欧州の自動車安全性:2009年から、新評価システムを採用

2016/4/5
欧州の自動車安全性:2009年から、新評価システムを 採用 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
欧州の自動車安全性:2009年から、新評価システムを採用
日本の自動車アセスメントも、サイドカーテンエアバッグを評価対象に追加
2008.12.26 No.740
Euro NCAP:2009年からの新評価システムで、全分野の性能向上を促進
Euro NCAP:初の後面衝突 (むち打ち症) 試験で、8割のモデルが改善必要
日本の自動車アセスメントも、サイドカーテンエアバッグを評価対象に追加
要 約
欧州で自動車の安全アセスメントを実施しているEuro NCAP (European New Car Assessment Programme) は、
2009年から新評価システムを採用する。
従来のアセスメントでは、成人乗員保護、乳幼児保護、歩行者保護の3分野の評価それぞれを、星の数で示してい
た。Euro NCAPは、この方法では、自動車メーカーの努力が、消費者にアピールする成人乗員保護性能の向上に
偏りやすいとしている。
新評価システムは、新たに安全支援という分野も加え、4分野の評価を合わせて1つの総合評価を発表する。高い総
合評価を獲得するには、全 4分野で高い評価を得ることが必要となる。
新評価システムでは、むち打ち症に対する保護性能を評価するため、前席シートに対する後面衝突試験も実施し、
その評価を成人乗員保護評価に組み込む。2008年11月に発表された初の後面衝突試験結果では、8割のモデル
が改善の必要ありとする評価を受けている
国土交通省が実施する日本の自動車アセスメントも、2008年度からサイドカーテンエアバッグの展開状況の評価を
追加し、前期は当該装置を装着した2車種の評価を実施した。ただし、日本メーカーが国内販売している乗用車のサ
イドカーテンエアバッグの標準装備率は、Toyota/Lexus ブランドを除いて、極めて低い水準にとどまっている。
Euro NCAP:2009年からの新評価システムで、全分野の性能向上を促進
Euro NCAPは、従来の衝突安全性アセスメントの評価システムでは、成人乗員保護の安全性能向上は進んでも、乳
幼児保護と歩行者保護の安全性能向上を促進する効果が不十分として、新評価システムを2009年から採用する。
新評価システムでは、新たに安全支援という分野も加え、ESC等の予防安全技術の採用状況も評価対象とする。評
価対象モデルについて、4分野の評価を総合して、1つの総合評価を星の数で発表する。全 4分野で高い評価を得
ないと、高い総合評価が得られないため、すべての分野の安全性能向上への、自動車メーカーの努力が期待できる
としている。
Euro NCAP:衝突安全性アセスメントの新評価システムを 2009年から採用
Euro NCAP は 1997年に設立されたが、当初は衝突安全性アセスメントの成人乗員保護性能で、満点の 5つ
星を獲得するのは不可能とも考えられていた。しかし、10年後の 07年には評価した 34モデル中、33モデルが
経 4つ星か 5つ星を獲得した。
緯 しかし、歩行者保護評価では、満点の 4つ星を獲得したモデルは 1つもなく、23モデルは 2つ星にとどまって
いる。Euro NCAP は、自動車メーカーの努力が、消費者にアピールする成人乗員保護性能の向上に偏って
いるとして、他の保護性能の向上も促す内容の新評価システムを09年から導入する。
新評価システムは、各モデルについて総合評価を 1つだけ発表する (満点は 5つ星)。この総合評価は、成人
乗員保護、乳幼児保護、歩行者保護という従来の 3分野に、新分野の安全支援 (Safety Assist) を加えた 4
新 分野の評価を総合した評価となる (各分野に付与された評価=従来の分野別総合評価を参照することは可
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評 能)。
価
シ Euro NCAPは、新評価システムはメーカーに対しては従来よりも厳しくかつ包括的となり、消費者に対してはよ
ス り簡潔で分かり易い車選びの指針になる、としている。
テ 新分野の安全支援では、ESC 等のドライバー支援システムと、予防安全技術 (active safety technology) を
ム 評価対象とする。新評価システムで高い総合評価を獲得するには、すべての分野で高い評価を得る必要があ
の るが、特に ESC については、当該モデルの大半のグレードで標準装備しないと 5つ星を得られない、としてい
内 る。
容 新評価システムでは、前席シートに対する後面衝突 (むち打ち症) 試験の評価も、成人乗員保護評価に新た
に組み込まれる。
Euro NCAPは 2009年 2月に、新評価システムによる最初の試験結果を発表する。
資料:Euro NCAP Press Release 08.8.27/08.11.5
Euro NCAP:成人乗員保護と、乳幼児/歩行者保護性能のギャップ (2008年11月発表評価)
成人乗員保護
乳幼児保護
歩行者保護
Front and Side
Child Protection
Pedestrian
Impact Rating
Rating
Protection Rating
Alfa Romeo MiTo
★★★★★
★★★☆☆
★★☆☆
Dacia Sandero
★★★☆☆
★★★★☆
★☆☆☆
Ford Fiesta
★★★★★
★★★★☆
★☆☆☆
Ford Ka
★★★★☆
★★★☆☆
★★☆☆
Peugeot 308CC
★★★★★
★★★☆☆
★★☆☆
Renault Megane
★★★★★
★★★★☆
★★☆☆
VW Golf
★★★★★
★★★★☆
★☆☆☆
Honda Accord
★★★★★
★★★★☆
★☆☆☆
Opel/Vauxhall Insignia
★★★★★
★★★★☆
★★☆☆
Large MPV
Mercedez-Benz Viano
★★★★☆
★★★☆☆
★☆☆☆
Small Off-Road 4x4
Volvo XC60
★★★★★
★★★★☆
★★☆☆
Pick-up
Ford Ranger
★★☆☆☆
★★★☆☆
★★☆☆
セグメント
モデル
Supermini
Small Family Car
LargeFamily Car
資料:Euro NCAP Press Release 08.11.26
(注)Euro NCAP が08年11月に発表した、通常の衝突安全性アセスメント。
分野別の性能ギャップを示すための発表ではない。
Euro NCAP:初の後面衝突 (むち打ち症) 試験で、8割のモデルが改善必要
Euro NCAPの新評価システムには、衝突傷害のひとつである、むち打ち症を防止するシートやヘッドレストの開発を
促進するため、前席シートに対する後面衝突 (むち打ち症) 試験も、成人乗員保護評価に新たに組み込まれる。
Euro NCAPが2008年11月に初めて発表した後面衝突試験結果では、評価対象 25車種のうち 8割で、前席シート
やヘッドレストに改善の必要があるとされた。改善の必要ありとされたモデルには、従来の衝突安全性アセスメントの
成人乗員保護評価で満点を獲得したモデルもあるが、新評価システムでは、満点を取れなくなる可能性があるとして
いる。
Euro NCAP:後面衝突 (むち打ち症) 試験導入の背景
むち打ち症は、交通事故による傷害の約 65% を占めるとされるが (European Traffic Safety Council によ
経
緯
る)、診断/治療が難しく、欧州全体で年間数 10億Euro の医療費を要している。むち打ち症は前面/側面衝突
でも生じるが、都市部での低速/後面衝突で生じる頻度が高い。そこで、Euro NCAP は、衝突試験プログラム
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に、新たに後面衝突試験を組み込むこととした。
試 むち打ち症のメカニズムはまだ完全には解明されていないが、シートとヘッドレストのデザインが、被害の大きさ
験 に影響を与えることは明白である。Euro NCAP は、シートの幾何学的形状評価と (Geometric Assessment:
内 ヘッドレストの大きさ・形・乗員頭部との距離等)、低・中・高の 3段階の衝撃を与えた場合のダミー人形の動き
容 を見る動的試験を組み合わせて評価する。
Euro NCAP は、08年に衝突試験を実施した 25車種の前席シートについて初の後面衝突 (むち打ち症) 試験
を実施し、結果を08年11月に発表した。25車種のうち最高評価の Good を獲得したのは 5車種のみで、12車
種は Marginal (適用範囲内) で改善余地があり、8車種は Poor で大幅な改善が必要と評価された。
試
験
結
果
Poor 評価の 8車種のうち、3車種は 2008年衝突安全性アセスメントの成人乗員保護評価では満点の 5つ星
を獲得している。09年からの新評価システムでは、後面衝突試験の評価が成人乗員保護評価に組み込まれる
ため、これらの車種は最高評価を得られなくなる可能性がある。
Marginal 評価の 12車種は、何らかのむち打ち症対策を施しているが、十分ではない。また、高価格モデルの
評価が高いとは限らない。例えば、BMW X3 や Mercedes-Benz M-Class が搭載する Proactive ヘッドレス
トは、コストに見合う効果をあげているとは言えない。
新
評
価 Euro NCAPは 09年 2月に、後面衝突試験を組み込んだ新評価基準による最初の試験結果を発表する。
基
準
資料:Euro NCAP Press Release 08.11.26
Euro NCAP:2008年11月に発表した後面衝突 (むち打ち症) 試験結果
シートの高さ調節
衝撃の強さ
ヘッドレスト
Geometric
のタイプ
Assessment
高
中
低
Score
Volvo
XC60
手動, 無段階
Passive
0.96
1.91
3.00
2.88
3.5
Alfa Romeo
MiTo
手動, 無段階
Reactive
0.88
2.50
2.36
2.47
3.3
VW
Golf
手動, 無段階
Passive
1.00
2.51
2.05
2.53
3.3
Audi
A4
手動, 無段階
Passive
0.60
2.35
2.59
2.13
3.2
Opel/Vauxhall
Insignia
電動, 無段階
Passive
1.00
2.35
1.94
2.15
3.1
Renault
Koleos
手動, 無段階
Passive
0.59
2.40
2.64
2.44
2.9
Lancia
Delta
手動, 無段階
Reactive
0.76
1.98
1.82
1.64
2.6
BMW
X3
手動, 無段階
Proactive
-0.15
2.48
2.26
2.11
2.4
Renault
Kangoo
手動, 無段階
Passive
0.53
1.75
2.44
2.02
2.4
Renault
Megane
手動, 無段階
Passive
1.00
1.45
0.89
2.19
2.4
Honda
Accord
手動, 無段階
Reactive
0.44
1.90
2.20
1.67
2.3
Skoda
Superb
手動, 無段階
Passive
0.68
2.43
1.33
1.66
2.2
Hyundai
i30
手動, 無段階
Reactive
0.67
0.94
2.01
2.47
2.2
Ford
Fiesta
手動, 無段階
Passive
0.47
1.75
1.87
1.97
2.2
SEAT
Ibiza
手動, 無段階
Passive
0.32
2.19
1.24
1.64
2.2
M-Benz
M-Class
電動
Proactive
Dacia
Sandero
手動, ノッチ式
Passive
0.19
1.06
1.79
1.30
1.6
Daihatsu
Cuore
調整不可
Passive
0.00
2.21
2.09
1.73
1.1
Citroen
Berlingo
手動, ノッチ式
Passive
0.13
0.53
1.24
0.98
1.0
Hyundai
i10
調整不可
Passive
-0.41
1.17
0.00
1.81
0.9
Citroen
C5
手動, 無段階
Passive
0.14
0.47
0.44
0.51
0.6
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n.a.
1.8
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Ford
Kuga
手動, 無段階
Passive
-0.09
0.24
0.71
0.36
0.4
Suzuki
Splash
手動, 無段階
Passive
-0.34
0.00
0.00
0.00
0.0
Peugeot
308CC
手動, 無段階
Passive
-0.23
0.00
0.00
0.00
0.0
Daihatsu
Terios
手動, 無段階
Passive
-0.14
0.00
1.46
1.63
0.0
(注) ヘッドレストのタイプの Reactive は、衝突時にヘッドレストを自動的に適切なポジションに変えるタイプ。
1. Proactive は、センサーにより衝突が避けられないと検知すると、衝突前にヘッドレストを適切なポジションに変
えるタイプ。
2.Geometric Assessment の点数は +1.00 から -1.00 まで。
3.シートに高・中・低の衝撃を与える動的試験は、各試験について満点は 3.00。
Euro NCAP が2008年11月に発表した後面衝突試験対象 25車種のシートとヘッドレストの特長
ヘッドレストの調整
セグメント
(Euro NCAP の記述)
高さ
シートとヘッドレストの特長
(各社資料)
角度
Whiplash Protection System (WHIPS):
後部衝撃吸収リクライニング機構付フロン
Volvo XC60
Small
トシート。追突時にフロントシートがリクライ
固定
Off-Road 4x4
ニング状に移動することにより、バックレス
ト全体で衝撃エネルギーを吸収し、脆弱な
頸部を守る。
Alfa Romeo MiTo
VW Golf
Audi A4
Supermini
Small
Family Car
Large
Family Car
Reactive
ロック無し
調整不可
Anti-whiplash front seats を採用。
Whiplash-optimised head restraints:衝
Standard
調整不可
突時にヘッドレストが自動的に前方に移動
し、乗員の頭部の移動距離を抑制する。
Anti-whiplash seat:シートを構成する発
Standard
調整不可
泡体が後突のエネルギーを吸収し、乗員
の頭部と頸部を支える。
シート位置の調節幅が広く、高さは
65mm、前後は 270mm 調節可能。標準装
備の active head restraint は、4方向に
Opel/Vauxhall
Large
Insignia
Family Car
Standard
調整可能
ロック無し
調節可能。後突時に乗員の腰がシートの
背もたれに押し付けられると、ヘッドレスト
は自動的に前方に移動し、乗員の頭部が
後方に移動するのを防ぐ。ヘッドレストは
乗員の頭と接触した位置で、自動的にロッ
クする。(注2)
Renault Koleos
Lancia Delta
BMW X3
Renault Kangoo
Small
Off-Road 4x4
Standard
調整可能
ロック無し
Large
Reactive
Family Car
ロック無し
Small
Proactive
調整可能
Off-Road 4x4
ロック付き
ロック付き
Small MPV
Standard
調整不可
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調整不可
運転席シートは高さ調節が可能。
特記事項なし。
Crash-activated headrest:後突を検知
すると前方に最大 60mm、上方に最大
40mm 移動して、乗員頭部に近づく。
ヘッドレストは全方向の調節が可能 (fully
adjustable)。
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Anti-whiplash front headrests を採用。
Renault Megane
Small
Family Car
Standard
調整不可
ヘッドレストは全方向の調節が可能 (fully
adjustable)。運転席シートは高さ調節が
可能。
フロントアクティブヘッドレスト:後方からの
衝突時、乗員の体がシートバックを強く押
Honda Accord
Large
Reactive
Family Car
ロック無し
調整不可
すと内蔵しているリンク機構が作動。ヘッド
レストを持ち上げながら前傾させ、適切な
位置へ移動させて頚部にかかる負担を大
幅に軽減する。
Skoda Superb
Hyundai i30
Large
Family Car
Small
Family Car
Standard
調整不可
調整可能
Reactive
ロック付き
前席シートはランバーサポート付きで、高
さ調節が可能。
ヘッドレストは高さ・左右が調節可能。
Ford Fiesta
Supermini
Standard
調整不可
ヘッドレストは 2方向に調節可能。
SEAT Ibiza
Supermini
Standard
調整不可
運転席シートは高さ調節が可能。
Mercedes-Benz
Large
Proactive
調整可能
M-Class
Off-Road 4x4
ロック付き
ロック無し
Dacia Sandero
Supermini
Daihatsu Cuore
Supermini
Standard
調整不可
Citroen Berlingo
Small MPV
Standard
調整不可
Hyundai i10
Supermini
Standard
調整不可
Citroen C5
Ford Kuga
Suzuki Splash
Peugeot 308CC
Daihatsu Terios
Large
Family Car
Small
Off-Road 4x4
Supermini
Standard
移動し、乗員の頸部を支える。
調整可能
ロック無し
特記事項なし。
Standard
調整不可
Standard
調整不可
固定
Family Car
Off-Road 4x4
後面衝突時、自動的に上方および前方に
固定
Small
Small
Neck-Pro active head restraints:前面・
Standard
調整不可
資料:Euro NCAP 広報資料, 各社の新車発表資料, 08年12月中旬の各モデルの On-Line Catalog
(注) ヘッドレストのロックは、調整可能なヘッドレストが、調整位置から外れて下方や後方に動くのを防ぐ機構。ロック
1. 機構は、水平調整と垂直調整の両方に設定可能。
2.Euro NCAP は、Insignia のヘッドレストについて、Passive かつロック無しとしている。この相違は、テスト時期
や仕様の違いに基づくと思われる (テスト車は、Opel Insignia 2.0 diesel 'Essentia', LHD)。
Activeヘッドレスト:BMW, Daimler, Hyundai, Honda 等の標準装備率が急上昇
Euro NCAPが2009年から衝突安全性アセスメントに組み込む後面衝突 (むち打ち症) 試験では、前席シートのヘッ
ドレストの形状や機能も評価対象となる。
参考までに、むち打ち症を軽減するための新しい装備である Active ヘッドレストの欧州市場での設定状況をみる
と、最近時点での標準装備率は25% 前後 (日本ブランド車は40% 弱)。2005年に 20% 超に達して以降、大きな変化
はないが、Make Group 別では、BMW, Daimler, Hyundai, Honda の標準装備率が急上昇している (JATO
Dynamics 社資料)。
なお、Euro NCAPが2008年11月に発表した初の後面衝突試験の結果では、Active ヘッドレストを装着したモデル
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で Poor 評価を受けたモデルはないが、Good からMarginalまで、評価はばらついている。
主要 19 Make Group が西欧 5ヶ国で新車販売した乗用車の前席 Active ヘッドレスト設定 (台)
設定比率
2006年
BMW
Daimler
VW
Porsche
オプション
2008年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
1,075
60,548
136,104
0.1%
0.1%
0.2%
8.7%
25.6%
466,494
488,314
391,357
5.6%
44.5%
57.7%
60.0%
63.0%
1,162,117
959,863
518,215
35.9%
50.9%
47.7%
40.2%
28.5%
PSA
363,763
294,789
151,959
22.3%
23.3%
19.5%
15.7%
10.5%
Renault
46,963
62,144
75,737
0.0%
0.8%
3.6%
4.9%
7.7%
Fiat
74,281
70,132
60,332
0.0%
1.9%
6.0%
5.3%
6.1%
GM
335,478
388,421
295,187
23.1%
22.9%
26.0%
30.1%
31.8%
Ford
234,056
241,006
186,758
19.6%
19.1%
17.9%
18.3%
18.7%
Chrysler
標準装備
2007年
Hyundai
44,029
110,217
87,817
0.8%
1.8%
11.8%
32.5%
40.1%
Toyota
305,497
255,974
n.a.
30.5%
33.3%
47.2%
38.5%
n.a.
Nissan
166,692
155,482
153,437
50.1%
56.2%
56.1%
56.9%
65.7%
Honda
69,037
107,689
85,478
0.0%
1.3%
34.1%
49.8%
56.7%
Mazda
48,171
40,989
31,562
31.8%
27.7%
26.2%
24.2%
23.6%
Mitsubishi
Isuzu
Subaru
22,627
18,483
13,062
78.4%
82.4%
87.1%
84.3%
75.6%
Suzuki
15,621
7,754
2,908
10.4%
12.3%
10.9%
4.8%
2.5%
Total
3,355,901
3,261,805
2,189,913
17.7%
23.6%
25.8%
25.0%
23.5%
日本ブランド
627,645
586,371
286,447
28.5%
30.0%
38.7%
36.1%
39.7%
BMW
61,075
35,445
2,702
12.6%
9.9%
9.3%
5.1%
0.5%
Daimler
46,452
44,599
12,682
0.0%
1.5%
5.7%
5.5%
2.0%
VW
35,845
30,807
22,723
0.3%
1.4%
1.5%
1.3%
1.3%
Fiat
178,803
205,560
160,380
0.0%
2.0%
14.5%
15.6%
16.3%
GM
472,494
361,279
215,674
49.1%
44.9%
36.6%
28.0%
23.3%
0
0
52
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
Nissan
26,447
17,132
17,720
1.5%
4.2%
8.9%
6.3%
7.6%
Total
821,116
694,822
431,933
5.5%
5.8%
6.3%
5.3%
4.4%
日本ブランド
26,447
17,132
17,720
0.4%
0.9%
1.6%
1.1%
1.5%
Hyundai
資料:JATO Dynamics 社
(注) 西欧 5ヶ国は、英国/ドイツ/フランス/イタリア/スペイン。設定比率は乗用車の総販売台数比。オプションは、設
1. 定対象台数で、実搭載台数ではない。
2.2008年は、ドイツ/イタリアは 1-9月、英国/フランス/スペインは 1-10月。また、2008年の Toyota はn.a. で、
Total と日本ブランドの標準装備台数/標準装備率は Toyota を除いた値。
3.本表の無断転載を禁じます。転載にはJATO Dynamics 社の許諾が必要となります。
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欧州の自動車安全性:2009年から、新評価システムを 採用 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
日本の自動車アセスメントも、サイドカーテンエアバッグを評価対象に追加
国土交通省が実施する日本の自動車安全アセスメントも、側面衝突試験時のサイドカーテンエアバッグの展開状況
の評価を、2008年度から新たに追加した。
2008年度前期の自動車アセスメント結果では、評価対象 7車種のうち、サイドカーテンエアバッグ装着車が試験車と
なったのは、トヨタのカローラルミオンとヴェルファイア/アルファードの2車種。この2車種は、側面衝突試験時のエア
バッグの展開範囲・状況も基準に適合しているとして、衝突安全性能総合評価の得点に "+" が追記された。トヨタは
07年7月末以降、新型車にカーテンエアバッグと前席サイドエアバッグを標準装備している。
日本の自動車アセスメント評価結果 (2008年度前期)
(注) 試験車は、最も売れ筋のグレード/仕様車。発売年月はテスト対象仕様車の発売年月で、
新モデルとしての発売年月あるいはモデルチェンジ年月とは異なる場合がある。
モデル名の*マークは、メーカー希望による試験対象車種。
歩行者
衝突安全性能総合評価
発売年月
車種区分
頭部
運転席
スズキ
ダイハツ
パレット
タントカスタム,
タント
助手席
保護性能
2008年 1月
軽自動車
★★★★★☆
5
★★★★★☆
5
4
2007年12月
軽自動車
★★★★★☆
5
★★★★★★
6
3
トヨタ
カローラルミオン
2007年10月
乗用車A
★★★★★★
6+
★★★★★★
6+
4
スバル
フォレスター
2007年12月
乗用車B
★★★★★★
6
★★★★★★
6
5
2008年 5月
1 Box
★★★★★★
6+
★★★★★★
6+
5
トヨタ
ヴェルファイア,
アルファード
ホンダ
フリード
2008年 5月
1 Box
★★★★★★
6
★★★★★★
6
4
日産
デュアリス*
2007年 5月
乗用車B
★★★★★★
6
★★★★★★
6
4
資料:国土交通省「自動車アセスメント2008年度前期評価結果」
(注) 乗用車 A は排気量 1500cc 以下、B は 1500cc 超 2000cc 以下で、1Box/ミニバンを含まない。1Box/ミニバ
1. ンは座席が 3列以上。
2.衝突安全性能総合評価の数字の右に表示している "+" は、試験車にサイドカーテンエアバッグが装着され、か
つ、側面衝突試験において同エアバッグの展開範囲および展開状況が基準に適合していることを示す。
3.サイドカーテンエアバッグは、側面衝突時に乗員の頭部を保護するもので、ルーフレール等に格納され、側面衝
突時に主に車体の A ピラーからルーフレールに沿って C ピラー付近まで展開する。
トヨタ:新型車全車にサイドエアバッグとカーテンシールドエアバッグを標準装備
2008年度前期の日本の自動車アセスメント評価対象となった、トヨタのカローラルミオンとヴェルファイア/アルファ
ードは、カーテンシールドエアバッグを標準装備している。
トヨタの SRS カーテンシールドエアバッグは、側面衝突時にセンサーが衝撃を感知し、サイドエアバッグとともに瞬
時に、サイドウィンドウと前席乗員の頭の間にカーテン状に展開する。前席乗員の頭部とピラーやサイドガラスとの
衝突による衝撃や、車両外部との衝突による衝撃を緩和するとともに、首の過度な屈曲を抑制する。トヨタは07年 7
月末以降の新型車全車に前席サイドエアバッグとカーテンシールドエアバッグを標準装備している。
資料:トヨタ広報資料
Toyota/Lexus ブランドだけが突出している、サイドカーテンエアバッグの標準装備率
日本の自動車メーカーが国内で新車販売した乗用車のサイドカーテンエアバッグの標準装備率は、2008年1~10月
で10% にとどまっている (JATO Dynamics 社資料。下表ではFront to rear roof airbag)。
http://www.marklines.com/ja/report/rep740_200901
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2016/4/5
欧州の自動車安全性:2009年から、新評価システムを 採用 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
新型車で標準装備化している Toyotaブランドは26.5% で、Lexusブランドは98%。この 2ブランドを除くとサイドカー
テンエアバッグの標準装備化はほとんど進んでいない (オプション設定率も、ほぼゼロ)。
なお、前席サイドエアバッグの標準装備率は13.6% で、新型車で標準装備化している Toyota ブランドが 31%、
Lexus ブランドは100%。この2ブランドを除くと、サイドカーテンエアバッグと同様に標準装備率は僅かだが、2ブラン
ドを除いたオプション設定率は30% 強に達している。
日本の自動車メーカーが国内で新車販売した乗用車の
Front to rear roof airbag と Front side airbag の Make 別設定状況
(台)
2006年
Front to rear
roof airbag
(標準装備)
Front to rear
roof
(オプション)
Front side
airbag
(標準装備)
Front side
設定比率
2008年
2007年
1-9月
2004年 2005年 2006年 2007年
Toyota
104,755
191,750
Lexus
29,559
33,927
Nissan
5,081
4,974
11,229
Honda
3,654
3,309
Mazda
2,209
Mitsubishi
6.7%
1-9月
5.8%
7.2%
14.0%
26.5%
94.8%
95.1%
97.5%
98.0%
2.8%
1.6%
0.8%
0.8%
2.3%
6,426
2.2%
0.7%
0.6%
0.6%
1.4%
1,232
97
5.9%
4.8%
1.0%
0.6%
0.1%
1,161
1,459
1,017 0.2%
0.6%
0.9%
0.9%
Daihatsu
142
130
100
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
Subaru
17
2,084
2,794
0.0%
0.2%
0.0%
1.4%
2.4%
Suzuki
8,368
9,593
6,512
0.3%
1.5%
1.8%
1.6%
Total
154,946
248,458
319,294
3.4%
2.8%
3.5%
6.0%
10.0%
Honda
271,347
2008年
19,772 3,266
954 0.6%
0.2%
Mitsubishi 974
2,315 0.6%
2.0%
Total
0
4,240
3,269
0.0%
0.0%
0.0%
0.1%
0.1%
Toyota
114,003
212,439
317,175
13.5%
6.5%
7.8%
15.5%
31.0%
Lexus
31,094
34,799
20,168
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
Nissan
21,709
15,698
23,120
6.7%
4.0%
3.4%
2.5%
4.8%
Honda
3,746
4,466
9,243
2.3%
0.7%
0.6%
0.8%
2.0%
Mazda
2,210
1,232
97
6.1%
4.8%
1.0%
0.6%
0.1%
Mitsubishi
1,161
1,342
710 0.2%
0.6%
0.8%
0.6%
Daihatsu
142
130
100
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
Subaru
333
2,300
5,531
10.0%
0.2%
0.2%
1.5%
4.7%
Suzuki
8,368
9,593
59,754 0.3%
1.5%
1.8%
14.2%
Total
182,766
281,999
435,898
6.8%
3.5%
4.2%
6.8%
13.6%
Toyota
1,151,662
1,008,678
601,781
57.3%
70.3%
79.1%
73.6%
58.8%
Lexus
Nissan
146,169
154,207
118,768
67.7%
33.5%
22.6%
25.0%
24.7%
Honda
391,662
282,198
178,100
63.1%
66.6%
60.2%
48.6%
39.0%
Mazda
156,244
151,161
129,411
69.4%
70.0%
71.5%
71.1%
74.8%
Mitsubishi
36,123
29,254
27,371
27.2%
20.1%
18.4%
17.3%
23.9%
Daihatsu
124,886
160,999
208,011
14.1%
27.3%
25.9%
32.7%
52.6%
airbag
(オプション)
http://www.marklines.com/ja/report/rep740_200901
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欧州の自動車安全性:2009年から、新評価システムを 採用 ­ マークラ イ ン ズ 自動車産業ポータル
Subaru
121,123
90,650
61,948
56.4%
73.6%
73.9%
59.5%
52.5%
Suzuki
34,708
15,456
8,734
4.8%
8.0%
6.4%
2.9%
2.1%
Total
2,162,577
1,892,603
1,334,124
49.1%
50.0%
49.3%
45.5%
41.7%
(注) 1.JATO Dynamics 社資料による。
2.オプションは設定台数で、実搭載台数を意味しない。設定比率は新車販売総台数比。
3.本表の無断転載を禁じます。転載にはJATO Dynamics 社の許諾が必要となります。
出典:マークラインズ
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http://www.marklines.com/ja/report/rep740_200901
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