2012 年 12 月 7 日 株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス 原子力災害対応用小型双腕重機型ロボット『ASTACO-SoRa』を開発 株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス(取締役社長:瀧澤照廣)は、このたび、原子力発電所 の災害対応において建屋内作業の支援を目的とした小型双腕重機型ロボット『ASTACO-SoRa〔アスタコ -ソラ〕』を、日立建機株式会社(執行役社長:辻本雄一)と共同で開発しました。2013 年からの福島第一原 子力発電所での活用をめざし、模擬設備による、運転操作員の訓練を進めていきます。 現在、福島第一原子力発電所の建屋内作業現場では、高い放射線環境下において遠隔操作で作業 環境の調査・測定などを実施するロボットが投入されていますが、今後はこれに加え、がれきの撤去、機 材の搬送、遮蔽体の設置などを行うロボットの必要性が高まってくると予想されます。 日立エンジニアリング・アンド・サービスは、こうした必要性にこたえるため、日立建機と共同で原子力災 害対応用小型双腕重機型ロボット『ASTACO-SoRa』を開発しました。解体作業や災害救助支援などで 実績のある日立建機の双腕重機『ASTACO』と、日立エンジニアリング・アンド・サービスの原子力施設に おける遠隔操作技術を融合し、広汎な作業に対応したコンパクトな多機能ロボットを実現しています。 今回開発した ASTACO-SoRa は、幅 980mm のコンパクトなボディーにより、狭い通路でも走行できる ことに加え、アームを 2 本搭載する事により、自由度の高い作業を可能にしました。また、アーム先端のツ ールを交換することにより、広汎な作業に対応できます。遠隔操作においては、運転操作員をサポートす る機能を充実させ、高い操作性を実現しています。 ■ASTACO-SoRa の特長 1. コンパクトなボディーに 2 本のアームを搭載 ・幅 980mmのコンパクトなボディーにより、建屋内の狭い通路を走行できることに加え、アームを 2 本 搭載することにより、自由度の高い作業を可能にしました。アームは、高さ約 2.5mまで到達でき、 それぞれ最大約 150kgの重量物を取り扱うことができます。 2. 広汎な作業に対応した先端ツール ・2 本のアームの先端には、広汎な作業に対応するため、掴み具・切断具・回転具・カメラ付長尺アー ムが装着できます。 ・各種ツールは、遠隔操作で交換することができます。(カメラ付長尺アームを除く) ・カメラ付き長尺アームを使用した場合、高さ約 6.5mまで到達することができ、高所の環境調査およ び測定が可能です。 3. 環境測定に対応 ・線量率計および酸素水素濃度計を搭載し、建屋環境を常時モニターすることが可能で、これらのデ ータは操作盤のハードディスクに保存することができます。 4. 遠隔操作をサポートする機能 ・運転操作は、専用の操作盤から無線で行います。運転操作員は、ロボットに搭載した 6 台のカメラ による映像を操作盤のモニターで見ながら、ロボットの操作を行います。 ・運転操作員をサポートする機能として、以下の機能を搭載しています。 (1)レーザー距離計によりロボットと作業対象物との距離を確認できる機能 (2)レーザー光により、前方に車幅を投影し、通路幅との関係を視認できる機能 (3)ボディーおよびアームを任意の位置から自動で決められた位置(原点)に復帰できる機能 ロボット本体の開発にあたっては、2006 年∼2010 年度に実施された NEDO 委託事業『戦略的先端 ロボット要素技術開発プロジェクト』により培われた技術的なノウハウも活用されています。 ■ASTACO-SoRa(ロボット本体)の仕様 装置名 小型双腕重機型ロボット 重量 約 2.5 トン 外形寸法 幅:980∼1,280mm(クローラー可変) (突起部除く) 長さ:1,570mm 高さ:1,500mm(アーム込み最低) 駆動方式 ディーゼルエンジン 定格出力 11kW / min-1(15PS /2,400 rpm) 燃料 軽油 燃料タンク容量 19.5 リットル 駆動時間 約 15 時間(連続使用の場合) 吊上荷重 両腕約 300kg/片腕約 150kg 走行速度 約 2.6km/h 操作方式 無線(非常時:有線) ■ASTACO-SoRa(操作盤)の仕様 重量 約 400kg 外形寸法 幅:1,600mm (突起部除く) 長さ:1,010mm 高さ:1,635mm 電源 AC100V ■ASTACO-SoRa 外観 [ ロボット本体 ] [ 操作盤 ] ■照会先 株式会社 日立エンジニアリング・アンド・サービス プラント本部 原子力サービス部 [担当:関上] 〒317-0073 茨城県日立市幸町三丁目 2 番 2 号 電話:0294-55-5775 ■報道機関問い合わせ先 株式会社 日立エンジニアリング・アンド・サービス 総務部 [担当:藤田] 〒317-0073 茨城県日立市幸町三丁目 2 番 2 号 電話:0294-22-7111(代表) このニュースリリース記載の情報(製品仕様、サービスの内容、お問い合わせ先等)は、発表日現在の情 報です。予告なしに変更される可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
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