第2土曜科学教室 ~ 世界一小さなリニアモーターカーを作ろう~ (1月 10 日実施) 茨木市教育センター 今回は、電磁石の性質を利用して進む工作物を作成することを通し て、その仕組みについて考えました。 1.電磁石の歴史について 現在では、あって当たり前となった「電気」ですが、人の手で自由に発生させることができるよう になったのはつい最近のことです。ボルタの電池の発明に始まり、エルステッドの電流の磁気作用の 発見、ファラデーの電磁誘導の発見へとつ ながります。 この電磁誘導の発見から、電気を運動エ ネルギーへ変換する仕組みを獲得すること ができ、逆に運動エネルギーを電気に変換 することができるようになり発電機が開発 されました。このことによりいつでもどこ でも電気製品を活用することができるよう になり、現在の生活が成り立っています。 引用:WikiPedia 2.ファラデーモーターの作成 ファラデーが発明したモーターの元祖ともいうべき仕組みを利用して、乾電池を利用した電気を 回転へとつなげる工作物を作成しました。 ① 釘を回転させる工作 釘の下にネオジウム磁石を取り付け、そこを通じて 回路を作成することで釘が勢いよく回転します。少し コツが必要ですが、参加者全員が回転させることがで きました。 ② アルミ線を回転させる工作 今度はやじろべえのような形のアルミ線が回転しま す。一見乾電池の上にアルミ線を載せただけに見えま すが、クルクルと回るすがたは不思議に見えます。 3.電磁石の仕組みを利用してブランコを揺らしてみよう。 導線を何十にも巻きたコイルと、その下に磁石を置 き、コイルに電気を流すことでブランコは動きます。 しかし、電気を流し続けた場合、このコイルはゆれる ことなく、片側に寄った状態で止まってしまいます。 タイミングよく電気の ON、OFF を繰り返すことによ りブランコは大きくゆれます。 電磁石は、電流の ON、OFF で磁力の有無を調整することができ、また電流の流し方によって N 極、S 極を変化させられることが大きな特徴になります。この特性を活かして作られているのがモー ターになります。 4.アルミで作るリニアモーターカー 一列に並べた磁石の上にアルミの棒を置 くことで、アルミの棒が一時的に磁力を得る ため緑の矢印の方向へ進みます。中学校で学 ぶフレミングの左手の法則を使うことで進 む方向について考えることができます。 5.銅の線とネオジウム磁石を利用したリニアモーターカー 乾電池、ネオジウム磁石、銅線を利用することでモーター も車輪も無いのに電池がぐんぐんと前に進んでいきます。銅 線を上手に巻くことが難しく、子どもたちと作成したもの は、勢いよく走るものはできませんでしたが電池がぐんぐん 進む姿は確認することができました。 6.大阪市内でも走っているリニアモーターカー リニアモーターカーは、 現在開発が進められて いる浮上し高速で走るものに目が向きがちです が、 浮上しないリニアモーターカーは大阪の地下 鉄として走っています。 長堀鶴見緑地線になりま す。 (正式名称:鉄輪式リニアモーターミニ地下 鉄) 7.まとめ リニアモーターカーといえば、現在、東京から名古屋間で開発が進められています。推進システム の仕組み、超伝導のコイルの導入といった最先端の技術を用いてあの高速走行が実現しています。大 阪まで沿線されるのはまだ先のこととなりそうですが、1時間で東京~大阪で往来する日が来るの は楽しみです。
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