成長戦略と注目テーマ・企業~三本目の矢は的外れか? 2013年6月 投資戦略部 高橋 卓也 [email protected] この資料は、ミーティング等における投資情報の提供活動に際し補助的資料として作成したもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。 事前の了承なく複製または転送等を行わないようお願いします。ご利用に際しては、末尾の開示事項の記載もご覧ください。 大和証券株式会社 〒100-6752 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号 グラントウキョウ ノースタワー ■ 日経平均株価を大きくアウトパフォームしたアベノミクス特選銘柄 ・ 大和証券ではアベノミクスに関連する20企業を「アベノミクス特選銘柄」に選定。特選銘柄は「第三の 矢」関連を中心に昨年11/4以降、日経平均を大きくアウトフォームした。反面、足元の反動も大きい。 日経平均株価とアベノミクス特選銘柄の推移 300 アベノミクス特選銘柄のパフォーマンス(対日経平均超過) 170 日経平均 160 アベノミクス特選銘柄:全体 ➳第一の矢 150 ➳第一の矢 ➳第二の矢 140 ➳第二の矢 アベノミクス特選銘柄:全体 250 ➳第三の矢 200 ➳第三の矢 130 120 110 150 100 90 100 80 50 12/11/14 13/01/18 13/03/18 (注)12/11/14=100として指数化 13/05/17 70 12/11/14 13/01/18 13/03/18 13/05/17 (注)12/11/14=100として指数化 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 1 ■ 高い成長率を目指すアベノミクス ・ 成長戦略では今後10年間の達成すべき指標(KPI)としてGDP成長率を年平均名目3%、実質2%と掲げ た。これは大和総研の長期予想をやや上回る水準となっている。 日本経済の長期成長率と成長戦略の目標 7 (%) 【予想】 6 5 名目GDP(国内総生産) 4 実質GDP(国内総生産) 3 2 1 0 実線は大和総研予想 破線が政府目標 -1 -2 81-85 86-90 91-95 (出所)大和総研、政府発表より 96-00 01-05 06-10 11-15 16-20 (年) ※巻末の注意事項を必ずお読みください 2 ■ アベノミクスに対する期待は剥落? ・成長戦略は5月半ばまで大胆な金融緩和と共に日本株上昇を支える主軸であった。しかし6/5発表の同 戦略第3弾は「規制緩和に踏み込み不足」と評され、5/23以降の株価急落基調を変えるに至っていない。 TOPIXと期待インフレ率 ①成熟した先進国日本の経済成長 1300 11/14 衆議院 解散宣言 1200 2 4/4 日銀 量的質的 緩和 決定 1/22 日銀 物価目標 2%導入 (%) ⇒「生産性」が左右 1.9 1.8 1.7 1.6 1100 1.5 ②「生産性」向上には「技術進歩」と「効 率性」の改善が必要 1.4 TOPIX(左軸) 1.3 期待インフレ率(右軸) 1.2 1000 4/19 成長 戦略 第1弾 900 5/17 6/5 成長 成長 戦略 戦略 第2弾 第3弾 1.1 ③技術進歩=イノベーションは「成長戦 略」が好むテーマ 1 0.9 0.8 800 0.7 ④一方、市場を効率化する制度改革、 規制緩和は既得権益に阻まれがち。 0.6 700 2012/9/3 2012/11/2 2013/1/1 2013/3/2 2013/5/1 0.5 2013/6/30 ⑤アベノミクスの成長戦略は?? (注)期待インフレ率=5年物物価連動債のブレークイーブン指数とした。(出所)各種資料 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 3 ■ 成長戦略一覧 ・ 全体としては辛口な評価を受けている成長戦略であるが、個々の投資テーマとしては引き続き注目出 来るものが多い。以下では同戦略第3弾で取り上げられた主なテーマと関連銘柄にフォーカスする。 第 一弾 (4/19発表 ) ②雇用制度改革・人材力強化 【若者・女性等活躍促進】【待機児童解消加速化プラン (20万人分の受け皿確保)】【グローバル人材力強化】 日 本 産 業 再 興 プ ラ ン 戦 略 市 場 創 造 プ ラ ン 第二 弾 (5/17発 表 ) ①緊急構造改革プログラム 【民間設備投資を年間70兆円規模に回復。リースを活 用した新しい投資促進制度(産業競争力強化法)】【企 業実証特例制度(燃料電池自動車の規制見直しや自 動車自動走行の公道での実証実験)】 ②雇用制度改革・人材力強化 【大学改革(国立8大学の外国人教員を3年で倍増)】 ④世界最高水準のIT社会実現 【ビッグ・データ活用のためのガイドライン作成】 ⑥中小企業の革新 【個人保証がなくても融資が受けられる中小事業者向 けベンチャー支援制度】 ①国民の健康寿命の延伸 【日本版NIH】【医薬品・医療機器・再生医療関連規制・ 制度改革】【医療の国際展開】等 ④世界を惹きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現 【農地集約バンク】【6次産業化】【農林水産品輸出を20 年までに倍増の1兆円に】【訪日観光客を年800→2000 万人】【ビザ発給要件緩和】【長期滞在制度導入】 第 三 弾(6/5発 表 ) ①緊急構造改革プログラム 【新事業投資促進】【事業再編促進】【「産業競争力強化法」】【公的支援ルール】 ②雇用制度改革・人材力強化 【雇用維持から労働移動支援型への転換(労働移動支援助成金の抜本拡充等)】【民間人材ビ ジネス活用】【高度外国人材活用(永住条件を居住5年→3年に)】 ③科学技術イノベーション 【総合科学技術会議の司令塔機能(予算配分等)強化】【研究支援体制充実】【知的財産戦略】 ④世界最高水準のIT社会実現 【IT利活用の裾野拡大に向けた規制・制度改革、公共データの民間開放促進等】 ⑤立地競争力強化 【国家戦略特区】【電力システム改革】 ①国民の健康寿命の延伸 【健康寿命延伸産業育成】【医療・介護の電子化】【医薬品のインターネット販売】【保健外併用療 養制度の推進】等 ②クリーン・経済的なエネルギー需給の確立 【石炭火力、浮体式洋上風力発電など再生可能エネルギー推進】【電力システム改革(新規参入 の促進)】【蓄電池開発普及】等 ③安全・便利で経済的な次世代インフラの構築 【インフラ長寿化基本計画の策定、PPP/PFI】等 ④農業分野の改革 【農地利用電子マップの整備】 国 際 展 開 戦 略 ②海外市場獲得のための戦略的取り組み 【放送コンテンツ輸出額を現在の3倍へ】 ①海外市場獲得のための戦略的取り組み 【トップセールスや金融支援の援護を受け、インフラ輸出や資源確保を進める。インフラ輸出は 20年までに現在の3倍の30兆円に】【中小企業進出のためのワンストップ支援機関】 ②内なるグローバル化 【特区制度の改革】【政府による外国企業支援体制の強化】 (出所)首相官邸HP資料等より作成 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 4 ■ 注目テーマ①~「国家戦略特区」 ・ 規制緩和への取り組みが弱いと評される成長戦略だが、国際的なビジネス環境の改善をうたった 国家戦略特区に関しては、規制緩和の橋頭堡としての期待が集まる。 世界のビジネスのしやすさランキング(OECD34ヵ国) 総合 開業 建設許可 所有権 の 登記 電気 投資家 保護 借入 税の 支払い 国 境を 越えた 取引 契約の 履行 債務 不履行の 解決 ニュージーランド 1 1 1 13 1 2 1 8 14 12 12 米国 2 5 5 8 9 2 3 21 13 6 14 デンマーク 3 12 2 6 2 9 11 3 2 20 9 ノルウェー 4 15 7 6 3 27 10 7 12 4 2 英国 5 6 6 20 25 1 6 5 9 15 7 韓国 6 7 9 3 26 6 14 11 1 2 13 オーストラリア 7 2 3 15 14 2 20 16 22 10 15 フィンランド 8 19 12 9 8 16 20 9 3 9 4 スウェーデン 9 21 8 5 13 16 11 14 5 17 18 アイスランド 10 17 16 1 5 16 14 15 23 3 10 アイルランド 11 4 31 27 19 6 3 1 17 26 8 カナダ 12 3 23 34 20 9 2 2 22 25 3 ドイツ 13 28 4 2 27 9 25 22 8 5 16 エストニア 14 18 13 18 6 16 20 17 4 18 32 日本 ・・・・・・・ ギリシャ 15 29 24 11 24 9 8 33 11 21 1 ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ 34 34 10 19 33 29 29 19 29 32 29 (出所)世界銀行、大和総研 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 5 ■ 「国家戦略特区」の関連銘柄 銘柄 コ ード 三井不動産 8801 三菱地所 8802 住友不動産 8830 大成建設 1801 大林組 1802 清水建設 1803 鹿島 1812 J フロントリテイリング 3086 三越伊勢丹HD 3099 高島屋 8233 セントラルスポーツ 4801 コナミ 9766 ひらまつ 2764 成長戦略との関連 容積率緩和を受けて、都心再開発案件などの高層化を期待。三菱地所は「国家戦略特区」を 見据え、東京・丸の内の新たな顧客の創出、価値創造を目的とした「成長戦略センタープロ ジェクト」を始動。英語対応可能な病院を保有ビルに誘致 外国人ビジネス客の増加を期待。外国語対応も着々と進める 居住者増が見込まれる外国人の健康志向を取り込む 外国人が評価するミシュランの星を獲得しており、客数増を期待 (出所)首相官邸HP及び新聞報道、各種資料より作成 (注)上場市場 東証1部 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 6 ■ 注目テーマ②~ 「国民の健康寿命の延伸」 ・ 医薬品のインターネット販売は成長戦略第の中で規制緩和の数少ない成果と見なされている。一 方、先進医療ハイウェー構想や予防医療の推進等、今後の市場拡大を予感させるテーマもある。 健康増進関連の市場・雇用規模 450 400 現在 2020年 2030年 350 300 250 200 150 100 50 0 国内 海外 市場規模 (兆円) 国内 雇用規模 (万人) (出所)産業競争力会議 成長戦略(素案) ※巻末の注意事項を必ずお読みください 7 ■ 「国民の健康寿命の延伸」の関連銘柄 (1)医薬品のインターネット販売 銘柄 ケンコーコム ヤフー 楽天 コ ード 成長戦略との関連 3325 TM 4689 4755 JQS ケンコーコムは市販薬のネット販売を禁止したのは違憲だとして国を提訴し、最高裁で勝訴。 成長戦略で第1類の一部を除く薬(市販用医薬品、約1万1400品目の99%超)のネット販売を 解禁。左記企業に追い風 (2)保険外併用療養制度の推進 銘柄 テラ メディネット 新日本科学 シップヘルスケアHD コ ード 成長戦略との関連 2191 JQS 2370 TM 2395 3360 両社はガンの樹状細胞ワクチン療法を展開。保険外併用療養制度の推進は業績拡大の追い 風となろう がんの放射線治療。保険外併用療養制度の推進は業績拡大の追い風 保険外併用療養制度の推進で高額診療や差額ベッドの需要が高まろう (3)予防医療の推進/健康食品の機能性表示を解禁 銘柄 コ ード 成長戦略との関連 みらかHD 4544 健康産業と医療行為との線引きを明確にしてビジネスがしやすい環境を整える。左記の企業 BML 4694 は予防医学に関連するビジネスを展開しており、政策の後押しが業績拡大につながろう シスメックス 6869 日本水産 1332 健康食品の機能性表示を解禁する。健康食品を手掛ける企業が自社で効能を確認し、機能 アサヒGHD 2502 性表示を行うことが可能になるため、様々な健康食品を開発するきっかけとなろう。健康食品 ファンケル 4921 市場の拡大が期待され、業績にポジティブ 小林製薬 4967 (出所)首相官邸HP及び新聞報道、各種資料より作成 (注)上場市場 JQS=大証ジャスダックスタンダード、TM=東証マザーズ、左記以外は東証1部 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 8 ■ 注目テーマ③~ 「クリーン・経済的なエネルギー需給の確立」 ・ 電力小売の全面自由化と発送電分離は規定路線であるが、工程表の発表はプラス材料。石炭火 力や地熱、洋上風力発電の推進は、日本のエネルギー供給に関する潜在力を引き出す政策と評価。 電力関係投資、10年累積で30兆円規模へ 4 石炭・LNG発電の熱効率ロードマップ 60 (%) (兆円) 13-22年度 10年累積 30兆円規模 石炭:臨界圧発電 石炭:ガス化複合発電(IGCC) 55 3 石炭:ガス化燃料電池複合発電(IGFC) LNG:コンバインドサイクル発電 03-12年度 10年累積 18.7兆円 50 熱 効 率 2 45 1 40 (注)12年度までの実績は、10電力単独電力事業の 設備投資額 0 03 年度 05 07 09 11 13 15 17 19 21 (出所)電気事業連合会、各社資料。 13年度以降は成長戦略(素案)より大和証券 35 1960年 70 80 90 00 10 20 30 (出所)資源エネルギー庁 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 9 ■ 「クリーン・経済的なエネルギー需給の確立」の関連銘柄 (1)電力システムの改革、小売自由化 銘柄 東京ガス 昭和シェル石油 丸紅 住友商事 ミツウロコGHD 東芝 NEC コ ード 成長戦略との関連 9531 5002 8002 8053 8131 6502 6701 電力卸事業(IPP)の強化へ。東京ガス、昭和シェル合弁の発電事業者である扇島パワー(神 奈川県横浜市)で発電機増設(増設規模40.7万KW)を決定 電力小売事業者(PPS)。電力小売事業の拡大に スマートグリッドの拡大により、従来の大規模集中供給モデルから小規模分散供給モデルへ 転換。両社はスマートメーター導入に向けてのシステムを東電から受注 (2)発電能力の拡大(石炭火力と洋上風力、地熱などの再生可能エネルギー関連) 銘柄 コ ード 成長戦略との関連 東芝 6502 石炭・ガス火力の増設、海外輸出が寄与。特に環境アセスメントの短縮により、石炭火力の増 強が従来よりも容易に。先端技術であるIGCC(石炭ガス化複合発電)を軸に拡大を期待。東 三菱重工業 7011 芝は石炭火力向け蒸気タービン、三菱重工業はIGCCプラント、IHIはボイラーに強み IHI 7013 新日鉄住金 5401 石炭火力発電所の増設に意欲的 神戸製鋼所 5406 Jパワー 9513 日立製作所 6501 東芝 6502 浮体式洋上風力発電の実証や、洋上風力発電所への参入などを表明 日立造船 7004 三菱重工業 7011 国際石油開発帝石 1605 潜在力の大きい地熱発電の開発進展。出光、国際石油開発帝石は、地熱発電所の開発を計 出光興産 5019 画、富士電機は東芝、三菱重工業と並ぶ地熱発電機の世界大手。 富士電機 6504 (出所)首相官邸HP及び新聞報道、各種資料より作成 (注)上場市場 東証1部 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 10 ■ 注目テーマ④~「安全・便利で経済的な次世代インフラの構築」 ・ PPP/PFIの導入はインフラ整備と財政再建を両立させる妙手。しかし民間資金にとって魅力的な投 資案件が出てきるのか?事業運営の期間が長い社会インフラに民間資金が融資出来るのか?課題。 主な社会インフラの老朽化の状況 PFI事業の実施状況 14 (兆円) 内円=2009年現在の状況 外円=20年後の状況 12 建設後50年以上経過した割合 10 トンネル (延長2,926km) 5% 8% 18% 46% 橋梁 (延長11,137km) 53% 防波堤 (延長583km) 42% 空港や高速道路などのPFI(民間資金 を活用した社会資本整備)について「今 後10年間で過去10年間の実績の3倍に あたる12兆円規模の事業を推進してい く」と表明 8 6 4 (出所)国土交通省。注:内円はトンネルと橋梁が2009年4月現在、防波堤は2009年度現在の状況 2 0 01 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 20年度 (出所)内閣府。(注)12年度は7月末までの累計の事業費 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 11 ■ 「安全・便利で経済的な次世代インフラの構築」の関連銘柄 銘柄 コード 成 長 戦 略 との 関 連 ショーボンドHD 1414 橋梁・トンネル・道路などのコンクリート構造物補修工事最大手 東鉄工業 1835 JR東日本向け建設関連工事に強み。線路の維持補修工事資格者を擁する ピーエス三菱 1871 橋梁工事で業界トップクラス。橋梁の維持補修工事を得意とする ライト工業 1926 高速道路の補強工事のほか、薬液注入や地盤工事を得意とする 横河ブリッジHD 5911 橋梁業界首位。制震ストッパーなど橋梁用耐震関連製品を展開 ニチゾウテック 4654 大2 センサーやロボット、非破壊検査で点検したインフラ損傷度をデータベース化。コストを抑えな がら安全性の向上を測るインフラ長寿の恩恵が期待される キーエンス 6861 大林組 1802 清水建設 1803 過去に大型のPFIを運営した実績を有する オリックス 8591 セコム 9735 丸善CHIHD 3159 子会社で公立図書館の運営受託を手掛ける 三菱商事 8058 海外インフラ運営ファンドに出資。インフラ運営ノウハウを有する 三菱UFJFG 8306 3大メガバンクはPFI向けの有しを本格化させる。欧米やアジア各国で大型のPFI案件を手掛け 三井住友FG 8316 た豊富な経験を生かし、国内で進む交響インフラ整備でのPFI活用を金融面から後押しする みずほFG 8411 (出所)首相官邸HP及び新聞報道、各種資料より作成 (注)上場市場 大2=大証2部、左記以外は東証1部 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 12 ■成長戦略の第二幕はあるのか? ・ 今後の注目点は、7月の参議院選に自民党が勝利することで、安倍政権の基盤がより安定化した 場合、成長戦略に一層の踏み込みがあるか否かである。既にその兆しは現れている。 参議院の党派別議席数 衆議院の党派別議席数 1 / 2 自民党, 50 公 明 党 9 1 / 2 共産, 3 過半数+63 み ん な 10 改選, 122 安定多数+70 その他野党, 7 民主党, 42 自民党, 294 2 / 3 公 明 党 31 生活, 7 み ん 維新, 53 民主党, 56 な 18 共産, 8 その他, 12 (出所)衆議院、参議院HP、新聞報道より作成 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 13 ■成長戦略第二幕に期待? 「民間設備投資」 ・ 6/7、安倍首相は成長戦略の追加策として、設備の更新や事業再編を促す設備投資減税を実施す る方針を表明。法案を今秋に提出する。民間設備投資が成長戦略の要になる可能性が出てきた。 民間設備投資額関連銘柄 民間設備投資額(名目ベース) 80 75 分野 (兆円) リーマン・ショック前に 匹敵する70兆円水準 への設備投資回復へ リース 70 65 60 機械 55 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 (出所)内閣府。15年度予想は成長戦略第二弾より 15 年度 予 銘 柄 (コ ー ド) 影響 芙蓉総合リース(8424) 興銀リース(8425) 東京センチュリーリース (8439) 日立キャピタル(8586) オリックス(8591) 三菱UFJリース(8593) リーマン・ショック前の設備投資 70兆円(12年度は63兆円)の回 復を目指す。 これに対応し、リース手法を活用 した新しい仕組みを導入する。 総合リース各社にはビジネスチャ ンスに 安川電機(6506) ファナック(6954) 産業用ロボット 三菱電機(6503) オムロン(6645) 横河電機(6841) キーエンス(6861) 制御機器 FA機器 オークマ(6103) 牧野フライス(6135) 森精機(6141) 工作機械 (注)東2=東証2部、JQS=大証ジャスダックスタンダード。 (出所)各種資料より大和証券作成 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 14 ■成長戦略第二幕に期待? 「農業関連」 ・ 参議院選終了後、農業生産法人への出資制限や企業の農地所有禁止等の、農地規制に対して真 剣に取り組むか否か。それが安倍政権の改革への本気度を試すリトマス試験紙となろう。 農業関連銘柄 農産業市場の規模 800 分野 (兆円) 680 日本 井関農機(6310)、クボタ(6326) 農業の大規模化・集約化に伴う 機械化需要 種子・種苗 カネコ種苗(1376 JQS)、サカタのタネ (1377)、ベルグアース(1383 JQS) 生産性向上や、付加価値向上を 目的とする種子や種苗の開発 +6.5% 農薬 住友化学(4005)、クミアイ化学(4996) 日本農薬(4997)、イハラケミカル(4989) アグロカネショウ(4955 東2) 肥料 コープケミカル(4003)、日産化学(4021) 宇部興産(4208)、片倉チッカリン(4031) 日東エフシー(4033 東2) 400 340 年平均成長率 200 58 +1.3% 伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002) 三井物産(8031) 輸出ブランド展開など 農業 植物工場 経営 セブン&アイHD(3382)、ワタミ(7522) サイゼリヤ(7581)、コロワイド(7616) カゴメ(2811)、JFEHD(5411) キユーピー(2809)、エア・ウォーター(4088) 自家消費だけでなく、安全作物 の地産地消の推進 宅配・通販 クックパッド(2193)、NTTドコモ(9437) 楽天(4755 JQS)、ヤフー(4689) 無農薬や有機など、付加価値の 高い野菜や、加工品の販売を強 化 農家 向け 貸出 鹿児島銀行(8390)、広島銀行(8379) 農家向けの貸出強化 雇用 パソナ(2168) 農業へ意欲のある人材の育成 他 09年 20年 生産性向上への寄与 権益 海外流通 67 0 影響 農業機械 世界(除く日本) 600 銘柄(コード) (出所)農林水産省 (注)東2=東証2部、JQS=大証ジャスダックスタンダード。(出所)各種資料より大和証券作成 ※巻末の注意事項を必ずお読みください 15 ■成長戦略第二幕に期待? 「インフラ輸出と原発再稼動」 ・ 一連の成長戦略の中で、安倍政権が最も華々しく打ち出しているのがインフラ輸出。国内では原発 再稼動問題への取り組みが注目されよう。 日韓中海外インフラ受注地域別内訳(07~10年累計) 5000 インフラ輸出・原発関連銘柄 分野 (億ドル) 銘柄 ( コ ー ド) 分野 大成建設 (1801) 4000 建設 南米・北米 アジア・大洋州・中東 新日鉄住金 (5401) アフリカ 分野 東芝 (6502) 電力 五洋建設 (1893) 欧州 3000 鹿島 (1812) 銘柄 ( コ ー ド) 三菱重工業 (7011) 日本海洋掘削 (1606) 海底油田関連 日立製作所 (6501) 鉄道 川崎重工業 (7012) 銘柄 ( コ ー ド) 三井海洋開発 (6269) 鉱研工業 (6297 JQS) 通信 NEC (6701) 鉄鋼 神戸製鋼所 (5406) 三井造船 (7003) 圧力容器 日本製鋼所 (5631) 伊藤忠商事 (8001) IHI (7013) プラント 設計 工事 東芝 プラントシステム (1983) 丸紅 (8002) コマツ (6301) 橋梁 2000 建設機械 1000 商社 三井物産 (8031) 日立建機 (6305) 住友商事 (8053) 日揮 (1963) 原 核燃料 発 貯蔵容器 関 連 バルブ 関連 木村化工機 (6378) クボタ (6326) 岡野バルブ (6492 東2) プラント 0 日本 (出所)経済産業省 韓国 中国 東洋 炉心材 東洋炭素 エンジニアリング 向け (5310) (6330) 黒鉛 (注)東2:東証2部、JQS:大証ジャスダックスタンダード。(出所)各社資料より大和証券作成 三菱商事 (8058) ※巻末の注意事項を必ずお読みください 16 ■ ご参考:アベノミクス特選銘柄(6/7現在) ➳第一の矢~金融緩和、円安期待~ (3099) 三越伊勢丹ホ ールディングス アベノミクスによ る資産効 果で高額消費が伸長 (6481) THK 半 導体製造装置向けなど受注環境に改善の兆し。円安効果も追い風へ (6981) 村田製作所 スマホ 、タ ブレット部品の受注拡大。円安によ る 増益効果が大きい (7203) トヨタ自動車 米 国や中近東等で好調な販売を期待。今期予想営 業利益は過去最高に迫る ➳第二の矢~財政出動~ (1801) 大成建設 アベノミクスの恩恵を受けて14/3期の事業環 境は好転へ (1881) NIPPO 道 路舗装の最大手。国 土強靭化の恩恵は大きい (5233) 太平洋セメン ト 公 共投資拡大の恩恵を享受し易いセメン トメー カー 国内NO.1 (6301) コマツ 会 社側は14/3期につ いて市場予想を上回る好決算 見通しを発表 (出所)ダイワ投資情報Weeklyより ※巻末の注意事項を必ずお読みください 17 ■ ご参考:アベノミクス特選銘柄(6/7現在) ➳第三の矢~成長戦略~ (1606) 日本海洋掘削 日本唯一の海底資源掘削業者。日本近海の資源開発に注目 (2181) テン プホ ー ル デ ィン グス 女性活用、再就職支援に関連す る人材派遣大手企業 (2191 JQS) テラ ガ ン の樹状細胞ワクチン 療法を展開。iPS関連ベン チャー に出資 (4755 JQS) 楽天 一般用医薬品のイン ターネット販売全面解禁はポ ジティブ (4996) クミアイ化学工業 農薬の海外拡販や農業の成長戦略化に期待 (6310) 井関農機 農機需要は国内向け堅調に推移。海外需要拡大にも期待 (6702) 富士通 ビ ッグ・デ ー タ関連。マイナンバー は15/3期以降に業績寄与へ (6869) シスメックス 検体検査用機器輸出を牽引役に14/3期は業績拡大へ (7011) 三菱重工業 インフラ輸出の雄。日立製作所と火力事業統合へ (7012) 川崎重工業 総合重機大手。高速鉄道など官民一体のインフラ輸出で期待 (8136) サンリオ ロ イヤリティ収入で 海外事業は順調に拡大。クー ルジ ャパン の筆頭格 (8802) 三菱地所 国家戦略特区の創設に関連。丸の内で国際的なま ちづ くりを推進 (出所)ダイワ投資情報Weeklyより ※巻末の注意事項を必ずお読みください 18 開示事項 【株式レーティング記号について】 株式レーティング記号は、今後6ヶ月程度のパフォーマンスがベンチマークとする株価指数の騰落率と比べ、以下の通り判断した事を示します。 1(買い)=15%以上上回る 2(アウトパフォーム)=5%~15%上回る 3(中立)=±5%未満 4(アンダーパフォーム)=5%~15%下回る 5(売り)=15%以上下回る 各国におけるベンチマークは以下の通りです。 日本:TOPIX、米国:S&P 500、欧州:DJ STOXX 600、香港:ハンセン指数、シンガポール:ストレイト・タイムズ指数、韓国:韓国総合指数、台湾:加権指数、オーストラリア:S&P ASX200指数 【利益相反関係の可能性について】 大和証券は、このレポートに記載された会社に対し、投資銀行業務に係るサービスの提供、その他の取引等を行っている、または行う場合があります。そのような場合には、大和証券に利益相反が生じる可能 性があります。 【当社及び大和証券グループについて】 大和証券は、㈱大和証券グループ本社の子会社です。 【保有株式等について】 大和証券は、このレポートに記載された会社が発行する株券等を保有し、売買し、または今後売買することがあります。大和証券グループが、株式等を合計5%超保有しているとして大量保有報告を行っている 会社は以下の通りです。(平成25年5月31日現在) コメ兵(2780) セプテーニ・ホールディングス(4293) 西菱電機(4341) ラクオリア創薬(4579) メビオファーム(4580) 日精エー・エス・ビー機械(6284) オカダアイヨン(6294) 三社電機製作所(6882) ア ストマックス(7162) ニホンフラッシュ(7820) カーディナル(7855) きもと(7908) 大興電子通信(8023) マネースクウェア・ジャパン(8728) マネーパートナーズ(8732) 大和証券オフィス投資法人 (8976) 角川グループホールディングス(9477) セレスポ(9625) 帝国ホテル(9708)(銘柄コード順) 【主幹事を担当した会社について】 大和証券は、平成24年6月以降下記の銘柄に関する募集・売出し(普通社債を除く)にあたり主幹事会社を担当しています。 タマホーム(1419) 日本たばこ産業(2914) サムティ(3244) ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス(3657) エイチーム(3662) エニグモ(3665) テクノスジャパン(3666) enish(3667) コロプ ラ(3668) 阿波製紙(3896) プレステージ・インターナショナル(4290) ダイト(4577) 早稲田アカデミー(4718) コロナ(5909) リブセンス(6054) トレンダーズ(6069) パンチ工業(6165) ナブテスコ (6268) 荏原製作所(6361) エレコム(6750) イマジカ・ロボット ホールディングス(6879) 三社電機製作所(6882) FPG(7148) 全国保証(7164) ファルテック(7215) タカショー(7590) 藤森工業 (7917) ワキタ(8125) あおぞら銀行(8304) イー・ギャランティ(8771) 東祥(8920) サンフロンティア不動産(8934) オリックス不動産投資法人(8954) フロンティア不動産投資法人(8964) 平和不動産 リート投資法人(8966) 大和ハウス・レジデンシャル投資法人(8984) ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985) 鴻池運輸(9025) 日本航空(9201) ステップ(9795)(銘柄コード順) 【その他の留意事項】 このレポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図するものではありません。投資の決定はご自身の判断と責任でなされますようお願い申し上げます。レポートに記載された内 容等は作成時点のものであり、正確性、完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正、変更されることがあります。内容に関する一切の権利は大和証券にあります。事前の了承なく複製または転送等を 行わないようお願いします。 NOTICE TO PERSONS IN THE UNITED STATES: Securities issued by NEC Corporation have been suspended from registration in the U.S. and are subject to an order of the U.S. Securities and Exchange Commission dated June 17, 2008, pursuant to Section 12(j) of the Securities Exchange Act of 1934. This document is not a recommendation or inducement of any purchase or sale of such securities by any person or entity located in the U.S. Any reference to NEC Corporation in this document is solely for purposes of information and context. 米国のお客様への告知事項:日本電気株式会社が発行する証券は、米国証券取引委員会(SEC)の2008年6月17日付命令により、米国1934年証券取引所法第12(j)条に基づき、米国内での登録が停止されております。 米国内のいかなる個人又は法人が利用した場合でも、本レポートは、米国のお客様に対して日本電気株式会社が発行する証券の買付又は売却を推奨、勧誘するものではありません。本レポート中の日本電気株 式会社についての記述は、情報及び背景の提供のみを目的としています。 19 お取引にあたっての手数料等およびリスクについて 手数料等およびリスクについて ● 株式等の売買等にあたっては、「ダイワ・コンサルティング」コースの店舗(支店担当者)経由で国内委託取引を行う場合、約定代金に対して最 大1.20750%(但し、最低2,625円)の委託手数料(税込)が必要となります。また、外国株式等の外国取引にあたっては、現地諸費用等を別途い ただくことがあります。 ● 株式等の売買等にあたっては、価格等の変動による損失が生じるおそれがあります。また、外国株式等の売買等にあたっては価格変動のほかに為 替相場の変動等による損失が生じるおそれがあります。 ● 信用取引を行うにあたっては、売買代金の30%以上で、かつ30万円以上の委託保証金が事前に必要です。信用取引は、少額の委託保証金で多額の 取引を行うことができることから、損失の額が差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。 ● 債券を当社との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。円貨建て債券は、金利水準の変動 等により価格が上下し、損失を生じるおそれがあります。外貨建て債券は、金利水準の変動に加え、為替相場の変動等により損失が生じるおそれ があります。また、債券の発行者または元利金の支払いを保証する者の財務状況等の変化、およびそれらに関する外部評価の変化等により、損失 を生じるおそれがあります。 ● 投資信託をお取引していただく際に、銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸経費、等をご負担いただきます。また、各商品等に は価格の変動等による損失を生じるおそれがあります。 ご投資にあたっての留意点 ● 取引コースや商品毎に手数料等およびリスクは異なりますので、上場有価証券等書面、契約締結前交付書面、目論見書、等をよくお読みください。 ● 外国株式、外国債券の銘柄には、我が国の金融商品取引法に基づく企業内容の開示が行われていないものもあります。 商号等 :大和証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第108号 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 20
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