システム開発プロジェクト /エンジニアの時間投資 2007年2月15日(木) 株式会社ビープラウド 佐藤治夫 http://www.beproud.jp/ copyright 2007, Be PROUD 1 システム開発現場の現状・イメージ ¾ ¾ 長時間労働(残業、徹夜、休日出勤) きつい (トラブル、プレッシャー、きついスケジュール) ¾ ストレス copyright 2007, Be PROUD 2 健全なプロジェクト・不健全なプロジェクト 計画とおり進んで 発生するバグの いるか クリティカル度 健全な プロジェクト 紆余曲折はあるが、 ほぼ計画とおりに進む 低い →バグが出ても対応 を後に回せる 不健全な プロジェクト 計画通り進まない 再スケジュール 高い →緊急対応が必要 copyright 2007, Be PROUD 3 健全なプロジェクト Ver1.0リリース 機能を積み上げるよう に開発 ↓ 長期的視野に 立ったシステム戦略 Ver1.5 Ver2.0 Ver3.0 時間 ¾ 途中、忙しい時期がありながらもスケジュール通り 開発が進んでいく ¾ 時間と共に機能を積み上げるように開発できているので、 システムが順調に成長する ¾ メンバー間の仲も良い copyright 2007, Be PROUD 4 不健全なプロジェクト Ver1.0リリース 主にトラブル対応 先行き 不明 1.0のトラブル対応+Ver1.5 時間 ¾ 納期遅れや、再スケジュールが発生。 ¾ Ver1.0リリース後、クリティカルなバグが頻発し、しばらく は対応に追われる ¾ メンバー間の不和、病気がちになる人も・・・ copyright 2007, Be PROUD 5 不健全なプロジェクトの日常 計画 7時間分の作業成果 開発作業 3.0 4.0 実際 開発作業 2.5 2.5 調査依頼 7.0-5.0=2.0時間分の 作業遅れ →残業、休日出勤で 取り戻す 調査・対応方法検討 対応・テスト リリース・確認作業 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 copyright 2007, Be PROUD 20:00 22:00 24:00 時間 6 トラブル・問題は どこから来たのか? 過去 原因 現在 未来 トラブル・問題 今のトラブル・問題は 過去から来ている トラブル・問題 未来のトラブルは 今、原因をつくっている ・・・かもしれない copyright 2007, Be PROUD 7 トラブル・問題の特徴 ¾最高優先度で対応する必要あり ¾状況を自分でコントロールしにくい ¾解決しても利益を生むわけではない トラブルの中で、人は成長するかも知れないが・・・ トラブルは、発生しないに越したことはない copyright 2007, Be PROUD 8 プロジェクトを健全にするために トラブルや問題を減らすには? 時間の使い方に着目 copyright 2007, Be PROUD 9 時間管理における 緊急×重要のマトリックス 重要 緊急 緊急ではない 1 2 ・ トラブル対応 ・ クレーム ・ 期限が迫った仕事 重要では ない 3 copyright 2007, Be PROUD 4 10 法則1:「緊急」「重要」な仕事だけを こなしても未来の忙しさは変わらない ¾ 余裕のない状態でした仕事は品質が低い →未来のトラブルをつくり出してしまう ¾ トラブルを生み出す根源を解決している訳ではない。 根源を撲滅する 根源 問題 問題 対応 対応 対応 問題 copyright 2007, Be PROUD 問題にだけ対応しても 問題はまた発生する →忙しさは変わらない 11 法則2: 「重要」「緊急ではない」仕事に時間を投資すると 「重要」「緊急」な仕事が減る 時間を投資 緊急 緊急で はない 重要 1 2 重要で はない 3 4 緊急 緊急で はない 重要 1 2 重要で はない 3 4 「重要」 「緊急」な仕事の時間が減る 時間 copyright 2007, Be PROUD 12 トラブルの根源はなにか? トラブルそのものではなく、トラブルを生み出した ¾ 考え方 ¾ 体制 ¾ プロセス ・・・などに原因がある copyright 2007, Be PROUD 13 「重要」「緊急ではない」仕事の例 ¾個人 準備・計画、環境整備 etc… 緊急 緊急で はない 1 2 3 重要 ではな い 4 重要 ¾プロジェクト(組織) 準備・計画、情報共有、 レビュー、ワークフローの確立 プロジェクト振り返り、自動テスト開発 etc… copyright 2007, Be PROUD 14 「重要」「緊急ではない」 仕事の特徴 ¾ それにより、将来の仕事が加速する効果がある ¾ それがなくても、人力でなんとかこなせてしまうのでつい 後回しにしがち <効果> ¾ 生産性があがる ¾ 情報の伝達が速くなる ¾ 頭の回転が速くなる ¾ コミュニケーションミスが減る ¾ 他人に依存せず、並行して作業が進められる copyright 2007, Be PROUD 15 「重要」「緊急ではない」個人編 ¾開発環境・ツールの整備 ¾準備・計画 ¾PCデスクトップの整理 ¾資料の整理・机の掃除 copyright 2007, Be PROUD 16 「重要」「緊急ではない」 プロジェクト(組織)編 ¾情報共有の仕組みづくり ¾準備・計画 ¾レビュー ¾ワークフローの確立 ¾プロジェクトの振り返り ¾自動テスト開発 copyright 2007, Be PROUD 17 開発環境・ツール環境整備 ツールの新旧バージョンの処理時間 の差が及ぼす影響 頭の回転スピードに影響 少しずつストレス累積 ↓ 生産性の差が生まれる ↓ 時間に余裕がなくなる ↓ 仕事が「緊急」になる ↓ 余裕がなくなり、品質が下 がる ↓ 未来にトラブル発生 12 10 8 6 4 2 0 1 2 3 4 新バージョン 旧バージョン copyright 2007, Be PROUD 18 情報共有がまずい例 ある1人のスピードに組織のスピードが 依存してしまう 問い合わせ 作業依頼 Mr.シングルポイント 頼りにされている満足感 この人しか 知らない知識、 できない作業 copyright 2007, Be PROUD 問い合わせ 作業依頼 問い合わせ 作業依頼 19 情報共有ができている例 「マルチスレッド型」で組織が動くことができる 記録 確認する 手順 担当する この人しか 知識 知らない知識、 できない作業 →組織として無くしていく →引継ぎもスムーズ 学習する copyright 2007, Be PROUD 作業 作業 作業 20 自動テスト 機能が増えると・・・ テスト ■ 回帰テストの工数増大 手動 テスト ■ 基本機能でデグレード発生の恐れ 機能 機能 自動 テスト テスト・保守 コスト増加 自動回帰テストのパスで、 基本機能のデグレードはないと判断できる 時間 自動 テスト システムの機能という意味では 必要のないプログラム copyright 2007, Be PROUD 21 『スピードよりまず方向性』 間違った方向に ロケットスタート 方向を定めて 加速させる 現在地 目的 copyright 2007, Be PROUD 22 まとめ〜健全なサイクル・不健全なサイクル 重要・緊急な 仕事減 重要・緊急な 仕事減 重要・緊急な 仕事減 健全な サイクル 建設的・生産的 に時間を使える 不健全な サイクル トラブル対応など 非生産的な時間 が多くなる 時間 投資 忙しい 忙しい トラブルの 原因を 埋め込む 少し楽 時間 になる 投資 ↓ 楽に なる ↓ 品質 上がる 品質 上がる トラブル ↓ さらに 忙しく なる トラブルの 原因を 埋め込む トラブル ↓ さらに 忙しく なる copyright 2007, Be PROUD 時間 投資 かなり楽に なる ↓ 品質 上がる トラブルの 原因を 埋め込む トラブル ↓ さらに 忙しく なる 23 仕事を『緊急』にしない ちょっとしたコツ ¾長短のスパンでスケジュールを眺める ¾スケジュールの立て方のコツ ¾仕事の始め方・切り上げ時を知る ¾問題解決時の頭の働き方を知る copyright 2007, Be PROUD 24 長短の2つの視点から仕事を眺める (1)週単位(1週or2週)として仕事をイメージする (2)イメージした仕事を1日単位で配分し、1日のToDoを決 める (3)全力でToDoを終わらせる →全て終わったらその日の仕事は終了と決めてそれ以 上は、前倒ししない メリット ¾ 作業時の雑念が減るため、仕事に集中しやすい ¾ 仕事の分割の仕方を学べる→仕事を人に振る能力がつく ¾ 自然とPDCAサイクルを繰り返す習慣がつく copyright 2007, Be PROUD 25 スケジュールの立て方のコツ 週をタスクの区切りとしていくと、うまくいきやすい 土日 土日 祝日 土日 機能1開発 実装 テスト 機能2開発 実装 テスト copyright 2007, Be PROUD 26 1週間スケジュールの理由 ¾ スケジュールバッファが自然に設定できる ¾ バッファで、突然発生するタスクに対処し、吸収できる ¾ 1週間のライフサイクルは人それぞれで、それぞれのサイクルでタスクを吸 収してもらえる。 ¾ 1週間を単位とすることで心にゆとりができる ¾ 工数的に、週末から少し足が出る場合も、週単位に押し込めると消化できる 週初めに 最も仕事が進む 週末に 最も仕事が進む ライフサイクルは人それぞれ Aさん 月 Bさん 火 水 木 copyright 2007, Be PROUD 金 27 仕事の始め方・切り上げ時を知る ¾ レールに乗せてから仕事を終える ¾ 集中力が落ちる時間帯になって新しいことを始 めない ¾ すぐ減らせるタスクは、消化しておく タスクを減らすことで気が楽になる copyright 2007, Be PROUD 28 問題解決時の頭の働き方を 活用する 【Aさん】 問題に はまる 18:00 ・一旦、問題から離れることで客観的になる ・帰り道などで対応策が思いつく ・寝ている間に考えがまとまる あきらめて 帰る 帰宅 家到着 再開 解決 18:30 19:30 10:00 10:05 時間 【Bさん】 問題に はまる 解決 家到着 18:00 20:30 21:30 小さなミス に2時間半 費やす ■解決にかかっている時間 Aさん:35分 Bさん:2時間30分 ■帰宅時間の差 Aさんが2時間早い copyright 2007, Be PROUD 29 最後に〜時間の価値の考え方 集中力が 低下して 生産性低下 仕事に対して 発揮した価値は Aさんが上 (単位:時間) タイプ Aさん Bさん 9 5 5 仕事に対し 全体 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 て発揮した 合計 価値 5 5 5 5 5 5 3 3 5 5 5 5 5 5 5 5 3 3 2 5 1 4 1 3 2 1 50 46 52 59 全体は Bさんが上 仕事で発揮した価値 趣味・勉強や家族と過ごした時間の価値 copyright 2007, Be PROUD 30 「長時間仕事をすることで成果を出したい」 〜長い目でみると ¾ 長時間の仕事による疲労蓄積 ¾ プライベートが充実していない →精神的休息不足・不満足感 ¾ 疲れなどから来る、時間あたりの生産性低下 (モチベーション低下) →長時間働いているにも関わらず、短い時間で成果を 出している人よりも成果が低くなってしまう →「燃え尽き」→やる気のある社員が辞めてしまう →組織にとっても損失 copyright 2007, Be PROUD 31 トータルで時間の価値を考える 〜長いスパン 長い間にわたり、 安定して高い価値を発揮する (=習慣化→いつか大きな成果に) 仕事とプライベート のバランスを保つ 浮き沈みがあると 結局、トータルでマイナス 体壊す、燃え尽き 時間 copyright 2007, Be PROUD 32 トータルで時間の価値を考える 〜1日単位 1日の 時間の価値 仕事で発揮した価値 + プライベートで発揮した価値 1日の価値をより高めるために、 日々、どのような時間を使い方をしたらよいか copyright 2007, Be PROUD 33 End copyright 2007, Be PROUD 34
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