SEMI News Vol. 28, No. 4 (2012年 10-12月号)

2012年(7月-12月)
10 月3 日(水)〜5日(金)
PV Taiwan
台北
10 月 9 日(火)〜11日(木)
SEMICON Europa
ドレスデン
11 月 4日
(日)
〜 7日
(水)
ITPC
(International Technology Partners Conference)
ハワイ
12 月5日(水)〜7 日(金)
PVJapan
幕張メッセ
12 月5日(水)〜7 日(金)
セミコン・ジャパン
幕張メッセ
SEMI News の広告スペースならびに
ダイレクトメールへの同封サービス販売のお知らせ
雑誌の電子化が進む昨今、SEMI Newsでは、紙媒体として会員の皆様ならびに関連
企業様の広告掲載の機会を設けるべく、低価格で、広告スペースならびにSEMI News
ダイレクトメールへの同封サービスの販売を行っています。
SEMI Newsは、年4回発行のSEMIジャパン機関誌で、SEMI会員様はじめ約1,500名
の業界関係の皆様方にご愛読いただいております。読者層は、業界のVIPならびに管
理職の方がほとんどです。
貴社の製品・技術・サービスをアピールする絶好の機会となります。
また、セミナーや
新製品の発表会のお知らせをダイレクトメールに同封することで、ターゲットを絞り
込んだプロモーションができます。貴社の宣伝活動にSEMI Newsをご活用ください。
(www.semi.org)
にてご確認ください。
詳細はWebサイト
Vol. 28, No. 4
お問合せ:SEMIジャパン マーケティング部 浦田 Email: [email protected]
2013年(1月-6月)
1 月30日(水)〜2 月1日(金)
SEMICON Korea / LED Korea
ソウル
3 月19日(火)〜21日(木)
SEMICON China / SOLARCON China /
FPD China
上海
3 月調整中
ハイテク・ユニバーシティ
熊本県
5 月7日(火)〜9日(木)
SEMICON Singapore
シンガポール
5 月21日(火)
・22 日
(水)
SEMI Forum Japan
グランキューブ大阪
・6日
(木)
6 月5日(水)
SEMICON Russia / SOLARC
ARCON Russia
モスクワ
6 月 19日(水)〜21日(金)
Intersolar Europe
PVJapan 2012、セミコン・ジャパン 2012同時開催
展示会入場登録受付中!
‐7日
(金)
に幕張メッセにおいて同
PVJapanとセミコン・ジャパンは、来る12月5日(水)
時開催となります。
入場はWebサイトからの登録制で、
開催当日まで登録が可能です。
11月19日(月)までに展示会入場登録をされた場合、入場バッジを郵送いたします。ご登
録の上、
ぜひご来場ください。
お問合せ:
セミコン・ジャパン運営事務局
Tel: 03.6812.8690 Email: [email protected]
PVJapan運営事務局
Tel: 03.6812.8694 Email: [email protected]
PVJapan 2012、セミコン・ジャパン 2012
7 月9日(火)〜11日(木)
SEMICON West / Intersolar NA
SEMI ジャパン
P.2
太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan 2012」開催へ
P.4
セミコン・ジャパン 2012開催へ:The Power of[x]
P.6
2012年度 SEMIスタンダード日本地区委員会主催プランニング会議から
P.8
太陽光発電の現状と今後
P.10 「第19回 STS Award」受賞論文紹介 2
PCRAM用PCMの研究開発動向
シリコンならびにSiC/GaNパワーデバイスの最新技術動向
P.16
開発秘話:Cell Broadband Engine
お問合せ:
SEMI ジャパン イベント受付
Tel: 03.3222.5993 Email: [email protected]
最近のプレスリリース
P.18
SEMIマーケット・レポート:次の黄金の年はいつくるのか
−2012年の失速は、2013年の記録更新の助走となるか?−
P.19
世界半導体製造装置出荷額の四半期推移・SEMI Book-to-Billデータ
P.20
半導体装置・材料業界合同会社説明会開催へ
P.20
SEMI新会員企業のご紹介
iii
コラム:日本の資源
www.semi.org/jp/News/
シリコンウェーハ出荷面積予測の発表
太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan 2012」
10月1日(月)より 入場登録受付開始
9月27日 「再生可能エネルギー世界フェア 2012」開催概要ご案内!
9月27日 セミコン・ジャパン 2012
10月1日(月)より 入場登録受付開始
9月11日 世界半導体製造装置統計発表
2012年第2四半期の出荷額は103億ドル
8月29日 「セミコン・ジャパン 2012」開催概要
12月5日(水)〜7日(金)、幕張メッセにて開催
8月29日 太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan 2012」開催概要
2012年12月5日(水)〜7日(金)、幕張メッセにて
8月14日 シリコンウェーハ出荷面積発表
2012年第2四半期のシリコンウェーハ出荷面積は増加
7月17日 太陽光発電産業の発展に向けてSEMIと米SEIAが
パートナーシップを締結
展示会入場登録受付中
PVJapan 2012
>>> www.pvjapan.org
セミコン・ジャパン 2012
>>> www.semiconjapan.org
〒102-0074 東京都千代田区九段南 4-7-15
Tel: 03.3222.5755 Fax: 03.3222.5757
SEMI OnLine:www.semi.org
Email:[email protected]
巻頭言:他業界の歴史を通してみるSEMIの役割
P.14
2012年
*予定は変更される場合があります
P.1
PVJapanとセミコン・ジャパンでは、展示会期間中、幕張メッセ展示会場内および国際
会議場において、
セミナーとレセプションを多数開催いたします。
有料、
無料にかかわら
ず、全てのセミナー、
レセプションは原則事前登録制です。お申込みはそれぞれのWeb
サイトで受付けております。
席数に限りがありますので、
お早めにお申込みください。
10月 9日
9月27日
台北
マイクロエレクトロニクス産業の最新情報は幕張から
最近のEHS関連SEMIスタンダード活動でのトピックス
7 月24日(水)〜26 日(金)
PVJapan
9 月 4日(水)〜 6日(金)
SEMICON Taiwan
ii
P.12
サンフランシスコ
東京ビッグサイト
Contents
セミナーとレセプションのお申込み受付中!
ミュンヘン
©2012 SEMI ジャパン
October-November 2012
SEMI News
Vol. 28, No . 4 2 012年 10 月 22 日発行(季刊) 発行人 : 中川洋一 / 編集人 : 浦田玉恵
表02̲28-04 12.10.16 11:46 AM ページ 1
マイクロエレクトロニクス産業の最新情報は幕張から
先日車中で、助手席の家人が、
「あれ、この信号機薄い!」と驚いていました。日ごろ世帯
主の威厳を示す機会が乏しい小生は、ここぞとばかり、
「これはLEDという半導体応用技術を
使っている新しい照明灯で、見えやすさ、省エネ・長寿命・軽量といいことずくめなんだよ」
と得
意顔で解説しました。しかし、それに対する家人の反応は、
「ふうん!」
と素っ気ないものであり
ましたが。
平成 18 年の警察庁資料によると、東京都の約 10 万の信号灯のうち約 4 万はLED 式となっ
ています。しかし、LED信号機は、電灯式よりかなり高価で、交換費用もかさむため、財政が
厳しい多くの自治体では交換があまり進まず、この年の全国平均は 13 %とのことです 注)。
今後、LED信号機の製作コストが抑えられ、その比率が増えていくことが期待されています。
SEMIジャパン 代表
中川 洋一
さて、SEMIは、来る12月5日〜 7日の三日間、千葉県幕張メッセにおいて、セミコン・ジャパ
ンとPVジャパンを同時開催いたします。
2013 年の世界の半導体設備投資は、史上最高の 427 億ドルに達すると予測されるマー
ケットで、30%近くのシェアを有する日本の半導体製造装置メーカーを中心に、セミコン・ジャパ
ン 2012には、世界から約 700 社・団体が出展されます。装置・材料関連展示に加え、今後
成長が期待されるLED、次世代技術、サプライチェーンなどのパビリオンを設け、変貌の過程
にある半導体マーケットについてのさまざまな情報が提供されます。
また、太陽光発電に関しては、今年7月に再生可能エネルギーの全量固定買取制度が始まり、
日本の市場はにわかに世界から注目されています。太陽光発電協会殿との共催であるPVジャ
パンでは、最新技術・市場情報を求めて世界から多くの来場者が期待されます。
これらふたつの展示会が、業界の一層の発展に寄与することを心から望んでおります。
注):警察庁、JLEDSによると、平成18年以降のデータ公開は行われていません。
参考:
「井出よしひろの県政情報」http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/030830led.htm
SEMI News • 2012, No.4
P01_28-04/44L 12.10.16 11:55 AM ページ 1
Contribution Article
他業界の歴史を通してみるSEMIの役割
−新米役員の所感−
今年から、Board of Directors
荏原製作所 代表取締役 社長
矢後 夏之助
定的な成長期に入っていると思われます。ユーザーの数が減り、
のメンバーとして、SEMIの活動に
装置メーカーが合併・吸収によってその数を減らしていく傾向
かかわることになりました。2006
が表れています。そのような流れの中で、SEMIの役割も変
年以降、半導体業界とは直接の
わっていかざるを得ないと感じています。
接点が希薄でしたので、業界に対する知識を更新する作業を行
オイルアンドガス業界の歴史とのアナロジーで半導体業界の
っているところです。まず、SEMICON Westとそれに続くBoard
将来について考えてみたわけですが、二つの業界が大きく異な
Meetingに出席し、SEMIの活動に対する現状認識と課題抽出を試
る点があります。それは技術が進歩する早さです。扱い方を誤
みたわけですが、その過程において、今半導体業界で起こってい
ると深刻な災害につながるため、実績があり規格化された技術に
ることと同じような流れを、過去に経験していることに気がつ
拘る、いささか保守的に見えるオイルアンドガス業界に対して、
きました。装置メーカーを含めた半導体業界で将来何が起こる
新しい技術をいち早く導入することで、製品競争力をつけていこ
かを予見する上で参考になるかもしれませんので、1970年代後
うとするのが半導体業界と言えます。この違いを端的に表してい
(石油・ガス製造)業界
半から2000年代前半にオイルアンドガス
るのが、業界の自主規格です。オイルアンドガス業界の典型的
で起こったことについてご紹介したいと思います。
(American Petroleum Institute Standard)
な規格であるAPI規格
1970年初頭から、日本のエンジニアリング会社(半導体業界
は、使用者側が中心となって、機器あるいは装置の設計について
における装置メーカーにあたります)
が、欧米から導入した技術
細かく規定しています。安全性と信頼性に力点を置かれた規格
を自身の技術として消化したうえで、欧米の大手エンジニアリ
ですから、新しい技術が使用される余地はあまり広くありませ
ング会社と中近東を中心に、石油・石油化学プラントの受注を争
ん。そのため、技術による差別化が難しく、新しいメーカーの参
い始めました。最初は、それほど付加価値の高くないプロジェク
入を難しくしており、寡占化が進み易い業界構造の一因になっ
トから始めて、徐々に上流側に進出し、いわゆる石油メジャーと
ているように思えます。それに対して、SEMI Standardsは、メーカ
言われる欧米の石油・ガス製造・販売会社
(半導体業界における
ーが主導し、技術そのものを細かく規定しようとするのではな
半導体メーカーに当たる)
との取引きを80年代から拡大してい
く、新しい技術の導入を進めようという意図に基づいて作られ
きました。90年代に入って、中近東における石油・石油化学プラ
ているように見えます。すなわち、新しいアイデアに基づいて新
ントに対する新規投資ブームが一服すると、業界の様相が徐々
技術を開発しようとする意欲のある参入希望者が、最小限満足
に変化を始めました。まず、石油会社の合従連衡が始まり、大き
しなければいけない決め事を定めた規格であると解釈できます。
なところが更に大きくなり、業界における数の淘汰が行われま
新しい技術を果敢に取り入れてきた半導体メーカーと、新し
した。客先の合従連衡に突き動かされるように、欧米のエンジニ
い技術の開発に挑戦し成功すれば比較的容易に参入が可能で
アリング会社は合併を繰り返します。日本でも、エンジニアリン
あった製造装置および材料メーカーの間に存在したシナジーによ
グ専業各社は強みを持つ技術に活路を見出し、近年にエンジニ
って発展してきた半導体業界がいま、寡占化 と 業界規格の整
アリング事業に参入した企業は事業撤退を選択することで、業
備 という、他の業界が通過してきた課題に遭遇しているように
界全体を巻き込んだ自然淘汰が進んでいきました。その後、一旦
思えます。新しい技術への果敢な挑戦で発展してきた業界が、
落ち着いていた業界地図が、2000年代に入って塗り替えられま
他の業界の歩んできた道を進むことで、その特徴を生かし続け
す。韓国のエンジニアリング会社の台頭です。韓国メーカーは、
ることができるのか、あるいは、まったく違う道を創造すること
グループの豊富な資金力と人的資源を活用して、中近東を中心
で発展を続けるのか、注意深く見つめるとともに、業界団体であ
として業界への浸透を急速に図ります。日本メーカーは、強みを
るSEMIがどうあるべきかを考え直すタイミングになっているの
持つ分野に集中して、韓国メーカーと真っ向から当たることを
かもしれません。特に規格については、新しい技術の導入が容
回避する戦略を実行しているようですが、今、新たな競合先が登
易となるように、がんじがらめに細部まで規定するのではなく、
場しています。中国のエンジニアリング会社が、海外での資源確
最小限抑えるべき点は何なのかを明瞭に示すガイドラインとし
保という国策に沿って、海外でプロジェクトを受注するという
て、維持する必要があるでしょう。新たな参入者を排除するので
例が見られるようになりました。半導体産業も、80 年代から
はなく、参入を容易にして、業界全体を活性に維持し続けること
2000年にかけて起きた急伸な成長を期待することはできず、安
が、業界全体が安定的に成長するための解かもしれません。
No.4, 2012 • SEMI News
1
P02-03_28-04/43L 12.10.16 11:54 AM ページ 2
PVJapan 2012
太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan 2012」
−12月5日(水)
−7日(金)
、幕張メッセにて「セミコン・ジャパン」と同時開催−
今年で5回目を迎える、SEMIと太陽光発電協会
(JPEA)
が主
催するPVJapan 2012の開催まで、1ヵ月半となりました。昨年に
引き続き、今年も節電に協力するため、夏の暑い時期を避けて
12月5日から7日の三日間、幕張メッセ
(ホール9-11)
で開催いた
します。7月1日から固定価格買取制度が施行され、再生可能
エネルギーの主翼として、太陽光発電には大きな期待が寄せら
れています。
これまで日本の太陽電池市場の需要は、住宅用が8割以上を占
め、欧米の市場構造とは大きく異なり、海外の太陽電池メーカー
2011年開催時の展示会場風景
にとっては、必ずしも魅力的な市場とは見なされていませんで
した。しかし、買取価格が収益性を考慮したレベルで決まったこ
・太陽電池 / 応用製品
とや規制緩和が進んでいることから、太陽光発電市場への新規
・システム / BOS /スマートネットワーク関連
参入企業が急増し、いわゆるメガソーラーと呼ばれる大規模発
・製造装置関連 / 部品・材料・施設関連 / 検査 / 測定機器
電市場の比率が高くなってきています。それに伴い、国外の太陽
・各種施工関連
電池メーカーおよび太陽電池関連システムメーカーから、日本
・その他関連製品 / 技術 / サービス /自治体
市場に対する注目が集まっています。
一方、東日本大震災を経験したいま、日本のエネルギー政策は
欧州各国における太陽光発電の買取価格が下落を続ける中で、
大きな転換点を迎えていますが、そのシナリオ如何にかかわら
前述のように、日本の買取価格は収益性を考慮した比較的高い
ず、再生可能エネルギー比率を伸ばすことが至上命題となって
レベルで設定されたことから、海外企業の市場参入の動きが活
います。太陽光に加え、風力、地熱、バイオマスなど、多様な再生
発になっています。また、メガソーラー参入企業も増加し、その
可能エネルギーそれぞれの技術的・経済的実効性が求められて
裾野も広がっています。このような市場の変化を踏まえ、上記ゾ
おり、現実的なエネルギーポートフォリオへ向けた動きが各方
ーンに加えて、PVJapan特設企画プラザとして、今注目を集めてい
面で始まっています。
る
「メガソーラープラザ」
を設けます。そこでは、埼玉県・岩手
県・宮城県・宮崎県・熊本県などの地方自治体がブースを設け、各
PVJapan 2012は、これまで同様「再生可能エネルギー世界展示
種関連情報を提供します。また、電気安全環境研究所
(JET)
、テ
会」
と併催し、
「再生可能エネルギー世界フェア」
と銘打ち、太陽
ュフラインランドジャパン、ULジャパンなどの認証機関の出展
光発電のみならず、再生可能エネルギー全体を視野に入れた展
により、太陽光発電市場に新規参入する際に必要となる製品仕
示会の主要イベントとなります。加えて、今年は全く同じ日程と
様関連情報を、効率的に入手できる格好の場になります。このメ
会場でセミコン・ジャパン 2012が開催され、12月5日から7日の
ガソーラープラザには、JPEAによる設置・施工相談ブースも設け
三日間、幕張メッセには半導体技術の粋も集結します。
られますので、業界動向も含めた視野の広い情報入手と、関連団
体との直接対話が可能となります。
■ 太陽電池の材料から発電システムまで、太陽光発電の全てを
さらに、研究・試作段階にあるものや、商用ベースでも立上げ
網羅する展示会
段階にあり、次世代の太陽光発電産業を担うものとして期待を
PVJapanの展示会場では、国内外の太陽電池メーカー、インス
集める技術を集結させた
「新素材太陽電池プラザ」
(有機薄膜、
トーラー、関連製品メーカー、製造装置メーカー、部品・材料サプ
色素増感太陽電池など)
を設けます。生き残りをかけた価格競
ライヤー、大学・研究機関など、太陽光発電に関わる幅広い分野
争から一歩離れた技術を探求する研究者にとって、壁を乗り越
から新製品・新技術の展示が行われ、展示会場は次の5つの
える機会になり得るはずです。
ゾーンで構成されます。
2
そのほか、大学・研究機関の最先端研究報告と産学連携の機
SEMI News • 2012, No.4
P02-03_28-04/43L 12.10.16 11:54 AM ページ 3
PVJapan 2012
会創出の場として例年好評を得ている
「アカデミックギャラリ
・固定価格買取制度の設備認定について ★
ー」
、主催者企画の各種セミナーを実施する
「メインステージ」
、
・注目される海外新興国市場の動向とビジネスチャンス ★
出展企業による最新技術・新製品の情報などのプレゼンテー
・施工者認定制度の概要と施工技術テキストの解説
ションが連日行われる
「出展者ステージ」
を展示会場内に設け、
SEMIスタンダード関連プログラム
最先端の情報を発信します。
・PV市場拡大を支えるSEMIスタンダードワークショップ ★
・SEMIスタンダード日本地区PV/PV Materials合同技術委員会 ★
「技術」
「ビジネス」
「 交流」そして「普及」
、PVJapan 2012には、
・SEMIスタンダード日本地区PV Automation技術委員会 ★
ネットワークイベント
太陽光発電のすべてがあります。
・再生可能エネルギー世界フェアVIPレセプション(招待制)
■ バラエティに富んだセミナーとイベント
・SEMIスタンダード授賞式・フレンドシップパーティー ★
PVJapan 2012では、展示会場内「メインステージ」
と幕張メッ
セ 国際会議場において、多彩なセミナーとイベントを開催しま
す
(講師敬称略
★印は参加無料)
。
PVJapan 2012基調講演
PVJapan 2012は、展示会場とセミナー会場の双方から、太陽光
発電の最新情報を発信します。皆様のご来場をお待ちしており
ます。
「Executive Forum−グローバルリーダーがPVの潮流を語る−」
再生可能エネルギー固定価格買取制度が始まった日本、そし
てFIT先進国である欧州のエグゼクティブが、急速な発展を遂げ
PVJapan 2012 スポンサー
(海外出展者アルファベット順/国内出展者・団体五十音順)
る太陽光発電産業の将来展望、技術、市場動向、そして政策等
JA SOLAR HOLDINGS CO.,LTD ZNSHINE PV-TECH CO., LTD.
を語ります。
㈱インターアクション カナディアン・ソーラー・ジャパン㈱
講演予定:
㈱カネカ ソーラーフロンティア㈱
・
「太陽光発電の未来(仮題)
」
長州産業㈱ 東京エレクトロン㈱ ㈱東芝 パナソニック㈱
シャープ株式会社 ソーラーシステム事業本部 副本部長 森本 弘
ソプレイソーラー㈱
三菱電機㈱ ㈱LOOOP
・
「太陽光エネルギー発電事業の取組み」
日揮株式会社 代表取締役社長
川名 浩一
・
「The Global Situation and Future of PV」
フラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所ディレクター
最新情報、展示会入場登録、
セミナーとレセプションのお申込みは
こちらから >>> www.pvjapan.org
・PVJapanの入場は登録制です。
‐開催当日まで登録可能です。
Eicke R. Weber
再生可能エネルギー世界フェア 2012 基調講演 ★
重要性が急速に高まっている再生可能エネルギー利用技術に
ついて、わが国と海外のホットな政策情報に関する4つの講演
‐11月19日
(月)
までに展示会入場登録をされた場合、入場
バッジを郵送します。
・全てのセミナー、レセプションは原則事前登録制です。
が行われます。
講演予定:
・経済産業省
・環境省
・ソリューション研究機構
・駐日ブラジル大使
専門セミナー
PVJapan
2013年の開催日定について
東日本大震災の影響と夏の節電対策への配慮から、2011年と
・マーケットトレンド
・PV発電ビジネス
2012年は、PVJapanの開催を7月から12月に変更いたしました。
・次世代太陽電池
・結晶シリコン系太陽電池
その後震災から1年半を経て、節電意識が浸透し、また再生可能
・電力システム技術
・材料・高信頼性技術
エネルギーの普及にも弾みがつき、電力の需給バランスが改善
・薄膜系太陽電池 ★
・施行・設置技術 ★
普及セミナー
・施行技術者の認定制度と点検ガイドラインの概要 ★
・公共・産業用PVシステムの計画および設計のポイント(系統連携関連)★
する兆しが見えてきたことから、2013年は、PVJapanの開催時期
を、従来の7月に戻すことにいたしました。2013年の開催予定
は下記の通りです。
・会期:2013年7月24日(水)〜26日(金)
・会場:東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)
・平成24年度住宅用太陽光発電導入支援補助金について ★
No.4, 2012 • SEMI News
3
P04-05_28-04/43L 12.10.16 11:54 AM ページ 4
SEMICON Japan 2012
セミコン・ジャパン 2012: The Power of[x]
−12月5日(水)-7日(金)
、幕張メッセにて「PVJapan」と同時開催−
セミコン・ジャパンが伝えたい3つの[x]
[Innovation]
−いま、実を結ぶ技術革新
[Global Interaction]
−日本から世界へ、世界から日本へ
[Connection]
−潜在する新しいニーズとチャンネルの獲得
・サプライチェーンパビリオン
New
‐設計・製造サービス /パーツサプライヤーズ / ビジネスデ
ベロプメントなど
・東北パビリオン / 九州パビリオン /ドイツパビリオン ほか
半導体が切り拓く人々の明るい明日と未来、セミコン・ジャパ
ンの会場には、今と未来をつなぐ素晴らしい技術と人とビジネ
■ 展示会場内ステージで連日開催される多彩な講演
スが参集します!
・メインステージ(参加無料)
最先端の技術情報がメインステージから発信されます。中で
人々の明るく幸せな未来を担う、エコでクリーンな先進社会
も注目されているのが、5日
(水)
に開催されるパワー半導体の講
の実現には、半導体が不可欠です。エレクトロニクスを基軸にし
演です。国内の開発キーパーソンが一堂に集まり、最新の動向を
た社会システムを構築する半導体ビジネスが、世界の産業の推
語ります。さらには、プリンテッドエレクトロニクス、DFMなど
進役となっています。長年に亘り、半導体産業の発展に寄与して
の先端技術の最新動向や、応用物理学会による震災復興に向
きたセミコン・ジャパンは、今年も皆様のビジネス発展の場をご
けた技術開発分野の課題など、当該技術の関係者には聞き逃
提供します。
せない貴重な講演が目白押しです。最終日の7日
(金)
にも注
目の講演があります。宇宙をより身近なものとする次世代ロケ
■ より見学しやすくなった新しい展示ゾーンと各パビリオン
ットとしてJAXAが開発中の イプシロンロケット 開発リーダ
セミコン・ジャパン 2012では、製品区分けをより明確にする
ーの森田泰弘氏が、来年の打上げに向け大詰の段階にある
ことにより、来場者の皆様にわかりやすいゾーニングを実現し
プロジェクトについて解説します。夢を現実にする貴重な講演
ています。また、これらの通常出展ゾーンに加え、実用化目前、
です。
あるいは実用化しつつもまだまだ新技術新分野への展開応用が
・パビリオンに設けられた出展者ステージ(参加無料)
続く技術分野や、現在最もホットで大きく躍進中のビジネスカ
展示会場内3ヵ所にパビリオン出展者のためのステージを設
テゴリーにフィーチャーしたパビリオンを設けています。
けます。それぞれのステージでは、連日、出展者によるプレゼン
・前工程プロセス装置・部品ゾーン
テーションをはじめ、新製品・新技術紹介のリリースプレゼンテ
展示会場内最大スペースを有するゾーンです。設計から製造
ーション、精密工学会、エレクトロニクス実装学会、次世代プリ
まで、インライン前工程のすべてがご覧いただけます。
ンテッドエレクトロニクス技術研究組合によるシンポジウムや
・後工程プロセス装置・部品ゾーン
組立てから試験検査まで、バックエンドのすべてが集まって
講演、そしてSEMI地球環境シンポジウムや、3D IC技術、MEMS
技術などの招待講演が開催されます。
います。
・総合・材料・設備関連ゾーン
■ グローバルなネットワークを活用し、最先端技術のディスカッ
前工程と後工程を繋ぐ材料・技術・製品・環境・サービス等
ションと活発なビジネス交流の場を提供するセミナーとイベント
の関連展示が行われます。
セミコン・ジャパンは、グローバルなネットワークを活用したさま
・次世代技術パビリオン
ざまなセミナーや会議の開催を通じ、有益な情報と交流の
‐パワー半導体エリア
機会を提供します。
(講師敬称略
‐3D IC エリア
オープニングキーノート
「トップエグゼクティブが描く半導体産業の成長戦略」★
‐MEMSエリア
‐プリンテッドエレクトロニクスエリア
‐イノベーティブ・ベンチャーエリア
・LED/ 有機デバイスパビリオン
・中古装置パビリオン
4
★印は参加無料)
New
半導体産業を代表する世界のトップエグゼクティブが、潜在
する新たなニーズや産業を牽引するアプリケーション、技術革
新について展望し、産業全体の成長戦略を描きます。
講演予定:
SEMI News • 2012, No.4
P04-05_28-04/43L 12.10.16 11:54 AM ページ 5
SEMICON Japan 2012
・
「東芝の半導体およびストレージ事業戦略と日本半導体産業の再生」
株式会社東芝 代表執行役副社長 齋藤 昇三
・
「Silicon Innovation for The Bright Future」
インテル株式会社 代表取締役社長
吉田 和正
・
「The Evolution of 3D ICs:Leaping Ahead of Moore's Law to Deliver
a 6.8B Transistor Device」
・特別セッション:パワー半導体
・リソグラフィ・マスク
・パッケージング
テクニカル/ビジネスプログラム
各技術分野やビジネス分野ごとに、情報の共有と課題の検討
を目的としたグローバルなビジネスプログラムが開催されます。
・国際EHS規制適合セミナー
・Xilinx, Senior Vice President, Worldwide Quality & New Product
Introductions, Executive Leader, Asia Pacific, Vincent Tong
・
「An Ecosystem for Innovation」
・SEMIマーケットセミナー
・中古半導体製造装置セミナー
SEMIスタンダード関連プログラム
TSMC, Vice President, R&D Design & Technology Platform, Cliff Hou
ワークショップやセミナーのほか、SEMIスタンダード策定の
3つのスペシャル企画で知る業界の未来像 ★
ためのタスクフォース会議や技術委員会が多数開催されます。
・
「OSATフォーラム」
・生産性改善のためのスタンダード ワークショップ
後工程請負メーカー各社のビジネス拡大への取組み
(Amkor、ASE、テラプローブ)
・最近の安全要求トレンド
・450mmウェーハ関連SEMIスタンダード解説セミナー
・
「米国サプライチェーン・フォーラム」
米国を代表する半導体サプライチェーン企業の成長戦略
(Altera、Freescale、Intel、NVIDIA、Xilinx)
・
「450mm フォーラム」450mm移行に向けた最新動向
(G450C、ニコン、東京エレクトロン、IHSアイサプライ)
ネットワークイベントがコミュニティを拡大
学生向けプログラム
人材の育成・確保もまた、業界が発展し続けていくために重要
な課題です。将来を担う若い世代に向けて、科学技術のおもしろ
さや半導体および関連産業の重要性を理解してもらう活動に取
り組んでいます。
・半導体製造装置・材料合同会社説明会
・SEMIプレジデントレセプション
出展者が優秀な学生を獲得する機会を提供し、当該業界の学
・サプライヤーサーチ
(参加エントリー後事前審査制)
生からの認知度向上を目指したプログラムです。
世界の主要デバイスメーカー購買担当者・技術キーパーソン
・ザ・高専(SEMI協力プログラム)
に、自社の技術や製品を直接対面してアピールする場をSEMI
出展者ブース内に、高専等の学生に研究発表の場を提供する
がアレンジします。
企画です。
参加デバイスメーカー:東芝、日本テキサス・インスツルメン
ツ、パナソニック、ルネサス エレクトロニクス
・ハッピーアワー ★
セミコン・ジャパン 2012は、展示会場とセミナー会場の双方
から、半導体関連および製造装置・材料に関する最新情報を発信
本プログラム参加出展者ブースにおいて、
ドリンクが振舞わ
します。皆様のご来場をお待ちしております。
れ、出展者と来場者が和やかな雰囲気での情報交換、技術交
流、ネットワーキングの構築をしていただきます。
・SEMIスタンダード授賞式・フレンドシップパーティー ★
・パビリオン交流パーティー ★
セミコン・ジャパン 2012 スポンサー
(海外企業アルファベット順/国内出展者五十音順)
APPLIED MATERIALS INC.
ASE GROUP
パビリオンに出展の企業・組織・機関のエグゼクティブの方々
㈱アドバンテスト
㈱ニコン
をはじめ、多くの皆様にお集まりいただき、ネットワークを広
㈱日本マイクロニクス
JSR㈱
東京エレクトロン㈱
げていただくパーティーです。
SEMIテクノロジーシンポジウム(STS)2012
最新情報、展示会入場登録、
セミナーとレセプションのお申込みは
最新半導体関連製造技術の国際会議として31周年を迎える
こちらから >>>www.semiconjapan.org
STS 2012では、半導体プロセス・デバイス技術を中心に、先端技
・セミコン・ジャパンの入場は登録制です。
術動向、技術課題、その実用化技術が、第一線の技術者より
‐開催当日まで登録可能です。
語られます。
‐11月19日
(月)
までに展示会入場登録をされた場合、入場
・先端デバイス
・先端メモリ ・マイクロシステム/MEMS
・OLED
・LED
No.4, 2012 • SEMI News
・テスト
バッジを郵送します。
・全てのセミナー、レセプションは原則事前登録制です。
5
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SEMI Standards
2012年度
SEMIスタンダード日本地区委員会主催プランニング会議から
半導体産業の成長に伴い、SEMIにおける標準化活動も、半導
体産業に特化した標準化からその周辺技術分野へと、取り組む
範囲が広がり、今では、半導体、FPD、PV、HB-LEDなど、広い分
野をカバーしています。日本地区委員会は、1980年代の発足以
来、日本の技術委員会が行うスタンダード開発作業が円滑に行
われるよう監督する、管理運営委員会として機能しています。毎
年開催されるプランニング会議の運営は、その重要な役割のひ
とつです。
本年度のSEMIスタンダードプランニング会議は、去る8月
プランニング会議にて 右から近藤教授、中馬教授、山道委員長
31日の午後、SEMIジャパンの会議室において、技術委員会委員
長をはじめ、SEMIスタンダード活動を積極的に推進する主要メ
外の研究者との交流
(共著)
が少なく、世界から見ると孤立した
ンバーの方々30名の参加を得て開催されました。これまでのプ
状態にあることがわかるそうです。世界のコネクティビティー
ランニング会議では、SEMIスタンダード活動における課題の抽
は今後ますます高くなり、加えてサブシステム化が進んでいるこ
出や課題解決のためのディスカッションが中心でしたが、経営
とを考えると、今後、日本の半導体業界の地位を高める、あるい
破綻、買収、大幅人員削減など、日本の半導体産業は大変厳しい
は維持するためには、国内の企業間コラボレーションだけでは
現状におかれていることから、今年の会議では、半導体産業の競
なく、海外の企業とのコラボレーションを充実させ、IMEC や
争力の観点からの分析と、分野横断的に科学技術の知識を統合
SEMATECHなど海外のコンソーシアムも含めた、グローバル
するという研究活動について、外部の方からお話を伺いました。
なグループ間でのコラボレーションが非常に重要であると締め
くくられました。
一橋大学イノベーション研究センター 中馬宏之教授は、半導
体産業の競争力に関連した経済・経営分析分野に力を注がれて
続いて、山梨大学の近藤教授からは、NPO法人科学知総合研
います。プランニング会議では、日本の半導体産業の世界におけ
の取組みをご紹介いただきました。人類の夢実現
究所(SKIL)
る位置付けについて、クロックスピードが速くなり、日本企業が
に向けて、半導体製造技術をどのように生かせるか、元気の出る
それについて行けなくなった理由を明確に示すために行われた、
お話でした。
(講演内容は以下に詳しくご紹介します。
)
High-Kメタルゲートと呼ばれる最先端の半導体プロセス技術
に関する調査や分析をもとに、お話しいただきました。特許件数
・・
や論文件数を合体させたデータから、共同発明・共著の頻度で
示される研究開発者間の交流(コネクティビティー)
に着目し
た分析は、これまでにない手法です。また、当事者の方々との
インタビューを通して、自身の分析結果が現実に起こっている
ことを正しく示しているか、その聞き取りもされています。
半導体は未来をつくり続ける
−科学知総合研究所 SKILの取組みの紹介ー
科学知総合研究所 理事 / 山梨大学 教授
近藤 英一
科学知総合研究所
(Science Knowledge Integration Laboratory:
半導体産業における利益推移の数値は、日本が1994年
(奇し
SKIL)
は、さまざまな知識と経験を持つ人達が分野横断的に集ま
くもインターネット元年)以降、厳しい状況に置かれていること
り、安全に楽しく暮らせる社会の実現のために研究活動を行っ
を示しています。一方、ITRSの年次報告書は、1997年にHigh-K
です。材料や製造装置をはじめ
ている特定非営利法人
(NPO)
メタルゲートが研究ベースから開発ベースに移行したことを示
とする半導体業界の方々も多く参加されておりますので、理念
しており、2000年ごろからの日本の急速な衰えには、High-K
や活動を紹介します。
メタルゲートの開発競争と関わっていることが裏付けられるそ
SKILの理念
うです。
半導体技術の急速な進歩と秀れた「ものづくり」能力を背景
High-Kの開発競争を、特許、論文、特許と論文の組合わせを
に、わが国の電子産業は20世紀を代表する基盤産業に成長しま
もって分析すると、日本は特許の数がとても少なく、論文を中心
した。しかし、ここに来て新しい製品像の具体的予測が難しくな
とした研究者のネットワークも非常に限られている、つまり、海
り、ゲート長に代表されるテクノロジーノード、集積度、ウェー
6
SEMI News • 2012, No.4
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SEMI Standards
ハの口径など、単なる数値指標として見ると技術が飽和してきて
のあり方の研究、長寿地域や香りについても考察しています。
います。その一方で、エレクトロニクスは基盤技術として、社会の
地球共生部会は、大量生産・大量消費を行う生命体としての地
仕組みや人々の行動原理までに大きく影響を及ぼす時代になり
球を、健康でたくましい地球にすべく、希少金属のリサイクル、
ました。つまり、単なる微細化・高性能化ではなく、エネルギー、環
廃棄物情報ネットワークの構築、新機能服飾などの研究を行っ
境、食料、人口などの地球的課題を踏まえて、どのように技術活
ています。含ゲルマニウム廃材の陶芸利用などで、大きな成果を
用していくかを問われる時代になったのです。
上げてきました。
SKILは、21世紀の人類社会全体の具体的ニーズを想定しなが
SKIL未来フォーラム
ら、電子産業分野でこれまでに蓄積してきた高度な技術と、他分
SKILの主な会合
野の学界や産業界が個々に保有する高い知的・技術的ポテンシ
には、以上の3部会
ャルを、幅広く有機的・立体的に統合することを研究し、21世紀
が単独あるいは共同
に必要とされる新しい知識と技術および新事業を創出すること
で持つ定期的な集
を目的としている団体で、2005年にNPOとして登記されました。
会と、部会活動の成
理事長は、三菱電機やSELETEにおいて指導的立場で活躍した
果発表としての公開
小宮啓義で、メンバーは、企業のエンジニア、企画、営業の方々、
フォーラムがあります。
大学教員が中心です。
いずれの場合でも、
SKILの活動の柱
大学の先生方、企業
SKILの活動の柱は、
「笑える部会」
「快適な生活部会」
「地球共生
SKIL未来フォーラムの会場風景
経営者、文化人など
部会」
の3つの部会の行う独創的な研究や情報収集です。各部
の識者をお招きした勉強会や講演会を併設しています。部会集
会には共通の関心をもつ会員が集まり、定期的に勉強・情報収集
会やフォーラムの内容は、SKILのホームページをご覧いただ
活動や議論を行い、新しいオリジナルな研究テーマを発掘し、具
くとして、ここでは今年4月に創立5週年を記念して東京大学の
体的な活動に導いています。以下、それぞれの活動を簡単に紹
弥生講堂で開催した「SKIL未来フォーラム」
について紹介しま
介します。
しょう。
(実際には満5年を過ぎた6年目の昨年度に開催予定で
笑える部会は、
「安全に楽しく暮らせる社会は、笑いのある社
会」
というコンセプトで、笑いとテクノロジーの関係を検討して
したが、震災で延期し、筆者がオーガナイズして7年目での開
催となりました。
)
います。長寿・健康と笑いが深く関係していることは、よく知ら
未来フォーラムでは、過去のSKILフォーラム講演者の先生方
れています。笑いは人間が作り合うものですから、コミュニケー
を中心に、明るく楽しい未来像を共有することをテーマとして、
ションを円滑化するユビキタス技術を提供するのが切り口です。
基調講演は、三菱総研理事長で前東大総長の小宮山宏氏にお願
また、静かで温かく心地よいだけでは、寝てしまうだけで笑いは
いしました。特別講演は、Samsung Electronics顧問のYoon-Woo
おきません。笑いのある社会とは、
「快適」ではなく
「快楽」の
Lee氏、TOTO執行役員 林良祐氏、京都大学iPS細胞研究所教
ある社会ではないでしょうか。以上の考察のもと笑える部会で
授 江藤浩之氏、JAXA宇宙科学研究所教授 山下雅道氏から、
は、温泉を一般のようなレジャーや療養の「場」
としてではなく、
いずれもテクノロジーの作る低消費の豊かで快適な社会につい
「快楽装置」
ととらえました。そして、ホンモノの人工源泉を提
てお話しいだきました。参加者一同、SKILの方向性の正しさに大
供する技術をつくろうと、超臨界温泉を研究しています。ほかに
いに勇気づけられるとともに、講師を囲んだ懇親会でも活発な
も、宇宙農業のためのミニ衛星開発、快楽マネージメント、笑え
議論を行いました。
るロボット、マイクロ波活用技術、遺伝子レベルでの笑いの考察
なども行っています。
快適な生活部会は、我々の周りにあるさまざまな経験的な現
SKILは、活動に興味のある方ならどなたでも参加できます。ご
自身の研究テーマの実現の場、異業種交流の場、情報収集の場と
してもご活用ください。 SKIL HP:http: //www.skil-lab.jp
象を科学的に検討し、私たちが直接手にすることができる安全・
安心で快適な生活の創生と支援を目的として活動しています。
特に、農業の研究では大きな成果を上げています。東京大学浅野
SEMIスタンダード活動を円滑に進めていただくためのリー
キャンパスの建物の屋上に農業工場を設置して、連続栽培イネ
ダーシップトレーニングも含め、半日という短い時間ではあり
工場を目標に、半導体技術の立場から、マスプロとしての農業技
ましたが、日本地区スタンダード委員会委員長 山道正明氏
術の革新を目指しています。将来的には、単なる生産としての農
(AIST)
の司会のもと、それぞれのご講演者から貴重なお話を伺
業でなく、癒しや健康、コミュニティーとしての役割にも、技術
うことができ、また、会議中の質疑応答も盛り上がり、今年のプ
的な考察を行っていこうと考えています。ほかにも、電気自動車
ランニング会議は盛会のうちに終了しました。
No.4, 2012 • SEMI News
7
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Photovoltaics
太陽光発電の現状と今後
一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)技術部長 兼 広報部長
■ はじめに
(万kW)
150
日本における太陽光発電の開発と普及の歩んだ道筋を振り返
ると、実用化に向けた研究開発の発端は、1970年代のオイルショ
ックによる資源問題の解決策のひとつ、石油代替エネルギーと
しての開発に始まる。続いての大きな転換点は、開発期から普及
亀田 正明
120
90
住宅用
電力・応用商品、民生用
発電事業用
民生用
公共・産業用
非住宅用
電力応用商品
60
期への移行であるが、この時の大きなモチベーションとなった
のが、地球環境問題である。今や、エネルギーと環境のどちらの
側面からも、再生可能エネルギー全般が注目される中で、昨年の
30
0
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
震災は、日本において生々しい問題提起となるきっかけを作っ
2009
2010
2011
(年度)
(JPEA調べ)
図1 国内出荷量の内訳
たと言える。そして今、再生可能エネルギーの具体的な役割が、
これまでになく一層現実的な段階に入ってきたと言えるのでは
ないだろうか。
本稿では、太陽光発電協会
(JPEA)
が定期的に発表している
計設置量100万戸を達成した。
伸び率から見ると、図1に示すように、2010年は産業用の伸び
統計データを見ながら、現状と今後について考える。
が著しかった。これまでの家庭に設置する
「創エネ、省エネ製品」
■ 出荷統計から見る産業動向
という側面から、
「エネルギー源」
としての太陽光発電の兆しが
最近の状況を振り返りつつ現在の状況を見てみると、表1に示
感じられる。
すように、2007年の国内出荷量は211MWと前年比73.4%となり、
■ 普及に向けての課題
国内出荷量が伸び悩んでいた。この時期は、一方で、海外の旺盛
1. 固定価格買取制度
な需要に支えられて輸出は順調に伸びており、総出荷量の4分の
本年7月から始まった固定価格買取制度により、電力会社の送
3を占める輸出が産業を支える、輸出依存型の産業構造となって
電線に接続
(系統連系)
することで、太陽光発電システムで発電
いた。しかし、2009年1月の住宅用補助金制度の創設により、大
した電気を売ることができる。本制度では、買取価格と期間等が、
きく潮目が変わった。2009年の国内出荷量は前年度比2倍とな
10 kW未満(主に住宅用)
と10 kW以上(主に非住宅用)
で分
った。続いて、2009年の11月から住宅用太陽光発電からの余剰
かれる。本年度
(平成24年度)
は、10 kW未満は余剰買取で42
電力をこれまでの約2倍で買い取る制度が設けられ、2010年には
円/kWh、10年間固定、10 kW以上の場合は、全量買取が適用さ
前年比がさらに2倍となった。2011年は、国内出荷の割合が総
れ、買取価格は42円/kWh
(税込)
、20年間固定となっている。
出荷量の50%近くにまで伸び、海外の導入施策による輸出と国内
図2は、住宅用太陽光発電システムにおける余剰電力の買取り
市場の活況の二本柱が、バランス良く産業の伸びを支えていた
についての模式図である。太陽光発電システムを設置した家庭
という状況にあった。
では、できるだけ昼間の消費電力を少なくし、太陽光発電システ
2012年の太陽光発電産業は、国内を中心に出荷量を大きく伸
ムで発電した電力を売電するために、余剰電力を増やす傾向が
ばしつつあり、国内市場は成長市場として内外から熱い視線が
あり、結果、省エネ効果や昼間のピークカット効果が生まれる。
向けられており、住宅用太陽光発電については、本年4月には、累
太陽光発電システムを住宅に設置することによって、創エネル
ギーのみならず、省エネルギーにも繋がり、電力需要の多い昼間
表1 日本の太陽電池セル・モジュール出荷量の推移(MW)
※
( )内は前年比(JPEA調べ)
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
845
1,151
1,387
2,437
2,759
総出荷量 (92.2%)(136.2%)(120.5%)(175.7%)(113.2%)
211
226
484
992
1,296
(73.4%)(107.1%)(214.5%)(205.0%)(130.7%)
国内出荷
シェア
シェア
シェア
シェア
シェア
24.9%
19.6%
34.9%
40.7%
47.0%
634
925
903
1,445
1,463
輸出
(100.8%)(145.9%)(97.6%)(160.0%)(101.2%)
年
8
の時間帯の節電に貢献できるのである。
前述したように、住宅用システムは、設置時の補助金制度と買
取制度による国の手厚い支援を受け、普及拡大が進んでいる。ま
た、住宅設備としてスタンダード化される傾向にあり、この分野
の可能性はまだまだ大きいと考えられる。これまで活用されず
捨てられていた、住宅の屋根に降り注ぐ太陽光エネルギーが、太
陽光発電システムの設置により、エネルギーに変換される。電力
SEMI News • 2012, No.4
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Photovoltaics
太陽電池アレイ
太陽電池モジュールを直並
列に結線したもので太陽エ
ネルギーを電気に変換
電力会社
住宅用約530万戸
2005年の約20倍
2800万kW
買電
架台
麻生内閣(2009年)
屋根に架台で固定
直流
(DC) 交流
(AC)
売電
パワーコンディショナ
自家消費
屋内分電盤
太陽電池で発電した直流電力
を交流に変換し、システム全
体の運転を自動管理
電力メーター
電気を部屋のコン
セントに配分
売電用/買電用
メーター
売電
▲25%実現に向け、非住宅の役割重要
家庭で使って余った分を電力会
社に売ることができます。
住宅約 7割
1400万kW
2005年の約10倍
福田内閣(2008年)
※電気を売り買いするには、電力会社との契約が別途必要です。
余剰電力
系統対策必要
太陽光発電で供給
発電電力 消費電力
買電
足りない部分は、電力会社
から電気を買って使います。
売電
住宅用太陽光発電補助
購入電力量
朝
昼
夕
2020年
新たな買取制度開始
温暖化ガス25%削減(1990年比)
140万kW
非住宅約 3割
840万kW
「太陽光発電電力全量買取
制度」導入検討
09 09 07
(鳩山内閣)
夜
2005年
一日の発電電力量と消費電力量
図2 太陽光発電売電の仕組み
2020年
図3 日本の太陽光発電導入目標
<2010暦年の主要国の導入量と用途別構成比>
不足が叫ばれている昨今、日本の屋根には、まだまだ開発されて
いないエネルギーが埋まっているのである。
2. 非住宅用(公共・産業用)太陽光発電システムについて
日本
ドイツ
電力用
17%
産業用
19%
米国
住宅用
30%
電力用
25%
住宅用
35%
図3に、政府の太陽光発電導入目標を示す。2020年、住宅用が
住宅用
81%
2,000万 kW弱に対して、非住宅用は840万 kW
(全体の30%を
占める)
の導入目標となっている。海外における導入状況と比
較してみると、図4に示すように、現状、日本においては住宅用が
設置の大部分を占めるのに対して、
ドイツでは住宅用が30%、非
産業用
53%
産業用
40%
<2010暦年までの累積導入量>
日本
ドイツ
米国
イタリア
スペイン
その他
全世界
3,619 MW 17,253 MW 2,520 MW 3,502 MW 3,892 MW 6,224 MW 37,010 MW
図4 主要国の用途構成
(出展:IEA PVPST1-19; 2010, EPIA Global Outlook for Photovoltaic
until 2015, JPEA出荷統計に基づき作成)
65%となっており、日本とは普及分野の割合が逆になっている。
住宅用が70%である。さらに、米国は住宅用が35%、非住宅用が
これは、欧米と日本の普及促進のための導入施策の違いに起因
陽電池モジュールの性能確保を確認し、消費者へ安心感をアッ
している。特に欧州では、世界に先だって進められたドイツのフ
プさせることができる。また、JETでは、住宅用の小型のパワー
ィードインタリフ
(固定価格買取制度)
に代表されるように、出
コンディショナー
(10 kW未満)
に対する系統連系保護機能等
資者が太陽光発電などに投資し、再生可能エネルギー大規模発
の基準への適合について、認証を行っている。今後は、太陽電池
電所からの売電により投資金を回収し、一定の収益を上げると
モジュールやパワーコンディショナなどの機器だけでなく、太陽
いったスキームが広がったためである。日本でも、新たに導入さ
光発電システム全体の長期に亘る安全性や信頼性を確認し、消
れた固定価格買取制度
(いわゆる全量買取制度)
により、土地の
費者あるいは設置者により安心感をもたらすような、さまざま
有効活用、企業や公共施設の屋根スペース等の活用に向けた諸
な取組みや仕組み作りが必要である。JPEAは、そのためのさま
制度の整備や規制緩和などと併せて、欧米並みの非住宅用太陽
ざまな取組みを、関係機関と協力して進めているところである。
光発電システムの導入促進が期待される。しかしながら、投資を
■ まとめ
回収するための太陽光発電システムに、回収年数以前に不具合
太陽電池モジュールの出荷量は、ここ数年で大きく躍進した。
が生じ投資回収が滞ると、このスキームはうまくいかなくなる。
この大きな普及促進要因となったのは、2009年1月からの新たな
したがって、長期にわたるシステムの信頼性の確保が重要とな
住宅用補助金制度と、同年11月から開始された太陽光発電から
ってくる。
の余剰電力買取制度である。さらに、本年7月に始まった新たな
太陽電池モジュールに対しては、一般財団法人電気安全環境
固定価格買取制度により、住宅用のみならず、公共産業用途など
研究所(JET)が行う認証制度(JETPVm認証)等がある。こ
の非住宅分野の導入が大きく進みつつある。震災を契機とした
れは、太陽電池モジュールの性能、信頼性および安全性を確保す
日本のエネルギー供給のあり方に関する議論の中で、太陽光発
るために、太陽電池モジュールの品種ごとに、JETが規格適合性
電の存在価値が、今までにも増して大きなものとなりつつある。
試験、製造工場の品質管理体制等を確認した上で、製品への
太陽光発電の普及をさらに進めるため、太陽光発電業界の果た
JETPVm認証マーク添付を認める制度である。JETPVm認証マ
す役割は大きい。将来の大量普及時代に備えて、安全と信頼性の
ークが表示された製品は、第三者機関であるJETによって認証
確保、技術開発、コストダウンを鋭意進め、良質で安心な太陽光
基準への適合が証明されたものであり、長期に亘り使用する太
発電システムを社会に提供することが責務だと考える。
No.4, 2012 • SEMI News
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STS Award
「第19回 STS Award」
受賞論文紹介 2
受賞者:東北大学 大学院工学研究科 知能デバイス材料学専攻 ナノ材料物性学講座 極限材料物性学分野 准教授 須藤 祐司
PCRAM用PCMの研究開発動向
■ 概要
一方で、結晶化
(セット化)
には、比較的長い電気パルスを必要
近年、次世代不揮発性メモリとして、相変化メモリ:PCRAM
とする。読取りは、相変化が生じない小さな電力で行う。
(Phase Change Random Access Memory)
が注目されている。
PCRAMは単純なメモリセル構造を有するため、他の次世代不
揮発性メモリと比較して、コストのほか集積度の面で有利であ
り、一部量産も始まっている。PCRAMにはGe2Sb2Te(
5 GST)
をはじめとするGe-Sb-Te系相変化材料が使用されているが、
PCRAMのデータ書換え電力の低減、データ保持性能、書換え回
数の長期化および書換え速度の高速化のために、GSTに代わる
新たな相変化材料の開発が強く望まれている。
本稿では、材料学的立場から相変化材料の最新の研究開発
動向について述べる。
■ PCRAM
PCRAMは、相変化材料
(PCM: Phase Change Material)
の
「結
図2 PCRAMメモリセルの模式図
晶相」
と
「アモルファス相」の電気抵抗差を利用して、情報を記
録する不揮発性メモリである
(図1)
。データ書換えは、電気パ
ルスを用いたジュール加熱により、PCMを結晶やアモルファス
に相変化させることで行う。
■ PCMの歴史
PCMは、1968年にOvshinsky博士により見出された。初期の
材料は、Te、As、Si、Geを含むTeリッチの材料であり、電気パルス
を材料に与えることにより、高抵抗状態と低抵抗状態を実現で
きるというものであった。その後、PCMにおいてアモルファス
相と結晶相では反射率も異なることが見出され、1990年代に入
り、Ge、Sb、Te、Ag、Inなどを含む三元、四元系の材料が盛んに研
究され、これらPCMはまずCDやDVDなどの光記録ディスク
に応用された。現在では、Ge-Sb-Te系化合物、中でもGSTと称
されるGe2Sb2Te5化合物が、特性バランスの良さからPCRAM
に利用されている。
PCRAMは、FeRAMやMRAMなど他の次世代型不揮発性
メモリに比べ、メモリセル構造が単純なためセル面積を小さく
でき、高集積化が可能である。さらに、NAND型フラッシュに比
べ、書換え速度は速く、書換え電圧も低い。一方で次世代型メ
図1 相変化材料の説明
モリと比べると、書換え電圧、回数、速度に劣る。また、自動車分
野等への適用のために125℃で10年のデータ保持が期待され
図2に、メモリセルの模式図を示す。上部と下部に電極が存在
し、下部電極とPCM間には、効率的にジュール加熱するために
ているが、現状では100℃程度で10年と言われており、GSTに代
わる新たなPCMが望まれている。
ヒーターが設けられており、相変化領域(プログラム領域)
は、
ドーム状に形成される。図2に書換えおよび読取り時の電気パ
ルス幅と温度の関係を示した。高電力・極短パルスを印加して
PCMを融点以上に加熱し、アモルファス化(リセット化)
する。
10
■ PCMに要求される主な特性
PCRAMのデータ書換えにおいて、特にリセット化、つまりア
モルファス化においては、PCMを溶かすほどの大きな電力が必
SEMI News • 2012, No.4
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STS Award
要である。それゆえ、リセット化の消費電力を低減するために、
ボイドの生成により劣化する。ボイド生成は相変化時の大きな
融点
(Tm)
が低く、抵抗の高い結晶相を持つPCMが望まれる。
体積変化に起因すると示唆されているが、GSTは大きな体積変
データ保持性の観点からは、結晶化温度
(Tx)
の高いPCMが求
化
(6〜7%)
を示す一方、Si-Sb-Te系やGCTは小さな体積変化
められる。書換え回数については、アモルファス⇔結晶間の相変
を有するため、書換え寿命の長期化が期待できる。
化の可逆性が重要になるため、繰返し相変化の間に材料組成の
続いて書換え速度について述べる。GSTは、結晶核生成支配
分離が生じないPCMが望まれる。また、アモルファス⇔結晶間
により結晶化が進行し、高速で結晶化、アモルファス化するこ
の相変化時の体積変化が小さいことも望まれる。書換え速度は
とが知られており、光記録ディスクやPCRAMに使用されている。
材料の相変化速度によって決まるが、特にセット化(結晶化)
に
一方でSb-Teをベースとする材料は、Fast-growth materialと呼ば
比較的長い電気パルス幅が必要になる。そのため、速い結晶化
れ、結晶成長支配により結晶化が進行するため、プログラム領域
速度をもつPCMが望まれる。
(図2参照)
が小さいほど、つまりメモリセルが微細になるほど、
書換え速度が速くなる。しかし、Sb-Te系材料はTxが低く、Ge
■ 新規PCMの研究開発動向
PCMは、低いTmかつ高いTxを持つ必要がある。Txが高い
材料とは、熱的安定性に優れたアモルファス相を呈する材料で
やSi添加による改善が試みられている。また、図3に示した新
規PCMの結晶化挙動は、未だ不明なものが多く、その解明と共
に書換速度の評価が望まれる。
あることを意味する。換言すれば、アモルファス相が形成されや
すい材料と言える。材料学的に言えば、アモルファス相形成条件
■ PCMの組織制御による高性能化
として、
「原子サイズ差が大きい元素を選ぶ」
「元素間の混合熱
最近、PCM中に相変化しない析出相を形成させたナノコンポ
が負
(つまり混ざりやすい)
」
「共晶組成付近の合金である」等が
ジット型PCMが提案された。析出相を形成させ相変化領域を
挙げられる。それゆえ、Sbをベースとした二元系共晶材料が提
小さくすることで、低書換え電力、また高速書換えを実現できる。
案された。これら共晶材料は、GSTに比べTmが低い上、Txが
例えば、Al-Sb-Te系材料では、Sb2Te中に相変化しないAl2Te3相
高く熱的安定性に優れる。しかし、共晶材料は結晶化により相分
を析出させることが可能であり、10nsでの書換えが実証されてい
離を生じるため、繰返し特性の観点から好ましくない。一方、三
る
(C. Peng et al., Appl. Phys. Lett.,99
(2011)
043105.)
。また、GeTeと
元系まで組成を広げると、低Tm、高Txかつ相分離しない化合
Sb2Te3を交互に積層させたSuperlattice-like PCMを用いた低書換
物型PCMが存在する。
え電力化、
高速書換え化も報告されている
(T.C. Chong et al., Appl.
図3に新規PCMの例を示した。例えば、Ge-Cu-Te系では、
Phys. Lett.,88
(2006)
122114.)
。最近では、GeTeとSb2Te3を結晶状態
GeCu2Te(
3 GCT)
化合物が存在し、低Tmかつ高Txを持つた
で交互に成膜し、GeTe層は111方向、Sb2Te3層はc軸方向が面直
め、低書換え電力かつ高温データ保持性を併せ持つPCMとして
に向いた超格子を作製することで、書換え電力の劇的な低減、書
期待される。
換え速度の高速化が可能であることが示された
(R.E. Simpson et
al., Nature nanotech.,6
(2011)
501.)
。このPCMは、interface-PCM
(iPCM)
と呼ばれ、GeTe層とSb2Te3層の界面におけるGe原子
の局所的な原子移動により、相変化が生じると指摘されている。
■ まとめ
以上のように、最近ではGSTの性能を超える種々のPCMが
見出されている。さらに、多値記録化を可能とする多段階相変化
型PCMの開発や、ナノパーティクル、ナノワイヤーなど、PCM
の微細化、PCMに接触する電極の微細化による低電力化、高速
化、高集積化の研究も行われている。ごく最近では、上記iPCM
において、超巨大磁気抵抗効果が得られることが見出されてい
る
(J. Tominaga et al., Appl. Phys. Lett., 99(2011)
152105.)
。つまり、
図3 最近提案されている新しい相変化材料
iPCMは、電気のみならず磁場による動作も期待できる。相変化
メモリ材料研究は飛躍的に進んでおり、実用不揮発性メモリと
PCRAMの繰返し書換え性は、繰返し相変化による相分離や
No.4, 2012 • SEMI News
して、PCRAMが今後幅広く利用されることが強く期待される。
11
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EHS
最近のEHS関連SEMIスタンダード活動でのトピックス
井深 成仁
EHS関連のSEMIスタンダードは、SEMIが発行している多く
Manuals Used with Semiconductor Manufacturing Equipment」
のスタンダードの中でも、最も重用されているもののひとつであ
というタイトルで、1998年に日本初のSEMI関連の安全文書として
り、継続的な活動が行われている。本稿では、北米発の新規
発行された。その後2005年に、S13-0305
「Environmental, Health
のEHS関連SEMIスタンダードと、日本発のEHS関連SEMIス
and Safety Guideline for Documents Provided to the Equipment
タンダードについて、以下を紹介する。
User for Use with Semiconductor Manufacturing Equipment」
と
・北米発:S7改訂とS27発行、S28発行
いうタイトルに変更された。この改訂では、内容の見直しととも
・日本発:S13改訂、S17改訂、S18改訂、S23改訂、S29発行、
に、S13はEHS関連情報を顧客提出文書にどのように記述する
地震対策、その他
べきかというフレームワークを記載する文書と位置付け、顧客提
出文書への記述が必要な技術的な専門事項については、S2、S3、
S7は「Safety Guideline for Environmental, Safety and Health
S6、S8、等に記述するという方針となった。さらに、今般の改訂
Evaluation of Semiconductor Manufacturing Equipment」
とい
では、さらなる内容の見直しとともに、タイトルを
「Environmental,
う名称で、主として安全性に関する設計や完成した装置
(機器)
の
Health and Safety Guideline for Documents Provided to the
評価用に1997年に発行された文書であった。S7は発行後から、
Equipment User for Use with Manufacturing Equipment」
とす
評価者の資格や、評価報告書の信頼性が問題視されていたが、
ることで、半導体以外の装置にも適用可能であることを明確にし
10年以上に亘って改訂されずにいた。
{現在は、SEMIでは発行
た。委員会での技術的審議を通過したことから、手続き審査等を
(改訂)後5年ごとにレビューするというルールが厳格に適用さ
経て、2013年春に改訂版が発行される見込みである。
れるようになったことから、このようなことはなくなってきている。
}
そのような状況から、日本側から北米側に強く改訂
(若しくは廃止)
S17は、2001年にS17-0701「Safety Guideline for Unmanned
を行うことを申し入れ、2010年3月に、S7を分割・改訂し、従来の
Transport Vehicle
(UTV)
Systems」
として発行された。半導体工場
S7は
「Safety Guideline for Evaluation Personnel and Evaluating
等で利用の広がる床搬送と空間搬送システムが、工場内で作業
Company Qualifications」という名 称 にタイトル 変 更 され 、
する方々とコンフリクトしないようにするための安全設計指針を定
改訂された。他方、報告書の質的向上のために、新たにS27
めたものである。その後、半導体ウェーハの300mm化の展開や液
「Safety Guideline for the Contents of Environmental, Safety and
晶基板の大型化で、空間搬送台車の利用が拡大し、製造装置との
Health Evaluation Report」が発行された。機器の評価や検査
自動化も加速され、さらに、地震対策等の重要性も格段に増してき
を、内部的に行う場合にも外部に委託する場合にも、S7-0310
た。S17-0701の改訂に際しては、前記のような背景を考慮して大
とS27-0310を併用することで、評価報告機関や報告書の信頼
幅な見直しが行われ、2011年にS17-0311として改訂発行された。
性の向上に寄与するものと考えられる。
S18は、シラン系ガスに起因した事故が多く発生したことか
S28-1011
「Safety Guideline for Robots and Load Ports Intended
ら、シラン系のガスを安全に取り扱うこと、装置やファシリティ
for Use in Semiconductor Manufacturing Equipment」
は、文書開発
の安全設計指針等を明確にするべく、2002 年に S18 - 1102
着手後約10年、10数回に及ぶ
(バロット)
投票を経て、2011年に
「Environmental, Health and Safety Guideline for Silane Family
発行されたものである。今やロボットは装置内で多用され、無
Gases Handling」
として発行された。その後、改訂の論議が始ま
人搬送車とのインターフェイスとなるロードポートの機構ととも
った段階でさまざまな議論があり、
「シラン」
という言い方では必
に、ますます大型化し複雑化する装置の中にあって、本質安全
ずしも全体を包含していないこと、実験に基づいた検証から技
設計が要求される重要な機構となってきている。そのような意味
術基準としての見直しが必要なこと、読者に分かり易くするため
で、S28が発行されたことは、装置、機器、ロボット等のメカニズ
には表形式のチェックリスト化が望ましいこと、等が提起された。
ムを安全に設計することに有用なものになると考えられる。
これらのことを考慮しての検討が行われ、タイトルも変更して、
本年S18-0312
「Environmental, Health and Safety Guideline for
S13は、S13-98
「Safety Guidelines for Operation and Maintenance
12
Flammable Silicon Compounds」
として改訂発行された。
SEMI News • 2012, No.4
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EHS
S23は、半導体製造装置の省エネルギー化の促進に役立て
「Guide for Semiconductor Manufacturing Equipment Design for
るための指針として、2005年にS23-0305
「Guide for Conservation
Reduction of Environmental Impact at End of Life」
として生まれ変
of Energy, Utilities and Materials Used by Semiconductor
わった文書として発行され、本年再承認されS16-0812となった。
Manufacturing Equipment」
として発行されたが、マイナーな編集
上の変更が必要であったことから、同年S23-0705として改訂され
S19は、2002年に S19-1102「 Safety Guideline for Training
た。S23-0305
(0705)
に示されたエネルギー換算係数は、日本の
of Semiconductor Manufacturing Equipment Installation,
200mm半導体工場での実績が基になったことから、300mmウ
Maintenance and Service Personnel」
として、北米管轄の文書
ェーハ化に伴うボールクリーンルームへの変更や、グローバルな換
として発行された。5年を経過して見直しが必要となり、再承認
算係数とするための改訂が必要になり、S23-0708が改訂発行さ
のためのバロッティングが行われたが、若干ではあるが技術
れた。さらに、スリープモードでの消費エネルギー評価の必要性
的な変更の必要性が生じた。北米側では変更のための活動は難
や、主要コンポーネント
(第1次として真空ポンプ)
の評価手順を
しいことから、文書廃止も止むなしということが表明された。S19
Related Informationにて示すことが求められ、S23-0311が発行
を参照しているSEAJ
(日本半導体製造装置協会)
の安全教育テキ
された。現在、主要コンポーネントの第2次として、ローカルチラー
スト等の事情を考慮すると、S19の廃止には支障があると判断した
(温調ユニット)
の評価手順を加えるための活動が行われている。
日本側で文書の管轄を引き受けることとし、2011年にS19-0311
として改訂発行されるに至った。
S29は、本年 S29-0712「 Guide for Fluorinated Greenhouse
Gas( F-GHG)Emission Characterization and Reduction」
とし
S21は、2003年に S21-1003「 Safety Guideline for Worker
て発行された。気候変動
(温暖化)
に影響の大きいと言われる
Protection」
として発行された。その後、S21が利用される過程で、
フッ素系の温室効果ガスのエミッションの特定(定性・定量)
追加すべき基準があることが明らかになったことから、2006年
と、削減のための指針を示すものである。SEMI地球環境シンポ
にS21-1106として改訂発行され、本年再承認されてS21-0612
ジウム
(セミコン・ジャパン期間中12月6日
(木)13:30-16:20 展
となった。
示会場ホール2 聴講無料)
にて、本文書の紹介を予定している。
S24は、2006年にS24-0306
「Safety Guideline for Multi-Employer
半導体製造装置やフラットパネル製造システムの地震対策の
ための安全設計指針は、S2
「Environmental, Health and Safety
Work Areas」
として発行され、2011年に再承認されS24-0811と
なった。
Guideline for Semiconductor Manufacturing Equipment」
やS26
「Environmental, Health and Safety Guideline for Flat Panel Display
(FPD)
Manufacturing System」
のセクション19に記述されている。
この記述は、S2-0200の発行時の内容のままで現在に至っている。
この間に日本では昨年の東日本大震災をはじめ、数回の大きな
地震を経験した。米国での地震対策標準もアップデートされて
おり、台湾でも地震が相当数発生している。そのような背景から、
本年地震対策タスクフォースが発足し、地震対策として必要な
安全設計指針の議論が始まっている。
上記以外の日本発のEHS関連SEMIスタンダード
(S16、S19、
S21、S24)
の概況を記す。
S16は、2000年にS16-0600「Environmental, Health and Safety
Guidelines for Semiconductor Manufacturing Equipment Disposal」
として発行された。タイトルが示すように、廃棄のための手順の指
針を示すものであった。その後、装置の寿命を考慮しての環境
影響を削減するための設計指針としてS16を見直すべきである
セミコン・ジャパン 2012期間中の
SEMIスタンダード EHS関連プログラム
■ 国際EHS規制適合セミナー
−サステナビリティのための環境規制とスキーム−
日時:12月4日
(火)13:00−17:00
場所:SEMIジャパン(市ヶ谷)大島ビル会議室
主な内容:
・GHS ・CDP、GHGプロトコル ・エネルギー高効率化
・コンフリクト・ミネラル ・国内における廃棄物ガバナンス
■ 最近の安全要求トレンド
−SEMI安全ガイドラインと、主な安全規格を比較して−
日時:12月5日
(水)13:00−17:00
場所:幕張メッセ 国際会議場 3F 303会議室
主な内容:
・SEMI S2をはじめとするSEMI安全ガイドラインや各種安全規格、
法規制の最新動向
・合理的なスタンダード適合や法規制適合のための総合的な指針
詳細はWebサイトにてご確認くださいswww.semiconjapan.org
という提起があり、合意されたことから、2007年に、S16-0307
No.4, 2012 • SEMI News
13
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Semiconductor Topic
シリコンならびにSiC/GaNパワーデバイスの最新技術動向
富士電機株式会社 技術開発本部 電子デバイス研究所 次世代デバイス開発センター SiC-PJ部 /
独立行政法人産業技術総合研究所 岩室 憲幸
■ はじめに
ン電圧と高速スイッチング性能、さらには、高破壊耐量のIGBT
パワーエレクトロニクスとは、エレクトロニクスで電力を制
に横たわる工学的トレードオフを同時に向上させるブレイクス
御する技術のことであり、具体的には、パワーデバイスを用いて
ルーを実現することであった。このブレイクスルーがこれまで
電力を制御し、電力をより使いやすい形に変換する技術である。
のIGBT開発の最大のターゲットであり、このための技術革新
近年の電力制御・変換の高度化への要求が一層高まる中、パワー
の努力がなされてきた。現在最先端のIGBT構造であるトレン
エレクトロニクス機器に対しても、より一層の高効率化、高機能
チゲート型FS-IGBT4)については、薄ウェーハ化(約100μm以
化が求められている。
下)
とIGBT特有のウェーハ技術はただ薄化するだけでなく、薄
パワーデバイスで最も権威のある国際学会「ISPSD」での動
化したうえさらにウェーハ裏面より不純物拡散を行い、かつ電
向を見ると、パワーMOSFETでエピタキシャル層を幾重にも重
極付けしなければならない。そのため、ウェーハをハンドリング
ねたスーパージャンクション構造の実現や、IGBTでウェーハ
する際に割らない高度なプロセス技術が要求され、これが
を極限まで薄くしたフィールドストップ型IGBTの開発・製品化
IGBT固有技術なのである。
などが注目されている。さらに、パワーデバイスにおける期待の
IGBTの技術革新の原動力となったのは、性能向上に伴うパ
新材料として、SiCやGaNの発表も堅調である。反面、現在の
ワーロス低減とチップサイズの縮小化を同時に行い、大幅なコ
Siパワーデバイスに置き換わるには克服しなければならない技
ストブレイクスルーを行いたいという目的による。さらにチッ
術課題も多く、技術的なブレイクスルーが期待される。
プサイズの縮小は、IGBTモジュール体積を革新的に小型化す
■ シリコンパワーデバイスの最新動向
るばかりでなく、適用される装置の小型軽量化に大きく貢献し
1. シリコンMOSFETの最新動向
ており、そのことが今日のIGBTモジュールが普及した大きな
パワーデバイスの低消費電力化には、オン抵抗低減とスイッ
要因のひとつとなっている。これにより、エアコンや冷蔵庫など
チング損失の低減が重要である。オン抵抗の指標としては、規格
のいわゆる白物家電から、新幹線に代表される大容量車両用
(=オン抵抗x面積)
が用いられる。Ron・A
化オン抵抗Ron・A
インバータ・コンバータ装置、さらにはハイブリッド自動車や電
で比較した場合、500V〜700V以上では、縦型のスーパージャン
気自動車のモータ制御装置として適用され、その用途はます
(CoolMOSTM、MDmeshTMなど)
が魅力的で
クションMOSFET
ます広がっている。
ある。スーパージャンクション技術の耐圧とオン抵抗の理論的
■ ワイドバンドギャップパワーデバイス開発の現状と将来動向
解析は、一次元の近似に基づく報告がされている1)。
1. ワイドバンドギャップ半導体の特徴
1998年、
ドイツSiemens社CoolMOSTMにより実際にSilicon
ワイドバンドギャップ半導体にはいくつかの種類があるが、
limitを超え得ることが示され、大きなインパクトを与えた。そ
パワーデバイス向けの材料として注目されているのは、SiC、
して、従来のMOSFETの約10分の1のオン抵抗が得られる可
GaN、C(ダイアモンド)である。これらの材料は、バンドギャッ
能性と、IGBTに見られるようなキャリアの蓄積効果がないた
プEg、破壊電界強度Ec、熱伝導度κなどがシリコンに比べて
め、高速スイッチングが可能なことが示された。CoolMOSTMに
大きいのが特徴である。SiCやGaNは、シリコンの約10倍に及
代表されるスーパージャンクション構造は、その低損失性を活
ぶ大きな絶縁破壊電界を有するため、オン動作時の導通抵抗が
かして、主に高圧のスイッチング電源に適用されている。最近で
低減化でき、デバイスの低損失化が可能となる。また、SiC や
は、耐圧60Vクラスの車載用途にも適用され、適用される耐圧範
GaNは高温動作が可能であることと、特にSiCは高い熱伝導度
囲はますます広がりつつある。
特性を有していることから、例えば電源の冷却装置を小型化す
さらに、最近の製造技術の進歩は目覚ましく、製造法が複雑で
ることも可能である。このような高速・低損失・高耐圧、そして高
あると言われてきた従来のエピタキシャル層を幾重にも重ねた
放熱という特徴は、パワーエレクトロニクス機器の高効率化に
多層エピ成長法に代わり、N-エピ層に深いトレンチ層を直接形
は非常に有効となる。
成し、そこにp型エピタキシャル層を形成するトレンチ埋込み
2. SiC-MOSFETデバイス、プロセスの課題
法なども開発された 2 )。このように、スーパージャンクション型
SiC-MOSFETはユニポーラ型素子であるため、高耐圧素子に
MOSFETは、その製造コスト低減と性能向上への取組みが最近
おいても低オン抵抗で、しかもスイッチング速度が速くできる
ますます盛んであり、さらなる発展が期待されている。
ということが大きな特徴となる。特に最近では、1,200V耐圧で
2. シリコンIGBTの最新動向
50アンペア以上の電流導通能力を有する、5mm角程度以上の大
1982年IGBTの原型の発表3)以来、さまざまな技術革新に基
面積縦型素子の発表が目立ってきている
(表1)。また、より一
づく新世代IGBTが開発されてきた。IGBTの高性能化とは、低オ
層の低オン抵抗化を目指したトレンチゲート構造の開発によっ
14
SEMI News • 2012, No.4
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Semiconductor Topic
表1 最近発表された1,200V SiC-MOSFET特性
て、低オン抵抗特性を有する1,200V MOSFETの試作結果も報
告されるに至っている5)。しかしながらSiC-MOSFETのオン抵
A社
B社
C社
D社
抗は、理論的限界値に比べ未だかなり大きく、十分にSiCの性
能を発揮するには至っていない。その原因のひとつとして、
チップサイズ 1.2mm□
4.8mm□
―
3.3mm□ 7mm*8mm
SiC/SiO2界面準位密度がSiよりも高く、チャネル移動度が低
いことが挙げられる。
高品質SiC/SiO2界面改善と併せて大きな課題のひとつとして、
S i C 上に形 成されたゲート酸 化 膜 の 信 頼 性 向 上 がある。
MOSFETのスイッチングのたびに、比較的大きな電界強度がゲ
RonA
(RT) 5.7mΩcm2 7.0mΩcm2 1.7mΩcm2 3.7mΩcm2 3.7mΩcm2
Vth(V(
)RT)
4.9V
―
―
0.3V
3.5V
素子構造
DMOS
DMOS
トレンチ
DMOS
DMOS
IEDM
2011
ISPSD
2011
ISPSD
2011
ート酸化膜に繰り返し印加されるため、その長期信頼性は
MOSFETにとって極めて重要な特性となる。SiC上にゲート酸
出典
ECSCRM 技術情報
協会資料
2010
化膜を形成するには、Siプロセスと同様、熱酸化法が適用するこ
とができる。ただし、SiCはSiに比べて高温での酸化が必要であ
Gate
ること、Si基板に比べSiC基板は結晶欠陥が多いこと、さらには
酸化プロセス中に炭素の脱離が生じることで酸化膜中に炭素が
Source
残留するなど、問題点が多いことが指摘されている。
u-GaN
Drain
C-GaN
3. GaNデバイスの技術
Buffer layer
Siデバイスで現在主流の構造は縦型素子であるが、GaNにお
いては安価で良質なGaN基板が現在までのところ入手困難で
Si Sub.
あるため、SiCやサファイア、Siなどの基板を用い、バッファ層を
介して活性領域を形成した横型素子に関する発表が主流である。
SiO2
AIGaN
図1 ノーマリーオフGaN MOS-HEMT断面図
このバッファ層の抵抗が高いため、GaNデバイス構造は横型素
子が主流なのである。横型素子として最も発展している構造が、
タンスによる大きなサージ電圧の発生という、シリコンデバイ
HFET構造(HEMT構造)
である。AlGaN/GaN系のHFETは、
スでは経験しなかった問題を発生させてしまう可能性が指摘さ
界面に高移動度かつ高いキャリア濃度の二次元電子ガス
れている。したがって、SiCやGaNパワーデバイスを扱う場合
(2DEG)層を形成できるため、これをチャネルに用いることで、
の回路配線やノイズ低減技術に関しては、シリコンパワーデバ
高出力・高効率素子が実現できると期待できる。また、大きな熱膨
イスに適用している技術よりもさらに進んだ技術開発が必要と
張係数差と格子定数差から結晶成長が難しかったSi基板上へ
なるであろう。
も、良好なエピタキシャル成長ができるようになってきている6)。
このほか、パワーデバイスパッケージ実装技術と、そこに使わ
ノーマリオフGaN-HFETについては、いくつかの構造につい
れる樹脂封止材の性能向上も必要である。特に、200℃以上での
て検討されている。例えば、ゲート領域はGaN層上へのMOS
高温動作を考える上では必要不可欠となるであろう。これら周
構造を維持しながら、耐圧1,210Vで低オン抵抗7.1mΩcm2を実
辺技術とパワーデバイス技術の間、また周辺技術内でも、
トレー
現したSi基板上ハイブリッドMOS-HEMT構造が報告されて
ドオフの関係にあるものがあり、パワーエレクトロニクス機器
いる
(図1)7)。チャネル移動度の向上が課題であるものの、ハ
としての性能向上を評価しながら、その最適点を見いだす努力
イブリッドMOS構造はエンハンスメント動作と高い閾値をも
をしなければならない。
つため、今後の発展が期待される構造であると考えられる。
GaN-HFETの最大の課題は、やはり電流コラプス現象であろ
<参考文献>
う。電流コラプスとは、高いドレイン電圧を印加すると素子のオ
1)T.Fujihira, et al., Jpn. J. Appl. Phys., 36, Part 1, No.10, p.6254
(1997)
ン抵抗が増加していく、つまりドレイン電流が減少していく現
象である。この電流コラプス現象の原因については、まだはっき
2)T.Tamaki, et al, in Proceedings of Int. Symp. Power Semiconductors
(2011)
and ICs, pp.308
りとつかめていないが、高いエネルギーをもつ電子が半導体中
3)US.Patent No.4,364,073.
のトラップに捕獲されることに関連があると考えられており、
4)T.Laska et al, in Proceedings of Int. Symp. Power Semiconductors
.
and ICs, pp.355,(2000)
この解決がGaN-HFET実用化には必要不可欠である。
■ 将来のパワーデバイスを支える周辺技術
SiCやGaNパワーデバイスは、そのスイッチング速度がシリ
コンパワーデバイスに比べ極めて速いため、スイッチング時の
損失を大きく低減できるという利点がある半面、配線インダク
No.4, 2012 • SEMI News
5)T.Nakamura et al, in IEEE IEDM Tech, Dig., p.599
(2011)
.
(2007)
, 831-834.
6)S. Kato et al, Journal of Crystal Growth 298
7)N. Ikeda et al, in Proceedings of Int. Symp. Power Semiconductors
(2011)
.
and ICs, pp.284
15
P16-17_28-04/45L 12.10.16 11:49 AM ページ 16
Innovation Stories
開発秘話:Cell
Broadband Engine
株式会社東芝 執行役常務待遇 セミコンダクター&ストレージ社 首席技監
■ はじめに
マイクロプロセッサは、1972年にIntel社で4004が電卓用に開
発されたのを皮切りに、半導体技術の進歩に伴い、高性能なもの
から超小型のものまでさまざまな用途に適したものが開発され、
斎藤 光男
が始まり、喧々諤々の議論の末、
① 単なるゲーム機のエンジンではない
② さまざまなものに組み込んで使えるようにスケーラブルで
なければいけない
現在では、いわゆる電化製品にはマイクロプロセッサが入って
③ ゲームやネットワーク上では、これまでのプロセッサが得意
いない機器を探すのが困難なほど、普及している。また、その長
としていたベストエフォート型処理ではなく、リアルタイム処
い歴史の中で、さまざまな新しい試みがなされてきたが、その中
理が基本になる
で大きなトピックとして、いわゆるX86アーキテクチャが最初
④ メリットがあれば新規アーキテクチャも許容される
の本格的な16ビットマイクロプロセッサとして開発されたこと、
という基本思想がまとまった。こうして、すでにあるソフトウェ
その後32ビット時代になってRISCプロセッサが隆盛を極めた
ア資産を利用するために、既存のPowerPCアーキテクチャに準
ことなどが挙げられる。その後、RISCに代わってX86の改
拠したプロセッサをコントローラとして、性能を出すためのメ
良版が隆盛を極めたり、いわゆるSOCとして組込み用途のLSI
インのエンジンとして、SPUと名付けた新規アーキテクチャの
に内蔵されるマイクロプロセッサが爆発的に増えたりと、常に
プロセッサを8個積んだCell Broadband Engine
(Cell/B.E.)
の原
半導体技術の進歩を促す中核の役割を果たしてきた。その中で
型のアイデアが固まっていった
(図1)
。
も、プレイステーション2用のプロセッサ Emotion Engineの後
継として開発されたCell Broadband Engine
(Cell/B.E.)
は、大きな
意味を持つ記念碑的なマイクロプロセッサのひとつである。
Cell/B.E.は、ソニー・コンピュータエンタテインメント
(以下
SCEI)
とソニー、IBM、東芝が共同で開発した、次世代ゲーム機や
デジタルハイビジョン時代のAV機器などのデジタルホーム、そ
してブロードバンドインターネット時代の分散コンピューティン
グの中心となる高性能マイクロプロセッサであり、それまで
のマイクロプロセッサの流れから飛躍し、現在主流になりつつ
ある1チップマルチプロセッサの原点とも言える、新しいコンセ
プトを提案している。
本稿では、Cell/B.E.がどうやって生まれてきたか、どう実際に
開発されてきたかを中心に解説する。
■ プレイステーション2を超えて
図1 Cell Broadband Engineのブロック図
■ Cell Broadband Engine(Cell/B.E.)開発プロジェクト
こうして基本的なアーキテクチャ構想が合意され、それをベ
東芝とSCEIを中心に開発していたプレイステーション2用
ースとして正式に契約を結び、2001年に開発が始まった。もと
のEmotion Engine開発が山を越えた1999年1月頃から、東芝と
もとIBMを開発に加える大きな目的として、そのプロセッサ開
して次機種の模索を開始した。当初は、Emotion Engine開発時に
発のノウハウとともに、アメリカの柔軟な労働市場から優秀な
苦労した開発人員の不足を解決しようとして、シリコンバレー
エンジニアが集めやすいことがあり、そのメリットを生かすた
を拠点とするベンチャー企業を立ち上げることを計画したが、
めに、開発拠点はIBMのAustinキャンパスに決めた。とはいえ、
やはりキーになるリソースの獲得がうまく行かなかった。そこ
にな
これだけの大プロジェクト
(ピーク時400人以上数年間)
で有力な会社と組んだ方が良いのではということになり、SCEI
ると、やはり単一の拠点で開発するのは無理で、どうしても複数
と相談しIBMに働きかけた。しかし、IBMがあまり興味を示さ
拠点になってしまった。Emotion Engine開発時は太平洋をまた
ず、3社の提携はうまく立ち上がらなかった。ところが、2000年
がる複数拠点で、マネージメントには苦労したが、今回はアメリ
に入り、プレイステーション2が世界的に大反響を巻き起こし
カ国内のIBM社の複数拠点が主であり、ネットワークインフラ
た頃、当時SCEIの社長であった久夛良木さんがIBMの上層部
もEmotion Engine開発時とはまったく違うほど進歩していたこ
に直接働きかけることにより、共同開発の基本合意ができた。そ
ともあり、それほど大きなトラブルは起きなかった。開発チーム
の基本合意をベースに、どのようなものを作るかについて議論
の構成方針として、会社ごとに担当機能ブロックを分けること
16
SEMI News • 2012, No.4
P16-17_28-04/45L 12.10.16 11:49 AM ページ 17
Innovation Stories
はせず、ひとつの機能ブロック開発チームに各社のメンバーが
果、次第にさまざまな分野に使われるようになって行った。
参加する、混成チーム構成とすることにした。最初は多少の非能
■ Cell Broadband Engine
(Cell/B.E.)
の応用分野と結果
率はあるかもしれないが、プロジェクト全体の一体感を高め、さ
Cell/B.E.の大きな目標のひとつは、プレイステーション3であ
らに出来上がった成果を各社が持ち帰る際に支障をきたさない
ったが、これは2006年11月に無事に発売にこぎつけた。発売当
ようにと考えてのことであった。開発途中では、やはり新規開発
初は、まだハイビジョンテレビがそれほど普及していなかった
の例に漏れず、リソース不足も生じたが、短時間に優秀なエンジ
こともあり、予想ほど売れなかったが、Cell/B.E.自体を最先端
ニアを追加することができ、これがアメリカあるいはIBMの実
プロセスで製造するなどのコストダウンと電力消費を抑えたこ
力なのかと感心したものである。
ともあり、順調に伸びて、現在時点で累計5,000万台を超えるヒ
IBMにもこのような大規模開発を複数社で行う経験がなか
ットとなっている。
ったことや、各社の文化の違いなどにより、開発の初期は多少の
また、IBMは、Cell/B.E.を拡張した浮動小数点演算の強化を
混乱はあったが、問題点を徹底的に議論することにより解決す
行ったマイクロプロセッサを使用し、Road Runnerと呼ばれる
ることができた。開発の設計インフラは、プロセッサの開発経験
スーパーコンピュータを開発して、その当時の世界最高性能を
豊富なIBMのものを基本としたが、各社のノウハウも持ち寄る
実現した。さらにそれを1年半保ち、性能対電力消費率に至って
ことで、複数の会社でひとつのものを開発する難しさを克服し
は、数年間トップを独占し続けた。これは技術革新の速いこの世
ただけでなく、きわめて能率の良い開発を行うことができたと
界では異例のことであった。
考えている。
一方、Cell/B.E.のもうひとつの狙いである組込み機器に対す
2004年4月に最初のチップが完成し、翌年の半導体関係の大
るチャレンジは、東芝が、オーディオ、ビデオ用ソフトウェアの
きな国際学会であるISSCCで最初の発表を行い、世界的に大反
枠組みを作り、48チャンネルのDVD同時再生などのデモを行
響を呼んだ。また、2005年10月の国内最大のIT関連展示会で
うなど普及に努めたが、当初は今ひとつうまくいかなかった。こ
あるCEATECでは、カメラから取り込んだ顔の動画像にリアル
れは、TVなどの機器は消費電力に対する要求が厳しく、最初の世
タイムで化粧を施す「魔法の鏡」
というデモを東芝が行った。
代のCell/B.E.では対応が難しかったためである。しかしこれも、
これは大評判となり、多くのテレビ局のニュースで流された。そ
Cell/B.E.をベースとしたPC向けコプロセッサSpursEngineを開
して、2006年11月SCEI社のプレイステーション3発売へと繋
発したり、Cell/B.E.自身の低消費電力化を進めたりすることに
がっていった。
より、PCやTVに使われるようになってきた。また、医用機器や
■ Cell Broadband Engine
(Cell/B.E.)
の基本構成と結果
放送機器にも使われるなど、徐々にその利用分野を広げている。
Cell/B.E.は、汎用処理用のPowerPCアーキテクチャのコアと、
■ 終わりに
8 組のデータ演算処理向けの新アーキテクチャコアSynergistic
ここに示した図は、開発を開始した当時、Cell/B.E.の目指すべ
(SPE)
とを組み合わせた非対称型マルチプロ
Processor Element
き世界の説明のために作ったものである
(図2)
。特に携帯用機
セッサで、特にメディア系の処理に重きを置いていた。このSPE
器など、必ずしもこれが全て実現されてはいないが、現在のモバ
は、データ処理に特化し、簡単な構造にもかかわらず高性能が発
イル端末の普及とクラウドコンピューティングの世界を予見して
揮できるように考えられていた。その実効性能は、計画時には、
おり、技術の革新にも大きな足跡を残した。この経験を生かして、
SPE1個の性能はその小ささにもかかわらず、実際の応用では既
更なる飛躍につなげて行きたいと考えている。
存の高性能CPUと同等を実現可能と考えられていた。それを
生かすために、ソフトウェア開発環境を整備し、CPUがどうい
う状態かを表示するツールを作り、性能のチューニングが容易
に行えるようにした。ところが、完成後に実際の問題に適用して
みると、数倍の性能を示す例が数多く報告された。そのため、
Cell/B.E.全体では、当時の最も高速なマイクロプロセッサに比
較して、数十倍の性能にも達した。この理由は、主として、SPEの
メモリ効率を含む命令実効効率の高さが、実際の問題では予想
以上に性能向上に寄与していたためであった。
この性能の高さから、Cell/B.E.は、RISC以来の計算機アーキ
テクチャの大変革である可能性があると考えられ、研究機関な
どにも呼びかけて、性能を生かすための新しいプログラミング
の方式や、利用分野を広げるための共同研究を行った。その結
No.4, 2012 • SEMI News
図2 Cell Broadband Engineプロジェクトを開始したころ夢見たネットワーク社会
17
P18-19_28-04/43L 12.10.16 11:48 AM ページ 18
Market Report
次の黄金の年はいつくるのか
−2012年の失速は、2013年の記録更新の助走となるか?−
SEMI 市場調査統計部門 マネージャー Christian Gregor Dieseldorff
半導体産業にとって、消費者と企業の景気
観がこれまで以上に重要性を持つようになり
ました。2012年第3四半期も終わりに近づく
ファブ装置支出額推移(前工程) 出典:SEMI World Fab Forecastレポート
(2012年8月版)
ディスクリート含む
2008
2009
2010
2011
2012
2013
$25,944 $14,462 $33,453 $38,746 $36,682 $42,791
−44.3%
成長率
131.3%
−5.3%
15.8%
16.7%
今、米国の難しい財政状況、中国経済の減速、
ディスクリート含まず $24,869 $13,363 $30,875 $35,672 $34,991 $40,707
そして継続する欧州債務危機を背景に、景気
成長率
に対する悲観的な見方が蔓延しています。
2012年の初めには、半導体の収益はもっと楽観的な見通しで、
4〜6%の成長が予測されていました。マクロ経済状況は警告を
−46.3%
131.0%
−1.9%
15.5%
16.3%
なり、17%の成長をして、ほぼ430億ドルという過去最高水準に
到達する可能性があります。
2012 年のファブ装置支出額をけん引するのは、TSMC 、
発し、半導体の収益見通しは今年については0〜2%へと修正さ
Globalfoundries、UMCがリードするファウンドリで、3社の合計
れました。例えば、7月にIntelは2012年の売上目標を、前年比
は100億ドルを超えます。2013年も3社は約100億ドルを支出
3〜5%増となる556〜587億ドルまで引き下げました。ただし、
し、この支配的状況は続きます。
Intelは2012年後半の方がよくなると予測しています。TSMC
ファブ装置支出額を製品種別に調べると、DRAM分野は平均
は2012年第4四半期から2013年第1四半期かけて減速を予測
価格の下落による苦闘が続いています。この分野では、2009年
し、収益成長予測を1〜2%引き下げました。STMicroelectronics
にドイツメーカーのQimondaが倒産し、2011年にPowerchipが
は、7月に見通しが悪化したために、2012年の設備投資を25%減
撤退、またProMOSは厳しい状況です。これ以上の平均価格下
額すると発表しています。
落を食い止めるため、DRAMメーカー各社は生産能力拡大の投
その一方、苦闘する日本のMCUおよびアナログ/パワーデバ
資を控えており、資金がある企業は、新しいテクノロジーと既存
イスメーカー、ルネサス エレクトロニクスは、事業を継続する
のファブのアップグレードに投資を集中しています。エルピー
ためのオプションとして、ビジネスユニットの整理統合やファ
ダが今年の初めに倒産したあと、DRAM分野の設備投資は世
ブライト化を検討しています。今年5月に、富士通はファブライ
界全体で非常に低水準に落ち込んでいます。これは2013年も
ト化を進めると発表していましたが、最近になって、国内組立工
変わらないでしょう。
場の閉鎖および売却を発表しています。また、2012年後半にな
12,000
ってから、多くの企業がレイオフを発表しています。Siltronic AG、
11,000
Nokia、Cisco、ON Semiconductor、Google傘下のMotorola
10,000
Mobility、Rambusなどです。
9,000
8,000
7,000
6,000
■ 2013年は黄金の年となるか
産業のさまざまな分野でブレーキが踏まれているようですが、
2013年の回復をにらんでエンジンの回転を上げているところ
もあります。新型スマートフォン、ウルトラポータブルPC、タブ
レットなどのモバイルデバイスが半導体の収益を10%押し上
げ、2013年を再び黄金の年にするでしょう。
半導体の収益と設備投資は同時に上下動します。ファブ装置
への支出も基本的に同様の動きをする傾向です。
5,000
4,000
3,000
2,000
2010
2011
2012
ファウンドリ(専業)
MPU
システムLSI
2013
フラッシュ
DRAM
前工程ファブ装置投資の製品別支出額(単位 100万米ドル)
(2012年8月版)
出典:SEMI World Fab Forecastレポート
フラッシュ分野の投資もまた、2012年は減速しました。例え
ファブ装置支出額については、2007年と2011年が黄金の年で
ば、2012年の初めにSandiskは、第5クリーンルーム棟の生産能
した。2012年の支出額は減少するとしても、史上3番目の高水
力拡大の一時停止を発表し、7月末になると、東芝がNANDを
準に踏みとどまる結果になるでしょう。SEMIのファブデータ
30%減産すると発表しました。しかし、SEMIのデータは、フラッ
ベースは、2013年に約200のファブで装置が設置されることを
シュ分野では、Samsung
(主にLine 16)
、SK Hynix、Flash Alliance、
示しており
(ディスクリートとLEDを含む)、再び黄金の年と
Micronが巨額の支出をして、2013年には投資が回復することを
18
SEMI News • 2012, No.4
P18-19_28-04/43L 12.10.16 11:48 AM ページ 19
Market Report
示しています。
Samsungは、システムLSIを重視するようになり、既存のメモ
世界半導体製造装置出荷額の四半期推移
リファブをシステムLSIに転換する一方、新工場も建設してい
ます。Samsungのこの製品に対する支出額は大規模で、2012年
に50億ドル以上、2013年は60億ドル以上を注ぎ込むことが予測
(10億米ドル)
14.00
日本
北米
欧州
韓国
台湾
中国
その他
1Q12
2Q12
12.00
されます。
昨年の予測を上回るファブ計画がスタートしていますが、今
10.00
年のファブ建設計画の総数は前年比でマイナスです。これによ
8.00
る投資額への影響を見ると、2012年の建設投資は4.4%減が予
6.00
測されます
(64億ドルから61億ドルに減少)
。2013年のファブ建
4.00
設投資は、さらに10%減の55億ドル程度になるでしょう。
2.00
ファウンドリは、生産能力の成長率という点では、半導体産業
の他分野よりもずっと好成績です。ファウンドリの重要性は、
0.00
2Q11
1Q11
業界の整理統合や、ファブライト化やファブレス化をするIDM
3Q11
4Q11
日本
北米
欧州
韓国
台湾
中国
その他
(垂直統合型デバイスメーカー)
が増える中で、ますます高まっ
1Q11
1.34
2.75
1.25
1.66
2.73
1.04
0.88
ているといえます。生産能力を製品分野別に見ると、2012年に
2Q11
1.48
2.21
1.18
2.17
2.76
1.13
0.99
11.92
3Q11
1.74
2.11
1.02
2.27
1.49
0.94
1.04
10.61
フラッシュがDRAMを抜くことになるでしょう。
合計
11.65
4Q11
1.24
2.19
0.76
2.55
1.55
0.54
0.50
9.34
2012年のフラッシュの減産によって平均価格は上昇してお
1Q12
1.29
2.28
0.82
3.32
1.77
0.72
0.52
10.61
り、おそらく各社はフラッシュの生産能力を2013年に拡大し、
2Q12
0.77
1.96
0.52
2.59
3.25
0.63
0.61
10.34
予想される需要の伸びに対応しようとするでしょう。DRAMの
生産能力投資は
「保守水準」
であり、2013年に生産能力が増え
※2012年第 1四半期の北米のデータが、前回発表時から修正されました。
出典:Worldwide Semiconductor Equipment Statistics(SEMI, SEAJ)
る見通しはありません。SamsungのシステムLSIに対する多額
SEMI Book-to-Billデータ
の投資によって、システムLSIの生産能力は大幅に拡大するで
しょう
(テキサス州オースチンのファブを40億ドルかけてフラ
ッシュから28nm SoCロジックデバイスに改修)。
2,000
1.12
1,800
1.01
16,00
■ 将来は有望
2012年にプラス成長はないかもしれませんが、それでも最高
水準の成績の年のひとつに数えられる結果となるでしょう。産
業界の整理統合が続き、ファブライトやファブレス化する企業
が増えると、これまでのファウンドリ各社は業績を拡大し、大手
0.86 0.84 0.80
0.71
200
グ状態かもしれませんが、2013年にはモバイルデバイスの大需要
0
(初出 SEMI Global Update 2012年9月号)
No.4, 2012 • SEMI News
0.40
0.30
9月 10月 11月 12月 12年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
0.20
SEMI BBレシオの12ヵ月間推移(単位:百万米ドル、3ヵ月移動平均)
2011年9月
受注
10月
11月
12月
2012年1月
2月
0$926.5 0$926.8 0$977.2 $1,102.9 $1,187.5 $1,336.9
$1,313.5 $1,258.3 $1,176.7 $1,300.0 $1,239.9 $1,322.8
0.74
0.83
0.85
0.96
1.01
BBレシオ 0.71
販売
3月
額する可能性が生じています。そのため、上記2013年予測に対
は若干下減少することが考えられます。
0.50
受注額
販売額
BBレシオ
■ 英文記事発表後のアップデート
して、ファウンドリはさらに上昇しますが、MPUとフラッシュ
0.70
0.74
0.60
600
400
設備投資を増額しました。一方で、IntelとSamsungは10%程度減
0.90
0.83 0.85
800
るでしょう。投資を駆動するエンジンは、短期的にはアイドリン
9月6日の本稿初出後、さらに状況が変化しており、TSMCが
1.00
0.93
1,200
1,000
1.10
1.05
0.96
1,400
IDMの中には、ファウンドリサービスを立ち上げるものも現れ
によって投資のギアが入り、徐々に加速していくかもしれません。
1.20
1.10
4月
5月
6月
7月
8月
受注
$1,445.7 $1,602.8 $1,611.9 $1,424.3 $1,234.6 $1,120.6
販売
$1,287.6 $1,458.7 $1,536.0 $1,535.7 $1,442.8 $1,335.5
BBレシオ
1.12
1.10
1.05
0.93
0.86
0.84
出典:SEMI Book to-Bill Report
19
P20_28-04/44L 12.10.16 11:47 AM ページ 20
Work Force Development/SEMI Membership
半導体装置・材料業界 合同会社説明会
次代を担うグローバルな若手技術者の育成・確保
SEMIでは、今年もセミコン・ジャパンにおいて、2014年新卒
開催時間延長:企業面談ブース訪問と展示会場見学のための
学生を対象にした就活イベント
「半導体装置・材料業界 合同会
十分な時間を確保。17時以降、一般来場者がいない展示会場
社説明会」
を開催いたします。本プログラムは、SEMIの業界支援
で、説明付きでブース見学が可能。
活動の一環として、昨年より開催しているものです。新卒採用広
参加学生集客プロモーション
報解禁日が12月1日と定められ、解禁日直後のセミコン・ジャパ
より多くの理系新卒学生に合同会社説明に参加してもらうた
ンで開催した昨年は、予想をはるかに上回る320名の学生が92
め、去る9月29日には、前段階として、業界研究セミナーを開催い
の大学・大学院から参加しました。今年はさらに多くの学生の参
たしました。産業タイムズ社 泉谷社長による講演、SEMIによる
加を目指し、準備を進めております。
業界概説、参加企業5社による技術・開発現場の魅力についての
2012年合同会社説明会 概要
解説、そして最後に質問時間というスケジュールで行われ、終了
(木)
10:00-18:00
開催日:12月6日
時間まで参加した83名の学生からの質問が絶えず、大変盛況な
開催場所:幕張メッセ 国際会議場コンベンションホール
セミナーとなりました。
「就活前に貴重な情報が入手できた」
(大学院、大学、短大、専門学校)
参加対象:2014年新卒者
「具体的な状況を知ることができた」
と、参加学生から前向きな
参加企業数:10月3日現在 13社
感想が多く聞かれました。また、11月には、同志社大、京大、東
内容:参加業界による講演、業界概要説明、人事採用担当者パネ
北大・名古屋工業大、他、関東の大学などにおいて、理系新卒
ル討論、企業面談ブース訪問、展示会場見学ツアーと自由見学
学生を対象にした業界ガイダンスを行います。
昨年の反省点を活かした新たな取組み
現在も引き続き、合同会社説明会に参加する企業を募集して
会場増設:狭かった面談ブーススペースを2倍に。
おります。1社でも多くの企業にご参加をいただき、業界全体で
魅力ある新企画:人事採用担当者によるパネル討論会
「内定秘
本イベントを盛り上げ、
「次代を担うグローバルな技術者の育
訣教えます」
開催。
成・確保」
を目指したいと考えます。
SEMI新会員企業のご紹介
−日本で入会された会員企業をご紹介します(2012年 7月‐2012年 9月)−
■ 会社名
1)所在地、連絡先(URL、電話) 2)設立年
3)取扱製品/サービス
■ イムラアメリカインク
1)48105-9774 ミシガン州ウッドリッジアベニュー アナーバー
1044 http: //www.imra.com Tel: 1-734-930-2567
2)−
3)微細加工技術として超コンパクト、高安定性、メンテナンスフ
リーの超短パルスレーザーを提供
■ 日本太陽光システム株式会社
1)〒541-0043 大阪府大阪市中央区高麗橋4-4-6
http: //jass-taiyoko.com Tel: 06-6221-1221
2)2009年
3)太陽光発電のキーデバイスの販売からIPP事業コンサルタン
トまで、太陽光発電事業をサポート
■ 株式会社マス商事
1)〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜3-13-12
20
http: //www. mass.co.jp Tel: 045-478-6151
2)1976年
3)エレクトロニクス分野における生産ラインシステムの一括
販売からメンテナンスまでを手がける技術専門商社
■ 株式会社ミウラ
1)〒720-2122 広島県福山市神辺町新湯野28-2
http: //www.kkmiura.com Tel: 084-962-3013
2)1953年
3)プローブカード検査装置、ウェハー移載梱包装置、チラーな
ど装置に関する製造・メンテナンスのワンストップサービス
■ ミニマルファブ技術研究組合
1)〒305-8568 茨城県つくば市梅園1-1-1 産総研中央第2
http: //www.minimalfab.com Tel: 029-861-1146
2)2012年
3)ミニマルファブ(ハーフインチウェーハを製造単位とする局
所クリーン化超小規模半導体生産システム)
の研究開発
SEMI News • 2012, No.4
表03_28-04/45L 12.10.16 11:45 AM ページ 1
Column
SEMI Newsコラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日 本 の資 源
渡壁 弥一郎
2011年3月11日、その時、新横浜のレーザーテック本社5階に
融合した何と壮大な試みであろうか。
いた。あまりの揺れに机の下に潜り込み、揺れが治まるのをひた
先日スマートコミュニティー戦略セミナーに出席した。各都
すら祈りながら待っていた。その後のニュースで、想像を絶する
道府県の知事さんをはじめとした責任者から、彼ら独自のエネ
津波による被害、それに伴う壊滅的な原発災害の実態が明らか
ルギー政策の紹介があった。地産地消という観点から、この会議
にされてきた。計画停電、ガソリン供給不足で、一時東日本は
において、各都道府県の特徴ある提案がなされた。アイデアも沢
パニック状態に陥った。
山報告された。老人の多いある県では、オムツを燃料にするとい
今回の震災は、日本社会において増え続けるエネルギー消費
う実にユニークな提案もあった。製材副産物を圧縮成型して固
について、経済成長、安全性、環境問題の観点から真剣に向き
形燃料化した木質ペレットも注目すべきものである。これは森
合う機会を、我々に与えてくれたのではないだろうか。
林の間伐材や製材工場などから発生する樹皮、のこ屑、端材など
日本の面積はおよそ37.8万km2で、世界で61位の小さな国。
を細粉し、圧力をかけてペレット状に成形したもので、実に有効
その70%は山岳地帯、67%の森林率である。日本は資源がなく、
な燃料である。小さな小川に設置された小さな水車を利用した
食料、鉱物、石油等化石燃料は、ほとんどが外部依存という課題
水力発電(200kw未満のマイクロ水力発電とも言われている)
を抱えていると言われてきた。
は、山間地、中小河川、農業用水路、上下水道施設などにおける
しかし、世界の排他的経済水域からの面積は447万km2で
発電も可能で、過去100年以上の歴史を有している。残念なこと
6位である。広大な海を持っている日本は、海にある食料資源、海
に、この素晴らしい日本人の地域に芽生えた技術が、規制という
底に眠っている鉱物資源、さらに海流、波、潮の干満等自然が与
壁で遅れてきたと言われている。これらの技術を総合的に、誰が
えてくれている巨大なエネルギー等々、多くの資源に恵まれた
どのように方向性を持って進めていくかが重要である。
国であることを、しっかり認識する必要がある。
2030 年には4,000 兆円とも言われているスマートシティ市場
例を挙げると、海底には100年は持つと言われている 燃える
(日経BPクリーンテック研究所データ)
は巨大である。その40%
氷 メタンハイドレートが眠っている。また、政治的に問題にな
近くが蓄電関連の市場と言われている。この分野でも日本は先
っている尖閣諸島の海底に眠っている石油や、 たぎり で有名
行している。自然エネルギーを効率よく電気に変換し、蓄電する
な鹿児島湾の水深200mmの海底からアンチモン等レアメタル
技術を十分保有している日本は、ぜひとも世界のリーダーシップ
が、日本の最東端の南鳥島周辺の海底でテルビウム等レアアー
を発揮し、大きな産業として作り上げていただきたい。
スが発見された。さらに、日本国土に目を向けてみると、最近新
上記したように、日本には巨大な海の資源、豊富な山や森、地
たな資源として注目されているシェールオイルが、秋田県内の
下に眠る新たなる資源、加えて日本人の技術の高さ、生真面目な
岩盤層で見つかった。推定500万バレルが見込まれているが、
国民性を考えると 日本の未来は明るい と考えるのは自然だ
県内にはほかにも有望なシェールオイル田が複数あるとみられ
と思うが。しかし、繰り返すようであるが、豊富な資源国になり
ている。もちろん、技術的、経済的課題や環境問題等の解決はこ
うる日本は、 黄金の国ジパング として海外から羨ましがられ
れからである。さらに、これら資源は有限であることも忘れては
る存在となるが、将来の人類のために、これら資源を使い果たす
ならない。人類の未来を考えると、資源の再利用、再生エネルギ
ことは決して許されない。
ーへの転換を考えるべきであり、
そこには弛まない技術の革新、
原子力の平和利用と考えた原発、人類が作った究極のエネル
先を見通したビジョンが、国家レベルで必要である。既に保有し
ギーは、その恐ろしさを3.11で露呈した。経済発展を支えてき
ている技術をベースにしたプロジェクトもあるが、更なる資金
た巨大なエネルギーではあるが、安全性が保障されない限り使
を投入した国家プロジェクトとして取り組むべき時期に来てい
うべきでない。燦々と降り注ぐ太陽の光、太陽、地球、月という天
るのは確かである。
体が持つ巨大な運動エネルギー、自然そして人間が営むことから
日本人は 凄い と思うことがよくある。例えば、横浜国大名
発生する廃棄物、バイオマス等再生資源も限りなく存在する。
誉教授 宮脇昭先生の提案は、被災した東北地方の海岸線に森
世界に目を向けると、ソーラーガソリン、量子太陽電池、ヒート
の防波堤を造ることである。がれきを埋めて土と混ぜて土塁を築
エンジン、衝撃波エンジン、等々
(日経サイエンス2011 年 7月)
き、
そこに、
その土地の潜在自然植生の木を選んで植えていけば、
革新的な技術で効率的な再生可能エネルギーを生み出そうとし
根が地下に深く張り、直根性・深根性の木であるため容易に倒れ
ている研究者は多い。われわれ人類は、高い理想と英知で、豊か
ず、波砕効果を持つ森に育つと言う。自然の力と人間の知恵を
で安全な社会を地球規模で構築していく義務と責任がある。
No.4, 2012 • SEMI News
2012年(7月-12月)
10 月3 日(水)〜5日(金)
PV Taiwan
台北
10 月 9 日(火)〜11日(木)
SEMICON Europa
ドレスデン
11 月 4日
(日)
〜 7日
(水)
ITPC
(International Technology Partners Conference)
ハワイ
12 月5日(水)〜7 日(金)
PVJapan
幕張メッセ
12 月5日(水)〜7 日(金)
セミコン・ジャパン
幕張メッセ
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詳細はWebサイト
Vol. 28, No. 4
お問合せ:SEMIジャパン マーケティング部 浦田 Email: [email protected]
2013年(1月-6月)
1 月30日(水)〜2 月1日(金)
SEMICON Korea / LED Korea
ソウル
3 月19日(火)〜21日(木)
SEMICON China / SOLARCON China /
FPD China
上海
3 月調整中
ハイテク・ユニバーシティ
熊本県
5 月7日(火)〜9日(木)
SEMICON Singapore
シンガポール
5 月21日(火)
・22 日
(水)
SEMI Forum Japan
グランキューブ大阪
・6日
(木)
6 月5日(水)
SEMICON Russia / SOLARC
ARCON Russia
モスクワ
6 月 19日(水)〜21日(金)
Intersolar Europe
PVJapan 2012、セミコン・ジャパン 2012同時開催
展示会入場登録受付中!
‐7日
(金)
に幕張メッセにおいて同
PVJapanとセミコン・ジャパンは、来る12月5日(水)
時開催となります。
入場はWebサイトからの登録制で、
開催当日まで登録が可能です。
11月19日(月)までに展示会入場登録をされた場合、入場バッジを郵送いたします。ご登
録の上、
ぜひご来場ください。
お問合せ:
セミコン・ジャパン運営事務局
Tel: 03.6812.8690 Email: [email protected]
PVJapan運営事務局
Tel: 03.6812.8694 Email: [email protected]
PVJapan 2012、セミコン・ジャパン 2012
7 月9日(火)〜11日(木)
SEMICON West / Intersolar NA
SEMI ジャパン
P.2
太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan 2012」開催へ
P.4
セミコン・ジャパン 2012開催へ:The Power of[x]
P.6
2012年度 SEMIスタンダード日本地区委員会主催プランニング会議から
P.8
太陽光発電の現状と今後
P.10 「第19回 STS Award」受賞論文紹介 2
PCRAM用PCMの研究開発動向
シリコンならびにSiC/GaNパワーデバイスの最新技術動向
P.16
開発秘話:Cell Broadband Engine
お問合せ:
SEMI ジャパン イベント受付
Tel: 03.3222.5993 Email: [email protected]
最近のプレスリリース
P.18
SEMIマーケット・レポート:次の黄金の年はいつくるのか
−2012年の失速は、2013年の記録更新の助走となるか?−
P.19
世界半導体製造装置出荷額の四半期推移・SEMI Book-to-Billデータ
P.20
半導体装置・材料業界合同会社説明会開催へ
P.20
SEMI新会員企業のご紹介
iii
コラム:日本の資源
www.semi.org/jp/News/
シリコンウェーハ出荷面積予測の発表
太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan 2012」
10月1日(月)より 入場登録受付開始
9月27日 「再生可能エネルギー世界フェア 2012」開催概要ご案内!
9月27日 セミコン・ジャパン 2012
10月1日(月)より 入場登録受付開始
9月11日 世界半導体製造装置統計発表
2012年第2四半期の出荷額は103億ドル
8月29日 「セミコン・ジャパン 2012」開催概要
12月5日(水)〜7日(金)、幕張メッセにて開催
8月29日 太陽光発電に関する総合イベント「PVJapan 2012」開催概要
2012年12月5日(水)〜7日(金)、幕張メッセにて
8月14日 シリコンウェーハ出荷面積発表
2012年第2四半期のシリコンウェーハ出荷面積は増加
7月17日 太陽光発電産業の発展に向けてSEMIと米SEIAが
パートナーシップを締結
展示会入場登録受付中
PVJapan 2012
>>> www.pvjapan.org
セミコン・ジャパン 2012
>>> www.semiconjapan.org
〒102-0074 東京都千代田区九段南 4-7-15
Tel: 03.3222.5755 Fax: 03.3222.5757
SEMI OnLine:www.semi.org
Email:[email protected]
巻頭言:他業界の歴史を通してみるSEMIの役割
P.14
2012年
*予定は変更される場合があります
P.1
PVJapanとセミコン・ジャパンでは、展示会期間中、幕張メッセ展示会場内および国際
会議場において、
セミナーとレセプションを多数開催いたします。
有料、
無料にかかわら
ず、全てのセミナー、
レセプションは原則事前登録制です。お申込みはそれぞれのWeb
サイトで受付けております。
席数に限りがありますので、
お早めにお申込みください。
10月 9日
9月27日
台北
マイクロエレクトロニクス産業の最新情報は幕張から
最近のEHS関連SEMIスタンダード活動でのトピックス
7 月24日(水)〜26 日(金)
PVJapan
9 月 4日(水)〜 6日(金)
SEMICON Taiwan
ii
P.12
サンフランシスコ
東京ビッグサイト
Contents
セミナーとレセプションのお申込み受付中!
ミュンヘン
©2012 SEMI ジャパン
October-November 2012
SEMI News
Vol. 28, No . 4 2 012年 10 月 22 日発行(季刊) 発行人 : 中川洋一 / 編集人 : 浦田玉恵