接着細胞型 — セットアップ/ 解凍/播種/増殖

技術情報
接着細胞型 ̶ セットアップ
これらの手順は全ての細胞に適応されません。
下記にアクセスをお願いします。
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詳細は個別の手順に従って下さい。
1.
フラスコ数を計算して準備します。凍結保存バイアル
ださい。この計算の調整方法については、 377ページ
の T-25 フラスコを用意する利点は、大多数の細胞を失うリ
スクを軽減することにあります。つまり、最初の T-25 フラ
スコのトリプシン処理に問題が生じた場合には、別の T-25
フラスコを使用できるということです。
2.
てください。
3.
以下の計算方法を使用して容器数を決定し、推奨播種密度と
して2,500細胞/cm2、3,500細胞/cm2または5,000細胞/cm2を
設定します。
細胞数 × 生存率
= フラスコ数
フラスコの増殖面積
cm2毎に1 mlの増殖培地を追
加することにより、培地を新しい培養容器に無菌的に
移します。
例:25 cm2フラスコに対して5 ml増殖培地
4.
最大播種面積(cm2)
無菌環境で添加因子入り増殖培地のボトルを注意深く
開封し、フラスコ表面 5
= 最大播種面積(cm2)
推奨播種密度
継代数、細胞型、ロット番号、日付を明記したラベル
を各フラスコに貼ります。
「プラスチック容器における増殖面積」の表を参照し
初代細胞/方法
の正確な細胞数については、試験成績書を参照してく
25 cm2の実質増殖領域をもつ T-25を使用する場合大きなフ
ラスコとは対照的に、最初の冷凍保存バイアルからこの数
容器の通気口付きキャップを締めます。通気口付き
キャップが使用されていない場合、キャップを一旦締
めてから約半回転緩めます。培養容器を37℃、5%
例:細胞数520,000で80%の生存率のHMVEC-Lの凍結細胞の場合
CO2
存在下で温めて平衡化し、培養器内で少なくとも30分
間加湿します。
520,000 × 0.80
=
5,000
83 cm2
T-25のフラスコで増殖面積が25 cm2の場合
83 cm2
25 cm2
= フラスコ3つ
接着細胞型 ̶ 細胞の解凍
推奨された量の培地をフラスコに無菌的に加え、 5%
CO2、37℃の培養器で少なくとも30分間平衡化します。
理想的には、解凍後の凍結保存バイアルの色はピンク
となります。ピンクでない場合は、その色を記録し、
播種が成功しない場合は技術サポートに報告してくだ
1. 解凍前にマイクロピペットを準備します。
さい。
2.
注記:
細胞入りの凍結保存バイアルを取り出します。開封前
に、エタノールまたはイソプロパノールで凍結保存バ
イアルを拭きます。無菌環境内で、キャップを軽く
4分の1回転して、内圧を緩和してから再度締め直しま
す。完全には開封しないでください。
3.
凍結保存バイアルを持ち、その下部 4 分の 3 を 37 ℃の
水槽に浸して、1∼2分間ゆっくりと回しながら内容物
を解凍します。凍結保存バイアルを注意深く観察して
ください。最後の氷片が溶けたら取り出します。また
容器を完全に水槽に沈めないでください。細胞の解凍
時間が 2 分未満の場合、最適な結果が得られない可能
性があります。
4.
凍結保存バイアルを直ぐに取り出し、拭いて乾かしま
す。その後無菌環境に移します。平衡化されたフラス
コを準備します。70%のアルコールで凍結保存バイア
ルを洗浄し、余分なアルコールをふき取ります。
5.
解凍後の凍結保存バイアルの色に注目してください。
ロンザジャパン株式会社
– 2つ以上の冷凍保存バイアルを解凍する場合、1回に1本の
凍結保存バイアルを解凍し、他の凍結保存バイアルは使用
準備が整うまで液体窒素内に保管します。
– 凍結保存された細胞は非常に痛みやすくなっています。こ
れらを解凍して復元する場合は可能な限り素早く、最小限
の手順で行ってください。
– 凍結細胞を取り扱う際は、保護眼鏡を着用してください。
急速な温度変化によって液体窒素が飛び散るおそれがあり
ます。
– 遠心分離を行って凍結細胞から懸濁液細胞を分離しないで
ください。これを行うと、培養中のDMSO残余による影響
よりも重大なダメージが起きます。
– 凍結細胞を直接、ガラススライド、チャンバースライド、グ
リッドプレートまたはマルチウェルプレート( 6 、 12 、
24 、 96 …)で解凍することは推奨されません。最適なパ
フォーマンスを得るには、凍結保存状態からの最初の播種
を T-25 フラスコに対して行います。詳細な手順について
は、提供されている細胞培養手順書内のセットアップのセ
クションに記載された指示に従ってください。細胞特異的
なプロトコルについては、技術サポートにお問い合わせく
ださい。
バイオサイエンス事業部代表:03-6264-0660 http://www.lonza.co.jp/bioscience
デモ・見積もり依頼:03-6264-0660 技術サポート:03-6264-0660 受注・在庫照会:03-6264-0620
LBS-W0001-020
技術情報
接着細胞型 ̶ 播種
播種後
1.
1,000 µlのマイクロピペットを800 µlに設定して使用
細胞は急速な温度変化や栄養の欠乏した培地に耐性があり
し、先端を凍結保存バイアルに入れて、優しく、ゆっ
ません。温めた新鮮な増殖培地で増殖を行うことによっ
くりと、一定のリズムでピペットを最大 5 回上下させ
て、問題を回避できます(必要な分量だけ温めるようにし
ながら、細胞を再懸濁します。再懸濁は急いで行わな
てください)。週末や休日の間も、以下に従って細胞の確
いでください。ピペットの先端をバイアルの下部近く
認と培地追加を行ってください。
に保ち、気泡の発生を防いでください。
1.
2.
DMSO および未接着の細胞を取り除くため)。ただし
参照]で指定されている通り)細胞を同量ずつ、事前
毎日状態をチェックしてください。
に準備しておいたフラスコに移します。 4 つの T-25 フ
注記:培地の交換を行うには、細胞が接着しているフラスコ
の反対面で滅菌ピペットによる吸入を行い、培地を除去する
必要があります。その後、温かい新しい培地を追加します。
ラスコを準備した場合は、マイクロピペットを
250 µlに設定して移してください。8つのT-25フラスコ
を準備した場合は、マイクロピペットを 125 µl に設定
3.
4.
播種後は 2 日毎に増殖培地を交換してください(残余
(「細胞/バイアルの推奨播種密度と数」[355ページ
2.
培養に成功し回収された細胞は以下のようなものとな
して移してください。
ります。
注記:凍結保存バイアルの全量を1つのT-25フラスコに使用し
ないでください。
a. 透明の非顆粒細胞質をもつ細胞
b. 2日目以降に多数の分裂核
キャップまたはカバーを取り外し、容器をそっと振
3.
細胞がコンフルエントな状態になったら、より多い分
り、細胞を均等に分散させます。ガス交換を行う必要
量の培地を追加します。ガイドラインとして以下を参
がある場合は、キャップを緩めます。
照してください。
培養容器を、5%
細胞の状態:
25%コンフルエント未満…
25∼45%コンフルエント…
45%コンフルエント超…
CO2の37℃の培養器に戻します。容器
を棚に平らに並べ、接着する細胞の表面積が最大にな
るようにします。細胞はフラスコ底部に堆積します。
4.
初代細胞/方法
内部を指でさわらないようにキャップを取り外す。
指定の培地分量:
5 cm2につき1 ml
5 cm2につき1.5 ml
5 cm2につき2 ml
60∼90%コンフルエントな状態になるまで細胞への培
地追加を続けます。特定の細胞型がコンフルエントに
なり過ぎた場合(表皮細胞など)、 3 日以上コンフル
エントな状態を保つ場合、不可逆的な接触阻止が発生
し、フラスコから剥離する、またはトリプシン処理が
難しくなる、あるいはその両方が生じる可能性があり
ます。
接着細胞型 ̶ 増殖
1.
培養細胞を顕微鏡検査し、輸送中の損傷(剥離、ラウ
4.
ンドアップまたは異常な形態)がないかを確認しま
ル全体を温めると培地の有効期限が短くなる可能性が
す。相対細胞密度を確認し、コンフルエンスを % で予
あります。温流水またはその他温度制御不能な方法で
測します。受領時、培養細胞の密度は 30 ∼ 100% と
培地を温めないでください。電子レンジは使用しない
なっているはずです。いくつかの細胞が剥離している
でください。
場合がありますが、これは正常です。細胞が大きく損
傷を受けているようにみえる場合は、直ぐに技術サ
5.
新鮮な培地と交換します。微生物による汚染を防ぐた
70%エタノールまたはイソプロパノールで拭き取り、
め、容器の首まわりやキャップ内にある培地を無菌的
細胞培養フラスコまたはマルチウェルプレートの外部
に取り除いてください。
表面を滅菌します。
3.
無菌環境で注意深く細胞培養フラスコまたはマルチ
ウェルプレートを開封し、培地を除去して、温かい、
ポートに電話でご連絡ください。
2.
適量の増殖培地を滅菌容器で37℃まで温めます。ボト
6.
密封したフラスコまたはマルチウェルプレートを
37℃、5% CO2 の条件で3∼4時間インキュベートし、
通気口のないキャップのついたフラスコを使用してい
5% CO2 の
37℃の加湿培養器内に最低24時間置きます。
る場合は、キャップをゆるめ、フラスコを
平衡化します。
ロンザジャパン株式会社
バイオサイエンス事業部代表:03-6264-0660 http://www.lonza.co.jp/bioscience
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