財団法人倉敷中央病院

2,000 台の院内端末に
デルの PCを採用
ITコスト最適化と
ガバナンス徹底を推進
岡山県倉敷市の急性期基幹病院である倉敷中央
病院は、電子カルテシステムの更新に合わせて
病院情報システムのクライアント端末約 2,000
台を全面的に入れ替えた。インフラ整備・運用を
病院側が主導権を持ってコントロールし、IT ガ
バナンスを徹底しようという姿勢を貫く同病院が
選択したのは、オープンでデファクト・スタンダー
ドであり、コスト・パフォーマンスに優れたデル
の PCだった。
名 称:財団法人 倉敷中央病院
所在地:岡山県倉敷市美和1-1-1
理事長:大原謙一郎氏
院 長:小笠原敬三氏
病床数:1,151 床
(一般1141 床、第2 種感染症10 床)
88 年の歴史を持つ倉敷中央病院は、病床数 1151 床・職員数約
2,800 人を擁し、総合周産期母子医療センター、地域がん診療連
携拠点病院、地域医療支援病院、岡山県災害拠点病院などの施設
認定を受ける、高度医療を担う地域の急性期基幹病院である。得
意分野は心臓病、脳疾患をはじめ、消化器・肺・乳腺・前立腺・血液
年間新入院患者数:3 万0612 人
などのがん疾患、新生児医療など幅広く、総合病院の特性を活か
外来1 日平均患者数:2,835 人
した全人医療を行っている。
年間救急患者数:6 万6,662 人
(救急車受入数8,039 件)
職員数:2,755 人
(2011 年4 月1 日現在)
略 歴:1923 年(大正 12 年)、当時の倉敷紡績社長で大
原美術館なども設立した大原孫三郎氏が開設。大原氏が
掲げた理念である
「治療本位(研究目的でない、真に患者
のための治療)
」
「病院くさくない明るい病院」
「東洋一の理
想的な病院」は、現在も病院の運営方針としてしっかりと
保持されている。
高度医療を担う基幹病院として
先駆的に院内の IT 化を推進
常に高度で質の高い医療提供を目指してきた同病院は、医療現
場の IT 化にも早い時期から着手している。1970 年代後半には汎用
機をベースに NECと共同で医事会計システムを開発し、窓口会計
業務のオンライン化を実現していた。
その後、検体検査やカルテ管理、人
事・経理などの部門システムを開発。
92 年にはオーダリング・システムを
稼働させた。2003 年からは、NEC
の MegaOakシリーズを中心とした
病 院 情 報 シ ステ ム に 切り替 え 、
倉敷中央病院
情報グループ 情報システム課
課長 藤川 敏行氏
2005 年に電子カルテに移行。今年
の 5 月 か ら 、最 新 バ ー ジョン の
MegaOakHRを運用している。
一方、情報系システムも Windows
NT 3.51 時代から電子メー
Exchange/
プリケーションを選ばない。さらに、ハードウエアやソフトウエア、
ルを中心に運用を開始し、現在では Microsoft
個別ソリューション、サービスなど、ユーザの要件や環境に応じて、
Outlook、SharePoint Serverなどでグループウエアや院内ポー
タル環境を整備。Active Directory で認証基盤も構築し、シング
それぞれ必要なピースのみを提案できるデルの販売モデルが、藤
ル・サインオンやグループ・ポリシーによる管理を行っている。
2005 年に心臓病センターを開設した際、デルの PCを調達した
システム導入を自院で統制、
ITガバナンスを確立
川氏の調達に対する考えと合致したわけだ。
のを皮切りに、2010 年 9 月の 14 階建ての新棟(第 3 棟)完成時と
今年 5 月のシステム更新時に導入を進めた。現在 2000 台を超え
るクライアント端末が、デルの PCで統一されたことになる。
倉敷中央病院のシステム導入で特筆すべき点は、院内のインフ
ラに関して病院側が主導権を持ってコントロールし、ITガバナンス
を自ら積極的に確立しようという姿勢にある。
情報グループ情報システム課課長の藤川敏行氏は、
「当院は、早
くから自力で Windows のネットワーク環境を構築しています。医
療系のシステムを導入する場合でも、すべてベンダーに任せるの
ではなく、当院で整備するインフラ上にアプリケーション・プラット
フォームを載せてもらうというポリシーを貫いてきました」
と、イン
フラを自院で整備・管理する姿勢を貫いていると強調する。
トレーニング室の端末もデルの PC で統一した
前身の川鉄水島病院のシステムを見た時はとても驚きました。部
災害対策にデータセンターを活用、
今後は仮想化にもチャレンジ
門システムごとに別々の PC 端末が導入されており、それぞれの導
倉敷中央病院は、クライアント PC 管理にマイクロソフトの
入ベンダーの都合で不条理な環境に陥っていたことが見て取れた
System Management Server(SMS)を導入。主に資産管理
からです。現在では、倉敷中央病院のポリシーで運用しています」
と、サービスパックやパッチ、電子カルテの更新ソフトウエア配布、
「 2003 年に倉敷リバーサイド病院をオープンしましたが、その
(藤川氏)
と付け加える。
ヘルプデスクの際のリモートコントロール・ツールとして利用してき
医療の世界では、オーダリン
た。電子カルテ・システムの更新とクライアント PC の全面リプレー
グや電子カルテなど中核となる
スを機にマイクロソフトの System
Centerにアップグレード。デ
基 幹システムを導 入するベン
ルとマイクロソフトの運用実績により、リスクのないより効率的な
ダーに、その他のシステムであ
運用管理が実現できることに期待している。
るクライアント PC からネット
倉敷中央病院では、災害時のデータ保護対策としてデータセン
ワークまで丸投げする傾向がい
ターの活用を開始した。
「従来は、LTO(磁気テープ記憶装置)な
まだに強い。
「IPアドレス管理さ
どにバックアップして倉敷リバーサイド病院で保管していました。現
えも 、ベンダ ーに任 せ て いる
在では県内の民間データセンターにバックアップサイトを構築し、
ケースがあるようです。ネット
電子カルテと医事会計 2 つのシステムのデータを、ほぼリアルタイ
ワークなどのインフラにしても
ムでバックアップする体制にしています」
(藤川氏)。また、現在テス
IP アドレスにしても、病院の資
ト環境と研修環境で試験的にサーバの仮想化環境を構築している。
産のはずです。それなのに、自分たちでコントロールできないとい
藤川氏は「今後は仮想化を病院情報システムサーバ全体に拡大し、
う状況はいかがなものでしょうか」
と藤川氏は疑問を呈する。
将来的には仮想デスクトップ環境にもチャレンジしたいですね」
と抱
ITガバナンスを確立するために、ハードウエアとソフトウエアの
負を語った。
調達分離を実現したい──藤川氏のこうした思いが「全クライアン
ト端末にデルの PCを導入」
ということの背景にあった。デルを選択
した理由は、
「オープンなデファクトスタンダードであること、低コス
トなのに性能スペックが高いこと、この 2 つの要素から生じるコス
ト・パフォーマンスの良さです。また、デルの製品は保守契約形態
を選べるというメリットもあります。インフラの運用・保守はすべて
自院で実施するというポリシーを実現できます」
(藤川氏)。
デルのオープンなシステムは、電子カルテやさまざまな部門ア
倉敷中央病院では、部門システムなどでデルのサーバを多数使っている
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