GFT FX/CFD モーニング・コメント-18 日の市場展望-

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2011 年 4 月 18 日
GFT FX/CFD モーニング・コメント-18 日の市場展望-
GFT シニアエコノミスト 前川 明
①
18 日の市場展望:株価上値重い展開か-前週末オーバーナイトでは米株価上昇、円小動き
・
為替相場プレビュー:ドル円上値重い展開か、前週末オーバーナイトでドル主要通貨に強含み-ニュージ
・
・
ーランドで CPI、米 FRB 当局者講演
日経平均プレビュー:株価上値重い展開か-前週末オーバーナイトでは米株価上昇、円小動き
商品相場プレビュー:前週末オーバーナイトの米原油 3 日続伸、米金 3 日続伸最高値-アジアでの原
油、金上値重い展開か
(本日及び今週の主要な市場の材料一覧は 4-5 ページ参照)
15 日のオーバーナイトの市場
出所:ブルームバーグ、債券に関しては前日比利回り差
②
15 日オーバーナイトの米金融市場:株価上昇、債券大幅反発、円小動き、原油 3 日続伸、金 3 日
続伸最高値
15 日のオーバーナイトの米金融市場では、株式相場は上昇(S&P500 ベース)。債券相場(10 年債ベー
ス)は大幅反発した。株式市場では米鉱工業生産やミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上振れ
たことなどが強気を支えた。しかし、グーグルの予想を下回る業績などが一部テクノロジー銘柄の下落
へとつながり、上値は限られた。一方で、債券市場では、米コア消費者物価指数(エネルギー・食品を
除く)が市場予想を下振れたことなどが強気な見方につながり、相場は上昇した。エバンス・シカゴ連
銀総裁が米金融政策変更に慎重な見方を示したことも支援材料。為替市場でのドル相場は、主要通貨に
対して東京終値比強含み。対円では、米利回りの低下などが USD の重しとなったが、オーバーナイトで
83 円台を割ることはなく、東京終値比小高く引けた。原油市場では、中国の上振れた GDP や鉱工業生
産に加えて、米国での経済指標が総じて、市場予想を上回ったことから強気な地合いが継続した。金市
場では、ユーロ圏での財政問題に対する懸念の高まりや原油価格の高止まりを受けたインフレ警戒感な
どを背景としたリスク回避需要が相場を支援。再び、最高値を更新した。
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③
18 日の相場の展望
2011 年 4 月 18 日
A. 為替相場:ドル円上値重い展開か、前週末オーバーナイトでドル主要通貨に強含み-ニュージーランド
で CPI、米 FRB 当局者講演

15日のオーバーナイトの為替市場では、USDは東京終値比で主要通貨に総じて強含
み(各通貨の東京終値比の変化率は1ページ表参照)。対EURでは、格付け会社のア
イルランドの格付け引き下げなどを背景にユーロ圏の財政危機に対する警戒感が一
段と高まり、USDの追い風になった。もっとも、根強い欧州中央銀行(ECB)の追加
利上げ観測で上昇余地は限られ、値動きは前日のレンジ内での取引だった。対JPY
では、米利回りの低下などがUSDの重しとなったが、オーバーナイトで83円台を割
ることはなく、東京終値比小高く引けた。対GBPでは、USDは小幅高だったが、前日
のレンジ内での値動きだった。資源通貨は対USDで東京終値比で堅調(各通貨の東
京終値比の変化率は1ページ表参照)。原油価格の一段高など、リスク許容度の拡
大などが相場を支えた。AUDは4月11日(高値1.0580)以来の高値1.0578まで買われ
た。CADは一時2営業日振り(4月13日)の高値まで上昇。NZDは一時2008年4月(高
値=0.8033)以来の高値水準まで上げる場面もあった。

本日18日の為替市場では、USD/JPYは引き続き、上値の重い展開を予想する。前週
末オーバーナイトでは、米利回りが低下したことなどがUSDの重しとなったが、オ
ーバーナイトの下値は83円台を割ることはなかった。本日の東京市場では、主要な
経済指標の発表は予定されていない。本日東京でのUSD/JPYは、前週末のオーバー
ナイトでの米利回りの低下などを背景に上値の重い展開となる可能性がある。しか
し 、根強 い日 米 金 利 差 拡 大 観 測 が 下 支 えし 、 下値は 限られ ると みる 。 本 日 の
USD/JPYの予想レンジは83円台後半―82円台後半。米国で発表される主要な指標は
NAHB住宅市場指数(市場予想:水準が横ばい)のみ。米当局絡みでは、フィッシャ
ー・ダラス連銀総裁やブラード・セントルイス連銀総裁が講演を予定している。両
氏では、フィッシャー氏が現状のFOMCで投票権を持つ。その他の通貨に関する主要
な手掛かり材料では、中国で不動産価格指数(同:NA)、ユーロ圏で消費者信頼感
指数(同:水準が小幅に悪化)、ニュージーランドで消費者物価指数(同:前年比
の伸びが加速)などが発表される。
B. 日本株式相場:株価上値重い展開か-前週末オーバーナイトでは米株価上昇、円小動き

15日の米国の株式相場は、上昇(S&P500指数ベース)(各主要株価指数の前営業日
比の変化率は1ページ表参照)。鉱工業生産やミシガン大学消費者信頼感指数が市
場予想を上振れたことなどが強気を支えた。しかし、グーグルの予想を下回る業績
などが一部テクノロジー銘柄の下落へとつながり、上値は限られた。上昇したセク
ターは公益(同+1.11%)、ヘルスケア(同+0.91%)、石油・ガス(同+0.90%)
な ど 。 一 方 で 、 下 落 し た セ ク タ ー は 、 テ ク ノ ロ ジ ー ( S&P500 銘 柄 ベ ー ス で 0.51 % ) 。 個 別 銘 柄 に 関 し て は 、 上 昇 し た 公 益 で は 、 セ ン プ ラ ・ エ ナ ジ ー
(+1.82%)、デューク・エナジー(+0.88%)などの複合公益銘柄が上げた。ヘル
2
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スケアでは、メルク(+1.92%)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(+0.90%)な
どの医薬銘柄が買われた。石油・ガスでは、エクソンモービル(+1.02%)、シェ
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ブロン(+1.30%)などの総合石油・ガス銘柄が上昇した。一方で、下落したテク
ノロジーでは、グーグル(-8.26%)、ヤフー(-0.42%)などのインターネット銘
柄の一角が下落した。

本日 18 日の日本の株式相場は上値の重い展開を予想する。前週末オーバーナイト
での米株式市場では、米鉱工業生産やミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を
上回り、地合いが改善。相場は上昇した。しかし、下振れたグーグルの決算などを
受けた一部テクノロジー銘柄の下げで上昇余地は限られた。一方で、対ドルでの円
相場は、米利回りの低下などが下支え要因となったが、上値は重かった。本日の日
本の株式市場では、米株価の上昇などを背景に若干強含んで寄り付く可能性がある
とみる。その後は、原油価格の高止まりや震災の影響などを受けた企業業績の不透
明性などを背景に上値の重い展開となるとみる。前週末の上振れた中国の CPI など
を背景に中国は週末、預金準備率の引き上げを発表しており、追加利上げ観測の高
まりで中国の株式相場が下落すると、日本の株式相場の地合いが悪化するリスクが
あるとみる。原発関連ニュースは引き続き、リスク要因。オーバーナイトの米国で
は、シティーグループ、テキサス・インスツルメンツなどが決算を発表する。
C. 商品相場:前週末オーバーナイトの米原油 3 日続伸、米金 3 日続伸最高値-アジアでの原油、金
上値重い展開か

原油相場:15 日のオーバーナイトでの米原油相場は 3 日続伸(NYMEX の原油先物中心限
月物の前営業日比変化率は 1 ページ表参照)。中国の上振れた GDP や鉱工業生産に加え
て、米国でのミシガン大学消費者信頼感指数や鉱工業生産が市場予想を上回ったことか
ら強気な地合いが継続した。本日のアジアでの原油相場は上値の重い展開を予想する。
原油価格の高止まりを受けた根強い原油需要減少観測が相場の頭を抑える可能性がある
とみる。前週末の中国の上振れた CPI を受けた追加利上げ観測の高まりで中国株価が下
落すると、原油相場の弱気につながるリスクもあると考える。もっとも、中東・北アフ
リカ情勢混乱の長期化懸念を背景とした原油供給不安で引き続き、下値は底堅いとみる。

金相場:15 日のオーバーナイトでの米金相場は 3 日続伸(COMEX の金先物中心限月物の
前営業日比変化率は 1 ページ表参照)。格付け会社のアイルランド格付け引き下げなど
を受けたユーロ圏での財政問題に対する懸念の高まりや原油価格の高止まりを受けたイ
ンフレ警戒感などを背景としたリスク回避需要が相場を支援。最高値を更新した。本日
のアジアでの金相場は上値の重い展開を予想する。前週末のドルの総じた堅調さを背景
に、最高値更新の達成感から利益確定の売りも出やすく、上昇余地は限定的とみる。し
かし、前週末の上振れた中国の CPI を受けた中国での追加利上げ観測で中国株価が大幅
下落となると、リスク回避需要で一段高となる可能性もある。
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④ 18 日の市場の主要な材料
1
1出所=ブルームバーグ。
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⑤ 今週の市場の主要な材料
2
2出所=ブルームバーグ。
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