東京都予算編成に 対 す る 要 望 事 項

平成22年度
東京都予算編成に
対する要望事項
東 京 都 市 長 会 厚 生 部 会
目
次
重点要望項目
福祉保健局
1
福祉包括補助制度の充実
2
介護保険制度改革に伴う市町村への支援策の充実
3
高齢者保健福祉に係る各種施策の充実
4
子育て環境の充実(総文、建設)
5
心身障害者(児)及び精神障害者等に係る福祉施策の充実
6
障害者自立支援法の施行に伴う市町村超過負担に係る
財政支援の確立
7
…………………………………………
1
……………
2
…………………………
4
………………………………
6
…
8
……………………………………………………
12
国民健康保険事業における東京都財政調整交付金の確保
及び都補助金の充実
………………………………………………
8
国民健康保険精神医療給付金等の事務所管の一本化
9
がん検診事業等一般財源化事業に対する財政支援及び地域
保健体制強化に対する支援措置の充実
…………
…………………………
10
公費による妊婦健康診査の回数増に伴う財政的援助の確立
11
公立病院に対する補助制度の充実
12
医師及び看護師確保のための施策の充実(総文)
15
17
18
…
20
………………………………
21
……………
23
一般要望項目
福祉保健局
1
長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の円滑な実施に向けた
財政支援等
…………………………………………………………
2
介護保険制度における事務処理等の改善
3
特別養護老人ホームの建設促進及び建設費助成の充実
4
精神疾患を持つ高齢者対策の充実
5
認知症高齢者への支援策の充実
6
高齢者のための住宅整備の充実(建設)
7
住宅用火災警報器設置経費の補助制度の確立
8
呼吸器機能障害を持つ高齢者対策の充実
9
子育て支援型3人乗り自転車普及・啓発
事業の促進(建設)
………………………
25
26
………
27
………………………………
28
…………………………………
29
………………………
30
…………………
31
………………………
32
………………………………………………
33
10
保育所及び認証保育所、保育室に対する補助制度の充実
……
34
11
学童クラブ等に対する補助制度の充実(総文)
………………
36
12
都立特別支援学校等の障害児放課後支援の確立
………………
39
13
児童扶養手当事務の移譲に伴う財源措置
………………………
40
14
児童扶養手当の減額に対する財政支援
…………………………
42
15
心身障害者(児)及び精神障害者に係る施設整備の促進
16
国民健康保険事業の医療保険制度一本化の実現
17
特定健康診査・特定保健指導事業の保険者義務化に伴う
財政措置等
……
43
………………
44
………………………………………………………
18
多摩地域の路上生活者に対する統一した支援策の実施
19
ドメスティック・バイオレンスに対応した緊急一時保護
施設(シェルター)の充実等
20
………
……………………………………
45
46
47
NPO法人(特定非営利活動法人)等市民活動団体の支援
施策の充実(総文)
………………………………………………
21
バリアフリー化推進に対する支援等(建設)
…………………
22
コミュニティバス等に対する財政支援等(建設)
23
インフルエンザ予防接種等における支援の確立
48
49
……………
51
………………
53
病院経営本部
24
小児初期救急平日夜間診療事業に対する補助制度の拡充………
25
都立の総合病院、小児病院及びリハビリテーション病院の
整備促進等
…………………………………………………………
55
56
重
点
要
望
要
望
事
項
(要
1
福 祉 包 括 補 助 制 度 の充 実
要望先
福祉保健局
旨)
地 域 福 祉 の 推 進 の た め 、福 祉 包 括 補 助 制 度 で あ る 福 祉 保 健 区 市 町 村 包 括
補助事業について、財政措置の充実強化を図られたい。
(説
明)
地域福祉の担い手である市町村が住民ニーズにあった福祉施策を主体
的に実施することは重要である。
福 祉 包 括 補 助 制 度 は 、本 年 度 か ら 福 祉 保 健 区 市 町 村 包 括 補 助 事 業 と し て
分野別の5包括補助事業に再編されている。
改 正 介 護 保 険 制 度 で は 、財 源 規 模 が 保 険 給 付 額 の 3 % 以 内 と 定 め ら れ て
い る 地 域 支 援 事 業 が 創 設 さ れ た が 、東 京 都 市 町 村 に お い て は 、す で に 介 護
保険法施行令に定められた地域支援事業の範囲を超える事業を実施して
お り 、 平 成 18 年 度 の 法 改 正 以 降 も 対 象 者 や サ ー ビ ス 内 容 な ど 地 域 支 援 事
業 の 枠 組 み に 収 ま ら な い 事 業 を 、一 般 高 齢 者 生 活 支 援 事 業 等 と し て 実 施 し
て い る 。こ の こ と を 踏 ま え 、市 町 村 支 援 の た め 、次 の 財 政 措 置 の 充 実 を 図
ること。
1
効 果 的 で 整 合 の と れ た 介 護 予 防 事 業 を 推 進 す る た め に 、地 域 支 援 事 業
交 付 金 の 対 象 事 業 枠 拡 大 を 国 に 働 き か け る と と も に 、枠 組 み に 収 ま ら な
い 事 業 に 対 し 、福 祉 保 健 区 市 町 村 包 括 補 助 事 業 と し て 財 政 補 完 を 図 ら れ
たい。
2
市 町 村 の 創 意 工 夫 に よ り 、本 事 業 を 活 用 し 、市 町 村 が 地 域 の 実 情 に 応
じ 、主 体 的・自 主 的 に 在 宅 サ ー ビ ス を 中 心 と す る 福 祉 施 策 を 推 進 し て い
くため、財政措置の充実強化を図られたい。
3
「 特 定 高 齢 者 」の 選 定・把 握 に あ た っ て は 、健 診 の 一 環 と し て「 生 活
機 能 評 価 」を 実 施 し て い る と こ ろ で あ る 。国 よ り「 特 定 健 診 」と「 生 活
機 能 評 価 」は 、同 時 実 施 が 望 ま し い と 言 わ れ て い る 中 、チ ェ ッ ク リ ス ト
や 、特 定 健 診 で は 必 須 と さ れ て い な い が 生 活 機 能 評 価 で は 必 要 と な る 検
査 項 目 に 対 す る 費 用 な ど 、新 た な 財 政 負 担 が 発 生 し て い る た め 、更 な る
財政的支援を講じること。
- 1 -
要
望
事
項
(要
2
介護保険制度改革に伴う市町村への支援
策の充実
要望先
福祉保健局
旨)
都においては、制度改革に伴う新たな課題解決に向けて、国に対して積
極的に働きかけを行うとともに、都独自の施策展開を図るほか、市町村が
行う諸施策について、継続的に財政的、技術的支援策を講じられたい。
(説
明)
1
都から国への働きかけについて
(1)
制度の運営に関する事項
①
被 保 険 者 の 範 囲 の 拡 大 及 び 障 害 者 施 策 と の 統 合 に つ い て は 、十 分
に議論を尽くし、保険者の意見も反映すること。
②
介 護 報 酬 の 改 定 に あ た っ て は 、事 業 所 の 健 全 な 運 営 、介 護 従 事 者
の処遇改善を踏まえた適正な単価設定を行うこと。また、今回引
き 上 げ ら れ た 3 % に つ い て は 、今 後 十 分 な 検 証・検 討 を 行 う こ と 。
③
低 所 得 者 対 策 と し て 、保 険 料 や 利 用 者 負 担 の 軽 減 措 置 な ど 、抜 本
的な検討、見直しを行い、国の責任において実施すること。
④
社会保険庁が介護保険者に通知する特別徴収対象者情報につい
て、対象者に漏れがないよう、確実に通知すること。
⑤
介 護 保 険 施 行 令 を 見 直 し 、保 険 料 の 賦 課 に お い て 国 民 健 康 保 険 税
との整合を図ること。
⑥
税 制 改 正 を 行 い 、保 険 料 の 納 付 方 法( 年 金 天 引 き と 口 座 振 替 )に
よる税負担の不均衡を解決すること。
⑦
社会保険庁が年金受給者に発行している公的年金等の源泉徴収
票の社会保険料の金額欄は合算とせず、内訳を明記すること。
⑧
地 域 包 括 支 援 セ ン タ ー 職 員 の 3 職 種 の う ち 、主 任 介 護 支 援 専 門 員
に つ い て は 、平 成 19年 度 ま で 経 過 措 置 が と ら れ て い た が 、有 資 格 者
が 少 な く 職 員 の 確 保 が 困 難 で あ る こ と か ら 、基 準 を 緩 和 し 、都 独 自
の育成についても実施すること。
⑨
国 の 要 介 護 認 定 等 の 見 直 し に 伴 う 経 過 措 置 の 実 施 に つ い て は 、既
に 各 保 険 者 が 、見 直 し 後 の 方 法 に よ り 認 定 事 務 を 進 め て い た 時 期 に
行 わ れ た た め 現 場 に 混 乱 が 生 じ た 。要 介 護 度 に つ い て は 介 護 認 定 審
- 2 -
査 会 が 決 定 す る こ と が 介 護 保 険 制 度 の 基 本 原 則 で あ る 。こ の こ と を
踏 ま え 、今 後 、十 分 な 検 証 期 間 を 設 け て 見 直 し を 行 う と と も に 、保
険者である市町村の意見を十分尊重すること。
(2)
財政支援に関する事項
①
財 政 安 定 化 基 金 の 財 源 は 、国 、都 、市 町 村 が そ れ ぞ れ 負 担 す る こ
とになっているが、これを国と都で負担すること。
②
介護保険制度における国庫負担のうち、調整交付金については、
国の法定負担分と別枠で措置すること。
③
地 域 包 括 支 援 セ ン タ ー や 介 護 予 防 事 業 な ど 、地 域 支 援 事 業 を 円 滑
に実施するため、十分な財源を確保すること。
2
都独自の支援策について
(1)
介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 に 対 す る 指 定・指 導 監 督 に 伴 う 財 政 支 援 、技 術
的支援を引き続き行うこと。
(2)
生計困難者に対する介護サービス利用者負担軽減措置事業につい
て は 、所 得 基 準 等 の 要 件 の 見 直 し を 行 い 、当 該 事 業 の 対 象 者 の 拡 大 を
図ること。
(3)
サ ー ビ ス の 公 表 の た め に 、介 護 サ ー ビ ス 事 業 者 が 負 担 す る 費 用 に つ
いて、小規模事業者にも負担とならないよう、見直しを行うこと。
- 3 -
要
望
事
項
(要
3
高齢者保健福祉に係る各種施策の充実
要望先
福祉保健局
旨)
福祉保健区市町村包括事業をはじめ各種高齢者保健福祉施策の充実を
図られたい。
(説
明)
介 護 保 険 法 の 改 正 に よ り 新 予 防 給 付 や 地 域 支 援 事 業 等 が 創 設 さ れ 、介 護
保険制度は介護と介護予防が一体となった総合的な仕組みへと転換され
た 。こ れ に よ り 一 貫 性・連 続 性 の あ る 包 括 的 な 支 援 が 可 能 と な っ た 。ま た 、
地方分権推進の観点から、各種高齢者保健福祉施策が一般財源化された。
し か し 、介 護 予 防 の 介 護 財 源 化 及 び 各 種 高 齢 施 策 の 一 般 財 源 化( 地 方 交
付 税 化 )の 中 で 、次 の よ う な 課 題 も 発 生 し て い る 。そ の た め 、東 京 都 と し
て 、こ れ ら の 課 題 解 決 へ 向 け 、国 に 対 し て 積 極 的 な 働 き か け を 行 う と と も
に市町村に対する東京都独自の財政的、技術的な支援を図られたい。
1
福 祉 保 健 区 市 町 村 包 括 補 助 事 業 の 再 構 築 に よ り 創 設 さ れ た 、地 域 福 祉
推 進 区 市 町 村 包 括 補 助 事 業 の 補 助 基 準 額 増 額 、補 助 率 引 上 げ 等 に つ い て
一 層 の 充 実 を 図 る こ と 。と り わ け 成 年 後 見 活 用 あ ん し ん 生 活 創 造 事 業 に
ついては、補助基準額の増額を図ること。
2
緊急通報システムに対する東京都独自補助の充実を図ること。
3
シ ル バ ー パ ス の 利 用 区 域 に つ い て 、隣 接 県 バ ス 路 線 及 び 多 摩 都 市 モ ノ
レ ー ル へ の 拡 大 を 図 る こ と 。特 に 、多 摩 都 市 モ ノ レ ー ル に つ い て は 、開
業 後 、同 系 統 の バ ス 路 線 が 廃 止 さ れ て い る こ と な ど か ら 、区 部 に お け る
バ ス 路 線 と 同 様 の 機 能 を 持 っ て い る た め 、新 た に 認 め る こ と 。ま た 、税
制改正に伴う経過措置の継続を図ること。
4
老人クラブ運営費補助金の充実を図ること。
5
おむつの支給については、地域支援事業で認められている要介護4、
5 以 外 の 在 宅 高 齢 者 で 、お む つ の 支 給 を 必 要 と す る 者 に つ い て も 社 会 参
加を促す上から重要であるため、財政支援を図ること。
6
地域包括支援センターや協力機関をはじめ介護予防機関等のネット
ワ ー ク シ ス テ ム 機 器 導 入・運 用 に 関 す る 補 助 を 創 設 し 、地 域 ネ ッ ト ワ ー
ク体制の推進を図ること。
- 4 -
7
平 成 18 年 4 月 に 施 行 さ れ た 高 齢 者 虐 待 防 止 法 の 推 進 を 図 る た め 、 都
全 域 の 総 合 的 な 推 進 体 制 及 び 研 修 体 制 等 の 拡 充 を 図 り 、広 域 利 用 が 可 能
な高齢者緊急シェルター(一時避難所)を整備すること。
8
一般財源化(地方交付税化)された養護老人ホーム措置費について、
帰 来 先 の な い 住 所 不 定 者 等 の 入 所 措 置 に か か る 経 費 に 対 し 、東 京 都 独 自
の 補 助 制 度 を 創 設 す る こ と 。 本 来 、住 所 不 定 者 に 要 す る 費 用 は 、広 域 行
政 を 担 う 都 道 府 県 の 負 担 に よ る べ き も の で あ り 、従 来 か ら 婦 人 保 護 施 設
等が所在することにより当該施設の住所不定者を養護老人ホームに措
置してきたことなどの地域特性による偏りから生じている負担につい
て 、東 京 都 の 責 任 に お い て こ の 是 正 を 図 る こ と 。ま た 、現 行 制 度 で の 負
担 措 置 が で き な い 場 合 で も 、婦 人 保 護 施 設 等 を 抱 え る 市 町 村 の 負 担 が 重
くならないよう特段の助成措置を図ること。
- 5 -
要
望
事
項
(要
要望先
4
子育て環境の充実
福祉保健局
産業労働局
教 育 庁
旨)
子 ど も と 家 庭 を 取 り 巻 く 環 境 が 大 き く 変 化 し て い る 中 で 、子 育 て に 関 す
る 不 安 や 負 担 感 の 軽 減 等 、子 育 て 環 境 の 充 実 の た め に 市 町 村 が 地 域 の 実 情
やニーズに併せて行う各種施策について、国への働きかけや財政措置等、
積極的な支援策を講じられたい。
(説
明)
近 年 、結 婚 観 の 変 化 や 高 学 歴 化 、女 性 の 社 会 参 加 等 が 要 因 と な っ て 晩 婚
化 や 晩 産 化 が 進 む と と も に 、子 ど も を 持 た な い 家 庭 の 増 加 や 生 涯 未 婚 率 の
上 昇 な ど に よ っ て 少 子 化 が 進 行 し 、 平 成 19 年 の 合 計 特 殊 出 生 率 が 全 国 で
は 1.34、 東 京 都 で は 1.05 と 低 い 数 値 に な っ て い る 。
そ の 背 景 に は 、養 育 費 、教 育 費 等 を は じ め と し た 子 育 て に 費 用 が か か り
すぎることや、育児と仕事の両立に対する負担感等がある。
そ し て 、女 性 の 就 業 の 増 加 に 伴 い 、保 育 園 需 要 が 高 ま り 待 機 児 童 が 増 加
している。
ま た 、核 家 族 化 の 進 行 、地 域 に お け る 人 間 関 係 の 希 薄 化 等 に よ り 、子 育
て に 対 す る 不 安 を 抱 え る 親 が 増 加 し 、児 童 虐 待 に つ な が る 場 合 も あ る こ と
から、子育て支援に関する環境の充実に、大きな期待が寄せられている。
子 ど も が 健 や か に 育 ち 、親 が 安 心 し て 子 ど も を 産 み 育 て る こ と が で き る
よう、市町村は様々な子育て環境の充実のための施策を展開しているが、
積極的な支援策として、次の事項について充実強化を図られたい。
1
都から国への働きかけについて
(1)
一般企業等で働く者の育児休業期間についても公務員と同じ期間を
保障し、休業期間中の所得補償をさらに充実するよう制度改正を行う
こと。
(2)
仕事と家庭の両立支援策の一環として子育て支援策の制度が充
実し、多様でかつ柔軟な働き方を労働者が選択できる企業の育成を制
度的に一層進めること。
(3)
経 済 的 負 担 感 の 軽 減 に 効 果 的 な 、直 接 給 付 と し て の 児 童 手 当 額 の 更
な る 増 額 を 図 ら れ た い 。ま た 、年 収 制 限 に あ っ て は 緩 和 策 を 講 じ ら れ
- 6 -
たい。
なお、増額する場合は、市町村の財政負担の軽減を図ること。
(4)
子育てにおける親の経済的負担感の軽減を図り、安心して子ども
を 産 み 育 て る こ と が で き る よ う 、国 の 医 療 制 度 と し て 、乳 幼 児 及 び 義
務教育就学児医療費助成制度を創設すること。
(5)
次世代育成支援対策として、総合的な子育て環境の充実に対する
財政措置の充実強化を図ること。
(6)
保 育 所 の 運 営 費 に つ い て 、延 長 保 育 、病 後 児 保 育 等 を 含 め 補 助 制 度
を一層充実すること。
2
(1)
都の支援・財政措置について
子 育 て 環 境 の 充 実 の た め 、市 町 村 が 行 う 各 種 施 策 に つ い て 、子 育 て
推 進 交 付 金 総 額 の 増 額 を 図 る な ど 、積 極 的 な 支 援 策 を 講 ず る こ と 。
(2)
仕 事 と 家 庭 の 両 立 に 取 り 組 む 企 業 の 育 成 の た め 、「 と う き ょ う 次 世
代 育 成 サ ポ ー ト 企 業 」に 加 え 、多 様 な 施 策 を 講 じ ら れ て き た と こ ろ で
は あ る が 、さ ら に 都 道 府 県 施 策 と し て 、ワ ー ク・ラ イ フ・バ ラ ン ス を
促 進 し て い る 企 業 へ の 融 資 制 度 や「 子 育 て 応 援 ク ー ポ ン 」な ど 労 働 ・
産業行政と連携した子育て施策を講じること。
(3)
小児科医師が対応可能な二次救急医療体制の一層の充実を図るこ
と。
(4)
相 談 機 能 の 充 実 及 び 児 童 虐 待 へ の 対 応 を 図 る た め 、子 ど も 家 庭 支 援
セ ン タ ー 事 業 に 対 す る 補 助 制 度 を 一 層 充 実 さ せ 、超 過 負 担 が 生 じ な い
よう制度の見直しを図ること。
(5)
認証保育所、保育室に対する補助制度を一層充実すること。
(6)
児 童 虐 待 等 に 対 し て 組 織 的・迅 速 に 対 応 す る た め 、児 童 相 談 所 の 職
員 の 増 員 と 機 能 の 充 実 強 化 を 図 る と と も に 、国 の 設 置 基 準 を 満 た す よ
うに保健所の活用等によって児童相談所を設置すること。
(7)
乳 幼 児 医 療 費 助 成 の 所 得 制 限 を 撤 廃 す る と と も に 、補 助 率 の 引 き 上
げを検討されたい。
(8)
義 務 教 育 就 学 児 医 療 費 助 成 に つ い て は 平 成 21 年 10 月 か ら 本 人 負 担
割合の引き下げが行われるが、所得制限の撤廃を検討されたい。
なお、制度の当初の成り立ちを考慮し、将来においても市町村財政
に影響を及ぼさないように実施すること。
- 7 -
要
望
事
項
(要
5
心 身 障 害 者 (児 )及 び 精 神 障 害 者 等 に 係 る
福祉施策の充実
要望先
福祉保健局
旨)
心 身 障 害 者( 児 )及 び 精 神 障 害 者 に 係 る 福 祉 施 策 の 充 実 を 図 る た め 、次
の措置を講じられたい。
(説
明)
1
心身障害者福祉手当の支給対象者の拡充等を図られたい。
心身障害者福祉手当について支給対象を身体・知的障害だけでなく精
神障害や難病にまで拡大し、格差是正を図られたい。
2
リフト付乗用自動車運行助成事業について、補助基準額の引き上げを
図られたい。
3
心身障害者(児)医療費の助成や都営交通無料パスの発行等に係る都
の委託金については、著しく低い単価設定となっているため、実態調査
実施の上、単価を引き上げられたい。
4
心身障害者(児)通所訓練等事業に係る運営費補助の維持・充実につ
いて
(1)
障 害 者 自 立 支 援 法 に 定 め る 法 内 事 業 へ の 移 行 如 何 に 関 わ ら ず 、現 行
の 補 助 額 及 び 補 助 率 の 水 準 を 維 持 す る た め 、障 害 者 施 策 推 進 区 市 町 村
包括補助事業の一般事業の継続と小規模作業所等新体系移行支援事
業費の継続及び補助額の増額など充実を図られたい。
(2)
児童デイサービスを含めて、デイサービス事業の運営費補助の維
持・充実を図られたい。
な お 、地 域 デ イ サ ー ビ ス 事 業 の 中 に は 、児 童 を 中 心 に し な が ら も 成
人 と の 混 合 利 用 を 行 っ て い る 施 設 が あ る 。そ う し た 成 人・児 童 の 混 合
し た 利 用 形 態 に つ い て 、現 在 の 包 括 補 助 制 度 に お け る 枠 組 み を 継 続 し 、
障 害 者 自 立 支 援 法 の 体 系 へ の 移 行 ま た は 、事 業 者 の 選 択 に よ っ て 活 用
できるよう配慮されたい。
(3)
通 所 施 設 利 用 者 に 対 す る 交 通 費 に つ い て は 、障 害 者 自 立 支 援 法 の 新
体 系 へ 移 行 し た 施 設 に つ い て は 、利 用 者 全 額 自 己 負 担 と な っ て し ま う
こ と か ら 、公 平 性 を 保 つ た め 旧 法 施 設 の 利 用 者 と 同 じ 取 り 扱 い と さ れ
- 8 -
たい。
ま た 、身 体 障 害 者 の 更 生 訓 練 費 の 支 給 や 送 迎 加 算 事 業 が 存 続 す る こ
とを踏まえ、就労促進の観点から充実した事業として実施されたい。
(4)
心 身 障 害 者( 児 )通 所 訓 練 事 業 等 は 、地 域 で の 日 中 活 動 の 場 と し て
は 必 要 不 可 欠 で あ り 、利 用 の 増 加 に 応 じ て 新 規 開 設 も 必 要 と な っ て い
る 。都 は こ の 施 設 を 社 会 資 源 と し て 位 置 づ け 、新 規 開 設 の 場 合 で あ っ
ても都独自で補助対象とし、補助の充実を図られたい。
ま た 、通 所 訓 練 事 業 の 中 に は 、成 人・児 童 の 混 合 利 用 を 行 っ て い る
施 設 が あ る の で 、現 在 の 包 括 制 度 に お け る 枠 組 み を 継 続 し 、障 害 者 自
立 支 援 法 の 体 系 へ の 移 行 ま た は 、事 業 者 の 選 択 に よ っ て 活 用 で き る よ
う配慮されたい。
5
精神障害者共同作業所通所訓練事業に係る運営費補助事業の補助率維
持について
精 神 障 害 者 共 同 作 業 所 も 、前 記 4 (1)の 心 身 障 害 者( 児 )法 外 小 規 模 作
業所等とほぼ同様の状況に置かれていることから、補助基準額の引き上
げ 及 び 現 行 2 /3 の 補 助 率 の 維 持 を 堅 持 す る と と も に 、補 助 を 継 続 さ れ た
い。
6
心 身 障 害 者 (児 )短 期 入 所 事 業 及 び 重 症 心 身 障 害 者 (児 )入 所 施 設 の 拡 充
について
重症心身障害児(者)は、特化した施設が不足していることから長期
継続的にショートステイの短期入所を繰り返すことを余儀なくされてい
る。このため、実態調査を早急に行い、速やかに重症心身障害児(者)
の利用が可能な入所施設及び通所施設の拡充と合せて短期入所事業の拡
充を図るための施設整備を図られたい。
7
心身障害者(児)に係る補装具費の給付及び日常生活用具、住宅設備
改善費の補助事業の見直しについて
(1)
介護老人福祉施設等所在地の市区町村による補装具交付等に係る
負担軽減制度の創設について
介 護 老 人 福 祉 施 設( 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム )及 び 有 料 老 人 ホ ー ム 施 設
所 在 地 の 市 区 町 村 で は 、入 所 者 に 対 す る 補 装 具 の 交 付 等 が 年 々 増 加 し
て い る こ と か ら 、こ れ ら の 経 費 に つ い て 、施 設 所 在 地 以 外 の 市 区 町 村
を援護の実施機関とするよう都において特段の措置を講じられたい。
(2)
重 度 心 身 障 害 者( 児 )日 常 生 活 用 具 及 び 住 宅 設 備 改 善 費 の 各 給 付 事
業の見直しについて
- 9 -
日 常 生 活 用 具 を 長 期 間 安 定 し て 利 用 し て い く た め 、補 装 具 と 同 様 の
修 理 助 成 制 度 を 講 じ ら れ た い 。ま た 給 付 種 目 に よ っ て は 、レ ン タ ル の
方が合理的な場合もあるのでレンタル制度を創設されたい。
8
発達障害者(児)に係る福祉施策等の充実について
(1)
発達障害者(児)生活実態調査を実施されたい。
(2)
東 京 都 自 閉 症・発 達 障 害 者 支 援 セ ン タ ー を 東 京 都 と し て 独 自 に 多 摩
地区にも設置されたい。
9
障害者に係る就労情報等ネットワーク化の推進及び就労支援センター
事業の充実について
(1)
多 摩 の 多 く の 市 は 、企 業 等 の 事 業 所 が 少 な く 、障 害 者 の 就 労 の 場 を
他 市 や 近 県 市 に 求 め な く て は な ら な い 等 、就 労 先 の 確 保 に つ い て 大 変
苦 慮 し て い る 現 状 が あ る た め 、就 労 の 促 進 を 図 る 観 点 か ら 、東 京 都 が
独 自 施 策 と し て 雇 用 の 拡 大 を 図 る た め に 広 域 的 な 視 点 で 、就 労 の 場 を
積極的に確保し市の後方支援を図られたい。
(2)
障 害 者 の 就 労 を 促 進 す る た め 、東 京 都 は 企 業 の 障 害 者 雇 用 の 取 組 み
状 況 等 の 就 労 情 報 を 東 京 都 全 体 で 共 有 化 し 、就 労 機 会 の 均 衡 と 底 上 げ
を図れるようなネットワーク化を推進されたい。
(3)
障害者の一般就労への促進と生活支援の一体的支援を行う東京都
就労支援センター事業は有効な事業であり、障害特性に応じた支援
展開を図るためにも、1区市町村複数のセンターが展開されること
も可能となるよう、現行の1区市町村単位の補助を1センター当た
り単位の補助とされたい。
10
心身障害者(児)及び精神障害者等の相談体制の整備等について
(1)
心身障害者(児)及び精神障害者等の相談体制については、地域
活 動 支 援 セ ン タ ー I型 や 地 域 自 立 生 活 支 援 セ ン タ ー 事 業 に よ り 受 入
体制が整いつつあるものもあるが、困難事案への対応など、今後と
もスタッフや受入態勢の整備を進める必要がある。また、発達障害
や高次脳機能障害、難病などの手帳を所持しない相談者の増加が著
しく相当量の事務と経費負担が見込まれるため、地域生活支援事業
における相談体制の強化に対して、市町村の経費負担が過度になら
ないような特例的な経費の補助施策を創設されたい。
(2)
精神障害者の退院促進事業における広域での相談体制の整備と
精神科病院が集中する市町村の過度な負担の防止を図るための援
護の実施責任のルール化並びに地域移行時の市町村への十分な情
- 10 -
報提供と緊密な連携を図られたい。
(3)
移 動 支 援 事 業 は 、昨 今 の 障 害 者 の 社 会 参 加 や 余 暇 活 動 の 充 実 の 必
要 性 の 認 知 に よ る 著 し い 需 要 の 伸 び が あ る に も か か わ ら ず 、報 酬 の
低さと移動支援を担う人材育成の仕組みが整備されていないこと
か ら 、基 盤 整 備 が 追 い つ い て い な い 。市 町 村 単 独 で の 人 材 確 保 や 人
材 育 成 に は 限 界 が あ る こ と 及 び サ ー ビ ス の 質 の 確 保 の 観 点 か ら 、同
事業に対する東京都における広域での人材確保と人材育成の仕組
みづくりの施策を創設すること。
11
自 立 支 援 医 療( 精 神 通 院 医 療 )更 新 時 の 対 応 に 専 門 性 の あ る 保 健 師 等
の職員対応を求められるケースもあり事務の効率性や、精神疾患で通
院されている利用者の負荷軽減の観点から、更新期間の2年間への延
長や申請手続きを簡素化するなどの改善を東京都として国に働きかけ
られたい。
- 11 -
要
望 6
事
項
(要
障害者自立支援法の施行に伴う市町村超過
負担に係る財政支援の確立
要望先
福祉保健局
旨)
障害者自立支援法では、障害程度区分と支給決定手続の導入、国都負担
義務化と負担上限額の設定、地域生活支援事業(包括補助事業)への移行
等がなされている。
これらの制度変更により都市部の市町村は多額の超過負担を強いられて
いる。都においては、かかる事態に立ち至ることのないよう国に対して積
極的に働きかけを行うとともに、市町村に超過負担が発生することが予想
される場合は、都独自に財政支援を行うことができるよう所要の措置を講
じられたい。
(説
明)
1
自 立 支 援 給 付 (介 護 給 付 ・ 訓 練 等 給 付 )に 係 る 国 都 負 担 金 に つ い て
障 害 者 自 立 支 援 法 に よ る 介 護 給 付 は「 障 害 程 度 区 分 ご と の 人 数 ×基 準
単 価 」を も っ て 国 都 負 担 上 限 額 と し て 、市 町 村 ご と の 国 都 負 担 基 準 額 を
定 め て い る 。当 該 上 限 額 を 超 過 し た 支 給 量( 時 間 )に 係 る 事 業 費 は 、重
度 の 障 害 者( 児 )等 の 地 域 で の 自 立 生 活 を 保 障 す る た め に 必 要 な 支 援 と
し て 給 付 決 定 し て い る も の で あ り 、各 市 町 村 が 自 ら の 責 任 に お い て そ の
全 額 を 負 担( 超 過 負 担 )す る に 任 せ 、国 が 支 給 決 定 の 基 準 を 明 確 に 示 さ
ず超過負担として放置することは市町村にとって過大な負担を強いる
ものであり容認できない。
こ の よ う な 事 態 が 全 都 的 に 生 じ て い る た め 、都 に お い て は 、国 都 負 担
義務化と負担上限額設定が歳出抑制の便法として使われることのない
よう明確な支給基準と負担上限の撤廃について国に働きかけるととも
に、万一の事態に備えて所要の財政支援の措置を講じられたい。
2
地域生活支援事業に係る国都補助金について
(1)
手話通訳派遣事業は、障害者自立支援法のもとで地域生活支援事
業のメニューの中で必須事業のコミュニケーション支援として位置
づ け ら れ た が 、国 庫 補 助 財 源 が 十 分 に 確 保 さ れ な い お そ れ が 多 分 に あ
る 。ま た 、実 施 主 体 が 市 町 村 に な り 、こ れ ま で 都 が 実 施 し て い た 同 派
遣 事 業 を 廃 止 し た た め 、都 の 事 業 分 が 各 市 町 村 の 負 担 増 と な っ て い る 。
- 12 -
つ い て は 、都 が 行 っ て き た 事 業 分 経 費 を 各 市 町 村 実 績 に 応 じ て 配 分 願
いたい。
ま た 、移 動 支 援 も 同 様 に 必 須 事 業 と な り 、支 援 費 制 度 で 一 気 に 増 大
した利用量を統合補助金の中に収める動きをせざるを得ない状況と
なっているため、更なる充実を図られたい。
(2)
国都の補助により運営されている精神障害者地域生活支援センタ
ー の 地 域 活 動 支 援 セ ン タ ー へ の 移 行 に つ い て 、サ ー ビ ス の 低 下 を 招 か
ないための市の持ち出し負担分について都として財政支援を講じる
と と も に 、国 に 対 し て も 障 害 特 性 の 広 域 性 を も っ て 利 用 す る 形 態 が 多
い精神障害者への特段の財政支援を働きかけられたい。
(3)
心 身 障 害 者( 児 )通 所 訓 練 等 事 業 及 び 精 神 障 害 者 共 同 作 業 所 通 所 訓
練 事 業 に 基 づ き 実 施 さ れ て い る 施 設 が 、地 域 活 動 支 援 セ ン タ ー に 移 行
し た 場 合 に お い て 、各 施 設 の サ ー ビ ス の 低 下 を 招 か な い よ う 、国 の 補
助金のほかに、都単独助成による補助金の上乗せ交付を願いたい。
3
施設を退所する障害者への「居住地特例」の実施
施設退所者の福祉サービスにかかる事業費について、入所施設の地域
偏 在 に よ る 弊 害 の 軽 減 を 目 的 と し 、国 都 に よ る 財 政 支 援 を 講 じ ら れ た い 。
4
精神障害者のグループホーム補助の充実
精 神 科 病 院 の 退 院 促 進 に あ た り 、そ の 主 な 受 け 入 れ 先 と な る 障 害 者 グ
ル ー プ ホ ー ム の 安 定 的 な 運 営 が 確 保 さ れ な け れ ば な ら な い が 、グ ル ー プ
ホ ー ム の 運 営 母 体 は 、 資 金 面 、 運 営 面 で も 脆 弱 で あ る 。 平 成 21 年 度 か
ら 、東 京 都 障 害 者 グ ル ー プ ホ ー ム 等 支 援 事 業 に お け る ポ イ ン ト 設 定 の 導
入 に よ り 、補 助 金( 運 営 費 等 )が 算 出 さ れ る が 、引 き 続 き 運 営 費 等 の 充
実を図られたい。
ま た 、都 民 が 利 用 す る 東 京 都 外 の グ ル ー プ ホ ー ム に 対 し て も 、都 内 施
設と同水準の補助を実施されたい。
5
心身障害者(児)短期入所事業(都型ショートステイ事業)に係る財
政支援
心身障害者(児)短期入所施設が不足している中で、地域で生活する
障害者にとって東京都認定短期入所事業(都型ショートステイ事業)は
有効であるが、施設等が不足している。
新規参入を希望する法人も、基準単価が身体の軽度(区分3)の単価
のみでは参入できないのが現状で、障害程度に応じた単価設定等でなけ
れば、日中サービスを受け入れる施設は見込めないため、補助単価の見
- 13 -
直し等、拡充を図るための施策を講じられたい。また、法内化移行につ
いて、都は事業実施団体と十分協議を行うこととし、都型ショートステ
イ事業における日中預かり事業についても、超過負担の解消に所要の措
置を講じられたい。
- 14 -
要
望
事
項
(要
7
国民健康保険事業における東京都財政
調整交付金の確保及び都補助金の充実
要望先
福祉保健局
旨)
1
東 京 都 財 政 調 整 交 付 金 の 交 付 に つ い て 、療 養 給 付 費 等 負 担 金 の 削 減 分
の 6 % は 、各 保 険 者 に 定 率 で 交 付 す る と と も に 、国 の 財 政 調 整 交 付 金 の
削 減 分 の 1 % に つ い て も 、各 保 険 者 の 過 去 の 実 績 を 下 回 ら な い よ う な 措
置を講じられたい。
2
東 京 都 財 政 調 整 交 付 金 の 導 入 に 伴 っ て 、市 町 村 国 民 健 康 保 険 都 費 補 助
金の縮小等を行うことなく、更なる充実強化を図られたい。
(説
明)
三 位 一 体 改 革 に よ り 、 平 成 17年 度 に 都 道 府 県 か ら 市 町 村 へ 交 付 す る 都 道
府 県 財 政 調 整 交 付 金 が 導 入 さ れ た 。導 入 の 目 的 は 、国 庫 負 担 と 保 険 料( 税 )
負担を均衡にするとの基本的な考え方を維持しつつ、市町村の国保財政の
安定化における都道府県の役割・権限の強化を図ることである。都道府県
財 政 調 整 交 付 金 は 、都 道 府 県 ご と に 国 保 給 付 費 等 の 7 % と し 、こ れ に 伴 い 、
国 の 財 政 調 整 交 付 金 は 10% か ら 9 % へ 、 定 率 国 庫 負 担 の 療 養 給 付 費 等 負 担
金 は 40% か ら 34% へ 削 減 さ れ た 。
配分方法は、地方三団体、総務省、厚生労働省の五者で作成されたガイ
ドラインを基本に、都道府県条例で定め、急激な変動がないように配慮し
た交付としている。
しかし国では、保険財政共同安定化事業に係る市町村国保の拠出金に係
る財政支援を都道府県財政調整交付金に求めており、こうした財源の議論
を抜きにした国の動きにより、今後は定率国庫負担の削減分の補填が危ぶ
まれる。
市町村の国保財政は、一般会計からの巨額な繰入等により何とか運営さ
れている状態であり、急激な財源の配分方法や配分額の変更は、市町村国
保の破綻に繋がりかねない。
一方、三位一体改革とは別に、東京都においては、従前から市町村国民
健康保険都費補助金制度により、財政支援を実施してきた。しかし、平成
12年 度 に 補 助 方 式 が 財 源 調 整 型 か ら 項 目 補 助 に 変 更 さ れ た 。 そ の た め 、 補
助 額 は 、 平 成 16年 度 ま で の 激 変 緩 和 措 置 が 講 じ ら れ た も の の 減 少 傾 向 に あ
- 15 -
り 、ま た 、補 助 項 目 の 中 の 医 療 費 波 及 分 に 、東 京 都 補 助 事 業 の 乳 幼 児 医 療 、
ひとり親家庭医療、義務教育就学児医療等の減額分が算定されていないこ
と 等 か ら 、 市 町 村 国 保 の 財 政 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ し て い る 。 特 に 、 平 成 14
年度の国保高齢者制度導入後、医療費は増加の一途であり、国保財政は破
綻寸前の状態にある。
ついては、三位一体改革により、国保における都道府県の役割・権限の
強化が図られ、東京都においても、市町村国保への積極的な支援と関与が
求められていることから、市町村国保の安定化を図るため、特段の措置を
講じられたい。
- 16 -
要
望
事
項
(要
8
国民健康保険精神医療給付金等の事務所管
の一本化
要望先
福祉保健局
旨)
障害者自立支援法に係る精神医療給付金事務について、被保険者の利
便 性 向 上 等 を 図 る た め 、東 京 都 事 業 と し て 一 本 化 さ れ た い 。併 せ て 、結 核
医療給付金についても同様の主旨から一本化されたい。
(説
明)
東 京 都 内 の 各 市 区 町 村 国 民 健 康 保 険 で は 、精 神 医 療 に つ い て 障 害 者 自 立
支援法による通常の保険給付のほかに、通院医療に係る公費医療負担を除
いた自己負担に関し、加入している国民健康保険の世帯において全員が非
課税の場合に付加給付(精神医療給付金)を行っている。保険給付を受け
るためには、申請し、受給者証の交付を受ける必要があるとともに、保険
給付に係る財源は東京都補助金で賄われている。
一方、国民健康保険以外の、被用者保険や長寿医療(後期高齢者医療)
制度に加入している被保険者の場合には、東京都事業として福祉保健局に
おいて給付を行っており、障害者自立支援法にかかる精神医療給付金の手
続きと同時に事務処理が行われている。国民健康保険被保険者の利便性の
向上及び事務処理の簡素化を図るため、医療保険制度による事務所管の相
違をなくし、東京都へ事務が一本化されることを要望する。
併せて、結核医療給付金についても同様に東京都に一本化されることを
要望する。
- 17 -
要
望
事
項
(要
9 がん検診事業等一般財源化事業に対する
財政支援及び地域保健体制強化に対する
支援措置の充実
要望先
福祉保健局
旨)
1
がん対策基本法により、市町村は予防を重視した取組みを求められて
いる。がん検診等の運営事業補助の一般財源化に対して、都は独自に財
政支援の充実を図られたい。また、乳がん・子宮頸部がん検診の無料化
にあたっては、補助事業終了後も各市の実施体制に合わせた支援措置を
講じられたい。
2
「地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律」により、
市町村に移管された事務については地域保健サービスの低下や新たな市
町村の財政負担を招かないよう支援措置を講じられたい。
(説
明)
1
がん検診事業等一般財源化事業に対する財政支援について
(1)
がん検診、母子保健事業・女性の健康づくり推進事業・休日夜間急
患センター運営事業補助の国庫補助負担金が一般財源化されたことに
より市の財政運営に多大な影響が及んでいる。
こ れ ら の 事 業 は 、国 民 の 健 康 保 持 の 観 点 か ら 重 要 な 事 業 と し て 位 置
付 け ら れ て お り 、国 と 地 方 が そ れ ぞ れ の 役 割 分 担 に 基 づ い て 国 民 の 健
康基盤の確保を図っていかなければならない事業である。
し た が っ て 、一 般 財 源 化 の 措 置 を 今 後 拡 大 し な い よ う 強 く 働 き か け
る と と も に 、都 単 独 補 助 事 業 の 再 構 築 や 財 政 支 援 の 充 実 を 図 ら れ た い 。
(2)
がん検診については、がん対策基本法により予防活動の充実が謳わ
れ て お り 、 都 は 、 「 東 京 都 が ん 対 策 推 進 計 画 」 を 策 定 し 、 平 成 24年 度
までに五大がん(胃がん・肺がん・大腸がん・子宮がん・乳がん)検
診 の 受 診 率 を 50% に 向 上 さ せ る こ と を 目 標 と す る と と も に 、 「 東 京 都
健 康 推 進 プ ラ ン 2 1 」で は 、「 予 防 を よ り 重 視 し た 重 点 3 課 題 の 一 つ 」
と位置づけ、がん検診の推進を図っている。がん検診の実施には多大
な財源が必要であることから、がん検診を充実させるために、都の財
政援助を講じられたい。
(3)
「経済危機対策」として盛り込まれた子宮頸部がん・乳がん検診の
自 己 負 担 無 料 化 施 策 に つ い て 、国 の 補 助 終 了 後 も 受 益 者 負 担 の 有 無 等 、
- 18 -
各市の実情に合わせた都独自の財政援助を講じられたい。
2
地域保健体制強化に対する支援措置の充実について
地域保健法等の全面施行に伴い、都から市町村に移管された事務につ
い て 、新 た な 地 域 保 健 体 制 の 確 立 と サ ー ビ ス 水 準 の 向 上 を 図 る と と も に 、
市町村の財政負担増とならないよう、3歳児健診等で子育て推進交付金
に組み込まれた補助についても従前と同額の確保を図ること。
- 19 -
要
望
事
項
(要
10 公 費 に よ る 妊 婦 健 康 診 査 の 回 数 増 に 伴 う
財政的援助の確立
要望先
福祉保健局
旨)
公費による妊婦健康診査の回数増に伴う財政的援助を講じられたい。
(説
明)
母体や胎児の健康確保や妊娠中の健診費用の負担軽減を図ることは、少
子 化 対 策 の 一 環 と し て 大 変 重 要 で あ る 。国 は 、妊 婦 が 受 け る べ き 健 康 診 査
の 回 数 が 13~ 14回 程 度 が 望 ま し い と し 、平 成 19年 度 か ら 5 回 分 の 地 方 財 政
措 置 を 行 な い 、さ ら に 平 成 21年 度 か ら 2 年 間 の 時 限 措 置 と し て 、新 た に 9
回 分 に つ い て 、 国 庫 補 助 (1/2)と 地 方 財 政 措 置 (1/2)に よ り 支 援 し て い る 。
市 町 村 が 、 公 費 負 担 に よ り 妊 婦 健 康 診 査 を 14回 に 拡 充 し 、 そ の 仕 組 み を
継続維持することは、都全体の母子保健への充実にも繋がるため、2年間
の時限措置終了後においても、地方交付税の交付団体、不交付団体にかか
わ ら ず 、実 態 を 十 分 踏 ま え た 財 政 措 置 を 講 じ る よ う 国 に 働 き か け ら れ た い 。
ま た 、健 診 委 託 費 以 外 の 負 担 も 大 き い た め 、都 の 補 助 金 対 象 に す る な ど
の支援策を講じられたい。
- 20 -
要
望
事
項
(要
(説
11
公立病院に対する補助制度の充実
要望先
福祉保健局
旨)
1
運営費に対する補助制度の充実を図られたい。
2
施設整備事業に対する補助制度の拡充を図られたい。
3
救命救急センター等に係る財政支援及び財政措置を講じられたい。
4
二次救急医療に対する補助制度の充実を図られたい。
明)
多摩島しょの市・町・組合立の病院は、都立病院の補完的役割を果たし
ており、地域住民の期待に応えるべく、救急医療などの医療サービスの一
層の充実を図るとともに、経営改善の諸施策を講じている。しかし、病院
経営は依然として厳しい状況にあり、毎年度市町村の一般会計からの繰り
入れ(負担金・補助金)も多大なものとなっている。
特に、二次救急医療については、昨今の医師不足に関連して医師の勤務
軽減が求められている中、救急受入れ体制を維持するには、以前にも増し
て医療機関の負担が大きくなっている。
また、現在の病院施設は老朽化、狭隘化しているところもあり、住民か
らの増床、施設改善や医療機器の充実等に対する要望も強くなっている。
ついては、公立病院における医療サービスの充実を図るため、次の事項
について特段の措置を講じられたい。
1
公立病院運営事業補助制度の充実について
(1)
公 立 病 院 の 地 域 で の 役 割 や 経 営 状 況 を 考 慮 し 、病 床 基 礎 額 の 特 段 の
増 額 や 、補 助 金 算 定 に お け る 減 額 の た め の 経 営 評 価 指 数( 病 床 利 用 率・
自己収支比率)の適用緩和が十分図られるように検討を行い、公立病
院の運営費に対する補助制度の充実を図ること。
(2)
都 立 病 院 の 補 完 的 役 割 を 担 う 公 立 病 院 が 行 う 二 次 救 急 医 療 (特 殊 診
療 部 門 運 営 事 業 )に 係 る 補 助 基 準 額 の 増 額 を 図 る こ と 。
2
施設整備事業等に対する補助制度の拡充について
(1)
公立病院施設整備事業費償還補助金の補助率を引き上げるととも
に、基準額算出のための基準面積については大幅に引き上げること。
また、制震・免震・その他の震災対策措置に係る基準単価・補助率に
- 21 -
ついて制度を拡充すること。
(2)
大規模改修事業に対する補助制度について、大規模改修、新増改築
に伴うもの以外の改修工事についても補助の対象とすること。
(3)
設備整備費(医療機器・備品)の補助制度を拡充すること。また、
コ ン ピ ュ ー タ シ ス テ ム 開 発 費 等( ソ フ ト 及 び ハ ー ド 経 費 )に つ い て も 、
補助対象とすること。
3
救命救急センター等に係る財政支援及び財政措置の是正について
(1)
救 命 救 急 セ ン タ ー 及 び 周 産 期 母 子 医 療 セ ン タ ー に つ い て は 、相 当 の
人 員 と 設 備 を 必 要 と す る た め 、運 営 費 補 助 基 準 額 の 引 き 上 げ な ど 、財
政支援について、特段の配慮を行うこと。
(2)
両 セ ン タ ー の 設 置・ 運 営 は 都 道 府 県 の 医 療 計 画 等 に 基 づ く も の で あ
り 、財 政 措 置 も 本 来 、国 が 都 道 府 県 に 対 し て 行 う べ き で 、市 町 村 へ の
一 般 財 源 化 は 不 適 切 で あ る た め 、国 に 対 し て 引 き 続 き 制 度 の 是 正 を 求
め る こ と 。併 せ て 、医 療 施 設 等 施 設 ・設 備 の 整 備 に 係 る 財 政 措 置 に つ
い て も 同 様 に 働 き か け る と と も に 、都 単 独 の 財 政 支 援 に つ い て 配 慮 す
ること。
4
二次救急医療に対する補助制度の充実について
現行の救急医療に関する都における補助制度に加え、新たに、救急
体制や救急受入れの実績に応じ、当該医療機関の救急体制を維持する
ために十分な補助金を交付するなど、二次救急医療に関する補助制度
を新設されたい。
- 22 -
要
望
事 12
項
(要
医師及び看護師確保のための施策の充実
要望先
福祉保健局
総 務 局
旨)
1
多摩島しょにおける安定した医療体制の確保を可能とするため、産
科・小 児 科 等 の 医 師 確 保 に つ い て 、都 と し て 特 段 の 措 置 を 講 じ ら れ た い 。
2
多摩島しょの市・町・組合立病院の安定した医療サービスを提供する
ため、都立看護専門学校の学級増及び看護師の定着・再就業対策の充実
を図られたい。
3
東 京 都 全 域 を 対 象 と す る 医 療 供 給 体 制 の 確 立 を 図 る た め 、都 に お い て
医 師 確 保 ・ 育 成 事 業 を 展 開 さ れ た い 。 ま た 、 平 成 21 年 度 か ら 開 始 さ れ
た「東京都地域医療支援ドクター事業」について充実を図られたい。
(説
明)
1
産 科・小 児 科・麻 酔 科 医 等 の 不 足 は 、極 め て 深 刻 な 状 況 に あ り 、安 定
し た 事 業 運 営 に 困 難 を き た し て い る 。自 治 体 を は じ め と す る 地 域 の 病 院
に お け る 適 切 な 医 療 体 制 を 維 持 す る た め 、産 科・小 児 科・麻 酔 科 医 師 等
の確保策について、都としても特段の措置を講じられたい。
2
医療安全の確保をはじめ、良質な医療サービスの提供には、看護師の
安定した配置が不可欠である。しかし、近年、多摩島しょの市・町・組
合立の病院では、看護師が定員割れを起こすなど、安定した事業運営に
困難をきたしている。病院の看護師の確保を図るため、都立看護専門学
校の学級増を図られたい。また、定着対策及び免許を有する未就業者の
就業を促進するため、施策の充実・強化を図られたい。
3
多 摩 島 し ょ の 病 院 は 、主 に 関 連 大 学 か ら の 医 師 派 遣 等 に よ り 医 師 を 確
保 し て い る が 、近 年 、慢 性 的 に 欠 員 が 生 じ 、経 営 面 に お い て も 大 き な 影
響 を 与 え て い る 。こ れ ら を 解 決 す る た め に 、都 に お い て 引 き 続 き 医 師 確
保 ・ 育 成 事 業 を 展 開 さ れ た い 。 ま た 、 平 成 21 年 度 か ら 開 始 さ れ た 「 東
京 都 地 域 医 療 支 援 ド ク タ ー 事 業 」に つ い て も へ き 地 病 院 に 限 ら ず 多 摩 島
しょのより多くの公立病院に医師派遣が実現できるよう三多摩島しょ
公立病院運営協議会と連携をとり、事業の充実を図られたい。
- 23 -
一
般
要
望
要
望
事
項
1
長 寿 医 療 制 度 (後 期 高 齢 者 医 療 制 度 )の円 滑
な実 施 に向 けた財 政 支 援 等
要望先
福祉保健局
(要 旨 )
長 寿 医 療 制 度 (後 期 高 齢 者 医 療 制 度 )は国 において制 度 の見 直 しが行 われて
いるが、円 滑 で安 定 的 な運 営 を図 るため、国 への働 きかけや財 政 支 援 等 につい
て、都 として積 極 的 な支 援 策 を講 じられたい。
(説 明 )
1
調整交付金の別枠交付の国への要請
被 保 険 者 の 負 担 を 軽 減 す る た め 、国 の 法 定 負 担 分 で あ る 療 養 給 付 費 の
4 /12 を 確 実 に 交 付 し 、各 広 域 連 合 間 の 所 得 格 差 を 調 整 す る 財 政 措 置 は 、
国 に お い て こ れ ま で の 調 整 交 付 金 と は 別 枠 で 調 整 額 を 確 保 す る よ う 、都
として国に強く働きかけられたい。
2
市町村間の財政負担不均衡の是正
住 所 地 特 例 制 度 の 取 扱 い 変 更 に よ り 、多 数 の 老 人 福 祉 施 設 の あ る 市 町
村 の 医 療 費 等 の 負 担 が 重 く な っ て い る 。財 政 負 担 の 不 均 衡 是 正 に あ た っ
て都として調整機能を発揮されたい。
3
広報の強化
平 成 20 年 度 か ら 実 施 さ れ た 長 寿 医 療 制 度 は 、 国 の 医 療 制 度 改 革 に 基
づ く 都 道 府 県 内 均 一 の 制 度 で あ り 、広 報 は 国 及 び 都 に よ り マ ス メ デ ィ ア
を 活 用 し て 行 わ れ て き た と こ ろ で あ る が 、引 き 続 き 制 度 周 知 等 の 強 化 に
努められたい。
4
国の保険料軽減措置の継続
所得の少ない被保険者の負担軽減のため、保険料の均等割 9 割及び
8.5 割 軽 減 と 所 得 割 5 割 軽 減 の 全 額 国 費 補 助 に よ る 恒 久 化 を 強 く 国 に 働
きかけられたい。
- 25 -
要
望
事
項
(要
2 介護保険制度における事務処理等の改善
要望先
福祉保健局
旨)
都 は 、介 護 保 険 制 度 の 円 滑 な 運 用 に 不 可 欠 な 事 務 処 理 改 善 に つ い て 、国
に 対 し て 積 極 的 に 働 き か け る と と も に 、市 町 村 が 行 う 諸 施 策 へ の 支 援 策 を
講じられたい。
(説
明)
1
安定的な介護保険事業運営を阻害しないよう、国・都の法定分につい
て、市町村が必要とする額を引き続き適切に交付すること。
2
介護保険料還付処理の迅速化を図るため、社会保険庁からの返納
通知の時期を早めるとともに、未支給年金請求者がある場合は、速やか
に市町村に情報提供を行うなど、事務処理の改善を図ること。
3
制度改正に伴い、事業者加算の増など、事務が煩雑化しているため、
改善を図ること。
4
市町村が実施する認定調査員及び認定審査会委員を対象とした研修
費用の助成を行うこと。
5
認 定 審 査 会 委 員 研 修 に つ い て 、少 な く と も 合 議 体 長 が 全 員 出 席 で き る
よう定数の設定を講じること。
- 26 -
要
望
事
項
(要
3 特別養護老人ホームの建設促進及び建設費
助成の充実
要望先
福祉保健局
旨)
介 護 保 険 制 度 改 正 に よ り 、 30 床 未 満 の 地 域 密 着 型 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム
等 の 指 定・指 導 監 督 に つ い て は 、市 町 村 の 権 限 と な っ た が 、そ れ 以 上 の 規
模 の 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム に つ い て は 、都 道 府 県 が 指 定・監 督 を 行 う こ と と
さ れ て い る 。そ の た め 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム の 適 正 配 置 を 図 る と と も に 建 設
費の助成についても充実を図られたい。
(説
明)
1
東 京 都 内 の 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム は 地 域 的 に 著 し く 偏 在 し て お り 、新 た
に 設 立 す る 場 合 、あ る い は 設 立 を 認 可 す る 場 合 は 各 自 治 体 の 状 況 を 十 分
勘案すること。
2
平 成 20 年 度 着 工 分 か ら 廃 止 さ れ た 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム 建 設 用 地 取 得
費 補 助 に つ い て は 、整 備 状 況 か ら 鑑 み 、未 だ 所 期 の 目 的 を 達 し て い な い
こ と か ら 復 活 す る こ と 。ま た 、建 設 費 補 助 基 準 額 の 拡 充 を 図 り 、市 町 村
に対する補助も社会福祉法人と同様の基準とすること。
- 27 -
要
望
事
項
(要
4
精神疾患を持つ高齢者対策の充実
要望先
福祉保健局
旨)
統合失調症等の精神疾患を持つ高齢者対策の一環として入所施設等の
拡充を図られたい。
(説
明)
1
精 神 病 院 に 老 人 性 精 神 疾 患 専 門 病 棟 等 を 増 設 ま た は 増 床 し 、精 神 疾 患
を持つ高齢者対策の拡充を図ること。
2
特別養護老人ホームに専用棟設置を図ること及び看護師等の専門職
員の拡充を図ること。
3
特別養護老人ホーム等の職員に対する精神障害者への関わり方等に
ついて研修等の強化を図ること。
- 28 -
要
望
事
項
(要
5
認知症高齢者への支援策の充実
要望先
福祉保健局
旨)
高 齢 者 の 約 1 割 は 何 ら か の 認 知 症 の 症 状 が あ る と 言 わ れ て い る 中 、認 知
症 の 早 期 発 見 、在 宅 生 活 の 支 援 な ど 、市 町 村 が 行 う 諸 施 策 に つ い て 支 援 策
を講じられたい。
(説
明)
1
認 知 症 の 早 期 発 見 が 可 能 と な る よ う 、集 団 検 診 や 受 診 可 能 な 医 療 機 関
の拡充など、財政的支援及び人的支援の仕組みづくりを図ること。
2
認 知 症 を 地 域 で 支 え る 1 0 0 万 人 キ ャ ラ バ ン の 指 導 者( 認 知 症 キ ャ ラ
バンメイト)の育成の機会を増やすこと。
3
「 認 知 症 疾 患 医 療 セ ン タ ー 」を 多 摩 地 域 に 設 置 し 、認 知 症 の 専 門 医 療
と 合 併 症 の 急 性 期 医 療 の 不 足 に 対 応 す る と と も に 、認 知 症 専 門 医 不 在 地
域 の か か り つ け 医 に 、認 知 症 診 断 や ケ ア ネ ッ ト ワ ー ク づ く り へ の 助 言 を
行い、認知症の早期発見、早期診断を先導すること。
- 29 -
要
望
事
項
(要
6
高齢者のための住宅整備の充実
要望先
都市整備局
福祉保健局
旨)
一人暮らし高齢者がいつでも入居できる高齢者向け住宅の拡充を図る
とともにシルバーピア事業の住宅整備関係補助制度並びに住宅改修給付
事業の充実を図られたい。
(説
明)
高 齢 社 会 の 進 展 に よ り 高 齢 者 世 帯 が 増 加 し て い る 。そ の な か で 、一 人 暮
ら し 高 齢 者 の 住 宅 事 情 は 年 々 厳 し く な っ て お り 、こ う し た 状 況 を 緩 和 す る
ため次の住宅施策を講じられたい。
1
都 営 住 宅 の 整 備 に あ た っ て は 、一 人 暮 ら し 高 齢 者 が い つ で も 入 居 で き
るような高齢者向け住宅の拡充を図ること。
2
都 の シ ル バ ー ピ ア 計 画 は 、実 施 主 体 を 市 町 村 と し て い る が 、シ ル バ ー
ピ ア 計 画 に つ い て は 、東 京 都 及 び 都 市 再 生 機 構・東 京 都 住 宅 供 給 公 社 に
お い て も 積 極 的 に 実 施 す る こ と 。ま た 、シ ル バ ー ピ ア 事 業 補 助 金 に つ い
て 、ワ ー デ ン( 管 理 人 )配 置 な ど 、維 持 管 理 費 に か か る 補 助 対 象 の 拡 大
及 び 補 助 基 本 額 の 増 額 、さ ら に エ レ ベ ー タ ー 設 置 費 に つ い て も 補 助 対 象
とするよう、その拡充を図ること。
3
住 宅 改 修 給 付 事 業 の 給 付 限 度 額 を 実 勢 価 格 と す る と と も に 、エ レ ベ ー
ター設置についても給付対象とすること。
4
都営住宅の高齢者住戸について、地元割当の拡大を図られたい。
- 30 -
要
望
事
項
(要
7
住宅用火災警報器設置経費の補助制度
の確立
要望先
福祉保健局
旨)
平 成 22 年 度 よ り 設 置 が 義 務 付 け ら れ る 住 宅 用 火 災 警 報 器 を 、 高 齢 者 等
の 居 住 す る 住 宅 に 設 置 す る 場 合 に か か る 経 費 に つ い て 、補 助 制 度 を 確 立 す
ること。
(説
明)
平 成 16 年 の 消 防 法 改 正 に 伴 い 、 東 京 都 に お い て も 火 災 予 防 条 例 が 改 正
さ れ 、 住 宅 用 火 災 警 報 器 の 設 置 が 、 新 築 、 改 築 住 宅 に つ い て は 平 成 16 年
10 月 か ら 、現 在 居 住 し て い る 住 宅 に つ い て も 平 成 22 年 4 月 か ら 義 務 付 け
られた。
住 宅 火 災 に よ る 死 者 数 は 近 年 増 加 傾 向 で 、 そ の 中 の 約 6 割 が 65 歳 以 上
の 高 齢 者 で あ り 、死 亡 原 因 の 半 数 が 発 見 の 遅 れ と さ れ て い る 。日 常 生 活 を
お く る う え で 、高 齢 者 等 に と っ て は 、住 宅 用 火 災 警 報 器 の 設 置 は 、大 切 な
命 を 守 る た め 必 要 か つ 不 可 欠 で あ る が 、制 度 自 体 が 住 民 に 浸 透 し て お ら ず 、
設置費用がかかるなどの理由により普及していない。
東 京 都 の 火 災 予 防 条 例 の 火 災 警 報 器 の 設 置 は 、消 防 法 に 定 め ら れ た 設 置
数 よ り も 手 厚 く「 す べ て の 部 屋 、台 所 、階 段 」と さ れ て お り 、高 齢 者 等 に
とっては大きな負担である。
高齢者等の世帯に対し住宅用火災警報器設置経費の補助を自治体が行
う 場 合 、東 京 都 に お い て も こ れ を 支 援 す る 補 助 制 度 を 早 急 に 確 立 さ れ た い 。
- 31 -
要
望
事
項
(要
8
呼吸器機能障害を持つ高齢者対策の充実
要望先
福祉保健局
旨)
酸素機器を使用する呼吸器機能障害者の入所施設等の拡充を図られた
い。
(説
明)
1
酸素機器を備えた老人保健施設や特別養護老人ホームが少ないため、
や む な く 酸 素 機 器 を 持 ち 込 ん で い る 状 況 等 が あ る 。そ の た め 呼 吸 器 機 能
障 害 者 向 け の 酸 素 機 器 を 備 え た 施 設 等 の 充 実 を 図 る こ と 。具 体 的 に は 酸
素機器設置を図った場合の補助基準額の増額及び看護師等の専門職員
の配置を推進すること。
2
呼 吸 器 機 能 障 害 等 の 内 部 障 害 者 入 所 施 設 の 高 齢 化 が 進 行 し 、見 直 し が
必 要 と な っ て い る 。呼 吸 器 機 能 障 害 者 専 用 の 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム 等 の 整
備について検討すること。
- 32 -
要
望
事
項
(要
9
子 育 て 支 援 型 3 人 乗 り 自 転 車 普 及・啓 発 事
要望先
業の促進
福祉保健局
都市整備局
旨)
3 人 乗 り 自 転 車 の 速 や か な 普 及 を 図 る こ と に よ り 、自 転 車 を 利 用 し た 安
全で安心な子育て環境を実現するため、購入費の補助やレンタル事業を実
施する際には、財政的支援及び諸施策を講じられたい。
(説
明)
深 刻 な 少 子 化 、経 済 問 題 を 考 慮 す れ ば 、子 育 て 支 援 の 観 点 か ら も 、「 3
人 乗 り 」の 自 転 車 は 、必 要 不 可 欠 で あ り 、警 察 庁 も 車 体 に 十 分 な 強 度 が あ
ることなどの要件を満たせば容認することを決定するに至り、今夏には
「3人乗り」が実現した。これを受け、各メーカーは、発売を目指して、
基準を満たす「3人乗り」自転車の開発を進めている。
し か し な が ら 、「 3 人 乗 り 」自 転 車 に つ い て は 、通 常 の 自 転 車 よ り 価 格
が 高 く な り 、か つ 、利 用 可 能 な 期 間 も 子 育 て 期 に 限 ら れ る こ と か ら 、個 人
で の 購 入 は 経 済 的 に か な り 難 し い と 予 想 さ れ る 。今 後 、「 3 人 乗 り 」自 転
車の普及を図るため、購入費の補助やレンタル事業のほか、「3人乗り」
自 転 車 は 、形 状 が 特 殊 で あ り 、一 般 の 駐 輪 場 へ の 駐 輪 が 困 難 で あ る こ と か
ら 、駐 輪 場 の 整 備 も 必 要 と な っ て く る な ど 、多 額 の 費 用 を 必 要 と す る た め 、
次の諸施策を講じられたい。
1
「3 人 乗 り 」 自 転 車 の レ ン タ ル 事 業 に 対 す る 助 成 を 図 ら れ た い 。
2
「3 人 乗 り 」 自 転 車 の 購 入 費 の 補 助 事 業 に 対 す る 助 成 を 図 ら れ た い 。
- 33 -
要
望
事
項
(要
10
保育所及び認証保育所、保育室に対する
補助制度の充実
要望先
福祉保健局
旨)
1
子 育 て 推 進 交 付 金 に つ い て 、引 き 続 き 予 算 規 模 及 び 運 用 面 で の 充 実 を
図られたい。
2
年 度 当 初 の 保 育 士 配 置 の 通 年 制 を 認 め る と と も に 、保 育 士 配 置 基 準 を
改善されたい。
子 育 て 支 援 基 盤 整 備 包 括 補 助 に つ い て は 、平 成 21 年 度 に 子 ど も 家 庭
3
支 援 区 市 町 村 包 括 補 助 と し て 再 構 築 さ れ た が 、今 後 も 制 度 の 継 続 と 充 実
を図られたい。
4
保育室運営事業に対する補助制度のあり方を検討されたい。
5
保育所に対する民間社会福祉施設サービス推進費補助事業の維持に
配慮されたい。
6
障 害 児 保 育 事 業 に 要 す る 経 費 に 関 し 、不 交 付 団 体 に 対 し て も 必 要 額 を
国において措置するよう強く働きかけられたい。
(説
明)
各 市 で は 、保 育 所 の 定 員 増 等 に 取 り 組 ん で い る が 、入 所 希 望 者 は 増 え 続
け て お り 、待 機 児 童 解 消 に い た っ て い な い 。特 に 、経 済 状 況 の 悪 化 に よ る
と 思 わ れ る 申 込 者 の 急 増 に よ り 、 平 成 21 年 度 の 待 機 児 童 は 大 幅 に 増 え る
見込みである。
ついては、少子化対策の一層の推進・拡大を図り、子育て支援を推進
するため、次の事項について補助等の充実強化を図られたい。
1
子育て推進交付金制度の充実
(1)
子 育 て 推 進 交 付 金 の 総 額 に つ い て は 、平 成 17 年 度 予 算 ベ ー ス の 145
億円に規模増分を増額した必要額を確保されたい。
(2)
障 害 児 保 育 の 対 象 者 が 増 加・重 度 化 し 、延 長 保 育 の 需 要 も 増 加 し て
い る 実 態 が あ る の で 、障 害 児 保 育 及 び 延 長 保 育 に つ い て は 、特 別 の 財
政措置を講じられたい。
(3)
そ の 他 、子 育 て 推 進 交 付 金 制 度 創 設 の 協 議 の 際 に 市 長 会 が 示 し た 条
件 を 踏 ま え 、各 市 が 行 う 子 育 て 支 援 施 策 の 充 実 の た め に 、適 切 な 措 置
を講じられたい。
- 34 -
2
定員に見合った保育士配置通年制の確立と保育士配置基準の改善
年 度 途 中 に 入 所 し た 児 童 の 場 合 、そ の 時 点 で の 児 童 の 年 齢 が 保 育 士 の
配 置 基 準 と な る 。し か し 、十 分 な 運 営 を 行 う に は 、そ の 児 童 が 年 度 当 初
から入所していたものとして年度当初の年齢を基準に当てはめる保育
士 配 置 の 通 年 制 が よ り 実 態 に 即 し て い る 。つ い て は 、保 育 士 の 配 置 基 準
を、この年度を通じた定員に見合った配置基準に改善されたい。
3
保育所施設整備費等の充実
(1)
子 育 て 支 援 基 盤 整 備 包 括 補 助 に つ い て 、制 度 の 存 続 及 び 補 助 率 の 引
き上げなど、一層の充実を図られたい。
(2)
社 会 福 祉 法 人 以 外 が 設 置 主 体 と な る 保 育 所 や 土 地・建 物 を 賃 貸 借 で
設置する民間保育所に対する補助制度の更なる充実を図られたい。
(3)
保育所の新設に伴う用地取得費に係る補助制度を創設するととも
に 、国 有 地 の 無 償 貸 付 に つ い て 国 へ 要 望 す る と と も に 、都 有 地 の 無 償
貸与の堅持や充実についての施策を講じること。
4
保育室運営事業に対する補助の見直しについて
保 育 室 に お い て は 1・2 歳 児 の 保 育 需 要 も 高 い が 、都 の 補 助 制 度 で は
0 歳 児 に 加 算 が あ る の み で 、1・2 歳 児 に は 加 算 が な く そ の 単 価 差 が 大
きいため、保育室の運営維持には困難なものとなっている。
東 京 都 は 、保 育 室 の 認 証 保 育 所 へ の 移 行 を 進 め て い る が 、保 育 室 が 認
可 保 育 所 を 補 完 し 、そ の 機 能 を 発 揮 し 、地 域 の 多 様 な 保 育 ニ ー ズ に 応 え
て い る こ と な ど か ら 、今 後 も 、保 育 室 の 安 定 的 運 営 が 図 ら れ る よ う 年 齢
別 補 助 単 価 の 見 直 し な ど 、保 育 室 運 営 事 業 に 対 す る 補 助 制 度 の あ り 方 を
検討されたい。
ま た 、認 証 保 育 所 に 対 す る 運 営 費 補 助 に つ い て は 、保 護 者 負 担 の 軽 減
の観点からも補助率の引き上げを検討されたい。
5
民 間 社 会 福 祉 サ ー ビ ス 推 進 費 補 助 事 業 の 再 構 築 が 実 施 さ れ 、実 質 的 に
大 幅 な 補 助 金 の 削 減 と な る 法 人 が 該 当 し て き て お り 、経 過 措 置 期 間 が と
ら れ て い る も の の そ の 影 響 は 否 定 で き な い と 考 え ら れ る の で 、実 態 に 即
して制度のあり方を再度検討されたい。
- 35 -
要
望
事
項
(要
11
学童クラブ等に対する補助制度等の充実
要望先
福祉保健局
教 育 庁
旨)
学童クラブ等に対する運営費及び建設費等の補助制度等を充実されたい。
(説
明)
女 性 の 社 会 進 出 や 共 働 き 世 帯 の 増 加 に 伴 い 、学 童 ク ラ ブ へ の 入 会( 入 所 )
希望が年々高まっている。また、子どもを取り巻く環境も変化しており、
受 入 れ 児 童 の 学 年 延 長 や 開 所 時 間 の 延 長 、さ ら に は 待 機 児 童 の 解 消 が 求 め
ら れ て い る 。つ い て は 、次 世 代 育 成 支 援 行 動 計 画 に 基 づ く 学 童 ク ラ ブ 事 業
の充実のため、次の事項について積極的な措置を講じられたい。
1
市町村の学童クラブ事業予算に占める学童クラブ事業運営費補助金
の 割 合 は 、 保 護 者 負 担 金 等 を 除 き 平 均 で 約 24% と い う 状 況 で あ り 、
約 76% が 市 町 村 の 負 担 と な っ て い る た め 、 実 態 に 見 合 っ た 補 助 基 準
額とするよう国に対し強く働きかけること。
ま た 、都 加 算 分 に つ い て も 、実 質 的 な 減 額 に な ら な い よ う 措 置 を 講
じること。
2
近 年 、 A D H D ( 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 ) 、L D ( 学 習 障 害 ) 等 の 児 童
の入所が増加傾向にある。入所後にADHD、LDと判明するケース
の児童についても、適切に対応する必要があるため職員の資質向上は
欠かせない。したがって、研修に係る事業費についても補助の充実を
図ること。
3
障害を持つ入会児童は年々その障害程度が重度化しており、施設整
備や保育者の増配置、および専門的な資格を有する者(看護師・保健
師等)の配置も必要となるケースもあり、運営面の充実を図る必要が
あるので、障害児加算及び施設改修については運営実態に見合った補
助を図ること。
4
児童館等整備費補助などの国制度関連補助金や子ども家庭支援区市
町 村 包 括 補 助 な ど に よ っ て 、新・増 設 事 業 費 の 約 1 /2 が 補 助 さ れ る が 、
年々高まる入会(入所)需要に対応して学童クラブを整備していくに
は不十分である。
学童クラブの新設、あるいは更新時期を迎える建物、設備、備品の
- 36 -
改修整備・更新に対する補助など、施設整備計画が実効性のある計画
として可能となるよう補助制度をさらに充実されたい。
5
三多摩各市の総人口の伸び率にかかわりなく学童クラブへ入所する
児童の割合が増加している。また、入所希望者の増加に伴い大規模学
童 ク ラ ブ が 増 加 し て い る 中 で 、 国 は 、 平 成 19年 度 に 創 設 さ れ た 放 課 後
子 ど も プ ラ ン に お い て 、 1 ク ラ ブ 当 た り の 児 童 数 が 71人 以 上 に な っ た
場合には、分割を行うなど適正な人数規模の学童クラブへの転換を求
め る と と も に 、 在 籍 児 童 71人 以 上 の 大 規 模 学 童 ク ラ ブ に 対 す る 運 営 費
補 助 に つ い て 、 平 成 21年 度 を も っ て 打 ち 切 る こ と を 明 確 に し て い る 。
三 多 摩 各 市 に お い て は 、国 が 求 め て い る 適 正 な 人 数 規 模 の 学 童 ク ラ
ブ へ の 転 換 に 努 め て い る が 、全 て の 市 が 対 応 で き て い る 状 況 下 に は な
い。
し た が っ て 、こ う し た 入 所 児 童 数 が 増 加 し て い る 状 況 等 を 鑑 み 、大
規 模 学 童 ク ラ ブ へ の 運 営 費 補 助 に つ い て 見 直 し 、各 市 の 現 状 を 十 分 に
精 査 し た 上 で 、実 態 に 合 う 新 た な 補 助 制 度 を 構 築 す る よ う 国 に 対 し て
強く要望すること。
ま た 、国 が 運 営 費 補 助 を 打 ち 切 っ た 後 、新 た な 補 助 制 度 を 構 築 し な
い 場 合 に お い て は 、 都 と し て 現 行 の 71 人 以 上 の 大 規 模 学 童 ク ラ ブ に
対 す る 運 営 費 補 助 に つ い て 国 庫 補 助 ( 1 /3 ) 相 当 分 も 含 め た 助 成 措
置 を 講 じ る と と も に 、 平 成 22 年 度 当 初 に 向 け 、 大 規 模 学 童 ク ラ ブ を
解 消 す る こ と を 目 的 と す る 学 童 ク ラ ブ の 施 設 改 修 、備 品 等 の 整 備 に つ
いても都独自の補助制度を創設されたい。
6
既 存 の 学 童 ク ラ ブ 事 業 と 放 課 後 子 ど も 教 室 を 包 括 す る「 放 課 後 子 ど
もプラン事業」については、両事業を共に充実させる必要がある。こ
のため、十分な開設経費並びに実態に見合った指導員の配置・単価等
の基準で財政措置を講ずるよう、国に働きかけるとともに、都におい
ても補助制度を充実されたい。
7
都立特別支援学校在学児童が各自治体の学童クラブ施設を利用す
る際は、保護者の負担軽減を考え、現行の各スクールバスの停留所に
とどまらず、できる限り各施設に隣接する場所での引渡しが可能とな
るようご配慮をされたい。
8
現在、学童保育クラブ施設において、公費負担の保険として、全国
市長会「市民総合賠償補償保険」等に加入し、事故の際に見舞金で対
応しているところであるが適切な措置とは言い難い。このため、学童
- 37 -
保育における事故が増加している状況の中、当面、全施設における傷
害保険、賠償責任保険等への加入促進について支援願いたい。
ま た 、将 来 的 に は 学 童 保 育 に 通 う 子 ど も た ち が 、学 校・保 育 所 の 子
どもたちと同等の内容の補償を受けられる災害共済給付制度が適用
されるよう、働きかけていただきたい。
- 38 -
要
望
事
項
(要
12
都立特別支援学校等の障害児放課後
支援の確立
要望先
福祉保健局
教
育
庁
旨)
都 立 特 別 支 援 学 校 の 空 き 教 室 等 を 利 用 し て 、障 害 児 の 放 課 後 支 援 を 図 ら
れたい。
(説
明)
26 市 で は 、 都 立 特 別 支 援 学 校 に 通 学 し て い る 障 害 児 へ の 放 課 後 支 援 が
課 題 と な っ て い る 。現 在 は 、市 ご と に 障 害 児 を 受 け 入 れ ら れ る 学 童 ク ラ ブ
を 整 備 せ ざ る を 得 な い 状 況 で あ る が 、特 殊 な 設 備 を 整 備 す る な ど 十 分 な 対
応 が で き な い た め 、保 護 者 が 就 労 し て い る 場 合 は 、授 業 終 了 後 の 児 童 の 介
助のために退職せざるを得ない状況もある。
し た が っ て 、東 京 都 が 広 域 的 に 行 う 障 害 児 へ の 支 援 策 と し て 、都 立 特 別
支援学校の空き教室等を活用した放課後支援の具体的な対応策について
協議願いたい。
- 39 -
要
望
事
項
(要
13
児童扶養手当事務の移譲に伴う財源措置
要望先
福祉保健局
旨)
1
児 童 扶 養 手 当 の 支 給 は 国 の 事 務 で あ る の で 、こ れ に 要 す る 費 用 に つ い
ては、全額国において負担するよう働きかけられたい。
2
市 に お い て 費 用 負 担 す る 場 合 に は 、普 通 地 方 交 付 税 の 交 付 団 体 、不 交
付 団 体 に 係 わ ら ず 、必 要 と な る 負 担 額 を 国 に お い て 措 置 す る よ う 強 く 働
きかけられたい。
3
不 交 付 団 体 に 対 し 国 の 財 政 措 置 が 行 わ れ な い 場 合 は 、市 町 村 を 包 括 す
る 広 域 の 自 治 体 で あ り 、こ れ ま で の 負 担 者 で あ る 都 に お い て 市 町 村 の 財
政基盤の維持・強化の観点から特段の財政支援策を講じられたい。
(説
明)
児童扶養手当の支給事務移譲に伴う財源は地方交付税で措置されると
は い え 、市 に と っ て は 、更 な る 財 政 負 担 と な っ て い る 。特 に 、普 通 地 方 交
付 税 の 不 交 付 団 体 に と っ て は 、巨 額 の 負 担 と な っ て お り 、市 財 政 は 一 層 圧
迫 さ れ て い る こ と か ら 、的 確 な 国 の 財 政 措 置 へ の 働 き か け 及 び 積 極 的 な 都
の支援策を講じられたい。
1
都から国への働きかけについて
都 は 都 道 府 県 行 政 を 推 進 す る 立 場 に お い て 、国 の 事 務 と そ の 財 政 負 担
に つ い て 市 町 村 の 実 態 を 的 確 に 把 握 し 、そ の 意 向 を 反 映 し つ つ 、次 の 事
項について国に対し強力に要請されたい。
(1)
児 童 扶 養 手 当 に 係 る 事 務 は 国 の 事 務 で あ り 、そ の 費 用 に つ い て は 全
額 国 の 負 担 で 実 施 す る こ と 。費 用 の 一 部 を 地 方 負 担 と し 、そ の 財 源 を
地方交付税で措置するという複雑でかつ迂遠な手法を講ずる必要は
な い こ と か ら 、早 急 に 全 額 国 負 担 へ 改 め る よ う 、国 に 対 し 働 き か け る
こと。
(2)
全 額 国 負 担 に な る ま で の 間 、現 行 の 地 方 交 付 税 措 置 に よ り 市 が 費 用
負 担 す る 場 合 は 、不 交 付 団 体 に 対 し て 必 要 と さ れ る 負 担 額 を 国 に お い
て措置するよう強く働きかけられたい。
2
都の財政支援措置について
不 交 付 団 体 に 対 し 国 の 財 政 措 置 が 行 わ れ な い 場 合 は 、都 に お い て そ の
- 40 -
額 に つ い て 、市 町 村 を 包 括 す る 広 域 の 自 治 体 で あ り 、こ れ ま で の 負 担 者
で あ る 都 に お い て 財 政 基 盤 の 維 持・強 化 の 観 点 か ら 特 段 の 財 政 支 援 策 を
講じられたい。
- 41 -
要
望
事
項
(要
14
児童扶養手当の減額に対する財政支援
要望先
福祉保健局
旨)
母 子 家 庭 等 の 生 活 の 安 定 と 自 立 の 促 進 を 支 援 し 、児 童 福 祉 の 増 進 を 図 る
た め 、法 令 に 基 づ き 児 童 扶 養 手 当 の 減 額 措 置 の 緩 和 が 図 ら れ て き た 。一 方 、
国 に お い て は 母 子 自 立 支 援 策 を 講 じ て い る が 、国 の 総 合 的 支 援 へ の 移 行 は
十 分 に 進 ん で い な い こ と か ら 、減 額 措 置 対 象 者 に つ い て 、都 単 独 の 支 援 策
を講じられたい。
(説
明)
児 童 扶 養 手 当 法 が 平 成 14 年 に 改 正 さ れ 、児 童 扶 養 手 当 を 5 年 間 継 続 し
て 受 給 す る 世 帯 に 対 し て は 、正 当 な 理 由 が な く 求 職 活 動 そ の 他 省 令 で 定 め
る 自 立 を 図 る た め の 活 動 を し な か っ た 場 合 な ど の 条 件 の 下 、 平 成 20 年 度
か ら 最 大 で 受 給 額 の 1 /2 を 減 ず る こ と と な っ た 。
これに伴い、国においては、母子自立支援策を講じてきているが、経
済的支援から総合的支援への移行は十分進んでいるとはいえない状況に
あ る 。ま た 、各 方 面 か ら 児 童 扶 養 手 当 の 減 額 を 見 直 す 意 見 、陳 情 が 出 さ れ
て い る な ど 、支 援 策 の 必 要 性 が 高 ま っ て い る 。そ こ で 、児 童 扶 養 手 当 の 減
額措置対象者について、都単独の支援策を講じられたい。
- 42 -
要
望
事
項
(要
15
心身障害者(児)及び精神障害者に係る
施設整備の促進
要望先
福祉保健局
旨)
心身障害者(児)及び精神障害者のステージに応じた多様な生活及び訓
練等の場を拡充し、障害者(児)の自立と社会参加、自己実現、社会貢献
等を一段と進めるため、「障害者地域生活支援緊急3カ年プラン」を継続
して実施し、身近な地域の社会資源の整備促進に努められたい。
(説
明)
1
重度心身障害者(児)通所授産・更生施設は、当該障害者(児)の地
域生活に欠かすことができないツールである。引き続き整備促進に努め
られたい。
2
重 度 身 体 障 害 者 が 安 心 し て 地 域 で 生 活 で き る よ う 、重 度 身 体 障 害 者 グ
ループホーム事業に係る補助を拡充されたい。また、介護人の配置数等
にも配慮願いたい。
3
知 的 障 害 者 グ ル ー プ ホ ー ム に つ い て は 、平 成 16年 度 に 家 賃 助 成 対 象 者
の拡充が図られた。引き続き整備を促進されたい。
4
脱施設(病院)地域移行の重要性を認識しつつ、なお施設入所以外に
選択肢のない障害者(児)がいる現実は否定できない。特に、入所施設
において待機者が増加している。親の高齢化も進んでおり、親亡き後の
セーフティネットを確保する意味においても、施設の計画的な整備促進
に努められたい。
5
精神障害者授産施設は特定の区市町村に偏在しており、また同時に、
他の区市町村から通所するなど広域的性格が強い施設である。都におい
ては、当該施設の地域的偏在の解消に向けた整備計画を作成し、身体・
知的障害者施設と同様、法人等が設置する場合の用地取得費や施設整備
費、運営費について十分な助成措置を講じるとともに、設置に当たって
は、当該市町村と十分協議を行うとともに地域住民からの反対運動にも
積極的に啓発していくことを講じられたい。
6
以上を含め、施設及び設備整備費に対する補助基準額については、建
設資材等の価格動向を考慮し、実態に見合った単価を設定されたい。
- 43 -
要
望
事
項
(要
16
国民健康保険事業の医療保険制度一本化
の実現
要望先
福祉保健局
旨)
各種医療保険制度の負担と給付の公平化を推進するため、医療保険制度
の一本化の早期実現について、国に強く働きかけられたい。
(説
明)
国民健康保険(国保)制度は、国民皆保険制度の基幹的役割を果たす中
で地域住民の健康の増進と医療の確保を保障する制度として重要な役割
を担っている。しかし、その実情は、高齢化の進展により公的年金等受給
者などの無職の加入者が多く、医療費が高い反面高齢者など保険料(税)
負担能力の比較的低い層の加入比率が高く、保険料(税)の収納率が低下
していることなどの構造的な問題から、脆弱な財政基盤が一層深刻さを増
している。
こ の よ う な 中 、 平 成 20年 4 月 、 国 民 皆 保 険 を 堅 持 し 、 医 療 保 険 制 度 の 将
来にわたる持続的かつ安定的な運営を図るため、疾病予防を重視した特定
健康診査・特定保健指導事業が開始されるとともに、超高齢化社会を展望
した長寿医療制度(後期高齢者医療制度)が創設された。さらに、従来の
退 職 者 医 療 制 度 に 替 わ り 、 65歳 か ら 74歳 ま で の 前 期 高 齢 者 に つ い て 、 そ の
偏在による国保・被用者保険間の医療費負担の不均衡を、各保険者の前期
高齢者加入率に応じて調整する制度が新たに創設された。
しかしながら、市町村国保の切実な要望である医療保険制度の一本化に
つ い て は 、 医 療 制 度 改 革 大 綱 ( 政 府 ・ 与 党 医 療 改 革 協 議 会 平 成 17年 12月 1
日 ) に お い て も 「医 療 保 険 制 度 の 一 元 化 を 目 指 す 。 」と す る も の の 具 体 的 な
時期や道筋が明らかにされず、実現性に乏しいと言わざるを得ない。
今後も引き続き、国民皆保険制度を堅持するためには、給付と負担の公
平を図り、安定的で持続可能な制度運営を可能にすることが必要である。
ついては、国民健康保険の公平化を推進するため、特段の措置を講じら
れたい。
- 44 -
要
望
事
項
(要
17
特定健康診査・特定保健指導事業の保険
者義務化に伴う財政措置等
要望先
福祉保健局
旨)
特 定 健 康 診 査 ・ 特 定 保 健 指 導 事 業 を 円 滑 に 実 施 す る た め 、次 の 事 項 に つ
いて国への働きかけや財政措置等を講じられたい。
1
全ての医療保険制度において、公平かつ適切に実施できるよう、健診
単価を統一するとともに、国保と被用者保険との連携のしくみを構築す
るなど、特定健康診査・特定保健指導の確実な実施のための措置を国に
働きかけられたい。
2
特定健康診査・特定保健指導の補助基準単価を見直すとともに、事務
経費について財源措置を講じるよう国に強く要望するとともに、都とし
ても十分対応されたい。
ま た 、特 定 保 健 指 導 に 係 る 人 材 の 十 分 な 確 保 及 び 民 間 機 関 の 参 入 に 対
する適切な支援を講じるよう、国に働きかけられたい。
3
後期高齢者支援金算定の加算減算指標となる特定健康診査実施率等
の水準については、今後の実施状況等地域の実態を見極めた上で決定す
るよう国に働きかけられたい。
(説
明)
医 療 制 度 改 革 に 伴 い 、 平 成 20年 度 か ら 市 町 村 国 保 を 含 む 医 療 保 険 者 に 特
定健康診査・特定保健指導が次のように義務付けられた。
1
40歳 か ら 74歳 ま で を 対 象 と し た 内 臓 脂 肪 型 肥 満 に 着 目 し た 健 診 ・ 保
健指導を実施すること。
2
実施結果のデータ管理と医療費データとを突合し、健診・保健指導
の効果が医療費へどのように反映するか総合的に管理すること。
市町村国保は、健診事業や保健指導のノウハウを持ち合わせていない現
状があることに加え、費用負担についても、国・都道府県の負担は不十分
で あ り 、 今 後 、 保 険 税 (料 )増 額 等 市 民 負 担 の 増 加 が 予 想 さ れ る 。
市町村国保は伸び続ける医療費に対し、被保険者の高齢化や低所得者層
の増加により、国保事業自体の運営が非常に厳しい状況にある。今後、特
定健康診査・特定保健指導事業が円滑に実施できるよう支援策の充実を国
に強く働きかけ、また都においても対応するよう強く要望する。
- 45 -
要
望
事
項
(要
18
多摩地域の路上生活者に対する統一した
支援策の実施
要望先
福祉保健局
旨)
多 摩 地 域 に お け る 路 上 生 活 者( ホ ー ム レ ス )に つ い て 、統 一 し た 支 援 策
を実施されたい。
(説
明)
路 上 生 活 者 に つ い て は 、今 や 大 都 市 が 抱 え る 構 造 的 社 会 問 題 と な っ て い
る。
都 は 、平 成 16 年「 ホ ー ム レ ス の 自 立 支 援 策 等 に 関 す る 東 京 都 実 施 計 画 」
を 策 定 し 、 区 部 で 23 区 と 共 同 し て 自 立 支 援 セ ン タ ー 等 の 支 援 施 設 の 設 置
を進めるなど積極的に対応している。
し か し な が ら 、多 摩 地 域 で は 、多 摩 川 河 川 敷 や 都 市 公 園 、駅 周 辺 等 に お
け る 路 上 生 活 者 対 策 は 個 々 の 市 に 委 ね ら れ て お り 、未 だ に 統 一 的 な 対 応 策
がとられておらず対応に苦慮している。
ま た 、一 部 の N P O が 、新 規 宿 泊 所 の 開 設 を 進 め て い る が 、各 市 町 村 は
開 設 に 関 し 強 い 指 導 権 限 を 有 し て い な い た め に 、路 上 生 活 者 の 保 護 に あ た
り事業者や入居者等の調整に苦労しているのが現状である。
今 後 、路 上 生 活 者 の 自 立 に 向 け て 適 切 に 援 護 し て い く た め に は 、多 摩 地
区の自立支援センターの設置及び関係施設等との連携や相談支援等に係
る財政負担面をも含めた、統一した対策が必要不可欠である。
- 46 -
要
望
事
項
(要
19
ドメスティック・バイオレンスに対応した
緊急一時保護施設(シェルター)の充実等
要望先
福祉保健局
旨)
「 婦 人 保 護 施 設 」、
「 母 子 生 活 支 援 施 設 」、
「 民 間 シ ェ ル タ ー 」な ど 、緊 急
一 時 保 護 施 設 を 増 や す と と も に 、保 護 事 業 全 体 の 調 整 機 能 の 強 化 及 び 連 絡
体制の整備を急ぎ、緊急時に対応できる施策を講じられたい。
(説
明)
女 性 が 夫 や パ ー ト ナ ー の 男 性 か ら 暴 力 を 振 る わ れ る ド メ ス テ ィ ッ ク・バ
イ オ レ ン ス( D V )は 、近 年 、大 き な 社 会 問 題 と し て ク ロ ー ズ ア ッ プ さ れ
るようになった。
こ れ に 伴 い 、 平 成 13 年 「 配 偶 者 か ら の 暴 力 の 防 止 及 び 被 害 者 の 保 護 に
関する法律」
( D V 防 止 法 )が 制 定 さ れ 、平 成 16 年 に は 改 正 法 が 施 行 さ れ
ている。多摩地域においても、緊急一時保護のケースが増加している。
通 常 、多 摩 地 域 で 緊 急 一 時 保 護 を す る 場 合 、母 子 自 立 支 援 員・婦 人 相 談
員 を 窓 口 と し て 、東 京 都 女 性 相 談 セ ン タ ー 多 摩 支 所 に 保 護 す る か 、母 子 生
活支援施設に保護している。
都 は 、市 町 村 に 補 助 し 、母 子 緊 急 一 時 保 護 事 業 、緊 急 一 時 保 護 ホ テ ル 宿
泊 費 助 成 事 業 を 実 施 し て い る が 、抜 本 的 な 解 決 策 に は 至 っ て い な い 。ま た 、
同 一 市 町 村 内 で の 保 護 は 、ト ラ ブ ル の 再 発 を 招 い て お り 、市 域 を 超 え た 対
応が必要である。
つ い て は 、都 に お い て 、2 週 間 と さ れ て き た 一 時 保 護 期 間 の 延 長 を 含 め 、
緊 急 一 時 保 護 施 設 を 増 や す と と も に 、広 域 で 利 用 で き る 施 設 を 拡 充 し 、保
護 事 業 全 体 の 調 整 機 能 の 強 化 及 び 連 絡 体 制 の 整 備 を 急 ぎ 、緊 急 時 に 対 応 で
きる施策を講じられたい。
- 47 -
要
望
事
項
(要
20 N P O 法 人( 特 定 非 営 利 活 動 法 人 )等 市 民
要 望 先 生 活 文 化 スポーツ局
活動団体の支援施策の充実
福祉保健局
旨)
N P O 法 人 等 市 民 活 動 団 体 ( 以 下 「 N P O 」 と い う 。) に 、 市 町 村 の 枠
に と ら わ れ な い N P O の 広 範 ・ 多 様 な 活 動 を 踏 ま え 、広 域 的 観 点 か ら 次 の
事項について支援施策の充実を図られたい。
1
NPOに対する情報提供、研修(法人会計実務)などソフト面の支
援をはじめ、NPOを総括的に支援する活動拠点を多摩地域にも設置
すること。
2
市町村が行う拠点整備、運営費補助、更には経営強化のための支援
等の施策に対する財政措置の充実強化を図ること。
3
税制改正によって、NPOの認定要件の緩和及び税制支援が実施さ
れたが、都においても、自動車税等の減免や、NPOへの寄付に対す
る税控除等の独自施策を実施すること。
4
N P O を 資 金 面 か ら 支 援 で き る フ ァ ン ド・バ ン ク 等 、民 間 と の 連 携 を
も含めた制度を充実させること。
(説
明)
特定非営利活動促進法(NPO法)が施行され、NPOは様々な分野
で 活 動 し て い る 。地 方 分 権 型 社 会 の 実 現 に 向 け 、今 後 、行 政 と の 連 携 や 協
働 を い か に 推 進 し て い く か が 大 き な 課 題 と な っ て い る 。N P O は 、今 や 福
祉 分 野 を は じ め 、教 育・文 化 、環 境 、ま ち づ く り な ど 様 々 な 分 野 で 重 要 な
役 割 を 担 い 、さ ら に そ の 活 動 は 活 発 化 し て い る 。特 に 、福 祉 分 野 で は 、介
護 保 険 制 度 が 施 行 さ れ 、N P O も 事 業 の サ ー ビ ス 主 体 の 一 翼 を 担 っ て い る 。
N P O は 独 立 採 算 を 基 本 と し て い る が 、特 に 組 織 の 運 営 及 び 活 動 基 盤 が 一
定 し な い 立 ち 上 げ か ら 数 年 間 においては、行 政 の支 援 が必 要 である。
- 48 -
要
望
事
項
(要
21
バリアフリー化推進に対する支援等
要望先
福祉保健局
都市整備局
旨)
1
バリアフリー基本構想策定に対する財政支援施策を継続されたい。
2
公 共 交 通 施 設 な ど の バ リ ア フ リ ー 化 整 備 の た め 、都 と 市 町 村 の 連 携 を
図り、積極的に事業を推進されたい。
3
地 域 の バ リ ア フ リ ー 化 を よ り 積 極 的 に 推 進 で き る よ う 、財 政 措 置 の 充
実及び事業の弾力的な運用を図られたい。
(説
明)
駅 な ど 公 共 交 通 施 設 へ の エ レ ベ ー タ ー 、エ ス カ レ ー タ ー 設 置 や 周 辺 施 設
並 びに特 定 建 築 物 、また都 市 公 園 など の バ リ ア フ リ ー 化 は 、 障 害 者 な ど の
「移動制約者」にとって欠かせないものであるとともに、高齢者や妊婦、
病 弱 者 な ど に と っ て も 必 要 で あ る 。バ リ ア フ リ ー 新 法 で は 、市 町 村 が 駅 等
の旅客施設とその周辺の地区とを一体的にバリアフリー化するための計
画(「 基 本 構 想 」)を 作 成 し 、こ れ に 即 し て 市 町 村 は 、鉄 道 や バ ス 等 の 交 通
事 業 者 、 道 路 管 理 者 、 特 定 建 築 物 ・公 園 設 置 者 、都 道 府 県 公 安 委 員 会 な ど
と連携し、バリアフリー化事業を実施することとなっている。
また、
『 東 京 の 福 祉 保 健 の 新 展 開 2008』で 示 さ れ て い る「 ユ ニ バ ー サ ル
デ ザ イ ン 整 備 促 進 事 業 」の「 ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン 福 祉 の ま ち づ く り 事 業 」
及 び「 と う き ょ う ト イ レ 整 備 事 業 」で は 、駅 前 広 場 や 商 店 街 、公 共 施 設 エ
リ ア な ど 、多 数 の 人 が 利 用 す る 区 域 を 集 中 的 に 整 備 し 、住 民 が 実 感 で き る
福 祉 の ま ち づ く り を 行 い 、そ の 成 果 を 都 内 全 域 へ 波 及 さ せ る も の と し て い
る。
ついては、次の事項について積極的な対応を図られたい。
1
基 本 構 想 策 定 経 費 に 対 し 、財 政 支 援 制 度 を 継 続 し 、制 度 の 充 実 を 図 ら
れたい。
2
市 町 村 道 の バ リ ア フ リ ー 化 や バ リ アフ リ ー 新 法 の 対 象 と なる 市 町 村 が 設
置 する施 設 に 対 し 、 補 助 制 度 の 充 実 と と も に 都 道 や都 の設 置 する施 設 等
のバリアフリー化を積極的に推進されたい。
3
バ リ ア フ リ ー 化 推 進 の た め 市 町 村 と 連 携 し 、財 政 措 置 の 充 実 強 化 を 図
られたい。
- 49 -
4
総 合 的・先 駆 的 な 福 祉 の ま ち づ く り に 取 り 組 む 市 区 町 村 に 対 し て 支 援
を 行 う「 ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン 福 祉 の ま ち づ く り 事 業 」と 、民 間 事 業 者 、
住 民 と 協 働 し て 、だ れ も が 社 会 参 加 で き る ま ち づ く り の 核 と な る 、ト イ
レ環境の整備を行う区市町村を支援する「とうきょうトイレ整備事業」
は 、都 と 市 区 町 村 の 連 携 に よ る 地 域 の バ リ ア フ リ ー 化 を よ り 積 極 的 に 推
進 す る た め に 、地 域 の 創 意 工 夫・補 助 対 象 の 自 由 度 等 を 高 め る な ど 、財
政措置の充実及び弾力的な運用を一層図られたい。
- 50 -
要
望
事
項
(要
22
コミュニティバス等に対する財政支援等
要望先
福祉保健局
都市整備局
旨)
市町村が実施しているコミュニティバスに対する補助制度の拡充及び
交通不便地域における乗合バス事業者への助成に対する財政的支援を講
じるとともに、乗合バス等の需給調整規制が廃止されたことにより影響
を 受 け る 地 域 の バ ス 関 係 生 活 交 通 に 対 す る 必 要 な 維 持・確 保 策 に つ い て 、
国や事業関係者等に強く要請されたい。
(説
明)
多摩地域は、道路整備が立遅れており狭あい道路が多く、渋滞箇所も
多数ある。こうした中でコミュニティバスを運行する市町村や乗合バス
事業者に対し、補助を行い路線を確保をしている市町村がある。
コミュニティバスについては、高齢社会の急速な進展の中にあって、
高齢者や交通弱者等が気安く利用でき、地域に密着した、地域住民の足
となるよう期待が多くよせられている。
一方、バス関係生活交通の確保については、乗合バス事業者の赤字路
線 に 対 し 、市 が 、財 政 援 助 を 行 う こ と に よ り 、そ の 確 保 に 努 め て き た が 、
乗 合 バ ス に お け る 需 給 調 整 規 制 が 平 成 14年 2 月 に 廃 止 さ れ 、 路 線 へ の 参
入と撤退が原則として自由化されたことに伴い、既に地域のバス関係生
活交通の確保に影響が出ている。
乗合バス事業については、極めて高い公共性を有しているとともに、
多くが複数の自治体間にまたがる広域的な運行となっている。
本来、公共交通政策はナショナルミニマムの観点から、国の運輸行政
の範疇で整理されるべきであり、地域性が問われたとしても東京都が調
整にあたるべきものと考えられる。
こうした状況を踏まえ、コミュニティバスや乗合バスの運行を維持・
確保するため、下記の事項の実施を図られたい。
1
平 成 21年 度 か ら 地 域 福 祉 推 進 区 市 町 村 包 括 補 助 事 業 に 統 合 さ れ た が 、
このコミュニティバスの運行にあたって必要となるバス購入費の補助
額を増額されたい。また、現行、運行開始から3年間となっている運
行経費の補助期間の延伸及び補助額の増額を図ること。
- 51 -
2
国 、バ ス 事 業 者 等 に バ ス 関 係 生 活 交 通 の 必 要 な 維 持・確 保 等 を 強 く 要
請すること。
3
国に対し、対策に必要な財政的支援を要請すること。
4
バ ス 事 業 者 の 赤 字 路 線 に 行 っ て い る 市 の 財 政 援 助 に 対 し て 、東 京 都 に
お い て も 財 政 援 助 を 図 る と と も に 、バ ス 関 係 生 活 交 通 の 必 要 な 維 持・確
保 策 に つ い て 、財 政 的 支 援 を 含 め た 東 京 都 独 自 の 施 策 の 実 施 を 検 討 す る
こと。
5
コ ミ ュ ニ テ ィ バ ス の 買 い 換 え を 確 保 す る た め に 、東 京 都 の 財 政 支 援 を
図ること。
6
交 通 需 要 の 小 さ い 地 域( 山 間 地 域 )に お い て は 、乗 合 タ ク シ ー 等 の 運
行に対しても東京都の財政支援を図ること。
- 52 -
要
望
事
項
(要
23
インフルエンザ予防接種等における
支援の確立
要望先
福祉保健局
旨)
1
新 型 イ ン フ ル エ ン ザ 対 策 に つ い て は 、広 域 自 治 体 と し て の 役 割 を 持 つ
都 に お い て 総 括 的 な 対 策 を 進 め ら れ た い 。ま た 、従 来 の 季 節 型 イ ン フ ル
エンザに関してもワクチン等の安定供給が図られるよう措置を講じら
れたい。
2
高 齢 者 に 対 す る イ ン フ ル エ ン ザ 予 防 接 種 に 係 る 経 費 に つ い て 、国 に 対
し て 補 助 の 創 設 を 働 き か け る と と も に 、都 に お い て も 財 政 支 援 措 置 を 講
じられたい。
3
MR(麻しん風しん混合)ワクチンの定期予防接種及び麻しん(はし
か)の集団感染拡大の防止を目的とした予防接種についての財政的援助
と、ワクチンの安定供給が図られる措置を講じられたい。
4
平 成 18年 度 か ら 定 期 予 防 接 種 の 都 補 助 金 が 子 育 て 推 進 交 付 金 に 組 込 ま
れたが、従前に補助されていた内容を欠落させることのないよう措置さ
れたい。
(説
明)
1
新 型 イ ン フ ル エ ン ザ に 備 え 、抗 イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス 薬 の 備 蓄 と 適
切 な 対 応 が で き る よ う 、都 と 都 医 師 会 と で 協 議 を し た 上 で 医 療 体 制 を 整
備 し 、事 業 所 へ の B C P 作 成 に 対 す る 支 援 及 び 各 家 庭 で の 備 蓄 に 対 す る
支 援 措 置 を 講 じ ら れ た い 。ま た 、市 と の 連 携 を 強 化 し つ つ 迅 速 な 情 報 提
供 を 行 う と と も に 都 民 に 対 す る 的 確 な 啓 発 を 実 施 さ れ た い 。従 来 の 季 節
型 イ ン フ ル エ ン ザ ワ ク チ ン に つ い て は 、流 行 全 期 間 に お い て 安 定 供 給 が
図られるよう、引き続き、財政措置を講じられたい。
2
高 齢 者 に 対 す る イ ン フ ル エ ン ザ の 予 防 接 種 に つ い て 都 は 、国 に 対 し て
補 助 の 創 設 を 働 き か け る と と も に 、当 面 、他 の 予 防 接 種 と 同 様 に 財 政 支
援措置を講じられたい。
3
麻しん、風しんについては、定期予防接種として制度づけられながら
補助対象とならず、市の財源を圧迫している。
国 は 平 成 18年 度 か ら 、 麻 し ん 、 風 し ん の 単 独 ワ ク チ ン の 1 回 接 種 を 、
MRワクチンの2回接種に変更したことで麻しん、風しん制圧のための
- 53 -
市町村財政負担も大幅に増えている。このため、MR接種及び麻しん、
風しんの接種にかかる経費に対し都の財政援助を講じられたい。
ま た 、 麻 し ん ( は し か ) が 集 団 発 生 し た 場 合 に は 、 平 成 19年 度 に 実 施
さ れ た 緊 急 対 策( 医 療 保 健 政 策 区 市 町 村 包 括 補 助 事 業 の 対 象 と し て 支 援 )
を継続して実施するなどの財政援助を講じるとともに、引き続きワクチ
ンの安定供給の確保に努められたい。
4
日本脳炎等の定期予防接種の補助については、子育て推進交付金とな
った以後も、従前の定期予防接種で補助されていた時の内容を欠落させ
ることのないよう措置されたい。また、日本脳炎については、新ワクチ
ンが承認されたところであるが、新・旧ワクチンとも積極的な勧奨は引
き続き見合わせることになっている。しかし、新ワクチンを待っていた
層もあり増加傾向に拍車がかかることは、各市予想しているところであ
る 。加 え て 、薬 剤 単 価 が 2 .3 倍 ほ ど 高 価 に な る と い わ れ て い る 。こ の 2
点から財政的な負担が増大することは明白であり、市に対する財政援助
を講じてもらいたい。今後勧奨が再開された場合は、経過措置期間を設
けるなどして未接種者の対応策も講じなくてはならず、子育て推進交付
金に上乗せするか、麻しんの緊急対策と同様に医療保健政策区市町村包
括補助事業の対象とするなど、負担増に対する財政援助を講じるととも
に、ワクチンの安定供給の確保にも努められたい。
- 54 -
要
望
事
項
(要
24 小 児 初 期 救 急 平 日 夜 間 診 療 事 業 に 対 す る
補助制度の拡充
要望先
福祉保健局
旨)
「小児初期救急平日夜間診療事業」に対する補助制度を、土曜・日曜
な ど の 休 日 に も 拡 充 を 図 る よ う 要 望 す る 。ま た 、補 助 対 象 の 要 件 を 見 直 し 、
多様な事業展開が可能となるよう支援策を講じられたい。
(説
明)
小 児 初 期 救 急 の 平 日 夜 間 診 療 に つ い て は 、東 京 都 の 尽 力 に よ り 一 定 の 成
果 が 上 が っ て い る 状 況 と な っ た 。ま た 、休 日 の 昼 間 に つ い て は 休 日 等 診 療
事 業 に よ り 内 科・小 児 科 に 対 応 し た 初 期 救 急 診 療 体 制 を 確 保 し て い る と こ
ろである。
しかし、近年においては子育て不安や小児科医師の不足の影響もあり、
特 に 休 日 の 夜 間 に お い て は 、小 児 の 急 患 が 二 次 救 急 医 療 機 関 に 集 中 す る 傾
向 が 顕 著 と な っ て い る も の の 、そ の 殆 ど が 入 院 の 必 要 が な い 患 者 で あ る た
め 、二 次 救 急 医 療 機 関 で 本 来 必 要 な 診 療 が で き な い 場 合 が あ る な ど の 支 障
をきたしている。
つ い て は 、休 日 等 夜 間 に お け る 小 児 初 期 救 急 体 制 の 早 期 整 備 促 進 を 図 り 、
併 せ て 、当 該「 小 児 初 期 救 急 平 日 夜 間 診 療 事 業 」に 対 す る 補 助 制 度 を 土 曜・
日曜などの休日にも拡充されたい。
また、小児初期救急平日夜間診療事業の補助金交付要綱にある「診療
場 所 は 固 定 施 設 と す る 。」 と い う 要 件 を 見 直 し 、 医 療 機 関 が 輪 番 制 で 対 応
し た 場 合 で も 補 助 が 受 け ら れ る よ う に す る な ど 、多 様 な 事 業 展 開 が 可 能 と
なるよう支援策を講じられたい。
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要
望
事
項
(要
25
都立の総合病院、小児病院及びリハビリ
テーション病院の整備促進等
要望先
病院経営本部
旨)
1
多摩地域全体の医療サービスの充実・向上を図られたい。
2
多 摩 地 域 に 「回 復 期 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 病 棟 」を 併 設 し た リ ハ ビ リ テ
ーション病院の整備を図られたい。
多 摩 地 域 で 安 心 し て お 産 が で き る よ う NICUの 増 設 を 含 め た 周 産 期 医
3
療体制等の整備を図られたい。
(説
明)
1
多摩地域にある都立の総合病院、地域医療支援病院は府中病院のみで
あ り 、市・町・組 合 立 の 病 院 が 都 立 病 院 の 補 完 的 役 割 を は た し て い る が 、
高度専門医療や二次・三次的医療を行う病院が不足し、住民の医療に対
する不安も高いため、多摩地域全体の医療水準の向上を図られたい。
また、都立小児病院の移転統合実施にあたっては移転統合の影響のな
いよう対策を講じ、関係市及び関係市の医師会と充分協議した上で進め
ること。
2
高齢社会の急速な進展に伴い、急性期から回復期・維持期へのリハビ
リテーションの円滑な移行が可能な医療の充実が求められている。地域
完結型の治療体制は、既に他県で多く実施され効果をあげている。都に
おいては、「東京都リハビリテーション病院」が、区部に設置されてい
る。しかし、多摩地域においては、この施設の通所利用が困難であり、
また、東京都多摩北部医療センターや武蔵野赤十字病院等が地域リハビ
リテーション支援センターに指定されているが、これでは体制整備が不
十分であり、「東京都リハビリテーション病院」と同様の機能を持った
都立病院を多摩地区に設置されたい。
3
多摩地域で安心・安全なお産を早急に確保できるよう公立病院の妊娠
後 期 受 け 入 れ 態 勢 の 整 備 並 び に 多 摩 地 区 に 不 足 し て い る NICUの 増 設 を
含めた周産期医療体制の整備充実を図られたい。
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