中央研究室 - 京都府立医科大学

医学フォーラム
769
<部 門 紹 介>
大学院医学研究科医学研究方法論概論(中央研究室)
RIセ ン タ ー
放射性同位元素(RI
)を用いた研究を行う施
設である RIセンターは,ひとつの部門(RI部
門)のみで構成され,共通実験室としての運営
は放射性同位元素室が行っている.教員は本来
2名(准教授=RI部門長 1
,助教=放射性同位
元素室主任 1
)であるが,助教のポストは 3年
以上空席であり,現在は部門長(研究教授)の
勝山真人がひとりで勤務している.日常の管理
業務は放射線業務管理会社の常駐員(1名)の
支援の下に行っている.
現在の基礎医学学舎4階のRI
管理区域は1999
年12月よりオープンした.当時は「西日本の大
学で最大規模の施設」
とも謳われ,回廊式の基礎
医学学舎4階の大部分に加え,3階東側の排気設
備と地下 2階の排水設備が RI
管理区域となって
いる.4階管理区域の内部には,各教室に実験
スペースを割り当てたトレーサー実験室(写真
1
)の他,培養室,動物実験室,暗室,低温実験
室,ラベル室,実習室,機器分析室といった共
通実験スペースが設けられている.さらに P3
レベルの実験が行える部屋まで設置されてい
る.共通機器として,液体シンチレーションカ
ウンターやガンマカウンターの他,マイクロプ
レートシンチレーション・ルミネッセンスカウ
ンターや RI専用画像解析装置なども利用可能
である(写真 2
)
.
管理する側の重要な仕事として,利用者(放
射線業務従事者)の教育訓練がある.2011年の
福島での原発事故以来,放射性物質およびそれ
らを取り扱う施設に対する世間の目は非常に厳
しくなっている.利用者には法令遵守の徹底
と,利便性よりも安全性の重視を常々お願いし
ている.
RI実 験 の 減 少 と施設の有効活用
現 RI部門長の勝山が病態分子薬理学から異
動した 2009年頃には既に,RIを用いた実験を
行う研究者の数がかなり減少していた.これは
世の中全体の風潮であり,定量 PCRの普及によ
nRI
標識試
る32Pの利用機会の激減や,様々な no
薬の開発によるものである.
研究スペースの有効活用のためにも,RI管理
写真 1 トレーサー実験室
770
医学フォーラム
写真 2 RI測定機器
区域を縮小してはどうかという意見が以前から
出ていた.しかし管理区域の縮小には,汚染検
査,除染,配管のつなぎかえ,壁の設置工事な
どの費用に加え,汚染部分の廃棄代金など,施
設の廃止に匹敵する莫大な経費を要する恐れが
あることが判明した.基礎医学学舎 4階に回廊
式の膨大なスペースを RI管理区域に設定して
いることが,却って管理区域の縮小を難しくす
る結果となったわけである.
そこで現施設を効率的に運用するため,次の
ような対策を取ることにした.
1.RI実験の啓発活動
昨今でも RIを用いた方が感度良く結果が得
られる実験,あるいは RI
を利用せざるを得ない
実験が存在する.現在も複数の研究グループが
32
Pを用いて転写因子の試
RI
実験を行っており,
験管内での活性を検出するゲルシフトアッセ
イ,培養細胞を用いたホルモンの代謝実験,ラ
ジオイムノアッセイなどに加え,心臓の e
xv
i
v
o
での代謝実験を行っているグループも存在す
る.これからも様々な RI実験に利用できるよ
う,施設環境の維持に努めたい.
2.施設運用規模の縮小による経費の節減
当施設は許可使用者のうち,一定の貯蔵能力
以上の貯蔵施設を設置する「特定許可使用者」
である.これを通常の許可使用者に変更する予
定である.非密封の RIを使用する特定許可使
用者は,3年毎に放射線障害防止法に基づく施
設の定期検査・定期確認を受ける必要があるが,
「特定」を外せばそのための経費を節減できるこ
とになる.
「特定」を外すためには,核種毎の貯
蔵能力の下限数量に対する割合の和を 10万倍
以下にする必要がある.現在この「10万倍」の
貯蔵数量に大きく貢献しているのが 32Pである
が,近年 32Pを用いた研究の機会が激減してお
り,今後も劇的に増加することは考えられず,
変更可能と考えられる.
さらに当施設は大量の放射性ヨウ素を動物に
投与するといった実験を行えるよう,ヨウ素を
吸着するチャコール(活性炭)フィルタを東側
排気設備に装着している.現在の施設基準を満
たすには,チャコールフィルタは 3年毎に交換
する必要がある.施設運用開始から約 15年が
経過する中で,放射性ヨウ素を用いた動物実験
を行った研究者は数名に過ぎない.チャコール
フィルタの装着を廃止するには,放射性ヨウ素
の 3か月使用数量を減少させる必要があるが,
これまでの累積使用量から変更可能である.
チャコールフィルタの装着を廃止することによ
り,その経費を節減できる.
以上の変更には原子力規制委員会への届出が
必要となる.専門業者による変更申請のための
書類作成(遮蔽計算,空気中濃度・排気濃度・
排水濃度等の計算,図面の作成)を進めている
ところである.
医学フォーラム
3.ハイセキュリティ施設としての利用促進
RI管理区域は教育訓練を受講した放射線業
務従事者に対して個別に発行した I
Dカセット
による入退室管理を行っており,非常にセキュ
リティの高い施設である.そのセキュリティの
高さを売りに,no
nRI実験にも有効活用してい
る.P3実験室は現在ウイルスの研究を専門と
するグループにより利用されている.動物実験
室は「静かな環境」を活かして行動実験に利用
されている.また秘密保持の必要なサンプルの
保管にも非常に適した施設であると言える.
RI管理区域であるので,利用者は教育訓練を
受講した放射線業務従事者に限られ,また RI
を
取り扱っているという意識の下で利用していた
だく必要はある.しかし有効活用していただく
価値は大いにあると考えている.
以上のような運営方針の下,法的基準を満た
した施設環境の維持と,必要最小限の共通機器
の整備は行っていく必要がある.オープンから
15年以上が経過し,更新を必要とする設備も出
てきつつある.中央研究室の他部門との兼ね合
いもあるが,こういったものについては積極的
に予算要求していきたいと考えている.
771
教員の研究活動
現在の研究活動については,研究教授の勝山
が,以前所属していた病態分子薬理学との連携
の下,自身の研究活動も行っている.活性酸素
産生酵素である NOX/
NADPHオキシダーゼに
関する研究では,これまで NOX1や NOX4の発
現調節に関する研究を行ってきた.現在組織線
維化に深く関わる NOX4由来活性酸素種の標的
蛋白の同定と,線維化に至るメカニズムの解明
に取り組んでいる.また厚生労働省の「スモン
に関する調査研究班」の班員として,昭和 30
~
4
0年代に大きな社会問題になったキノホルムに
よるスモン薬害(亜急性脊髄視神経末梢神経障
害)の発症メカニズムの解明に挑んでいる.こ
れまでにキノホルムが DNA2本鎖切断を介して
キナーゼの一種ATMの活性化とそれに続くp53
の活性化を引き起こすこと,また c
Fo
sの発現
誘導を介して痛みに関わる神経ペプチド前駆体
VGFを誘導することを見出した.今後もこれ
らの研究を進展させたいと考えている.
(文責 勝山真人)
医学フォーラム
772
実験動物センター
沿
革
平成 8年(1996年)基礎医学学舎第 1期工事
および平成 11年(1999年)基礎医学学舎第 2
期工事にともない,実験動物施設も新設され
た.新 設 さ れ た 実 験 動 物 施 設 は,延 床 面 積
3618m2で,イヌ 87頭,サル 18匹,ヤギ・ブタ
14匹,ウサギ 300羽,ネコ 32匹,ニワトリ 20
羽,ラット 2,
700匹,マウス 6,
200匹,遺伝子
組換えマウス 3,
400匹,ハムスター 240匹,ス
ナネズミ 280匹,モルモット 240匹,両生類 100
匹収容可能な公立医科系大学の中ではトップク
ラスの規模である.また,動物飼育部門以外に
手術室,X線撮影室,無菌実験室,特殊環境行動
実験室などの実験部門も約 948m2とかなりの面
積が割り当てられている.当時,実験動物室の
構成員は,主任:井端泰彦(第 2解剖教授:兼
任)
,副主任:喜多正和(専任)
,副主任:山岸
久一(第 2外科助教授:兼任)
,技師:三原一
泰,清定勝義,野口智生,山本健一,岡部 耕,
実験動物連絡協議会:白川裕子(事務)
,石原忠
雄(飼育補助員)であった.その後,遺伝子組
換えマウスの利用数が飛躍的に増加したため,
2002年,2005年,2007年,2013年に改修によ
りマウス飼育室が増設された.一方,2006年 4
月に中央研究室の組織が改組され,名称が大学
図 1 マウス飼育室
図 2 実験動物用飲料水(RO)製造装置
図 3 X線撮影装置と X線照射装置
図 4 実験動物専用手術室
医学フォーラム
773
院中央研究室実験動物センターとなり,行動解
析部門,遺伝子組換え動物部門,生体機能解析
部門が新設された.また,2007年 4月には新し
い京都府立医科大学動物実験規程(京都府立医
科大学訓令第 3号)が施行された.
遺伝子組換えマウスの系統維持が行われている
のが現状であり,近い将来,マウス個体での授
受よりも受精卵移植などの生殖工学技術を応用
したマウスの授受が主体になる可能性が高いと
考えられる.
動物実験の現状
動物実験をとりまく社会の現状
ヒトゲノムプロジェクトの進展により,種々
の生物ゲノムの塩基配列は明らかとなったが,
遺伝子の機能についてはまだ不明な点が数多く
残されている.ポストゲノム時代の課題は,全
遺伝子と遺伝子以外の領域を含む全ゲノム領域
の機能解明である.遺伝子機能の解析には生体
における検証が必要であり,そのためにはノッ
クアウトマウスが最も適切な手段であるとの認
識の下,欧米ではノックアウトマウスプロジェ
クトが 2006年から開始されており,全遺伝子の
ノックアウト ESクローンの作製を目標として
いる.一方,ENUミュータジェネシスプロジェ
クトも現在進行中であり,今後,マウス変異体
リソース数が飛躍的に増加していくと考えられ
る.遺伝子組換え動物は,その遺伝子の機能を
生体レベルで解析することができるため,様々
な研究分野に利用されており,特に遺伝子組換
えマウスを用いた研究が飛躍的に増加してい
る.近年,ZFN,TALEN,CRI
SPRといったゲ
ノム編集技術の登場により,簡単,短期間,低
コストで遺伝子改変動物を作製できるように
なった.これら人工ヌクレアーゼは,受精卵に
インジェクションするだけで遺伝子改変動物を
作製できるため,ES細胞が利用できなかった
マウス以外の実験動物でも遺伝子改変が可能と
なった.特に CRI
SPR/
Ca
s
9は,マウス,ラッ
トだけでなく様々な生物種においてノックアウ
ト,ノックインなどのゲノム編集を行うことが
できることから,今後,遺伝子機能解析,病態
解明,新規医薬品の開発等に広く利用されるだ
ろう.
しかしながら,数多くの遺伝子組換えマウス
を個体で維持するためには膨大な飼育施設が必
要となり,その経費も莫大な額となる.そのた
め,近年,胚および精子の凍結保存などにより,
1973年に制定された「動物の保護及び管理に
関する法律」は,その後,環境省の所管のもと
に見直され 1999年「動物の愛護及び管理に関す
る法律」
(動物愛護管理法)と名称が変更され,
最新の改正版が 2013年 9月 1日から施行されて
いる.今回の改正においては,愛護団体が主張
していた大学等の動物実験施設の届出制又は登
録制等の規制導入は見送られ,いままで通りの
自主管理体制を継続することになった.しかし
ながら,動物実験に関する項目が環境省の動物
愛護管理法の中にある限りは,5年毎の見直し
対象項目になることは避けられず,今後とも研
究機関等における自主管理(機関管理)体制の
向上が必須であることは明白である.
このような状況を踏まえ,国動協及び公私動
協の幹事会は,文部科学省の指導の下に,
「研究
機関等における動物実験等の実施に関する基本
指針」
(平成 18年文部科学省告示 71号)第 6第
3項に定められた情報公開を更に推進するため
に,それぞれの協議会の会員校に対して,情報
公開を積極的に実施するよう要請している.さ
らに,全国医学部長病院長会議に新設された動
物実験検討委員会において,同様の内容が検討
され,全国医学部長病院長会議動物実験検討委
員会委員長,国立大学法人動物実験施設協議会
会長および公私立大学動物実験施設協議会会長
の連名で平成 25年 12月 12日付け「動物実験に
関する情報公開の実施について」という文章が
全国の医学部を有する会員大学へ通知されてい
る.また,
「研究機関等における動物実験等の
実施に関する基本指針」第 6第 2項において,
基本指針への適合性に関する自己点検・評価を
実施すること,及び当該研究機関以外の者によ
る検証を実施することに努めることが明記され
ているにも関わらず,相互検証プログラムによ
医学フォーラム
774
る外部検証を受けている大学は必ずしも大多数
ではなく,現状では残念ながら自主管理(機関
管理)が着実に実施されているとは言い難い.
今後も,大学等の研究機関においては適正な動
物実験の実施が必須であり,動物実験を実施し
ているすべての研究者には動物実験関連法令の
遵守が求められている.
(文責 喜多正和)
◎大学院中央研究室実験動物センターの構成
(2015年 10月 1日現在)
1.行動解析部門,遺伝子組換え動物部門,生体機能解析部門
(部門長:喜多正和)
1)電気生理研究室(主任:井之川仁)
2)ヒト人工気候室(主任:樽野陽幸)
3)行動実験室(主任:藤本崇宏)
4)発光蛍光イメージング室(主任:堀中真野)
2.飼育担当
(主査:清定勝義,副主査:山本健一)
3.事務,検査担当
(非常勤:白川裕子,酒井ゆうこ)
医学フォーラム
775
研究機器センター・バイオイメージング部門・
細胞化学研究室
中央研究室・研究機器センター・バイオイメー
ジング部門・細胞化学研究室は,蛍光顕微鏡シ
ステムが設置された本学の共用研究室です.本
研究室の創設は中央研究室発足の 1968年当初
より設置されていた組織化学研究室に遡り,
2006年 4月の中央研究室の改変後は,電子顕微
鏡室や磁気共鳴室とともにバイオイメージング
部門の一共用研究施設として学内の研究者に広
く利用されてきました.2006年 4月から 2015
年 4月まで本研究室の主任であった山岡禎久助
教(現 佐賀大学工学系研究科准教授)の後任と
して,同年 5月よりハルソノ・チャフヤディ
(医学研究方法論概論 助教)が本部門の管理を
担当しています.
細胞化学研究室は基礎医学学舎 5階の 502
,
504
,505の 3つの部屋にあり,組織切片標本や
培養細胞標本の蛍光画像を取得するための顕微
鏡システムを設置しています.蛍光顕微鏡は生
命科学分野の研究に必要不可欠な研究機器であ
図1
り,近年の技術の進歩とともにその重要性は
益々高まっています.蛍光イメージング法は,
光励起した物体から発せられた蛍光をフィル
ターを通して選択的に抽出することにより,蛍
光標識した特定の物質の組織・細胞内局在や動
態を高いコントラストで同定するものです.と
くに深さ方向に高い空間分解能を有する共焦点
レーザー走査型顕微鏡や 2光子レーザー顕微鏡
は,組織・細胞内の蛋白質等特定の分子の局在や
動態が可視化でき,さらに分子間の相互作用を
捉えることも可能です.現在,細胞化学研究室
に設置されている蛍光顕微鏡は以下の 6台です.
1.共焦点レーザー走査顕微鏡システム FV1000
(Ol
ympus社製)
(図 1)
2005年に設置.正立型顕微鏡(BX61
)
,レー
ザー光源(Ar
g
o
nレーザー ,He
l
i
umNe
o
nレー
ザー)
,走査ユニット
(FV1000
)
から成り,3チャ
ネルの共焦点蛍光画像や 3次元画像,透過光
(微
分干渉)画像の取得が可能です.
776
医学フォーラム
2.多光子レーザー・共焦点レーザー走査顕微
鏡システム LSM510Met
a
(Car
lZei
s
s社
製)(図 1)
2005年に設置.倒立型顕微鏡(Ax
i
o
v
e
r
t200
M)に波長可変式フェムト秒パルスレーザー
(Spec
t
r
aPhys
i
c
s社製,Ma
i
Ta
i
)
,Ar
gonレーザー,
He
l
i
umNe
o
nレーザ ーを搭載 していま す.3
チャネルの共焦点蛍光画像や3次元画像,スペク
トル画像,透過光(微分干渉)画像の取得が可能
です.蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)や光照
射分子不活性化(CALI
)など光刺激による細胞
機能の解析も可能です.
3.共焦点レーザー走査顕微鏡システム FVX
(Ol
ympus社製)
1998年設置.正立型顕微鏡(BX50
)に Ar
g
o
nKr
y
pt
o
nレーザーとレーザー走査ユニット FVX
を搭載,2チャネルの共焦点蛍光画像や三次元
画像の取得,透過光(微分干渉)画像の取得が
可能です.
4.共焦点レーザー走査顕微鏡システム TCS
SP2(Lei
c
a社製)
2014年 3月眼科学教室より供与.倒立型顕微
鏡(DMI
RE2
)に波長 405nmダイオードレー
ザー,Ar
g
o
nレーザー,He
l
i
umNe
o
nレーザー
を光源とする共焦点レーザー顕微鏡です.
5.広視野蛍光顕微鏡・画像解析装置 Power
Gene(Ol
ympus社製)
2005年に分子生化学研究室より移設.水銀
ランプを光源とし,正立型顕微鏡(AX70
)
,CCD
カメラ(Qua
nt
i
x
,Pho
t
o
me
t
r
i
c
s社製)
,多色蛍光
図2
i
ns
i
t
uhy
b
r
i
d
i
z
a
t
i
o
n
(Mul
t
i
c
o
l
o
rFI
SH)に 対 応
の画像解析ソフトが搭載されています.
6.広視野蛍光顕微鏡・画像解析装置(Ni
kon
社製)
2003年設置.正立型顕微鏡(E800
)にハロゲ
ンランプと画像解析ソフト Lumi
naVi
s
i
o
nを搭
載した蛍光顕微鏡です.
上記の顕微鏡システムの使用には,毎年 4
~5
月に開催される講習会への受講と使用登録が必
要です.またビデオによる講習も適宜行ってい
ます.細胞化学研究室機器の使用予約は本学
ホームページ(教職員限定 ⇒ 中央研究室の機器
予約 ⇒ 細胞化学研究室機器)で行えます(図
2
,3か月後まで予約が可能)
.機器の保守・管理
に必要な年間保守契約費と消耗品の一部は,使
用した各教室に負担をお願いしています.
各機器には使用記録簿を配し,使用者の所属
と氏名,使用時間,レーザー発振時間を記入い
ただいております.2009年から 2014年までの
使用統計(使用時間と使用者の延べ人数)によ
りますと,主にLSM510Me
t
aとFV1000が使用
され,両者で合計年間 1000
~2000時間程度,毎
年延べ 800
~1000人に使用されています
(図 3
)
.
またいずれの顕微鏡システムも適切に使用いた
だいており,お陰様で今日まで大きな不具合
は殆どありません.万一不具合が生じた場合
には主任のハルソノ(ha
r
s
o
no
c
@k
o
t
o
.
kpum.
a
c
.
j
p細胞分子機能病理学に在籍,内線 5322
)が
対応しています(図 4
)
.
本研究室主任のハルソノ・チャフヤディは
医学フォーラム
777
図3
図4
2007年にインドネシアのバンドン大学を卒業
後,2013年に大阪大学工学研究科を修了し,徳
島大学工学部大学院ソシオテクノサイエンス研
究部を経て,2015年 5月本学助教に就任いたし
ました.自身の研究テーマは光学をバックグラ
ウンドとした生命科学分野における新たな光学
的計測法の開発です.とくにラマン分光スペク
トル法を用いた光学顕微鏡法の開発ならびに生
命現象の解明に取り組んでいます.ラマン分光
法は,組織や細胞を構成する分子から発せられ
るラマン散乱光を捉えることにより,無染色・
低侵襲でその構成成分が推定できます.一般に
ラマン散乱光は微弱なためその検出が困難でし
た が,こ の 問 題 を 解 決 す る た め に Co
he
r
e
nt
Ra
ma
nSc
a
t
t
e
r
i
ng法(CRS法)によるラマン散
乱光の増強効果に関する研究に取り組んできま
した.CRS法は新たなバイオイメージング法と
してその応用が期待されています.さらに現
在,一画素イメージング技術の1つであるゴー
ストイメージング法を模索しています.
蛍光イメージングに関わる本学中央研究室の
一部門を担当させていただき半年余りになりま
した.本学の多くの皆様の研究のお役に立てる
ことを願っております.何卒よろしくお願い申
し上げます.
(文責 ハルソノ・チャフヤディ)