新・アジア家族法三国会議 ― 第6回会議 台湾 ― 日 時 2016 年 11 月 26 日(土) 会 場 輔仁大學 住所 電話 懇親会場 テーマ 9:30~17:00 野聲樓 1F 大会議室「谷欣廳」 台湾 新北市新莊區中正路 510 號 02-29052000(代表) (詳細後日決定)********** *階「*********」 「親子関係の決定――血縁と意思」 ≪ プログラム ≫ 2016 年 6 月 20 日内容現在。 予告なく変更される場合がございますこと予めご了承ください。 9:00 受付開始 9:20 開会の辞 9:30 シンポジウム-企画の趣旨説明・問題提起 9:40 親子関係の決定は血縁か、意思か─日本法の現状と特色 野沢紀雅(日本・中央大学法務研究科教授) 10:00 親子関係の決定は血縁か、意思か─実務上の動向 今村和彦(日本・弁護士、元高松家庭裁判所判事) 10:20 親子関係の決定は血縁か、意思か─立法の提案と課題 二宮周平(日本・立命館大学法学部法学科教授) 10:40~10:55 《休 憩》 10:55 親子関係の決定は血縁か、意思か─現行法の特色、規定 禹 柄 彰(韓国・淑明女子大學校法科大學敎授) 11:15 親子関係の決定は血縁か、意思か─実務上の問題点・対応策 裵 寅 九(韓国・ソウル中央地方法院部長判事) 11:35 親子関係の決定は血縁か、意思か─立法の課題と展望 玄 昭 惠(韓国・成均館大學校法學專門大學院敎授) 11:55~13:10 《休 憩》 13:10 親子関係の決定は血縁か、意思か─現行法の特色、規定 林 玠 鋒(台湾・輔仁大學法律學院助理教授) 13:30 親子関係の決定は血縁か、意思か─実務上の問題点・対応策 李 莉 苓(台湾・台北地方法院家事庭法官) 13:50 親子関係の決定は血縁か、意思か─立法の課題と展望 鄧 學 仁(台湾・中央警察大學法律系教授) 14:10~14:25 《休 憩》 14:25 全体シンポジウム「親子関係の決定――血縁と意思」 16:50 総 括(まとめ) (17:00 終了予定) 18:00 懇親会(詳細は後日お知らせいたします。) お問い合わせ先 新・アジア家族法三国会議事務局 〒171-8516 東京都豊島区南長崎 3-16-6(日本加除出版株式会社内) TEL 03-3953-5757 / FAX 03-3953-5772 / E-Mail [email protected] ■ テーマ「親子関係の決定――血縁と意思」―企画の趣旨 親子関係は、一般の財産法律関係と異なり、「愛」と「血縁」を基礎とする生活関係である。3 国(日本・韓国・台湾) においては、現行の法制により、養子縁組関係のほかに、一般に親子関係が成立するためには、嫡出の推定・非嫡出子の 認知・準正・配偶者間の合法的人工生殖による出生などがその主要な方法であると定めている。そして、親子関係の存否 は、親子間の扶養・相続などの権利義務に関わり、「児童の権利に関する条約」に基づき、親子間の生活関係が、子の利 益のためにあるべきであるという理念を原則としなければならない。そこで、いかに親子関係に関わる規定を強化すべき かは、現在もっとも重要な課題である。 まず、嫡出の推定の部分について、日本の民法によると、夫だけが、子が嫡出であることを否認することができ、子と その母は、嫡出否認の訴えを提起することができないとしている(同法 774 条)。そして、日本の最高裁大法廷において 2015 年 12 月 16 日、民法に定めた再婚禁止期間について離婚から 100 日を超えた部分が憲法違反であるとの判決が出た。 これによって女性の再婚禁止期間が緩和されるといえども、先進国では唯一日本のみにある、女性だけに設けられた制限 であるから、性差別の問題やDNA鑑定等の医科学進歩を遂げた現代には時代遅れの足枷であるという世論も喚起されて いる。 これに対して、韓国では 2005 年、女性の再婚禁止期間を撤廃した。そして、夫のみならず、子の母にも嫡出否認権を認 めた。しかし、子はやはり嫡出否認の訴えを提起することができないから、子に出自を知る権利は認められないとしてい る(韓国民法 846 条)。そして、韓国の憲法裁判所は、2015 年 4 月 30 日、「婚姻成立の日から 200 日後又は婚姻関係終 了の日から 300 日以内に出生した子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」と定めている韓国民法 844 条 2 項のうち、「婚 姻関係終了の日から 300 日以内に出生した子」の部分について憲法不合致決定をした。このように、日本と韓国では、現 行法の下で、嫡出推定の問題がおおいに注目されつつある。 上述した日本と韓国の状況に対して、台湾では 1985 年にすでに子の母に嫡出否認権を認めており、1998 年に女性の再 婚禁止期間を撤廃した。さらに 2007 年に嫡出否認の訴えに関する提訴期間と提訴要件を緩和して、夫と子の母のみなら ず、子にも嫡出否認権を認めるようになり、これによって、親子関係を真実の血縁に一致させている。しかし、日本・韓 国と異なり、台湾の現行法では、死亡した子が直系卑属を有する場合であっても、死亡した子を認知することができない ので、その直系卑属の扶養権益を確保していないという問題が残っているのである。 ところで、人工生殖の部分について、台湾では 2007 年にすでに人工生殖法を新設し、妻の子宮による妊娠を前提としつ つ、配偶者間の合法的な人工生殖を認め、これによって出生した子を嫡出子とみなすとしている(同法 23 条ないし 25 条)。 さらに、卵子・精子の提供という配偶者間の同意が詐欺・脅迫による場合を除いて、原則としてその子を否認することが できないとし、その子が卵子・精子の提供者に強制認知を請求することもできないとする規定を定めて、人工生殖による 親子関係の紛争を解決するのである。社会の急速な変化と複雑化および医学技術の高度発展に伴って、人工生殖または代 理出産という方法により成立した親子関係に関する問題について、いかに子の利益・父母の利益・提供者の利益および子 の出自を知る権利を守るべきかは、日本・韓国・台湾 3 国にとって避けてはならない課題である。 以上のように血縁を重視する場合に対して、日本の裁判所では、戸籍上の父母とその嫡出子として記載されている者と の間の実親子関係について父母の子が親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に 違法があるとされた判例(最高裁平成 18 年 7 月 7 日第二小法廷判決)が出された。台湾でも最近、血縁の真実に反した無 効な認知について、1985 年民法改正前の養子縁組をするためには、裁判所の許可を必要としないと定められたので、他人 の子を幼い時から育て、かつ自分の子として身分登記をしたような場合には、これを有効な養子縁組関係に転換すること ができるとする判決(最高裁 102 年度台上字第 2301 号民事裁判)が出された。これらの裁判の実務においては、身分関係 の安定性を重視する傾向が見られるのである。 これについて、ドイツ民法によると、身分登記の日から 5 年を経過した無効な認知は、これを有効とする(同法 1598 条) 。 また、フランス民法によると、親子関係の提訴期間は、当事者が請求する身分を奪われた日から 10 年、または争われてい る身分を享有し始めた日から 10 年を経過した後は、原則これを提訴することができないとする(同法 321 条)。以上の考 察によって、親子関係の問題を扱うには、いったい当事者間の血縁を重視すべきなのか、または当事者間の意思を重視す べきなのか、換言すると、身分関係の真実性と安定性をいかに調和すべきか、ドイツとフランスのような身分占有制度を 導入すべきかについて、日本・韓国・台湾 3 国ともに解決策を考える。 ■ 参加申込書 ※表面「お問い合わせ先」あてまで FAX あるいは E-Mail にてお申し込み願います。 *1)会議への参加費、懇親会費は不要です。下記の申込書にて事前にお申し込みください。 *2)会議参加にかかる交通や宿泊の予約および費用については各自でお手配、ご負担願います。 *3)本参加申込書は、2016 年 11 月 11 日(金)までにお申し込みいただきますようお願い申し上げます。 (1) 第 6 回新・アジア家族法三国会議に参加します。 (2) 懇親会に(出席・欠席)します。 お名前: ご所属: ご住所: 〒 E-Mail: ―
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