲めて、と
ても満足でした)
・ティーパックのお茶
・クラッカーなどの食料品
・メモ帳・ボールペン
・飲料水(お産のときに飲む用)
・時計
・入院費用
・カメラ、ビデオ
※退院時、お世話になったドクターや看護婦さんに、差し入れをしました・・。
●赤ちゃんの予防接種について
赤ちゃんは、出産した日にBCGの予防接種をします。その後も、2ヶ月、4ヶ月・・
と、予防接種が設定されていますが、接種の時期や種類が日本と異なりますので、注射を
受けた際は、受けたワクチンのラベルを母子手帳に貼ってもらい、きちんと記録しておく
と良いでしょう。また、おへその処置も、日本と違うので、退院時によく聞いておくこと
をお勧めします。
●出生届について
日本大使館に提出する出生届には、外国官公署の発行する出生登録証明書、または、医
20
師の発行した出生証明書のいずれかを添付することになっています。両親とも日本人の場
合は、スリランカ政府に届け出る必要はないそうなので、ドクターに出生証明書を書いて
もらうことになります。大使館の求める内容を漏れなく書いてもらうためには、先にフ ォ
ームを作って、ドクターに記入してもらうのが一番だと思います。フォームを 最後に添付
しますので、参考にしてください。大使館に出生届を提出すると、赤ちゃんの名前が戸籍
抄本に記載され、パスポートの申請ができます。
●出産費用
入院手続き時に10,000ルピー
退院時に
内訳
約100,000ルピー
を支払う。
1泊1万円の病室で3泊、分娩費用、赤ちゃん検診、予防接種など
<その他>
私の場合、3度目の出産だったので、赤ちゃんがあとどのくらいで出てくるのか、感覚
的にわかりましたが、もし初産だったら、いきむタイムミングなどがわからず、パニック
になったかもしれません。
上の2人を私は日本の病院で出産しましたが、看護婦さんは、妊婦さんのことを常に気
遣ってくれて、分娩室での陣痛の合間にも、
「赤ちゃんの頭が見えているから、もう少しだ
よ!」などと声掛けしてくれたのが、つらい陣痛の中で大きな励みでした。
今回付き添ってくれた看護婦さんは、赤ちゃんのことは気にしてくれましたが、母親の
ことは、
「陣痛は痛いのは当たり前」とばかりに、まったくかまってくれず、頼りにしてい
た夫も、出産手続きで近くにおらず、痛みの中、必死につたない英語を駆使 して、状況を
把握したり、希望を伝えなければならず、心細い思いをしました。
また、妊娠期間中も、順調なときは良いのですが、体調を崩したときは、不安が倍増し
ました。日本にいたときにお世話になった先生に、国際電話を掛けて問い合わせたことも
ありました。
妊婦検診、出産に当たっては、ノーラ・コーリ著「海外で安心して赤ちゃんを産む方法」
が参考になりました。
結果的に、何事もなく無事出産を迎えることができましたが、日本で産むかスリランカ
で産むかを迷った際に、上記に挙げた点も考慮に入れていただければと思います。
※上記の情報は、すべて2011年2月現在のものですので、ご自分で診察を受ける際は、
再度病院にご確認ください。
21
Birth Certificate
Name of Child
Date and Time of Birth
Gender
YYYY/MM/DD :
/
1.Hospital
5.Other
Medical Institute
Place of Delivery
/
1. Male
AM / PM
2.Rural Hospital
h
2. Female
m
3.Midwife's house 4.Home
Place of Delivery ﹙Address
﹚
Name of the Medical Institute
Weight and Length
Single or Multiple
g
1.Single
2.Multiple
cm
The number of siblings﹙ ﹚. This is ﹙ ﹚baby.
Name of Mother
Duration of Pregnancy
w
Nomal Birth
Children
Number of Pregnancies
Still Birth ﹙After 22weeks of pregnancy ﹚
1.Doctor
d
I hereby certify that the above information are true and correct.
2.Midwife
Address
Signature
3.Other
YYYY/MM/DD :
22
/
/
体験談
⑨
病院名:
The Central
ドクター:
産婦人科医
小児科医
Dr.D.WANAKULASURIYA
Dr.Mrs.Shakila Nanayakkara
受診者年代: 30 歳代
受診年: 2011 年 2 月~2011 年 8 月
分娩歴と出産形態: 第一子・第二子は日本で出産。第三子をスリランカで経膣出産。
コメント:
<妊婦健診>
妊娠が判明した後から,こちらでの出産を考慮して病院選定をしていた。
ナインウェルズを最初に受診したが,病院の古さから少し躊躇した。その後,他の日本人
の方もかかっている新しい病院があると聞き,The Central を受診。Dr はとても穏やかな
方で,ゆっくりと説明してくれたり,分からなければ紙に絵を描いて教えてくれたりした。
毎回,予約時に一番早い予約を入れていた為か,待ち時間もさほどなく診察を受けられた。
エコーは別室での診察となるが,こちらからの希望や必要性に応じて行ってくれた。
Dr がエコーのオーダーを紙に書いてくれるため,それを料金カウンターに 持って行って
前払いしてから診察となる。全て同じフロアにあるため,さほど不便ではなかった。
検査は,基本的な採血項目を初期に一度行い,その際に貧血が認められた為薬を処方して
くれた。その後確認のための採血はされたが,初回の採血項目の中に風疹や HIV などの検
査は含まれておらず,日本に比べると項目が少なく少し不安に思った為,シンガポールに
旅行した際に日本人クリニックを受診して必要な検査を受けて来た。
その後,妊娠後期に日本へ帰国する機会があった為,短期でも日本のクリニックを受診し
たいと問い合わせたところ,可能だがスリランカの医師の紹介状とこれまでの検査結果が
必要と言われた。
あと,国際線を利用する際,全ての航空会社がそうなのか分からないが,妊娠3カ月以
降は搭乗に際して医師の許可証が必要となるところもある。
この帰国の際に利用したのはスリランカ航空だったが,航空会社既定の医師の許可証があ
るため,出国日前の10日以内に記載されたものを所持していかなくてはならなかった。
もちろん,日本を出国する場合も必要だった。
これは,航空会社に問い合わせれば,メールなどで送ってくれるため,それをコピーして
医師に記載を依頼することになる。
日本での診察では,その病院で出産するわけではないということもあってか,特に追加で
受ける検査はなかった。
<出産経過>
予定日は8月20日で,その前の週から何度も何度も医師にコロンボに滞在しているか,
連絡すればすぐに来られるのかという事や自分たちは自然分娩を希望しているということ
を繰り返し確認したり主張してきた。
しかし,予定日の数日前になると「予定日に陣痛が来なければ,その日の夕方には薬を使
23
って陣痛を起こす」と言われ,自分たちはあくまでも自然に任せたいと主張したが,それ
以上待てるかどうかはその時の赤ちゃんの様子をみて判断すると云われた。
結局,その後数日は待ってもらったが,予定日の4日後に薬を使うことになった。
始め,NST を行い胎児の心拍・胎動・おなかの張り等を確認し,薬が使える状態かを診た。
その後,12:30に経膣にて子宮口弛緩剤を挿入。
16:00頃,何の変化もない中,突然看護師が訪室し分娩室へ来いと言われた。
分娩室へ移動後,剃毛と浣腸をされてそのままここに居ろと言われたが,特に陣痛が来て
いるわけでもないので部屋に戻りたいと云い,帰室した。
17:30,担当医訪室。分娩室で人工的に破水さ せて点滴で促進剤を投与すると云われ
た。人工的に破水させたときにほとんど羊水が出なかった。
ただ,羊水が出なかったと言うことと,私が「事前に少量破水したかもしれない」と云っ
た事だけで判断され,特に何かの検査などするわけでもなく,事前に破水していた可能性
があるということになり抗生剤を投与された。
18:00頃,陣痛促進剤投与開始。開始直後は Dr も付いていて適宜痛みの間隔に合わ
せて薬を増減していたが,しばらくしたら「5・6時間後に様子を見に来る」と云って帰
ってしまった。
19:30,3分間隔の陣痛で痛み増強。代診のような医師が内診。まだ子宮口5cm し
か開いていないからまだまだかかると云い退室。
20:30,陣痛更に増強。もう産まれると訴えるが,看護師も代診医師も担当医に連絡
してくれる様子なし。主人が直接担当医師に連絡。
21:00,担当医到着。みんなが何も準備出来ていなかったため,あわてて準備し
その14分後に出産となった。
3人目であるため,私自身はもうすぐ生まれるという感覚が分かり,すぐに担当医師を呼
んでほしいと言っていたのだが,代診医師はこんなに早く子宮口が開き出産になるとは思
っていなかったのか,内診もしないし担当医師に連絡もしないで,ただ居るだけだった。
今回,分娩台に上がってからは一度も監視装置を装着することはなく,本人が痛みの間隔
と度合いを伝え,それを医師が見た目で判断しているだけにすぎなかった。
モニターを診て数値で判断するような出産経過はなかったために,医師や看護師の準備が
遅れたとも言える。
また,薬を投与しているというリスクも全く考慮していないように思えるくらい観察が不
十分だった。看護師は訪室しても物を置いて行くだけなどで,患者に対して声をかけるこ
ともなかった。
その後,2時間は分娩室にて安静にしていることは日本と同じだったが,1時間もすると
赤ちゃんを連れてきて,すぐに授乳。
その後ももちろん母子同室で,疲れきっているのに夜中も授乳とおむつ交換で眠れず。
その日,看護師や医師が夜中に様子を見に来ることもなく経過。
翌朝,看護師が検温の為に訪室。その際に,夜中赤ちゃんが授乳後に2回ほど嘔吐したと
伝えると,それは良くないと云いだし,げっぷはこうやってさせるのだと偉そうに指導し
24
ていった。
その後,小児科医と別の看護師が往診に来たため,再度赤ちゃんが夜中に嘔吐したことを
伝えると,今度は「出産のときに羊水か血液を飲んだ為だろうから,胃洗浄しなくてはい
けない」云い,突然赤ちゃんを連れて行った。
15分後,赤ちゃんを連れてきて,
「 胃洗浄して栄養剤を飲ませたから2時間は授乳するな」
と言い退室。K2 シロップは産後すぐに飲ませてあった為,何の栄養剤を投与されたのか
はよくわからなかった。
次に,今度は赤ちゃんに BCG の予防接種をすると云い連れ行き,その後頼みもしていな
いのに,「ミルクをあげたら 80cc もゴクゴク飲んだわよ」と言って出てった。
この時点で,説明が簡易過ぎる事,一方的に考えや行為を押しつけることなど,看護師 や
医師に対する不満やストレス,身体的な疲労が募り母乳の出が悪かった。
結局,嘔吐したことが気になるという理由で入院を一日延長したが,その間,何の医者な
のか,何のための検温や往診なのかなど意味のわからないスタッフの訪室がやたらと多く
て,まったく休まらなかった。
入院中にこんなにストレスを感じ,早く家に帰りたいと思ったのは初めてだった。
結局,その後赤ちゃんの嘔吐が無かったため退院となったが,痛いのと疲労でふらふらな
状態で退院した。
産後12日目,母子ともに健診。母体は問題なし。
赤ちゃんはお臍と体重を見ただけ。後は頭の形が少し気になるから,2か月後の予防接種
で来院するまでに CT を撮っておきなさいと言われた。
それ以外,股関節の状態を診たりその他の計測をしたりということはしなかった。
今回の出産経験を通して感じたことは,本当に安心して出産に臨みたいと思うのであれば,
日本での出産が一番であるということです。
産後すぐに赤ちゃんに施す検査(先天性代謝異常検査・聴覚検査)や産後の母体へのフォロ
ー,赤ちゃんの経過観察など不十分な点が多い為,無事に出産できてもその後の不安が払
拭出来ないまま経過しなくてはいけません。それでも,無事に大きくなっているし,見た
目に異常が無いから大丈夫と思ったり,産後に家族のフォローを充分に得られる環境があ
るということであればこちらでの出産も良いのかもしれません。
病院の設備については発展途上国にありながら十分な機材や薬を備えていると思いますが,
それに似合うほどの知識が看護師に備わっていないこと,プライバシーを保護するという
考えがとても薄いこと,母体を労わろうという考えがなく,産後のフォローがないことな
ど,スタッフのレベルの低さがとても不愉快な思いをさせる要因の一つでした。
これらのことは,この病院に限ったことではなく,どの病院でも現時点での看護師の教育
体制レベルが必要最低限でしかないこと,国色として日本のような気配りは得られないと
いうことは念頭においておく必要があると思いました。
私の場合,上の子たちがやっとこちらの生活に慣れてきたところで,半年近くも帰国する
のは子供たちがかわいそうだという事,帰国した場合子供たちを幼稚園に行かせられなか
25
ったりすると逆に手がかかってしまうこと,金銭的な負担が更に多くなること,母親が産
後手伝いに来ることが可能であった事などをふまえて事前に何度も主人と話し合い,結 局
スリランカでの出産を選びました。
しかし,病院の設備が大丈夫だからとか医師がいい人だからという事だけはなく,その後
の病院でのフォロー体制なども考慮して出産場所を選定しなくてはいけないと本当に感じ
ました。
体験談
⑩
病院名:
The Central
ドクター:
産婦人科
小児科
受診者年代:30 代
Prof. Hemantha Senanayake(コロンボ大学産婦人科教授)
Dr. Dr. Dilrukshi Ruberu
受診年:2011 年
分娩歴と出産形態:第1子を36週目に帝王切開にて出産(逆子)
コメント:
<妊婦検診>
「うわぁ〜、凄い所に来ちゃったなぁ。」それが、スリランカに到着して最初の感想だっ
た。むわっと暑い気候、人間を差し置いて、道とは呼べない道を野象・野牛が練り歩く。
私は妊娠15週目に、コロンボに移住して来た。初めての妊娠による高揚感と不安が渦巻い
た。ここで妊娠期間を過ごすに当たって、お医者さん、病院はきちんとしているのか。し
かし現地に数年住む夫やスリランカ出身の彼の家族よりこの国には数多くの良い病院や名
医がいると聞き、それを信じた。
●医師選択の経緯
産婦人科医の選択に際しては、コロンボ到着後一ヶ月かけて夫の家族、友人知人にリサー
チした。その結果、最も多く名医と名前が挙がったのが、コロンボ大学産婦人科教授の Prof.
Hemantha Senanayakeだった。イギリスでクオリファイされた有名な先生だ。特に海外在住
経験のあるローカル、富裕層、白人に人気の印象を受けた。Hemantha先生が診察を行う病
院は三箇所。Nine Welles、The Central、そして私が通ったJoseph Fraserである。先に挙げた
口コミにより病院とは思えない緑の多いリラックスした環境 と聞いた為、この病院で初診
の予約を取った。そして初回の受診時にその通りだと感じた。日本人が想像する病院のイ
メージとは異なり、中庭が大きくその周りを病棟や診察室が取り囲む低層ホテルのような
つくりであった。新しくはないが清潔だった。初回の受診から分娩直前までこの病院に通
うこととしたが、夕暮れの柔らかな光差す回廊を夫と毎回ドキドキしながら通ったことが、
今でも良い思い出だ。
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●検診について
診察料については毎回1000ルピーを受付にて事前支払い。待ち時間については、平均30
分から1時間。アポイント時間より30分早く到着することをお勧めする。電話での診察予約
時に伝えられる整理番号順に診察となるが、早く到着し先の予約者がまだ到着していない
場合、先に受診してもらえるからだ。この方法を発見してからは、30分以上待った記憶は
殆どない。また病院内にスーパーはないがすぐ隣にスーパーがあり、事前に立ち寄って飲
みもの等を購入、持参すると良い。
診察は毎回体重・血圧測定、エコーを実施。毎回赤ちゃんの様子を画面で見、元気な心
音を聞くのが楽しみだった。血液検査等綿密なウルトラサウンドも中期検診として 1回実施。
診察頻度は、私の場合は29週目に入り週に1度の受診と頻繁になった。逆子であったこと、
また赤ちゃんの発育が思わしくなかった為要観察となった。
●医師について
Hemantha 先生は基本的に受診者の意志を尊重する方で、どの様な要望にもなるべく答え
ようとして下さった。スリランカには必要がないのに帝王切開を勧める医師もいると聞い
たが、先生は常に母親の状態や希望優先の自然分娩推奨派。例えば私も自然分娩を強く希
望していたが、逆子が直らない場合は自然分娩が不可能との判断。しかし、臨月になり待
てる限り待って、ぎりぎりまで様子を見るように取り 計らって下さった。週単位で判断し、
あとまだ 1 週間は待てる、また来週診察してみよう、と希望を捨てなかった。35 週目に入
りやはり逆子のままであった為、結果帝王切開決定となったが、決断に至る過程が理解で
きた為受け入れることができた。小さいが健康な赤ちゃん、との先生の言葉を励みにした。
また、Hemantha 先生は率直でオープンな方だ。細かいことでも質問すると明確に答えてく
れる。日本ならこうだが現地ではどうするのが常識なのか、先生の方針は何か、私はこう
したいが可能か、等よく質問リストを事前に作り、診察 当日質問攻めにしたものだ。
●母親父親学級について
日本のような母親、父親学級やマタニティヨガをされたい方がいるかと思う。 Hemantha
先生の紹介で素晴らしいprenatal講座の先生に出会えたので是非皆様に紹介したい。コロン
ボ市内Pulse beat gym、pre& post natal centre主宰のMrs. Mohanie Ahangamaだ。主に土曜の午
前中に授業があり、全5回のコースだ。分娩の具体的なプロセス、心構えや呼吸法、ヨガエ
クササイズ、栄養学、赤ちゃんのお世話の仕方や心の触れ合 い、母乳育児について等、情
報量が多く分かりやすい。イギリスで長年助産師を経験し、スリランカでも Nine Wellesや
The Centralでナースの指導や講演を行うAhangamaさんが愛情一杯に教えてくれる。定期的
に主要ドクター達と会い常に最新の情報をアップデートされている。とにかくこの方の人
柄や熱意が素晴らしいのだ。例えば赤ちゃんの発育につき相談した際、食事の摂り方を改
善した方が良いとのことでAhangamaさんが時間外でプライベートに時間を取ってくださ
った。過去一週間の献立をレビューし改善点につき細かく栄養指導頂いた。また出産近く
になると復習授業や出産後のマッサージ等も、五回の授業に加えて無料でついてくる。
Ahangamaさんの娘のSurenaさんが同じジムでマタニティヨガを教えており私はそちらに
も通い、Ahangama親子共々随分お世話になった。家族と離れて暮らす中、母親のような励
ましに涙したことも。とかく不安になりがちなプレママだが、受講後は妊娠出産にまつわ
る経験がハッピーでポジティブなことと捉えられるようになる。私は夫と参加したが他の
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受講者も殆ど夫同伴で、知り合いもできた。出産前日に夫と病室で復習したし、産後の今
もこの講座の内容を育児に活かしている。英語での受講が問題ない方は是非お勧めしたい。
<出産経過>
●出産病院について
日本と異なるシステムの一つに、お医者様がよく複数の病院を掛け持ちで勤務することが
挙げられる。その場合、受診病院にかかわらず患者が自由に好きな病院でお産をすること
ができるのだ。私はProf. Hemanthaが勤務するNine Welles、The Central、検診病院のJoseph
Fraserの3病院の分娩室と病室を見学した。Ahangamaさんのアドバイスで病院が最も静かで
忙しくない日曜に見学した。清潔さ、設備、病室のつくり、ナース、雰囲気等ポイントを
絞って見たところ、日本の病院と変わらず安心感が最もあったためThe Centralに決めた。
帝王切開が決まっていたため、他の2病院と違い総合病院が安心だし、病室のつくりも綺麗
で快適に見えた。また付き添い者用のルームサービスがあり驚いた。Nine Wellesについて
は、案内してくれたナース長のシスターがしっかりとした対応で安心できた。しかし分娩
室を始め病院自体がやや古く感じられたのと、病室によっては2011年12月時点新病棟建設
の騒音が気になりマイナスポイントとなった。Joseph Fraserは環境が素晴らしく自然分娩
であればリラックスしたお産ができるだろうと想像した。病室の値段はThe Centralとさほ
ど変わらない。
●入院時のトラブル
帝王切開予定日2日前、入院予定日一日前に、夫と病院を訪れ病室を予約しようとした。
エアコンルームが当日なかったら困るからだ。しかし前金を払うと言っても事前予約不可
のルールがあるそうで、マネージャーの方に丁重にお断りされた。エアコン付きの部屋は
必ず空いているから心配するなとのこと。予約制でないのに何故当日空いていると言える
のか腑に落ちないが、ドタキャンが頻発しそうなこの国ではこのマネジメントしか出来な
いのだろう。しかし出産日が明確な帝王切開のケースもあり、もう少し柔軟なルールとし
ても良いのではと感じた。今後出産される方も、例え見学しても部屋の確約がない旨を覚
悟しておいた方が良い。
さて、入院当日午前中に病院に到着。Administrationの方に聞くと何とエアコン付きの部
屋が一杯と言う。つい一日前に聞いた話と全く異なるため、マネージャーを呼び対応をお
願いした。結局エアコン付きの部屋はスイートルームのみ空いており、そこに入室するこ
とになった。最初にこのようなトラブルに遭ったもののAdministration担当の方はお詫びと
ともに、入院最終日も見舞いに来る等リカバリーは印象が良かった。また、スイートルー
ムはホテルのようなつくりで感激した。ゲストがいても気にならない程広く、付き添いの
夫用のシングルベッド(患者ベッドより大きい、また通常ルームは付き添いベッド無し)
ダイニング、リビングがベッド部屋と別にあり快適だったため終わり良ければすべて良し
で、トラブルのことは忘れた。ちなみにスイートのルームチャージは一泊15,000ルピー。
●出産
大変スムーズで感動的な体験だった。手術時間があっという間で驚いた。事前に Hemantha
先生と相談した通り、夫の立会い出産、赤ちゃんの産まれる瞬間が見たいから半身麻酔と
全て希望がかなった。初めての出産、手術で緊張し身体が震えていたが、先生の余裕な態
28
度に和んだ。Hemantha先生はなんと鼻歌を歌いながら手術していたのだ! 15分程で元気な
赤ちゃんの産声が聞こえ、先生は赤ちゃんを私の胸にすぐ乗せてくれた。カンガルーケア
と呼ばれるものだ。スリランカではまだ一般的でなくこのような母親の気持ち優先のケア
や取り組みに反対派が多い中、Hemantha先生はスリランカで推進リーダーとして活躍され
ている。赤ちゃんを取り上げた瞬間とカンガルーケアの最中に夫と赤ちゃんと写真を撮る
こともできた。性別をサプライズのため今まで聞いていなかったのだが、余りに感動して
性別を聞くことを忘れた。2050gと小さいが、元気な女の子だった。このような心に残るお
産としてくださったHemantha先生に有難く思う。皆様に自信を持ってお勧めするお医者様
だ。
●回復期、コミュニュケーションの問題
他の方の体験記にもあったが、コミュニケーションの問題をやはり感じた。例えば、出産
から2日間は全く眠れなかった。夜中でもナース達が入れ替わり立ち替わり訪れ赤ちゃんを
起こして2時間置きに授乳するよう強く指導された。後になり小児科医に必ずしも機械のよ
うに2時間置きでなくともよく赤ちゃん次第で3時間でもよい、ナースにはそう指導したと
言われ、ドクターとナースとの連携が上手く行っていないように見えた。しかしナースと
て悪気はなく、後になり考えればスリランカの文化習慣(赤ちゃんを常にお腹一杯にして
おく。日本なら基本的に赤ちゃんが飲みたい時にあげる)に基づき良かれと思って行った
ことだ。ナースも文化の違いについて話せば理解した。授乳をサポートするナースでも凄
く痛い方と大変腕が良く全く痛くない方がいたため、担当ではないが腕の良い方に夜中の
授乳を手伝ってもらうようお願いしたらシフトにかかわらず来てくれた。英語のままなら
ないナースもいるが、その場合は英語の話せるナースを呼ぶ。今後ここで掛かる方も、も
し疑問に思うことやお願いがあったら、だめだと決めつける前に取り敢えず話してみた方
が良い。
次に、異なるナースがメモやカルテを持たず入れ替わり立ち替わり訪れ、同じ質問を繰り
返しということもあった。また日本と違い患者名プレートがなく、ナース等が来る度に患
者名を確認しない。これはこの病院の改善点と思う。
入院期間については日本と違い短い。感染症や、家でメイドさん等の助けがある等の理由
だ。私の場合は帝王切開で通常3日で退院のところ、痛みや自宅に階段があることから1日
延長した。今後掛かる方も延長は希望できるので自分の体調次第でドクターに相談し延長
をお勧めする。授乳が落ち着き、便秘等(私は二週間の便秘となり結局メディコールを呼
んだ)マイナートラブルが起きないようなるべく様子見で病院に滞在した方が安心と思う。
退院してからまた病院に行くことは困難だ。私と夫は寝不足と戦いつつレストラン並のル
ームサービスを4日間満喫して帰った。
また病院から事前にもらう持ち物リストには不要なものがあったため注意したい。ベビー
コロン(日本の赤ちゃんはコロンをつけない)は明らかに不要。ちなみに産褥パッドは山
ほどくれる。
<その他>
●アドバイス
私自身も夫に促されるまでそうだったが、日本人的受身の態度は損をすると感じた。日本
29
なら黙っていても必要な情報や手順が、受身でいても入ってくる。それが普通だと基準を
自分の中で持ってしまうと、後でギャップに苦しむ。スリランカ以外にも海外在住した為
言えるが、海外の場合は違う。自分である程度の前勉強をし、聞きにくいことでも積極的
に質問する前のめりな態度で丁度良いように思う。文化習慣の違いであることも多くある
し、帝王切開の立会い出産や好きな食事を摂れる等良い所もある。これからどの様な先生
や病院で受診される方も、一度日本の常識は忘れ、是非積極的に勉強や質問をされること
をお勧めする。
日本での出産とのオプションも考えたが、夫と離れる期間が長くなる為ス リランカでの出
産に決め正解だった。産前産後の貴重な瞬間を共有できたからだ。私は勉強する上では Mrs.
Ahangamaというスペシャリスト、信頼できる医師のProf. Hemanthaの二本柱により、大変
満足した妊娠出産体験となった。
今4ヶ月で、体重6.4kgになり元気に泣き叫ぶ モンスター 娘の横で、皆様の安産をお祈りし
ます。
6)体験談:日本での出産(妊婦健診のみ)
体験談
①
病院名:
Ninewells Care Mother & Baby Hospital
(HP があるので詳細は HP をご参照ください)
ドクター:
産婦人科
受診者年代:
受診年:
Dr.Nandadeva Seneviratne
36 歳
2010 月 12 月~2011 年 5 月
分娩歴と出産形態:
(妊娠 31 週まで)
第二子の妊娠。妊娠 32 週に日本に帰国。日本で出産予定。
コメント:
半年ほど前に Ninewells で出産した日本人の方に紹介してもらった。電話で、希望の先生
の名前を伝えれば、予約が可能。待ち時間が少なく親切な先生、総合病院ではなく産婦人
科単科の病院である、ということで、こちらに決めた。実際、待ち時間は少なく、英語の
つたない私にも分かりやすい英語で説明してくれる先生だった。病院の雰囲気は、古い国
立大学病院のような感じ。トイレが、いつも濡れていて、使いづらいのが難点。病院の外
に、ベビー用品のお店があり、ベビーの下着、虫よけスプレー、シャンプーなどが比較的
安価で購入できる。
<妊婦健診>
第二子だった為、妊娠検査薬で妊娠が分かってからしばらくは病院に行かず、心拍確認が
できる週数までは待つ予定でいたが、妊娠 8 週目に出血があり、慌てて翌日に受診。心拍
の確認ができる。子宮内に出血が見られるということで、錠剤のホルモン剤( Duphaston)
と葉酸(FOLIC ACID)を処方され、2 週間後に来るように言われる。錠剤のホルモン剤
はインターネットで調べたところ、ホルモン剤が出血予防になるとは限らないなどの情報
30
があり、結局服用せず。
その数週間後に再度出血、翌朝健診を受ける。エコーで赤ちゃんの無事を確認、子宮内に
残っている血液が出血したので安静にしていれば問題ないと言われる。ホルモン剤の注射
を腰に打たれる(病院内の薬局で薬を購入し、予防接種ルームで ナースに打ってもらった)。
当初、国内旅行を予定していたがドクターに止められ、中止した。
※妊娠初期の出血、切迫流産などに関してインターネットなどで情報を調べたが、ドクタ
ーの判断は、日本の医師と変わらず、随時的確なものであったと思われる。
12 週に入った時点で、医師からもう安心だと伝えられる。この時の健診は、触診のみ。
ここに赤ちゃんがいるか分かるか、と聞かれたが良く分からなかった。以降毎回4週間後
に受診するよう言われ、1カ月に1回のペースで受診。性別を知りたかったこともあり、
毎 回 エ コ ー 検 査 を こ ち ら か ら お 願 い し て や っ て も ら っ た 。 緑 色 の 紙 ( ANTENATAL
RECORD)を母子手帳代わりにもらい、毎回のエコーの結果などが記載された。毎回、鉄
剤と葉酸が入った錠剤(FEFOL)を処方されるが、血液検査で貧血ではなかったため、自
分の判断で服用しなかった。
6~7か月頃、陰部に痒みがあり受診。おりものの検査をし、おそらくカンジダ菌感染
だろう、と真菌剤(Pevaryl)の塗り薬を処方される。検査結果は4~5日後に出るが、
それまでに薬が効かなければ止めるように言われる。検査結果は、カンジダと、GBS(Group
B Streptococcus:B 群溶血性連鎖球菌)感染。カンジダに同じ真菌剤の膣錠を、GBS 感
染に、抗生剤(ERYTHROCIN)を1日3回5日間分処方される。
※インターネットなどで情報を調べたが、ドクターの判断は、日本の医師と変わらず、随
時的確なものであったと思われる。
その後順調。8 か月半ば(31 週目)に帰国。帰国前に受診、飛行機での移動に必要なレ
ターを書いてもらう。健診の際、その場でさらさらと書いてくれる(無料)。日本の産婦人
科への紹介状もお願いすると、カルテと緑色の紙(ANTENATAL RECORD)、検査結果、
が紹介状代わりだから全て見せればよい、と言われた。出産後赤ちゃんの顔を見たいので
是非連れて来てほしい、と笑顔で言われ、いいドクターだと改めて感じた。
<日本で出産する場合の注意事項>
・ 日本で出産する場合、妊娠の診断を病院からもらったら直ぐに、日本の出産予定の産
婦人科に分娩予約の電話を入れる必要がある。その際に、妊婦健診でしておくべきこ
と、いつ頃までに日本に戻ればよいか、などを確認すると良い。
・ 私はスリランカ航空にて 31 週に帰国したが、10 日以内のドクターの Letter が必要と
の規定があり、お願いして書いてもらった。この letter は Check In の際に、カウンタ
ーで求められ、提示した。
(航空券を取る際に旅行代理店もしくは航空会社に規程の確
認が必要)。
・ 日本で出産予定にしていた産婦人科では、里帰り出産は 34 週までに受診のこと、とい
う規定であったが、分娩予約は受診しないと出来ないと言われて、不安なまま帰国し
た。帰国翌日に初めて受診。Ninewells からもらったカルテ・検査結果など全てを持っ
て行ったが、カルテや検査結果 が全て英語で、看護士さんから通訳を求められ、困っ
た。事前にある程度自分のカルテや検査結果は、日本語で説明できるように理解をし
31
ておく必要があると痛感した。(特に血液検査・尿検査の項目 など)。カルテは基本的
に達筆の筆記体で書かれていて理解不可能な文字であったため、主治医の先生は、エ
コーの写真と、領収書の明細を見ながら、いつ頃に何の検査をしてどんな薬を処方さ
れたか、などの状況を把握したと、話していた。なので、領収書・処方箋など(印字
なので読みやすい)もきちんとカルテと共に綴じて持参したほうが良いと思う。私は、
当初出血があったため、毎回エコーを取ってもらっており、また安定期に入ってから
も、性別などを知りたかったこともあり、ドクターに頼んで、エコーを取ってもらっ
ていたが、希望しないとエコーなし で、検診が終わることがあった。日本の産婦人科
医からは、基本的に毎月エコー写真が残っていることは、ほめられた。日本で出産す
る予定の方は、毎回なるべくエコー写真を希望して撮ってもらうほうが良いと思う。
・ 帰国の当日に、区役所に行き、私と第一子の住民票を実家に移し(私が世帯主、夫は
海外で勤務中とした)、そのまま母子保健課にて、母子手帳の発行などの手続きを行っ
た。結果、当日に母子手帳・妊婦健診費用補助券をもらえた。翌日の産婦人科では、
結局血液検査、尿検査を全てやりなおしたため、2万円近くの金額がかかったが、補
助券を使えたお陰で安価ですんだ。日本で出産予定の方には、初診の前に、区役所の
手続きを終わらせておくことをお勧めする。
・ 出産後日本→スリランカへの帰国に際しては、新生児の予防接種スケジュールがスリ
ランカと日本ではかなり異なるため、何をどこまで日本で受けて何をスリランカで受
けるか、事前の親の方針・判断が必要。私の場合、新生児の予防接種をお願いする予
定のスリランカのドクター(Dr. Mrs.Uduwella
at Medichecks)に相談の上、生後
3カ月弱で帰国、全ての予防接種をスリランカで受ける方向で予定している 。
⇒(出産後の体験談:)日本では、3カ月検診および BCG は4カ月直前に実施され
ることになっていたが、保健所にスリランカに帰国予定であるという事情を相談した
ところ、3週間ほど早めて3カ月ちょうどのころに受けられた。 スリランカへの帰国
後、コロンボの上記クリニックにて、DTP・B 型肝炎・ポリオ・Hib の混合ワクチン
を、1か月ごとに3回接種した。
・ 私自身の体験談ではないが、新生児のパスポートの申請手続きに時間がかかる(新生
児の写真を撮って申請、受け取りの際には、本人ではないとだめ等)との話を知人か
ら聞いたので、スリランカに帰国の際の航空券・パスポート・ビザの発給に必要な手
続きも事前に調べておく必要がある。
<日本での出産>
予定日より 3 週間早い、正産期 1 日目(1 日前だと早産でした)の朝に前期破水、支度
をしてから産院に電話、入院グッズ一式を持っていくと、即入院。抗生剤の点滴を打って、
陣痛が来るのを待つ。8 時間後に本格陣痛が始まり、約 3 時間で出産。立会出産予定であ
ったが、夫は出産翌日の夕方にスリランカから帰国。
出産後、産科の医師に「私の足に、静脈瘤ができていたため、破裂を恐れて弱めにいき
むように指示した」、「本来会陰切開の必要はなかったが、一人目出産時の会陰切開の後が
裂ける可能性があるため、今回もその箇所だけ切開しておいた」などの話を聞き、これが
スリランカだったらここまできめ細かい処置は受けられていないだろうと思い、日本で出
32
産してよかったと感じた。産後の入院生活は、食事がおいしく、自分のペースでのんびり
休めて穏やかな幸せな日々でした。
体験談
②
病院名:
Ninewells Care Mother & Baby Hospital
ドクター:
受診者年代:
受診年:
Dr.Nandadeva Seneviratne
産婦人科
30 歳代
2010 年
分娩歴と出産形態:
コメント:
11 月~2011 年
5月
第ニ子を日本で出産予定
Ninewells を妊娠しているかの判定から受診。日本で出産する事を前提に病
室などは一切見学せず、ドクターの評判の良さと待ち時間の少なさで病院を決めました。
<妊婦健診>
一人目を妊娠中にアポロ病院に行っていましたが、とにかく待ち時間が長く、診察室の
ドアが開いて患者さんが出てくると、予約番号関係なく我先に入ろうとするスリランカ人
をチェックしながら自分の番を待たなければならないのがストレスでした。更にエコーを
とる場合は別に予約が必要だったため、今回は待ち時間も少ないナインウェルズにしまし
た。ドクターはいつも穏やかで日本人にも慣れている様子でした。エコーを希望すればい
つでも見せてくれましたが、毎回の健診では「グッド!」と「ノーマル」くらいしか言わ
れず「本当に大丈夫なのかな。。」と思う時もありました。血液検査と尿検査が妊娠 4 カ月
くらいで一度ありました。
(血液検査は血液型、B 型肝炎、貧血の検査)それ以外の検査は
特に私も希望しなかったためありませんでした。健診の間隔は妊娠が分かってから妊娠 8
カ月まで月 1 回でした。
<日本で出産する場合の注意事項>
日曜日も診察をしてくれるので主人同伴で診察を受けられたのが良かったです。予約番
号さえあれば休日もさほど待たなくて済みます。平日に予約なしで 2 回健診に行きました
が、午前中でも先生が帰ってしまっていたり、他の病院へ診察に行ってしまっていたりで
すれ違いになってしまいました。電話で簡単に予約ができるので予約してから行った方が
確実に診察してもらえます。日本へ帰る前に航空会社宛てにレターを書いてもらいました
が無料でした。一人目の子の健診の時に診てもらっていた産婦人科のドクターは、血液検
査も尿検査も一度もやらなかったので、日本のように子宮がんなどの健診を希望する方は
自分からお願いしたほうがいいと思います。
<日本での出産>
日本での出産日本に帰ってからの妊婦検診で、一人目の出産状況の詳細を確認された時
(今回は二人目)、初産で 3700gの赤ちゃんを 5 時間で出産していたことがわかると助産
師さんに「滑落(カツラク)出産の危険があるので本格的な陣痛が来る前に産院へ連絡し
てください」と言われました。 初産で平均的にかかる陣痛の時間よりもかなり早い時間で
33
3700gの子供を産んでいるため、二人目はもっと陣痛の時間が短くなるでしょうという事
で、本格的な陣痛を待つと病院に到着する前に胎児が出てきてしまうかもしれないという
ことでした。 実際に出産の朝はじわじわと懐かしい生理痛、少量の出血だけで病院を受診。
すでに子宮口 6 センチで入院。本人は痛みが軽い生理痛しかないので 9 センチ子宮口が開
いていても主人と談笑。突然ものすごい陣痛が急に来て 30 分で出産。あっという間のお
産でした。 これがスリランカで本格的な陣痛が来るまで待っていたら病院まで間に合わな
かったと思うとゾッとします。二人目だからとどこか余裕というか油断していましたが、
出産はやはり何が起こるかわからないと思いました。 赤ちゃんは元気に産まれて来てくれ
ましたが、一度泣きすぎて陥没呼吸とチアノーゼで顔が黒くなってしまい、しばらく呼吸
しているか確認するための板状の機械をベビーベットに取り付けました。その後は異常も
なく無事退院できましたが、緊急事態に英語で説明することや、文化の違い、医療レベル
の違いなどがあったら、私は間違いなくパニックになっていたと思います。スリランカで
出産するか日本で出産するか本当に悩みましたが、私は日本で産んで本当によかったと思
っています。
体験談
③
病院名:
Ninewells Care Mother & Baby Hospital
ドクター:
産婦人科
受診者年代:
受診年:
Dr.Nandadeva Seneviratne
31 歳
2011 年 3 月~5 月(3 月~4 月は Lanka Hospital を受診。その後 Ninewells
に病院を変更)
分娩歴と出産形態:
第二子の妊娠。日本で出産予定。
コメント:
<妊婦健診>
当病院の選択理由は以下の通り。
① 受診までの待ち時間、及び支払い制度の透明性:
当初受診した Lanka Hospital(Dr.Udwella)では、受診までの待ち時間が非常に長
い上、エコー・各種検査等が全て別予約・別医師により執り行われるシステムであった
ため、主治医とのコンサルテーションとは別に何度も予約をし、その度に待ち時間( 45
分~1 時間半)を待つ必要があった(不当に順番を抜かされ、何度文句を言ってもとり
あわれずに待たされたケースもあった。結局受付に言わず診察室から出てきた看護婦に
直接談判したところ、すぐに通された)。エコー・検査結果等は当日その場もしくは数
時間後に受け取れるものもあったが、その検査結果を持って改めて主治医のもとに行き
待ち時間を待って検査結果を聞く必要があり、自宅から病院まで遠く且つ第一子を自宅
においてメイドに見てもらっていた受診者にとっては、何度も病院に通い、都度長時間
拘束されることが非常にストレスフルであった。
また、エコー・検査結果にかかる主治医とのコンサルテーションについては無償且つ
待ち時間なしで主治医のコンサルテーションが受けられると友人から聞いていたもの
34
の、数人の看護士にかけあったが、別途支払い・順番待ちをする必要があるとされ、従
わざるを得なかった。(最終的に主治医に確認したとこ ろ、今後は支払いの必要なし、
且つ子供を家に待たせているということで Emergency 扱いとし、検査等の待ち時間を
なくして診てもらえるよう、都度主治医から連絡を入れるとのことになった。が、時す
でに遅し、病院を変更した。)
対して Ninewells では、主治医がエコーも含め全てを一気に行ってくれることにより
大幅に受診回数&待ち時間が短縮し、また、支払いシステムも非常にクリアーになった。
また、平日であればほぼ待ち時間もなく、Lanka Hospital のようなストレスは一切感じ
ずにすんでいる。その他、主治医がエコーを見ながら様子を説明してくれる等、日本の
産婦人科に似た診察がなされ、満足している。
② 主治医の英語のクリアー度:
受 診 者自 身 の 英 語 能 力 ( 中 級程 度 ) に よ ると こ ろ もあ る も の の 、 Lanka Hospital
の Dr.&看護婦に比べ、Ninewells の Dr.&看護婦の英語の方がクリアー且つ簡単で聴
き取りやすかった。産婦人科で使われる単語は通常の生活とは全く別物であるため、
聴き取りが容易であること、また、難しい単語をあまり使わず丁寧に説明してくれる
ことが妊婦にとっては思いのほか重要となるため、非常にありがたかった。
③ 対応の迅速性:
Lanka Hospital は総合病院であり非常に大きいため、介在する人間が多く、物事の
伝達・対応に時間がかかること、やや俗人的判断が見られるキライがあったが、
Ninewells は中規模のため、迅速かつ統一的・正確な対応が見られた。
④ 産婦人科・小児科専門病院であること:
Lanka Hospital が総合病院であるのに対し、Ninewells は専門病院であるため、免
疫力が弱く病気にかかりやすい妊婦にとっても、第一子を病院に同行せざるを得ない
ケースを考えても、他の病気をもらってくる可能性は比較的少なく済むのではないか
と思った(但し小児科があるので、できるだけ子供は同行しないほうが良いと思う)。
<日本で出産する場合の注意事項>
① スリランカから日本に帰国して出産する場合、利用する航空会社によってチェックイ
ン/予約時に必要となる書類等があり、週数によっては医師の診断書が必要になるた
め、事前にチェックする必要がある。特にシンガポール航空は厳しい。
② 予防接種は日本とスリランカでは全くスケジュールが異なるため、円滑な接種のため
には事前に全体像を把握の上、日本⇔スリランカの行き来のタイミングを決定する必
要がある。
体験談
④
病院名:
Durdans Hospital
ドクター:
受診者年代:
産婦人科
Dr. Milhan Batcha
30 代
35
受診年:
2012 年 1 月~
分娩歴と出産形態:
初産。日本で出産予定。
コメント:
日本人からの紹介。先生は曜日によって診察する病院が異なるため、最初は先生に直接
連絡し、いつ何時にどこで受診可能かうかがい、自分の希望と一致する病院に事前予約し
た。私の場合は英語力に自信がなかったので、主人と共に受診できる土曜日 13:30 に毎回
上記病院を受診。電話での総合予約センターでも予約可能らしいが、私は毎回直接病院の
予約カウンターにて予約を入れた。受診予定日の2週間前から予約可能。上記病院での受
診の場合、2週間前に予約をすれば毎回ほとんど予約が入っておらず、いつも1番目の受
診で、遅れても2組ほどしか患者がいないので、待ち時間もほとんどなく、待合室も静か
で良い。エコーは先生の診療時に処方箋を出してもらい、それを持って別階の支払いカウ
ンターで支払いを済ませたあと、診療室から数メートル離れただけのエコー室にて同じ先
生がエコー。毎回主人が支払いに行き、主人が戻ってくるまで先生は待っ ていてくれ、主
人にもモニターを見せて説明しながらゆっくりエコーを見てくれる。予約時や支払い時な
ど、ほとんど待つことはないが、薬だけは時間がかかる。予約札などもないので、処方箋
を提出するのに長蛇の列、支払いのあと薬を受け取るのに長蛇の列、と、つわりのあると
きは 1 人で薬を受け取るのは難しいと思った。
<妊婦健診>
一時帰国中の妊娠発覚だったので、初診は4週 7 日目に日本の産婦人科を受診。里帰り
出産の相談をし、いつまでに連絡すればよいかを聞き、10週目あたりに正確な出産予定
日がわかるはずなので、それくらいに連絡をと言われた。9週目上記病院受診時、エコー
後先生に出産予定日をうかがったが、結局最終月経開始日から算出されたので、日本の産
婦人科受診時の予定日と変わらず。そのままの予定日での里帰り出産予約となった。
日本での初診時はまだ心拍確認ができなかったため、上記病院へは7週目の土曜日に受
診、エコーにて心拍確認できた。葉酸を処方されたが、一粒 500mgと日本での推奨量を
かなり上回っていたため、半分に割って飲んだ。
その 2 週間後に再受診、3週間後の妊娠12週目でまた受診し、その後は4週ごとの受
診となる。エコーは12週目のときはこちらからお願いした。先生いわく、
「そんな毎回撮
ってもかわらないよ。」とのことだったが、日本で必要になる旨を伝えると、快く撮ってく
れた。
血液検査、尿検査は12週目で実施。血糖値は10時間以上の絶食が必要と言われ、翌
朝(日曜日)に血液、尿検査実施。検査結果が出る前に鉄剤とカルシウム剤を処方されて
いたが、翌日の検査結果判明で、貧血傾向だったので、1 週間鉄剤とカルシウム剤を服用。
どちらもとにかく容量が多いので、様子をみながらときどき服用している。
次回16週目の受診時には、破傷風の予防接種をするとのこと。
個人のカルテがないので、毎回前回もらった先生の診断書を持参し、先生に提出。紳士
的で人柄的にも信用できるが、先生に指示される薬の飲み方と、薬剤師からの処方時の説
明が時々異なるので、インターネットで検索して、自分の体調に合わせて飲んでいる。
36
体験談 ⑤
病院名: ヘーマス 病院
ドクター: 産婦人科 Dr. Chandrika Yapa
受診者年代:
受診年: 2015 年
分娩歴と出産形態:
コメント:女医の先生を希望し、Yapa先生を勧められた。妊娠32週まで受診する。話を
ゆっくり聞いてくれるので非常に安心。エコー検査の技術も良いと感じた。日本では尿
検査は妊婦健診で毎回実施するが、ここでは違うため、毎回リクエストした。日本のか
かりつけ医とも相談しながら、日本で妊娠中に行う検査は、不規則抗体とHTLVを除
きリクエストして実施してもらった。(トキソプラズマ抗体も、風疹抗体も検査可能)
難しいのは、Yapa先生が不在の際に、受診が必要な状況になったとき、かかりつけの
産婦人科医に受診するため、ほかの産婦人科医に受診するのが非常に困難。日本のよう
な診療記録がないため(毎回ノートパッドのようなものに記録)できれば、妊娠が分
かったら早めに日本の母子手帳の交付を受けて(英語版であればその後の子供の海外で
の受診の際に便利)妊婦検診の記録とサインをもらった方が良いと思う。
37
7)スリランカでの出産について
文責:助産師
黒須
久美子(2008 年 10 月~12 年 1 月コロンボ在住)
スリランカの私立病院は途上国の中でも比較的衛生的で設備も整っています。しかしな
がら、医療技術の面ではまだ日本ほど進歩していない分野も多くあります。1990年頃
WHO(世界保健機構)やUNICEF(国連児童基金)による母子保健へのアプローチ
により、妊娠中の管理がなされ、また病院分娩が進んだことにより、スリランカの妊産婦
死亡率はずいぶんと減少しました。しかし病院での出産が進んだことにより、母体の産む
力を無視した医師中心の出産がされる傾向が見られます。スリランカで出産することによ
るメリット、デメリット、出産のリスクについて簡単にまとめましたので、ご参考にして
いただき、ご家族でどのような出産が理想的か話し合っていただけたらと思います 。また、
スリランカを含む途上国での出産を奨励していない団体、企業などもありますので、必ず
確認していただくことが必要です。
1. スリランカにおける出産のメリット
・
出産時にご主人の立ち会いが可能である。
・
産前、産後を家族と過ごすことができる。
・
出産直後、育児など、お手伝いさん(メイド)の助けを得ることができる。
・
気候的に育児がしやすい。
・
出産費用、入院費用が日本より安い。(ただし、最近の傾向として検査を多く行う
医者も増えてきており、検診などに母子手帳の無料券が使えない分、日本より安い
とは言えない傾向にある。また、共済組合、健康保険等の未加入者では出産手当一
時金が支給されないため日本より高額になる場合がある。)
2. スリランカにおける出産のデメリット
・
英語かシンハラ語ができないと言葉の違いから医師とコミュニケーションが取りづ
らい。
・
産前、産後、母親が孤立しやすい。その結果、マタニティーブルーなどにかかる心配
がある(実母、身内の不在、保健所などの訪問検診が無い、マタニティーサークル、
育児サークル、育児相談できる場所が少ないことから)。
・
産後の入院期間が短いため、母体への身体的、精神的負担がかかる。
・
医師中心の出産となる確率がかなり高い(誘発、促進分娩、帝王切開、会陰切開など)。
・
バースプランが受け入れてもらえない可能性がある。
・
必要のない薬や検査を勧められる、または使用されることがある。
・
産後のケア(授乳指導、乳房管理、産褥のケア)はほとんどされていないか、十分で
ない。
・
出産準備教室、育児教室などが無い(初めて出産、育児される場合は困惑することが
多いと予想される)。
・
母体、新生児ともに、緊急時に適切な対応、処置がなされない危険がある。
38
3. 出産に伴うリスク
① 風土病によるリスク
妊娠中は病気に対する抵抗力が低下しているため、妊婦は感染症にかかりやすく、重症
化しやすい状態です。つまりスリランカでの発症が多いデング熱や、消化管感染症(細菌
やウイルスによる腹痛や下痢、嘔吐)にもかかりやすい状態にあるということです。その
ため流産、死産、新生児死亡につながる危険が高まります。また、これらの治療薬が、妊
婦に禁忌とされているものもあります。
② 妊娠中の合併症によるリスク
妊娠中は母体に負荷がかかるため、潜在的にある病気が発症したリ、慢性疾患や治療中
の病気が悪化する傾向があります。特に妊娠中に糖尿病、高血圧、浮腫、腎機能障害など
の徴候があらわれると、これらが急激に悪化することがあります。そのような場合には食
事を含む日常生活への配慮や、頻回な血液検査など が必要となりますが、スリランカでは
適切な治療、検査、指導が受けられない場合があります。
また、子宮筋腫が合併している妊娠、双胎妊娠、胎盤の位置異常、過去の流産経験者、
過去の帝王切開経験者などは妊娠や出産の経過に非常に注意が必要です。 これらを指摘さ
れた場合には、妊娠経過中、出産時に出血などの生命にかかわる症状が突如起 ったり、出
産も帝王切開となる可能性が高いため、日本での出産を選択することをお勧めします。 さ
らに、妊娠前から心疾患、糖尿病、高血圧、腎疾患、婦人科系の病気を含む何らかの 病気
がある方は、特に慎重な配慮が必要です。
③ スリランカの医療水準によるリスク
出産は、常に母子共の生命に関わる事態が起こる可能性を秘めています。経産婦であっ
ても、必ずしも前と同じに安産であるとは限りません。
通常日本では、医師や助産師が起こりうる異常な事態を予知しつつ対応していますが、
スリランカではこれらに関して医療従事者が訓練されていない場合も多く、予測に必要な
診断やチェック機能が働かなかったりすることも考えられます。また、言語の違いや風習、
習慣の違いから、危険な状態が見過ごされてしまうことも考えられます。
④ 帝王切開によるリスク
日本の帝王切開率は10%以下と、世界の中でも指折りの低い割合です。しかし、スリ
ランカを含む諸外国では、出産に伴うリスク(分娩時間が長くなることにより胎児が仮死
状態や感染症になるリスクや、産後の子宮収縮が悪くなり大量に出血することなどのリス
ク)を回避するために簡単に帝王切開が選択される傾向にあります。さらに産婦 の身体や
意思は無視され医師や医療機関の都合が優先される場合があること、帝王切開の方が医療
機関や医師の儲けにつながること、「痛くないお産」「安全なお産」という誤った認識 があ
ることから、帝王切開率が非常に高くなっています。ちなみに、ナワロカ病院では 8 割近
くが帝王切開です。
帝王切開による出産は経膣分娩に比べ、5~10 倍、母体のリスク(具体的には下記に記
39
載)が上がると言われています。また一度目に帝王切開で出産すると、次の妊娠時にも子
宮破裂などの重大なリスクを避けるため、帝王切開が選択されることが一般的で す。帝王
切開の弊害としては、手術中の大量出血、手術手技による膀胱や腸の損傷、羊水が血管内
に混入して起こる肺塞栓症(妊産婦死亡原因第一位)、術後の感染症、術後の安静から悪露
が停滞して起こる子宮内の感染や敗血症、安静による下肢静脈の血栓症、二回目以降の妊
娠時の子宮破裂の危険性、麻酔によるリスク(血圧の低下、呼吸不全など)、通常の出産よ
り入院期間が長くなることなどがあげられます。そのため、母体や胎児の生命にかかわる
事態、また出産時に重大なリスクが考えられるとき以外は、安易に選択されるべきではな
い処置と言えます。
⑤ 誘発、促進分娩によるリスク
帝王切開同様、スリランカにおいては、医師や医療機関の都合が優先される傾向にあり、
そのため安易に誘発、促進分娩が選択されることがあります。陣痛が来る前に薬により陣
痛を起こさせ出産させることを誘発分娩、規則的な陣痛が始まってから、出産を促進する
ために薬剤を使用することを促進分娩といいます。 通常日本では、破水後何時間か経過し
ても有効な陣痛が見られず、感染のリスクが高まったときや、あと少しで出産となるのに、
母体の疲労が激しく陣痛が弱まってしまった時などに、 誘発分娩、促進分娩が選択されま
す。その場合には、産婦の子宮の状態により使用する薬の選択がされ、薬の効果を見なが
ら時間をかけて誘発・促進していきます。しかしスリランカでは適切な薬の選択がされな
かったり、薬によっては輸液ポンプ(薬の注入量をコントロールする機械)が必要であっ
ても機械が無かったりすることも考えられます。一般的に、これら薬剤により誘発された
陣痛は自然陣痛より急激に強くなる傾向にあり、分娩監視装置で適切な管理がされていな
いと過強陣痛による子宮破裂や胎児死亡などを起こすリスクがあります。また、急激な分
娩の進行により産後、子宮の収縮が適切に起こらず大量出血となったり、分娩台に上がる
のに間に合わず廊下などで出産してしまう墜落分娩となったりするリスクもあります。 誘
発分娩、促進分娩時に良く使用される薬には、喘息、緑内障がある場合には使用で きない
薬があります。また、必ず分娩監視装置を装着し厳重に管理された状態で 行われるべき処
置であり、点滴薬では輸液ポンプが使用されるべきです。
⑥ 輸血や血液製剤によるリスク
分娩時に最も多い事故は出血による死亡です。出産時に大量出血を起こした場合には、
早急に大量の輸血や血液製剤の投与が必要となりますが、スリランカにおいては早急に必
要量を確保できるかどうかわからない状態です。また、クロスマッチ(輸血がその患者の
体内に入っても大丈夫かどうか輸血とその患者の血液と体外でかけあわせる検査)に時間
がかかったり、行われずに輸血される危険もあります。一般的にスリランカの輸血は最低
限の感染症の検査はされていますが、どのような血液にしても輸血に 100%安全なことは
ありません。
⑦ メンタルヘルスに関するリスク
特に問題になるのは、産後、妊娠中のうつ病です。産後 1 年以内に抑うつ、不安、不眠、
40
無気力などのため育児ができず、自殺や心中を招くことがあります。いったんうつ病を発
症すると、2~3 年は療養が必要となります。
また、妊娠中は悪阻やその他の自律神経症状や情緒不安定になる傾向がありますが、日
本では里帰り分娩が多く、産後のうつ病が少ないのはそのおかげだとも言われています。
⑧ 新生児に関するリスク
最も多い新生児の異常は、未熟児や強度の新生児黄疸 、肺炎などの呼吸障害の発現など
ですが、その重症度により新生児や未熟児の専門医による迅速な医療処置が必要で、時に
は NICU(新生児集中治療室)へ搬送しての集中医療が必要な場合もあります。 しかしス
リランカでは、適切な対応ができない場合もあります。
また、新生児へのワクチン接種の回数、接種時期などが日本と異なっているため、確認
が必要です。
注:詳細は42ページ「予防接種について」をご参照ください。
41
*余談1* 無痛分娩について
アメリカなど無痛分娩が当たり前のように選択されている国々の影響で、近年、無痛分娩を選択
する女性が増えています。痛みに苦しむ出産は古いと考えている人が増えてきているようです。
確かに、痛みに弱い女性、痛みにパニックになってしまう女性には良い選択かもしれません。し
かし、無痛分娩にもリスクが伴うことを知っている女性は意外と少ないと思います。無痛分娩は
様々な種類がありますが、一般的に選択されているのは以下のようなものです。腰部の脊椎の間
に針を刺し、硬膜外にチューブを入れ(その後針は抜かれる)麻酔薬を注入して下半身の感覚を
麻痺させます。脊椎の間に針を刺すには、産婦は背中を丸めた姿勢を取らなくてはいけません。
しかし、出産直前のおなかの大きな産婦がおなかを縮め、背中を丸めることは非常に難しく、熟
練した医師が行わなければ、適切な位置にチューブが入らず、麻酔をしているはずなのに効果が
全く無いということにもなります。また、たとえ適切に麻酔がされても、陣痛が完全に感じなく
なるわけではないようです。脊椎に針を刺すこと、麻酔の影響で、まれに急激に血圧が下るこ
と、頭痛や吐き気を催すことがあります。そして無痛分娩は赤ちゃんにもリスクを与えます。麻
酔が効いてくると母体は陣痛の感覚が鈍くなり、有効にいきむことができなくなります。胎児は
陣痛といきみがうまく合わさった時に子宮の下へ下へと押し出されますが、いきむことがうまく
できないと、胎児が子宮から出てこられない状態となります。そうなると、医師は吸引分娩や鉗
子(かんし)分娩を行うことになります。吸引分娩は児の頭にゴム球(トイレのつまりを直す
かっぽんのような)をつけて陰圧にして赤ちゃんをひっぱり出します。鉗子分娩は、金属の器具
で赤ちゃんの頭を挟みこみ、引っぱり出します。これらの処置によ って、お母さんの会陰や時に
は子宮頸部に大きな傷ができてしまうこともあります。吸引や鉗子で引っ張られた赤ちゃんの柔
らかい頭(頭蓋骨の外側や皮下)に血腫(血の塊)ができたり、頭に傷ができること、重症な場
合には、頭の中に出血したりすることもあります。頭の中で出血した場合には時には緊急で手術
が必要となることもあります。頭蓋骨の外にできた血腫の場合は、自然に吸収されていきます
が、その場合、壊れた赤血球が赤ち ゃんのビリルビン値を上げ、黄疸を強く引き起こすことがあ
ります。私の少ない経験から言っても、頭に大きな血腫ができてしまった赤ちゃんは、ほとんど
出生後、光線療法が必要となるほどビリルビン値が上昇します。すべての無痛分娩を選択した女
性にこのようなことが起こるわけではありませんが、選択する場合には同時に起こりうるリスク
を把握しておく必要があると思います。
42
*余談2*
日本のお産の歴史から見るスリランカのお産
多分これらの冊子を読まれる方ご自身は病院で生まれた方々だと思いますが、日本でも
戦前はほとんどが自宅で出産されていました。1950 年代は 95%が自宅分娩でしたが、妊
産婦死亡率(約 150/出生十万対)も乳児死亡率(約 60/出生千対)も高い状態でした。戦
後、GHQ(連合国軍総司令部)による保健医療政策により、急速に施設分娩が進み、現在
では 95%以上が病院やクリニック、助産院などの施設で出産されています。その結果、妊
産婦死亡率も新生児、乳児死亡率も、世界に誇れるほど低くなりました。しかしその過程
には、様々な弊害もありました。帝王切開率は今のスリランカのように医師や施設の都合
により一時は 30%以上だったころもあります。しかし現在は、的確に母体や胎児の状態を
診断できる技術が進み、また帝王切開のリスクも医師や助産師の中で理解され、10%程度
になっています。現在やや上昇しているのは不妊治療による多胎妊娠の増加からだと 言わ
れています。また、会陰切開に対する考え方も、戦後はアメリカの指導のもと、ほぼすべ
ての産婦に行われていましたが、現在は切開をするより も、たとえ切れたとしても自然裂
傷の方がはるかに浅い傷ですむ場合が多いという結果から、必要な時以外、会陰切開はし
ないという病院も増えています。また現在日本では、UNICEF(国連児童基金)と WHO
(世界保健機構)、の母乳育児支援を実践している病院は「赤ちゃんにやさしい病院」とし
て認可されるようになりました。そのような病院では、生まれてすぐ母乳育児を開始し、
赤ちゃんに哺乳瓶のゴムの乳首を吸わせることなく赤ちゃんがほしがるときにいつでも授
乳できる環境を整えています。さらに、夫の立ち会いやカンガルーケアなど、母親のバー
スプランを取り入れる病院も増えていますし、分娩台の弊害(分娩台は戦後 に病院での出
産が進むようになってから取り入れられましたが、医師や助産師がお産を扱いやすいよう
に考えられているため、仰向けで、足を広げる姿勢は母体にとっては恥ずかしく、苦痛で
あり、会陰の裂傷も起こりやすいと言われています)を考え、フリースタイルの出産を取
り入れる病院や助産院も増えています。これら、日本のお産の歴史を簡単に考えてみると、
スリランカのお産はまさに戦後病院分娩が進んだころの日本の状態だと思ってもよいかも
しれません。私自身は、スリランカの助産師たちが女性の産む力を最大限に生かすこと、
産婦の安全と安楽を優先とすることの重要性を医師やコメディカルたちに訴え、医師中心
ではない産む女性が中心となった出産ができる国となってくれることを願っています。
参考資料
新生児死亡(生後4週未満の死亡)出生千対
日本 1 (2012)
乳児死亡率
5.4 (2015)
(生後 1 年未満の死亡)出生千対
日本
妊産婦死亡率
スリランカ
スリランカ 8
(2015年UNICEF)
2.1 (2014)
出生十万対
スリランカ 30
(World Bank 2015)
日本 3.4
(厚生労働省 2013)
43
8) 妊婦の搭乗に関する航空会社の規定
出産直前は旅客機への搭乗ができません。日本で出産する場合には分娩予定の 2 か月前(妊娠 32 週
ごろ)までに帰国しておく必要があります。また、早産の可能性がある場合には大量出血を引き起こす
リスクがありますので、急遽帰国するということはできません。従って、妊娠の安定期に入った頃(妊
娠 20 週ごろ)に余裕を持って帰国する計画を立てる必要があります。
【WHOの見解】
WHO: International Travel and Health 2009 Chapter.2 より抜粋翻訳
妊婦は通常安全に航空機を利用できるが、妊娠後期の妊婦に対しては多くの航空会社で制限を設けて
います。代表的な指針は以下のようです。
ー妊娠28週以降の妊婦は正常妊娠であることと、分娩予定日の医師あるいは助産婦による確認書
(confirmation)が求められます。
--単胎妊娠の場合は妊娠36週最終日まで搭乗は許可されます。
--多胎妊娠の場合は妊娠32週最終日まで搭乗は許可されます。
合併症を有する妊娠の場合は、それぞれ医学的な手続き(medical clearance )が必要です。
**********************************
下記は各飛行機会社の規定についてです
①スリランカ航空
単体妊娠の場合:4 時間以内のフライトは妊娠 36 週まで可。4 時間以上のフライトは妊娠 35 週まで
可。
多胎妊娠の場合:4 時間以内のフライトは妊娠 32 週まで可。4 時間以上のフライトは妊娠 28 週まで
可。
妊娠 36 週以降の妊婦は医師の同乗の否かにかかわらず、搭乗は不可。
搭乗を希望する妊婦は医師の診断書を持参する必要がある。日本までのフライトの場合は出発の 10
日以内、それ以外は出発の 3 日以内に出産予定日と搭乗可能であるかをスリランカ航空に確認する。
ただし、妊娠 3 か月(12 週 6 日)以内の妊婦は、医師の診断書は必要としない。
②エディハド航空 (ホームページより抜粋)
妊娠中の飛行機でのご旅行に関する重要事項。
妊娠週数 28 週目以内
単胎妊娠/多胎妊娠のお客様は、診断書なしで渡航することができます。
単胎妊娠
妊娠週数 29 週目から 36 週目: 診断書をご提出いただきます。
妊娠週数 37 週目以降: 渡航できません。
多胎妊娠
妊娠週数 29 週目から 32 週目: 診断書をご提出いただきます。
妊娠週数 33 週目以降: 渡航できません。
診断書のガイドライン
・
・
担当の医師または助産師が作成し、署名していること。
クリニックまたは病院のレターヘッド用紙に記載されているか、医師または助産師の印鑑が押
印されていること。
・
渡航日の 7 日前以降に発行されていること。
・
単胎妊娠/多胎妊娠が記載されていること。
・
妊娠週数や出産予定日(EDD)が記載されていること。
・
飛行に適した健康状態であることが記載されていること。(英語でFIT TO FLYと必ず記載くだ
さい)
・
英語またはアラビア語でわかりやすく記述されていること。その他の言語による診断書は、エ
ティハド航空のチェックインデスク係員による確認が必要です。
44
③エミレーツ航空 (ホームページより抜粋)
妊娠中にご旅行を計画しており、妊娠29週目に入られたお客様は、適切な資格を持つ医師または助産師の署
名が入った診断書か文書が必要になります。この中には、以下の項目が記載されている必要があります。
・単胎妊娠であるか多胎妊娠であるかの確認
・妊娠経過が順調であること
・出産予定日
・ご旅行にふさわしいと思われる最大の日
・現在健康であること
・現在把握している限りでは、飛行機に搭乗できない理由はないこと
診断書を所持しなければ、ご旅行を安全に終えられるかが疑われる場合に、ご旅行が受け付けられない可能性
があります。多胎妊娠の場合、妊娠32週を過ぎてからのご搭乗はお断りさせていただきます。単胎妊娠の場
合、エミレーツの医療部門によって許可が得られた場合に限り、妊娠36週を過ぎてからの搭乗が許可されま
す。許可を得るために
は、MEDIF(Medical in formation For fitness To TRAVEL)フォームが必要です。
④カタール航空 (ホームページより抜粋)
妊娠中のお客様のご搭乗に関するガイドラインは以下の通りです。
・妊娠28週目まで(28週は27週目+7日までを指します。).
診断書は必要ありませんが、母子手帳をお持ちいただくことをお薦めいたします。
尚、復路便のご搭乗日が28週目を超える場合は、英文の診断書が必要となります。
・妊娠29週目から32週目まで(29週目は28週+1日以降、32週目は31週+7日までを指します。)
英文の診断書が必要となります。診断書はこちら(英語)よりダウンロードいただけます。
多胎妊娠の方、異常妊娠(全治胎盤、頚管無力症、妊娠中毒症など)の症状がある方は、診断書と別途
Medical Information Form(MEDIF)が必要になります。出発の7日前から48時間前までにカタール航空ま
でご提出ください。
・妊娠33週目から35週目まで(33週目は32週+1日以降、35週目は34週+7日までを指します。).
英文の診断書とMedical Information Form(MEDIF)が必要となります。
医師にご記入いただいた上、ご出発の7日前から48時間前までにカタール航空までご提出ください。
多胎妊娠の方、異常妊娠(全治(全治胎盤、頚管無力症、妊娠中毒症など)の症状がある方は、ご搭乗い
ただけません。
・妊娠36週目以降(35週+1日以降を指します。).
妊娠36週目以降のお客様は、ご搭乗いただけません。
⑤シンガポール航空 (ホームページより抜粋)
妊娠中のお客様
ご予約される前に、婦人科医にお客様の旅程を知らせの上、診察を受けてください。
通常妊娠で単胎妊娠の場合、妊娠37週目以降の渡航はできません。(出産予定日から計算して)
通常妊娠で多胎妊娠の場合、妊娠33週目以降の渡航はできません。(出産予定日から計算して)
通常妊娠で単胎妊娠の妊婦で、妊娠29-36週目で旅行の場合、(1) 渡航の適応性、(2)妊娠期間、(3)出産予
定日の記述がある診断書の提出が必要です。妊娠28週目を超える妊婦の場合は、最初のフライト日に対して
10日以内の診断書が必要。こちらの診断書はチェックインカウンターで提示する。
通常妊娠で多胎妊娠の場合、妊娠29-32週目(出産予定日から計算して)の間で旅行される場合は診断書の
提示が必要。
妊娠28週目(出産予定日から計算して)に旅行される場合、診断書の提示は必要ないが、復路便の日にちが
28週目を超える場合は、診断書の提示が必要となる。
*診断書は英文でご用意ください。
45
⑥キャセイパシフィック (ホームページより抜粋)
一般的には、妊娠中でも安全に旅行をすることが可能です。ただし妊娠中の旅行を計画される際にはかかり
つけの婦人科医・産科医にご相談ください。また妊娠中は旅行期間中、出産予定日を記載した書類をお持ちに
なることを勧める。
28週
すべての妊娠28週目以降の妊婦(例:最終月経日から27週+6日)は、最初の出発日まで10日以内の日付の診
断書が必要 。なお診断書(英文)には下記の事項を記載すること。
・単胎妊娠、多胎妊娠のどちらか
・妊娠週数
・出産予定日(the estimated date of delivery = EDD)
・旅行者の健康状態が良好であり、妊娠経過が順調で合併症などがないこと
・旅行に適した健康状態であること
妊婦の安全のために、診断書をお持ちにならなかった場合や、診断書の期限が無効である場合、診断書に必要
項目が記載されていない場合は、キャセイパシフィック航空は搭乗をお断りする権限を有する。
32週
合併症がなく多胎妊娠である妊婦は32週(例:31週+6日)までご搭乗が可能。
36週
合併症がなく単胎妊娠である妊婦は36週(例:35週+6日)までご搭乗が可能。
合併症妊娠
万が一旅行中に合併症があった場合は、復路便をご利用する前に、キャセイパシフィック車社の医療チー
ムによるメディカル・クリアランス(健康状態の確認)を受けることが必要となる。旅客自身および主治
医は、キャセイパシフィック航空指定のMEDAフォームの必要事項をご記入し、必ずご出発の3営業日前まで
に提出。
出産後の旅行について
出産日から7日以内の褥婦の搭乗はMEDAの提出による許可が必要となります。乳児は生後48時間以降から搭
乗が可能だが 、生後3日から7日までの期間のご搭乗はMEDAの提出による許可が必要。
⑦タイ航空 (ホームページより抜粋)
ご予約時もしくはご出発の48時間前までに 予約した旅行代理店か最寄のタイ国際航空まで出産予定日を連
絡。<出産予定日週を40週として>
・
28週~34週
主治医による英文の診断書をチェックインの際にご提出することで搭乗が可能。
・
35週~36週で4時間未満のフライト
主治医による英文の診断書をチェックインの際にご提出することで搭乗が可能となります。
35週~36週で4時間以上のフライト、及び37週以上
安全上の理由によりご搭乗不可。
多胎妊娠、早産経験者、普通分娩を予定していない妊婦は妊娠週に関係なく、タイ航空指定医師による事前
の診断が必要。
タイ航空指定の英文の診断書を主治医に記入してもらい、搭乗予定日の3営業日前までに提出。
* 主治医による英文の診断書:
搭乗の7日以内(搭乗日を含む)に発行されたもので、航空旅行について健康上支障がない事、普通分娩で
あること、現在の妊娠週数、そして出産予定日が記載されていることが必要。チェックイン時に必ずご提
示。
** 指定の英文の診断書は最寄のタイ国際航空で入手。
天候その他の理由で目的地に到着できない事態が予想される場合、または飛行中に妊婦の健康に悪影響を与
えると考えられる場合、また、搭乗いただける条件を満たしている場合でも、当日健康上のリスクがあると
判断させていただいた場合には 、搭乗が断られることがある。
46
⑧マレーシア航空 (ホームページより抜粋翻訳)
航空機による旅行が推奨されない者として
・妊娠32週以降の多胎妊婦
・妊娠35週以降の国際線旅行
・妊娠36週以降の国内線旅行
・分娩後7日以内の褥婦
が挙げられている。
Medical Clearanceが必要な者として
国際線で妊娠35週に近い妊婦(approaching 35 weeks)、国内線で妊娠36週に近い妊婦(approaching 36
weeks)の記載がある。Medical Clearanceの際にはMEDIFが必要であり主治医に記入してもらい、旅行代理店あ
るいはマレーシア航空に少なくとも出発の5営業日前提出すること。
*妊娠6ヶ月を越える非マレーシア婦人は空路入国は許可されていない。
【現スリランカ日本大使館 望月医師】
9)母子手帳について
本邦では通常、妊娠していることが分かった時点で住所地の市区町村長に「妊娠届」を提出し、これ
によって市区町村長から渡される。国籍や年齢にかかわらず交付を受けることができます。
リランカの日本大使館では親子健康手帳の配布を行っていますが、部数に限りがあります。必要な方
は前もって大使館領事部までお尋ねください。
またこの母子手帳は日本語版ですので予防接種の記録などは各項目を当地の意思に翻訳説明すること
が必要になります。
また、市町村が交付する厚生労働省令に基づく母子手帳の記録ページを、外国語と日本語の2か国語で併
記した、『英語/日本語母子健康手帳』というものが公益財団法人母子衛生研究会から定価760円で販売
されています。
以下のURLをご参照ください。 https://www.mcfh.co.jp/material/detail/27
【現スリランカ日本大使館 望月医師】
10)産前・産後のサポートについて
Dr(Mrs).Chandrani Gunasekara
Doctor for Breast feeding
Mrs.Mohanie Ahangama
産前、産後教室、授乳指導、出産に関する個別相談など
イギリスで助産学を学ばれた方です。セミナーは英語となります。
https://www.facebook.com/mohanie.preandpostbirth/info?tab=page_info
http://www.pulsebeatonline.com/pre-and-post-birth-center.html
小田真由美イスファハーニ(Mayumi Oda Isphahani)
出産後はホルモンの影響で精神的に落ち込んだり、眠れなかったり、精神的に不安定になるこ
とがあります。心理カウンセラーの資格を持つスリランカ在住歴22年の日本人に、日本語で気
軽にご相談ください。まずはメールでお問い合わせを。
メールアドレス:[email protected]
ヘーマス病院-タラワトゥゴダ病院にはBreast Feeding Support Centerがあります。
その他、ナインウェルズ病院でも授乳クラスなどがあります。
47
11)予防接種について
赤ちゃんが生まれたら(出典 http://www.know-vpd.jp/index.phpより抜粋)
予防接種:ワクチンで防げる病気:Vaccine Preventable Diseases (VPD)
赤ちゃんや子どもは、病気に対する抵抗力(免疫)がたいへん未熟です。
生まれる前にお母さんからもらった免疫(抗体)も、数か月たてば弱くなってしまいます。
病気にかかってしまうと、重い後遺症が残ったり、命がおびやかされたりすることも。そうならないために
は、予防が一番。そのもっとも安全で確実な方法が、予防接種です。
ワクチンによって、接種する年齢や回数・間隔が違います。お子さんにあったスケジュールを立てて、もっと
もよい時期に接種できるようにしましょう。とくに0歳のワクチンは種類、接種回数が多いので、できるだけ
早く接種することが大切です。
予防接種は、子どものふだんの様子を知っているかかりつけの小児科医で受けることをおすすめします 。お
子さんが誕生したらさっそく自宅から無理なく通える距離にある小児科(スリランカで出産したのであれば出
産した病院の信頼できる小児科医)を探して、かかりつけの小児科医をみつけておくことが大切です。
1か月健診が終わったら、生後2か月になる前に小児科に問い合わせの連絡をしてみると良いでしょう 。日
本では、予防接種法による「定期接種」とそれ以外の「任意接種」があります。保護者の中には「 定期接種
だけ受けておけばいい」と考えている方が少なくありません。でも、任意接種だからといって 、受けなくて
も大丈夫(軽いVPD)というわけではありません。任意接種であっても、重い後遺症を残したり、死亡したり
するVPDであることに違いはありません。
VPDから子どもを守るために、任意接種も必要なワクチンです。なお米国では、日本では任意接種のB型肝
炎、ロタウイルス、水痘(みずぼうそう)、おたふくかぜ、インフルエンザ、A型肝炎のワクチンも定期接種
です。接種していないと原則として保育所や学校には入れないくらいです。
日本の赤ちゃんが0歳で接種するワクチンは種類も多く接種回数は15回以上になります。0歳で受けるBCGや
ロタウイルスワクチンは生ワクチンのため、接種後は4週間あけなければなりません。そのため、これらを1本
ずつ単独で受けると、約5か月間にわたってほぼ毎週接種することになります。しかし、いつも体調がよいと
は限りません。1本ずつ受けていては接種が遅れがちになり、確実にVPDを予防することができなくなってしま
います。
そこで、世界中で行われている有用な方法が同時接種です。同時接種で受けると、必要な免疫をより早くつ
けることができ、確実に子どもをVPDから守ることができます。世界中の小児科医が同時接種を実施している
のは、予防接種スケジュールが簡単になり、接種忘れなどがなくなる(接種率があがる)だけでなく、早く免
疫をつけるというワクチン本来の目的を果たすためには必要だからです。同時接種で受ける場合、本数や組み
合わせの制限はありません。生ワクチンと生ワクチン、生ワクチンと不活化ワクチンの組み合わせもできます
ので、医師と相談しましょう。
日本の定期予防接種日本語版・英語版、スリランカの定期予防接種英語版
スリランカで接種可能なワクチン他一覧を別添します
【現スリランカ大使館医務官 望月医師】
注:2016年10月より日本でもB型肝炎ワクチンが定期接種となります
なお、予防接種は、私立の総合病院、国立小児科病院(Lady Ridgeway Hospital)、町の予防接種クリニッ
ク等で受けることができます。
48
IDSC
Routine Vaccination against Category A Diseases
Preventive Vaccinations Act
3 months old
6 weeks old
2 months old
At
birth
Voluntary Vaccination
ver. 2014.04.01
Immunization Schedule, Japan 2014 (for those under 20 years of age)
Infectious Disease
Surveillance C e n t e r
6
9
months months
old
old
1
year
old
2
years
old
3
years
old
4
years
old
5
years
old
6
years
old
7
years
old
8
years
old
9
years
old
10
years
old
11
years
old
12
years
old
13
years
old
14
years
old
*1 DPT-IPV stage 1
Measles, Rubella
combined (MR)
Stage 1
*2 Measles
Born on April 2
Born on August 1
20
years
old
Born on December 1
Born on April 1
Stage 1 (Vero cell derived vaccine)
Those who were born during the period of April 2, 1995 to *3
April 1, 2007 and who have yet to complete all four doses
Stage 2
Stage 1
Stage 2 (Vero cell derived vaccine)
Stage 2
*4
As a result of discussion at a
meeting of Committee on Adverse
Reactions of Immunization and
Vaccine Department in the Health
Science Council of the Ministry
of Health, Labour and Welfare
held on June 14, 2013, it is not
actively recommended at present.
However, it is available as the
routine vaccination.
Streptococcus *5
pneumoniae
(13-valent pneumococcal
conjugate vaccine)
*6
19
years
old
Preschool children aged 5 years or older but younger than 7 years, up to
12 months(between April 1 and March 31) prior to starting school
(Haemophilus
influenzae type b)
HPV
18
years
old
Statutory age range for vaccination
recommended vaccinations for catch
up scedule
Age range for
Mother to child
vaccination
infection prevention
DT
BCG
Hib
17
years
old
Standard age range for vaccination
DT stage 2
Japanese
Encephalitis
16
years
old
Vacci n at i on
(*1 DPT stage 1)
(*1 IPV stage 1)
Rubella
As of April 1, 2014
15
years
old
2-valent
(Human
papillomavirus) 4-valent
2-valent HPV vaccine: Launched in December, 2009 Three doses (at 0, 1 and 6 months of age) as an intramuscular inoculation
4-valent HPV vaccine: Launched in August, 2011 Three doses (at 0, 2 and 6 months of age) as an intramuscular inoculation
Oral Polio vaccine
(OPV)
Streptococcus
pneumoniae
Preventive treatments of pneumococcal infection in splenectomy patients are covered by health insurance policies. Revaccination became available in October
2009. However, cautious consideration is required when choosing revaccination, and a sufficient interval from the previous inoculation should be ensured.
(23-valent pneumococcal
polysaccharide vaccine)
Influenza
Twice yearly (at 2 to 4 week interval)
Annually or twice yearly (at 1 to 4 week interval)
Varicella
(Chickenpox)
Mumps
H e p at i t i s B
The first two doses at a 4-week interval, followed by another dose after 20 to 24 weeks. A total of 3 doses
Mother-to-child *7
infection prevention
Mother-to-child infection prevention
H e p at i t i s A
*8 1-valent
Rotavirus
5-valent
The first two doses at a 2 to 4 week interval, followed by another dose after 24 weeks. A total of 3 doses.One year or older is recommended by WHO.
Two doses by
6- to 24 weeks
after birth
It is recommended that the first dose is administered by 14 weeks and 6 days of age.
Three doses by 6- to
32 weeks after birth
It is recommended that the first dose is administered by 14 weeks and 6 days of age.
*1 D: diphtheria, P: pertussis, T: tetanus, IPV: inactivated polio vaccine IPV was introduced in the routine vaccination program as of September 1, 2012. It is primarily inoculated over 4 doses, unless the child has taken one dose of OPV (oral polio vaccine), in which case 3 doses of IPV should follow.
Since September 1, 2012, OPV is no longer available as the routine vaccination. Since November 1, 2012, DPT-IPV combined vaccine has been added to the routine vaccination schedule. If the first inoculated dose was IPV or DPT-IPV, then the following doses should be same as the first.doses, in principle.
*2 Use an MR vaccine in principle. If either a measles or rubella vaccine was inoculated within the period, if a single antigen vaccine is requested, a single antigen vaccine may be used.
*3 Those who were born between April 2, 1995 and April 1, 2007, are under the age of 20, and did not receive the stage 1 inoculation can still receive the remaining doses as a part of his/her routine vaccinations at this age. Please note: In FY2014, the following become actively recommended vaccinations:
Stage I additional inoculation for children turning 8 or 9 years old in FY2014 (those who were born from April 2, 2005 to April 1, 2007) and Stage II inoculation for people turning 18 years old in FY2014 (those who were born from April 2, 1996 to April 1, 1997).
*4 Vaccination started in Japan on December 19, 2008. Although those of 2 months or older but younger than 5 years are targeted, the standard period for the first dose is from at least 2 months to younger than 7 months old. Vaccination is done by three subcutaneous inoculations. Normally 3 doses
are given subcutaneously at intervals of 27 or more days before 12 months of age. (possibly at 20-day intervals if the physician deems it necessary). If the first dose is given after 7 months or older but younger than 12 months, usually two doses are given subcutaneously at a 27- to 56-day interval
(possibly as a 20-day interval, if the physician deems it necessary). After the first dose, the following dose is given by subcutaneous inoculation after an interval of more than 7 months. If the first dose is given when a child is 1 year or older but younger than 5 years old, it is normally one dose by
subcutaneous inoculation.
*5 This has been introduced as a routine vaccination replacing 7-valent conjugate vaccines since November 1, 2013. Those who received one dose of 7-valent vaccine, the remaining 3 doses are given with 13-valent vaccines. Those who received two dose of 7-valent vaccine, the remaining 2 doses
are given with 13-valent vaccines. Those who received three doses of 7-valent vaccine, the remaining 1 dose is given with 13-valent vaccine. Those who did not receive any of the doses must receive the first dose at 2 months or older but younger than 7 months, followed by three more doses given
at intervals of at least 27 days. Normally 2 doses are given subcutaneously at intervals of 27 or more days before 12 months of age. Those who missed out on the vaccination may be vaccinated according to the following schedule: if the child is 7 months or older but younger than 12 months, two
doses are given at an interval of at least 27 days, followed by a booster shot at least 60 days later, when the child is at least 12 months old. If the child is one year old, two doses at an interval of at least 60 days. If the child is 2 years or older but 9 years or younger, one dose is given. If the child is
60 months or older, vaccination is voluntary.
*6 As there are no data on the compatibility of vaccines, the same vaccines should be given by intramuscular inoculation three times. inoculation intervals differ by vaccination types.
*7 Health insurance coverage: [HB vaccines] Usually, it is preferable to administer a subcutaneous dose of 0.25 mL HB vaccine within about 12 hours of birth (It is also possible to administer after 12 hours depending on the condition of the infant. In such cases, it should be given as soon as possible.)
followed by 2 doses of 0.25 mL subcutaneous inoculations at 1 month and 6 months after the first dose. Note that when active HB antibody is not acquired, a booster shot is given. [HBIG (used with HB vaccines in principle)] An intramuscular dose 0.5 to 1.0 mL HBIG is given as the first
dose. The inoculation time is within 5 days of birth (preferably within 12 hours of birth). A booster shot of 0.16 to 0.24 mL/kg dose is given. The inoculation time was changed on October 18, 2013. (issued by the Division of the Ministry of Health, Labour and Welfare)
*8 Rotavirus vaccinations. If the first dose was a 1 valent vaccine, it is followed by “a second dose of 1 valent vaccine.” If the first dose was a 5-valent vaccine, it is followed by “second and third doses of 5 valent vaccine.” It is recommended that the first dose be given by 14 weeks and 6 days of age.
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○
日本の定期/任意予防接種スケジュール(平成27年5月18日以降)
歳
歳
歳
歳
歳
歳
歳
接種
標準的な接種年齢
肺炎球菌 *2
(13価結合型)
積極的勧奨の対象
接種が定められている年齢
予
定期接種︵ 類疾病︶
DPT-IPV I期 *3
接種年齢
*3 DPT I期
*3 IPV I期
母子感染予防
BCG
防
接
麻疹・風疹
混合(MR)
*4 麻疹 (はしか)
風疹
第1期
4/2生まれ
8/1生まれ
12/1生まれ
4/1生まれ
5歳以上7歳未満で小学校就学前1年間
(4/1~3/31)の者。
第2期
種
水痘 *5
法
第1期
第2期
日本脳炎
第2期
DT II期
平成7年4月2日から
平成19年4月1日生まれの者で
4回の接種が終わっていない者。
DT
HPV *6 2価
4価
2013年6月14日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会
副反応検討部会での検討により、現在、積極的な勧奨は
差し控えられています。ただし、定期接種としては接種可能です。
定期接種
︵ 類疾病︶
(ヒトパピローマ
ウイルス)
B
歳
Hib *1
(インフルエンザ菌b型)
A
20 60 65 70 75 80 85 90 95 100∼
歳
歳
19
歳
18
歳
17
歳
16
歳
15
歳
14
歳
13
歳
12
歳
11
歳
10
歳
9歳
8歳
7歳
6歳
5歳
4歳
3歳
2歳
1歳
9カ月
6カ月
生後 週
3カ月
2カ月
出生時
6
ver. 2015.5.18
2015年5月18日現在
*7
60歳以上65歳未満の者であって一定の心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能叉は
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害を有する者。
インフルエンザ
肺炎球菌 *8
(23価多糖体)
B型 水平感染予防
肝炎 母子感染予防
任 意 接 種
ロタ *10 1価
ウイルス 5価
毎年1回
当該年度内に65歳、70歳、75歳、80歳、
85歳、90歳、95歳、100歳になる者。
未接種の場合、定期接種として1回接種可能。
4週間隔で2回、1回目から20~24週を経過した後に1回、合計3回接種。
母子感染予防
*9
生後6~24週
までに2回
初回接種は生後14週6日までに行う。
生後6~32週までに3回
おたふくかぜ
(流行性耳下腺炎)
A型肝炎
破傷風トキソイド
髄膜炎菌 *11
(4価結合型)
黄熱
狂犬病
*12
2~4週間隔で2回接種し、1回目から24週を経過した後に1回、合計3回接種。WHOは1歳以上を推奨。
3~8週の間隔で2回接種し、 初回免疫後6か月以上(標準的には12~18か月)の間隔をおいて1回追加接種。
国内臨床試験は2歳~55歳を対象として実施されていることから、2歳未満の小児等に対する安全性および有効性は確立していない。 筋肉内接種。
接種後10日目から10年間有効。
1回の接種で、接種後10日目から10年間有効。1回0.5mL
曝露前免疫
4週間間隔で2回接種し、更に6~12か月後1回追加接種。 4週間間隔で2回接種し、更に6~12か月後1回追加接種 曝露後免疫
1回目を0日として以降3、7、14、30、90日の計6回接種。
1回目を0日として以降3、7、14、30、90日の計6回接種。 成人用
ジフテリアトキソイド
予防接種法に基づく定期の予防接種は、本図に示したように、政令で接種対象年齢が定められています。
この年齢以外で接種する場合は、任意接種として受けることになります。ただしワクチン毎に定められた接種年齢がありますのでご注意下さい。
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*1 2008年12月19日から国内での接種開始。生後2カ月以上5歳未満の間にある者に行うが、標準として生後2カ月以上7カ月未満で接種を開始すること。
接種方法は、通常、生後12カ月に至るまでの間に27日以上の間隔で3回皮下接種(医師が必要と認めた場合には20日間隔で接種可能)。
接種開始が生後7カ月以上12カ月未満の場合は、通常、生後12カ月に至るまでの間に27日以上の間隔で2回皮下接種(医師が必要と認めた場合には20日間隔で接種可能)。
初回接種から7カ月以上あけて、1回皮下接種(追加)。接種開始が1歳以上5歳未満の場合、通常、1回皮下接種。
*2 2013年11月1日から7価結合型にかわって定期接種に導入。7価を1回受けている人は残り3回を13価で。7価を2回受けている人は残り2回を13価で。7価を3回受けている人は残り1回を13価で受ける。
7価を1回も受けていない人は生後2カ月以上7カ月未満で開始し、27日以上の間隔で3回接種。追加免疫は通常、生後12~15カ月に1回接種の合計4回接種。
接種もれ者には、次のようなスケジュールで接種。生後7カ月以上12カ月未満の場合:27日以上の間隔で2回接種したのち、60日間以上あけてかつ1歳以降に1回追加接種。
1歳:60日間以上の間隔で2回接種。2歳以上6歳未満:1回接種。なお60月以上は、任意接種。
*3 D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風、IPV:不活化ポリオを表す。IPVは2012年9月1日から、DPT-IPV混合ワクチンは2012年11月1日から定期接種に導入。
回数は4回接種だが、OPV(生ポリオワクチン)を1回接種している場合は、IPVをあと3回接種。OPVは2012年9月1日以降定期接種としては使用できなくなった。
IPVで接種を開始した場合、DPT-IPVで接種を開始した場合は、それぞれ原則として同じワクチンで接種を完了。
*4 原則としてMRワクチンを接種。なお、同じ期内で麻疹ワクチンまたは風疹ワクチンのいずれか一方を受けた者、あるいは特に単抗原ワクチンの接種を希望する者は単抗原ワクチンを接種。
*5 2014年10月1日から定期接種導入。
*6 互換性に関するデータがないため、同一のワクチンを3回続けて筋肉内に接種。接種間隔はワクチンによって異なる。
*7 6カ月〜13歳未満:毎年2回(2~4週間隔)。13歳以上毎年1または2回(1~4週間隔)。定期接種は毎年1回。
*8 2014年10月1日から定期接種導入。脾臓摘出患者における肺炎球菌感染症予防には健康保険適用有。接種年齢は2歳以上。
*9 健康保険適用:【HBワクチン】通常、0.25mLを1回、生後12時間以内を目安に皮下接種(被接種者の状況に応じて生後12時間以降とすることも可能。その場合であっても生後できるだけ早期に行う)。更
に、0.25mLずつを初回接種の1カ月後及び6カ月後の2回、皮下接種。ただし、能動的HBs抗体が獲得されていない場合には追加接種。
【HBIG(原則としてHBワクチンとの併用)】初回注射は0.5~1.0mLを筋肉内注射。時期は生後5日以内(なお、生後12時間以内が望ましい)。また、追加注射には0.16~0.24mL/kgを投与。2013年10月18日
から接種時期変更(厚労省課長通知)。
*10 ロタウイルスワクチンは初回接種を1価で始めた場合は『1価の2回接種』。5価で始めた場合は『5価の3回接種』。1回目の接種は生後14週+6日までに行うことが推奨されている。
*11 2015年5月18日から国内での接種開始。発作性夜間ヘモグロビン尿症に用いるエクリズマブ(製品名:ソリリス点滴静注)投与対象者は健康保険適用有。
*12 一般医療機関での接種は行われておらず、検疫所での接種。
51
© Copyright 2015 IDSC All Rights Reserved. 無断転載・改編を禁ずる。
スリランカ
ワクチン名
A型肝炎 B型肝炎 A+B肝炎
○
接種可能な場合「○」
ワクチン名
ジフテリア
百日咳
DPT
狂犬病
日本脳炎
ロタウイルス
○
○
○
○
○
○
○
○
○
風 疹
MMR
水 痘
経口コレラ
黄 熱
Hib
○
○
○
○
○
○
麻 疹
ムンプス
(はしか)
(おたふく風邪)
○
○
接種可能な場合「○」
破傷風
季 節 性 ヒトパピローマ
インフルエンザ ウ イ ル ス
○
○
肺炎球菌
肺炎球菌
髄膜炎菌4価
髄膜炎菌2価
経口ポリオ 不活化ポリオ
(小児用) (成人用) (A,C,Y,W-135) (A,C)
○
BCG
○
○
○
腸チフス ダニ脳炎
○
○
○
4種混合
ワクチン
5種混合
ワクチン
6種混合
ワクチン
○
○
(注)①A+B肝炎…A型肝炎、B型肝炎の混合ワクチン ②DPT…D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風の混合ワクチン
③MMR…M:麻疹(はしか)、M:ムンプス(おたふく風邪)、R:風疹の混合ワクチン ④Hib…インフルエンザ桿菌b型
⑤4種混合ワクチン…DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、不活化ポリオの混合ワクチン
⑥5種混合ワクチン…DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、不活化ポリオ、Hibの混合ワクチン
⑦6種混合ワクチン…DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、不活化ポリオ、Hib、B型肝炎の混合ワクチン
番号
医 療 機 関 名
診療科
診 療 時 間
月~土
1 Nawaloka Hospital
全科
8:00~18:30
日
住 所
連 絡 先
Vaccinations Clinic
Sri Saugathodaya Mawatha,
Colombo 2
Lanka Hospitals Corporation
全科
日本語
携 帯
英 語
0777352911(Mr.Ariyawansa)
○
日本人担当コーディ
ネーターは、
Mr.Ariyawansa
E-mail
月~土
2 PLC (PQ 180)
電 話 5577111(内線5716)
備 考
FAX 2430393
8:00~12:30
9:00~17:00
言 語
578, Elvitigala Mawatha
Colombo 5
電 話 5430000
日本語
携 帯
英 語
○
FAX 114511199
E-mail
月~金
3 Medical Research Institute
研究所
9:00~12:30
13:30~15:45
Port Health Office
Dr. Danister de Silva
Mawatha, Colombo 8
電 話 2675182
日本語
携 帯
英 語
FAX
E-mail
4
電 話
日本語
携 帯
英 語
FAX
E-mail
5
電 話
日本語
携 帯
英 語
FAX
E-mail
53
○
黄熱病ワクチンのみ
(3500ルピー)
発行: ヘルスサポートネットワーク
連絡先:[email protected]
2012 年 3 月発行 2016年4月改訂
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