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平成 26 年度
新たな架線集材システム現地検討会
講 演 会
日時:平成 27 年 2 月 26 日(木)9:00~12:00
会場:和歌山県田辺市
ガーデンホテルハナヨ 2F 竹梅
共催:和歌山県、架線集材の低コスト化・省力化技術研究会、株式会社前田製作所
プログラム
1. 開会
2. 挨拶
和歌山県林業振興課 副課長
田上耕司氏
3. 来賓挨拶
林野庁森林整備部研究指導課 技術開発推進室長
大政康史氏
4. 基調講演
「次世代林業に向けた新たな架線集材その展望と課題」
高知大学教育研究部自然科学系農学部門 教授 後藤純一氏....................................................1
5. 取組事例発表
(1)「進化する架線集材システム」
架線集材研究会 副会長 井硲啓次氏...
....................................................................12
(2)「油圧集材機を製作して」
株式会社前田製作所産業機械本部 企画管理部長 小林武弘氏.................................................18
(3)「MAN YARDER 4000-JAPAN による集材の効率化」
前田商行株式会社 代表取締役 前田章博氏.................................................................21
(4)「高知県における架線集材の現状と課題解決に向けて」
高知県立森林技術センター 森林経営課チーフ 山﨑敏彦氏...................................................32
6. 講評
7. 閉会
林野庁森林整備部研究指導課 技術開発推進室長
大政康史氏
次世代林業に向けた新たな架線集材その展望と課題
講演の流れ
• 林業活動を取り巻く状況の変化
• 架線か車両か,地形的特徴からみた分類
• 架線集材技術の変遷
1. 第一次タワーヤーダ導入期の課題
2. 最近導入されているタワーヤーダはどこが違うのか
3. 最新の開発動向
高知大学教育研究部自然科学系農学部門
• 将来の展望は?
後藤純一
新たな架線集材システム検討会
1
和歌山県
都道府県別傾斜分布-森林地帯-
林業活動の変遷
搬出間伐
木材価格の低迷
主伐・更新の先送り
or
大径化
路網活用
伐出コスト削減
累加頻度
皆伐・拡大造林
サプライチェーンの改革
2
2015/ 02/26
増産要請
3
傾斜区分
4
-1-
地域別分類
地形指数にもとづく分類( 和歌山県の場合 )
傾斜分布図
北山村
有田川町
日高川町
田辺市
県全域
新宮市
急傾斜・路網架線の併用
急峻地・本格架線
地形指数:傾斜(%)に3/4の重みをおき,谷密度と起伏量を合成した指標に1/4の重みをおいた指数
集材作業方法の適否を判断するための指数で,広範囲な地形の分類に用いられる。
( 国土地理院5万分の1地形図を用い,半径500mの円内を対象に地形特性を測定する。 ) 5
6
傾斜タイプ別の主要な作業システム
傾斜分布-都道府県を傾斜タイプで分類-
車両系
40%
車両・短スパン
架線系
架線併用
39%
8%
13%
26%
39%
11%
24%
16%
34%
13%
37%
頻度
頻度
傾斜区分
傾斜区分
7
8
-2-
高密な路網が整備されている地域
路網の発達と作業システム
 谷筋・尾根筋林道ー 架線による長距離集材
集材機集材
固定式主索を用いた架線集材
 尾根筋・中腹林道ー 100~500mの架線集材
タワーヤーダ
 循環作業道
スイングヤーダ
 高密路網
ウインチトラクタ
高知県香美市
機動性の高い架線集材
高知県四万十町
ー 100m未満の架線集材
主索を用いない簡易架線集材
ー 車両系の短距離集材
ウインチとグラップルによる集材
9
地形が複雑でも頻繁に張り替えが効く
>>> スイングヤーダ+路網
10
集材機集材と中間サポート
ユーロ:136円
11
12
-3-
作業システムと路網
架線系作業システムの変遷
(路網作業システム検討委員会報告書から引用)
昭和30年代~63年
平成元年~12年
平成13年~X年
X年~
大面積皆伐対応
利用間伐の始まり
低コスト間伐対応
小面積皆伐・間伐
固定式主索
多人数作業
簡易索張り
少人数作業
インターロック式
少人数作業
高機能型先進機械
単独連携作業
エンドレスタイラー式
小型集材機高性能化
ジグザグ集材
自走式搬器
国産タワーヤーダ
ラジコン導入
スイングヤーダ
全木集材
高機能タワーヤーダ
小規模民有林対応
高密路網の始まり
高性能林業機械導入
資源充実期大径化
14
13
架線系システム発展の歴史①
皆伐・拡大造林期


単胴、2胴、3胴、小型集材機の導入
 エンドレス索の活用
皆伐の採算性の確保・横取り対応
20-25馬力用
2胴+1エンドレスドラム
67‐80馬力用
3胴+1エンドレスドラム
 索張り方式の開発

架線系システム発展の歴史②‐1
利用間伐始動期
 簡易索張りの開発
 集材機の開発

高速・高出力・完全自動化
大面積から小面積,皆伐から間伐対応へ
頻繁な張り替え,架設撤去時間の短縮
 ラジオコントロールの導入(自走式搬器)
 小面積・少人数でも対応可能へ
 国産小型タワーヤーダの開発
ダブルエンドレス用搬器

林内造材・短材集材から間伐材全木集材
スイングヤーダの開発,先行導入へ徐々に移行
 係留搬器・ダブルエンドレス用搬器の開発

作業索の省略,架設時間の短縮
 高密路網先行導入,ウインチ道端集材
各種の係留搬器
上:丸研工業エンドレス式
左:四国索道工業
F‐6型自動繋留搬器
ストッパを介して搬器を
15
主索に係留する
 小型運材車,2tトラックの活用
16
-4-
架線系システム発展の歴史②‐2
利用間伐始動期
 第一次タワーヤーダ導入期


 短材から全木集材へ,プロセッサの導入
木材価格の低迷に対応した伐出コスト削減
中欧からの輸入機、国内メーカによる架装


 エンドレス索からインターロックへ
 スイングヤーダの普及
国産開発機
インターロック機構を内蔵
荷掛けフックの強制降下
 列状間伐か,点状間伐(定性間伐)か?
 生産性向上か,より架設時間の短縮か
ランニングスカイライン式,スラックライン式,単線地引き
 主索を用いた方式

路網活用期
 高性能林業機械の本格導入
中欧のタワーヤーダの導入を機会に
国産化の試みが興る
 ランニングスカイライン方式
架線系システム発展の歴史③
エンドレス索と主索用クランプの組合せ搬器
 路網を活用した低コスト作業システム
 集材距離の短縮によるコスト削減
17
18
主索の使い方による分類
架線系システム発展の歴史④ 高機能機械導入期
 集材距離の克服
 高速ウインチ,速度調整機能,自動走行
架線集材システム
 一荷あたりの材積の増加
スカイラインシステム
スカイラインは、常時張ったまま、
両端を固定して集材する
ライブスカイラインシステム
スカイラインの緊張、弛緩により
(集材サイクルの中で)搬器を
上下させる
ランニングスカイラインシステム
走行するスカイライン上に、搬
器を走行させて集材する
 ラジオコントロール,制御機構の活用
 荷掛け,荷外しの独立 安全性の向上
オートチョーカーの導入
 垂下量を抑え,地形変化への対応
非スカイラインシステム ハイリードシステム
 中間支持金具の活用
考
スタンディングスカイラインシステム
 高い直引力,高張力対応ワイヤーロープ
資源の充実,単木材積の増加
備
スカイラインも搬器も使わず、作
業索の結合部にフックを取り
付けて集材する
徹底したメーカーサポート
19
20
-5-
横取り方式による分類
架線系システムの挑戦、その課題
1:動力引き込み型
 定置式集材機による面集材(集材距離500m以上)
荷上げ索を緩めながらホールバックライ
ンを集材機の動力により引込み荷掛け
フックを架線から離れた伐倒木に導く方式。
(エンドレスタイラー式,フォーリングブロック式)





大起伏量の地形が対象(H型架線,コレクター集材)
専用搬器の開発
ラジコンヘリコプターの活用
索の張替え時間の短縮
技能の習熟
2:空フック歩行型
搬器から鉛直下に降下する荷上げ索の
先端(空フック)を人の手で伐倒木まで
持って歩く方式。
H型架線(エンドレスタイラーダブル式:丸金式)索張り図
(ダブルエンドレス式:ホイスティングキャレジ式
自走式搬器)
21
索張り方式によるタワーヤーダの分類
1:主索固定型
22
コレクター集材用搬器
なぜ、タワーヤーダは定着しなかったのか
2:ランニングスカイライン型
 高価な輸入機

メンテナンス対応に日数を要し、機械の稼働率が低下
資源が未熟、小径木では高い生産性は望めない
 パワー不足の国産機

搬器速度が遅く、直引力が弱く、生産性が向上しない
資源の成熟に伴って、パワーアップが必須
 ランニングスカイライン方式

専用搬器が揃わず、定性間伐時の搬器の制御が困難
列状間伐への導入は、スイングヤーダがとって替わる
 主索を用いた方式


23
機械の導入に留まり
道路整備やオペレータ
育成等トータルの理念
が伝えられなかった
高張力のワイヤーロープや中間支持金具の採用がない
地形に制約を受け、事業量の確保が困難
わずかな材のために
控索の設置に時間を
費やす
従来の主索固定式
に比べて非力で信頼
性が乏しい
タワーヤーダ導入を意識したトラック道が未整備
24
-6-
第1次タワーヤーダ導入期と何が違うのか
オーストリアの地形と路網
 高価な輸入機
 高機能機は制御機構を活かし、自動走行機能などを盛込み
少人数作業を実現している。
フォレスタ研修を通じた
道路整備やオペレータ
メールなどを活用し、瞬時のメンテナンス対応
育成等トータルの理念を
資源が成熟、単木材積が増え、高い生産性が望める
踏まえた取組
 国産機は開発されるのか

搬器速度を早く、直引力を強く、高機能を盛り込めるか
資源の成熟に伴って、パワーアップが必須
 ランニングスカイライン方式

列状間伐やより架設時間を短縮した方式は既に定着
スイングヤーダで対応可能
 主索を用いた方式



高張力のワイヤーロープや中間支持金具を活用
スイングヤーダと異なる線の張り方を意識
地形の制約を克服し、事業量を確保
○
○
○
○
○
○
褶曲が少ない地形
帯状の伐区(伐採幅に基づいた伐採規制)
氷河の移動によって作られた地形
石灰岩を母岩とする硬い地表と土質
山土場での原木取引
森林周辺の牧草地とトラクタ市場
一線でより多くの材
を収穫し、主索導入
の方式に特化
スイングヤーダでの
集材作業に比べ
安定・安心感がある
26
25
1992年当時のオーストリアでの機械展にて
タワーヤーダを構成する機械装置
いずれかを選択
Heinimann et al., 2001
27
28
-7-
コンビマシーンでの作業
作業システム
Heinimann et al., 2001
29
タワーヤーダ間伐搬出作業の標準的な生産性
(m3/PSH15)
30
トラック道から林地(面域)への対応
トラック道
タワー 元柱
タワー 元柱
トラック道
生産性
横取り
架設撤去
集材
合計
160m以上
Karl Stampfer 2004
31
スパン長
32
-8-
林内路網密度の諸外国との比較
架線系先進林業機械の可能性
 高機能タワーヤーダが求められる現場
 集材距離が160m以上
 大きい直引力が必要な大径材
 路網の整備が困難な林地
急峻な林地だけでなく、軟弱な林地も導入対象
 高機能タワーヤーダ導入に必要な条件
 車道幅員3.5m(全幅4.0m)以上の路網
 高機能タワーヤーダ導入の可能性は


トラック道の整備が進むか?
帯状皆伐更新,大径材生産志向が強まるか?
33
34
架線系システムの到達点と課題
架線系システム開発のポイント
 集材機あるいはタワーヤーダ本体の開発
 生産性向上は
 1サイクルの生産量の増加
パワーアップ(高出力エンジン)
 サイクルタイムの短縮
スピードアップ(高速走行)
 人員の削減
(荷掛け手による遠隔操縦、自動走行)
集材距離の短縮以外には?
 採算性は
 事業量の確保,高い稼働率




単木材積は大きく
高直引力,高速集材
トラブルロスの回避
架設・撤去時間の短縮


架設撤去時間の短縮
インターロック機構
 エンドレス索を使わないで
作業索の本数を少なく
 安定した自動走行
連
動
 より少なくするには
 連携作業を回避し

待ち時間を圧縮
 搬器の開発
 あらゆる地形で使えるか
 誰でも操作できるか
 路網は整備されているか
メーカとユーザが一体となった開発と作業研修>>>
35
 係留機能
 エンジンを搭載し、荷上げ索を内蔵
 荷上げ索内蔵+自走機能
 タワーヤーダ用係留搬器
 動力付ドラム内蔵(リフトライナー)
 自走式搬器(ウッドライナー)
 高出力、高速搬器
36
-9-
荷の荷重変動が大きくなる状況
主索
主索用クランプ
主索
主索用クランプ
引寄索
主索
引寄索
強制降下索
引寄索用クランプ
引寄索用クランプ
主索用クランプ
主索
引戻索
引寄索
引寄索用クランプ
主索用クランプ
Koller SKA‐1.5
Koller SKA‐2.5
引寄索
主索
引寄索用クランプ
主索用クランプ
主索
強制降下索
引寄索
引寄索用クランプ
主索用クランプ
引戻索
引寄索用クランプ
強制降下索
引寄索
Visser 1999
Woodliner
37
タワーヤーダ設置における課題
如何に地形に対応するか
1.中間支持
38
架線系システムの今後、その課題
 短距離2胴スイングヤーダ(集材距離100m未満)
中間支持金具
 大径材対応の大型化
 ラジコン機能の強化、安全性向上
 中・長距離高機能タワーヤーダ(集材距離200m以上)
 日本の道路事情に適合したコンビマシーンの導入
 より長距離対応機の導入
 高性能搬器の導入
 起伏が大きい地形での既存機械との組合せ
 架設補助機器の開発とオペレータの育成
 従来の架線技術の活用と継承
 定置式集材機による面集材(集材距離500m以上)
M型
片吊型
39
 起伏が大きい地形が対象(H型架線,コレクター集材)
 専用搬器の開発
 集材機の製造を継続
40
-10-
新技術の動向と伐出機械への導入
• 画像認識技術
次世代の集材機械の姿
• 材が見える人が運転する機械
電子学会セミナ資料から(2015)
– デジタルカメラ、スマートフォン
技術:顔オートフォーカス、露光補正、カラーバランス
用途:表情の認識、年齢推定、眠気推定
– 車両
技術:ステレオカメラ
用途:物体認識、自律走行
• GPS
– 荷掛け手と荷外し要員による連携・遠隔操縦
土場作業の改善 ― 線下作業を排除 ― 労働災害の大幅減少
コンピュータの処理速度の向上
• 材を見ることなく運転する機械
– 位置精度の向上、電波受信感度の向上
• 油圧機器用センサー
伊藤崇之 「自走式搬器の自動化に関する研究」
– 荷掛け手と荷卸し地点を追尾しながら走行する搬器
センサーの小型化
– エンジンのコンピュータ制御
• 林地情報を蓄積しながら作業する機械
• 伐出機械への応用
– 油圧式集材機
– 搬器の走行制御
– フォワーダの自動走行
– 施業履歴の蓄積、単木管理、精密林業へ
41
42
-11-
和歌山県の森林
・県の総面積の77%が森林面積
・森林面積の70%以上が35度以上の
急傾斜地
和歌山県架線集材研究会
進化する架線集材システム
(安全に・快適に)
急峻地の架線集材機の必要性と改良について
1
集材機の必要性
2
1線で5000㎥
3
架設費用は出材量が
多いほど薄まる
50万円÷5000㎥=100円/㎥
4
-12-
絶滅した機械式集材機
50年前まではショベルも機械式だった
操作を間違えれば荷が急降下
5
平成24年 油圧駆動集材機の開発
6
油圧集材機の初期構想
キャレッジ半自動運転
先山の玉掛け者とプロセッサーオペレータが
土場の集材機を遠隔操作
運転席がなくて
コンパクト
ドラム監視用カメラ
7
トラックの積みおろしが簡単な履帯付き(自重7t~8tを想定)
8
-13-
枝葉のない地面で手ぶらで玉掛け
油圧駆動の利点
○全木集材で枝葉の落ちていないきれいな先山
○急峻地では人力でフックを引っ張れない
○重大災害は先山で起きる
○目隠し状態で操作するのと、視認して
操作するのでは雲泥の差
○設計の自由度が大きい。
○部品点数が機械式より少なくて済む。
(構造が簡単・安く作れる。)
○トラブルが少ない(リペアコストの削減)
○クラッチ・ブレーキがなく操作が簡便。
○レバーを放せば止まる安全性。
○電気と組合せが簡単にでき、いろんな制御
が可能。
○安全装置を組み込める。
誰でもできる
オペレート
たるませる・
強く張ってと
ボタン一つで自由に
誘導
フックが暴れない
安全性が
格段に向上
9
油圧集材機パートⅡ(2名で半自動運転)
荷やフックを自分で目視できるということは
安全であり作業の効率も格段に違う
10
キャレッジの走行
11
12
-14-
誘導索がたるみ根株に掛かり危険
いつも適度なテンションがかかっている
油圧集材機の半自動走行
プロセッサーのドラム監視用モニター
ホールバックラインは
引っ張られると出て
たるむと巻く
(コンピュータ制御)
13
ドラム監視用モニター
14
油圧集材機の利点のまとめ
集材機から無線送信
15
16
-15-
超便利なリアーアンカードラム
主索巻取機
左右の張力もワンタッチで均等に張れる
1.架設撤収の時間短縮と安全性
2.楽な主索の取回し
3.着脱が簡単なドラム機構
4.メンテナンスが簡単な油圧駆動
5.リモコンで
グラップル室内で操作
6.撤収4人で半日が
1人で1時間に
17
18
リードロープの引回し 6ラジコン(動画)
履帯付オートラン集材機(ステップアップ機)
○今年はリピーターを使った広範囲無線制御と
キャレッジの自動走行。次は履帯をつけて本体の
トラックへの積込と据え付けの合理化
○一回り小さい中型タイプの機種も作りたい
19
20
-16-
オートチョーカー
列状間伐
●作業道の道上の立木を使えばタワーヤーダー的に
インターロックによる快適な作業が行える。
● 作業道上の材の着床地点にウインチが据わらないので、
安定した道路上の平面部を荷卸し場として使える。
●作業終了後の移動もクローラによる走行で
素早く簡単に行える。
21
22
今回のプロジェクトの副産物
まだまだ進化する架線集材システム
・県と業者の林業における問題点や情報の共
有
○主索等のワイヤーロープの見直し
○滑車やシャックル等の軽量化
○低い地上高に架線を張り、スキーリフトのように
資材や作業員を運べないか……
・若者が県と本音で林業の未来を話せる様に
なった
○マルチヘリコプター
(ドローン)でリードロープ
が送れないか……
アマゾンの無人配達
・急傾斜地林業の未来に一条の光がさし、
若者がやる気を出しだした。
23
24
-17-
1.会社概要
油圧集材機を製作して
平成27年2月26日(木)
(平成26年4月1日現在)
1
2.拠点
2
3‐1.産業機械本部
「かにクレーン」をはじめとする機械メーカーとし
て開発・製造・販売・サービスまでを一貫して行い、
日本国内は元より全世界に供給している。
また、特殊車両・IT関連設備の製作など現場やお
客様のご要望に応じた一品一様の様々な製作を行っ
ている。
3
4
-18-
3‐2.建設機械本部
3‐3.新規事業部
建設機械国内トップメーカーである「コマツ」より、
総代理店として長野・山梨・愛知・三重の4県を任
されている。
既存事業の土木・建築の枠から「新しいビジネス領
域の創出」に取り組み、殺菌装置や介護用品など新
規事業を拡大している。
5
5.油圧集材機-FY273誕生
4.機械メーカーとして林業業界へ参入
参入元年:2013年度(平成25年度)
(林野庁補助事業
6
 3胴完全油圧制御
 インターロック機能搭載
 バックテンション調整機能装備
 ジョイスティック操作レバー採用
先進的林業機械緊急実証・普及事業に参画)
業界専門用語から学ぶ
・・・エンドレスタイラー式??
皆伐??
インターロック?!
etc.
集材機運転特別教育受講
安全で誰もが操作できる集材機の誕生
7
8
-19-
6.進化-2014年度
7.更なる進化-2015年度以降
「生産性」「安全性」の
更なる向上をコンセプトに機能付加
油圧式にしたことで、安全性・操作性・生
産性を飛躍的に向上させることができた。
反面、機体が大型化し運搬・積み降ろし・
据付けに制約がでてしまった。
作業システムイメージ
無線操作化
今後の検討課題は、運搬・積み降ろし・据
付けを合理化する為の「自走式」である。
搬器の自動走行
9
10
8.進化を続ける上での方向性
集材機の需要
ユーザー様の要求スペック
11
-20-
1.事業の背景・課題
先進的林業機械緊急実証・普及事業
取組み説明資料
①事業体と地域の森林・林業の概況
前田商行株式会社
• 創業:昭和23年 前田木材工業(株)、昭和47年に社名を前田商行(株)に変更
MAN YARDER 4000-JAPAN
LIFTLINER 4000
WOODLINER 3000
• 資本金:1,200万円
• 本社:三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿 事務所:和歌山県新宮市船町
• 社員数:男性 4名 女性 1名
• 年間素材生産量:H25年度実績 5,000m3、H26 6,000m3(予定)
• 森林作業道開設実績:H24 2,200m、H25 3,300m、H26 5,000m(予定)
• 主な保有機械:ハーベスタ1台、タワーヤーダ3台、フォワーダ3台、集材機2台
グラップルローダ3台、トラック2台、自走式搬器2台
• 所有森林面積:552ha(会社+個人)
による集材の効率化
概要
• 熊野川流域において素材生産業を中心に林業を営んでおり、早くから機械化を図り、
素材生産のコスト削減に取り組んでいる。
• 熊野川流域は急峻な地形であるため、早くから架線集材が発達した地域であり、タ
ワーヤーダ等の高性能林業機械も早い時期に導入している。
• 効率的で安全な作業を目指して、作業手順や機械の改良を行っている。
前⽥商⾏株式会社
1
1.事業の背景・課題
2
1.事業の背景・課題
①事業体と地域の森林・林業の概況
①事業体と地域の森林・林業の概況
3
4
-21-
1.事業の背景・課題
1.事業の背景・課題
森林の概況
①事業体と地域の森林・林業の概況
5
1.事業の背景・課題
6
1.事業の背景・課題
森林の施業概況
①事業体と地域の森林・林業の概況
【高森高山線】
赤:平成26年度作設作業道
黒:平成25年度作設作業道
青:平成24年度作設作業道
茶:既設
7
8
-22-
1.事業の背景・課題
1.事業の背景・課題
①事業体と地域の森林・林業の概況
②素材生産活動における従来システム・タワーヤーダの課題
9
 2tの集材能力を有しているが、大径材に対して能力が不足。
 従来機はタワー高とスパン長の不足で十分な架線の高さを確保
することができない。
 大径化した立木は、全木で集材できず林内で造材を行う場合が
多く、生産性を落としている。
 3tの能力を持つウッドライナー3000も所有しているが、タワー
ヤーダの強度と能力が不足しているため組み合わせて使用する
ことができない。
 バイオマス発電施設へ効率的に未利用材を供給していくために
は全木集材が必要である。
 作業道から離れた林地では間伐材を搬出できずに切り捨てと
なっている区域も多く、地域資源を十分活用できていない。
10
2.導入した機械及び作業システムの詳細
2.導入した機械及び作業システムの詳細
機械の名称
MAN YARDER 4000 ‐ JAPAN
型式
メーカー名
生産国
導入方法
購入価格
全長
全幅
全高
重量
エンジン出力
最大積載量
最高速度など
Y43 01
KONRAD
オーストリア
代理店等を通じて購入
8552mm
2500mm
3680mm
23.6t
320kw
0 kg
キャレッジ巻き上げ6.5m/秒
タワー高さ: 12.2m
主索ウインチ最大直引力: 110kN
使用主索:IWRC 8xP・WS(26) 径22mm
主索巻量:800m
引寄索ウインチ最大直引力: 38kN
引寄索径:12mm
その他機械の性能
引寄索巻量: 600m
リードロープウインチ直引力: 12kN
リードロープ径:7mm
リードロープ巻量: 1,200m
控索直引力: 9kn
控索径:20mm
控索巻量: 60m×4
11
12
-23-
2.導入した機械及び作業システムの詳細
2.導入した機械及び作業システムの詳細
機械の名称
LIFTLINER 4000
型式
LL3 96
メーカー名
KONRAD
生産国
オーストリア
導入方法
代理店等を通じて購入
購入価格
全長
1650mm
全幅
630mm
全高
1030mm
重量
950kg
エンジン出力
100kW
最大積載量
40kN – 11mm/85m
最高速度など
その他機械の性能
主索クランプ機能
13
2.導入した機械及び作業システムの詳細
2.導入した機械及び作業システムの詳細
林業機械の改良点・改善点
MAN YARDER 4000‐JAPAN
改良内容
改良の原因・理由
改良の効果
ショートホイールベースの3軸6
輪駆動トラックの選定
作業道上での走破性を確保するため
土構造の作業道でも走行が可能であった
320kWの高出力エンジンの選
定
搬器速度および牽引能力の向上
メインライン直引力38kN、最大速度6.5m/s
を実現
タワーの延長
架線高の確保
タワー高12.2mを実現
主索に8ストランド鋼芯ロープ
(22mm)を使用
上げ荷と下げ荷でそれぞれ専用搬器を使
用するため、下げ荷で使用するウッドライ
ナー3000用の主索ロープを装備する必要
があるため
下げ荷では主索1本で架設可能となり架設
作業の大幅な省力化が可能となった
主索巻き量の増量
集材範囲の拡大
最大スパン750m
中折れ式タワーの採用
車両全高を道路運送車両法の基準内に
抑えるため
・全高3.68mを実現
・タワーの前方への張り出しが無くなり、全
長が8.55mに短縮されたため、回転半径が
小さくなって狭い場所での走行性が改善さ
れた
・前後の軸重バランスが改善され、ほぼ均
等荷重となった
14
機械の機能説明: アウトリガーとセンターリガー
Liftliner 4000
改良内容
改良の原因・理由
改良の効果
本線脱線防止装置
メインライン断線時の搬器暴走
防止用クランプを集材時固定
クランプとしても使用できるよう
にした
本線からの脱線を防止するため
横取り、荷あげ時の搬器揺動を防止する
ため
スプリングによる可動式脱線防止装置が付
くことにより本線の脱着も容易になる
実証試験では当機能は使用しなかったが、
横取りの方向決めを確実に行う効果がある
15
16
-24-
2.導入した機械及び作業システムの詳細
2.導入した機械及び作業システムの詳細
機械の機能説明: タワーの中折れ機能
機械の機能説明: トラックベースでのタワーのチルト機能
17
2.導入した機械及び作業システムの詳細
18
2.導入した機械及び作業システムの詳細
機械の機能説明: スカイラインのテンション機能
機械の機能説明: メーンラインの乱巻きセンサーと距離センサー
19
20
-25-
2.導入した機械及び作業システムの詳細
2.導入した機械及び作業システムの詳細
機械の機能説明: ガイラインのテンション機能
機械の機能説明: 他社YARDERとの主索作業範囲の比較
他社YARDER
※
a:作業範囲
22
21
2.導入した機械及び作業システムの詳細
2.導入した機械及び作業システムの詳細
機械の機能説明: 上げ荷用控え索 基本角度
機械の機能説明: 下げ荷用控え索 基本角度
23
24
-26-
2.導入した機械及び作業システムの詳細
2.導入した機械及び作業システムの詳細
機械の機能説明: リフトライナーの転落防止機能と本線クランプ機能
機械の機能説明: コントロールボックスとリモコン
26
25
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
ウッドキーパー(落下防止柵)の開発
丸太の落下を防止
• サイクルタイムが短縮
• オートチョーカーの荷外し効率アップ
• 先山の危険軽減
• 2、3本掛け時の荷外し効率アップ
• ハーベスタの作業効率アップ
先柱用繊維スリングの製作
先柱取り付けワイヤーの軽量化
• 先山の労働軽減
27
 特注ヘビーラウンドスリング
(重量:10.4kg 長さ:8m 破断荷重:50t)
 先柱の控え索:ラッシングベルト
(長さ:4+15m 破断荷重:5t)
28
-27-
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
引き回し索の軽量化と時間短縮
• 引き回し時の労働軽減
• ダブルで牽引可能になり作業時間が短縮
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
リードロープの鋼線を繊維ロープに交換
長尺ラッシングベルトと木登りセットの導入
サポート索の軽量化と時間短縮
 繊維ロープ
太さ:8mm 破断強度:72kn
重量:3.3kg/100m
Tree climbing unit
29
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
30
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
中継リモコンの導入、アンテナの延長
急傾斜におけるリモコン電波の圏外対応
• 電波が届き、操作可能
枕木の導入
路面傾斜における対応
• タワーが垂直に立ち、負荷軽減
31
32
-28-
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
自走式搬器ウッドライナーの活用
改良内容
下げ荷集材・勾配のない集材が容易
• 本線のみの架設により時間短縮
• 3t吊り能力により効率アップ
ワイヤーをチェーンに交換
ワイヤーの加締めを
チェーン専用金具に交換
オートチョーカーでのワイヤー使用の問題点
改良の原因・理由
改良の効果
ワイヤーに癖がつく(キンク)
• 荷外しの際、外れない時がある
• 荷掛けがしづらい
チェーンは癖がつかない
• 荷外しの際、外れやすい
• 針が出ないため扱いやすく安全
• ワイヤーの交換時、ワイヤー加工メーカーに
オートチョーカーを送り、加締め加工を依頼
する必要がある
• チェーン交換時、作業員で交換可能
• 搬器移動時、ワイヤーはよく揺れる
• チェーンは揺れにくい
• ワイヤー加工メーカーの加締めをオート
チョーカーに合わせる調整加工が必要
• 加締めの調整加工不要(専用金具仕様)
• 金具の引掛りがなくなり、荷外しのトラブルが
少ない
ワイヤー 使 用 の問 題 点
33
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
改良内容
ワイヤーをチェーンに交換
ワイヤーの加締めを
チェーン専用金具に交換
オートチョーカーのワイヤーをチェーンに交換
改良の原因・理由
改良の効果
ワイヤーに癖がつく(キンク)
• 荷外しの際、外れない時がある
• 荷掛けがしづらい
チェーンは癖がつかない
• 荷外しの際、外れやすい
• 針が出ないため扱いやすく安全
• ワイヤーの交換時、ワイヤー加工メーカーに
オートチョーカーを送り、加締め加工を依頼
する必要がある
• チェーン交換時、作業員で交換可能
※ オートチョーカーとの接触・曲げによりワイヤーが痛む
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
34
トゥルーパルス360Rの導入
間伐における線道の踏査で方位角が急傾斜地でも測量可能
• 測量の時間短縮
• 搬器移動時、ワイヤーはよく揺れる
• チェーンは揺れにくい
• ワイヤー加工メーカーの加締めをオート
チョーカーに合わせる調整加工が必要
• 加締めの調整加工不要(専用金具仕様)
• 金具の引掛りがなくなり、荷外しのトラブルが
少ない
ワイヤーをチェーンに交換
35
36
-29-
3.新しい作業システムの活用に向けた考察
ハーベスタのチェーン自動目立て機の導入
目立ての効率化
• 刃の大きさが揃う
• 切り口がきれい
• 労働軽減
4. 事業の普及への取り組み
依頼者
講習・講師依頼一覧
依頼内容
実施日時
開催場所
備考
2 森林組合
先進的林業機械における作業システム現場視
H26.2.18
察について
タワーヤーダシステム先進地視察研修につい
H26.3.17
て
和歌山県新宮市南桧杖
前田商行(株)現場
和歌山県新宮市南桧杖
前田商行(株)現場
タワーヤーダとリフトライナーの組合せによる効率的搬出
システム
タワーヤーダシステムの路網整備、作業方法、安全性向
上の取組等
3 行政
タワーヤーダ等を活用した先進的作業システム
H26.3.19
の現地検討会開催について
和歌山県新宮市南桧杖
前田商行(株)現場
4 一般社団法人
講師派遣について
H26.3.28
東京都
Woodliner取扱・運用指導 講師依頼
H26.6.13~15
H26.6.18~21
6 販売業者
Woodliner導入指導 講師依頼
H26.6.16~17
島根県
依頼者様 指定場所
高知県
依頼者様 指定現場
7 公益財団法人
タワーヤーダ及び自走式搬器の研修について H26.8.20
和歌山県新宮市南桧杖
前田商行(株)現場
新型のタワーヤーダと搬器を活用した作業システムにつ
いての説明
6W トラック搭載タワーヤーダと高性能搬器の導入による
長スパン揚荷集材の効率化
Woodlinerの運用について必要な知識・技術の講習・研修
を行う
Woodlinerの運用について必要な知識・技術の講習・研修
を行う
タワーヤーダ(コンラッド製)およびリフトライナーによる集材
自走式搬器による集材その他架線系作業システムに全般
についての研修
8 森林管理局
先進的な架線による現地研修会の実地につい
H26.9.12
て
和歌山県新宮市南桧杖
前田商行(株)現場
先進的架線作業地研修会
9 一般社団法人
架線作業システム高度技能者育成事業に係る
H26.10.3
現地見学視察について(現地見学のお願い)
和歌山県新宮市南桧杖
前田商行(株)現場
トラック搭載式タワーヤーダ高性能搬器の導入による長ス
パン・上げ荷集材の効率化
1 林業関係企業
販売業者
5 森林組合連合会
10 森林組合
タワーヤーダシステム先進地視察研修につい
て
11 販売業者
LiftLiner現場視察受入 依頼について
12 行政
県営(有)林施業検討現地見学会の開催につ
いて
13 販売業者
Woodliner架設講習等の講師依頼について
14 林業活性化センター 搬出間伐現地視察に係る協力依頼について
タワーヤーダ作業及び作業道開設 見学につ
いて
ロングリーチハーベスタ作業実演
独立行政法人
MAN YARDER 4000‐JAPANの視察
林業技術普及協会 「森林講座」の講師依頼
平成26年度 林野庁委託事業
一般社団法人
架線作業システム高度技術者育成事業 試験 H27.2.3~5
的運用検討会
15 林業関係企業
16
17
18
和歌山県新宮市南桧杖
H26.10.17
前田商行(株)現場
和歌山県新宮市南桧杖
H26.12.5
前田商行(株)現場
和歌山県新宮市南桧杖
H26.12.5
前田商行(株)現場
高知県
H26.12.12~13
依頼者様 指定現場
和歌山県新宮市南桧杖
H26.12.13
前田商行(株)現場
和歌山県新宮市南桧杖
H27.1.24
前田商行(株)現場
和歌山県新宮市南桧杖
H27.1.26~30
前田商行(株)現場
H27.1.30
三重県津市 文化会館
和歌山県西牟婁郡上富田町
和歌山県林業試験場
タワーヤーダシステムの路網整備、作業方法、安全性向
上の取組等
LiftLiner現場視察
前田商行施業現場における施業方法の見学
Woodliner架設、中間サポートの架設等について、作業者
の研鑚を深めるため
タワーヤーダとウッドライナーと組み合わせた効率的な搬
出間伐
タワーヤーダ・ウッドライナーの集材作業 作業道開設作
業の見学
ロングリーチハーベスタの作業実演
大型タワーヤーダを使用した搬出間伐の効率化
「架線作業システム高度技能者育成事業」の研修教材で
あるテキストを作成するに当たり、その内容指導方法など
について
37
5.今後の取り組み課題
H25年度
原木市場(m3)
バイオマス(t)
バイオマス(t)係数×1.25
出材積(m3)
4月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
強度があり軽く伸びないラッシングベルトの製作(目標 長さ:4+25m 破断荷重:10t )
計
3月
41.486 126.370 36.297 73.191 43.343 92.603 60.360 84.075 42.965 74.441 305.454 274.697 1255.282 -
-
-
407.950 438.630 89.390 497.790 715.250 257.720 161.380 250.910 288.830 3107.850 -
-
-
509.938 548.288 111.738 622.238 894.063 322.150 201.725 313.638 361.038 3884.813 41.486 126.370 36.297 583.129 591.631 204.341 682.598 978.138 365.115 276.166 619.092 635.735 5140.095 勤務人数
人工数
5.今後の取り組み課題
稼働実績表
5月
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
76
74
60
78
69
55
63
76
77
46
71
92
H26年度
バイオマス(t)
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
1902.576 93.230 141.870 148.300 50.760 112.540 122.840 343.770 115.840 176.500 116.920 1422.570 116.538 177.338 185.375 63.450 140.675 153.550 429.713 144.800 220.625 146.150 1778.213 出材積(m3)
217.105 308.376 407.509 79.779 287.792 364.455 691.155 466.799 335.916 521.904 3680.789 3
3
3
3
3
4
4
4
4
雨による軟弱路面の整備・排水対策
 現状では雨が降ると運材トラックがタワーヤーダまで到達できない
 走破性の高い運材トラック導入の必要性 ・ティンバートラック 4輪駆動 6×4BL
4
人工数
80
58
69
74
63
108
113
104
97
87
出勤日数の1人当たりの材積
2.7 5.3 5.9 1.1 4.6 3.4 6.1 4.5 3.5 6.0 853
稼働日
3
15
12
13
9
20
23
20
20
17
152
造材積
58
287
255
261
221
457
541
472
511
451
3514
稼働日当の1人の材積
6.4 6.4 7.1 6.7 8.2 5.7 5.9 5.9 6.4 6.6 ※H26年 5月よりグリーンワーカー研修のため1名不在期間あり
※H26年 9月より新人1名入社
大型機械を支持する強固な3.5m作業道網の整備(H27・28年度 各5,000m作設予定)
計
100.567 131.038 222.134 16.329 147.117 210.905 261.442 321.999 115.291 375.754 バイオマス(t)係数×1.25
勤務人数
オートチョーカー用 強度があり軽いチェーンの製作
フォワーダ小運搬の省略
837
※H25年 2月よりタワーヤーダ稼働
※H25年 10月~H26年 3月バイオマス運賃補助あり
原木市場(m3)
38
39
40
-30-
資料. 昨年の実証における作業システムの評価結果
資料. 昨年の実証における作業システムの評価結果
搬出木の径級分布と荷かけ本数
表-1 実証試験地架設概要
新システム
樹種
スギ
スギ一部ヒノキ
単位
184.2
442.7
m
‐15.9
‐13.7
度
平均集材距離
81.5
225.9
m
平均胸高直径
26.7
30.0
cm
0.65
m3
平均単木材積
0.58
70
60
50
本数
支間斜距離
支間傾斜角
従来型作業システム
表-2 実証試験結果
従来システム
新システム
サイクル数
214
126
作業時間
18.1
17.0
時間
人
作業人数
2(3)
2
4分30秒
8分06秒
集材本数
191
247
本
集材幹材積
95.5
162.2
m3
造材材積
67.4
127.0
m3
サイクル当たり荷かけ量
0.45
1.29
m3
労働生産性
(6時間換算)
幹材積
13.4
28.6
m3/人日
造材積
9.5
22.4
m3/人日
1本吊り
林内造材
20
10
0
~10 ~20 ~30 ~40 ~50
胸高直径(cm)
41
資料. 昨年の実証における作業システムの評価結果
2本吊り
30
単位
平均サイクルタイム
40
新型作業システム
本数
従来システム
80
70
60
50
40
30
20
10
0
3本吊り
2本吊り
1本吊り
林内造材
~10 ~20 ~30 ~40 ~50
胸高直径(cm)
42
タワーヤーダ比較集計表
43
-31-
和歌山県 「新たな架線集材システム検討会」
1.高知県に導入された先進(的)林業機械一覧
「高知県における架線集材の現状と課題解決に向けて」
林野庁補助事業による
平成21年度2次補正 森林・林業再生プラン実践事業、先進林業機械導入・改良事業
平成24年度補正 先進的林業機械緊急実証・普及事業
株式会社 とされいほく
香美森林組合
和歌山県田辺市 ガーデンホテルハナヨ
2015年2月26日
高知県立森林技術センター
森林経営課 チーフ 山﨑 敏彦
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
取組事例
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
有限会社 川井木材
物部森林組合
1
2.リフトライナーの使用例
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
取組事例
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
2.リフトライナーの使用例
(1)既存集材機との組合せと将来性
(2)H型架線集材で重錘兼吊上機として
先柱
2
エンドレスタイラー式
+ダブルエンドレス式
・上荷,下荷集材に対応
リフトライナー
・ワイヤロープ等
資材の節減
元柱
・荷掛作業者が荷吊り索の
操作が可能
・集材機による搬器走行と
連動して荷吊り索の
操作が可能
サイクルタイムの短縮
オートチョーカー
・吊り上げ能力高い
既存の集材機
大径材に対応が可能
半自動・遠隔操作が可能なシンプルなウインチの開発が期待される
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
取組事例
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
3
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
取組事例
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
4-32-
3.大規模搬出間伐システム H型架線集材
3.大規模搬出間伐システム H型架線集材
(1)システムのイメージ
(2)索張りの例
エンドレスタイラーダブル式H型架線 3軸四胴集材機での配置例
エンドレスタイラーダブル式H型架線の仕組み
集材機は元柱側尾根付近
に設置する場合が多い
1号線
搬器1
エンドレスドラム
ロージング
ブロック
連結部
重錘兼吊り上げ
装置として
自走式搬器を
使用する場合が
多い
3軸四胴集材機(3リバース式)
出典:株式会社とされいほく
研修資料
2号線
搬器2
巻ドラム
4つのドラム駆動で前後・左右・上下と空間を自在に集材
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
取組事例
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
5
3.大規模搬出間伐システム H型架線集材
6
① 大型四胴集材機の入手が困難になりつつある
将来にわたり製造・保守が可能で、安全・高能率に
配慮した構造
② 専用吊上機がないため自走式搬器を汎用
吊上能力の高い専用機の改良・開発
(吊り荷重の把握)
面的空中集材システム
安全作業の向上
③ 搬器・ロージングブロック位置が把握しづらい
位置(距離)の常時把握による効率的な運転
 荷掛け作業や土場における線下作業、内角作業を回避
 伐倒方向の自由度が高いため、かかり木の発生を回避
 単純化した流れ作業で体力的、精神的疲労度が低い
③
集材・造材の連携作業における功程バランスが取りやすい
④
⑤
事業地の大ロット化が必要
大量の資器材を要する
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
(4)課 題
 障害物がないため、集材作業の効率化が可能
 地形の急峻性やシワを容易に克服でき、大面積集材が可能
 ピンポイントでの垂直方向への荷揚げ作業
・ 残存立木への損傷が少ない
・ 定性間伐が容易
・ 全木集材が可能(森林バイオマスへの枝条の収集)
②
取組事例
3.大規模搬出間伐システム H型架線集材
(3)特 徴
①
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
取組事例
④ 資器材の耐久性が低い
高耐久構造による消耗部品(資材)の寿命の延長
先進的林業機械緊急実証・普及事業での取組で課題を解決
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
7
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
取組事例
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
8-33-
4.H型架線集材システムの改良
平成24年度(補正)林野庁補助事業
先進的林業機械緊急実証・普及事業
導入・改良機の概要
3軸四胴集材機
5.架線技能者の育成
(1)いろいろな力のかかり方を理解する
無線空中吊上機
搬器位置表示装置
ロープ
内 角
(°)
0
10
20
30
40
50
60
主索の張力がタワーに
与える影響(力)について
3軸四胴
高速集材機
(5t級)
KD50CD-4
無線空中
吊上機
TK2000
-RSH
Perkins
Perkins
ディーゼルエンジン
1106D‐E66TA
出力 164.8ps(2,200rpm) トルク 70.9kgm(1,400rpm)
ディーゼルエンジン
403D‐15
出力 31.4ps(2,600rpm) トルク9.8kgm(1,800rpm)
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
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5.架線技能者の育成
ロープ
内 角
(°)
合 力
係 数
ロープ
内 角
(°)
合 力
係 数
70
80
90
100
110
120
1.638
1.532
1.414
1.286
1.147
1.000
130
140
150
160
170
180
0.845
0.684
0.518
0.347
0.174
0.000
主索の張力が支柱(先柱:TT)
に及ぼす力 (その1)
力学関係の例
支柱に取り付けられた索の
張力が支柱に及ぼす力
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
2.000
1.992
1.970
1.932
1.879
1.813
1.732
ガイドブロック等が負担
する力(合力)について
ロージングブロック連結部
取組事例
合 力
係 数
主索の張力が支柱(先柱:TT)
に及ぼす力 (その2)
支柱控索の張力
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取組事例
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
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6.今後の架線集材取組に向けて
(2)簡易な方法で学ぶ(体験)
(1)施業地・人材育成関係
架線集材システムにはトラック道が必要不可欠
架設・撤去を考慮した路網も重要
ばねばかり
滑車
架線集材と車両系システムとの組合せも必要な
場合がある
内角を
変える
間伐の場合、張替を繰り返す方法が有利となる
ので、事業地の規模と索張り計画が重要
引き力と滑車合力の関係
固定
張力計
「測量用ポール等を用いたタワーにかかる力」
2014.10.27 四国森林管理局 実践研修(現地検討)にて
和歌山県「新たな架線集材システム検討会」
取組事例
技能・技術の習得には一定以上の経験と時間を
要する
計算(理屈)と経験値の積み上げ
質が高く(所有者に喜ばれる)、
高いモチベーションのためには、
賃金水準をあげる必要がある
垂下比と張力の関係
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
尾根道ではタワーヤーダシステムを使えない
控索(ガイライン)配置の関係上
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株式会社とされいほく 架線網計画の例
取組事例
高知県立森林技術センター(2015年2月26日)
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6.今後の架線集材取組に向けて
7.おわりに
(2)システム選択関係
安全な収穫(架線集材)作業を目指して
安全かつ、高能率な索張り方法を選ぶ
「索張りは言ってみれば、自分たちで
安全をひとつひとつ作って行くような
ものです。撤収は逆にひとつひとつ
外してゆくことになりますから、手順
が重要になります」
タワーヤーダ関係
けん引式
何でけん引移動するか?
フォワーダ搭載型
タワーの垂直あわせは?
全国林業改良普及協会
「林業現場人 道具と技7」
ズバリ架線がわかる 現場技術大図解
P.46 香美森林組合(植田技術員班長)
より
架線集材は、横取り→荷揚げ→実搬送(実搬器走行)の過程で
地曳き・半地曳き・空中と、集材の形態が変化します。
特に、横取りや実搬送時の地形の変化から起こる集材木の滑り、
地切り後に発生する荷振れの現象を理解し、減速運転等を行い
架線に衝撃を与えないことが重要です。
トラック搭載型
機動力はあるが、維持費(車検・保険)が必要
免税軽油は使えるのか?
集材能力の大小
太い主索をもつタワーヤーダは吊り上げ荷重も高く
高性能に思えるが、その分中間サポートを含め
先柱や控索固定に高い耐久性を求められる
大径材の集材は、その質量を把握するとともに、林内での造材が
必要となってきます。
従って、林内作業者については、チェーンソーテクニックを更に向上
させてゆく必要があります。
架設撤去にかかる労力と時間が多くかかる
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取組事例
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取組事例
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